JP2000109722A - 無機質水性塗料組成物およびそれを用いた無機塗膜形成方法 - Google Patents

無機質水性塗料組成物およびそれを用いた無機塗膜形成方法

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JP2000109722A
JP2000109722A JP10282318A JP28231898A JP2000109722A JP 2000109722 A JP2000109722 A JP 2000109722A JP 10282318 A JP10282318 A JP 10282318A JP 28231898 A JP28231898 A JP 28231898A JP 2000109722 A JP2000109722 A JP 2000109722A
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silicate
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Yasuji Yamamichi
靖二 山道
Tomohito Asai
智仁 浅井
Hiroshi Miwa
宏 三輪
Teruaki Kuwajima
輝昭 桑島
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Nippon Paint Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐熱性や高硬度などの水溶性金属ケイ酸塩の
保有する特性を保持しつつ、かつ優れた耐水性を発現し
得る無機硬化膜を与える無機質水性塗料組成物およびそ
れを用いた塗膜の製造方法の提供。 【解決手段】 (1)コロイダルシリカと(2)水溶性ケイ酸
塩をバインダー成分として含有する無機質水性塗料組成
物であって、前記コロイダルシリカ(1)と水溶性ケイ酸
塩(2)との固形分重量比が50:50〜99:1であることを
特徴とする無機質水性塗料組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐水性が向上され
た無機質水性塗料組成物、特に建築用の内外壁材および
窯業用素材にも適用できる無機質水性塗料組成物に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、水ガラスとして既知の水溶性アル
カリ金属ケイ酸塩またはその変性体を高温硬化すること
により形成されたガラス質塗膜は、優れた美粧性と耐火
性を有する高硬度のコーティングであることが知られて
おり、無機質塗料や段ボール、紙管などの接着剤とし
て、または住宅用外壁材として使用されている。しかし
ながら、原料である水溶性アルカリ金属ケイ酸塩は、強
アルカリ性であるため、ポットライフが短く、かつその
低い耐水性のために、十分に乾燥した塗膜でも、空気中
の湿気、炭酸ガスを吸収することにより、塗膜が白化す
る。これは、白華現象(efflorescence)と呼ばれてい
る。
【0003】上記問題点を解決する手段として、特開昭
54-43928号公報、特開平2-129269号公報および特開平8-
188442号公報には、水溶性金属ケイ酸塩を主成分とし、
それに添加剤を加えた組成物やケイ酸塩バインダーが開
示されている。
【0004】特開昭54-43928号公報には、水溶性金属ケ
イ酸塩を主成分とする、ポットライフを改良した硬化性
無機質組成物が記載されており、これは、上記水溶性金
属ケイ酸塩、コロイダルシリカおよび変性水溶性ケイ酸
塩からなるバインダーを含有する。前記公報に記載の無
機質組成物からの無機硬化膜の形成は、高温での焼付け
を要し、かつそれにより得られる無機硬化膜は耐水性に
劣るという問題点がある。
【0005】また、特開平2-129269号公報には、上記水
溶性金属ケイ酸塩100重量部に対し、コロイダルシリカ2
0〜50重量部を含有する無機質塗料組成物が記載されて
いる。これは、耐クラック性を高めることを目的とした
ものである。この公報に記載の塗料組成物中に含有でき
るコロイダルシリカは、粒径40nm以下の超微粒子状シリ
カに限定される。さらに、この組成物から塗膜を得るた
めには、前記超微粒子状シリカを加熱溶解させる工程が
必要であるため、生産効率が低い。
【0006】さらに、特開平8-188442号公報には、従来
