JP2005281299A - 抗菌・防カビ剤及びそれを用いた塗料組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】ヘテロポリ酸を用いて優れた抗菌・防カビ性を発揮させ、工業用製品類、日用品などへの抗菌性付与や防カビ処理に適した新たな抗菌・防カビ剤を提供することを目的とする。
【解決手段】ヘテロポリ酸の水素イオンの一部又は全部を、アルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオン、アンモニウムイオン、及びアルキルアンモニウムイオンからなる群より選ばれる1種又は2種以上のイオンで置換したヘテロポリ酸の塩を含有してなる抗菌・防カビ剤とする。
【解決手段】ヘテロポリ酸の水素イオンの一部又は全部を、アルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオン、アンモニウムイオン、及びアルキルアンモニウムイオンからなる群より選ばれる1種又は2種以上のイオンで置換したヘテロポリ酸の塩を含有してなる抗菌・防カビ剤とする。
Description
本発明は、発明は、抗菌・防カビ剤及びそれを用いた塗料組成物に関し、より詳細には、ヘテロポリ酸を含有してなる新規な抗菌・防カビ剤及び新規な塗料組成物に関するものである。
近年、我々の生活水準の向上に伴って清潔志向も高まっており、日々の生活において身近な大腸菌や黄色ブドウ球菌(MRSA)などの細菌類(バクテリア)や、アスペルギルス菌等の真菌類(カビ)等の菌類の存在に対しては、特に敏感である。例えば、真菌類は、我々の日常生活において食品、衣類、絨毯などの繊維製品などで身近に発生し、アトピー性皮膚炎などの症状の原因ともなっている。このような事情から、日常使用される生活用品等に抗菌・防カビ性を付したものを要求する声は強く、これに応えるべく抗菌・防カビ処理を施した市販製品が多く出回ってきている。
従来の抗菌・防カビ剤は、有機系と無機銀系のものに大別される。具体的には、有機系の抗菌・防カビ剤としては、界面活性剤系、ビグアナイド系、アルコール系、フェノール系、アニリド系、ヨウ素系、イミダゾール系、チアゾール系、イソチアゾール系、トリアジン系、ニトリル系、フッ素系、糖質系、トロポロン系、有機金属系等を含有してなるものが公知である(例えば、特許文献1参照)。
一方、無機系の抗菌・防カビ剤としては、ゼオライト、シリカ、アルミナ、リン酸ジルコニウム、リン酸カルシウム、リン酸ジルコニウム、ケイ酸カルシウム、シリカゲル、ガラス、酸化チタン、酸化亜鉛等の無機質粉末に銀、銅、亜鉛等の抗菌性を有する金属を担持させてなるものが公知である。
しかし、従来の有機系の抗菌・防カビ剤は、抗菌効果の持続力に乏しく、時間の経過とともに揮発したり分解・溶出したりして、抗菌性能が徐々に低下していく上、揮発等した有機成分が人体に危害を及ぼすなどの欠点が指摘されていた。また、無機系の抗菌・防カビ剤は、上述したような有機系の抗菌・防カビ剤に見られる欠点は解消されるものの、高い酸化分解能を有するため、例えば、塗膜形成剤に混在させた場合には、塗料までも分解してしまう恐れがあった。そのため、酸化チタンをシリカでコーティングする等して、塗料自身の分解を抑える加工等が必要であった。
かかる観点から、近年、従来の有機系・無機系の抗菌・防カビ剤に代わるものとして、強い酸強度及び酸化力を有する光触媒で知られるポリ酸を用いた抗菌剤や組成物が提案されている(特許文献2乃至特許文献5参照)。
具体的には、特許文献2には、ポリ原子がMoであるイソポリ酸を含有してなる抗菌剤が開示されており、このイソポリ酸を含有してなる抗菌剤を、アルコール等を含有する水溶液に溶解させ、これを被抗菌面に塗布乾燥させて被抗菌面に固定させる方法も開示されている。また、特許文献3には、ポリ原子がMo若しくはWであるイソポリ酸を無機酸化物コロイドと混合させて水溶被覆剤用添加剤としたものが開示されている。さらに、特許文献4及び特許文献5には、ヘテロポリ酸を、ペルオキシ化合物及びアルカリ性物質と混合して含有してなるカビ取り剤組成物や洗濯機用洗浄剤組成物が提案されている。
特開平9−30905号公報
特開平10−236962号公報
特開平11−1630号公報
特開平11−21207号公報
特開平11−71597号公報
しかしながら、特許文献2及び特許文献3には、イソポリ酸を含有した抗菌剤が開示されているが、このイソポリ酸は、安定領域が酸性にあるため用途が限定され、また、予め還元すれは安定領域を幾分広げることができるが、還元すると強く青色に着色してしまうため、塗料製品、プラスチック製品などに配合する場合、目的色の製品を得ることが非常に困難であった。さらにまた、イソポリ酸は、pHによって自己縮合して構造が決まってしまうため、目的とする製品中で安定な錯体を分子設計することが非常に困難であった。この点、ヘテロポリ酸は、アルカリ〜酸性領域まで広い領域で安定な錯体を分子設計することでき、多くの製品へ容易に配合できるものと期待できる。
また、上記特許文献4及び特許文献5に開示されたカビ取り剤組成物や洗濯機用洗浄剤組成物は、ヘテロポリ酸に加えて、ペルオキシ酸及びアルカリ性物質をそれぞれ含有してなり、かかる組成物におけるヘテロポリ酸は、アルカリ環境でペルオキシ酸に対して作用するものであって、ヘテロポリ酸単体で抗菌・防カビ性を発揮するものではない。
特に、家具、床、壁面、天井や外壁面用の塗料として用いられる抗菌・防カビ剤として、抗菌・防カビ性に加えて、揮発性有機化合物(Volatile Organic Compounds)(以下、「VOC」と略記する。)吸着分解能を発揮するものが好ましい。この点、ヘテロポリ酸が、光触媒酸化チタンと同様の光触媒機能を有する物質であることは知られているが、これが酸化チタンほどの酸化分解能力を持たないことから、抗菌・防カビ剤として、分解を懸念することなく塗料中に存在させることができると期待される。
