JP2006116865A - 包装用フィルム及び包装袋 - Google Patents

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博 齊藤
Koji Kubo
幸治 久保
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Abstract

【課題】 放射線を照射しても強度劣化、変色、臭気の発生等を引き起こすことなく、また、シール強度や突刺し強度が高く、ガス(酸素)や水蒸気を遮断するバリア性に優れ、所定の強度や物性を維持することのできる包装用フィルム及び包装袋を提供することを目的とする。
【解決手段】基材層とシーラント層の少なくとも2層を含んで成ると共に、
前記基材層は、二軸延伸ポリエステル系樹脂フィルム、二軸延伸ポリオレフィン系樹脂フィルム、二軸延伸ポリアミド系樹脂フィルムの少なくとも一から成り、
前記シーラント層は、無延伸ポリオレフィン系樹脂フィルムから成り、
各層をエポキシ系化合物を含まない脂肪族系ポリエステル−ポリウレタン樹脂系接着剤層を用いてドライラミネート法にて積層して成ることを特徴とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、合成樹脂フィルムを積層して成る包装用フィルム及び包装袋に関し、より詳細には、医療用具、理化学用品等の各種製品に電子線又はガンマ線等の放射線を照射して滅菌したり、又は、前記放射線を照射することによって材質が改質、改良される製品に対して放射線を照射する際に、該製品を包装する包装材として使用でき、これらの製品を包装した状態で、放射線を照射することが可能な耐放射線性を有する包装用フィルム、及び該包装用フィルムから成る包装袋に関する。
医療用具、理化学用品等、保存や保管にあたって衛生面上の品質保持が必要とされる各種製品及びこれを包装する包装材については一般に滅菌処理が施されており、該滅菌方法としては例えば熱処理や化学薬品処理等を使用することができるが、被処理物となる製品や包装材の材質によっては熱や薬品により収縮変形や硬化等の品質破壊を引き起こすおそれがあることから、このような被処理物に対してはEOG(エチレンオキサイドガス)を用いたガス処理による滅菌等が行なわれる場合もある。
前記EOGを用いた滅菌処理によれば、滅菌対象となる被処理物の材質の適用範囲が広く、品質の劣化等を引き起こすことなく各種製品を滅菌処理することができる。
しかし前記EOGは物質透過性がなく、該ガスとの直接的な接触によって滅菌を行なうことから、包装袋内部に被処理物である製品を収容して密封した状態ではその製品の滅菌を行なうことはできず、したがって、前記EOGによる滅菌の際に前記製品を包装する包装袋は、表面に合成樹脂を使用した場合であっても裏面は合成紙を使用するなど、ガス透過性を有している必要がある。
また、滅菌処理に10数時間といった長時間を要することからバッチ処理となるため、処理効率が悪く、滅菌処理後はエアレーションにより製品表面のEOGを除去する作業が必要となり、滅菌処理工程が煩雑となる。
さらに、前記EOGは人体に悪影響を及ぼすおそれがあると報告されたこともあり、環境汚染の原因となるおそれも高いこと等から、その使用に関する規制は強化されつつある。
そこで、近年、ガンマ線、電子線といった電離放射線を照射することによって滅菌する放射線滅菌法が使用されている。
前記ガンマ線は放射線同位元素から放出されるX線よりも波長の短い電磁波で、線源としては例えばコバルト60等が使用される。また、前記電子線は、電子加速器によって熱電子に高電圧をかけて加速することで発生する。このような放射線を照射すると、微生物の生命維持に必要な細胞中の核酸(DNA)やたんぱく質が、放射線の電離作用により損傷・変形等するため滅菌できるものと考えられる。
前記放射線滅菌法によれば、低温下で滅菌でき、また、該放射線は物質透過性を有することから製品を包装袋にて密封包装した状態においても前記製品及び包装袋を容易かつ効果的に滅菌することができる。
