JP2019167522A - 防藻持続性防汚剤組成物 - Google Patents

防藻持続性防汚剤組成物 Download PDF

Info

Publication number
JP2019167522A
JP2019167522A JP2019041944A JP2019041944A JP2019167522A JP 2019167522 A JP2019167522 A JP 2019167522A JP 2019041944 A JP2019041944 A JP 2019041944A JP 2019041944 A JP2019041944 A JP 2019041944A JP 2019167522 A JP2019167522 A JP 2019167522A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
composition
oxide
weight
copper
metal
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2019041944A
Other languages
English (en)
Other versions
JP7126706B2 (ja
Inventor
真 山淵
Makoto Yamabuchi
真 山淵
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kawakami Paint Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Kawakami Paint Manufacturing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kawakami Paint Manufacturing Co Ltd filed Critical Kawakami Paint Manufacturing Co Ltd
Publication of JP2019167522A publication Critical patent/JP2019167522A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7126706B2 publication Critical patent/JP7126706B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Paints Or Removers (AREA)
  • Agricultural Chemicals And Associated Chemicals (AREA)

Abstract

【課題】透明性、貯蔵安定性、および防カビ/防藻持続性を有する水性塗料組成物を提供すること。【解決手段】金属酸化物および/または金属水酸化物、コロイダルシリカ、粘土鉱物、および無機系バインダーを配合してなる水性分散液からなる防カビ性および/または防藻性組成物であって、組成物中の無機系バインダーの含有量が0.05重量%以上である組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、建築内装材や外装材等に用いられ、防カビおよび/または防藻持続性を有する水性塗料組成物に関する。
外装材等に用いられる塗料として、これまで有機溶剤希釈型塗料が汎用されてきたが、近年、シックハウス症候群やVOC規制に見られるような大気中への有機溶媒の放散等の環境問題が提起され、水性塗料への転換が進行している。
また、近年、デザイン性の高い外装材等の商品開発が活発化しており、色調の観点また汚れが目立たないよう、透明性が高くかつ長期にわたって低汚染機能(特にカビ等による生物汚染防止機能)が持続するコーティング剤の必要性が高まっている。
特許文献1には、光触媒性金属酸化物粒子およびコロイダルシリカを含有する親水性組成物が開示されている。しかしながら、一般に酸化チタン等の光触媒は高価であり、また紫外線の当たらない場所では十分な機能が発揮できない。さらに、無機系バインダーを含有する光触媒性組成物は、造膜性や耐水性が十分ではなく、雨水などとともに剥がれ落ちやすいため、長期にわたる親水防汚性、特に防カビおよび/または防藻持続性については改善の余地がある。
特開平11−140432号公報
本発明は、透明性、貯蔵安定性、および防カビ/防藻持続性を有する水性塗料組成物を提供することを目的とする。
本発明者は、鋭意検討した結果、金属酸化物および/または金属水酸化物、コロイダルシリカ、粘土鉱物、および無機系バインダーを水に分散させて構成される、水性組成物が、優れた透明性、貯蔵安定性、および防カビ/防藻持続性を有することを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は
〔1〕金属酸化物および/または金属水酸化物、コロイダルシリカ、粘土鉱物、および無機系バインダーを配合してなる水性分散液からなる防カビ性および/または防藻性組成物であって、組成物中の無機系バインダーの含有量が0.05重量%以上である組成物、
〔2〕さらに、アニオン界面活性剤を含有する、〔1〕に記載の組成物、
