JP3223795U - 蒸気供給用保水容器 - Google Patents

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功章 宮川
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Abstract

【課題】蒸気供給用保水容器を提供する。【解決手段】略矩形状のプラスチック樹脂フィルムを2枚重ね合わせて、これらの周囲のうち三方を封着して、残り一方を開口部1として開口自在とした袋状の蒸気供給用保水容器10であって、前記プラスチック樹脂フィルムの少なくとも1枚の中央部には透湿性及び耐水性とバクテリアバリア性を備えた不織布2を配し、前記開口部には複数の吊下用挿通孔3を備え、該挿通孔よりも中央部寄りの開口部に再封止可能な開閉チャック4を設けて、内部に水を保水可能としたこと、を特徴とした蒸気供給用保水容器であって、蒸気供給後に封止したチャックを開け、さらに内部に使用済の培養器具や培養液を入れチャックを再封止することで、細胞調製施設(CPC)内における交叉汚染をも防止し、かつオートクレーブ滅菌も可能となる。【選択図】図3

Description

本考案は、蒸気供給用保水容器に関するものである。とりわけ、該蒸気供給用保水容器を、インキュベーター〜バイオハザード対策用キャビネット〜CPC無菌室内〜パスボックス〜CPC滅菌処理室〜オートクレーブ〜パスボックス〜CPC外へと、1方向の自然な作業動線で、交叉汚染のリスクを極小にしながら廃棄物を移動させることが可能な、蒸気供給用保水容器に関するものである。
近年、ヒトから採取した細胞や組織から、各種の組み換え細胞、iPS細胞、ES細胞、およびそれらを分化・誘導した細胞や組織が調製され、患者に投与する細胞医療及び再生医療が行われている。また、研究施設においても、細胞治療及び再生医療を新規開発するため、様々な試験研究が積極的に推進されている。それらにおいては、細胞や組織の取得、作製、培養および保存の工程が必須となっている。そこで、細胞治療及び再生医療における高い安全性、品質ならびに医薬としての性能を、安定的に確保することが可能となるよう、上記各工程における標準化された技術を確立するとともに、使用する機器や細胞調製施設(CPC)の標準化と、それら機器や施設の使用手順の標準化を進めることが、強く望まれている。
そこで、通常のCPCでは、作業動線と施設や機器の配置が、人、細胞や組織、培養器具および廃棄物の出入りを明確に区分することが可能となるように設定されているところ、上記のような、個々の患者に対応した再生医療や細胞治療に用いる細胞や組織を調製するCPCにおいては、さらに、交差汚染や細胞・組織の混合を防止するため、作業者の動線が基本的に逆戻りしない一方向の動線となるようにし、専用搬入口であるパスボックスを設置して物品を受け渡すなど、人や物の動線への配慮が行われている。
しかしながら、作業目的に応じた適切な広さと設備を十分に整えることが出来ない場合があり、パスボックスも搬入可能な物品の大きさに制限があり、後から大きな専用の機器を搬入することは困難を伴う場合がある。また、細胞や組織の分化・誘導を行うために培養工程が複雑な手順をとるものも多くなり、CPC設計当初の想定とは異なり、作業者の動線の一部が、逆戻りしたり交叉する事象が発生している。また、一連の作業に要する時間も長くなり、作業者に疲労やストレスがたまり、人的ミスが生じる危険性が増大している。
そのため、既に設置されたCPCにおいて、作業者の動線の一部が、逆戻りしたり交叉したとしても、交差汚染や細胞・組織の混合を確実に防止することができるようにするとともに、作業手順の簡素化と安全化および作業時間の短縮を図るための新たな器具の開発が、強く望まれていた。
その一つとして、CPC内に設置するインキュベーターにおける水分による汚染対策器具がある。CPC内で用いられる細胞・組織培養用のインキュベーターは、通常、37度5%CO2などとし、さらに、トレーに滅菌水を張るなどしてインキュベーターの庫室内を加湿して、水蒸気で飽和させた雰囲気環境にする必要がある。
しかし、個々の患者に対応した細胞治療や再生医療に用いる細胞や組織を調製するような厳密な安全性の確保が要求されるCPCでは、カビの発生を抑え排水口からの外気の逆流を防ぐ必要がある。そのため、CPCにおける無菌区域には、流しや排水口を設置せず、CPC内に持ち込み使用する水を滅菌処理したものだけに制限するとともに持ち込み量も一定範囲内に制限し、さらに使用後は残さず外へ持ち出す制限を加える。そのため、滅菌水を直接トレーに入れ、開放状態で加湿する工程は避けるべきであり、改善が望まれていた。
