JP3605430B2 - プレススル−機能を有する蓋材およびそれを使用した包装体 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、プレススル−機能を有する蓋材およびそれを使用したブリスタ−包装体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、注射針パックや歯ブラシ等の包装体としては、例えば、内容物収納用の凹部が形成されているプラスチック成形体からなる底材と、該底材における内容物収納用の凹部を閉塞する紙製の蓋材とからなる、所謂ブリスタ−包装体が利用されている。
【0003】
上記の注射針パックを内容物とするブリスタ−包装体においては、底材における内容物収納用の凹部に注射針パックを載置した後、滅菌紙による蓋材により凹部開口部を閉塞し、更に滅菌のためにブリスタ−包装体の全体にγ線等による放射線を10〜50kGy程度の線量で照射することによって、ブリスタ−包装体を製造している。
そして、この包装体から内容物を取り出すには、通常、紙製の蓋材を底材から引き剥がすか、あるいは底材の外側から内容物を指先で押し上げることによって蓋材を突き破る、所謂プレススル−等の機構を利用して開封している。
【0004】
また、歯ブラシを内容物とするブリスタ−包装体においては、底材における内容物収納用の凹部に歯ブラシを載置した後、一部にスリットを入れた紙製の蓋材により凹部開口部を閉塞して、ブリスタ−包装体を製造している。
この包装体においては、その内容物の取り出しは、蓋材に形成したスリットをきっかけにした蓋材の破断によって行われる。
【0005】
上記において、ブリスタ−包装体を構成する底材としては、例えば、注射針パック等を内容物とする場合は、ポリスチレン系樹脂シ−トまたはポリ塩化ビニル系樹脂シ−トにポリエチレン系樹脂を押し出しコ−トした厚さ約0.1ないし0.4mm程度のプラスチックシ−トを成形用素材とする内容物収納用の凹部を有する成形体が使用されており、また歯ブラシ等を内容物とする場合は、低結晶性または非結晶性のポリエチレンテレフタレ−ト系樹脂シ−トまたはポリ塩化ビニル系樹脂シ−トからなる厚さ約0.1ないし0.4mm程度のプラスチックシ−トを成形用素材とする内容物収納用の凹部を有する成形体が使用されている。
【0006】
【発明が解決しょうとする課題】
ところで、従来の紙製の蓋材を使用したブリスタ−包装体においては、内容物の取り出しの際に紙粉が発生するために非衛生的である、また濡れたときに内容物の無菌状態を維持することが困難である、蓋材が不透明であるためにブリスタ−包装体の蓋材側からの光等による内容物を自動的に検知することができない、紙製の蓋材を使用しているために防湿性および密閉性等が完全でない等の種々の欠点がある。
【0007】
また、従来の紙製の蓋材を使用したブリスタ−包装体においては、底材の外側から内容物を押し上げることによって蓋材を突き破る方法による内容物の取り出しを想定していないため、所謂プレススル−による内容物の取り出しに難点があるものである。
【0008】
更に、注射針パックを内容物とするブリスタ−包装体においては、蓋材として使用する滅菌紙が高価であり、また歯ブラシを内容物とするブリスタ−包装体においては、一部にスリットが入れてある蓋材を使用しているために商品の輸送時や店頭での販売時等に包装体内にゴミ等が入りやすい等の欠点があって好ましくないものである。
【0009】
