JP2017055723A - 細胞培養容器用包装袋 - Google Patents

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Abstract

【課題】本開示によれば、過酸化水素バリア性が高く、過酸化水素の細胞や細胞塊の生産性への悪影響を抑制可能とする、細胞培養容器用包装袋を提供する。
【解決手段】本発明は、細胞培養容器2を封入するために用いる細胞培養容器用包装袋1であって、細胞培養容器を封入した細胞培養容器用包装袋を下記条件で処理した場合の、細胞培養容器に対する過酸化水素の吸着量が3ng/cm2未満である、細胞培養容器用包装袋である。上記処理では、常圧及び温度45℃に保持され、容積が170Lであり、前記細胞培養容器が封入された前記細胞培養容器用包装袋が収容された密閉空間内で、6質量%過酸化水素水溶液70mL全量を7分間の超音波振動の付与により気化して過酸化水素水蒸気とし、超音波振動の停止から90分以内に前記密閉空間内の過酸化水素濃度が1mg/L以下になるように、波長254nmの紫外線照射により過酸化水素を分解する。
【選択図】図1

Description

本開示は、細胞培養容器用包装袋、当該細胞培養容器用包装袋内に細胞培養容器を包装してなる包装体、当該包装体の製造方法、及び包装体の除染方法に関する。
ヒト胚性幹細胞(ヒトES細胞)やヒト多能性幹細胞(ヒトiPS細胞)等の幹細胞や細胞塊等の培養操作は、高度な無菌環境化で行われる。具体的には、例えば、アイソレーター内に包装された培養容器を入れた後、培養容器のアイソレーター内への投入に伴ってアイソレーター内に入りうる微生物等の汚染源を、過酸化水素ガス等の処理剤により除染する。その後、エアレーションを行い、アイソレーター内の過酸化水素濃度が所定の値以下となってから、培養容器を包装袋から取り出す。
特許文献1は、ES細胞やiPS細胞の培養に用いられる細胞培養容器の一例を開示している。
特開2015−065942号公報
しかし、除染中に培養容器を包む包材を透過し培養容器に吸着した過酸化水素が、培養容器に供給される培地に溶けだし、この培地中の過酸化水素が、細胞や細胞塊の成長に悪影響を与えることがあった。
そこで、本開示は、過酸化水素バリア性が高く、且つ、過酸化水素による細胞や細胞塊の生産性への悪影響を抑制可能とする、細胞培養容器用包装袋、当該細胞培養容器用包装袋内に培養容器を包装してなる包装体、当該包装体の製造方法を提供する。
本開示は、一又は複数の実施形態において、細胞培養容器を封入するために用いる細胞培養容器用包装袋であって、前記細胞培養容器を封入した前記細胞培養容器用包装袋を下記条件で処理した場合の、前記細胞培養容器に対する過酸化水素の吸着量が3ng/cm2未満である、細胞培養容器用包装袋に関する。上記処理では、常圧及び温度45℃に保持され、容積が170Lであり、前記細胞培養容器を封入した前記細胞培養容器用包装袋が収容された密閉空間内で、6質量%過酸化水素水溶液70mL全量を7分間の超音波振動の付与により気化して過酸化水素水蒸気とし、超音波振動の停止から90分以内に前記密閉空間内の過酸化水素濃度が1mg/L以下になるように、波長254nmの紫外線照射により過酸化水素を分解する。
本開示は、一又は複数の実施形態において、本開示の細胞培養容器用包装袋と、細胞培養容器用包装袋に封入された細胞培養容器とを含む、包装体に関する。
本開示は、一又は複数の実施形態において、本開示の細胞培養容器用包装袋内に細胞培養容器を封入する工程と、前記細胞培養容器が内部に封入された前記細胞培養容器用包装袋を放射線滅菌する滅菌工程を含む、包装体の製造方法に関する。
本開示によれば、過酸化水素バリア性が高く、過酸化水素の細胞や細胞塊の生産性への悪影響を抑制可能とする、細胞培養容器用包装袋、当該包装袋内に培養容器を包装してなる包装体、当該包装体の製造方法を提供できる。
図1は、本開示の細胞培養容器用包装袋の一例及び本開示の包装体の一例を示した平面概略図である。 図2は、本開示の細胞培養容器用包装袋の他の一例及び本開示の包装体の他の一例を示した平面概略図である。 図3は、本開示の細胞培養容器用包装袋の包材の一例を示した拡大断面図である。 図4は、本開示の細胞培養容器用包装袋の包材の他の一例を示した拡大断面図である。 図5は、本開示の細胞培養容器用包装袋の包材の他の一例を示した拡大断面図である。 図6は、本開示の細胞培養容器用包装袋の他の一例及び本開示の包装体の他の一例を示した平面概略図である。
本開示は、一態様において、細胞培養容器を封入するために用いる細胞培養容器用包装袋(以下「包装袋」と略称する場合もある。)であって、前記細胞培養容器を封入した包装袋を下記条件の処理の対象とした場合の、前記細胞培養容器に対する過酸化水素の吸着量が3ng/cm2未満である、包装袋に関する。前記細胞培養容器に対する過酸化水素の吸着量は、過酸化水素の細胞や細胞塊の生産性への悪影響を抑制する観点から、好ましくは1ng/cm2以下である。下記条件の処理を経た場合に、前記細胞培養容器に対する過酸化水素の吸着量が3ng/cm2未満となるような包装袋を用いて細胞培養容器を包装すれば、過酸化水素による、細胞や細胞塊の生産性への悪影響を抑制できる。