本発明においては、抗菌・防カビ剤及びそれを用いた塗料組成物に関し、上述した従来の課題を解決するもので、ヘテロポリ酸を用いて優れた抗菌・防カビ性及びVOC吸着分解能を発揮させ、工業用製品類、日用品などへの抗菌性付与や防カビ処理に適した新たな抗菌・防カビ剤を提供し、より具体的には、この抗菌・防カビ剤を水溶性塗料中に配合することによって抗菌性や防カビ性を有する塗料組成物を提供することを目的とするものである。
本発明者らは、ポリ酸に関する多様な研究を進めるうちに、イソポリ酸よりも広いpH領域で安定であって、かつ、分子設計が容易である無色のヘテロポリ酸に着目して鋭意検討を行った結果、ヘテロポリ酸塩単体で抗菌・防カビ性を発揮し、抗菌・防カビ剤として適用できることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明によれば、第一にヘテロポリ酸の水素イオンの一部又は全部を、アルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオン、アンモニウムイオン、及びアルキルアンモニウムイオンからなる群より選ばれる1種又は2種以上のイオンで置換したヘテロポリ酸の塩を含有してなる抗菌・防カビ剤が提供される。ヘテロポリ酸は、金属の種類、多面体の繋がり方、ヘテロ原子の種類等によって考え得る構造は無限にあるため、種々の元素、配位子を選択して分子設計することによって、多様な構造を実現でき、目的とした抗菌・防カビ性を発揮させることができる。
第二に、ヘテロポリ酸が、一般式[XM12O40]n−(式中、Xはヘテロ原子、Mはポリ原子、nは価数である。)で表されるケギン型構造、若しくは、一般式[X2M18O62]n−(式中、Xはヘテロ原子、Mはポリ原子、nは価数である。)で表されるドーソン型構造であることを特徴とする抗菌・防カビ剤が提供される。
第三に、ヘテロポリ酸のポリ原子が、少なくとも1つ以上欠損していることや、他の原子で置換されていることをそれぞれ特徴とする抗菌・防カビ剤が提供される。ポリ原子が欠損した構造や置換された構造のヘテロポリ酸は、ポリ原子が欠損等していないヘテロポリ酸と比較して、骨格構造が異なることによる新たな抗菌・防カビ性の発現が期待される。
そして、これらの抗菌・防カビ剤は、へテロポリ酸のヘテロ原子が、Si、P、及びBからなる群より選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
第四に、これらの抗菌・防カビ剤を配合することで抗菌性や防カビ性を有する塗料組成物が提供される。この塗料組成物は、前記抗菌・防カビ剤0.01〜20重量%と、前記無機フィラー20〜80重量%、前記ポリマーエマルション10〜50重量%、前記炭酸カルシウム20〜50重量%、及び前記酸化チタン2〜40重量%からなる塗料成分とを含有することを特徴とするものである。
また、この塗料組成物としては、ポリマーエマルションが、アクリル樹脂系、酢酸ビニル樹脂系、エチレン−酢酸ビニル共重合体系、シリコーン−アクリル樹脂系、スチレン−ブタジエン共重合体系、エポキシ樹脂系、及びウレタン樹脂系よりなる群から選ばれる少なくとも1種のエマルションであることが好ましい。
そして、第五に、これらの塗料組成物から、家具や建築物の内壁又は外壁用塗料が提供される。
本発明によれば、ヘテロポリ酸単独で抗菌・防カビ性を発現して、これを含有した抗菌・防カビ剤として用いることができる。また、ヘテロポリ酸を分子設計して、目的とする抗菌・防カビ性を発揮させることができ、この抗菌・防カビ剤を塗料組成物として配合することで、被塗物上に形成された塗膜面に一様に分散して存在するヘテロポリ酸の粒子が、抗菌性や防カビ性を発揮でき、工業用製品類、日用品などへの抗菌性付与や防カビ処理がより容易となる。
まず、本発明の有効成分であるヘテロポリ酸について、以下に説明する。
ヘテロポリ酸は、広義のポリ酸に含まれ、金属原子(ポリ原子)に酸素原子が4又は6配位した四面体又は八面体のユニットを基本単位として、他の金属や元素(ヘテロ原子)を中心として、このユニットが頂点や稜を共有して構築された金属酸化物分子である。
ヘテロポリ酸は、広義のポリ酸に含まれ、金属原子(ポリ原子)に酸素原子が4又は6配位した四面体又は八面体のユニットを基本単位として、他の金属や元素(ヘテロ原子)を中心として、このユニットが頂点や稜を共有して構築された金属酸化物分子である。
ヘテロポリ酸を構成する原子(ポリ原子及びヘテロ原子の両方を含む)は、広く遷移金属元素及び一部の典型元素を含み、ポリ原子としては、特に、Ti、V、Cr、Mo、W、V、Nb、Ta等の4A族〜7A族の遷移金属元素が用いられる。ヘテロポリ酸が、1個のポリ原子に対して6個の酸素原子が配位した八面体ユニットからなる場合は、ポリ原子は、八面体ユニットの中心に位置され、酸素原子が八面体の頂点に位置される。八面体ユニットの一般式は、MO6(Mはポリ原子である)で表される。
へテロ原子としては、ポリ原子と同じく4A族〜7A族の遷移金属元素が用られるとともに、さらに、P、Si、B、Ge、S、Al、As、Ga、Se、Te等の典型金属元素・典型非金属元素を用いることができる。このヘテロ原子は、ヘテロポリ酸において、ポリ原子と酸素原子とで構成される上述した八面体ユニット等の中心に位置される。特に、ヘテロ原子として、Si、P、及びBを用いたものは、分子設計の容易さの点で好ましい。
ヘテロポリ酸は、基本骨格として、一般式[XM12O40]n−(式中、Xはヘテロ原子、Mはポリ原子、nは価数である。)で表されるケギン型構造や、一般式[X2M18O62]n−(式中、Xはヘテロ原子、Mはポリ原子、nは価数である。)で表されるドーソン型構造や、その他、ウィークリー型構造、アンダーソン型構造、シルバーストーン型構造、ストランドベルグ型構造、リンドビスト型構造等を構成するものを用いることができる。好ましくは、ケギン型構造及びドーソン型構造を構成するものであるが、これに限定されない。
具体的に、ケギン型構造は、1個のヘテロ原子を中心として、M3O13ユニットが4組縮合した構造である。ケギン型構造のヘテロポリ酸は、M3O13ユニットが60°回転した構造が可能であり、4組のM3O13ユニットの回転状態に応じてα〜εまでの異性体のいずれかを用いることができる。価数nは、ヘテロ原子に依存し、例えば、ヘテロ原子が、Pであればn=3、Siであればn=4、Bであればn=5である。