また、処理時間が電子線の場合には数秒から数分、ガンマ線の場合であっても数時間程度と前記EOGと比較して短く、連続処理が可能であることから処理効率が良く、前述のようなエアレーション等の後処理も不要であり、処理工程を簡潔なものとすることができる。
しかし、前述の放射線滅菌法により滅菌を行なう場合には、被処理物が前記放射線の照射によって変質や品質劣化等を生じない材質に限られるほか、前記製品を包装する包装袋についても変質等を引き起こさないよう耐放射線性を有している必要があるところ、該包装袋を成す従来の包装材は、耐放射線性が考慮されておらず、ガンマ線や電子線を照射すると強度が劣化したり、黄変等の変色を引き起こしたり、臭気を発する等の問題があった。
すなわち、放射線照射により包装材の強度が劣化してしまうと、滅菌処理後、包装袋の内部に収容された製品の品質や滅菌状態を使用するまで維持できないおそれがある。また、包装材が変色を引き起こした場合には、内部に収容された製品の見栄えが悪くなり、包装袋が臭気を発生する場合には、前記製品に臭気が移るおそれがある。このような問題から、放射線滅菌法は敬遠され、個別包装用の製品等にあっては上述するような滅菌法から放射線滅菌法に切り換えられないでいた。
ここで、放射線照射による強度の劣化や変色等を低減させる合成樹脂としては、下記に示すようなポリプロピレン組成物が開示されている(特許文献1,2)。
本発明の先行技術文献としては、下記のものを挙げることができる。
特開平5−209095号公報 特開平7−149967号公報
前記特許文献1,2に記載のポリプロピレン組成物は、放射線照射による上述するような強度の劣化や変色を防ぐことができるため、このポリプロピレン組成物を包装材として使用することが考えられる。
しかし、前記ポリプロピレン組成物から成膜されたフィルムだけでは、包装材としては不十分であり、密封するためのシールがしづらい、突刺し強度が低く突起物によるピンホールが発生し易い、酸素バリア性が低い等の問題点があった。
そこで、本発明は、放射線滅菌処理を施したり放射線による改質を行う等のために、放射線を照射した場合であっても強度劣化、変色、臭気の発生等の変質を引き起こすことなく、また、シール強度や突刺し強度が高く、ガス(酸素)や水蒸気を遮断するバリア性に優れ、所定の強度や物性を維持することのできる包装用フィルム及び該包装用フィルムから成る包装袋を提供することを目的とする。
上記目的を達成すべく、本発明の耐放射線性を有する包装用フィルムは、
基材層とシーラント層の少なくとも2層を含んで成ると共に、
前記基材層は、延伸ポリエステル系樹脂フィルム、延伸ポリオレフィン系樹脂フィルム、延伸ポリアミド系樹脂フィルムの少なくとも一から成り、
前記シーラント層は、ポリオレフィン系樹脂フィルムから成り、
各層を、接着剤層を介して積層して成ることを特徴とする(請求項1)。
前記包装用フィルムは、前記基材層と前記シーラント層との間に中間層を設けることとしてもよく、この中間層としてエチレン−ビニルアルコール共重合体(請求項2)や、アルミニウム箔を使用することができ(請求項3)、各層を、接着剤層を介して積層することができる。
前記基材層及び前記シーラント層、また前記中間層を備える場合には前記中間層の各層を積層する前記接着剤層としては、例えばエポキシ系化合物を含まない脂肪族系ポリエステル−ポリウレタン樹脂系接着剤層を使用することができる(請求項4)。また、前記積層は、例えばドライラミネート法等によって行なうことができる。
前記基材層は、二軸延伸フィルムであることが好ましく、具体的には二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム、二軸延伸ポリプロピレンフィルム、二軸延伸ナイロンフィルムを使用することができる(請求項5)。
