JP2015067302A - 放射線滅菌処理用包装材料及びそれよりなる包装体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 少なくとも基材層とヒートシール層とを有する積層体からなる放射線滅菌処理用包装材料であって、該ヒートシール層が、臭気吸着性ヒートシール層と、最内層となる易剥離性ヒートシール層とを有し、該臭気吸着性ヒートシール層が、臭気吸着剤を含有するヒートシール性樹脂からなることを特徴とする放射線滅菌処理用包装材料、及びそれよりなる包装体。
【選択図】 図1
Description
しかしながら、これらの積層体は、同時に酸素吸収層を有するものであり、臭気吸着性層は、酸素吸収層が酸素を吸収する過程で発生する、該酸素吸収層からの臭気を吸着することを目的として設けられている。
また、臭気吸着性層と酸素吸収層とを有する積層体からなる包装体は、原料コストが高く、生産性が悪いため製造コストがかかるという問題点がある。
以上の内容から、長期にわたって効果的に消臭することができ、且つ、低コストで製造可能な包装体が求められている。
(1) 少なくとも基材層とヒートシール層とを有する積層体からなる放射線滅菌処理用包装材料であって、該ヒートシール層が、臭気吸着性ヒートシール層と、最内層となる易剥離性ヒートシール層とを有し、該臭気吸着性ヒートシール層が、臭気吸着剤を含有するヒートシール性樹脂からなることを特徴とする放射線滅菌処理用包装材料。
(2) 前記臭気吸着性ヒートシール層が、前記臭気吸着剤を0.2〜30質量%の範囲で含有することを特徴とする、上記(1)に記載の放射線滅菌処理用包装材料。
(3) 前記臭気吸着剤が、無機多孔体上に化学吸着剤を担持させてなる臭気吸着剤であることを特徴とする、上記(1)または(2)に記載の放射線滅菌処理用包装材料。
(4) 前記滅菌処理が、電子線滅菌処理またはγ線滅菌処理であることを特徴とする、
上記(1)〜(3)のいずれかに記載の放射線滅菌処理用包装材料。
(5) 上記(1)〜(4)のいずれかに記載の放射線滅菌処理用包装材料から形成される放射線滅菌処理用包装体。
また、本発明の放射線滅菌処理用包装材料は、酸素吸収層を有しない。したがって、長期にわたり効率的に臭気を吸着することができる。
さらに、本発明の放射線滅菌処理用包装材料は、臭気吸着性ヒートシール層と易剥離性ヒートシール層とからなるヒートシール層を有するため、製造工程数が低減され、生産性に優れる。
<本発明の放射線滅菌処理用包装材料の層構成>
図1は、本発明の放射線滅菌処理用包装材料の層構成について、その一例を示す概略的断面図である。図1に示されるように、本発明の放射線滅菌処理用包装材料は、少なくとも、基材層1と、ヒートシール層2とを、場合により接着層を介して積層してなるものである。該ヒートシール層2は、臭気吸着性ヒートシール層2aと、最内層となる易剥離性ヒートシール層2bとを有する。
またさらに、図示しないが、臭気吸着性ヒートシール層2aと易剥離性ヒートシール層2bとは1層からなってもよく、すなわち、ヒートシール層2が、易剥離性を示し且つ臭気吸着剤を含有するものであってもよい。
本発明において、基材層は、包装する内容物の種類や、物流において要求される機械的強度、耐薬品性、耐溶剤性、製造性等に応じて、種々の材料が適用できる。例えば、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、環状ポリオレフィン系樹脂、フッ素系樹脂、ポリスチレン系樹脂、アクリロニトリル−スチレン共重合体(AS樹脂)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)、ポリ塩化ビニル系樹脂、フッ素系樹脂、ポリ(メタ)アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエチレンテレフタレー
ト(PET)、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル系樹脂、各種のナイロン等のポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリアミドイミド系樹脂、ポリアリールフタレート系樹脂、シリコーン系樹脂、ポリスルホン系樹脂、ポリフェニレンスルフィド系樹脂、ポリエーテルスルホン系樹脂、ポリウレタン系樹脂、アセタール系樹脂、セルロース系樹脂等の各種の樹脂からなるフィルムを使用することができる。特に本発明においては、放射線に対する安定性等の観点から、ポリプロピレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、または、ポリアミド系樹脂からなるフィルムが好ましい。
本発明において、ヒートシール層は、臭気吸着性ヒートシール層と、最内層となる易剥離性ヒートシール層とからなる。ここで、該臭気吸着性ヒートシール層は、臭気吸着剤を含有するヒートシール性樹脂からなる。
ここで、臭気吸着剤は、滅菌処理時に包装体から発生する臭気物質に対し、吸着機能を有するものであり、無機多孔体に化学吸着剤を担持させてなる。担持方法としては、公知または慣用の担持方法を適用することができるが、例えば、以下で説明する化学吸着剤を含有する溶液を、無機多孔体に含浸させて、乾燥することにより、担持させることができる。
本発明の臭気吸着性ヒートシール層において、化学吸着剤を無機多孔体に担持させて用いることにより、化学吸着剤の質量当たりの臭気吸着能を、大幅に高めることができる。したがって、ヒートシール性樹脂中への化学吸着剤の添加量を減らすことができ、少量でも効果的な消臭効果を有することができる。
本発明において、無機多孔体としては、その表面に多数の細孔を有する任意の無機化合物を用いることができるが、例えば、ゼオライト、二酸化ケイ素、ケイ酸アルミニウムやケイ酸マグネシウムなどのケイ酸塩、活性炭、チタニア、リン酸カルシウム等の無機リン酸塩、層状リン酸塩、アルミナ、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、及びこれらの混合物が挙げられる。特に、吸着対象物の大きさに対して有効な多孔状態を有することや安全面の観点から水酸化アルミニウム、ゼオライト、ケイ酸塩、リン酸塩を適用することが好ましい。これらは、球状、棒状、楕円状等の任意の外径形状であってよく、また粉体状、塊状、粒状等いかなる形態であってもよいが、臭気吸着層の製膜性や、ヒートシール性樹脂への均一な混練特性等の観点から、好適には粉体状である。
無機多孔体は、用途に応じて、任意のサイズを有するものを適宜に選択することができるが、本発明においては特に、平均粒子径0.01〜10μmのものが好ましい。平均粒子径0.01μm以下では、無機多孔体の凝集が生じ、ヒートシール性樹脂内での無機多
孔体の分散性が抑制される傾向にあり、また、平均粒子径10μm以上では、ヒートシール性樹脂の製膜性並びにヒートシール性樹脂内での臭気吸着層の添加量を多く出来ない傾向となり、十分な消臭効果がえられない可能性が生じる。ここで、平均粒子径は、動的光散乱法により測定された値である。
本発明において、化学吸着剤とは、滅菌処理時に樹脂の分解等により発生する臭気物質と、化学反応を起こして結合する反応性官能基を有し、且つ、上記無機多孔体上に担持され得る化合物である。より具体的には、電子線やγ線等の放射線を樹脂に照射した際に生じる種々のアルデヒドや、カルボン酸類、硫化水素、メルカプタン類等の酸性物質と結合する反応性官能基を有する化合物である。
アルデヒド捕捉剤のアルデヒドに対する捕捉機構は、アルデヒド基とアミノ基とが化学反応を起こして結合し、アルデヒドが吸着される。
本発明において、臭気吸着性ヒートシール層を形成するヒートシール性樹脂は、特に制限されず、公知又は市販のヒートシール性を有するポリオレフィン系樹脂を用いることができる。
このようなポリオレフィン系樹脂としては、低密度ポリエチレン(LDPE)、中密度
ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状(線状)低密度ポリエチレン(LLDPE)等のポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−メチルメタクリル酸共重合体、エチレン−プロピレン共重合体、メチルペンテンポリマー、酸変性ポリオレフィン系樹脂、及びこれらの樹脂の混合物等が挙げられるが、これらの樹脂に限定されない。また、酸化防止剤やアンチブロック剤等の何れかが添加剤として、フィルム内に少量存在するものも適用できる。特に、臭気吸着剤を含有する状態で優れたヒートシール性及び臭気吸着性を発揮するため、LDPE、LLDPE、ポリプロピレン等を用いることが好ましい。