ヘテロポリ酸は、上述したケギン型構造うち、八面体ユニット(MO6)が数個外れた欠損型構造のものを用いることができる。欠損型構造としては、1個の八面体ユニット(すなわち1個のポリ原子)が欠損した一次欠損型(一般式[XM11O39]n−)や、3個の八面体ユニット(すなわち3個のポリ原子)が欠損した三次欠損型(一般式[XM9O34]n−)を用いることができる。上述したドーソン型構造は、ケギン型構造からM3O13ユニットが欠損したポリ酸が2個縮合したものである。欠損型ドーソン型構造は、[X2M17O61]n−で表される。
また、ヘテロポリ酸として、欠損型構造の欠損部位に、他の原子が取り込まれて基本骨格を形成したもの、すなわち、ヘテロポリ酸のポリ原子が他の原子に置換された構造のものを用いてもよい。置換された原子は、元のポリ原子とほぼ同位置を占め、酸素原子をポリ原子のユニットと共有する形で結合される。置換されるその他の原子としては、例えば、Ti、Rh、Mn等の遷移金属元素が挙げられる。
上述したヘテロポリ酸は、少なくとも1種又は2種以上のポリ原子やヘテロ原子を種々組み合わせることができ、また、骨格構造も限定されるものではない。すなわち、本発明では、ヘテロ原子の種類、M3O13ユニットの回転状態、MO6ユニットの欠損数及びその欠損位置、さらには混合ポリ原子の種類と個数等とを適宜組み合わせることによって、膨大な数のヘテロポリ酸を用いることができる。特に、ヘテロポリ酸は、通常の金属酸化物と異なり一個の分子を形成するため、X線構造解析等でその構造を正確に測定でき、分子設計が容易であるという点で優れている。
ヘテロポリ酸は、ヘテロポリ酸イオンと水素イオンと、その他水分子や溶媒分子が格子中に存在して構成されるが、本発明のヘテロポリ酸は、水素イオンの一部又は全部が、Na、K等のアルカリ金属イオンや、Ca、Sr等のアルカリ土類金属イオンや、アンモニウムイオンや、テトラアルキルアンモニウムイオン等のアルキルアンモニウムイオンからなる群より選ばれる1種又は2種以上のイオンで置換された塩として用いられる。特に、ヘテロポリ酸の水素イオンが全部置換された塩を用いるのが好ましい。
ヘテロポリ酸塩において、ヘテロポリ酸イオンと陽イオンとの組み合わせは、限定するものではない。ヘテロポリ酸が強酸であることから、抗菌・防カビ剤を容易に製剤できるという点では、ヘテロポリ酸塩を水溶液とした場合に、そのpHが略中性(pH6〜pH8)となるような組み合わせが好ましい。
ヘテロポリ酸塩としては、12−タングストケイ酸カリウム、11−タングストケイ酸カリウム、9−タングストケイ酸カリウム、12−タングストホウ酸カリウム、12−タングストホウ酸テトラブチルアンモニウム、11−タングストバナジンリン酸カリウム、11−タングストリン酸カリウム、9−タングストリン酸ナトリウム、18−タングストリン酸カリウム、17−タングストチタニウムリン酸カリウム、12−タングスト硫酸カリウム、12−モリブド硫酸テトラブチルアンモニウム、18−タングスト硫酸カリウム、12−モリブドケイ酸カリウム、11−モリブドケイ酸カリウム、9−モリブドケイ酸カリウム、18−モリブドリン酸カリウム、等が挙げられる。この内、好ましくは、12−タングストケイ酸カリウム、11−タングストケイ酸カリウム、9−タングストケイ酸カリウム、18−タングストリン酸カリウム等である。
ヘテロポリ酸は、慣用又は公知の手法によって製造することができ、その方法を限定するものではない。一般的には、目的のポリ原子を含有する酸化物塩とヘテロ原子の単純酸素酸またはその塩を含む酸性水溶液(pH1〜pH2程度)を加熱して得ることができる。一例として、12−タングストケイ酸カリウムを製造する場合には、タングステン酸ナトリウムを熱水に溶解させ、塩酸、メタケイ酸ナトリウム水溶液、塩酸を順次添加する。加熱後、更にタングステン酸ナトリウムおよび塩酸を加え、冷却する。最後にアルカリを加えてpH2程度に調製し、再結晶することで目的物を得ることができる。製造したヘテロポリ酸の構造は、化学分析のほか、X線回折、UVスペクトル、IRスペクトル等で確認できる。
次に、ヘテロポリ酸を含有した抗菌・防カビ剤について、以下に説明する。
本発明の抗菌・防カビ剤は、大腸菌O‐157・MRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)・レジオネラ菌等の有害細菌類(バクテリア)や、真菌症や真菌中毒症を発症させる真菌類(カビ)や、藻類等に対して抗菌・防カビ性を発揮するものである。
本発明の抗菌・防カビ剤は、大腸菌O‐157・MRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)・レジオネラ菌等の有害細菌類(バクテリア)や、真菌症や真菌中毒症を発症させる真菌類(カビ)や、藻類等に対して抗菌・防カビ性を発揮するものである。
なお、本発明における「抗菌」とは、バクテリア等の微生物の発生・生育・増殖を抑制すること等を含めて、最も広義に解釈されるべきであり、如何なる意味においても限定されない。同様に、「防カビ」とは、カビを死滅させること、カビの生育を完全に阻止すること、カビの生育を抑制すること、又はカビの生育を予防すること等を含めて、最も広義に解釈されるべきであり、如何なる意味においても限定的に解釈されない。
また、本発明の抗菌・防カビ剤の有するVOC吸着分解能とは、築建材や接着剤等から発生するホルムアルデヒドなどに代表される揮発性有機化合物(VOC)を吸着及び/又は分解させる性能のことをいい、如何なる意味においても限定的に解釈されるものではない。
適用対象は、細菌やカビが発生する製品全てを含み、例えば、塗料、壁紙、接着剤、壁用ボード、タイル、セメント、コンクリート、樹脂成型体(プラスチック類等)、繊維(衣類・布団等)、陶磁器(食器類等)などの各種工業用製品類や、化粧品、トイレタリー製品、殺菌消毒剤、防臭剤、洗剤などの日用品を包含するものである。