前記基材層に用いられるフィルムは、少なくとも一方の面、好ましくはシーラント層配置側の面にアルミニウム、酸化ケイ素又は酸化アルミを蒸着し、及び/又は無機物を含有したポリビニルアルコール及び/又はポリアクリル酸系ポリマーをコーティングして成り、酸素透過度が50ml/m2・24hrs・MPa以下であることが好ましい(請求項6)。
前記シーラント層としては、ポリプロピレンフィルム、直鎖状低密度ポリエチレンフィルムを使用することができ(請求項7)、これらは無延伸フィルムであることが好ましい。また、前記シーラント層に用いられる前記フィルムは、易剥離性を有することとしてもよい(請求項8)。
また、本発明の包装袋は、前記本発明の耐放射線性を有する包装用フィルムをヒートシールすることにより形成することができる(請求項9)。
前記本発明の包装用フィルムは耐放射線性を有することから、放射線を照射した場合でも、従来の包装材のように該放射線の照射によって強度が劣化したり、変色したり、臭気を発する等の問題がなく、放射線滅菌を行なった後も好適な品質を維持することができる。
また、前記包装用フィルムの前記シーラント層同士を重ね合わせ、ヒートシールを行なうことで、容易に袋体を形成することができ、この袋体を各種製品を収容するための包装袋として使用することができる。したがって、前記包装用フィルムから成る包装袋の内部に製品を収容した後、前記製品及び包装袋を放射線滅菌処理することができる。
また、本発明の前記包装用フィルムは、少なくとも基材層とシーラント層とを含む積層構造としていることから、突起物によるピンホールの発生を防ぐ突刺し強度等、強度面での向上等を図ることができる。
さらに、前記基材層に用いられるフィルムの少なくとも一方の面にアルミニウム、酸化ケイ素又は酸化アルミを蒸着し、又は無機物を含有したポリビニルアルコール及び/又はポリアクリル酸系ポリマーをコーティングして、酸素透過度を50ml/m2・24hrs・MPa以下とすることにより、良好なガス(酸素)バリア性を付与することができる。
前記包装用フィルムは前記基材層と前記シーラント層との間に中間層を設けることもでき、該中間層をエチレン−ビニルアルコール共重合体により形成すれば、ガス(酸素)・水蒸気等のバリア性を高めることができる。
前述のようにガスバリア性を有することにより、この包装用フィルムから成る包装袋にて製品を真空包装することができ、このように真空包装された状態で放射線を照射して所望の滅菌を行なうことができると共に、滅菌後も前記真空状態のまま製品を長期間にわたって保管することができる。
また、前記中間層をアルミニウム(Al)箔で形成することによって該包装用フィルムに前記バリア性の他に遮光性を付与することができ、この包装用フィルムから成る包装袋の内部に収容された製品を遮光状態で保管することができ、製品が外部から見えないようにすることができる。
さらに、前記基材層、中間層、シーラント層をそれぞれ相互に接着するために、エポキシ系化合物を含まない脂肪族系ポリエステル−ポリウレタン樹脂系接着剤を使用することにより、放射線照射後も良好なシール強度を保つ包装用フィルムを形成することができる。
以下、本発明の耐放射線性を有する包装用フィルム及び該包装用フィルムから成る包装袋につき説明する。
(1) 包装用フィルム
本発明の耐放射線性を有する包装用フィルムは、基材層、シーラント層、及び必要に応じて中間層を積層して成り、放射線照射による製品の滅菌や改質に使用可能な耐放射線性を有するものである。
照射される放射線の線量は、滅菌しようとする製品の種類、菌種、滅菌前の菌数、どの程度まで菌を減少させるか等、その放射線の照射目的により決まるが、例えば医療用具の滅菌を行なう場合にあっては通常15〜25KGy程度の線量で滅菌処理が行なわれるため、このような滅菌に用いられる本発明の包装用フィルムにあっては前述する程度の線量の放射線照射に耐え得る耐放射線性を備える等、前記照射目的に応じた耐放射線性を有していることが好ましい。