上記処理では、常圧及び温度45℃に保持され、容積が170Lであり、前記細胞培養容器を封入した包装袋が収容された密閉空間内で、6質量%過酸化水素水溶液70mL全量を7分間の超音波振動の付与により気化して過酸化水素水蒸気とすることにより、前記細胞培養容器を封入した包装袋を過酸化水素水蒸気に曝し、超音波振動の停止から90分以内に前記密閉空間内の過酸化水素濃度が1mg/L以下になるように、波長254nmの紫外線照射により過酸化水素を分解する。尚、常圧とは大気圧に等しい圧力をいい、ほぼ一気圧である。
本開示において、「細胞培養容器に対する過酸化水素の吸着量(ng/cm2)」は、前記処理の対象となった包装袋から細胞培養容器を取り出し、速やかに、細胞培養容器に吸着した過酸化水素を超純水に溶解させ、当該溶解液中の過酸化水素の濃度を測定し、当該濃度を単位面積当たりの吸着量に換算することにより得られる。溶解液中の過酸化水素の濃度は、酵素と発色剤が添加された前記溶解液の550nmの光の吸光度と予め作成された検量線とから決定する。酵素としては、例えば実施例に記載のペルオキシダーゼなどが挙げられ、発色剤としては、例えば、実施例に記載の4−アミノアンチピリン等が挙げられる。「細胞培養容器に対する過酸化水素の吸着量(ng/cm2)」の算出方法の詳細は、実施例に記載の通りである。
本開示の包装袋は、例えば、二つ折りの又は二枚に重ね合わされた包材の周囲のうちの二方又は三方にヒートシール部を設けるとともに一方に開口部を形成して製袋された軟質包装袋である。本開示の包装袋1は、包装袋を構成する包材の特性に応じて、細胞培養容器2を一重の包材で覆う一重包装袋であってもよいし(図1参照)、内袋1aと外袋2bとを含み、細胞培養容器2を二重の包材で覆う二重包装袋であってもよい(図2参照)。本開示の包装袋1が多重包装袋である場合、細胞培養容器を覆う包材は、二重に限定されず三重以上であってもよいが、開封の操作性及び開封操作時の塵芥の発生抑制の観点から、三重以下が好ましい。
本開示の包装袋内に、細胞培養容器を入れ、開口部をヒートシールすることにより、包装袋と当該包装袋に封入された細胞培養容器とを含む本開示の包装体の一例(図1参照)が得られる。本開示の包装袋が多重包装袋である場合、多重包装袋を構成する最も内側の袋内に細胞培養容器を入れ、当該袋の開口部をヒートシールして当該袋内に細胞培養容器を封入した後、内部に細胞培養容器を内包した当該袋を、多重包装袋を構成する他の袋内に封入し、これを、多重包装袋を構成する残り袋の数だけ繰り返すことにより、本開示の包装体の他の一例(図2参照)が得られる。本開示の包装袋及び本開示の包装袋を構成する各袋は、Vノッチ等の開封用切れ目を備えていてもよい。
本開示の包装袋内に封入される細胞培養容器、又は本開示の包装体を構成する細胞培養容器の形態について特に制限は無いが、例えば、シャーレ、複数のウェルを有する細胞培養容器等が挙げられる。本開示の包装袋は、種々の細胞培養容器の中でも、長期細胞培養が求められ過酸化水素による悪影響を受け易い、ヒト胚性幹細胞(ヒトES細胞)やヒト多能性幹細胞(ヒトiPS細胞)等の幹細胞やその培養塊を培養するための細胞培養容器の包装に好適である。
本開示の包装袋は、滅菌の対象とされるものであり、好ましくは放射性滅菌の対象とされ、より好ましくは電子線滅菌の対象とされる。
[包材]
本開示に係る包装袋の包材は、一又は複数の実施形態において、好ましくは、基材フィルムと前記基材フィルム41の一方の面側に設けられた無機薄膜層42と前記基材フィルム41の他方の面側に設けられたシーラント層43とを含む積層フィルムA(図3参照)、基材フィルム51と前記基材フィルム51の一方の面側に設けられたシーラント層52とを含む積層フィルムB(図4参照)、及び金属層61と前記金属層61の一方の面側に設けられたシーラント層62とを含む積層フィルムC(図5参照)から選ばれる少なくとも1種であるが、より好ましくは、包装袋内部の視認性が高い、積層フィルムA又は積層フィルムBであり、過酸化水素バリア性の向上の観点から積層フィルムA又は積層フィルムCであり、更に好ましくは、積層フィルムAである。
本開示に係る包装袋の包材の厚みは、強度保持の観点から、好ましくは10μm以上、より好ましくは30μm以上であり、耐屈曲性の観点から、好ましくは150μm以下、より好ましくは120μm以下である。
[積層フィルムA]
図3に示されるように、積層フィルムAは、例えば、基材フィルム41と前記基材フィルム41の一方の面側に設けられた無機薄膜層42と前記基材フィルム41の他方の面側に設けられたシーラント層43とを含む。