本発明者は、上記のような欠点を改良すべく種々研究の結果、先に、γ線や電子線等の放射線を照射したポリプロピレン系樹脂のフィルムが強度や伸び等の物性において劣化現象を示し、これをブリスタ−包装体の蓋材として使用したところ、透明性、無菌維持性および密閉性等において優れた性質を有し、また内容物の取り出しをプレススル−機構で行うことができ、しかも内容物の取り出しに際し紙粉等が発生することがないブリスタ−包装体を見出したものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記のブリスタ−包装体について、更に種々研究した結果、放射線を照射したポリプロピレン系樹脂のフィルム、耐放射線性を有し、かつ上記のポリプロピレン系樹脂のフィルムにつれて引き裂き性を有する樹脂のフィルム、アンカ−コ−ト層およびヒ−トシ−ル層を順次に積層してなる積層体をブリスタ−包装体の蓋材として使用したところ、アンカ−コ−ト層とヒ−トシ−ル層との間で剥離し、ヒ−トシ−ル層が底材側に残り、これにより、剥離強度を安定させ、かつ剥離感を良好とし、更にヒ−トシ−ル層が底材側に残るので、確実にヒ−トシ−ルされていることを確認することができ、極めて密閉性に富むブリスタ−包装体を見出し、更にポリプロピレン系樹脂のフィルムの劣化によりプレススル−性を発揮し得ることおよびイ−ジ−ピ−ル性をも発揮し得ることを見出して、本発明を完成したものである。
【0011】
すなわち、本発明は、放射線を照射したポリプロピレン系樹脂のフィルム、耐放射線性を有し、かつ上記のポリプロピレン系樹脂のフィルムにつれて引き裂き性を有する樹脂のフィルム、アンカ−コ−ト層およびヒ−トシ−ル層を順次に積層してなることを特徴とするプレススル−機能を有する蓋材に関するものである。
【0012】
更に、本発明は、内容物収納用の凹部が形成されてなる合成樹脂性底材と、該凹部に収納されている内容物と、該凹部を閉塞して密閉する蓋材とからなり、かつ該蓋材が、放射線を照射したポリプロピレン系樹脂のフィルム、耐放射線性を有し、かつ上記のポリプロピレン系樹脂のフィルムにつれて引き裂き性を有する樹脂のフィルム、アンカ−コ−ト層およびヒ−トシ−ル層を順次に積層してなる包材からなることを特徴とするブリスタ−包装体に関するものである。
【0013】
【作用】
本発明においては、ポリプロピレン系樹脂のフィルムに放射線を照射することによって該フィルムが物性的に劣化することから、これをブリスタ−包装体の蓋材として使用することにより、開封時にプレススル−性を発揮し得るものであり、またアンカ−コ−ト層とヒ−トシ−ル層との層間で剥離を生ずることからシ−ル条件によらず一定の剥離強度を実現することができものであり、、しかもヒ−トシ−ル層が底材に残るので、底材と蓋材とを剥離後に蓋材が底材に確実に接着していることを目視にて確認することができるものである。
【0014】
【本発明】
上記の本発明について、以下に更に詳しく説明する。
【0015】
先ず、上記の本発明において、ポリプロピレン系樹脂のフィルムとしては、例えば、通常のポリプロピレン系樹脂、あるいはプロピレンとエチレン、ブテン−1等との共重合体からなるフィルムを使用することができ、その厚さは、約10ないし50μm、好ましくは15ないし35μm程度のものを使用することができる。
なお、このフィルムには、必要ならば、印刷等によって文字、図形等を任意に施すことができる。
なおまた、本発明において、フィルムという場合には、フィルム状あるいはシ−ト状とのいずれの状態のものをも意味するものである。
【0016】
そして、本発明におけるポリプロピレン系樹脂のフィルムは、放射線を照射することによって劣化し、ブリスタ−包装体の内容物を底材の外部から指先で押し上げて蓋材に力を加えた時に容易に破れる、所謂プレススル−性を有することが必要である。
【0017】
