JP2019167522A - 防藻持続性防汚剤組成物 - Google Patents
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Abstract
Description
〔1〕金属酸化物および/または金属水酸化物、コロイダルシリカ、粘土鉱物、および無機系バインダーを配合してなる水性分散液からなる防カビ性および/または防藻性組成物であって、組成物中の無機系バインダーの含有量が0.05重量%以上である組成物、
〔2〕さらに、アニオン界面活性剤を含有する、〔1〕に記載の組成物、
〔3〕金属酸化物および/または金属水酸化物が、酸化銅(I)、酸化銅(II)および水酸化銅(II)からなる群から選ばれる1以上を含む、〔1〕または〔2〕記載の組成物、
〔4〕金属酸化物および/または金属水酸化物が、酸化銅(I)および/または水酸化銅(II)を含む、〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載の組成物、
〔5〕金属酸化物および/または金属水酸化物が、酸化銅(I)、酸化銅(II)および水酸化銅(II)からなる群から選ばれる1以上と他の1種以上の金属酸化物および/または金属水酸化物を含む、〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載の組成物、
〔6〕金属酸化物および/または金属水酸化物が、酸化銅(I)、酸化銅(II)および水酸化銅(II)からなる群から選ばれる1以上と酸化亜鉛、酸化銀および酸化ニッケルからなる群から選ばれる1以上を含む、〔1〕〜〔5〕のいずれかに記載の組成物、
〔7〕金属酸化物および/または金属水酸化物が、酸化銅(I)および/または水酸化銅(II)と他の1種以上の金属酸化物からなる、〔1〕〜〔5〕のいずれかに記載の組成物、
〔8〕無機系バインダーがケイ酸塩を含むシリコン系バインダーである、〔1〕〜〔7〕のいずれかに記載の組成物、
〔9〕粘土鉱物がスメクタイトである、〔1〕〜〔8〕のいずれかに記載の組成物、に関する。
本実施形態において利用可能な金属酸化物および金属水酸化物としては、例えば、ケイ素、アルミニウム、鉄、チタン、ジルコニウム、銅、銀、マグネシウム、カルシウム、スズ、亜鉛、マンガン、ニッケル、コバルト、タングステン、セリウム、イットリウム、バナジウム、オスミウム、カドミウム、タリウム、ルテニウム、ハフニウム、ストロンチウム、ビスマス、ニオブ等の金属の酸化物および水酸化物が挙げられ、銅、亜鉛、銀、ニッケル等の酸化物および水酸化物が好ましい。金属酸化物および/または金属水酸化物は1種類を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよいが、2種以上を併用することが好ましい。また複数の金属成分の複合酸化物も利用することができる。特に、酸化還元力および抗菌力が強い酸化銅(I)と、他の1種以上の金属酸化物を組み合わせることにより、十分な被膜強度および広範な抗菌スペクトルが得られることから、耐水性および防カビ/防藻効果を長期にわたって持続することができる。また、酸化銅(I)の代替物として、酸化銅(II)および水酸化銅(II)も好適に使用することができる。酸化銅(I)、酸化銅(II)および水酸化銅(II)と組み合わせることができる金属酸化物としては、例えば、酸化亜鉛、酸化銀、酸化ニッケル等が挙げられ、酸化亜鉛が好ましい。本実施形態における金属酸化物および金属水酸化物は、金属酸化物および金属水酸化物粒子が水中に分散した水性分散液を使用してもよい。なお、これら金属酸化物および金属水酸化物の光触媒活性は特に必要とされない。
本実施形態におけるコロイダルシリカとしては、シリカ粒子がコロイド状に水中に分散した水性分散液を使用することができる。かかる水性コロイダルシリカを配合することにより、塗膜形成直後から塗膜表面を親水化して水濡れ性を良くし、雨水が塗膜と汚染物質との界面に浸透して汚染物質を洗い流す機能を発現させることができ、耐汚染効果を長期にわたって持続することができる。
本実施形態に係る防カビ性および/または防藻性組成物は、粘土鉱物を含有することを特徴とする。粘土鉱物の水に対する溶解性、膨潤性、および分散性により、組成物に粘度を付与し、シリカの沈殿や組成物のたれを防止することができるとともに、組成物の透明性を向上させることができる。
本実施形態において使用可能な無機系バインダーとしては、例えば、加水分解性シラン、アルキルシリケ−ト、ポリオルガノシラン、ポリオルガノシロキサン、シラノール、ケイ酸塩等のシリコン系バインダー;リン酸亜鉛、リン酸アルミニウム、ヒドロキシアパタイト、リン酸カルシウム等のリン酸塩;重リン酸塩、セメント、石灰、セッコウ、長石、釉薬、プラスター、ほうろう用フリット、ホウ酸塩、アルミノケイ酸塩、ホウケイ酸塩、有機チタネ−ト、過酸化チタン、アルミナ、チタニア、有機ジルコニウム化合物、ジルコニア等が挙げられ、シリコン系バインダーが好ましい。なかでも、ケイ酸塩は、pH調整剤として機能し、組成物の粘度を安定させることができることから、ケイ酸塩を含有するシリコン系バインダーが好適に用いられる。無機系バインダーは、前記例示のものからいずれか1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。また、無機系バインダーは、前記例示のものの中(好ましくは、シリコン系バインダー中)に、さらに水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸カルシウム、炭酸水素ナトリウム、アンモニア水等の塩基性のpH調整剤を含有していてもよい。なお、無機系バインダーは、水に溶解または懸濁させて組成物に配合することができる。