なお、前記各層の厚みは、一例として、基材層については5μm〜50μm、好ましくは8μm〜30μm、中間層については5μm〜30μm、好ましくは10μm〜25μm、シーラント層については10μm〜200μm、好ましくは30μm〜80μmとすることができる。
〔基材層〕
基材層は、前記包装用フィルムの基材となり、前記包装用フィルムを包装袋として使用する際、該包装袋の外層を成すもので、前記包装袋の内部に収容した製品を長期間にわたって好適な状態に保つべく、外部からの応力に対して耐久性等を有するよう、適度な強度を備えるほか、外部からの刺激によってピンホール等が発生することのないよう、突き刺し強度の高い材質を使用することが好ましい。
前記基材層を形成可能な材質としては、延伸ポリエステル系樹脂フィルム、延伸ポリオレフィン系樹脂フィルム、延伸ポリアミド系樹脂フィルムを挙げることができる。
これらの樹脂フィルムは二軸延伸フィルムであることが好ましく、二軸延伸ポリエステル系樹脂としては、ユニチカ(株)製「エンブレットPTM」等の二軸延伸ポリエチレンテレフタレート(PET)、二軸延伸ポリオレフィン系樹脂としては、東洋紡績(株)製「パイレンフィルムP2161」等の二軸延伸ポリプロピレン(OPP)、二軸延伸ポリアミド系樹脂としては、ユニチカ(株)製「エンブレム」等の二軸延伸ナイロンフィルム(ONY)を例示することができる。
また、前記PETフィルム、ONYフィルム等の前記基材層に用いられる樹脂フィルムは、バリア性(酸素・水蒸気遮断性)を有するものとしてもよく、このようなバリア性を付与するために、該フィルムの少なくとも一方の面、好ましくはシーラント層配置側の面に、アルミニウム、酸化ケイ素又は酸化アルミを蒸着したり、無機物を含有したポリビニルアルコール(PVA)及び/又はポリアクリル酸系ポリマーをコーティングすることができる。前記アルミニウム、酸化ケイ素、酸化アルミの蒸着と、前記無機物を含有したPVA、ポリアクリル酸系ポリマーのコーティングとは、どちらか一方を行なうこととしてもよいが、例えば、前記アルミニウム、酸化ケイ素、酸化アルミの蒸着を行なった上で、これにさらに前記無機物を含有したPVAやポリアクリル酸系ポリマーをコーティングすることとしてもよい。
このような蒸着やコーティングを行なうことにより、酸素透過度を50ml/m2・24hrs・MPa以下等とすることができ、良好なガスバリア性を備えることが可能となるため、本発明の包装用フィルムから成る包装袋の内部に製品を収容してこれを真空包装等して密封し、その上で放射線を照射することができる。
〔シーラント層〕
シーラント層は、包装用フィルムを包装袋として使用する際に該包装袋の内層を成すもので、前記包装袋の加工にあたってヒートシール層として機能する。
そのため、前記シーラント層は、ヒートシール適性を有し、かつヒートシール強度の高いものが好適であり、また、包装袋内部からの応力に対して耐久性を有するよう、適度な強度や突き刺し強度を備える材質を使用するものとする。
また、耐放射線性を備える観点から、放射線の照射による強度劣化、変色、臭気の発生を極力抑えたものを使用する。
前記シーラント層としては、ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィン系樹脂、特に、昭和電工プラスチックプロダクツ(株)製「アロマーXET20」等の無延伸ポリプロピレン(CPP)、昭和電工プラスチックプロダクツ(株)製「アロマーTP9」等の、ポリプロピレン(PP)を多層共押出して得られる易剥離性無延伸ポリプロピレン、積水フィルム(株)製「ラミロンMH」等の無延伸直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)等の耐放射線性を有する樹脂を使用することができる。
〔中間層〕
本発明の包装用フィルムは前記基材層及び前記シーラント層の2層を積層して構成することができるが、前記基材層と前記シーラント層の間にさらに中間層を備えるよう構成することとしてもよい。前記中間層の材質としては、高いバリア性を有するエチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)や、遮光性を有し包装袋として使用した場合に内容物が見えないようにすることのできるアルミニウム等を用いることができる。