積層フィルムAを構成する基材フィルム41の具体例としては、ポリエチレン、ポリプロプレンなどのポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレート等のポリエステル、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン12等のポリアミド、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリカーボネート(PC)、ポリビニルブチラール、フッ素樹脂等を原料としたフィルムが挙げられる。これらの中でも、高い透明性及び低吸湿性の観点から、ポリエステルがより好ましく、ポリエチレンテレフタレートが更に好ましく、高い柔軟性の観点からはポリオレフィンが好ましい。また、基材フィルム41は、好ましくは上記樹脂を原料とするフィルムを2層以上積層させた多層フィルムであり、より好ましくはポリオレフィンフィルムの積層体である。
基材フィルム41は、従来公知の一般的な方法により製造することができる。基材フィルム41は、未延伸フィルム、1軸延伸フィルム又は2軸延伸フィルムのいずれでもよいが、高バリア性の観点から、好ましくは1軸延伸フィルム又は2軸延伸フィルム、更に好ましくは2軸延伸フィルムである。
基材フィルム41の厚さは、高い機械強度、高い可撓性、及び高い透明性の両立の観点から、好ましくは10〜150μm、より好ましくは10〜100μmである。
無機薄膜層42を構成する無機物質としては、珪素、アルミニウム、マグネシウム、亜鉛、錫、ニッケル、チタン等の酸化物、炭化物、窒化物等が挙げられるが、高い透明性、及び高い過酸化水素バリア性の観点から、好ましくは酸化珪素、炭化珪素、窒化珪素、酸化アルミニウム、炭化アルミニウム、及び窒化アルミニウムからなる群から選ばれる1種又は2種以上であり、更に好ましくは酸化珪素を含むものである。無機薄膜層42の形成方法としては、ガスバリア性の高い均一な薄膜を得る観点から蒸着法が好ましい。蒸着法としては、化学気相成長法(CVD法)、イオンプレーティング、スパッタリング等が挙げられる。
無機薄膜層42の厚さは、高いガスバリア性を得る観点から、好ましくは5nm以上、より好ましくは10nm以上であり、屈曲した際の破壊防止の観点から、好ましくは400nm以下、より好ましくは100nm以下である。
シーラント層43は、積層フィルムAの一方の最外層であり、熱によって溶融するヒートシール性樹脂層であり、ヒートシール層とも言う。シーラント層43は、具体的には、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレンーメタクリル酸共重合体等の樹脂フィルム等が挙げられる。シーラント層43の基材フィルム41への積層方法は、公知の押し出しラミネート法、ドライラミネート法等が採用される。
無機薄膜層42の密着性向上の観点から、無機薄膜層42が形成される下層の面、例えば、基材フィルム41の無機薄膜層42が形成されるべき面に、アンカーコート剤が塗布されていると好ましい。アンカーコート剤としては、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、エチレンビニルアルコール樹脂等を、単独又は2種以上混合して使用することができる。
前記無機薄膜層42の上には、トップコート層を形成してもよい。トップコート剤としては、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、エチレンビニルアルコール樹脂等を、単独又は2種以上混合して使用することができる。トップコート層44の形成方法は、公知の押し出しラミネート法、ドライラミネート法等が採用される。
積層フィルムAにおいて、シーラント層/基材フィルム/無機薄膜層の組み合わせは、高い透明性と高い過酸化水素のバリア性の両立の観点から、好ましくはポリエチレン/ポリエチレンテレフタレート/酸化珪素、ポリエチレン/ポリアミド/酸化珪素、ポリエチレン/ポリプロピレン/酸化珪素、ポリエチレン/ポリエチレンテレフタレート/酸化アルミニウム、ポリエチレン/ポリアミド/酸化アルミニウム、ポリエチレン/ポリプロピレン/酸化アルミニウムであり、より好ましくはポリエチレン/ポリエチレンテレフタレート/酸化珪素またはポリエチレン/ポリエチレンテレフタレート/酸化アルミニウムである。
JIS Z0222に基づいて、40℃、90%RH(相対湿度)で測定される、積層フィルムAの水蒸気透過度は、過酸化水素バリア性向上の観点から、小さければ小さいほど好ましいが、好ましくは0.2g/(m2・24hr)以下、より好ましくは0.1g/(m2・24hr)以下である。
JIS K7126−2に基づいて、25℃、80%RH(相対湿度)で測定される、積層フィルムAの酸素透過度は、過酸化水素バリア性向上の観点から、小さければ小さいほど好ましいが、好ましくは2.0ml/(m2・24hr・MPa)以下、より好ましくは1.5ml/(m2・24hr・MPa)以下である。
積層フィルムAを用いて形成される本開示の包装袋の形態は、一重包装袋であってもよいし、多重包装袋であってもよい。
[積層フィルムB]
図4に示されるように、積層フィルムBは、基材フィルム51と前記基材フィルムの一方の面側に設けられたシーラント層52とを含む。積層フィルムBを構成する基材フィルム51の原料、製法は、積層フィルムAを構成する基材フィルム41のそれと同じでよいが、積層フィルムBを構成する基材フィルム51の厚みは、包装袋の機械強度の観点から、好ましくは30〜150μm、より好ましくは50〜120μmである。積層フィルムBを構成する基材フィルム51には、包装袋の開封性の向上の観点から、公知の易裂加工が施されていると好ましい。