上記改善の要求に対し、考案者らは、滅菌水を張るトレーに換えて、予め水を袋状湿度供給容器内に入れ密封し、CPC内に設置されたインキュベーターの庫室内に設置し、庫室内の雰囲気に湿度を供給する袋状湿度供給容器を提案している(特許文献1を参照)。しかし、上記提案の加湿容器は、広い開口部を有する軟質な袋体からなり、水を入れ密封する際に袋体から水が容器周辺にこぼれる場合があるためCPC内での作業は避ける必要があった。
そこで、さらに考案者らは、上記袋状湿度供給容器における開口部を封じ、そこに、新たにキャップを有する水の供給排出口を設けた袋状湿度供給容器を提案している(特許文献2を参照)。このようにして、キャップを有する、専用の水の供給排出口を設けたことにより、上記袋状湿度供給容器における問題点は解消した。しかし、上記容器への水の供給は、供給排出口に接続した水供給用具を用いるため、水供給時に水が漏れ出さないが、専用の水供給用具を要するため汎用性に欠けるものであり、改善が望まれていた。さらに、新たな加湿専用器具を使用することで作業者の作業動線も複雑になり、また、CPCにおける無菌区域内から搬出する医療廃棄物の総体積が増えることから、対策を講じる必要が生じていた。
ところで、再生医療や細胞治療では、特に、個々の患者に対応した再生医療や細胞治療に用いる細胞や組織を調製することが必須となっているため、細胞や組織の調製にあたっては、異なる患者に使用する細胞や組織が交叉汚染をすることを、厳に避けなければならない。そのため、個々の患者の治療が完了するごとに、CPC内の汚染要因となる、細胞や組織、使用済みの培養液、培養器具、及び、水や加湿容器を全てCPC外に搬出し、CPC内及び設置されている機器を全て洗浄・滅菌し、CPC内に交叉汚染の要因となるものが残っていないことを、検査にて確認するという、厳密な工程を行うことが求められる。
さらに、網膜組織のような組織を移植する再生医療などにおいては、多数の細胞を増殖させる必要があるために、作製途中で多くの細胞や組織が使用済みの培養液や培養器具とともに排出される。最終工程で使用しなかった予備の組織は、廃棄しなければならない。そして、特に、液体を取り扱う廃棄工程では、エアロゾル状の目に見えない飛沫が発生しやすく、培養作業中や使用済みの細胞や組織、培養液および培養器具の排出作業時に、エアロゾル状の目に見えない飛沫による交叉汚染の発生を防ぐよう、慎重な対応と汚染予防措置が必要となっている。
そこで、通常は、汎用の滅菌用袋をCPC内に予め持ち込み、各所の機器横のスペースに付設し、それらに使用済みの細胞や組織、使用済みの培養液、培養器具及び水を入れ、CPC室外へ搬出する対応をとっている。
しかし、CPC内は、汚染防止のため、作業区域の天井、壁および床の表面を、なめらかでひび割れや隙間がなく、塵や埃が貯まりにくい構造とし、かつ、塵埃を発生しないものとし、床と壁の境界は曲面として塵や埃を清拭しやすくするなどの特別な配慮がされているものであるところ、上記対応では、衛生管理が煩雑になるとともに、CPC内の空気循環を妨げられることにより塵や埃がたまりやすくなるため、そのような器具をCPC内に付設することは好ましくなく、改善が求められている。
特開2005−295825号公報 実用新案登録第3129610号公報
本考案が解決しようとする課題は、従来の加湿トレイとほぼ同等の蒸気供給能力を得ることが可能となる蒸気供給用保水容器を提供し、CPC内で使用した細胞・組織、培養液や、培養皿やマルチウェルプレートなどの消耗品などの廃棄物を、蒸気供給後の蒸気供給用保水容器の空きスペースに投入し、再封止可能な開閉チャックを閉じるという最小の作業工数で、交叉汚染防止環境下に密封でき、CPCにおける無菌区域内から搬出する医療廃棄物の総体積を減らすとともに、1方向の自然な作業動線で、交叉汚染のリスクを極小にしながら廃棄物を移動させることが可能とする蒸気供給用保水容器を提供することである。そして、使用する機器やCPCの標準化と、それら機器や施設の使用手順の標準化に寄与することができる、蒸気供給用保水容器を提供することである。
上記の課題を解決するための本考案の第1の手段は、略矩形状のプラスチック樹脂フィルムを2枚重ね合わせて、これらの周囲のうち三方を封着し、残り一方を開口部として開口自在とした袋状の蒸気供給用保水容器であって、前記プラスチック樹脂フィルムの少なくとも1枚の中央部には透湿性及び耐水性とバクテリアバリア性を備えた不織布を配し、前記開口部には複数の吊下用挿通孔を備え、該挿通孔よりも中央部寄りの開口部に再封止可能な開閉チャックを設けて、内部に水を保水可能としたこと、を特徴とする蒸気供給用保水容器である。