本発明の抗菌・防カビ剤は、有効成分であるヘテロポリ酸を1種単独で、あるいは2種以上を適宜組み合わせてもよく、また、ヘテロポリ酸そのもの、あるいはその他の添加剤を加えてもよい。その形態は、乳化体、水性分散体、油状体、ペースト状体、粉体、及び固形体など限定されない。添加剤としては、本発明の効果を阻害しない範囲でその形態に応じた、水、溶剤、乳化剤、分散剤、増粘剤、粉末化剤、固形化剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、及び漂白剤等からなる群から選ばれる1種又は2種以上のものを加えることができる。
特に、本発明の抗菌・防カビ剤は、従来の抗菌剤等と比べて、ヘテロポリ酸単独で抗菌・防カビ性を発揮することができ、その他の溶剤等の特別の助剤を要することなく、水又は有機溶剤に分散又は可溶させればよい。すなわち、水や溶剤にヘテロポリ酸を添加することで、容易に抗菌・防カビ性を発揮できる。
溶剤としては、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、2−エチルヘキサノール、シクロヘキサノール、ベンジルアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ヘキシレングリコール、グリセリン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチルエーテル、イソプロピルエーテル、ブチルエーテル、メチルフェニルエーテル、テトラヒドロフラン、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、蟻酸エチル、蟻酸ブチル、酢酸エチル、アジピン酸ジオクチル等が挙げられる。
乳化剤・分散剤としては、通常の界面活性剤を用いることができ、例えば、脂肪酸ナトリウム、アルファスルホ脂肪酸エステルナトリウム、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、アルキル硫酸エステルナトリウム、アルキルエーテル硫酸エステルナトリウム、アルファオレフィンスルホン酸ナトリウム、アルキルスルホン酸ナトリウム等の陰イオン界面活性剤や、しょ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、脂肪酸アルカノールアミド、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ポリオキシエチレンソルビタンアルキルエステル、及びソルビタンアルキルエステル等の非イオン界面活性剤や、アルキルアミノ脂肪酸ナトリウム、アルキルベタイン、アルキルアミンオキシド等の両性界面活性剤や、アルキルトリメチルアンモニウム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩等の陽イオン界面活性剤等が挙げられる。
増粘剤としては、カラギーナン、デンプン等の天然高分子や、メチルセルロース、可溶性デンプン、アルギン酸塩等の半合成高分子や、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン等の合成高分子等が挙げられる。
粉末化剤としては、可溶化デンプン、シクロデキストリン、カルボキシメチルセルロース等が挙げられる。
固形化剤としては、ポリエチレングリコール、カルナウバロウ、キャンデリラロウ、ホホバ油、ミツロウ、ラノリン、パラフィン、ワセリン、セレシン、マイクロクリスタリンワックス、ラウリン酸、ミリスチン酸、ステアリン酸、セチルアルコール、ステアリルアルコール等の他、カオリン、ベントナイト、クレー、モンモリロナイト、珪藻土、雲母、バーミキュライト、石膏、炭酸カルシウム、燐石灰、ホワイトカーボン、消石灰、珪砂、硫安、尿素等が挙げられる。
酸化防止剤としては、フェノール系(2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)など)や、硫黄系(ジラウリル3,3’−チオジプロピオネート、ジステアリル3,3’−チオジプロピオネートなど)や、リン系(トリフェニルホスファイト、トリイソデシルホスファイトなど)や、アミン系(オクチル化ジフェニルアミン、N−n−ブチル−p−アミノフェノール、N,N−ジイソプロピル−p−フェニレンジアミンなど)等が挙げられる。
紫外線吸収剤としては、ベンゾフェノン系(2−ヒドロキシベンゾフェノン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノンなど)や、ベンゾトリアゾール系((2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾールなど)等が挙げられる。
漂白剤としては、次亜塩素酸ソーダ、過酸化水素水、過炭酸ナトリウム、ピロ亜硫酸カリウム等が挙げられる。
ヘテロポリ酸塩は、抗菌性付与や防カビ性処理の対象となる製品の種類、使用材料、使用目的などにより、その適用範囲や適用方法を適宜変更することができるが、通常では、製品の全組成に対して少なくとも0.001重量%以上含有され、好ましくは0.05〜10重量%、より好ましくは0.1〜5.0重量%含有される。
次に、本発明に係る抗菌・防カビ剤を配合してなる塗料組成物について、以下に説明する。
本発明に係る塗料組成物においては、主成分として、タルク、水酸化マグネシウム等の無機フィラーを用いることにより、塗料を中性から弱アルカリ性に調整することができる。また、水酸化マグネシウムを用いることで、塗料に耐熱性を付与することができる。この無機フィラーの使用量としては、20〜80重量%が適当である。
本発明に係る塗料組成物においては、主成分として、タルク、水酸化マグネシウム等の無機フィラーを用いることにより、塗料を中性から弱アルカリ性に調整することができる。また、水酸化マグネシウムを用いることで、塗料に耐熱性を付与することができる。この無機フィラーの使用量としては、20〜80重量%が適当である。