の水溶性金属ケイ酸塩の持つ特性(不燃性、密着性、高
硬度、高光沢性、低コスト)を保持したまま、上記の耐
水性や白華現象などの問題を克服する手段として、上記
水溶性金属ケイ酸塩とシリカゾル溶液を混合した硬化性
組成物およびそれから得られる硬化膜が開示されてい
る。この組成物は、水溶性金属ケイ酸塩を主成分とし、
水溶性金属ケイ酸塩:シリカゾル溶液が重量比で1:1/
8〜1/16の割合で含有されている。このような組成を有
することにより、所望の基材上に塗布した後、60〜200
℃の温度で強制乾燥でき得ると記載されている。
【0007】しかしながら、前記組成物はいずれも、そ
の組成中に過半数を超える量の水溶性金属ケイ酸塩が存
在しているため、外壁材などの苛酷な条件下で耐え得る
のに十分な耐水性を付与することはできなかった。ま
た、ガラス質塗膜を得るには通常、170℃以上の高温で
の熱処理が必須であるが、このような高い温度での熱処
理工程に付すると、得られる塗膜にクラックや発泡が発
生するなどの問題点があった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
問題点を克服し、耐熱性や高硬度などの水溶性金属ケイ
酸塩の保有する特性を保持しつつ、かつ優れた耐水性を
発現し得る無機硬化膜を与える無機質水性塗料組成物を
提供することである。本発明の目的は、また、前記無機
質水性塗料組成物を高温乾燥に付すことなく、所望の特
性を有する無機硬化膜を得る方法を提供することでもあ
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、従来の無機質
塗料組成物等に見られる水溶性金属ケイ酸塩中心の組成
とは異なり、主成分をコロイダルシリカとし、それに少
量の水溶性金属ケイ酸塩を添加することで、上記目的を
達成した。すなわち、本発明は、(1)コロイダルシリカ
と(2)水溶性ケイ酸塩をバインダー成分として含有する
無機質水性塗料組成物であって、前記コロイダルシリカ
(1)と水溶性ケイ酸塩(2)との固形分重量比が50:50〜9
9:1であることを特徴とする無機質水性塗料組成物を
提供する。また、本発明は、基材上に前記無機質水性塗
料組成物を塗布し、150℃以下の温度で成膜することを
含む無機塗膜形成方法、およびそれより得られる無機塗
膜も提供する。
【0010】
【発明の効果】本発明の無機質水性塗料組成物は、大き
な粒径のコロイダルシリカと水溶性金属ケイ酸塩を混合
して調製され得る、貯蔵安定性に優れた1液型水性塗料
組成物である。本発明によれば、無機質水性塗料組成物
中の主要成分であるコロイダルシリカにおいて、従来使
用されているコロイダルシリカよりも大きい粒径のもの
を使用することで生じる塗膜内でのシリカ粒子同士の凝
集力低下による硬化性の低下を、少量の水溶性アルカリ
金属ケイ酸塩を添加することにより解決できる。
【0011】前記組成物より得られる本発明の塗膜に
は、以下の有利な特性が付与される。 ・被覆した基板から剥離しない程度の凝集力を発現する
ため、優れた耐クラック性を発現し、その結果、塗膜の
更なる耐水性向上が達成できる。 ・塗膜形成温度を従来に比べて著しく低下できる。 ・高い耐候性および耐熱性を保持しつつ、かつ優れた耐
水性も発現し得る。 ・従来よりも一次粒径の大きな、粒径30〜100nmの粒状
コロイダルシリカを含有することにより、表面親水性が
付与され、それに起因する良好な耐汚染性が発現でき
る。 ・大きな粒径のコロイダルシリカを用いることにより、
無機硬化膜の厚膜化が可能である。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明の無機質水性塗料組成物
は、(1)コロイダルシリカ、および(2)水溶性ケイ酸塩を
バインダー必須成分として含有する。
【0013】(1)コロイダルシリカ 本発明に用いられるコロイダルシリカは、無定型粒子状
シリカを水中に固形分として約10〜50%分散させたもの
であり、その一次粒径は、通常4〜500nmの範囲であ
る。このコロイダルシリカは、塩基性であっても酸性で
あっても構わないが、その他の添加成分との混合性を考
慮すると、pH8〜11にアルカリ安定化されていること
が好ましい。
【0014】上記コロイダルシリカの一次粒径は、好ま
しくは30〜100nmの範囲である。一次粒径が30nm未満で