上記の課題を解決するための本考案の第2の手段は、略矩形状のプラスチック樹脂フィルムを2枚重ね合わせて、これらの周囲のうち三方を封着し、残り一方を開口部として開口自在とした袋状の蒸気供給用保水容器であって、前記プラスチック樹脂フィルムの少なくとも1枚の中央部には透湿性及び耐水性とバクテリアバリア性を備えた不織布を配し、前記開口部には複数の吊下用挿通孔を備え、該挿通孔よりも中央部寄りの開口部に再封止可能な開閉チャックを設けて、内部に水を保水可能とし、蒸気供給後に封止したチャックを開け、さらに内部に使用済の培養器具や培養液を入れチャックを再封止することを可能としたこと、を特徴とする、本考案の第1の手段の蒸気供給用保水容器である。
上記の課題を解決するための本考案の第3の手段は、1枚の矩形のプラスチック樹脂フィルムをその長手方向中央部が容器底部となるように該プラスチック樹脂フィルムの対向する短辺同士を近接させるように短手方向に折り曲げることで上辺の高さの異なるA面とB面の向かい合う2面を形成するものであって、さらにA面とB面の左右の重ね合わさった辺同士をそれぞれ封着することで内部に袋状の空間を形成しうるものであって、封着前に短手方向の折り返し部をさらに内面側にA面B面ともに等幅に内面側に折り返すことで底面を形成してから前記重ね合わさった辺同士を封着することで、高さの異なるA面とB面の上端側に開口自在とした開口部を備えた袋状の蒸気供給用保水容器であって、前記プラスチック樹脂フィルムの少なくとも1枚の中央部には透湿性及び耐水性とバクテリアバリア性を備えた不織布を配し、前記開口部には複数の吊下用挿通孔を備え、該挿通孔よりも中央部寄りの開口部に再封止可能な開閉チャックを設けて、内部に水を保水可能とし、蒸気供給後に封止したチャックを開け、さらに内部に使用済の培養器具や培養液を入れチャックを再封止することを可能としたこと、を特徴とする蒸気供給用保水容器である。
上記の課題を解決するための本考案の第4の手段は、気密性を有する基材によって調製された水を担持する袋体であって、その袋体の一部に通気性、透湿性を有しかつバクテリアバリア性の膜状基材によって調製された蒸気供給部を有し、該袋体の開口部の上端部の内側に袋体を刺通する複数の吊り下げ穴と、該穴より下端に、チャック雄部とチャック雌部とからなる該袋体の開口部を開閉するための再封止可能な開閉チャックとを有するものとしたことを特徴とする、蒸気供給用保水容器である。
上記の課題を解決するための本考案の他の手段は、上記再封止可能な開閉チャックが、略矢尻状の頭部を突出してなるチャック雄部と、円弧状凹部を形成する内側鉤爪と外側鉤爪を突出してなるチャック雌部とからなることを特徴とする、本考案の手段のいずれか1に記載の蒸気供給用保水容器である。
上記の課題を解決するための本考案の他の手段は、前記チャック雄部とチャック雌部のいずれか一方が着色されたものであることを特徴とする、本考案の手段のいずれか1に記載の蒸気供給用保水容器である。
上記の課題を解決するための本考案の他の手段は、該開口部を構成する気密性を有する基材の一部が、開口部の他の上端部よりもさらに上方に突出しているものであることを特徴とする、本考案の手段のいずれか1に記載の蒸気供給用保水容器である。
上記の課題を解決するための本考案の他の手段は、ガンマ線照射により滅菌処理されるものであることを特徴とする、本考案の手段のいずれか1に記載の蒸気供給用保水容器である。
上記の課題を解決するための本考案の他の手段は、蒸気供給用保水容器が、気密性を有する基材によって調製された外袋内に装填される2重袋状態にある本考案の手段のいずれか1に記載の蒸気供給用保水容器である。
本考案の蒸気供給用保水容器により、従来の加湿トレイとほぼ同等の蒸気供給能力を得ることが可能となる。
本考案の蒸気供給用保水容器により、CPC内で使用した細胞・組織、培養液や、培養皿やマルチウェルプレートなどの消耗品などの廃棄物を、蒸気供給後の蒸気供給用保水容器の空きスペースに投入し、再封止可能な開閉チャックを閉じるという最小の作業工数で、交叉汚染防止環境下に密封できる。
本考案の蒸気供給用保水容器により、廃棄物の総容量を大幅に削減することが可能となる。
本考案の蒸気供給用保水容器により、インキュベーター〜バイオハザード対策用キャビネット〜CPC無菌室内〜パスボックス〜CPC滅菌処理室〜オートクレーブ〜パスボックス〜CPC外へと、1方向の自然な作業動線で、交叉汚染のリスクを極小にしながら廃棄物を移動させることが可能となる。
本考案の蒸気供給用保水容器により、蒸気供給後の蒸気供給用保水容器に封入した細胞・組織や培養液、使用済培養器具などの廃棄物が漏れだすことによる交叉汚染事故の発生を未然に防止することが可能となる。