積層フィルムBを構成するシーラント層52の原料、製法及び厚みは、積層フィルムAを構成するシーラント層43のそれと同じでよい。
積層フィルムBの好ましい層構成(シーラント層/基材フィルム)は、過酸化水素バリア性向上の観点から、好ましくはヒートシール性ポリオレフィン樹脂/ポリエステル、ヒートシール性ポリオレフィン樹脂/ポリアミド/ポリオレフィン樹脂であり、より好ましくはポリエチレン/ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン/ナイロン/ポリエチレンであり、更に好ましくはポリエチレン/ナイロン/ポリエチレンである。また、過酸化水素バリア性向上及び包装袋の開封性の向上の観点から、好ましくはヒートシール性ポリオレフィン樹脂/易裂加工されたポリエステル、ヒートシール性ポリオレフィン樹脂/易裂加工されたポリアミド/ポリエチレンであり、より好ましくはポリエチレン/ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン/易裂加工されたナイロン/ポリエチレンであり、更に好ましくはヒートシール性ポリエチレン/易裂加工されたナイロン/ポリエチレンである。
JIS Z0222に基づいて、40℃、90%RH(相対湿度)の測定条件下で測定される、積層フィルムBの水蒸気透過度は、過酸化水素バリア性向上の観点から、小さければ小さいほど好ましいが、好ましくは10g/(m2・24hr)以下、より好ましくは5g/(m2・24hr)以下である。
JIS K7126−2に基づいて、25℃80%RH(相対湿度)の測定条件下で測定される、積層フィルムBの酸素透過度は、過酸化水素バリア性向上の観点から、小さければ小さいほど好ましいが、好ましくは10000ml/(m2・24hr・MPa)以下、より好ましくは5000ml/(m2・24hr・MPa)以下である。
積層フィルムBを用いて形成される本開示の包装袋の形態は、過酸化水素バリア性向上と包装体の取り扱い性向上の両立の観点から、好ましくは二重包装袋又は三重包装袋である。
[積層フィルムC]
図5に示されるように、積層フィルムCは、金属層61と前記金属層61の一方の面側に設けられたシーラント層62とを含む。金属層61は、金属箔又は金属蒸着層のいずれであってもよい。金属層61の形成方法は、従来公知の真空蒸着、スパッタリングや金属箔のラミネート等が挙げられる。金属層61の厚みは、過酸化水素バリア性向上及び包装袋の機械強度の観点から、好ましくは0.01〜50μm、より好ましくは0.1〜30μmである。
積層フィルムCを構成するシーラント層62の原料、製法及び厚みは、積層フィルムAを構成するシーラント層43のそれと同じでよい。
金属層61を構成する金属物質としては、例えば、銀、銅、アルミニウム、チタン、クロム、マンガン、鉄、ニッケル、亜鉛、及びステンレスからなる群から選ばれる1種又は2種以上が挙げられ、特に過酸化水素バリア性、入手容易性、価格等の観点からアルミニウムが好ましく用いられる。
前記金属層61の上には、トップコート層を形成してもよい。積層フィルムCを構成するトップコート層の原料、製法及び厚みは、積層フィルムAを構成するトップコート層のそれと同じでよい。
積層フィルムCの好ましい層構成は、過酸化水素バリア性向上の観点から、好ましくはヒートシール性ポリオレフィン樹脂/金属層/ポリオレフィン樹脂、ヒートシール性ポリオレフィン樹脂/金属層/ポリオレフィン樹脂/ポリアミド、より好ましくはヒートシール性ポリエチレン/アルミ層/ポリエチレン、ヒートシール性ポリエチレン/アルミ層/ポリエチレン/ナイロンである。
JIS Z0222に基づいて、40℃、90%RH(相対湿度)の測定条件下で測定される、積層フィルムCの水蒸気透過度は、過酸化水素バリア性向上の観点から、小さければ小さいほど好ましいが、好ましくは0.2g/(m2・24hr)以下、より好ましくは0.1g/(m2・24hr)以下である。
JIS K7126−2に基づいて、25℃、80%RH(相対湿度)の測定条件下で測定される、積層フィルムCの酸素透過度は、過酸化水素バリア性向上の観点から、小さければ小さいほど好ましいが、好ましくは2.0ml/(m2・24hr・MPa)以下、より好ましくは1.5ml/(m2・24hr・MPa)以下である。
積層フィルムCを用いて形成される本開示の包装袋の形態は、一重包装袋であってもよいし、多重包装袋であってもよい。
尚、本開示に係る包装袋の包材は、積層フィルムA、積層フィルムB、積層フィルムCに限定されない。本開示に係る包装袋の包材は、積層フィルムAを構成する層、積層フィルムBを構成する層、及び積層フィルムCを構成する層から選択される2層以上が積層された積層フィルムであってもよいし、例えば、ガスバリア性向上の観点から、無機薄膜と金属層の両方を含む積層フィルム、酸化珪素膜とアルミニウム層の両方を含む積層フィルムであってもよい。