あると、シリカ粒子同士の凝集性が強まるため、形成さ
れる無機塗膜の耐クラック性が低下する。したがって、
結果として、得られる塗膜の耐水性が低下する。また、
コロイダルシリカの一次粒径が100nmを超えると、塗膜
の透明性が失われるとともに、粒子同士の凝集力が著し
く低減することにより、形成される塗膜の強度も低下す
るため好ましくない。
【0015】このようなコロイダルシリカは、市販のも
のを使用することができ、例えば、スノーテックスXS、
スノーテックスS、スノーテックス20、スノーテックス2
0L、スノーテックス30、スノーテックス40、スノーテッ
クスC、スノーテックスN、スノーテックスUP、スノーテ
ックス50、スノーテックスXL、スノーテックスYL、スノ
ーテックスZL、スノーテックスMP-1040、スノーテック
スQAS25、スノーテックスQAS40(いずれも日産化学工業
社製);カタロイドS-20L、カタロイドS-20H、カタロイ
ドS-30L、カタロイドSI-30、カタロイドSI-40、カタロ
イドSI-50、カタロイドSI-350、カタロイドSI-500、カ
タロイドSI-45P、カタロイドSI-80P、カタロイドSN、カ
タロイドSA、カタロイドSC-30;スフェリカスラリー-12
0、スフェリカスラリー-300、スフェリカスラリー-55
0;ファインカタロイドF-120、USBB-120(いずれも触媒
化成工業社製)等が挙げられる。上記コロイダルシリカ
は、単独でまたはそれら2種以上を混合して使用してよ
い。
【0016】(2)水溶性ケイ酸塩 本発明の無機質水性塗料組成物中の第2の必須成分は、
下式:
【数2】M2O・xSiO2・yH2O (式中、Mはアルカリ金属、トリエタノールアンモニウ
ム基、テトラメタノールアンモニウム基、テトラエタノ
ールアンモニウム基、またはグラニジン基を表し、並び
にxおよびyは、正の数である。)で表されるアルカリ
金属ケイ酸塩またはその変性体である。このようなアル
カリ金属ケイ酸塩(2)は、上記コロイダルシリカ(1)と混
合することにより、コロイダルシリカ粒子間の結合剤と
して作用し、造膜性、膜強度および耐水性を向上させ
る。
【0017】上記式で表されるアルカリ金属ケイ酸塩と
しては、例えば、アルカリ金属とケイ酸からなるアルカ
リ金属ケイ酸塩(例えば、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸リ
チウム、ケイ酸カリウム、ケイ酸セシウム等)、第3級
アミンとケイ酸からなる第3級アミンケイ酸塩(例え
ば、ケイ酸トリエタノールアミン等)、第4級アンモニ
ウムとケイ酸からなる第4級アンモニウムケイ酸塩(例
えば、ケイ酸テトラメタノールアンモニウム等)、およ
びグアニジンとケイ酸からなるグアニジンケイ酸塩等が
挙げられる。上記式において、xの値は、特に限定され
ないが、好ましくは1〜5である。また、上記式中、y
の値は、特に限定されない。
【0018】上記水溶性ケイ酸塩は、市販品であっても
よく、例えば、3号水ガラス(岸田化学社製)、4号水
ガラス、PC-500、スノーテックスK、スノーテックスLSS
35、スノーテックスLSS45、スノーテックスLSS75(日産
化学工業社製);Aケイ酸カリウム、Bケイ酸カリウ
ム、2Kケイ酸カリウム等、APケイ酸ソーダ(日本化
学工業社製)等が挙げられる。これらは、単独でも、2
種以上を混合して使用してもよい。
【0019】無機質水性塗料組成物 本発明の無機質水性塗料組成物は、前記コロイダルシリ
カ(1)と水溶性ケイ酸塩(2)を、固形分重量比50:50〜9
9:1、特に好ましくは70:30〜95:5の範囲で混合し
た混合液をバインダーとして含有する。上記混合液組成
において、コロイダルシリカ(1)成分が上記固形分重量
比より少ないと[すなわち、(1):(2)<50:50]、形成
される塗膜の耐水性が十分でなく、また、コロイダルシ
リカ(1)成分が上記固形分重量比を超えると[すなわ
ち、(1):(2)<99:1]、本発明の無既遂性塗料組成物
中の水溶性アルカリ金属ケイ酸塩の含有量が十分でなく
なるため、本発明の塗料組成物からの塗膜の造膜性が低
下する。
【0020】本発明の無機質水性塗料組成物中には、前
記バインダー混合液以外に、所望により添加物または助
剤を含有させてよい。本発明に添加できる添加物または
助剤は、低沸点および/または高沸点の溶剤、各種エマ
