JP2017023681A - ポリビニルアセタール樹脂多孔質体の滅菌方法及び滅菌用包装体 - Google Patents

ポリビニルアセタール樹脂多孔質体の滅菌方法及び滅菌用包装体 Download PDF

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Abstract

【課題】医療用途での使用に好適なポリビニルアセタール多孔質体を得る。【課題手段】ポリビニルアセタール樹脂多孔質体2とホルムアルデヒド吸着材3とを包装袋4内に収容して密閉した状態で、包装袋4の外部から電子線又はガンマ線を照射する【選択図】図1

Description

本発明は、電子線又はガンマ線の照射によってポリビニルアセタール樹脂多孔質体を滅菌する滅菌方法及び滅菌用包装体に関する。
PVAtスポンジ(ポリビニルアセタール樹脂多孔質体)は、ポリビニルアルコール(原料)の水溶液に架橋剤としてアルデヒド類、触媒として鉱酸類、及び気孔形成剤を加え、これらの混合液を所定の型内に注入し、加熱により反応させて型から取り出した後、水洗により気孔形成剤等を除去することによって得られる。
係るPVAtスポンジは、吸水性や保水性に優れるとともに湿潤時に好ましい柔軟性や反発弾性を有する素材としてよく知られており、PVAtスポンジを医療用途で使用する場合には、PVAtスポンジに滅菌処理を施す必要がある。
特許文献1には、密閉包装したPVAtスポンジに電子線又はガンマ線を照射することによって、PVAtスポンジが滅菌されることが記載されている。
特開平11−152367号公報
電子線やガンマ線を照射していないPVAtスポンジではホルムアルデヒドの溶出が問題となることはないが、滅菌のための電子線やガンマ線を照射すると、PVAtスポンジからのホルムアルデヒドの溶出量が増大してしまい、医療用途での使用に適さない可能性が生じる。
そこで、本発明は、医療用途での使用に好適なポリビニルアセタール多孔質体を得ることが可能なポリビニルアセタール多孔質体の滅菌方法及び滅菌用包装体の提供を目的とする。
上記目的を達成すべく、本発明のポリビニルアセタール樹脂多孔質体の滅菌方法では、ポリビニルアセタール樹脂多孔質体とホルムアルデヒド吸着材とを包装袋内に収容して密閉した状態で、前記包装袋の外部から電子線又はガンマ線を照射する。
また、本発明のポリビニルアセタール樹脂多孔質体の滅菌用包装体は、包装袋の外部から電子線又はガンマ線を照射して前記包装袋内のポリビニルアセタール樹脂多孔質体を滅菌するために、ポリビニルアセタール樹脂多孔質体とホルムアルデヒド吸着材とを包装袋内に収容して密閉する。
包装袋内のポリビニルアセタール樹脂多孔質体は、通気性を有する内包装袋内に収容されていてもよい。
通気性を有する内包装袋(透気性包装袋)は、滅菌に好適な微生物バリア性を有することが好ましく、内包装袋の素材としては、例えば紙や不織布が挙げられる。より具体的に例示すると、医療用滅菌紙や医療用タイベックが好適である。内包装袋は、その一部の領域のみが通気性を有してもよく、その全域が通気性を有してもよい。
ポリビニルアセタール樹脂多孔質体は、乾燥状態であってもよく湿潤状態であってもよい。
ポリビニルアセタール樹脂多孔質体とともに包装袋内に収容するホルムアルデヒド吸着材は、物理的あるいは化学的な吸着によるホルムアルデヒド吸収能を有するものであればよく、例えば活性炭、多孔質粘土鉱物、尿素、亜硫酸塩、ヒドラジド類、アミン化合物などが挙げられる。より具体的に例示すると、活性炭又はゼオライト系吸着材、セピオライト、尿素、亜硫酸水素ナトリウム、リン酸アンモニウム、硫酸アンモニウム、アジピン酸ジビドラジドが好適である。