ポリマーエマルションとしては、前記無機フィラーとの混和性の良好なものが好ましく、アクリル酸エステル、アクリル−スチレン共重合体、アクリル−酢酸ビニル共重合体、エチレン−酢酸ビニル系共重合体、アクリル−シリコーン−アクリル樹脂系、エチレン−塩化ビニル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、あるいはエポキシ系、ウレタン系などのポリマーが挙げられる。これらのポリマーエマルションは、無機フィラーに対し固形分対比で10〜50重量%用いられ、好ましくは20〜50重量%、より好ましくは30〜40重量%用いられる。
炭酸カルシウムは、無機フィラーに対して好ましくは20〜50重量%、また、酸化チタンは、無機フィラーに対して好ましくは2〜40重量%用いられる。
本発明に係る塗料組成物に用いられる抗菌・防カビ剤は、抗菌・防カビ性及びVOC吸着分解能を発揮し、この抗菌・抗カビ剤に含有するヘテロポリ酸の塩が、塗料中に分散される方法でも、陰イオンとして溶解される方法でもよく、いずれの状態のものでも用いることができる。一般的には、ヘテロポリ酸の塩は、アルカリ水溶液中では分解するが、本発明で用いられるヘテロポリ酸の塩は、アルカリ水溶液中で安定であるという特徴を有すため、塗料に直接加えることによって、均一に分散・溶解させることができる。また、このヘテロポリ酸の塩が、抗菌・防カビ剤として、ハイドロタルサイト、イモゴライト、モンモリロライト、ベントナイトなどのようなアニオン交換性を有する層状粘土化合物や、シリカ等の無機系コーティング剤とともに用いられるならば、それらの吸着性との相乗効果で、VOC吸着分解能がさらに高められる。
このような作用効果を奏する抗菌・抗カビ剤として、含有されるヘテロポリ酸は、特に限定するものではないが、好ましくは、12−タングスト硫酸、18−タングスト硫酸、12−タングストバナジン酸、12−モリブド硫酸、18−モリブドバナジン酸などのS含有あるいはV含有へテロポリタングステン酸及びヘテロポリモリブデン酸のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、及びテトラアルキルアンモニウム塩などが用いられる。ヘテロ原子としてP、Siなどを含有するヘテロポリ酸は、酸性の水溶液系から容易に合成・単離することができるが、上述のようなS又はVを含有するヘテロポリ酸は、水に可溶性の有機溶媒(例えば、アセトニトリルやアセトンなど)を反応系に共存させて合成される。
特に、ヘテロ原子がSであるテロポリ酸は、ヘテロ原子がP又はSi等であるヘテロポリ酸に比べて、負電荷が小さいので塩基性が高く、酸型は強酸性を有する。また、大きい負電荷を有するヘテロポリ酸に比べて安定性に優れており、酸化力が強く、酸触媒作用及び酸化還元作用に優れている。一方、ヘテロ原子がVであるヘテロポリ酸は、錯体分子全体にわたって電荷移動が可能であり、完全に負電荷が非局在化しているため、強い触媒作用がある。また、Vによる強い酸化力を発揮する。したがって、この種のヘテロポリ酸の何れかを、塗料中に数重量%程度添加することで、強い抗菌・防カビ性を発揮できる。本発明に係る塗料組成物を適用する部位によっては、ヘテロ原子がSであるテロポリ酸とヘテロ原子がVであるヘテロポリ酸を混合使用することで、強い複合作用を得ることができる。
このような機能を奏するヘテロポリ酸を含有する抗菌・防カビ剤は、塗料成分に対してヘテロポリ酸の重量比で、0.01〜20重量%用いられる。また、ヘテロポリ酸とともに使用する層状粘土化合物は、塗料成分に対して0.05〜40重量%が適当である。
本発明に係る塗料組成物においては、上述した主成分としてのタルク、水酸化マグネシウムの無機フィラーの他に、ワラストナイト、セルベン、酸化カルシウム、水酸化アルミニウムなどの無機フィラーを5〜50重量%加えてもよい。
本発明では、上述の塗料成分と抗菌・防カビ剤の他に、顔料、さらには増粘剤、消泡剤、分散剤、潤滑剤、離型剤、耐水化剤、スリップ剤、ブロッキング防止剤、粘弾性調整剤などの各種添加剤を加えることができる。
顔料は、水性塗料組成物に適応するものであればよく、中でも無機系顔料が好ましい。増粘剤は、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースのようなセルロース系やアクリル系を用いればよい。分散剤は、アニオン系あるいは非イオン系の各種界面活性剤が用いられる。
本発明に係る塗料組成物は、家具や各種建築物の床、壁、天井などの内装あるいは外装用として刷毛塗り、スプレー塗装、ローラ塗りなどで使用されるが、その際の塗料の粘度としては、300〜50,000mPa・sの範囲内で塗装手段において調整使用すればよい。
以下、本発明の実施例について説明する。なお、本発明は、以下に示す実施例により制限されるものではない。
本実施例の抗菌・防カビ剤は、ヘテロポリ酸単体のみで調製し、ケギン型構造及びドーソン型構造を有するヘテロポリ酸や、ポリ原子が欠損した欠損型構造及びポリ原子が他の原子と置換された置換型構造を有するヘテロポリ酸などを合成・製造した。
<抗菌性試験(1)>
大腸菌を添加した培養液の濁度を観察して、本実施例の抗菌・防カビ剤の抗菌性を評価した。
予め斜面培地上に保存しておいた大腸菌株(Escherichia Coil)から1白金耳を培養液10ml中へ移植し、37℃・24時間培養することにより、培養液中の菌数が1.0×105〜15×105(個/ml)となるように調製し、これを試験菌液とした。また、普通ブイヨン液体培地(日本べクトン・ディッキンソ株式会社製)10mlにヘテロポリ酸塩を30mg溶解させ、これを試験体(実施例1〜実施例4)とした。ヘテロポリ酸無添加の試験体(比較例1)を、比較用として調製した。各試験体に、調製した試験菌液を0.2ml添加した後、37℃で24時間培養した。
大腸菌を添加した培養液の濁度を観察して、本実施例の抗菌・防カビ剤の抗菌性を評価した。
予め斜面培地上に保存しておいた大腸菌株(Escherichia Coil)から1白金耳を培養液10ml中へ移植し、37℃・24時間培養することにより、培養液中の菌数が1.0×105〜15×105(個/ml)となるように調製し、これを試験菌液とした。また、普通ブイヨン液体培地(日本べクトン・ディッキンソ株式会社製)10mlにヘテロポリ酸塩を30mg溶解させ、これを試験体(実施例1〜実施例4)とした。ヘテロポリ酸無添加の試験体(比較例1)を、比較用として調製した。各試験体に、調製した試験菌液を0.2ml添加した後、37℃で24時間培養した。