ルション、または水溶性ポリマー、あるいは充填材もし
くはフィラー、着色顔料、硬化剤、分散剤、消泡剤、R
C剤、防錆剤等であり得る。本発明で使用できる低沸点
および/または高沸点の溶剤としては、例えば、ブタノ
ール、イソプロパノール、エトキシエタノール、エトキ
シプロパノール、メトキシプロパノール、ブトキシエタ
ノール、エチレングリコール、1,2-ブタンジオール、1,
4-ブタンジオール、アセチレングリコール等のアルコー
ル類;酢酸ブチル、酢酸エチル、ジエチレングリコール
モノブチルエステル等のエステル類;トルエン、キシレ
ン等の炭化水素系溶剤;ジブチルエーテル、エチレング
リコールジエチル等のエーテル類;メチルエチルケト
ン、イソブチルメチルケトン等のケトン類;N-メチルピ
ロリドン等のアミド類が挙げられる。本発明の無機質水
性塗料組成物中に添加し得る各種エマルションとして
は、例えば、酢酸ビニル樹脂系、スチレン−アクリル樹
脂系等の従来既知のアクリルエマルション;アクリルシ
リコン系;ポリオレフィン系等が挙げられる。あるい
は、上記組成物中には、ポリアクリルアミド、ポリエチ
レングリコール、ポリビニルアルコール、ポリアクリル
酸、ポリビニルブチラール等の公知の水溶性ポリマーを
添加してもよく、例えば、サイビノールNP-70、サイビ
ノール251、サイビノール251-6、サイビノール251-47、
サイビノール251-49(いずれもサイデン化学社製);ケ
ミパールA-100、ケミパールM-200、ケミパールV-200
(いずれも三井石油化学社製);プリマコール5980、プ
リマコール5990(いずれもダウケミカル社製)等が挙げ
られる。
【0021】本発明の無機質水性塗料組成物中には、さ
らに、充填材もしくはフィラー(例えば、タルク、雲
母、粘土、ムライト、シリカ、カオリン、ジルコン、チ
タン酸カリウム、沈降性バリウム、アスベスト、アルミ
ナ、シリカパウダー、ガラス繊維、コロイダルジルコニ
ア、コロイダルチタニア、コロイダルアルミナ等);着
色顔料(例えば、酸化チタン、チタンイエロー、酸化
鉄、カドミウムレッド、ベンガラ、酸化クロム、シアニ
ンブルー、カーボンブラック等の当該分野で従来使用さ
れている有機または無機顔料、あるいは銀、ゼオライト
等の抗菌作用および脱臭作用を備えた機能性顔料等);
硬化剤(例えば、亜鉛、アルミニウム、銅、ステンレス
等の金属粉末、あるいはメタリン酸アルミニウム、水酸
化マグネシウム、酸化マグネシウム、酸化亜鉛等の金属
酸化物または金属水酸化物等);および従来公知の分散
剤、消泡剤、RC剤、防錆剤も添加してよい。
【0022】上記各種添加剤は、本発明の無機質水性塗
料組成物において、前記コロイダルシリカ(1)と水溶性
ケイ酸塩(2)の合計固形分重量に対し、0.01〜80重量%
の範囲で添加され得る。
【0023】
【実施例】以下に実施例を用いて本発明を説明するが、
本発明は以下の実施例に限定されるものではない。実施例1 固形分重量換算で、コロイダルシリカの水分散液として
のスノーテックス20L(日産化学工業製;一次粒径40〜5
0nm:固形分20%)90重量部を撹拌しているところへ、
ケイ酸ナトリウム溶液(3号水ガラス;キシダ化学社
製)10重量部を室温で少量ずつ添加した。その後、スタ
ーラーで30分間撹拌混合することにより、均一化し、本
発明の無機質水性塗料組成物:aを得た。
【0024】実施例2 コロイダルシリカの水分散液(スノーテックス20L、日
産化学工業社製)の量を85重量部(固形分換算)とし、
およびケイ酸ナトリウム溶液(3号水ガラス;キシダ化
学社製)の量を15重量部としたこと以外は実施例1と同
様にして、本発明の無機質水性塗料組成物:bを得た。
【0025】実施例3 コロイダルシリカの水分散液としてスノーテックスXL
(日産化学工業社製;一次粒径40〜60nm:固形分40%)
85重量部(固形分換算)を撹拌しているところへ、ケイ
酸ナトリウム溶液(3号水ガラス;キシダ化学社製)15
重量部を室温で少量ずつ添加した。その後、スターラー
で30分間撹拌混合することにより、均一化し、本発明の
無機質水性塗料組成物:cを得た。
【0026】実施例4 コロイダルシリカの水分散液としてスノーテックスYL
(日産化学工業社製;一次粒径50〜80nm:固形分40%)
85重量部を使用したこと以外は実施例3と同様にして、
本発明の無機質水性塗料組成物:dを得た。