本発明の臭気吸着性ヒートシール層において、臭気吸着剤は、該層中に均一に分散していてもよい。また、例えば、易剥離性ヒートシール層側の表面から基材層との対向面に向かって、減少傾向の濃度勾配をもって分散していてもよく、この構成により、層間接着強度が向上する。
また別の態様において、臭気吸着性ヒートシール層は、2またはそれ以上の層を有する多層構成であり、ここで、各層は、臭気吸着剤の添加量がそれぞれ異なる樹脂組成物からなってよい。この構成において、臭気吸着剤を含有せず、ヒートシール性樹脂のみからなる層があってもよい。
臭気吸着剤をヒートシール性樹脂中に混練する方法としては、公知または慣用の混練方法を適用することができる。例えば、ヒートシール性樹脂中に臭気吸着剤を分散させてペレット状のマスターバッチを作製し、これを、再度ヒートシール性樹脂中に分散させる、いわゆるマスターバッチ式のブレンド方法により、凝集し易い臭気吸着剤であっても、均質に分散させることができる。
0g/10minである。MFRが0.2g/10min未満、又は5.0g/10min以上では加工適正の面で有効ではない。なお、本明細書において、MFRとはJIS K7210に準拠した手法から測定された値である。
本発明において、易剥離層を構成する樹脂は、ポリエチレン系フィルム並びにポリエチレン系化学繊維不織布及び織布に対して易剥離性を有するものであれば特に制限されず、公知又は市販のヒートシール性樹脂を用いることができる。例えば、LDPE、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、LLDPE等のポリエチレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、ポリプロピレン、プロピレンエラストマー、 エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−メチルメタクリル酸共重合体、エチレン−プロピレン共重合体、メチルペンテンポリマー、酸変性ポリオレフィン系樹脂等が挙げられ、これらに限定されない。特に、優れたヒートシール性と易剥離性を発揮するために、ポリエチレンと1−ブテンやポリエチレンとポリプロピレン等の様に、互いに非相溶性または低溶性の2またはそれ以上の樹脂を含む樹脂組成物を適用することが好ましい。各樹脂の混合比は、所望の易剥離効果やシール強度に応じて、当業者が適宜に決定することができる。このような樹脂組成物を用いることにより、シール部と非シール部を海島状に形成でき、良好な易剥離性を発現させることが可能となる。また、アンチブロッキング剤等の慣用の添加剤をヒートシール性樹脂に混練することによっても易剥離性を発現させることができる。好適に使用されるアンチブロッキング剤としては、合成ゼオライト、合成シリカ、天然ゼオライト、天然シリカ等が挙げられる。また、アンチブロッキング剤の添加量は、所望の易剥離効果やシール強度に応じて、当業者が適宜に決定することができるが、例えば易剥離性ヒートシール層を形成する樹脂組成物全質量に対して0.5〜15質量%である。
本発明において、放射線滅菌処理用包装材料は、上記の基材層と、上記のヒートシール層とを有する積層体からなる。
本発明の一態様において、基材層とヒートシール層との間に、さらなる機能性フィルム、例えばガスバリア性フィルムを積層してもよい。
本発明の一態様において、接着層は、ドライラミネート用接着剤、ノンソルベントラミネート用接着剤等からなる層であってよい。
接着層としてドライラミネート用接着剤を用いる場合は、溶媒へ分散または溶解した接着剤を一方のフィルム上に塗布し乾燥させて、もう一方のフィルムを重ねて積層した後に、30〜120℃で数時間〜数日間エージングすることで、接着剤を硬化させて積層する。
ノンソルベントラミネート用接着剤を用いる場合は、溶媒へ分散または溶解せずに接着剤自身をフィルム上に塗布し乾燥させて、もう一方のフィルムを重ねて積層した後に、30〜120℃で数時間〜数日間エージングすることで、接着剤を硬化させて積層する。