上記のようなポリプロピレン系樹脂のフィルムとしては、具体的には、一軸延伸、あるいは一方向の延伸を他方向の延伸よりも強くした二軸延伸のフィルムないしシ−トを使用することができ、放射線の照射後におけるJISK 6734による引っ張り強さが、一軸延伸のフィルムの場合、延伸方向において4.0ないし12.0kgf/mm2 、未延伸方向において0.5ないし4.0kgf/mm2 、二軸延伸のフィルムの場合、強延伸方向において4.0ないし12.0kgf/mm2 、弱延伸方向において0.5ないし4.0kgf/mm2 位のもの、また、JISK 6734による引っ張り破断伸びが、一軸延伸のフィルムの場合、延伸方向において5.0ないし50.0%、未延伸方向において0.5ないし5.0%、二軸延伸のフィルムの場合、強延伸方向において5.0ないし50.0%、弱延伸方向において0.5ないし5.0%位のものを使用することができる。
【0018】
次に、本発明において、耐放射線性を有し、かつ上記のポリプロピレン系樹脂のフィルムにつれて引き裂き性を有する樹脂のフィルムとしては、例えば、放射線の照射によって劣化することなく、かつ放射線を照射した後にはポリプロピレン系樹脂のフィルムにつれて引き裂ける性質を有する樹脂のフィルム等を使用することができる。
【0019】
具体的には、耐放射線型ポリプロピレン系樹脂、線状底密度ポリエチレン系樹脂、底密度ポリエチレン系樹脂、中密度ポリエチレン系樹脂、高密度ポリエチレン系樹脂、アイオノマ−系樹脂、環状ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリカ−ボネ−ト系樹脂、アクリル系樹脂、ポリスチレン系樹脂等の公知の樹脂のフィルムを使用することができる。
【0020】
本発明において、上記の樹脂のフィルムとしては、材料コスト、あるいは製造コスト等を考慮すると、ポリエチレン系樹脂のフィルムが好適であり、特に放射線の照射によっても異臭が発生しないことから、線状底密度ポリエチレン系樹脂、中密度ポリエチレン系樹脂、高密度ポリエチレン系樹脂、アイオノマ−系樹脂等の樹脂のフィルムを使用することが好ましい。
【0021】
ところで、本発明において、上記の樹脂のフィルムの厚さとしては、ブリスタ−包装体の形状、内容物の重量等によって変わるが、基本的には、ポリプロピレン系樹脂のフィルムにつれて引き裂ける性質を有していればよく、例えば、6ないし100μm位が好ましく、更には10ないし60μm位が最適である。
【0022】
次に、本発明において、アンカ−コ−ト層としては、上記の樹脂のフィルムとヒ−トシ−ル層とを積層するために使用する接着促進剤的、接着向上剤的あるいは接着補足剤的等の機能を有するものを使用することができ、例えば、有機チタン系、イソシアネ−ト系、ポリエチレンイミン系、ポリブタジェン系等の公知のアンカ−コ−ト剤からなるアンカ−コ−ト層を使用することができる。
その使用量としては、任意であるが、通常、0.5ないし2%希釈液で0.3ないし10g/m2 位の塗布量が好ましい。
【0023】
更にまた、本発明において、ヒ−トシ−ル層としては、蓋材を底材に接着させるためのものであり、底材の材質等を考慮して任意に選択することができる。
例えば、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコ−ル、ポリビニルアセタ−ル、ポリビニルブチラ−ル、ポリ塩化ビニル、ポリアミド、ポリオレフィン系樹脂、ポリアクリル系樹脂、ニトロセルロ−ス、酢酸セルロ−ス、エチレン−酢酸ビニルコポリマ−、エチレン−アクリル酸エチルコポリマ−、塩化ビニル−酢酸ビニルコポリマ−、ポリスチレン等をビヒクルとする公知の接着剤を使用することができる。