【0027】実施例5 コロイダルシリカの水分散液としてスノーテックスZL
(日産化学工業社製;一次粒径70〜100nm:固形分40
%)85重量部を使用したこと以外は実施例3と同様にし
て、本発明の無機質水性塗料組成物:eを得た。
【0028】実施例6 コロイダルシリカの水分散液としてスノーテックス20L
(日産化学工業社製)80重量部を撹拌しているところ
へ、ケイ酸リチウム溶液(LSS35;日産化学工業社製)2
0重量部を室温で少量ずつ添加した。その後、スターラ
ーで30分間撹拌混合することにより、均一化し、本発明
の無機質水性塗料組成物:fを得た。
【0029】実施例7 コロイダルシリカの水分散液(スノーテックス20L、日
産化学工業社製)の量を90重量部とし、およびケイ酸リ
チウム溶液(LSS75;日産化学工業社製)の量を10重量
部としたこと以外は実施例6と同様にして、本発明の無
機質水性塗料組成物:gを得た。
【0030】実施例8 コロイダルシリカの水分散液(スノーテックス20L、日
産化学工業社製)の量を90重量部とし、およびケイ酸リ
チウム溶液(LSS35;日産化学工業社製)をケイ酸カリ
ウム溶液(Aケイ酸カリウム、日本化学工業社製)10重
量部に変えたこと以外は実施例6と同様にして、本発明
の無機質水性塗料組成物:hを得た。
【0031】実施例9 コロイダルシリカの水分散液としてスノーテックス20L
(日産化学工業社製)70重量部を撹拌しているところ
へ、ケイ酸ナトリウム溶液(3号水ガラス、キシダ化学
社製)10重量部を室温で少量ずつ添加した。その後、エ
マルション(サイビノール251-103、サイデン化学社
製)20重量部を添加し、スターラーで30分間撹拌混合
することにより均一化して、本発明の無機質水性塗料組
成物:iを得た。
【0032】上記実施例1〜9で製造した無機質水性塗
料組成物a〜iについての、室温での保存安定性はいず
れも良好であった。
【0033】比較例1 コロイダルシリカの水分散液であるスノーテックス20L
(日産化学工業社製)のみから成る無機質水性塗料組成
物:c1を製造した。この無機質水性塗料組成物の室温
での保存安定性は良好であった。
【0034】比較例2 コロイダルシリカの水分散液としてのスノーテックス20
(日産化学工業社製;一次粒径10〜20nm:固形分20%)
85重量部(固形分換算)を撹拌しているところへ、ケイ
酸ナトリウム溶液(3号水ガラス;キシダ化学社製)15
重量部を室温で少量ずつ添加した。その後、スターラー
で30分間撹拌混合することにより、均一化し、無機質水
性塗料組成物:c2を得た。この無機質水性塗料組成物
の室温での保存安定性は良好であった。
【0035】比較例3 コロイダルシリカの水分散液として、スノーテックス20
L(日産化学工業社製)40重量部(固形分換算)を使用
し、およびケイ酸ナトリウム溶液(3号水ガラス;キシ
ダ化学社製)の量を60重量部としたこと以外は比較例2
と同様にして、無機質水性塗料組成物:c3を得た。こ
の無機質水性塗料組成物は、室温での保存により、粘度
の上昇が確認され、最終的にはゲル化した。
【0036】比較例4 コロイダルシリカの水分散液として、スノーテックス20
L(日産化学工業社製)40重量部(固形分換算)、およ
びケイ酸リチウム溶液(LSS35;日産化学工業社製)60
重量部を使用したこと以外は比較例2と同様にして、無
機質水性塗料組成物:c4を得た。この無機質水性塗料
組成物の室温での保存安定性は良好であった。
【0037】比較例5 コロイダルシリカの水分散液として、スノーテックス20
L(日産化学工業社製)40重量部(固形分換算)、およ
びケイ酸カリウム溶液(Aケイ酸カリウム;日本化学工
業社製)60重量部を使用したこと以外は比較例2と同様
にして、無機質水性塗料組成物:c5を得た。この無機
質水性塗料組成物の室温での保存安定性は良好であっ
た。
【0038】評 価 試 験 上記実施例1〜9および比較例1〜5で調製した無機質
水性塗料組成物をそれぞれ、ガラス基板(寸法:5×70
×150mm)にバーコーターで塗装した後、室温で5分間
セッティングした。その後、各基板を120℃で15分間乾
燥硬化して、乾燥塗膜を有する試験板を調製した。得ら
れた各試験板について、以下に示す各種試験を行った。塗膜外観試験 上記試験板について、塗膜外観を光学顕微鏡により観察