本実施形態に係る防カビ性および/または防藻性組成物は、得られる組成物の透明性の観点から、アニオン界面活性剤を含有することが好ましい。アニオン界面活性剤としては、例えば、石けんなどのカルボン酸塩;アルキルベンゼンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、α−スルホ脂肪酸エステル塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、ナフタレンスルホン酸塩、アルキルスルホン酸塩等のスルホン酸塩;アルキル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキル硫酸エステル塩等の硫酸エステル塩;アルキルリン酸エステル塩;アシル−N−メチルタウリン塩等が挙げられ、スルホン酸塩が好ましく、α−スルホ脂肪酸エステル塩およびジアルキルスルホコハク酸塩がより好ましい。アニオン界面活性剤は、前記例示のものからいずれか1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
金属酸化物1:積水樹脂(株)製の酸化銅(I)を、5重量%の濃度となるよう超純水(milliQ水)で分散したものを使用した。(平均粒子径:150nm)
金属酸化物2:堺化学(株)製の酸化亜鉛を、20重量%の濃度となるよう超純水(milliQ水)で分散したものを使用した。(平均粒子径:150nm)
金属酸化物3:富士フイルム和光純薬(株)製の酸化銅(II)を200メッシュパスしたものを、5重量%の濃度となるよう超純水(milliQ水)で分散したものを使用した。(平均粒子径:2400nm)
金属水酸化物1:富士フイルム和光純薬(株)製の水酸化銅(I)を200メッシュパスしたものを、5重量%の濃度となるよう超純水(milliQ水)で分散したものを使用した。(平均粒子径:3200nm)
コロイダルシリカ:日揮触媒化成(株)製のCataloid SI−40(固形分濃度:40重量%、pH:9、平均粒子径:18nm)
粘土鉱物:ビックケミー・ジャパン(株)製の合成スメクタイト
アニオン界面活性剤:(株)ADEKA製のアデカコールEC−8600(スルホコハク酸ジエチルヘキシルナトリウム)
無機系バインダー:メチルケイ酸カリウムおよびポリオルガノシランを15〜30重量%、並びに水酸化カリウムを約3重量%の濃度となるよう超純水(milliQ水)で分散したものを使用した。
表1および表2に示す配合処方に従い、試験塗料を作製した。具体的には、水に対し、金属酸化物または金属水酸化物の分散液、コロイダルシリカの分散液、粘度鉱物、およびアニオン界面活性剤を加えた混合物中に無機系バインダーの分散液を加え、ホモディスパーを用いて20℃で30分間撹拌し、試験塗料を得た。得られた試験塗料を、合成樹脂製品(川上塗料(株)製のフッ素エマルションクリヤ塗膜)の表面に、スプレーにて25g/m2塗布した後、80℃で3分間乾燥させることにより試験板を作製した。なお、表1および表2には、各成分の固形分量ではなく、分散液全体の使用量をそれぞれ記載した。
各試験板に純水を噴霧した後、写真撮影により接触角を概算した。実施例1〜8の試験版の静的接触角は50°未満であり、これらの試験版の表面は良好な親水性を有していることが確認された。
各試験塗料を各々100mLガラス製サンプル瓶に入れ、密栓した状態で43℃恒温室に30日間貯蔵し、その状態を観察した。
塗料を#7バーコーターを用いてマイクロスライドガラスに塗装し、十分に乾燥して試験体を作製した。ヘイズメーター((株)村上色彩技術研究所製)を使用し、JIS K 7136に準拠して各試験塗料の透明性を測定した。透明性ヘイズは0.5%以下を性能目標値とする。
メタルウェザー試験機(ダイプラ・ウィンテス(株)製のKW−R5TP)を用いて、試験板を暴露させた。具体的には、メタルハライドランプ光源を用いてKF−1フィルターで295〜780nmの光を照射し、照射(63℃、50%RH下で75mW/cm2)4時間と暗黒(30℃、98%RH)4時間のサイクル条件とし、該サイクルを繰り返して各試験板を0〜900時間暴露させた。
暴露後の試験板の防藻持続性を、寒天培地法で評価した。ガラス容器に藻類培養用液体培地を入れ、試験板を設置し、藻懸濁液(試験菌株:Protcoccus sp,Pleurococcus Chlorella vulgaris 3種混合)を散布して、温度23℃、照度2500lx(明期16時間:暗期8時間)で4週間培養した。試験板を規定時間(0〜900時間)曝露した後の試験板上の藻の発生度を調べた。藻の発生度が0%であった試験板の曝露時間を表1および表2に示す。防藻持続性は400時間(市販の光触媒性組成物と同程度)を性能目標値とする。
Claims (6)
- 金属酸化物および/または金属水酸化物、コロイダルシリカ、粘土鉱物、および無機系バインダーを配合してなる水性分散液からなる防カビ性および/または防藻性組成物であって、
組成物中の無機系バインダーの含有量が0.05重量%以上である組成物。 - さらに、アニオン界面活性剤を含有する、請求項1に記載の組成物。
- 金属酸化物および/または金属水酸化物が、酸化銅(I)、酸化銅(II)および水酸化銅(II)からなる群から選ばれる1以上を含む、請求項1または2記載の組成物。
- 金属酸化物および/または金属水酸化物が、酸化銅(I)、酸化銅(II)および水酸化銅(II)からなる群から選ばれる1以上と他の1種以上の金属酸化物および/または金属水酸化物を含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の組成物。
- 無機系バインダーがケイ酸塩を含むシリコン系バインダーである、請求項1〜4のいずれか一項に記載の組成物。
- 粘土鉱物がスメクタイトである、請求項1〜5のいずれか一項に記載の組成物。
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