本考案の蒸気供給用保水容器により、蒸気供給後の蒸気供給用保水容器内に残った水を、CPC内で使用した細胞・組織、培養液や消耗品などの廃棄物の滅菌において、蒸気供給用保水容器とともに有効に利用でき、持ち込み可能な水の総量が制限されているCPCにおいて、オートクレーブのための水を新たに補充する必要がなくなる。
本考案の蒸気供給用保水容器により、製造工程管理に関する作業手順の標準化に寄与するものとなる。
本願考案の蒸気供給用保水容器を示した説明図である。(a)は、透湿性及び耐水性とバクテリアバリア性を備えた不織布が備えられた面から見た正面図、(b)はそれを裏側の面から見た背面図である。 本願考案の吊下用挿通孔が横に細い長穴となっている蒸気供給用保水容器で、透湿性及び耐水性とバクテリアバリア性を備えた不織布が備えられた面から見た正面図である。 本考案の蒸気供給用保水容器における、蒸気供給用の水を封入する手順の説明図である。(a)は、使用前の蒸気供給用保水容器を説明する図である。(b)は、蒸気供給用保水容器を、蒸気供給用保水容器用ハンガーラックに吊下用挿通孔を用いて吊り下げ、再封止可能な開閉チャックを開け、水を入れる準備をした状態を説明する図である。(c)は、蒸気供給用保水容器に水を入れ、再封止可能な開閉チャックを閉め、蒸気供給用保水容器用ハンガーラックから外した状態を説明する図である。 蒸気供給用の水が封入された本考案の蒸気供給用保水容器をインキュベーターの庫内に配設する手順を説明する図である。 本考案の蒸気供給後の蒸気供給用保水容器に、使用済の培養用容器を入れ、封入する手順を説明する図である。(a)は、蒸気供給後の蒸気供給用保水容器を示す図である。(b)は、蒸気供給後の蒸気供給用保水容器を蒸気供給用保水容器用ハンガーラックに吊下用挿通孔を用いて吊り下げ、再封止可能な開閉チャックを再度開け、開口部から使用済の培養用容器を蒸気供給用保水容器内に入れる手順を説明する図である。(c)は、使用済の培養用容器を入れた蒸気供給後の蒸気供給用保水容器の、再封止可能な開閉チャックを再度閉じ、交叉汚染防止環境にしてCPC室内を移動可能にした状態を説明する図である。
本考案を実施するための形態について、適宜図面を参照しつつ以下に説明する。
(素材、製造法について)
本考案の蒸気供給用保水容器の部材を形成するために用いる材料は特に限定されないが、蒸気供給用の水を保水する容器には、気密性を有する基材として、プラスチック樹脂フィルムを用いることができる。そして、蒸気供給用保水容器の外に、蒸気供給用保水容器内に保水した水に由来する蒸気を供給するため、さらに、透湿性及び耐水性とバクテリアバリア性を備えた不織布を用いたものとする。
上記のプラスチック樹脂フィルムは、保水性(耐水性)及びオートクレーブでの加熱に対する耐熱性を備えた樹脂フィルムである。これらは多層構造の積層体からなる積層フィルム構造であってもよく、たとえば好ましい素材としては、ナイロンと直鎖状低密度ポリエチレン(L−LDPE)からなる積層体などが挙げられるほか、金属の蒸着膜層と熱可塑性樹脂の多層構造のフィルム積層体などであってもよい。長期保存やバクテリアバリア性、耐酸素性などを考慮する必要がある際には、これらの素材は適宜採用することができる。
上記の透湿性及び耐水性とバクテリアバリア性を備えた不織布としては、通気性、透湿性を有しかつバクテリアバリア性の膜状基材であって、蒸気供給用保水容器内に保水した水に由来する蒸気を透湿させることが可能なものである。タイベック(登録商標)などの市販の高密度エチレン系の不織布を用いることができ、好適には、電子線照射後も優れた透湿性及び耐水性とバクテリアバリア性を保ち、紙粉(リント)が発生せず、高圧蒸気滅菌後の収縮も僅かな、旭・デュポン フラッシュスパン プロダクツ株式会社から販売される医療用デュポンタイベック1073Bまたは1059Bを用いることができる。
本考案の蒸気供給用保水容器は、熱融着、接着剤等を用い、一体化させたものとすることができ、好ましくは、熱融着を用いて一体化させたものとする(図1、図2)。
図1〜5に示すような厚みを有する蒸気供給用保水容器の構成となるように、略矩形状のナイロンと直鎖状低密度ポリエチレン(L−LDPE)からなる積層体の一部を山折りし、次いで谷折りし、さらに山折りし、さらに山折りした積層体の端部に、略矩形状のタイベック1073Bなどの透湿性及び耐水性とバクテリアバリア性を備えた不織布を重ね、更に、その端部に、略矩形状のナイロンと直鎖状低密度ポリエチレン(L−LDPE)からなる積層体を重ね、熱融着し、周囲のうち三方を封着し、残り一方を開口部として開口自在とした袋状の蒸気供給用保水容器とする。山折り〜谷折り〜山折りした部分を設けることで、袋状の蒸気供給用保水容器の中に水を入れると、底部が立体的になり厚みを有するものとなる(図3(b)、図3(c)など)。厚みを持たせることで、内部に保水する水の量を増やし、供給可能な蒸気の総量を増やすことが可能となり、また、蒸気供給後の蒸気供給用保水容器の中に、より多くの培養容器や培養液などの廃棄物を封入して密封し、交叉汚染が防止されるようにしてCPCの滅菌室まで移動させ、オートクレーブによる滅菌処理に処すことが可能となる。