【0024】
そして、ヒ−トシ−ル層を形成する方法としては、公知の方法、例えば、ロ−ルコ−ト、グラビアコ−ト、リバ−スコ−ト、押し出しコ−ト等の通常の方法で形成することができる。
【0025】
次に、上記の本発明において、放射線を照射したポリプロピレン系樹脂のフィルム、耐放射線性を有し、かつ上記のポリプロピレン系樹脂のフィルムにつれて引き裂き性を有する樹脂のフィルム、アンカ−コ−ト層およびヒ−トシ−ル層を順次に積層する方法について、説明すれば、この積層法としては、種々の方法を採り得る。
【0026】
その一例を挙げれば、例えば、ポリプロピレン系樹脂のフィルムに、必要に応じて、接着剤層を形成し、次いで、上記のポリプロピレン系樹脂のフィルムにつれて引き裂き性を有する樹脂のフィルムを構成する樹脂を押し出しコ−トする方法、あるいは該樹脂のフィルムを接着剤層を介して、所謂ドライラミネ−トする方法等によって、先ず、上記のポリプロピレン系樹脂のフィルムとそれにつれて引き裂き性を有する樹脂のフィルムとからなる積層体を製造する。
次に、上記の積層体の樹脂のフィルム面にアンカ−コ−ト剤をコ−ティングしてアンカ−コ−ト層を形成し、しかる後ヒ−トシ−ル層を構成する樹脂ビヒクルを押し出しコ−トすること、あるいはその樹脂のフィルムをドライラミネ−トすること等によって、本発明のプレススル−機能を有する蓋材を製造することができる。
【0027】
上記の本発明において、ポリプロピレン系樹脂のフィルムと、該ポリプロピレン系樹脂のフィルムにつれて引き裂き性を有する樹脂のフィルムとを積層するために使用する接着剤としては、例えば、ポリエステル系、ウレタン変成ポリエステル系、ポリエ−テル系、ポリウレタン系、変成エ−テル型ポリエステル系等をビヒクルとする接着剤を使用することができる。
この場合、例えば、プロピレントルイレンジイソシアネ−ト、ヘキサメチレンジイソシアネ−ト等の硬化剤を使用することもできる。
【0028】
なお、本発明のプレススル−機能を有する蓋材においては、ブリスタ−包装体で、特にガスバリヤ−層、あるいは水蒸気バリヤ−層等が必要な場合には、例えば、ポリ塩化ビニリデン系樹脂、エチレン−ビニルアルコ−ル系樹脂、ポリアミド系樹脂等からなるバリヤ−性樹脂層、あるいは酸化珪素や酸化アルミニウム等の無機酸化物の蒸着層を有するプラスチックフィルム等を任意に積層することができる。
【0029】
次に、本発明において、蓋材を構成するポリプロピレン系樹脂のフィルムに放射線を照射して劣化させるには、積層して蓋材を構成する前のポリプロピレン系樹脂のフィルムそれ自身、積層した後の蓋材、更には該蓋材を底材と接着した後の包装体等に放射線を照射することによって劣化させることができる。
本発明においては、上記において、滅菌等を兼ねることから、包装体等に放射線を照射することによって劣化させる方法が好ましい。
【0030】
そして、本発明においては、照射する放射線としては、例えば、γ線、X線、電子線等をあげることができ、特にγ線、電子線が好ましく、また両者を組み合わせて使用することもできる。
【0031】
本発明において、放射線の照射量としては、任意であるが、放射線の照射によってポリプロピレン系樹脂のフィルムがプレススル−機能を発揮する程度に劣化すればよく、例えば、電子線照射の場合、10ないし200kGy程度、γ線照射の場合、5ないし100kGy程度が好ましい。
また、γ線照射の場合、包装体の内部、および内容物の滅菌を行う等の特別の目的がある場合には、それ以上の照射量でもよい。
【0032】