ポリビニルアセタール樹脂多孔質体とホルムアルデヒド吸着材とを包装袋内に収容して密閉した状態で、包装袋の外部から電子線又はガンマ線を照射するので、電子線又はガンマ線の照射によりポリビニルアセタール樹脂多孔質体から揮発(溶出)したホルムアルデヒドがホルムアルデヒド吸着材に吸着される。このように、揮発したホルムアルデヒドをポリビニルアセタール樹脂多孔質体からホルムアルデヒド吸着材へ確実に移動及び保持させて、揮発したホルムアルデヒドのポリビニルアセタール樹脂多孔質体への再吸着を抑制することができるので、電子線又はガンマ線の照射後にポリビニルアセタール樹脂多孔質体に残存するホルムアルデヒドの量を効率よく低減させることができ、医療用途での使用に好適なポリビニルアセタール樹脂多孔質体を得ることができる。
本発明の他の滅菌方法では、ホルムアルデヒド吸着性能を有する包装袋内にポリビニルアセタール樹脂多孔質体を収容して密閉した状態で、包装袋の外部から電子線又はガンマ線を照射する。
本発明の他の滅菌用包装体は、包装袋の外部から電子線又はガンマ線を照射して包装袋内のポリビニルアセタール樹脂多孔質体を滅菌するために、ポリビニルアセタール樹脂多孔質体を包装袋内に収容して密閉した滅菌用包装体であって、包装袋は、ホルムアルデヒド吸着性能を有する。
包装袋内のポリビニルアセタール樹脂多孔質体は、通気性を有する内包装袋内に収容されていてもよい。
ホルムアルデヒド吸着性能を有する包装袋は、例えば上記ホルムアルデヒド吸着材を含有するフィルムを袋状に形成することによって得ることができる。
ホルムアルデヒド吸着性能を有する包装袋内にポリビニルアセタール樹脂多孔質体を収容して密閉した状態で、包装袋の外部から電子線又はガンマ線を照射するので、電子線又はガンマ線の照射によりポリビニルアセタール樹脂多孔質体から揮発(溶出)したホルムアルデヒドが包装袋に吸着される。このように、揮発したホルムアルデヒドをポリビニルアセタール樹脂多孔質体から包装袋へ確実に移動及び保持させて、揮発したホルムアルデヒドのポリビニルアセタール樹脂多孔質体への再吸着を抑制することができるので、電子線又はガンマ線の照射後にポリビニルアセタール樹脂多孔質体に残存するホルムアルデヒドの量を効率よく低減させることができ、医療用途での使用に好適なポリビニルアセタール樹脂多孔質体を得ることができる。
なお、ホルムアルデヒド吸着性能を有する包装袋内に、ホルムアルデヒド吸着材をさらに同封してもよい。
また、ホルムアルデヒド吸着材を同封する場合及びホルムアルデヒド吸着性能を有する包装袋を用いる場合の何れにおいても、包装袋を密閉する際に、包装袋の内部の酸素濃度を大気中の酸素濃度(約21%)よりも低い20%以下に低減して密閉し、係る低酸素濃度の雰囲気内のポリビニルアセタール樹脂多孔質体に包装袋の外部から電子線又はガンマ線を照射することが好適である。
本発明によれば、医療用途での使用に好適なポリビニルアセタール多孔質体を得ることができる。
本発明の一実施形態に係る滅菌用包装体を示す図であり、(a)は包装前の状態を、(b)は包装後の状態をそれぞれ示す。 滅菌用包装体の他の例を示す図であり、(a)は包装前の状態を、(b)は包装後の状態をそれぞれ示す。
ポリビニルアセタール樹脂多孔質体(以下、PVAtスポンジと称する)は、乾燥状態で硬化し、湿潤状態で軟化する。PVAtスポンジは、吸水性及び保水性に優れ、湿潤時に好ましい柔軟性と適度な反発弾性を示し、耐磨耗性にも優れている。
本実施形態のPVAtスポンジは、乾燥状態あるいは湿潤状態のPVAtスポンジ素材を切断や打ち抜き等により所定形状に加工したものであり、医療用途に使用される。PVAtスポンジ素材は、例えば平均重合度500〜3000でケン化度80%以上のポリビニルアルコール(原料)を一種又はそれ以上混合して水溶液とし、この水溶液に架橋剤としてホルムアルデヒド、触媒として鉱酸類、及び気孔形成剤として澱粉等を加え、これらの混合液を所定の型内に注入し、40〜80℃で反応させて型から取り出した後、水洗により気孔形成剤等を除去することによって得られる。
医療用途で使用するPVAtスポンジには、電子線又はガンマ線(以下、電子線等と称する)の照射による滅菌処理が施される。