ヘテロポリ酸塩無添加の試験体(比較例1)は、大腸菌が増殖することで濁るため、培養後、各試験体の濁度を目視にて観察し、全く濁りのない場合を「◎」、ほぼ濁りのない場合を「○」、やや濁りのある場合を「△」、完全に濁っている場合を「×」と評価した。その結果を、表1に示す。
<抗菌性試験(2)>
寒天平版培養法(JIS Z 2801)によって生菌数と抗菌活性値Rを求め、本実施例の抗菌・防カビ剤の抗菌性を評価した。
上述した抗菌性試験(1)で調製した各試験体(実施例1〜実施例4)から1mlを採取し、普通ブイヨン液体培地9mlの入った試験管に加え、十分に混合した。この試験管から1mlを採取し、別の試験管の普通ブイヨン液体培地に入れて、十分混合した。この操作を順次繰り返して、10倍希釈系列希釈液を調製した。各希釈液から、それぞれ1mlを滅菌済みシャーレに分注し、シャーレ一枚当たり48℃に保温した普通ブイヨン寒天培地(日本製薬株式会社製)15mlを加え、よく混合した。そして、培地が固化した後シャーレを倒置し、35±1℃で24時間培養した。なお、ヘテロポリ酸無添加の試験体を用いて、同様に、普通ブイヨン寒天培地にて培養した(比較例1)。
寒天平版培養法(JIS Z 2801)によって生菌数と抗菌活性値Rを求め、本実施例の抗菌・防カビ剤の抗菌性を評価した。
上述した抗菌性試験(1)で調製した各試験体(実施例1〜実施例4)から1mlを採取し、普通ブイヨン液体培地9mlの入った試験管に加え、十分に混合した。この試験管から1mlを採取し、別の試験管の普通ブイヨン液体培地に入れて、十分混合した。この操作を順次繰り返して、10倍希釈系列希釈液を調製した。各希釈液から、それぞれ1mlを滅菌済みシャーレに分注し、シャーレ一枚当たり48℃に保温した普通ブイヨン寒天培地(日本製薬株式会社製)15mlを加え、よく混合した。そして、培地が固化した後シャーレを倒置し、35±1℃で24時間培養した。なお、ヘテロポリ酸無添加の試験体を用いて、同様に、普通ブイヨン寒天培地にて培養した(比較例1)。
培養後、生菌数測定に基づいてシャーレの生菌数Nを求め、この値から抗菌活性値Rを算出した。なお、抗菌活性値Rは3回の試験の平均である。その結果を、表1に示す。
生菌数N=C×D
C:集落数
D:希釈倍数
抗菌活性値R=log(B/N)
B:ヘテロポリ酸塩無添加試験液の生菌数
生菌数N=C×D
C:集落数
D:希釈倍数
抗菌活性値R=log(B/N)
B:ヘテロポリ酸塩無添加試験液の生菌数
抗菌性試験の結果より、ケギン型構造及びドーソン型構造によらず抗菌性を有した。
<防カビ性試験>
抗菌・防カビ剤を添加した培地でのカビの生育・増殖を観察して、本実施例の抗菌・防カビ剤の防カビ性を評価した。
湿潤剤(Tween80)を添加した精製水10mlを蒸気滅菌して湿潤剤添加殺菌水とした。予め斜面培地上に保存しておいたカビ(黒かび:Aspergillus Niger)から、5白金耳を調製済みの湿潤剤添加殺菌水へ移植し、均一に分散させて試験液とした。ポテトデキストロース平板培地を調製し、固化したものの上にヘテロポリ酸塩を含有してなる抗菌・防カビ剤を100mg載置した(実施例5〜実施例16)。その上から試験液を均等に撒きかけ、25℃で10日間程度培養した。なお、ヘテロポリ酸無添加のポテトデキストロース平板培地(日本製薬株式会社製)を調製し、同様に試験液を均等に撒きかけて培養した(比較例2)。
抗菌・防カビ剤を添加した培地でのカビの生育・増殖を観察して、本実施例の抗菌・防カビ剤の防カビ性を評価した。
湿潤剤(Tween80)を添加した精製水10mlを蒸気滅菌して湿潤剤添加殺菌水とした。予め斜面培地上に保存しておいたカビ(黒かび:Aspergillus Niger)から、5白金耳を調製済みの湿潤剤添加殺菌水へ移植し、均一に分散させて試験液とした。ポテトデキストロース平板培地を調製し、固化したものの上にヘテロポリ酸塩を含有してなる抗菌・防カビ剤を100mg載置した(実施例5〜実施例16)。その上から試験液を均等に撒きかけ、25℃で10日間程度培養した。なお、ヘテロポリ酸無添加のポテトデキストロース平板培地(日本製薬株式会社製)を調製し、同様に試験液を均等に撒きかけて培養した(比較例2)。
培養後、カビの生育・増殖状況を目視にて観察し、カビの生育・増殖の程度によって五段階方式で評価した。カビの生育が殆んど認められない場合を「+++++」とし、一方でカビが一面に生育・増殖した場合を「+」とし、カビの生育・増殖を面積比で比較して、「+」の増減によって評価した。その結果を、表2に示す。
防カビ性試験の結果より、本実施例の抗菌・防カビ剤は、ヘテロポリ酸のヘテロ原子及びポリ原子の種類や構造等によらず、防カビ性を示した。
<VOC吸着分解能試験>
5Lテドラーバッグ内にヘテロポリ酸錯体100mgを入れたものに、空気4Lと、5Lテドラーバッグ内にホルムアルデヒド濃度が500ppmになるように調製されたホルムアルデヒドガス200ccとを注入し、初期のバッグ内のホルムアルデヒド濃度の測定を行った。紫外線を約3時間照射し、バッグ内のホルムアルデヒド濃度の減衰率をガスクロマトグラフィー(製品名:SHIMADZU GC−14b)にて評価した。その結果を表3に示す。
5Lテドラーバッグ内にヘテロポリ酸錯体100mgを入れたものに、空気4Lと、5Lテドラーバッグ内にホルムアルデヒド濃度が500ppmになるように調製されたホルムアルデヒドガス200ccとを注入し、初期のバッグ内のホルムアルデヒド濃度の測定を行った。紫外線を約3時間照射し、バッグ内のホルムアルデヒド濃度の減衰率をガスクロマトグラフィー(製品名:SHIMADZU GC−14b)にて評価した。その結果を表3に示す。
<塗料組成物の調製>
表4に示す各成分を混合容器に秤取し、その中に、ヘテロポリ酸(12−タングスト硫酸カリウム)を含有してなる抗菌・防カビ剤を、ヘテロポリ酸の重量比で1.0重量部を加えて十分に攪拌して、固形分64%、粘度800mPa・s(BM型粘度計3号ローター、20℃)の塗料組成物を得た(実施例19)。