本発明のさらに別の態様において、各層の積層は、場合によりアンカーコート剤等の接着層を介して、エクストルージョンコーティングにより行ってもよい。ここで、好適なアンカーコート剤としては、例えば、有機チタン系、イソシアネート系、ポリエチレンイミン系、酸変性ポリエチレン系、ポリブタジエン系等のアンカーコート剤を使用することができる。
上記積層体からなる本発明の放射線滅菌処理用包装材料は、電子線やγ線等の放射線による滅菌処理が施される包装のために有効に用いられる。特に、充填後に滅菌処理が必要であり、さらに臭気がないことが望まれる種々の食品、医薬品、医療用器具等の包装体として好適に使用される。
本発明の放射線滅菌処理用包装材料からなる包装体は、ヒートシール層側の面が対向するように、包装材料を折り曲げるかまたは2枚を重ね合せ、その周辺端部を例えば、側面シール型、二方シール型、三方シール型、四方シール型、封筒貼りシール型、合掌貼りシ
ール型(ピローシール型)、ひだ付シール型、平底シール型、角底シール型、ガゼット型等のヒートシール形態によりヒートシールすることにより製造することができる。または、本発明の放射線滅菌処理用包装材料を、そのヒートシール層側の面が、異種の包装材料、例えばポリエチレン系フィルム、ポリエチレン系化学繊維不織布または織布等の包装材料と対向するように重ね合せ、その周辺端部を上記と同様にヒートシールすることにより、製造してもよい。
このようにして得られる包装体に、内容物を充填後、慣用の殺菌用電子線、γ線等の放射線を照射することにより、滅菌処理を施すことができる。本発明の放射線滅菌処理用包装材料は、放射線の照射により発生する臭気を、臭気吸着層が効率よく捕獲する。したがって、包装体内に臭気を移行させることなく、内容物の殺菌のために十分量の放射線を照射することができる。
二酸化ケイ素上にポリアミン由来のアミノ基を担持させてなる臭気吸着剤(NS−241:東亞合成(株)製、平均粒径3.5μm)と、LLDPE(SP2020:(株)プライムポリマー社製)とを混練して、臭気吸着剤10質量%を含む臭気吸着性ヒートシール層用樹脂組成物を調製した。この臭気吸着性ヒートシール層用樹脂組成物、LLDPE(SP2020:(株)プライムポリマー社製)、及び易剥離性ヒートシール層用樹脂組成物としてポリエチレン系樹脂中に合成ゼオライト10質量%を含有する樹脂組成物(住友化学(株)製、EMB−21)を、インフレーション法(押出し温度170℃)により共押出製膜し、LLDPE25μm/臭気吸着性ヒートシール層25μm/易剥離性ヒートシール層5μmの積層フィルムを得た。
得られた積層体の易剥離性ヒートシール層側とポリエチレン系繊維不織布(デュポン社、タイベック)とを重ね合せ、その周辺端部を130℃、1kgf/cm2、1秒の条件でヒートシールすることにより、本発明の放射線滅菌処理用包装体を製造した。
二酸化ケイ素上にポリアミン由来のアミノ基を担持させてなる臭気吸着剤(NS−241:東亞合成(株)製、平均粒径3.5μm)と、LLDPE(SP2020:(株)プライムポリマー社製)とを混練して、臭気吸着剤10質量%を含む臭気吸着性ヒートシール層用樹脂組成物を調製した。
また、LDPE(プライムポリマー社製エボリューSP1085:密度=0.919g/cm3、MFR(190℃)=8.0g/min)60質量部と、プロピレンエラストマー(ダウケミカル社製バーシファイV2200:密度=0.888g/cm3、MFR(230℃)=8.0g/10min)40質量部を十分に混錬し、易剥離性ヒートシール層用樹脂組成物を調整した。
上記樹脂組成物とLLDPE(SP2020:(株)プライムポリマー社製)とを用いて、インフレーション法(押出し温度170℃)により共押出製膜し、LLDPE25μ
m/臭気吸着性ヒートシール層25μm/易剥離性ヒートシール層10μmの積層フィルムを得た。
得られた積層体の易剥離性ヒートシール層側とポリエチレン系繊維不織布(デュポン社、タイベック)とを重ね合せ、その周辺端部を130℃、1kgf/cm2、1秒の条件でヒートシールすることにより、本発明の放射線滅菌処理用包装体を製造した。
二酸化ケイ素上にポリアミン由来のアミノ基を担持させてなる臭気吸着剤(NS−241:東亞合成(株)製、平均粒径3.5μm)と、LLDPE(SP2020:(株)プライムポリマー社製)とを混練して、臭気吸着剤10質量%を含む臭気吸着性ヒートシール層用樹脂組成物を調製した。