PVAtスポンジに電子線等を照射して滅菌する際には、図1に示すように、PVAtスポンジ2とホルムアルデヒド吸着材3とを、通気性(透気性)を有さない非通気性の包装袋4内に収容し、包装袋4の開口部4aを加熱シール等によって密閉した後、包装袋4の外側から電子線等を照射する。1つの包装袋4内に収容するPVAtスポンジ2の数は、1つであってもよく複数であってもよい。PVAtスポンジ2は、包装袋4内に密閉された状態でユーザに提供され、ユーザは、PVAtスポンジ2を使用する際に包装袋4を開封してPVAtスポンジ2を取り出す。
また、1つの包装袋4内に複数(多数)のPVAtスポンジ2を収容する場合、PVAtスポンジ2のユーザは、同封された全てのPVAtスポンジ2を包装袋4の開封後に直ぐに使用するとは限らない。このため、図2に示すように、通気性を有する1つの内包装袋6内に所定数(例えば1つ)のPVAtスポンジ2を収容して内包装袋6の開口部6aを閉止し、各々が所定数のPVAtスポンジ2を収容する複数の内包装袋6とホルムアルデヒド吸着材3とを非通気性の包装袋4内に収容し、包装袋4の開口部4aを加熱シール等によって密閉した後、包装袋4の外側から電子線等を照射することが好適である。内側の内包装袋6と外側の包装袋4との二重包装により、包装袋4の開封後における未使用のPVAtスポンジ2の汚染を確実に抑制することができる。
このように、PVAtスポンジ2を滅菌する際には、包装袋4内にPVAtスポンジ2とホルムアルデヒド吸着材3とを収容して密閉した滅菌用包装体1,10を準備し、滅菌用包装体1,10の外部から電子線等を照射する。
ホルムアルデヒド吸着材3には、活性炭やゼオライト系吸着材などが好適に用いられる。ホルムアルデヒド吸着材3は、シート状であってもよく、粉末状であってもよい。粉末状のホルムアルデヒド吸着材を用いる場合、通気性を有する袋内にホルムアルデヒド吸着材を収納し、その袋を包装袋4内に収容する。包装袋4の密閉時には、包装袋4内の酸素濃度を低減させてから密閉することが好ましい。
PVAtスポンジ2とホルムアルデヒド吸着材3とを包装袋4内に収容して密閉した状態で、包装袋4の外部から電子線等を照射するので、電子線等の照射によりPVAtスポンジ2から揮発(溶出)したホルムアルデヒドがホルムアルデヒド吸着材3に吸着される。このように、揮発したホルムアルデヒドをホルムアルデヒド吸着材3へ確実に移動及び保持させて、揮発したホルムアルデヒドのPVAスポンジ2への再吸着を抑制することができるので、電子線等の照射後にPVAtスポンジ2に残存するホルムアルデヒドの量を効率よく低減させることができ、医療用途での使用に好適なPVAtスポンジ2を得ることができる。
また、ホルムアルデヒド吸着材3を同封することに代えて又は加えて、ホルムアルデヒド吸着性能を有する包装袋5を用いてもよい。ホルムアルデヒド吸着性能を有する包装袋5は、例えば上記ホルムアルデヒド吸着材を含有するフィルムを袋状に形成することによって得ることができる。包装袋5の密閉時には、包装袋5内の酸素濃度を低減させてから密閉することが好ましい。
ホルムアルデヒド吸着性能を有する包装袋5内にPVAtスポンジ2を収容して密閉した状態で、包装袋5の外部から電子線又はガンマ線を照射するので、電子線又はガンマ線の照射によりPVAtスポンジ2から揮発(溶出)したホルムアルデヒドが包装袋5に吸着される。このように、揮発したホルムアルデヒドを包装袋5へ確実に移動及び保持させて、揮発したホルムアルデヒドのPVAtスポンジ2への再吸着を抑制することができるので、電子線又はガンマ線の照射後にPVAtスポンジ2に残存するホルムアルデヒドの量を効率よく低減させることができ、医療用途での使用に好適なPVAtスポンジ2を得ることができる。
以下に実施例をあげて本発明を説明するが、本発明はこれら実施例により何ら限定されるものではない。
実施例1〜7及び比較例1,2において、使用したPVAtスポンジは2種類(タイプA及びタイプB)であり、タイプAとタイプBとについて、その各々をホルムアルデヒド吸着材とともに包装袋内に収容して密閉し(実施例7については、ホルムアルデヒド吸着性能を有する包装袋内に収容して密閉し)、各包装袋の外部から電子線を照射した後、ホルムアルデヒド溶出量を求めた。なお、タイプAについては実施例1〜7及び比較例1,2の全てを行い、タイプBについては実施例1,3,5〜7及び比較例1を行った。