〔3〕金属酸化物および/または金属水酸化物が、酸化銅(I)、酸化銅(II)および水酸化銅(II)からなる群から選ばれる1以上を含む、〔1〕または〔2〕記載の組成物、
〔4〕金属酸化物および/または金属水酸化物が、酸化銅(I)および/または水酸化銅(II)を含む、〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載の組成物、
〔5〕金属酸化物および/または金属水酸化物が、酸化銅(I)、酸化銅(II)および水酸化銅(II)からなる群から選ばれる1以上と他の1種以上の金属酸化物および/または金属水酸化物を含む、〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載の組成物、
〔6〕金属酸化物および/または金属水酸化物が、酸化銅(I)、酸化銅(II)および水酸化銅(II)からなる群から選ばれる1以上と酸化亜鉛、酸化銀および酸化ニッケルからなる群から選ばれる1以上を含む、〔1〕〜〔5〕のいずれかに記載の組成物、
〔7〕金属酸化物および/または金属水酸化物が、酸化銅(I)および/または水酸化銅(II)と他の1種以上の金属酸化物からなる、〔1〕〜〔5〕のいずれかに記載の組成物、
〔8〕無機系バインダーがケイ酸塩を含むシリコン系バインダーである、〔1〕〜〔7〕のいずれかに記載の組成物、
〔9〕粘土鉱物がスメクタイトである、〔1〕〜〔8〕のいずれかに記載の組成物、に関する。
本発明によれば、透明性、貯蔵安定性、および防カビ/防藻持続性を有する水性塗料組成物を提供することができる。
本発明の一実施形態である防カビ性および/または防藻性組成物は、金属酸化物および/または金属水酸化物、コロイダルシリカ、粘土鉱物、および無機系バインダーを水に分散させて構成される。水性組成物であるため溶剤臭がなく、また常温乾燥が可能であるため、取り扱い性にも優れる。
本明細書において、「〜」を用いて数値範囲を示す場合、その両端の数値を含むものとする。
本実施形態に係る「金属酸化物および/または金属水酸化物、コロイダルシリカ、粘土鉱物、および無機系バインダーを配合してなる水性分散液からなる組成物」は、金属酸化物、金属水酸化物、コロイダルシリカ、粘土鉱物、および無機系バインダー以外の任意成分を含有していてもよい。また、該組成物は、保存時ないし使用時において、金属酸化物、金属水酸化物、コロイダルシリカ、粘土鉱物、および無機系バインダー等の配合成分が化学変化した物質(例えば、金属酸化物として酸化銅(I)を配合した場合、経時変化により生成する水酸化銅(II)等)を含有する場合も含むものとする。
(金属酸化物および金属水酸化物)
本実施形態において利用可能な金属酸化物および金属水酸化物としては、例えば、ケイ素、アルミニウム、鉄、チタン、ジルコニウム、銅、銀、マグネシウム、カルシウム、スズ、亜鉛、マンガン、ニッケル、コバルト、タングステン、セリウム、イットリウム、バナジウム、オスミウム、カドミウム、タリウム、ルテニウム、ハフニウム、ストロンチウム、ビスマス、ニオブ等の金属の酸化物および水酸化物が挙げられ、銅、亜鉛、銀、ニッケル等の酸化物および水酸化物が好ましい。金属酸化物および/または金属水酸化物は1種類を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよいが、2種以上を併用することが好ましい。また複数の金属成分の複合酸化物も利用することができる。特に、酸化還元力および抗菌力が強い酸化銅(I)と、他の1種以上の金属酸化物を組み合わせることにより、十分な被膜強度および広範な抗菌スペクトルが得られることから、耐水性および防カビ/防藻効果を長期にわたって持続することができる。また、酸化銅(I)の代替物として、酸化銅(II)および水酸化銅(II)も好適に使用することができる。酸化銅(I)、酸化銅(II)および水酸化銅(II)と組み合わせることができる金属酸化物としては、例えば、酸化亜鉛、酸化銀、酸化ニッケル等が挙げられ、酸化亜鉛が好ましい。本実施形態における金属酸化物および金属水酸化物は、金属酸化物および金属水酸化物粒子が水中に分散した水性分散液を使用してもよい。なお、これら金属酸化物および金属水酸化物の光触媒活性は特に必要とされない。
金属酸化物および金属水酸化物の合計量中の酸化銅(I)、酸化銅(II)および水酸化銅(II)の合計量は、防カビおよび/または防藻持続性の観点から、0.1〜100重量%が好ましく、0.2〜80重量%がより好ましく、0.3〜50重量%がさらに好ましく、0.5〜30重量%が特に好ましい。
金属酸化物および金属水酸化物の平均粒子径は、1〜5000nmが好ましく、10〜1000nmがより好ましく、50〜500nmがさらに好ましい。平均粒子径が上記範囲にあることで、十分な被膜強度が得られ、また塗膜の白濁などの外観不良を防止することができる。なお、平均粒子径は、市販のレーザ回折/散乱式粒子径分布測定装置により測定することができる。
金属酸化物および金属水酸化物の合計含有量は、組成物に対して0.1〜10重量%が好ましく、0.3〜8.0重量%がより好ましく、0.5〜6.0重量%がさらに好ましく、1.0〜4.0重量%が特に好ましい。0.1重量%未満である場合、防カビおよび/または防藻持続性が不十分となる傾向がある。また、10重量%を超える場合、塗膜耐久性や透明性が低下する傾向がある。