上記臭気吸着性ヒートシール層用樹脂組成物、LLDPE(SP2020:(株)プライムポリマー社製)、及び易剥離性ヒートシール層用樹脂組成物(VMX−Y80F:ジェイフィルム(株)製、ポリエチレンとポリプロピレンのポリマーアロイ)を用いて、キャスト法(押出し温度220℃)により押出製膜し、LLDPE25μm/臭気吸着性ヒートシール層25μm/易剥離性ヒートシール層10μmの積層フィルムを得た。
得られた積層体の易剥離性ヒートシール層側とポリエチレン系繊維不織布(デュポン社、タイベック)とを重ね合せ、その周辺端部を130℃、1kgf/cm2、1秒の条件でヒートシールすることにより、本発明の放射線滅菌処理用包装体を製造した。
NS−241の代わりにケイ酸塩系無機多孔体上にヒドラジン誘導体由来のアミノ基を担持させてなる臭気吸着剤(ダッシュライトM:(株)シナネンゼオミック製、平均粒径6〜7μm)を用いた以外は、実施例3と同様にして、本発明の放射線滅菌処理用包装材料、及び放射線滅菌処理包装体を製造した。
易剥離性ヒートシール層を設ける代わりに、LLDPE(SP2020:(株)プライムポリマー社製)からなる層を同様に形成した以外は、実施例2と同様にして、放射線滅菌処理用包装材料及びそれよりなる放射線滅菌処理用包装体を製造した。
LLDPE25μm/臭気吸着性ヒートシール層25μm/易剥離性ヒートシール層10μmの積層フィルムの代わりに、同じ膜厚のLLDPEフィルム(SP2020:(株)プライムポリマー社製)を用いた以外は、実施例2と同様にして、放射線滅菌処理用包装材料及びそれよりなる放射線滅菌処理用包装体を製造した。
実施例及び比較例で作製した放射線滅菌処理用包装材料を、それぞれ10cm×10cmに切り分け、そのヒートシール面をポリエチレン系繊維不織布(タイベック、デュポン社)と重ね合せ、ヒートシールテスター(テスター産業:TP−701−A)を用いて、130℃、1kgf/cm2、1秒の条件で1cm×10cmの領域をヒートシールしたサンプルを作製した(端部はヒートシールされずに接着しておらず、二股に分かれている状態)。このサンプルを、1.5cm幅で短冊状に切り、二股に分かれている各端部を引張試験機に装着し、試験速度:300mm/min、荷重レンジ:50Nの条件で試験した際の引張強度(N/15mm)を測定した。評価結果を表1に示す。
10cm×10cmに切り分けた実施例及び比較例で作製した放射線滅菌処理用包装材料2枚を、パウチ袋内(寸法:120mm×160mm、層構成:PET12μm/アルミニウム箔20μm/LDPE50μm)に入れ、電子線照射(50kGy、加速電圧250kV、電流:2.3mA)の滅菌処理を行い、1日放置後のパウチ内の臭気変化を官能評価により測定した。官能評価の評価基準は、「1=強い臭気を感じる」、「2=臭気を感じる」、「3=弱い臭気を感じる」、「4=全く臭いがしない」。評価結果を表1に示す。
2.ヒートシール層
2a.臭気吸着性ヒートシール層
2b.易剥離性ヒートシール層
3.機能性フィルム
Claims (5)
- 少なくとも基材層とヒートシール層とを有する積層体からなる放射線滅菌処理用包装材料であって、該ヒートシール層が、臭気吸着性ヒートシール層と、最内層となる易剥離性ヒートシール層とを有し、該臭気吸着性ヒートシール層が、臭気吸着剤を含有するヒートシール性樹脂からなることを特徴とする放射線滅菌処理用包装材料。
- 前記臭気吸着性ヒートシール層が、前記臭気吸着剤を0.2〜30質量%の範囲で含有することを特徴とする、請求項1に記載の放射線滅菌処理用包装材料。
- 前記臭気吸着剤が、無機多孔体上に化学吸着剤を担持させてなる臭気吸着剤であることを特徴とする、請求項1または2に記載の放射線滅菌処理用包装材料。
- 前記滅菌処理が、電子線滅菌処理またはγ線滅菌処理であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の放射線滅菌処理用包装材料。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載の放射線滅菌処理用包装材料から形成される放射線滅菌処理用包装体。
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