次に、本発明において、上記のプレススル−機能を有する蓋材を使用して本発明にかかるブリスタ−包装体を製造する方法について説明すると、第1図に示すように、先ず、底材を構成する合成樹脂のフィルムを真空成形あるいは圧空成形して内容物収納用の凹部1が形成されてなる合成樹脂性底材2を製造し、次いで該凹部1内に内容物Aを収納し、しかる後該底材のフランジ部に上記で得たプレススル−機能を有する蓋材3のヒ−トシ−ル層面を重ね合わせてヒ−トシ−ルして密閉するすることによって、本発明のブリスタ−包装体4を製造し得るものである。
【0033】
なお、本発明においては、前述のように、ポリプロピレン系樹脂のフィルムに放射線を照射して劣化させるには、蓋材をシ−ルする前または後等において照射して劣化させることができる。
【0034】
【効果】
上記の本発明によれば、先ず、ブリスタ−包装体の底材の外側から内容物を指先で押し上げることによって蓋材を突き破る、いわゆるプレススル−機構によって内容物の取り出しを容易に行い得ることができるものである。
また、本発明においては、蓋材をイ−ジ−ピ−ルすることによって、内容物の取り出しを容易に行い得ることができるものである。
【0035】
また、本発明のプレススル−機能を有する蓋材によれば、透明性、無菌維持性および密閉性等において優れた性質を有し、しかも内容物の取り出しに際して紙粉が発生することのないブリスタ−包装体を得ることができるものである。
【0036】
更に、本発明においては、ポリプロピレン系樹脂のフィルムに放射線を照射することによって該フィルムが物性的に劣化することから、これをブリスタ−包装体の蓋材として使用することにより、開封時にプレススル−性を発揮し得るばかりではなく、アンカ−コ−ト層とヒ−トシ−ル層との層間で剥離を生ずることからシ−ル条件によらず一定の剥離強度を実現することができものであり、しかも開封後、ヒ−トシ−ル層が底材に残るので、底材と蓋材とを剥離後に蓋材が底材に確実に接着していることを目視にて確認することができるものである。
【0037】
【実施例】
次に、本発明について、具体例を挙げて更に本発明を詳細に説明する。
【0038】
実施例1
ポリプロピレン系樹脂を製膜原料とする原反フィルムを機械方向の一軸方向に3倍の延伸倍率で延伸配向させ、厚さ20μmの一軸延伸ポリプロピレン系樹脂フィルムを得た。
上記で得たフィルムに25kGyのγ線照射を施した後に、JISK 6734による引っ張り強さおよび引っ張り破断伸びを測定した。
引っ張り強さは、延伸方向で9.4kgf/mm2 、無延伸方向で2.8kgf/mm2 であり、また引っ張り破断伸びは、延伸方向で55.6%、無延伸方向で1.9%であった。
次に、上記で得た放射線照射前の一軸延伸ポリプロピレン系樹脂フィルムの片面にコロナ放電処理を施すことにより、該コロナ放電処理面の表面濡れ特性を50dynにした後、このコロナ放電処理面に印刷模様を形成し、次いでその面に二液硬化型ポリエステル系接着剤をコ−トして厚さ2μmの接着剤層を形成し、更に該接着剤層面に対して、線状低密度ポリエチレン樹脂をヒ−タ温度290℃で押し出しコ−ト法により押し出しコ−トして、厚さ20μmの線状低密度ポリエチレン樹脂層を形成した。
なお、線状低密度ポリエチレン樹脂を押し出す際に該線状低密度ポリエチレン樹脂層の積層面にオゾン処理を行った。
次に、上記で得た線状低密度ポリエチレン樹脂層面にオレフィン系アンカ−コ−ト剤をコ−トして厚さ1μmのアンカ−コ−ト層を形成し、更に該アンカ−コ−ト層を介してオレフィン系ヒ−トシ−ル剤をコ−トして厚さ8μmのヒ−トシ−ル層を形成して、蓋材用積層体を得た。
他方、耐γ線グレ−ドのポリ塩化ビニル樹脂による厚さ100μmのシ−トの片面に二液硬化型ポリウレタン系接着剤を厚さ2μmにコ−トした後該コ−ト面に厚さ30μmの線状低密度ポリエチレン樹脂層を押し出しコ−ト法により形成して底材用積層材を得た。