〔製造方法〕
本発明の包装用フィルムは、前記基材層及び前記シーラント層、また前記中間層を備える場合には該中間層を、既知の積層方法である例えばドライラミネート加工法等を用いて積層することによって製造することができる。前記積層方法において使用する接着剤は、耐放射線性を有するものとすべく、放射線照射テストの結果から選択することができ、例えばエポキシ系化合物を含まない脂肪族ポリエステル−ポリウレタン系接着剤を用いることができる。芳香族PET樹脂系接着剤は放射線の照射により変色や強度の低下が生じるために使用に適さず、また、ポリエーテル樹脂系接着剤も使用に適さない。
(2)包装袋
前記本発明の包装用フィルムは包装材として使用でき、前記シーラント層が内側となるよう重ね合わせてヒートシールすることにより、所定形状、所定サイズの袋体に形成することができる。
前記ヒートシールによって袋体を形成する方法についても既知の各種方法、装置が使用可能であり、所定大きさに切断した前記包装用フィルムを2枚重ね合わせてヒートシールしたり、原反となる一連の前記包装用フィルムを折り返して重ね合わせた上でヒートシールするなどして形成することができる。
本発明の包装用フィルムにより形成された袋体は、製品を内部に収容して密閉保存等する包装袋として使用することができ、前記包装用フィルムが耐放射線性を有しており、放射線照射を行なっても変質や品質劣化を生じないことから、前記包装袋を放射線滅菌処理した後にその内部に製品を収容したり、前記包装袋に製品を収容した後に該包装袋及び該製品を共に放射線滅菌処理することが可能となる。
前記包装袋内部に収容する製品としては、医療用具、理化学用品、医薬品、化粧品、動物用飼料、食料等、保管や保存を行うにあたって滅菌処理することが必要な、あるいは滅菌処理された包装袋を使用することが必要な各種製品を挙げることができる。
下記の実施例1〜5及び比較例1〜3の包装用フィルムを用いて、本発明の包装用フィルムの耐放射線性について試験を行なった。
(実施例1)
基材層として二軸延伸PETフィルム(ユニチカ(株)製「エンブレットPTM」、厚さ12μm)、シーラント層としてCPPフィルム(昭和電工プラスチックプロダクツ(株)製「アロマーXET20」、厚さ60μm)を用い、これらをエポキシ系化合物を含まない脂肪族ポリエステル−ポリウレタン樹脂系接着剤を用いてドライラミネートして得た積層フィルム。
(実施例2)
基材層として実施例1と同様のPETフィルム(厚さ16μm)、シーラント層として易剥離性CPPフィルム(昭和電工プラスチックプロダクツ(株)製「アロマーTP9」、厚さ35μm)を用い、これらを実施例1と同様の脂肪族ポリエステル−ポリウレタン樹脂系接着剤を用いてドライラミネートして得た積層フィルム。
(実施例3)
基材層としてOPPフィルム(東洋紡績(株)のパイレンフィルムP2161、厚さ30μm)、シーラント層として実施例2と同様の易剥離性PPフィルム(厚さ35μm)を用い、これらを実施例1と同様の脂肪族ポリエステル−ポリウレタン樹脂系接着剤を用いてドライラミネートして得た積層フィルム。
(実施例4)
基材層として実施例1と同様のPETフィルム(厚さ12μm)、中間層としてAl箔(住経アルミ(株)製、厚さ7μm)、シーラント層として実施例1と同様のCPPフィルム(厚さ60μm)を用い、これらを実施例1と同様の脂肪族ポリエステル−ポリウレタン樹脂系接着剤を用いてドライラミネートして得た積層フィルム。
(実施例5)
基材層として実施例1と同様のPETフィルム(厚さ12μm)、シーラント層としてLLDPEフィルム(積水フィルム(株)製「ラミロンMH」、厚さ60μm)を用い、これらを実施例1と同様の脂肪族ポリエステル−ポリウレタン樹脂系接着剤を用いてドライラミネートして得た積層フィルム。