またさらに、上記タイベックなど1073Bなどの透湿性及び耐水性とバクテリアバリア性を備えた不織布の端部に更に重ねた、略矩形状のナイロンと直鎖状低密度ポリエチレン(L−LDPE)からなる積層体の長さを若干短くすることができ、このようにすると、開口自在とした袋状の蒸気供給用保水容器の残り一方を開口部の端部の一端が飛び出た形状となるため(図1、図2)、作業者の指やピンセット等の器具で開口部の端部の一端をつまむことが可能となり、不用意に内部を汚染することが防止されるとともに、蒸気供給用保水容器の開口部を開く操作が容易になるので好ましい。
また、上記の蒸気供給用保水容器には、開口部には複数の吊下用挿通孔を備えるようにする。吊下用挿通孔の形状は、どのような物であっても良いが、好ましくは、重量のあるものを吊り下げても穴が破れにくくするよう、角が丸くなった形状とするか、重量が掛かる際により自然に開口部を開くよう横に細い長穴の形状とすることができる。
さらに、上記の蒸気供給用保水容器には、該挿通孔よりも中央部寄りの開口部に再封止可能な開閉チャックを設けたものとする。該再封止可能な開閉チャックは、チャック雄部とチャック雌部とからなるものとし、熱融着などにより、蒸気供給用保水容器のプラスチック樹脂フィルムと一体化させる。該チャックの形状は、例えば、略矢尻状の頭部を突出してなるチャック雄部と、円弧状凹部を形成する内側鉤爪と外側鉤爪を突出してなるチャック雌部とからなるものとすることができ、再封止可能であり、オートクレーブ滅菌を行っても封止状態を保つことが可能であれば、他の形状を有していても良い。
さらに、上記の再封止可能な開閉チャックは、着色したものとすることができ、より好ましくは、雄側のチャックまたは雌側のチャックの一方を着色したものとすることが好ましい。このようにすることで、再封止可能な開閉チャックを閉じる作業が不十分であると封止部の色が薄くなり、蒸気供給用保水容器が密閉されていないことが把握できるため、人的エラーによる蒸気供給用保水容器内の水の漏出や、蒸気供給後の蒸気供給用保水容器に封入した細胞・組織や培養液、使用済培養器具などの廃棄物が漏れだすことによる交叉汚染事故の発生を未然に防止することが可能となる。
本考案の蒸気供給用保水容器は予め滅菌されたものとして提供され得る。蒸気供給用保水容器を滅菌する方法は特に限定されないが、輸液セットや医療機器を滅菌する方法として一般に用いられる方法が採用され、例えば、エチレンオキサイドガス滅菌、γ線照射滅菌、電子線滅菌、放射線滅菌、紫外線照射滅菌、過酸化水素滅菌、エタノール滅菌の方法を用いることができる。そして、製造の容易性やコスト低減を考慮し、該滅菌方法として、好ましくは、γ線照射滅菌又は電子線滅菌を用いる。γ線照射滅菌におけるγ線の照射エネルギーは、蒸気供給用保水容器を劣化させない程度にて滅菌することができるよう、5kGy〜30kGy程度の範囲までとすることが好ましい。
さらに、本考案の蒸気供給用保水容器は、パッケージを開封し取り出し、即使用を開始することが出来るよう、二重包装した上で、γ線照射滅菌を施したものとすることができる。
(本考案の蒸気供給用保水容器の使用手順について)
本考案の蒸気供給用保水容器は、内部に蒸気供給用の水を充填してから使用する。本考案の蒸気供給用保水容器は、バイオハザード対策用キャビネット内に設けられたフックや、蒸気供給用保水容器用ハンガーラックに吊り下げ、再封止可能な開閉チャックを開け、開口部から水を充填する。充填する水は、逆浸透処理などの高度処理されたLPS(リポポリサッカライド)フリーのものを用いることが好ましく、さらに、オートクレーブにより加熱滅菌処理されたものを用いることが好ましい。CPC滅菌室内のバイオハザード対策用キャビネット内などで充填することが好ましいが、予めバイオハザード対策用キャビネットで充填し、再封止可能な開閉チャックを閉鎖して、オートクレーブ処理をし、滅菌済のパッケージに封入し二重包装した上で、CPC滅菌室内に移動させてもよい。
水を充填し、再封止可能な開閉チャックを閉鎖した蒸気供給用保水容器は、インキュベーター内に置き、ドアを閉め37.0℃にて保温し、インキュベーターの庫内に蒸気を供給させる。