また、本開示に係る包装袋の形態が多重包装袋である場合、各袋を構成する包材は、相互に同じであってもよいし異なっていてもよい。
また、図1及び図2を用いて説明した本開示の包装袋の形態は、平袋状であるが、本開示の包装袋の形態はマチ付き袋であってもよい。
本開示の包装袋又は本開示の包装体が、放射線滅菌、特にγ線滅菌される場合、本開示の包装袋又は本開示の包装体において、袋がガスバリア性が高い包材で形成されており、袋内にガス吸収体3(図6参照)を備えていると好ましい。
前記ガス吸収体が、細胞培養容器とともに包装袋内に封入されていると、γ線滅菌を行うことにより細胞培養容器から発生する酸化ガスが、ガス吸収体に吸収され、当該酸化ガスが細胞や細胞塊に及ぼす悪影響が低減される。本開示に係る包装袋の形態が多重包装袋である場合、ガス吸収体は、最も内側の袋内に封入されていると好ましい。尚、酸化ガスは、アルコール、アルデヒド、ケトン類、有機酸のいずれかを含んでいると推察される。
ガス吸収体の具体例は、例えば、前記酸化ガスの吸着剤(例えば、活性炭、ゼオライトなど)が混練された樹脂フィルムであるが、市販品としては、オージーキャッチ(登録商標、共同印刷(株)製)が挙げられる。
[滅菌]
本開示の包装体の一態様は、滅菌の対象とされるものであり、好ましくは放射性滅菌の対象とされ、酸化ガスの発生抑制の観点から、より好ましくは電子線滅菌の対象とされる。
放射線滅菌を行う場合の放射線の線量率は、包装袋及び培養用容器から発生する酸化ガスの量を抑制するという観点から、0.1kGy/hr以上、好ましくは1kGy/hr以上、より好ましくは10kGy/hr以上、更に好ましくは100kGy/hr以上であり、発熱抑制の観点から、好ましくは100MGy/hr以下、好ましくは10MGy/hr以下、更に好ましくは1MGy/hr(100kGy/h)以下である。電子線滅菌では、一般的に、放射線の線量率は、好ましくは100kGy/hr以上100MGy/hr以下であり、γ線滅菌では、一般的に、放射線の線量率は、好ましくは0.1kGy/hr以上100kGy/hr以下である。
放射線の照射線量は、包装体に要求される無菌性水準に応じて、JIS−T0806に記載のいずれかの方法によって決定される。尚、放射線の照射線量とは、包装体の累積放射線吸収線量を意味する。
細胞培養容器の材質は、特に制限されるものではないが、細胞培養容器をディスポーザルタイプとすることができ、かつ成形が容易である点から、樹脂が好ましい。樹脂としては、例えば、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂、エチレン-プロピレン共重合体等のポリオレフィン系樹脂または環状ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン系樹脂等のポリスチレン系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂等のメタクリル系樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリサルホン樹脂、ポリエーテルサルホン樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素系樹脂、ポリメチルペンテン樹脂、ポリアクリロニトリル等のアクリル系樹脂、プロピオネート樹脂等の繊維素系樹脂等が挙げられる。これらの中でも、細胞培養容器に求められる成形性、及び滅菌性の点から、ポリスチレン樹脂が好ましい。
細胞培養容器の形態について特に制限はなく、例えば、シャーレ(ディッシュ)、複数のウェルを含むマルチウェルプレート、フラスコ、チューブ等が挙げられるが、これらの中でも、バイオリアクターの生成または薬効や毒物の評価、人工臓器の開発研究等で用いられる、マルチウェルプレートやシャーレが好ましい。マルチウェルプレートは、上面に開口した複数の凹部を有する基板である。マルチウェルプレートにおけるウェルの数は特に制限されるものではないが、例えば、6、12、24、48、96、又は384個である。マルチウェルプレートとしては、例えば、特開2013−70636号公報、特開2012−210166号公報等に開示されたものであってもよい。
[除染方法]
本開示は、一又は複数の実施形態において、本開示の包装体を除染する方法である。当該除染方法は、過酸化水素中へ本開示の包装体を浸漬する方法、過酸化水素ミストに本開示の包装体を暴露する方法のいずれであってもよいが、除汚が効果的に行え、細胞培養容器への悪影響が小さい、過酸化水素ミストへの暴露が好ましい。
本開示の包装体の、過酸化水素ミストへの暴露は、例えば、下記の通り行える。本開示の除染方法は、アイソレーター内で、本開示の包装体を、過酸化水素プラズマまたは過酸化水素水蒸気に曝した後、アイソレーター内の過酸化水素プラズマまたは過酸化水素水蒸気濃度を低下させる除染工程を含む。除染工程では、より具体的には、例えば、アイソレーター内に、本開示の包装体を入れた後、アイソレーター内に過酸化水素を供給し、当該包装体を好ましくは1〜60分間、過酸化水素プラズマまたは過酸化水素水蒸気濃度が好ましくは10〜1000ppmの気体に曝す。その後、好ましくは150分以内にアイソレーター内の過酸化水素濃度が好ましくは1ppm以下になるように外部よりアイソレーター内に清浄空気を導入しながら過酸化水素を排出させるか、アイソレーター内の過酸化水素を紫外線照射により分解する。