表4に示す各成分を混合容器に秤取し、その中に、ヘテロポリ酸(12−タングスト硫酸カリウム)を含有してなる抗菌・防カビ剤を、ヘテロポリ酸の重量比で1.0重量部を加えて十分に攪拌して、固形分64%、粘度800mPa・s(BM型粘度計3号ローター、20℃)の塗料組成物を得た(実施例19)。
実施例19と同用に、表5に示す各成分を混合容器に秤取し、その中に、ヘテロポリ酸(18−タングスト硫酸カリウム)を含有してなる抗菌・防カビ剤を、ヘテロポリ酸の重量比で0.0重量部及びハイドロタルサイト(DHT−4:協和化学工業社製)2重量部を加えて十分に攪拌して、固形分60%、粘度3000mPa・s(BM型粘度計3号ローター、20℃)の塗料組成物を得た(実施例20)。
実施例19と同用に、表6に示す各成分を混合容器に秤取し、その中に、ヘテロポリ酸(12−モリブド硫酸カリウム)を含有してなる抗菌・防カビ剤を、ヘテロポリ酸の重量比で1.0重量部を加えて十分に攪拌して、固形分57.3%、粘度600mPa・s(BM型粘度計3号ローター、20℃)の塗料組成物を得た(実施例21)。
上記の実施例19・20で得られた塗料組成物を、それぞれ45×60cm2の大きさのフレキシブル板の一面にローラを用いて塗布し(塗布量は、実施例19の組成物は0.2kg/m2、実施例20の組成物は0.13kg/m2である)、その後約1時間の通風乾燥によって塗膜を形成した。得られた塗膜は、拡散昼光の下でひび割れ及び色むらなどの不具合は見られず、均一な膜であることが認められた。
また、上記の実施例20・21で得られた塗料組成物を、凹凸があり、有色模様のある15×10cm2の大きさのオレフィン壁紙上に、それぞれ1回目の塗布量0.13kg/m2、2回目の塗布量0.1kg/m2と2回刷毛塗り塗装をしたところ、下地である壁紙の色が現れることなく十分に隠蔽しており、なおかつ凹凸模様は保持されていた。また、塗装後の壁紙を折り曲げた場合も塗膜にひび割れは認められず、十分な可塑性を備えていた。
上記の実施例19・20で調製した塗料組成物及びこの塗料組成物より得た塗膜について、(1)塗料容器中での状態、(2)塗装作業性、(3)塗料の低温安定性、(4)塗膜の乾燥時間、(5)塗膜の外観、(6)塗膜の耐アルカリ性、(7)塗膜の耐水性、(8)防カビ性、の各試験を、以下の試験方法及び評価基準で行った。その結果を表7及び表8に示す。
<(1)塗料容器中での状態の評価>
塗料を容器(アルミ缶)に充填・密閉し、室温にて24時間放置した後、蓋をとって容器内の塗料を棒でかき混ぜた。そして、かき混ぜた時に硬い塊がなくて容器内の塗料全体が一様になっている状態を◎、塊はないが、塗料全体が一様になりにくい状態を○、塊を認めた状態を×と評価した。
塗料を容器(アルミ缶)に充填・密閉し、室温にて24時間放置した後、蓋をとって容器内の塗料を棒でかき混ぜた。そして、かき混ぜた時に硬い塊がなくて容器内の塗料全体が一様になっている状態を◎、塊はないが、塗料全体が一様になりにくい状態を○、塊を認めた状態を×と評価した。
<(2)塗料作業性の評価>
70×200×3mmの形状のガラス板の平滑な面に塗料をそれぞれ刷毛で一様に塗り、6時間後に2回目の刷毛塗りを行うが、その際の刷毛運びの状態から塗料作業性を評価した。すなわち、2回目の刷毛塗りの際の刷毛運びがスムーズで作業に支障のない場合を◎、以下その困難さの程度に応じて○、×と評価した。
70×200×3mmの形状のガラス板の平滑な面に塗料をそれぞれ刷毛で一様に塗り、6時間後に2回目の刷毛塗りを行うが、その際の刷毛運びの状態から塗料作業性を評価した。すなわち、2回目の刷毛塗りの際の刷毛運びがスムーズで作業に支障のない場合を◎、以下その困難さの程度に応じて○、×と評価した。
<(3)低温安定性の評価>
塗料を容器(アルミ缶)に充填・密閉し、−5±2℃の恒温槽に18時間放置した後、取り出して室温にて6時間放置する操作を3回繰り返した。その後、容器内の塗料を棒でかき混ぜて一様であるかどうかを確認した。また、低温恒温槽に入れる前の塗料で1回塗りし、上記の操作を行った塗料で2回塗りを行い、2回目の刷毛塗りの際の刷毛運びの状態を調べた。さらに、刷毛運びの状態を調べた後の試験板を24時間乾燥した後の塗膜の外観をも調べた。塗料をかき混ぜた際に塊がなく一様であり、かつ塗装作業性、塗膜の外観に異常がない場合を◎、順次異常の程度に応じて○、×と評価した。
塗料を容器(アルミ缶)に充填・密閉し、−5±2℃の恒温槽に18時間放置した後、取り出して室温にて6時間放置する操作を3回繰り返した。その後、容器内の塗料を棒でかき混ぜて一様であるかどうかを確認した。また、低温恒温槽に入れる前の塗料で1回塗りし、上記の操作を行った塗料で2回塗りを行い、2回目の刷毛塗りの際の刷毛運びの状態を調べた。さらに、刷毛運びの状態を調べた後の試験板を24時間乾燥した後の塗膜の外観をも調べた。塗料をかき混ぜた際に塊がなく一様であり、かつ塗装作業性、塗膜の外観に異常がない場合を◎、順次異常の程度に応じて○、×と評価した。
<(4)乾燥時間の評価>
ガラス板(50×50×3mm)の片面に実施例19で得た塗料を0.65g、実施例20で得た塗料を0.325gでそれぞれ塗布し(0.26kg/m2)、これを23±3℃及び5±1℃で、湿土50±5%の恒温室に入れて、塗膜が半硬化状態(塗面の中央を指先で静かにこすって塗面に擦り傷が付かない状態)まで乾燥する時間を調べた。
ガラス板(50×50×3mm)の片面に実施例19で得た塗料を0.65g、実施例20で得た塗料を0.325gでそれぞれ塗布し(0.26kg/m2)、これを23±3℃及び5±1℃で、湿土50±5%の恒温室に入れて、塗膜が半硬化状態(塗面の中央を指先で静かにこすって塗面に擦り傷が付かない状態)まで乾燥する時間を調べた。
<(5)塗膜の外観の評価>
上記、(2)塗料作業性の評価におけると同じく塗料を2回塗りした試験板(ガラス板)を24時間室温にて乾燥した後、拡散昼光の下で塗面を肉眼で見て刷毛目の程度、孔や弛みの有無、塗膜表面の一様性(ムラなし)などを調べた。そして、刷毛目の程度が大きくなく、孔や弛みがなく、塗膜表面が一様(ムラなし)であるものを◎、順次これらの程度に応じて○、×と評価した。