また、実施例8では、通気性を有する内包装袋内にPVAtスポンジ(タイプA及びタイプBの各々)を収容して閉止し、ホルムアルデヒド吸着材と共に包装袋内に収容して密閉し、包装袋の外部から電子線を照射した後、ホルムアルデヒド溶出量を求めた。
タイプAのPVAtスポンジ素材は、下記のように作成した。
平均重合度1700の部分鹸化型PVA(クラレ(株)製ポバール22−88)の13%水溶液35リットルに馬鈴薯澱粉の分散液5リットルを混合、50%硫酸5リットルと37%ホルムアルデヒド水溶液5リットルを加え、容器に流し込んで、60℃にて、18時間反応させた。反応終了後、容器より取り出し、洗浄して余剰のホルムアルデヒド、硫酸、澱粉等を除去し、タイプAのPVAtスポンジ素材を得た。
また、タイプBのスポンジ素材は、下記のように作成した。
平均重合度1700の完全鹸化型PVA(クラレ(株)製ポバール28−98)の13%水溶液35リットルに馬鈴薯澱粉の分散液5リットルを混合、50%硫酸5リットルと37%ホルムアルデヒド水溶液5リットルを加え、容器に流し込んで、60℃にて、18時間反応させた。反応終了後、容器より取り出し、洗浄して余剰のホルムアルデヒド、硫酸、澱粉等を除去し、タイプBのPVAtスポンジ素材を得た。
実施例1〜8及び比較例1,2において、使用したPVAtスポンジは何れも同じPVAtスポンジ素材(タイプA又はタイプB)から同じ寸法形状(縦80mm×横15mm×厚さ13mm)に加工したものである。また、使用した包装袋は、何れもアソー(株)のASOアルミラミネート袋であり、ナイロン/アルミ/ナイロン/ポリエチレンを積層して構成された同一素材で同一形状の袋状シートである。
(実施例1)
乾燥したPVAtスポンジを包装袋内に収納し、ホルムアルデヒド吸着材としてアイシン精機(株)製のホルムアルデヒド吸着・分解シートを包装袋内に0.5g同封し、包装袋の開口部を加熱シールにより完全に密封して滅菌用包装体とした後、この滅菌用包装体の全体に照射線量が10kGyになるように外部から電子線を照射した。
(実施例2)
乾燥したPVAtスポンジを包装袋内に収納し、ホルムアルデヒド吸着材として日の丸カーボテクノ(株)製の備長炭発泡シートを0.5g同封し、包装袋の開口部を加熱シールにより完全に密封して滅菌用包装体とした後、この滅菌用包装体の全体に照射線量が10kGyになるように外部から電子線を照射した。
(実施例3)
乾燥したPVAtスポンジを包装袋内に収納し、ホルムアルデヒド吸着材としてクラレクラフレックス(株)製の活性炭入り簡易防臭マスクであるキーメイトマスクを0.8g同封し、包装袋の開口部を加熱シールにより完全に密封して滅菌用包装体とした後、この滅菌用包装体の外部から滅菌用包装体の全体に照射線量が10kGyになるように電子線を照射した。
(実施例4)
乾燥したPVAtスポンジを包装袋内に収納し、ホルムアルデヒド吸着材として大和化学工業(株)製のホルマリンキャッチャー剤(ホルムクリンH―300)を0.8g同封し、包装袋の開口部を加熱シールにより完全に密封して滅菌用包装体とした後、この滅菌用包装体の外部から滅菌用包装体の全体に照射線量が10kGyになるように電子線を照射した。
(実施例5)
乾燥したPVAtスポンジを包装袋内に収納し、ホルムアルデヒド吸着材としてアイシン精機(株)製のホルムアルデヒド吸着・分解シートを包装袋内に0.5g同封し減圧後窒素置換により酸素濃度を20%とし包装袋の開口部を加熱シールにより完全に密封して滅菌用包装体とした後、この滅菌用包装体の外部から滅菌用包装体の全体に照射線量が10kGyになるように電子線を照射した。
(実施例6)
乾燥したPVAtスポンジを包装袋内に収納し、ホルムアルデヒド吸着材としてアイシン精機(株)製のホルムアルデヒド吸着・分解シートを包装袋内に0.5g同封し減圧後窒素置換により酸素濃度を0.1%とし包装袋の開口部を加熱シールにより完全に密封して滅菌用包装体とした後、この滅菌用包装体の外部から滅菌用包装体の全体に照射線量が10kGyになるように電子線を照射した。