(コロイダルシリカ)
本実施形態におけるコロイダルシリカとしては、シリカ粒子がコロイド状に水中に分散した水性分散液を使用することができる。かかる水性コロイダルシリカを配合することにより、塗膜形成直後から塗膜表面を親水化して水濡れ性を良くし、雨水が塗膜と汚染物質との界面に浸透して汚染物質を洗い流す機能を発現させることができ、耐汚染効果を長期にわたって持続することができる。
コロイダルシリカの具体例としては、例えば、日産化学工業(株)製のスノーテックス、日揮触媒化成(株)製のCataloid Sシリーズ、(株)ADEKA製のアデライト ATシリーズ等の商品名で市販されているものが挙げられる。コロイダルシリカは、前記例示のものからいずれか1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なお、コロイダルシリカは、製品安定性が良好なほど好ましく、具体的には、40℃の雰囲気下で1ヶ月以上ゲル化しないものであれば、製品安定性が良好なコロイダルシリカとして好ましく使用できる。また、コロイダルシリカの形状には、球状、鎖状、棒状、パールスライク状のものや異形状のもの等があるが、特に限定されない。
コロイダルシリカの平均粒子径は、特に限定されないが、1〜300nmが好ましく、10〜250nmがより好ましく、10〜100nmがさらに好ましい。平均粒子径が1nm未満の場合、粒子が凝集しやすくなり安定性に欠ける傾向がある。一方、平均粒子径が300nmを超える場合、シリカが沈降しやすくなり、貯蔵安定性が低下する傾向がある。
コロイダルシリカのpHは特に制限されないが、8〜12であることが好ましい。
コロイダルシリカにおけるシリカの固形分濃度は、特に制限されないが、通常、1〜50重量%程度、1〜40重量%程度、さらには、1〜30重量%のものが一般的である。また、コロイド状物は、安定剤として硝酸、塩酸、酢酸などの酸を含有するものを用いることができる。なお、コロイダルシリカの固形分量とは、これらを100℃で1時間加熱した後の残分量をいう。
コロイダルシリカの配合量は、これらの成分の固形分量として、組成物に対して0.5〜20重量%が好ましく、1.0〜15重量%がより好ましく。3.0〜10重量%がさらに好ましい。配合量が0.5重量%未満である場合、塗膜の親水性が不十分であり、20重量%を超える場合、塗膜が硬く脆くなりやすく、耐水性が劣る傾向がある。
(粘土鉱物)
本実施形態に係る防カビ性および/または防藻性組成物は、粘土鉱物を含有することを特徴とする。粘土鉱物の水に対する溶解性、膨潤性、および分散性により、組成物に粘度を付与し、シリカの沈殿や組成物のたれを防止することができるとともに、組成物の透明性を向上させることができる。
本実施形態において「粘土鉱物」とは、天然、合成、または変性された層状ケイ酸塩鉱物を意味し、水に膨潤し、かつイオン交換可能なものであれば特に限定されるものではない。水に対する溶解性、膨潤性、および分散性の観点から、アルカリ金属イオンを粘土層間に持つ粘土鉱物であることが好ましく、なかでも、該アルカリ金属がナトリウムである粘土鉱物(Na型粘土鉱物)は水に対する溶解性、膨潤性が高い上、安価であるため最も好ましく用いられる。
粘土鉱物の具体例としては、例えば、ゼオライト、タルク、クロライト、カオリナイト、イライト、グローコナイト、セリサイト、スメクタイト等が挙げられる。なかでも親水性の高さから、カオリナイトおよびスメクタイトが好ましい。スメクタイトは、モンモリロナイト、バイデライト、ノントロナイト、スチーブンサイト、ソーコナイト、ヘクトライト、サポナイト、ベントナイトから適宜選択されるが、モンモリロナイト、ヘクトライト、サポナイト、ベントナイトおよびこれらの混合物が好ましく、ヘクトライトがより好ましい。各種の天然、合成、および変性スメクタイトとしては、例えば、ビックケミー・ジャパン(株)より、LAPONITE、OPTIGEL、OPTIBENT、GARAMITE、TIXOGEL、CLAYTONE、CLOISITE等の商品名で市販されている層状無機添加物等が挙げられる。粘土鉱物は、前記例示のものからいずれか1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
粘土鉱物の含有量は、組成物に対して0.01〜10重量%が好ましく、0.05〜5.0重量%がより好ましく、0.1〜2.0重量%がさらに好ましい。0.01重量%未満である場合、コロイダルシリカが保存中に沈殿し、また組成物の透明性が不十分となる傾向がある。また、10重量%を超える場合、組成物が保存中にゲル化しやすくなる傾向がある。
(無機系バインダー)