これらの実施例1〜5の構成をまとめると下記表1のようになる。なお、本発明の包装用フィルム及び包装袋はこれらの実施例に限定されるものではなく、本発明の目的の範囲において種々の変更が可能である。
Figure 2006116865
また、比較例として、下記の包装用フィルムを用いた。
(比較例1)
基材層として実施例1と同様の二軸延伸PETフィルム(厚さ12μm)、シーラント層として耐放射線性を有さない汎用のCPPフィルム(東洋紡績(株)製「パイレンP1120」、厚さ60μm)を用い、これを芳香族系ポリエステル−ポリウレタン樹脂系接着剤を用いてドライラミネートして得た積層フィルム。
(比較例2)
基材層として実施例3と同様のOPPフィルム(厚さ30μm)、シーラント層として耐放射線性を有さない汎用のCPPフィルム(東セロ(株)製「T.A.F.650C」、厚さ60μm)を用い、これを比較例1と同様の接着剤にてドライラミネートして得た積層フィルム。
(比較例3)
基材層として実施例1と同様の二軸延伸PETフィルム(厚さ16μm)、シーラント層として低密度ポリエチレンフィルム(住友化学工業(株)製「スミカセンf208-1」、厚さ60μm)を用い、これを比較例1と同様の接着剤にてドライラミネートして得た積層フィルム。
これら比較例1〜3の構成をまとめると以下のようになる。
Figure 2006116865
(1)放射線照射後の経時変化
実施例1〜4の包装用フィルムをそれぞれヒートシールして成る包装袋につき、BLANK(初期状態)、25kGy(放射線の線量が25kGyとなるまで照射した場合)、50kGy(放射線の線量が50kGyとなるまで照射した場合)のシール強度、1%SM(こしの強さ)、引張強度、引張伸度を、放射線照射後6ヶ月経過時と12ヶ月経過時についてそれぞれ測定した。
前記シール強度は、JIS Z 1707に基づき、前記包装袋の側部(サイド)、底部(底)又は頭部(頭)それぞれから切り取った試験片を300mm/minの速度でヒートシール部が破断するまで引っ張って、その間の最大荷重〔N〕を測定したものである。
前記1%SMは、出願人が独自の方法により測定したもので、MD方向にとった試験片、TD方向にとった試験片、それぞれを1%伸ばしたときにかかる力〔N〕を測定したものである。
前記引張強度は、JIS Z 1707に基づき、試験片として前記MD方向にとった試験片、TD方向にとった試験片それぞれを300mm/minの速度で該試験片が破断するまで引っ張って、その間の最大荷重〔N〕を試験片の幅15mmあたりいくつになるか測定したものである。
前記引張伸度は、前記引張強度の試験において試験片が破断した時点の標点間隔を測定し、これと試験前の標点間隔との比率〔%〕を計算したものである。
その結果、下記のような結果が得られた。なお、以下の数値は全て誤差範囲を±5%としている。
Figure 2006116865
Figure 2006116865
Figure 2006116865
Figure 2006116865
これらの結果より、本発明の包装用フィルムから成る包装袋は耐放射線性を有し、放射線の照射後もシール強度、こしの強さ、引張強度、引張伸度等を長期間にわたって良好に維持することができるといえる。
(2)放射線照射による品質劣化試験
前記実施例1〜5及び比較例1〜3それぞれの包装用フィルムをヒートシールして得られた包装袋に対して放射線を照射して、シール強度、変色、臭気の発生について調べた。
実施例1,4及び比較例1はシール温度を200℃、実施例2,3,5及び比較例2,3はシール温度を150℃とし、シール時間1秒、シール圧力0.1MPaでヒートシールした。
なお、実施例1〜4及び比較例1,2は、ガンマ線を未照射、25kGy照射50kGy照射の3パターンについて、実施例5及び比較例3は、電子線を未照射、100kGy照射、300kGy照射の3パターンについて試験を行なった。