(実施例7)
乾燥したPVAtスポンジを、大和化学工業(株)製のホルマリンキャッチャー剤(ホルムクリンH―300)が含まれているフィルムにて形成された包装袋内に収納し、包装袋の開口部を加熱シールにより完全に密封して滅菌用包装体とした後、この滅菌用包装体の外部から滅菌用包装体の全体に照射線量が10kGyになるように電子線を照射した。
(実施例8)
通気性を有する内包装袋として透気性包装であるアズワン(株)製のプロシェア滅菌バッグを使用し、乾燥したPVAtスポンジを内包装袋内に収納して内包装袋の開口部を閉止し、PVAtスポンジが収納された内包装袋を包装袋に収容するとともに、ホルムアルデヒド吸着材としてのアイシン精機(株)製のホルムアルデヒド吸着・分解シート0.5gを包装袋に同梱し、包装袋の開口部を加熱シールにより完全に密封して滅菌用包装体とした後、この滅菌用包装体の外部から滅菌用包装体の全体に照射線量が10kGyになるように電子線を照射した。
(比較例1)
乾燥したPVAtスポンジを包装袋内に収納し、ホルムアルデヒド吸着材を同封せずに包装袋の開口部を加熱シールにより完全に密封して滅菌用包装体とした後、この滅菌用包装体の外部から滅菌用包装体の全体に照射線量が10kGyになるように電子線を照射した。
(比較例2)
乾燥したPVAtスポンジを包装袋内に収納し、ホルムアルデヒド吸着材ではない和光純薬工業(株)製のシリカゲル(中粒状、青色)を1.0g同封し、包装袋の開口部を加熱シールにより完全に密封して滅菌用包装体とした後、この滅菌用包装体の外部から滅菌用包装体の全体に照射線量が10kGyになるように電子線を照射した。
(ホルムアルデヒド溶出量の求め方)
電子線を照射した後のPVAtスポンジを包装袋から取出し、取出したPVAtスポンジから1gのスポンジを採取し、採取したスポンジを100mlのフラスコに入れ正確に量った水100mlを加えて密栓して振り混ぜてスポンジに水を浸透させた。
これを40℃の水浴中で1時間抽出した後、あらかじめ調整したJIS L 1041に規定されるアセチルアセトン試液と1:1の比率で混合し40℃の水浴中で30分間加温した。あらかじめ作成した検量線をもとに420nmの吸光度を測定し、スポンジ1gあたりのホルムアルデヒド溶出量を算出した。
実施例1〜8及び比較例1,2の結果を、下記の表1に示す。表中のホルムアルデヒド溶出量比(%)とは、タイプA及びタイプBのそれぞれにおける比較例1のホルムアルデヒド溶出量に対する各実施例又は比較例のホルムアルデヒド溶出量の割合である。例えば、タイプAの比較例1のホルムアルデヒド溶出量がX(g)であり、タイプAの実施例Nのホルムアルデヒド溶出量がY(g)であった場合、タイプAの実施例Nのホルムアルデヒド溶出量比は、Y/X×100(%)である。同様に、タイプBの比較例1のホルムアルデヒド溶出量がα(g)であり、タイプBの実施例Mのホルムアルデヒド溶出量がβ(g)であった場合、タイプBの実施例Mのホルムアルデヒド溶出量比は、β/α×100(%)である。
Figure 2017023681
上記表1に示すように、ホルムアルデヒド吸着材を同封した実施例1〜6とホルムアルデヒド吸着材を同封していない比較例1,2とを比較すると、実施例の方が比較例よりもホルムアルデヒドの溶出量が少ないことが確認された。すなわち、ホルムアルデヒド吸着材を同封することがホルムアルデヒドの溶出量の減少に対して有効であることが確認された。
同質で同量のホルムアルデヒド吸着材を同封した場合であって酸素濃度を低減していない(大気中の酸素濃度のままの)実施例1と酸素濃度を低減した実施例5,6とを比較すると、酸素濃度を低減した実施例5,6の方がホルムアルデヒドの溶出量が少ないことが確認された。すなわち、ホルムアルデヒド吸着材を同封し且つ包装袋内の酸素濃度を低減することがホルムアルデヒドの溶出量の減少に対してさらに有効であることが確認された。また、酸素濃度が20%の実施例5と酸素濃度が0.1%の実施例6とを比較すると、酸素濃度が低い実施例6の方がホルムアルデヒドの溶出量が少ないことが確認された。すなわち、ホルムアルデヒド吸着材を同封し且つ包装袋内の酸素濃度を低減させる場合、酸素濃度が低い方が好適であることが確認された。