し、以下の評価基準に従って評価した。 評価基準; A:亀裂、剥離が全く認められない。 B:目視レベルでは亀裂が認められないが、顕微鏡レベ
ルでは微細な亀裂が認められる。 C:目視レベルでは亀裂が認められる。 D:多くの亀裂があり、膜の剥離も認められる。耐水性試験 前記試験について、室温で脱イオン水中に24時間浸漬し
た前後の塗膜表面の変化を目視にて観察し、以下の評価
基準に従って評価した。 評価基準; A:浸漬前後に全く変化なし B:浸漬後にはクラックは認められないが、数日放置す
ると塗膜表面に白華現象が観察された。 C:浸漬後、クラックや剥離が認められた。耐汚染性評価 試験板を、大阪府寝屋川市において3ヶ月暴露し、その
汚れ度合いを目視で評価した。
【0039】鉛筆硬度試験 JIS S 6006に従って、規定された試験用鉛筆を
用いて塗膜の硬度を調べた。付着性試験 試験板の塗膜表面に、従来公知の方法で25個のマス目を
碁盤目状に形成し、2mm×2mm幅のセロハンテープによ
りテープ剥離を行って25個のマス目中の残存数(n)を
調べた。付着性は、n/25で表した。親水性試験 試験板の塗膜表面に脱イオン水を1滴垂らして、イオン
水と塗膜との接触角を、接触角計(CA−A型、協和界
面科学社製)により測定した。膜厚測定 すべての試験板の膜厚(μm)を、表面形状測定装置D
EKTAK(日本真空技術社製)を用いて測定した。透明性評価 試験板の透明性(透明であるか、半透明であるか)を目
視で評価した。上記〜についての結果を1表にまと
める。
【0040】
【表1】 表1中、親水性+)は、塗膜表面と水との接触角を表
す。
【0041】表1より、本発明の無機質水性塗料組成物
はいずれも、1液型塗料組成物であるが、室温での保存
安定性に優れていた。また、上記塗料組成物は、基板上
に塗布した後、120℃、15分間という、従来よりも低い
温度での乾燥硬化により厚膜化を達成でき、かつ本発明
の目的である優れた耐水性および耐汚染性性を有する塗
膜を与えることも分かる。表1からは、さらに、本発明
の塗料組成物より得られた塗膜は、比較例試料に比べ
て、優れた塗膜外観、基板への付着性および硬度を示す
ことも分かる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 三輪 宏 大阪府寝屋川市池田中町19番17号 日本ペ イント株式会社内 (72)発明者 桑島 輝昭 大阪府寝屋川市池田中町19番17号 日本ペ イント株式会社内 Fターム(参考) 4D075 BB26Z BB93Z CA02 CA18 CA38 DA06 DB12 DC02 EA02 EA06 EC03 EC08 EC54 4J038 AA011 HA446 HA456 KA20 MA08 NA04 PA19 PB05 PC04

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (1)コロイダルシリカと(2)水溶性ケイ酸
    塩をバインダー成分として含有する無機質水性塗料組成
    物であって、前記コロイダルシリカ(1)と水溶性ケイ酸
    塩(2)との固形分重量比が50:50〜99:1であることを
    特徴とする無機質水性塗料組成物。
  2. 【請求項2】 前記コロイダルシリカの一次粒径が30〜
    100nmの範囲であることを特徴とする請求項1記載の無
    機質水性塗料組成物。
  3. 【請求項3】 前記水溶性ケイ酸塩(2)が式: 【数1】M2O・xSiO2・yH2O (式中、Mはアルカリ金属、トリエタノールアンモニウ
    ム基、テトラメタノールアンモニウム基、テトラエタノ
    ールアンモニウム基、またはグラニジン基を表し、並び
    にxおよびyは、正の数である。)で表されるアルカリ
    金属ケイ酸塩である請求項1記載の無機質水性塗料組成
    物。
  4. 【請求項4】 前記コロイダルシリカ(1)と水溶性ケイ
    酸塩(2)との固形分重量比が70:30〜95:5であること
    を特徴とする請求項1記載の無機質水性塗料組成物。
  5. 【請求項5】 基材上に請求項1〜4のいずれかに記載
    の無機質水性塗料組成物を塗布し、150℃以下の温度で
    成膜することを含む無機塗膜形成方法。
  6. 【請求項6】 請求項5記載の方法で得られる無機塗
    膜。
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