この底材用積層材を真空成形して内容物収納用の凹部を有する注射針パック用の底材を得た。
なお、この底材は、積層材の線状低密度ポリエチレン樹脂層面が凹部の内周面層となるように形成した。
この底材の凹部内に内容物である注射針パックを載置した後、先の蓋材用積層材のヒ−トシ−ル層面を、シ−ル温度150℃、シ−ル時間0.2秒、シ−ル圧3kgf/cm2 のシ−ル条件でヒ−トシ−ルし、更に25kGyのγ線照射による殺菌処理を行うことにより、本発明の実施品であるプレススル−機能を有するブリスタ−包装体を得た。
なお、蓋材用積層材は、注射針パックの長手方向と蓋材用積層材のポリプロピレン系樹脂フィルムの延伸配向方向とが直交するようにして、底材にヒ−トシ−ルした。
【0039】
実施例2
ポリプロピレン系樹脂を製膜原料とする原反フィルムを機械方向に3倍の延伸倍率で延伸配向させた後、更に機械方向と略直角方向に1.5倍の延伸倍率で延伸配向させ、厚さ20μmの二軸延伸ポリプロピレン系樹脂フィルムを得た。
上記で得たフィルムに25kGyのγ線照射を施した後に、JISK 6734による引っ張り強さおよび引っ張り破断伸びを測定した。
引っ張り強さは、強延伸方向で12.2kgf/mm2 、弱延伸方向で6.3kgf/mm2 であり、また引っ張り破断伸びは、強延伸方向で69.5%、弱延伸方向で8.8%であった。
次に、上記で得た放射線照射前の二軸延伸ポリプロピレン系樹脂フィルムの片面にコロナ放電処理を施すことにより、該コロナ放電処理面の表面濡れ特性を50dynにした後、このコロナ放電処理面に印刷模様を形成し、次いでその面に二液硬化型ポリエステル系接着剤をコ−トして厚さ2μmの接着剤層を形成し、更に該接着剤層面に対して、線状低密度ポリエチレン樹脂をヒ−タ温度290℃で押し出しコ−ト法により押し出しコ−トして、厚さ20μmの線状低密度ポリエチレン樹脂層を形成した。
なお、線状低密度ポリエチレン樹脂を押し出す際に該線状低密度ポリエチレン樹脂層の積層面にオゾン処理を行った。
次に、上記で得た線状低密度ポリエチレン樹脂層面にオレフィン系アンカ−コ−ト剤をコ−トして厚さ1μmのアンカ−コ−ト層を形成し、更に該アンカ−コ−ト層を介してオレフィン系ヒ−トシ−ル剤をコ−トして厚さ8μmのヒ−トシ−ル層を形成して、蓋材用積層体を得た。
他方、耐γ線グレ−ドのポリ塩化ビニル樹脂による厚さ100μmのシ−トの片面に二液硬化型ポリウレタン系接着剤を厚さ2μmにコ−トした後該コ−ト面に厚さ30μmの線状低密度ポリエチレン樹脂層を押し出しコ−ト法により形成して底材用積層材を得た。
この底材用積層材を真空成形して内容物収納用の凹部を有する注射針パック用の底材を得た。
なお、この底材は、積層材の線状低密度ポリエチレン樹脂層面が凹部の内周面層となるように形成した。
この底材の凹部内に内容物である注射針パックを載置した後、先の蓋材用積層材のヒ−トシ−ル層面を、シ−ル温度150℃、シ−ル時間0.2秒、シ−ル圧3kgf/cm2 のシ−ル条件でヒ−トシ−ルし、更に25kGyのγ線照射による殺菌処理を行うことにより、本発明の実施品であるプレススル−機能を有するブリスタ−包装体を得た。
なお、蓋材用積層材は、注射針パックの長手方向と蓋材用積層材のポリプロピレン系樹脂フィルムの延伸配向方向とが直交するようにして、底材にヒ−トシ−ルした。
【0040】
実施例3