本実施形態において使用可能な無機系バインダーとしては、例えば、加水分解性シラン、アルキルシリケ−ト、ポリオルガノシラン、ポリオルガノシロキサン、シラノール、ケイ酸塩等のシリコン系バインダー;リン酸亜鉛、リン酸アルミニウム、ヒドロキシアパタイト、リン酸カルシウム等のリン酸塩;重リン酸塩、セメント、石灰、セッコウ、長石、釉薬、プラスター、ほうろう用フリット、ホウ酸塩、アルミノケイ酸塩、ホウケイ酸塩、有機チタネ−ト、過酸化チタン、アルミナ、チタニア、有機ジルコニウム化合物、ジルコニア等が挙げられ、シリコン系バインダーが好ましい。なかでも、ケイ酸塩は、pH調整剤として機能し、組成物の粘度を安定させることができることから、ケイ酸塩を含有するシリコン系バインダーが好適に用いられる。無機系バインダーは、前記例示のものからいずれか1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。また、無機系バインダーは、前記例示のものの中(好ましくは、シリコン系バインダー中)に、さらに水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸カルシウム、炭酸水素ナトリウム、アンモニア水等の塩基性のpH調整剤を含有していてもよい。なお、無機系バインダーは、水に溶解または懸濁させて組成物に配合することができる。
ケイ酸塩としては、例えば、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム、ホウケイ酸塩、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸ジルコニウム、ケイ酸アルミニウムカリウム、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、ケイ酸アルミニウムナトリウム、メチルケイ酸ナトリウム、メチルケイ酸カリウム、ブチルケイ酸ナトリウム、プロピルケイ酸ナトリウム、プロピルケイ酸リチウム、ケイ酸トリエタノールアンモニウム、ケイ酸テトラメタノールアミン、ヘキサフルオロケイ酸亜鉛、ヘキサフルオロケイ酸アンモニウム、ヘキサフルオロケイ酸コバルト、ヘキサフルオロケイ酸鉄、ヘキサフルオロケイ酸カリウム、ヘキサフルオロケイ酸ニッケル、ヘキサフルオロケイ酸バリウム、ヘキサフルオロケイ酸ヒドロキシアンモニウム、ヘキサフルオロケイ酸ナトリウムおよびフルオロケイ酸カルシウム等が挙げられる。好ましくは、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム、メチルケイ酸ナトリウム、およびメチルケイ酸カリウム、並びにそれらの混合物が挙げられる。
無機系バインダー(好ましくは、シリコン系バインダー)の含有量は、これらの成分の固形分量として、組成物に対して0.05重量%以上であり、0.06重量%以上が好ましく、0.10重量%以上がより好ましく、0.12重量%以上がさらに好ましく、0.15重量%以上が特に好ましい。0.05重量%未満である場合、組成物が保存中にゲル化しやすくなり、貯蔵安定性が低下する傾向がある。また、塗膜の耐水性や親水性の観点から、3.0重量%以下が好ましく、2.5重量%以下がより好ましく、2.0重量%以下がさらに好ましい。
シリコン系バインダー中のケイ酸塩の含有量は、特に制限されないが、例えば1〜99重量%、5〜95重量%、10〜90重量%、1〜30重量%、5〜40重量%、10〜50重量%、20〜60重量%、30〜70重量%、40〜80重量%、または50〜90重量%の範囲が挙げられ、5〜95重量%が好ましく、10〜50重量%がより好ましい。
(アニオン界面活性剤)
本実施形態に係る防カビ性および/または防藻性組成物は、得られる組成物の透明性の観点から、アニオン界面活性剤を含有することが好ましい。アニオン界面活性剤としては、例えば、石けんなどのカルボン酸塩;アルキルベンゼンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、α−スルホ脂肪酸エステル塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、ナフタレンスルホン酸塩、アルキルスルホン酸塩等のスルホン酸塩;アルキル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキル硫酸エステル塩等の硫酸エステル塩;アルキルリン酸エステル塩;アシル−N−メチルタウリン塩等が挙げられ、スルホン酸塩が好ましく、α−スルホ脂肪酸エステル塩およびジアルキルスルホコハク酸塩がより好ましい。アニオン界面活性剤は、前記例示のものからいずれか1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
アニオン界面活性剤の含有量は、組成物に対して0.1〜10重量%が好ましく、0.2〜5.0重量%がより好ましく、0.3〜2.0重量%がさらに好ましい。0.1重量%未満である場合、コロイダルシリカが保存中に沈殿し、また組成物の透明性が不十分となる傾向がある。また、10重量%を超える場合、成膜性や密着性等の膜物性が低下する傾向がある。
本実施形態に係る防カビ性および/または防藻性組成物は、建築内装材や外装材等に用いられる水性塗料として好適に用いられる。塗料として使用する場合には、塗料組成物だけをクリアー塗料として使用可能であるが、一般的に使用されるベンガラ、カーボンブラック、酸化チタン、炭酸カルシウム等の着色顔料や、炭酸バリウム、タルク、クレー、マイカ、アルミナ、ミョウバン、白土、水酸化マグネシウム、酸化マグネシウム、珪藻土等の体質顔料、さらには、光触媒活性を有する酸化チタン、シミ止めおよび吸着機能を有するフライポンタイト、活性亜鉛華、珪酸マグネシウム等の機能性顔料も添加することが可能である。塗料としての各種機能を付与させるためには、可塑剤、酸化防止剤、増粘剤、分散剤、沈降防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤等を適宜添加してもよい。