その結果下記のようになった。下記の結果において、色の変化は目視にて確認したもので、◎は「変色は殆ど見られない」、○は「わずかに変色あり」、△は「ある程度の変色が認められる」の3段階にて評価した。また、臭気の発生は、官能評価とし、◎は「臭気は殆ど感じられない」、○は「わずかに臭気が感じられる」、△は「ある程度の臭気が感じられる」の3段階にて評価した。
Figure 2006116865
上記表7の結果より、比較例1についてはガンマ線照射後に明らかなシール強度の低下が見られ、色の変化及び臭気の発生も顕著に認められたのに対し、実施例1,4については僅かな臭気の発生が認められたものの、シール強度の低下、色の変化は殆ど見られなかった。したがって本発明の包装用フィルム及び包装袋は良好な耐放射線性を有することが確認された。
Figure 2006116865
また上記表8の結果より、比較例2は、ガンマ線照射後に架橋が進みシール強度が高くなる傾向にあり、易剥離性が失われるほか、色の変化、臭気の発生も顕著に認められる。一方、実施例2,3については、僅かな変化が認められる項目もあるものの、比較例2と比べて良好な耐放射線性を有することが確認された。
Figure 2006116865
上記表9の結果より、実施例5は比較例3と比べてシール強度を高く維持することができるほか、色の変化及び臭気の発生を抑えることができた。
以上より、本発明の包装用フィルムから成る包装袋は、これを単独で放射線滅菌したり、該包装袋に滅菌対象となる製品を収容した上で放射線滅菌すること等が可能であるといえる。

Claims (9)

  1. 基材層とシーラント層の少なくとも2層を含んで成ると共に、
    前記基材層は、延伸ポリエステル系樹脂フィルム、延伸ポリオレフィン系樹脂フィルム、延伸ポリアミド系樹脂フィルムの少なくとも一から成り、
    前記シーラント層は、ポリオレフィン系樹脂フィルムから成り、
    各層を、接着剤層を介して積層して成ることを特徴とする耐放射線性を有する包装用フィルム。
  2. 前記基材層と前記シーラント層との間に、エチレン−ビニルアルコール共重合体から成る中間層を備え、各層を、接着剤層を介して積層して成ることを特徴とする請求項1記載の耐放射線性を有する包装用フィルム。
  3. 前記基材層と前記シーラント層との間に、アルミニウム箔から成る中間層を備え、各層を、接着剤層を介して積層して成ることを特徴とする請求項1記載の耐放射線性を有する包装用フィルム。
  4. 前記接着剤層が、エポキシ系化合物を含まない脂肪族系ポリエステル−ポリウレタン樹脂系接着剤から成ることを特徴とする請求項1〜3いずれか1項記載の耐放射線性を有する包装用フィルム。
  5. 前記基材層が、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム、二軸延伸ポリプロピレンフィルム、二軸延伸ナイロンフィルムの少なくとも一から成ることを特徴とする請求項1〜4いずれか1項記載の耐放射線性を有する包装用フィルム。
  6. 前記基材層に用いられるフィルムが、少なくとも一方の面にアルミニウム、酸化ケイ素又は酸化アルミを蒸着し、及び/又は無機物を含有したポリビニルアルコール及び/又はポリアクリル酸系ポリマーをコーティングして成り、酸素透過度が50ml/m2・24hrs・MPa以下であることを特徴とする請求項1〜5いずれか1項に記載の耐放射線性を有する包装用フィルム。
  7. 前記シーラント層が、ポリプロピレンフィルム、直鎖状低密度ポリエチレンフィルムの少なくとも一から成ることを特徴とする請求項1〜6いずれか1項記載の耐放射線性を有する包装用フィルム。
  8. 前記シーラント層に用いられるフィルムが、易剥離性を有することを特徴とする請求項1〜7いずれか1項記載の耐放射線性を有する包装用フィルム。
  9. 請求項1〜8いずれか1項記載の包装用フィルムをヒートシールして成ることを特徴とする耐放射線性を有する包装袋。
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