実施例1で得た放射線照射前の一軸延伸ポリプロピレン系樹脂フィルムの片面にコロナ放電処理を施すことにより、該コロナ放電処理面の表面濡れ特性を50dynにした後、このコロナ放電処理面に印刷模様を形成し、次いでその面に二液硬化型ポリエステル系接着剤をコ−トして厚さ2μmの接着剤層を形成し、更に該接着剤層面に対して、線状低密度ポリエチレン樹脂をヒ−タ温度290℃で押し出しコ−ト法により押し出しコ−トして、厚さ40μmの線状低密度ポリエチレン樹脂層を形成した。
なお、線状低密度ポリエチレン樹脂を押し出す際に該線状低密度ポリエチレン樹脂層の積層面にオゾン処理を行った。
次に、上記で得た積層材に30kGyのγ線を照射した後、該線状低密度ポリエチレン樹脂層面にオレフィン系アンカ−コ−ト剤をコ−トして厚さ1μmのアンカ−コ−ト層を形成し、更に該アンカ−コ−ト層を介してオレフィン系ヒ−トシ−ル剤をコ−トして厚さ8μmのヒ−トシ−ル層を形成して、蓋材用積層体を得た。
他方、厚さ0.25mmのポリエステル樹脂シ−トを真空成形して歯ブラシ収納用の凹部を有する底材を得た。
この底材の凹部内に内容物である歯ブラシを載置した後、先の蓋材用積層材のヒ−トシ−ル層面を、シ−ル温度150℃、シ−ル時間0.2秒、シ−ル圧3kgf/cm2 のシ−ル条件でヒ−トシ−ルして、本発明の実施品であるプレススル−機能を有するブリスタ−包装体を得た。
なお、蓋材用積層材は、歯ブラシの長手方向と蓋材用積層材のポリプロピレン系樹脂フィルムの延伸配向方向とが直交するようにして、底材にヒ−トシ−ルした。
【0041】
比較例1
ポリエステル系樹脂を製膜原料とする原反フィルムを機械方向の一軸方向に3倍の延伸倍率で延伸配向させ、厚さ20μmの一軸延伸ポリエステル系樹脂フィルムを得た。
上記で得たフィルムに25kGyのγ線照射を施した後に、JISK 6734による引っ張り強さおよび引っ張り破断伸びを測定した。
引っ張り強さは、延伸方向で16.2kgf/mm2 、無延伸方向で8.8kgf/mm2 であり、また引っ張り破断伸びは、延伸方向で52.7%、無延伸方向で73.3%であった。
次に、上記で得た放射線照射前の一軸延伸ポリエステル系樹脂フィルムを使用して、以下実施例1と同様に行ってブリスタ−包装体を得た。
【0042】
実験例1
実施例1ないし実施例3および比較例1で得た各ブリスタ−包装体について、プレススル−により開封してときの開封のし易さ、内容物の視認性、異臭の発生の有無等について検査した。
これらの結果を〔表1〕に示す。
【0043】
【表1】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のプレススル−機能を有する蓋材を使用して得られたブリスタ−包装体の一例を示す縦断面図である。
【符号の説明】
1・・・内容物収納用の凹部
2・・・ブリスタ−パックの底材
3・・・プレススル−機能を有する蓋材
4・・・ブリスタ−包装体
A・・・内容物
Claims (1)
- 内容物収納用の凹部が形成されている合成樹脂性底材と、該凹部に収納されている内容物と、該凹部を閉塞して密閉する蓋材とからなり、かつ該蓋材が、放射線を照射することによって劣化し、ブリスタ−包装体の内容物を底材の外部から指先で押し上げて蓋材に力を加えた時に容易に破れるポリプロピレン系樹脂のフィルム、放射線の照射によって劣化することなく、かつ放射線を照射した後には上記のポリプロピレン系樹脂フィルムにつれて引き裂ける性質を有する樹脂のフィルム、アンカ−コ−ト層およびヒ−トシ−ル層を順次に積層してなる包材からなり、更に、上記の蓋材を底材と接着した後の包装体に放射線を照射し、上記のポリプロピレン系樹脂のフィルムを劣化させると共に滅菌包装することを特徴とするブリスタ−包装体。
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