蒸気供給後の蒸気供給用保水容器は、インキュベーターから取り出し、バイオハザード対策用キャビネット内に設けられたフックや、蒸気供給用保水容器用ハンガーラックに吊り下げ、再封止可能な開閉チャックを開け、開口部から、細胞・組織や培養液、使用済培養器具などの廃棄物を投入し、再封止可能な開閉チャックを再び閉じ、CPC滅菌室内から、パスボックスなどを通して、CPC滅菌処理室へと交叉汚染防止環境下に移動させたのち、オートクレーブ処理を行う。このようにすることで、蒸気供給用保水容器を、インキュベーター〜バイオハザード対策用キャビネット〜CPC無菌室内〜パスボックス〜CPC滅菌処理室〜オートクレーブ〜パスボックス〜CPC外へと、1方向の自然な作業動線で、交叉汚染のリスクを極小にしながら廃棄物を移動させることが可能となる。
以下に、本考案の蒸気供給用保水容器を製造し使用した実施例を示す。本考案はこれらの記載に何ら制限を受けるものではない。
本考案の蒸気供給用保水容器を構成するための部材として、保水性(耐水性)及びオートクレーブでの加熱に対する耐熱性を備えたプラスチック樹脂フィルムであるナイロンと直鎖状低密度ポリエチレン(L−LDPE)からなる積層体と、水を通さず水蒸気・気体のみを透過するタイベック(1073B)を用い、上記各部材を熱融着により一体化させ、蒸気供給用保水容器を製造する。
実施例1として、図1のようにして蒸気供給用保水容器を製造した。寸法は220mm(W)×380mm(H)×48mm(D)とし、さらにタイベックによる透湿部の表面積が480cm2(200mm×240mm)となるようにした。吊下用挿通孔は丸穴とした。また、図1のように、再封止可能な開閉チャックにおける雄側又は雌側のチャックのいずれか一方が配されている側の開口部を構成するプラスチック樹脂フィルムが、他方のチャックが配されている側の開口部を構成するプラスチック樹脂フィルムよりも長くなるようにしている。
実施例2として、図2のようにして蒸気供給用保水容器を製造した。寸法等は実施例1と同様とし、吊下用挿通孔は横に細い長穴とした。
実施例3として、実施例1と同様に蒸気供給用保水容器を製造し、再封止可能な開閉チャックにおいて雄側のチャックを着色したものを用いた。
実施例4として、実施例1と同様に蒸気供給用保水容器を製造し、再封止可能な開閉チャックにおいて雌側のチャックを着色したものを用いた。
<実験例1>
実施例1の蒸気供給用保水容器を、吊下用挿通孔を用いて蒸気供給用保水容器用ハンガーラックに吊り下げ、再封止可能な開閉チャックを開けた。蒸気供給用保水容器内に、水を下記試験に必要となる量入れた。再封止可能な開閉チャックにおける雄側又は雌側のチャックのいずれか一方が配されている側の開口部を構成するプラスチック樹脂フィルムが、他方のチャックが配されている側の開口部を構成するプラスチック樹脂フィルムよりも長くなるようにされているため、吊り下げた蒸気供給用保水容器の開口部を、長くなっている樹脂フィルム部分を持って自然に開けることができ、作業が容易であった。
次に、加湿バットによる自然蒸発式の方式が採用されたインキュベーターである、フォーマ ステリサイクルCO2インキュベーター 370(サーモフィッシャーサイエンティフィック株式会社製)を使用し、本考案の蒸気供給用保水容器(寸法(mm):220(W)×380(H)×48(D)、透湿部表面積 480cm2(200mm×240mm))を用いる場合の蒸気供給能力と、比較対照として492cm2サイズの加湿トレイを用いる場合の蒸気供給能力とを、それぞれ確認した。実施例1の蒸気供給用保水容器、または、加湿トレイをインキュベーター内に置き、ドアを閉め37.0℃にて加湿水を保温した。その後、ドアを120秒間開き、再びドアを閉め、インキュベーター内の湿度を測定した。
その結果、本考案の蒸気供給用保水容器と加湿トレイは、ほぼ同等の蒸気供給能力が発揮されたことが確認された。
<実験例2>
実施例1の蒸気供給用保水容器を、吊下用挿通孔を用いて蒸気供給用保水容器用ハンガーラックに吊り下げ、再封止可能な開閉チャックを開けた。蒸気供給用保水容器内に、水を総量1Lになるように入れ、再封止可能な開閉チャックを閉じ、開口部を封止した。該蒸気供給用保水容器をラックから外し、オートクレーブ(トミー精工製、型式:KS-243)を用いて121℃、20分の条件にて滅菌処理を行った。
その結果、オートクレーブを通常通り行うことができた。蒸気供給用保水容器の再封止可能な開閉チャックはしっかりと閉じており、蒸気供給用保水容器自体に破損は確認されなかった。再封止可能な開閉チャックを開け、中の水の量を確認したところ、蒸気供給用保水容器に入れた水は21mLしか減っていなかった。