本開示は、さらに以下の一又は複数の実施形態に関する。
[1] 細胞培養容器を封入するために用いる細胞培養容器用包装袋であって、
前記細胞培養容器を封入した前記細胞培養容器用包装袋を下記条件で処理した場合の、前記細胞培養容器に対する過酸化水素の吸着量が3ng/cm2未満である、細胞培養容器用包装袋。
上記処理では、常圧及び温度45℃に保持され、容積が170Lであり、前記細胞培養容器を封入した前記細胞培養容器用包装袋が収容された密閉空間内で、6質量%過酸化水素水溶液70mL全量を7分間の超音波振動の付与により気化して過酸化水素水蒸気とし、超音波振動の停止から90分以内に前記密閉空間内の過酸化水素濃度が1mg/L以下になるように、波長254nmの紫外線照射により過酸化水素を分解する。
[2] 包装袋を構成する包材が、基材フィルムと前記基材フィルムの一方の面側に設けられた無機薄膜層と前記基材フィルムの他方の面側に設けられたシーラント層とを含む積層フィルム、基材フィルムと前記基材フィルムの一方の面側に設けられたシーラント層とを含む積層フィルム、及び金属層と前記金属層の一方の面側に設けられたシーラント層とを含む積層フィルムから選ばれる少なくとも1種である、前記[1]に記載の細胞培養容器用包装袋。
[3] 前記基材フィルムの材料が、ポリエステル又はポリアミドである前記[2]に記載の細胞培養容器用包装袋。
[4] 前記無機薄膜層が酸化珪素を含む蒸着膜である、前記[2]又は[3]に記載の細胞培養容器用包装袋。
[5] 前記金属層がアルミニウムを含む膜である、前記[2]又は[3]に記載の細胞培養容器用包装袋。
[6] 前記細胞培養容器用包装袋は、一重包装袋又は多重包装袋である、前記[1]から[5]のいずれかに記載の細胞培養容器用包装袋。
[7] 前記包材の、JIS Z0222に基づいて、40℃、90%RH(相対湿度)の測定条件下で測定される水蒸気透過度が、0.2g/(m2・24hr)以下である、前記[1]から[6]のいずれかに記載の細胞培養容器用包装袋。
[8] 前記包材の、JIS K7126−2に基づいて、25℃、80%RH(相対湿度)の測定条件下で測定される酸素透過度が、2.0ml/(m2・24hr・MPa)以下である、前記[1]から[7]のいずれかに記載の細胞培養容器用包装袋。
[9] 袋内にガス吸収体を備える、前記[1]から[8]のいずれか一項に記載の細胞培養容器用包装袋。
[10] 前記[1]から[9]のいずれかに記載の細胞培養容器用包装袋と、前記細胞培養容器用包装袋内に封入された細胞培養容器とを含む、包装体。
[11] 前記[1]から[8]のいずれかに記載の細胞培養容器用包装袋内に細胞培養容器を封入する工程と、
前記細胞培養容器が封入された前記細胞培養容器用包装袋を放射線滅菌する滅菌工程を含む、包装体の製造方法。
[12] 前記滅菌工程で、前記細胞培養容器が封入された前記細胞培養容器用包装袋に、100kGy/hr以上100MGy/hr以下の放射線を照射する、前記[11]に記載の包装体の包装体の製造方法。
[13] 前記[9]に記載の細胞培養容器用包装袋内に細胞培養容器を封入する工程と、
前記細胞培養容器が封入された前記細胞培養容器用包装袋をγ線滅菌する滅菌工程を含む、包装体の製造方法。
[14] 前記[11]から[13]のいずれかに記載の包装体の製造方法により製造された包装体に対して、過酸化水素処理を行なう工程を含み、
前記過酸化水素処理を行なう工程において、
前記包装体を過酸化水素に曝した後、前記過酸化水素を含む雰囲気中の過酸化水素濃度を低減する、包装体の除染方法。
[15] 前記過酸化水素処理を行なう工程において、
前記包装体を過酸化水素水蒸気又は過酸化水素プラズマに曝す、前記[14]に記載の包装体の除染方法。
[16] 前記過酸化水素処理を行なう工程において、
前記過酸化水素水蒸気への紫外線照射によって過酸化水素を分解することにより、前記雰囲気中の過酸化水素濃度を低減する、前記[14]又は[15]に記載の包装体の除染方法。
[17] 前記過酸化水素処理を行なう工程において、
前記雰囲気から過酸化水素を排出することによって、前記雰囲気中の過酸化水素濃度を低減する、前記[14]又は[15]に記載の包装体の除染方法。
以下、本開示を以下の実施例及び比較例に基づいて説明するが、本開示はこれに限定されるものではない。
[過酸化水素透過テスト]
(1)直径90mmのポリスチレン樹脂製シャーレ(MS−13900、住友ベークライト社製)を、下記実施例1〜2、比較例1〜2の包装袋内に封入し、シャーレ内包包装袋(包装体)を得た。