この様にして得られた塗料組成物は、各種無機質素材や金属素材、木材素材、プラスチック素材等に適用でき、自然乾燥、若しくは、50℃以上の温度で強制乾燥させることにより優れた塗膜を形成することが可能である。また、成膜に際しては、成膜温度を下げる目的で、エチレングリコールモノブチルエーテル、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールモノイソブチレート等の有機溶剤(造膜助剤)を任意に添加することも可能である。
さらに、本実施形態に係る防カビ性および/または防藻性組成物は、LPG、ジメチルエーテルや、窒素、炭酸ガス、空気などの圧縮ガスを共に封入してエアゾールスプレーとすることもできる。
本発明を実施例に基づいて説明するが、本発明は実施例のみに限定されるものではない。
以下、実施例および比較例において用いた各種材料をまとめて示す。
金属酸化物1:積水樹脂(株)製の酸化銅(I)を、5重量%の濃度となるよう超純水(milliQ水)で分散したものを使用した。(平均粒子径:150nm)
金属酸化物2:堺化学(株)製の酸化亜鉛を、20重量%の濃度となるよう超純水(milliQ水)で分散したものを使用した。(平均粒子径:150nm)
金属酸化物3:富士フイルム和光純薬(株)製の酸化銅(II)を200メッシュパスしたものを、5重量%の濃度となるよう超純水(milliQ水)で分散したものを使用した。(平均粒子径:2400nm)
金属水酸化物1:富士フイルム和光純薬(株)製の水酸化銅(I)を200メッシュパスしたものを、5重量%の濃度となるよう超純水(milliQ水)で分散したものを使用した。(平均粒子径:3200nm)
コロイダルシリカ:日揮触媒化成(株)製のCataloid SI−40(固形分濃度:40重量%、pH:9、平均粒子径:18nm)
粘土鉱物:ビックケミー・ジャパン(株)製の合成スメクタイト
アニオン界面活性剤:(株)ADEKA製のアデカコールEC−8600(スルホコハク酸ジエチルヘキシルナトリウム)
無機系バインダー:メチルケイ酸カリウムおよびポリオルガノシランを15〜30重量%、並びに水酸化カリウムを約3重量%の濃度となるよう超純水(milliQ水)で分散したものを使用した。
(実施例および比較例)
表1および表2に示す配合処方に従い、試験塗料を作製した。具体的には、水に対し、金属酸化物または金属水酸化物の分散液、コロイダルシリカの分散液、粘度鉱物、およびアニオン界面活性剤を加えた混合物中に無機系バインダーの分散液を加え、ホモディスパーを用いて20℃で30分間撹拌し、試験塗料を得た。得られた試験塗料を、合成樹脂製品(川上塗料(株)製のフッ素エマルションクリヤ塗膜)の表面に、スプレーにて25g/m2塗布した後、80℃で3分間乾燥させることにより試験板を作製した。なお、表1および表2には、各成分の固形分量ではなく、分散液全体の使用量をそれぞれ記載した。
<接触角の測定>
各試験板に純水を噴霧した後、写真撮影により接触角を概算した。実施例1〜8の試験版の静的接触角は50°未満であり、これらの試験版の表面は良好な親水性を有していることが確認された。
<貯蔵安定性>
各試験塗料を各々100mLガラス製サンプル瓶に入れ、密栓した状態で43℃恒温室に30日間貯蔵し、その状態を観察した。
<透明性>
塗料を#7バーコーターを用いてマイクロスライドガラスに塗装し、十分に乾燥して試験体を作製した。ヘイズメーター((株)村上色彩技術研究所製)を使用し、JIS K 7136に準拠して各試験塗料の透明性を測定した。透明性ヘイズは0.5%以下を性能目標値とする。
<防藻持続性>
メタルウェザー試験機(ダイプラ・ウィンテス(株)製のKW−R5TP)を用いて、試験板を暴露させた。具体的には、メタルハライドランプ光源を用いてKF−1フィルターで295〜780nmの光を照射し、照射(63℃、50%RH下で75mW/cm2)4時間と暗黒(30℃、98%RH)4時間のサイクル条件とし、該サイクルを繰り返して各試験板を0〜900時間暴露させた。
暴露後の試験板の防藻持続性を、寒天培地法で評価した。ガラス容器に藻類培養用液体培地を入れ、試験板を設置し、藻懸濁液(試験菌株:Protcoccus sp,Pleurococcus Chlorella vulgaris 3種混合)を散布して、温度23℃、照度2500lx(明期16時間:暗期8時間)で4週間培養した。試験板を規定時間(0〜900時間)曝露した後の試験板上の藻の発生度を調べた。藻の発生度が0%であった試験板の曝露時間を表1および表2に示す。防藻持続性は400時間(市販の光触媒性組成物と同程度)を性能目標値とする。
Figure 2019167522
Figure 2019167522
表1および表2の結果より、本発明の水性塗料組成物は、良好な透明性、貯蔵安定性、および防カビ/防藻持続性を有することがわかる。一方、比較例6では貯蔵後に金属酸化物の沈殿が確認され、また比較例7および8では、貯蔵後に組成物がゲル化し、満足な貯蔵安定性が得られなかった。
本発明の水性塗料組成物は、良好な透明性、貯蔵安定性、および防カビ/防藻持続性を有することから、特に建築内装材や外装材等に用いる塗料として有用である。