上記、(2)塗料作業性の評価におけると同じく塗料を2回塗りした試験板(ガラス板)を24時間室温にて乾燥した後、拡散昼光の下で塗面を肉眼で見て刷毛目の程度、孔や弛みの有無、塗膜表面の一様性(ムラなし)などを調べた。そして、刷毛目の程度が大きくなく、孔や弛みがなく、塗膜表面が一様(ムラなし)であるものを◎、順次これらの程度に応じて○、×と評価した。
<(6)塗膜の耐アルカリ性評価>
予め周辺及び裏面を同種の塗料で2〜3回塗り囲んだガラス板(50×50×3mm)の表面に塗料を刷毛で2〜3回一様に塗り、24時間乾燥した。次いで、ガラス板の周辺及び表面を透明エポキシ樹脂で被覆して試験片とした。この試験片を水酸化カルシウム飽和溶液(20±1℃)中に48時間浸漬した後、取り出した直後と、2時間後の塗膜の状態(膨れ、割れ、剥がれ、穴、色、艶、軟化など)を観察して、◎、○、×の3段階で評価した。
予め周辺及び裏面を同種の塗料で2〜3回塗り囲んだガラス板(50×50×3mm)の表面に塗料を刷毛で2〜3回一様に塗り、24時間乾燥した。次いで、ガラス板の周辺及び表面を透明エポキシ樹脂で被覆して試験片とした。この試験片を水酸化カルシウム飽和溶液(20±1℃)中に48時間浸漬した後、取り出した直後と、2時間後の塗膜の状態(膨れ、割れ、剥がれ、穴、色、艶、軟化など)を観察して、◎、○、×の3段階で評価した。
<(7)塗膜の耐水性評価>
上記の耐アルカリ性評価で用いたのと同じ試験片を用意し、これを20±1℃の蒸留水に96時間浸漬した直後と、2時間後の試験片上の塗膜の状態(膨れ、割れ、剥がれ、穴、色、艶、軟化など)を観察して、◎、○、×の3段階で評価した。
上記の耐アルカリ性評価で用いたのと同じ試験片を用意し、これを20±1℃の蒸留水に96時間浸漬した直後と、2時間後の試験片上の塗膜の状態(膨れ、割れ、剥がれ、穴、色、艶、軟化など)を観察して、◎、○、×の3段階で評価した。
<(8)抗カビ性評価>
ポリエチレン製袋のパンを入れて数週間密閉放置し、袋内にパンカビを発生させた。ガラス板(50×50×3mm)に実施例19で調製した塗料、市販の水性塗料及び防カビ性を有しているとされる市販の水性塗料を一様に塗布した。次いで、これらのガラス板をパンカビが発生している袋に入れ、2週間密閉放置した。その後、各試験片について塗膜表面におけるカビの転移及び発生の有無を目視にて観察した。そして、肉眼ではカビの発生が認められないものを◎、カビの発生は認められるが発育部分の面積が試験片全面積の25%を超えないものを○、かびがよく発育しておりその面積が試験片全面積の50〜100%に達するものを×と評価した。
ポリエチレン製袋のパンを入れて数週間密閉放置し、袋内にパンカビを発生させた。ガラス板(50×50×3mm)に実施例19で調製した塗料、市販の水性塗料及び防カビ性を有しているとされる市販の水性塗料を一様に塗布した。次いで、これらのガラス板をパンカビが発生している袋に入れ、2週間密閉放置した。その後、各試験片について塗膜表面におけるカビの転移及び発生の有無を目視にて観察した。そして、肉眼ではカビの発生が認められないものを◎、カビの発生は認められるが発育部分の面積が試験片全面積の25%を超えないものを○、かびがよく発育しておりその面積が試験片全面積の50〜100%に達するものを×と評価した。
表7及び表8の結果から、本発明に係る塗料組成物は、作業性が良好であり、かつ抗菌性に優れていることから、家具や各種建築物の床・壁・天井などの内壁用、あるいは外壁面用の塗料として非常に効果的であることが認められた。
Claims (10)
- ヘテロポリ酸の水素イオンの一部又は全部を、アルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオン、アンモニウムイオン、及びアルキルアンモニウムイオンからなる群より選ばれる1種又は2種以上のイオンで置換したヘテロポリ酸の塩を含有してなることを特徴とする抗菌・防カビ剤。
- 前記ヘテロポリ酸が、一般式[XM12O40]n−(式中、Xはヘテロ原子、Mはポリ原子、nは価数である。)で表されるケギン型構造であることを特徴とする請求項1に記載の抗菌・防カビ剤。
- 前記へテロポリ酸が、一般式[X2M18O62]n−(式中、Xはヘテロ原子、Mはポリ原子、nは価数である。)で表されるドーソン型構造であることを特徴とする請求項1に記載の抗菌・防カビ剤。
- 前記へテロポリ酸のポリ原子が、少なくとも1つ以上欠損していることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の抗菌・防カビ剤。
- 前記へテロポリ酸のポリ原子が、他の原子で置換されていることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の抗菌・防カビ剤。
- 前記へテロポリ酸のヘテロ原子が、Si、P、及びBからなる群より選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の抗菌・防カビ剤。
- 請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載の抗菌・防カビ剤を配合してなることを特徴とする塗料組成物。
- 前記抗菌・防カビ剤0.01〜20重量%と、無機フィラー20〜80重量%、ポリマーエマルション10〜50重量%、炭酸カルシウム20〜50重量%、及び酸化チタン2〜40重量%からなる塗料成分とを含有することを特徴とする請求項7に記載の塗料組成物。
- 前記ポリマーエマルションが、アクリル樹脂系、酢酸ビニル樹脂系、エチレン−酢酸ビニル共重合体系、シリコーン−アクリル樹脂系、スチレン−ブタジエン共重合体系、エポキシ樹脂系、及びウレタン樹脂系よりなる群から選ばれる少なくとも1種のエマルションであることを特徴とする請求項8に記載の塗料組成物。
- 請求項7乃至請求項9のいずれか一項に記載の塗料組成物からなることを特徴とする家具あるいは建築物の内壁又は外壁用塗料。
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