ホルムアルデヒド吸着材そのものを包装袋に同封せず、実施例7のようにホルムアルデヒド吸収材を含ませたフィルムによって包装袋を形成した場合(ホルムアルデヒド吸収特性を有する包装袋を用いた場合)も、ホルムアルデヒド吸着材を同封していない比較例1,2と比較すると、ホルムアルデヒド吸着材そのものを同封した場合と同様に、実施例の方が比較例よりもホルムアルデヒドの溶出量が少ないことが確認された。すなわち、ホルムアルデヒド吸収材を含ませたフィルムによって包装袋を形成した場合(ホルムアルデヒド吸収特性を有する包装袋を用いた場合)も、ホルムアルデヒド吸着材そのものを同封する場合と同様に、ホルムアルデヒドの溶出量の低減が可能であることが確認された。
実施例8のようにPVAtスポンジを収納した通気性の内包装袋を非通気性のアルミラミネート袋(包装袋)に収容するとともに包装袋にホルムアルデヒド吸着材を同梱したいわゆる二重包装の場合も、ホルムアルデヒド吸着材を同封していない比較例1、2と比較するとホルムアルデヒドの溶出量が少ないことが確認された。
なお、本発明は、一例として説明した上述の実施形態、及びその実施例に限定されることはなく、上述の実施形態等以外であっても、本発明に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。
1,10…滅菌用包装体、2…PVAtスポンジ(ポリビニルアセタール樹脂多孔質体)、3…ホルムアルデヒド吸着材、4…包装袋、5…ホルムアルデヒド吸着性能を有する包装袋、6…内包装袋

Claims (8)

  1. ポリビニルアセタール樹脂多孔質体とホルムアルデヒド吸着材とを包装袋内に収容して密閉した状態で、前記包装袋の外部から電子線又はガンマ線を照射することを特徴とするポリビニルアセタール樹脂多孔質体の滅菌方法。
  2. ホルムアルデヒド吸着性能を有する包装袋内にポリビニルアセタール樹脂多孔質体を収容して密閉した状態で、前記包装袋の外部から電子線又はガンマ線を照射することを特徴とするポリビニルアセタール樹脂多孔質体の滅菌方法。
  3. 前記包装袋内の前記ポリビニルアセタール樹脂多孔質体は、通気性を有する内包装袋内に収容されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のポリビニルアセタール樹脂多孔質体の滅菌方法。
  4. 前記包装袋の内部の酸素濃度を20%以下に低減して前記包装袋を密閉することを特徴とする請求項1〜請求項3の何れか1項に記載のポリビニルアセタール樹脂多孔質体の滅菌方法。
  5. 包装袋の外部から電子線又はガンマ線を照射して前記包装袋内のポリビニルアセタール樹脂多孔質体を滅菌するために、前記ポリビニルアセタール樹脂多孔質体とホルムアルデヒド吸着材とを前記包装袋内に収容して密閉したことを特徴とするポリビニルアセタール樹脂多孔質体の滅菌用包装体。
  6. 包装袋の外部から電子線又はガンマ線を照射して前記包装袋内のポリビニルアセタール樹脂多孔質体を滅菌するために、前記ポリビニルアセタール樹脂多孔質体を前記包装袋内に収容して密閉した滅菌用包装体であって、前記包装袋は、ホルムアルデヒド吸着性能を有することを特徴とするポリビニルアセタール樹脂多孔質体の滅菌用包装体。
  7. 前記包装袋内の前記ポリビニルアセタール樹脂多孔質体は、通気性を有する内包装袋内に収容されていることを特徴とする請求項5又は請求項6に記載のポリビニルアセタール樹脂多孔質体の滅菌用包装体。
  8. 前記密閉された包装袋の内部の酸素濃度が20%以下であることを特徴とする請求項5〜請求項7の何れか1項に記載のポリビニルアセタール樹脂多孔質体の滅菌用包装体。
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