(2)CO2インキュベーター(MCO−170AICUVH−PJ、容積170L、パナソニック社製)内に、H22発生器(MCO−HP−PJ、パナソニック社製)を接続し、(1)で得たシャーレ内包包装袋をCO2インキュベーター内に入れた後、H22発生器に過酸化水素水(6重量%過酸化水素水、パナソニック社製)78mLを供給した。その後、インキュベーター内の温度を45℃まで上昇させた後、超音波によって過酸化水素蒸気を発生させて、シャーレ内包包装袋に常圧45℃の雰囲気下で、過酸化水素蒸気を噴霧した。過酸化水素水への超音波の付与時間は7分とした。過酸化水素水への超音波の付与の停止後、直ちに、過酸化水素水蒸気へ波長254nmの紫外線を90分間照射することにより過酸化水素を分解して、CO2インキュベーター内の過酸化水素水蒸気濃度を1mg/L以下とした。なお、45℃温度上昇から過酸化水素分解までは、本実施例で使用した機器のプログラムにより行なった。紫外線の照射後、CO2インキュベーター内に、過酸化水素水が8mL残っていたことから、過酸化水素蒸気の噴霧に、70mlの過酸化水素水が使用されたことになる。
(3)その後、包装袋からシャーレを取り出し、水平面に置いたシャーレに3mlの超純水を入れて、当該超純水に、シャーレの底面及び当該底面に隣接するシャーレ内側面の一部(以下、「被洗浄面」と言う。)に吸着した過酸化水素を溶解させた。被洗浄面の面積は58.5cm2である。
(4)上記(3)で得た過酸化水素が溶解した超純水を、パックテスト過酸化水素(共立化学社製、WAK−H22、測定範囲 H22 0.05〜5ppm、ペルオキシダーゼを用いた4−アミノアンチピリン法)で発色させ、波長550nmの光の吸光度を測定した。得られた吸光度は、別途作成した検量線を用いて、残存過酸化水素濃度[ppm]及び過酸化水素吸着量[ng/cm2]に換算して、表1に示した。
[コロニー形成試験]
96ウェルプレート(MS−8096F、住友ベークライト社製)を、下記実施例3〜4、実験例1の包装袋内に封入して包装体を得、当該包装体をガンマ線滅菌又は電子線滅菌の対象とした。次いで、包装体を、4週間、室温(25℃)で静置後、各ウェルにNS−1(マウス骨髄腫)細胞1個と10%ウシ胎児血清添加MEM培地0.1mlとを入れてから、37℃、5%CO2雰囲気下で7日間培養し、その後NS−1細胞が増殖してコロニーが形成されたウェル数を調べ、その結果を表1に示した。
実施例1〜4、比較例1〜2、実験例1についての包装体、包装袋、包材の詳細は下記の通りである。
(実施例1)
PETフィルム(12μm)の片面にシリカ蒸着膜が形成されたテックバリアHX(厚さ:約12μm、三菱樹脂製)に、ヒートシール層としてポリエチレンシート(厚さ80μm、ポリエチレンの重量平均分子量)を積層して、包装袋用の包材を得た。この包材を使用して、145mm×220mmの袋を作製し、直径90mmのシャーレ(MS−13900、住友ベークライト社製)を1個入れ、ヒートシールをし、包装体を作製した。包材の、JIS Z0222に基づいて、40℃、90%RHの測定条件下で測定した水蒸気透過度は、0.08g/(m2・24hr)、JIS K7126−2に基づいて、25℃、80%RH(相対湿度)の測定条件下で測定した酸素透過度は1.0g/(m2・24hr・MPa)である。
(実施例2)
下記構成の包材を用いたこと以外は実施例1と同様にして、包装体を作製した。
ヒートシール層(ポリエチレン)20μm/アルミニウム箔9μm/ポリエチレン15μm/ナイロン15μm
(実施例3)
包装袋内に、ガス吸着体(オージーキャッチ(登録商標)、共同印刷(株)製)400cm2を細胞培養容器と同梱し、細胞培養容器として、直径90mmのシャーレ(MS−13900、住友ベークライト社製)に代えて、96ウェルプレート(MS−8096F、住友ベークライト社製)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして包装体を作製した。得られた包装体に対して、γ線を照射した。細胞培養容器の無菌性水準を医療用具に求められる無菌性水準とするために、γ線の、線量率は1kGy/h、照射線量は19kGyとした。
(実施例4)
直径90mmのシャーレ(MS−13900、住友ベークライト社製)に代えて、96ウェルプレート(MS−8096F、住友ベークライト社製)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして包装体を作製した。得られた包装体に対して、電子線を照射した。細胞培養容器の無菌性水準を医療用具に求められる無菌性水準とするために、電子線の、線量率は1000kGy/h、照射線量は19kGyとした。
(比較例1)
下記構成の包材を用いたこと以外は実施例1と同様にして、包装体を作製した。
ヒートシール層(ポリエチレン)60μm/ナイロン25μm/
(比較例2)
下記構成の包材を用いたこと以外は実施例1と同様にして、包装体を作製した。
ヒートシール層(ポリエチレン)50μm/ポリエチレンテレフタレート12μm
(実験例1)
直径90mmのシャーレ(MS−13900、住友ベークライト社製)に代えて、96ウェルプレート(MS−8096F、住友ベークライト社製)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして包装体を作製した。得られた包装体に対して、γ線を照射した。細胞培養容器の無菌性水準を医療用具に求められる無菌性水準とするために、γ線の、線量率は1kGy/h、照射線量は19kGyとした。