Claims (6)

  1. 金属酸化物および/または金属水酸化物、コロイダルシリカ、粘土鉱物、および無機系バインダーを配合してなる水性分散液からなる防カビ性および/または防藻性組成物であって、
    組成物中の無機系バインダーの含有量が0.05重量%以上である組成物。
  2. さらに、アニオン界面活性剤を含有する、請求項1に記載の組成物。
  3. 金属酸化物および/または金属水酸化物が、酸化銅(I)、酸化銅(II)および水酸化銅(II)からなる群から選ばれる1以上を含む、請求項1または2記載の組成物。
  4. 金属酸化物および/または金属水酸化物が、酸化銅(I)、酸化銅(II)および水酸化銅(II)からなる群から選ばれる1以上と他の1種以上の金属酸化物および/または金属水酸化物を含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の組成物。
  5. 無機系バインダーがケイ酸塩を含むシリコン系バインダーである、請求項1〜4のいずれか一項に記載の組成物。
  6. 粘土鉱物がスメクタイトである、請求項1〜5のいずれか一項に記載の組成物。
JP2019041944A 2018-03-23 2019-03-07 防藻持続性防汚剤組成物 Active JP7126706B2 (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018056952 2018-03-23
JP2018056952 2018-03-23

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2019167522A true JP2019167522A (ja) 2019-10-03
JP7126706B2 JP7126706B2 (ja) 2022-08-29

Family

ID=68106384

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019041944A Active JP7126706B2 (ja) 2018-03-23 2019-03-07 防藻持続性防汚剤組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7126706B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2023006452A (ja) * 2021-06-30 2023-01-18 首都高速道路株式会社 エアゾール製品