本考案の蒸気供給用保水容器は、水を内部入れて滅菌を行っても、容器の破損は起きず、再封止可能な開閉チャックも開くことなく、入れた水の量をほぼ保持したままで滅菌処理を実施できることが明らかとなった。
<実験例3>
実験例2の滅菌済の蒸気供給用保水容器を室温に戻し、その後、インキュベーター内に置き、ドアを閉め37.0℃にて保温した。その後、ドアを120秒間開き、再びドアを閉め、インキュベーター内の湿度を測定した。
その結果、上記滅菌済の蒸気供給用保水容器は、加湿トレイを用いる場合とほぼ同等の蒸気供給能力を発揮していることが確認された。本考案の蒸気供給用保水容器は、水を入れてオートクレーブ滅菌を行うことで、予め滅菌済の水が入った滅菌済の蒸気供給用保水容器として準備し、CPC内に提供することができるものであること、インキュベータ内を十分に蒸気を供給できることが明らかとなった。
<実験例4>
実験例1と同様にして、蒸気供給試験後の蒸気供給用保水容器を用意した。吊下用挿通孔を用いて、該蒸気供給用保水容器を、蒸気供給用保水容器用ハンガーラックに吊り下げ、再封止可能な開閉チャックを開けた。水を総量1Lになるように入れ、再封止可能な開閉チャックを閉じ、蒸気供給用保水容器の開口部を再封止した後、該蒸気供給用保水容器をラックから外し、オートクレーブを用いて121℃、20分の条件にて滅菌処理を行った。
その結果、オートクレーブを通常通り行うことができた。蒸気供給用保水容器の再封止可能な開閉チャックはしっかりと閉じており、蒸気供給用保水容器自体に破損は確認されなかった。本考案の蒸気供給用保水容器は、蒸気供給後の水が内部に入ったままでも、破損されることなく滅菌処理ができることが明らかとなった。
<実験例5>
そこで、さらに、実験例1と同様にして、蒸気供給試験後の蒸気供給用保水容器を用意し、吊下用挿通孔を用いて、蒸気供給試験後の蒸気供給用保水容器を、バイオハザード対策用キャビネットに吊り下げたフックに吊り下げ、再封止可能な開閉チャックを開けた。蒸気供給用保水容器の中に、培養皿やマルチウェルプレートを複数個入れ、再封止可能な開閉チャックを閉じ、蒸気供給用保水容器の開口部を再封止した。その後、オートクレーブを用いて121℃、20分の条件にて滅菌処理を行った。
その結果、オートクレーブを通常通り行うことができた。また、蒸気供給用保水容器の再封止可能な開閉チャックはしっかりと閉じており、蒸気供給用保水容器自体に破損は確認されず、培養皿やマルチウェルプレートの滅菌処理を、蒸気供給用保水容器内で確実に行うことができた。
<実験例6>
実施例2の蒸気供給用保水容器を用い、その他は、実験例5と同様にして、滅菌処理を行う実験を行った。
その結果、オートクレーブを通常通り行うことができた。また、蒸気供給用保水容器の再封止可能な開閉チャックはしっかりと閉じており、蒸気供給用保水容器自体に破損は確認されず、培養皿やマルチウェルプレートの滅菌処理を、蒸気供給用保水容器内で確実に行うことができた。フックの位置が少々ずれていても、吊下用挿通孔が横に細い長穴となっているため、容易にフックに吊り下げることができた。さらに、再封止可能な開閉チャックを開けると、蒸気供給用保水容器内の水の重みで自然に開口部が開き始め、さらにフックに固定された横に細い長穴の近傍まで自然に開口部が開くため、蒸気供給用保水容器への廃棄物の投入が行い易かった。
<実験例7>
実施例3又は実施例4の蒸気供給用保水容器を用い、その他は、実験例5と同様にして、滅菌処理を行う実験を行った。
その結果、オートクレーブを通常通り行うことができた。また、蒸気供給用保水容器の再封止可能な開閉チャックはしっかりと閉じており、蒸気供給用保水容器自体に破損は確認されず、培養皿やマルチウェルプレートの滅菌処理を、蒸気供給用保水容器内で確実に行うことができた。また、再封止可能な開閉チャックにおいてチャックを着色しているため、再封止可能な開閉チャックの閉鎖が不十分であると封止部分の色が薄くなり、封止状態を把握しやすくなっていた。
本考案の蒸気供給用保水容器を用いれば、CPC内で使用した細胞・組織、培養液や、培養皿やマルチウェルプレートなどの消耗品などの廃棄物を、蒸気供給用保水容器用スタンドやバイオハザード対策用キャビネットに吊り下げたフックに吊り下げた蒸気供給後の蒸気供給用保水容器の空きスペースに投入し、再封止可能な開閉チャックを閉じるという最小の作業工数で、交叉汚染防止環境下に密封できるとともに、廃棄物の総容量を大幅に削減することが可能となることが明らかとなった。そして、該蒸気供給用保水容器を、インキュベーター〜バイオハザード対策用キャビネット〜CPC無菌室内〜パスボックス〜CPC滅菌処理室〜オートクレーブ〜パスボックス〜CPC外へと、1方向の自然な作業動線で、交叉汚染のリスクを極小にしながら廃棄物を移動させることが可能となることが明らかとなった。