Figure 2017055723
表1に示されるように、実施例1〜2と、比較例1〜2とを比較すると、実施例1〜2では、比較例1〜2よりも、細胞培養容器への過酸化水素の吸着量が桁違いに少なかった。従って、実施例1〜2では、比較例1〜2よりも、過酸化水素による細胞や細胞塊の生産性への悪影響の抑制が期待できる。また、平成25年度 再生医療等産業化促進事業 (加齢黄斑変性、同種iPS細胞由来網膜色素上皮細胞) 報告書」P2−P3によると、培地中への過酸化水素の溶解量が0.5ppm(mg/ml)を越えると、iPS細胞の生存率が顕著に低くなることが記載されている。培地中への過酸化水素の溶解量が、例えば、0.5ppm(mg/ml)の1/10以下となるようにするには、細胞培養容器への過酸化水素の吸着量が3ng/cm2以下であることが必要であり、この吸着量であればiPS細胞の生存率への影響は少ないと考えられる。このため、実施例1〜2では、比較例1〜2よりもiPS細胞の生存率が高いと考えられる。
本開示は、例えば、ヒトES細胞の研究、再生医療等といった医療分野等で有用である。
本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲で、上記以外の形態としても実施が可能である。本出願に開示された実施形態は一例であって、これらに限定はされない。本開示の範囲は、上述の明細書の記載よりも、添付されている請求の範囲の記載を優先して解釈され、請求の範囲と均等の範囲内での全ての変更は、請求の範囲に含まれるものである。
1 細胞培養容器用包装体
2 細胞培養容器
3 過酸化水素インジケーター
41,51 基材フィルム
42 無機薄膜層
43,52,62 シーラント層
61 金属層

Claims (13)

  1. 細胞培養容器を封入するために用いる細胞培養容器用包装袋であって、
    前記細胞培養容器を封入した前記細胞培養容器用包装袋を下記条件で処理した場合の、前記細胞培養容器に対する過酸化水素の吸着量が3ng/cm2未満である、細胞培養容器用包装袋。
    上記処理では、常圧及び温度45℃に保持され、容積が170Lであり、前記細胞培養容器が封入された前記細胞培養容器用包装袋が収容された密閉空間内で、6質量%過酸化水素水溶液70mL全量を7分間の超音波振動の付与により気化して過酸化水素水蒸気とし、超音波振動の停止から90分以内に前記密閉空間内の過酸化水素濃度が1mg/L以下になるように、波長254nmの紫外線照射により過酸化水素を分解する。
  2. 包装袋を構成する包材が、基材フィルムと前記基材フィルムの一方の面側に設けられた無機薄膜層と前記基材フィルムの他方の面側に設けられたシーラント層とを含む積層フィルム、基材フィルムと前記基材フィルムの一方の面側に設けられたシーラント層とを含む積層フィルム、及び金属層と前記金属層の一方の面側に設けられたシーラント層とを含む積層フィルムから選ばれる少なくとも1種である、請求項1に記載の細胞培養容器用包装袋。
  3. 前記基材フィルムの材料が、ポリエステル又はポリアミドである請求項2に記載の細胞培養容器用包装袋。
  4. 前記無機薄膜層が酸化珪素を含む蒸着膜である、請求項2又は3に記載の細胞培養容器用包装袋。
  5. 前記金属層がアルミニウムを含む膜である、請求項2又は3に記載の細胞培養容器用包装袋。
  6. 前記細胞培養容器用包装袋は、一重包装袋又は多重包装袋である、請求項1から5のいずれか一項に記載の細胞培養容器用包装袋。
  7. 前記包材の、JIS Z0222に基づいて、40℃、90%RH(相対湿度)の測定条件下で測定される水蒸気透過度が、0.2g/(m2・24hr)以下である、請求項1から6のいずれか一項に記載の細胞培養容器用包装袋。
  8. 前記包材の、JIS K7126−2に基づいて、25℃、80%RH(相対湿度)の測定条件下で測定される酸素透過度が、2.0ml/(m2・24hr・MPa)以下である、請求項1から7のいずれか一項に記載の細胞培養容器用包装袋。
  9. 袋内にガス吸収体を備える、請求項1から8のいずれか一項に記載の細胞培養容器用包装袋。
  10. 請求項1から9のいずれか一項に記載の細胞培養容器用包装袋と、前記細胞培養容器用包装袋内に封入された細胞培養容器とを含む、包装体。
  11. 請求項1から9のいずれかの一項に記載の細胞培養容器用包装袋内に細胞培養容器を封入する工程と、
    前記細胞培養容器が封入された前記細胞培養容器用包装袋を放射線滅菌する滅菌工程と、を含む、包装体の製造方法。
  12. 前記滅菌工程で、前記細胞培養容器が封入された前記細胞培養容器用包装袋に、電子線を照射する、請求項11に記載の包装体の製造方法。
  13. 請求項9に記載の胞培養容器用包装袋内に、前記ガス吸収体とともに細胞培養容器を封入する工程と、
    前記細胞培養容器が封入された前記細胞培養容器用包装袋をγ線滅菌する滅菌工程と、を含む、包装体の製造方法。
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