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10168349A (ja) * 1997-12-26 1998-06-23 Matsushita Electric Works Ltd 抗菌性無機塗料
JP2000109723A (ja) * 1998-10-07 2000-04-18 Green Kemii:Kk 1液1固相ケイ酸塩ビヒクル常温硬化無機塗料の製造方法及び1液ケイ酸塩ビヒクル常温硬化無機塗料
JP2000109722A (ja) * 1998-10-05 2000-04-18 Nippon Paint Co Ltd 無機質水性塗料組成物およびそれを用いた無機塗膜形成方法
JP2001240773A (ja) * 2000-02-29 2001-09-04 Green Kemii:Kk 水ガラス常温硬化ビヒクル組成物及びこれを用いた常温硬化無機塗料
JP2004307856A (ja) * 2003-03-27 2004-11-04 Sumitomo Chem Co Ltd 汚れ防止性フィルム

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10168349A (ja) * 1997-12-26 1998-06-23 Matsushita Electric Works Ltd 抗菌性無機塗料
JP2000109722A (ja) * 1998-10-05 2000-04-18 Nippon Paint Co Ltd 無機質水性塗料組成物およびそれを用いた無機塗膜形成方法
JP2000109723A (ja) * 1998-10-07 2000-04-18 Green Kemii:Kk 1液1固相ケイ酸塩ビヒクル常温硬化無機塗料の製造方法及び1液ケイ酸塩ビヒクル常温硬化無機塗料
JP2001240773A (ja) * 2000-02-29 2001-09-04 Green Kemii:Kk 水ガラス常温硬化ビヒクル組成物及びこれを用いた常温硬化無機塗料
JP2004307856A (ja) * 2003-03-27 2004-11-04 Sumitomo Chem Co Ltd 汚れ防止性フィルム

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2023006452A (ja) * 2021-06-30 2023-01-18 首都高速道路株式会社 エアゾール製品
JP7297012B2 (ja) 2021-06-30 2023-06-23 首都高速道路株式会社 エアゾール製品

Also Published As

Publication number Publication date
JP7126706B2 (ja) 2022-08-29

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7776954B2 (en) Photocatalytic coating compositions
US20080097018A1 (en) Depolluting coating composition
RU2377267C2 (ru) Кроющий материал
JP3354428B2 (ja) 水性塗料組成物
JP2019098297A (ja) 抗菌性金属担持光触媒、光触媒組成物、光触媒塗膜、及び光触媒塗装製品
CN103450768A (zh) 外墙纳米抗菌防霉涂料
US9023146B2 (en) Oxidizing agents on pigments
US20140127414A1 (en) Surface treatment agent with high photocatalytic and sanitary effects
JP2019167522A (ja) 防藻持続性防汚剤組成物
CN103642348A (zh) 外墙纳米防霉涂料
KR100585189B1 (ko) 수용성 광촉매 도료 조성물 및 그 제조방법
EP2722370B1 (de) Photokatalytische Beschichtungen mit Füllstoffen
JP7023689B2 (ja) 光触媒塗装体及び光触媒塗料組成物
JP7074556B2 (ja) 塗膜及び水系組成物
EP2331619A1 (de) Anstrichmittel mit einem basischen additiv
EA039844B1 (ru) Композитные пигменты
RU2719471C2 (ru) Фотокаталитическая композиция на основе воздушного связующего и ее применение для получения красок на водной основе, в частности, для внутренних работ
JP6646603B2 (ja) 複層塗膜、コーティング剤セット、及び塗装体
KR100660410B1 (ko) 콘크리트 유해물질 차단용 도료 조성물
WO2017156372A1 (en) Photocatalytic coating compositions
CN109021635B (zh) 一种光触媒墙体保护剂及其制备方法与应用
Knight Recent Advances in Waterborne Acrylic Nanocomposite Paints and Coatings
CN110229575A (zh) 一种抗病毒水漆
RO134390A0 (ro) Procedeu de obţinere a unor pelicule nanocompozite destinate protejării componentelor arhitecturale litice ale patrimoniului cultural
JP2004249288A (ja) 有機色素配合光触媒被膜用コーティング液

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20210224

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20220124

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20220201

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20220325

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20220802

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20220809

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7126706

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150