また、CPC外へ搬出する際に必要とされる121℃、20〜60分などの条件にてオートクレーブを行うには、オートクレーブに水を供給することが必須であるところ、持ち込み可能な水の総量が制限されているCPCにおいて、オートクレーブのための水を新たに補充することなく、蒸気供給後の蒸気供給用保水容器内に残った水を、CPC内で使用した細胞・組織、培養液や消耗品などの廃棄物の滅菌において、蒸気供給用保水容器とともに有効に利用できることが明らかとなった。
本考案の手段により従来の加湿トレイとほぼ同等の蒸気供給能力を得ることが可能となるとともに、CPC内で使用した細胞・組織、培養液や、培養皿やマルチウェルプレートなどの消耗品などの廃棄物を、蒸気供給後の蒸気供給用保水容器の空きスペースに投入し、再封止可能な開閉チャックを閉じるという最小の作業工数で、交叉汚染防止環境下に密封でき、CPCにおける無菌区域内から搬出する医療廃棄物の総体積を減らすとともに、1方向の自然な作業動線で、交叉汚染のリスクを極小にしながら廃棄物を移動させることが可能なる。そして、使用する機器やCPCの標準化と、それら機器や施設の使用手順の標準化に寄与することができる、新たな蒸気供給用保水容器を提供することができる。
1 開口部
2 透湿性及び耐水性とバクテリアバリア性を備えた不織布
3 吊下用挿通孔
4 再封止可能な開閉チャック
5 蒸気供給用保水容器用ハンガーラック
6 水
7 インキュベーター
8 培養細胞・培養液が入った培養皿
10 蒸気供給用保水容器

Claims (4)

  1. 略矩形状のプラスチック樹脂フィルムを2枚重ね合わせて、これらの周囲のうち三方を封着し、残り一方を開口部として開口自在とした袋状の蒸気供給用保水容器であって、前記プラスチック樹脂フィルムの少なくとも1枚の中央部には透湿性及び耐水性とバクテリアバリア性を備えた不織布を配し、前記開口部には複数の吊下用挿通孔を備え、該挿通孔よりも中央部寄りの開口部に再封止可能な開閉チャックを設けて、内部に水を保水可能としたこと、を特徴とする蒸気供給用保水容器。
  2. 略矩形状のプラスチック樹脂フィルムを2枚重ね合わせて、これらの周囲のうち三方を封着し、残り一方を開口部として開口自在とした袋状の蒸気供給用保水容器であって、前記プラスチック樹脂フィルムの少なくとも1枚の中央部には透湿性及び耐水性とバクテリアバリア性を備えた不織布を配し、前記開口部には複数の吊下用挿通孔を備え、該挿通孔よりも中央部寄りの開口部に再封止可能な開閉チャックを設けて、内部に水を保水可能とし、蒸気供給後に封止したチャックを開け、さらに内部に使用済の培養器具や培養液を入れチャックを再封止することを可能としたこと、を特徴とする、請求項1に記載の蒸気供給用保水容器。
  3. 1枚の矩形のプラスチック樹脂フィルムをその長手方向中央部が容器底部となるように該プラスチック樹脂フィルムの対向する短辺同士を近接させるように短手方向に折り曲げることで上辺の高さの異なるA面とB面の向かい合う2面を形成するものであって、さらにA面とB面の左右の重ね合わさった辺同士をそれぞれ封着することで内部に袋状の空間を形成しうるものであって、封着前に短手方向の折り返し部をさらに内面側にA面B面ともに等幅に内面側に折り返すことで底面を形成してから前記重ね合わさった辺同士を封着することで、高さの異なるA面とB面の上端側に開口自在とした開口部を備えた袋状の蒸気供給用保水容器であって、前記プラスチック樹脂フィルムの少なくとも1枚の中央部には透湿性及び耐水性とバクテリアバリア性を備えた不織布を配し、前記開口部には複数の吊下用挿通孔を備え、該挿通孔よりも中央部寄りの開口部に再封止可能な開閉チャックを設けて、内部に水を保水可能とし、蒸気供給後に封止したチャックを開け、さらに内部に使用済の培養器具や培養液を入れチャックを再封止することを可能としたこと、を特徴とする蒸気供給用保水容器。
  4. 気密性を有する基材によって調製された水を担持する袋体であって、その袋体の一部に通気性、透湿性を有しかつバクテリアバリア性の膜状基材によって調製された蒸気供給部を有し、該袋体の開口部の上端部の内側に袋体を刺通する複数の吊り下げ穴と、該穴より下端に、チャック雄部とチャック雌部とからなる該袋体の開口部を開閉するための再封止可能な開閉チャックとを有するものとしたことを特徴とする、蒸気供給用保水容器。
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