JPH07330532A - 歯科材料組成物 - Google Patents

歯科材料組成物

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JPH07330532A
JPH07330532A JP6148470A JP14847094A JPH07330532A JP H07330532 A JPH07330532 A JP H07330532A JP 6148470 A JP6148470 A JP 6148470A JP 14847094 A JP14847094 A JP 14847094A JP H07330532 A JPH07330532 A JP H07330532A
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JP
Japan
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silver
zirconium phosphate
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antibacterial agent
dental material
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JP6148470A
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English (en)
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Hiroki Koma
寛紀 高麗
Fumio Shima
文男 島
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SHIKEN KK
Original Assignee
SHIKEN KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 人体に対する毒性を少なくすると共に、長期
間に渡って優れた抗菌性のある歯科材料組成物を提供す
る。熱に安定で、変色等を有効に防止する。 【構成】 歯科材料組成物は、抗菌剤を混合して所定の
形状に成形している。抗菌剤は、銀イオンを無機イオン
交換体が保持する銀置換無機イオン交換体であるリン酸
ジルコニウム銀である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、たとえば、人工歯や義
歯床に使用されて抗菌剤を添加した歯科材料組成物に関
する。
【0002】
【従来の技術】プラスチックを成形した義歯や義歯床は
細菌が発生しやすい性質がある。吸湿性があって細菌が
繁殖しやすい環境となるからである。細菌の発生を防止
すると共に口臭の発生を防止するために、プラスチック
に抗菌剤を混合して成形した歯科材料組成物が開発され
ている。
【0003】プラスチックに添加する抗菌剤として、ク
ロルヘキシジン、塩酸クロルヘキシジン、N−アシルア
ミン酸誘導体、有機アルミニウム化合物、有機珪酸化合
物、有機ジルコニウム化合物、有機ホウ素化合物、タン
ニン、ソルビン酸、安息香酸ナトリウム等の有機化合物
が開発されている。しかしながら、これ等の抗菌剤は有
機物であるために、耐熱性に欠ける欠点がある。
【0004】この有機抗菌剤の欠点を解消する抗菌剤た
めに、銀、銅、亜鉛等の金属イオンを含む無機の抗菌剤
を使用した歯科材料組成物が開発されている(特開平1
−238508号公報)。この公報に記載される歯科材
料組成物は、抗菌剤として、ゼオライト、フッ石郡、活
性アルミナ、シリカ等に金属イオンを含有させている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】この公報に記載される
歯科材料組成物は、金属イオンを、ゼオライト等の無機
物質に吸着、まはた担持させて抗菌剤とし、これを義歯
や床を成形するプラスチックに混合して成形しているの
で熱的に安定して優れた抗菌作用を有する特長がある。
しかしながら、この公報に記載される歯科材料組成物
は、無機物質に含有される金属イオンが経時的に溶出す
る欠点がある。歯科材料組成物に添加される理想的な抗
菌剤は、溶出量を皆無にするものである。金属イオンが
溶出すると、経時的に抗菌作用が低下するばかりでな
く、歯科材料組成物の使用者に毒性の悪害を与えるから
である。また、金属イオンが溶出すると、プラスチック
製の義歯や床を変色させる欠点もある。
【0006】本発明は、従来の歯科材料組成物が有する
これ等の欠点を解決することを目的に開発されたもの
で、本発明の重要な目的は、人体に対する毒性を少なく
すると共に、長期間に渡って優れた抗菌性のある歯科材
料組成物を提供するにある。また本発明の他の重要な目
的は、熱に対して安定で、変色等を有効に防止できる歯
科材料組成物を提供するにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の歯科材料組成物
は抗菌剤を混合して成形したもので、抗菌剤に、銀イオ
ンを無機イオン交換体が保持する銀置換無機イオン交換
体であるリン酸ジルコニウム銀を使用することを特徴と
している。
【0008】リン酸ジルコニウム銀の添加量は、たとえ
ば、原料に対して0.5重量%以上、好ましくは、原料
に対して0.5〜5重量%、さらに好ましくは1〜2重
量%の範囲に調整される。原料に対するリン酸ジルコニ
ウム銀の添加量が少な過ぎると、充分な抗菌作用が期待
できない。銀置換無機イオン交換体であるリン酸ジルコ
ニウム銀は、1〜2重量%の添加で充分な抗菌作用があ
るので、これ以上添加すると抗菌剤のコストが高くな
る。
【0009】
【作用】本発明の歯科材料組成物は、抗菌剤として、銀
イオンを無機イオン交換体に保持させる銀置換無機イオ
ン交換体であるリン酸ジルコニウム銀を使用する。この
抗菌剤は、従来の歯科材料組成物にように、銀イオンを
無機物質に吸着させたり、担持させたものでない。銀イ
オンは、無機イオン交換体に保持されて極めて強固に保
持されて溶出することがない。このため、本発明の歯科
材料組成物は、優れた抗菌性を長期間保持することがで
きる。また、人体に毒性のある金属イオンの溶出を防止
して安全に使用できる。さらにまた、完全に重合しない
モノマーが表面移行するプラスチックに使用しても、モ
ノマーと一緒に表面移行することもなく、安全に使用で
きる。
【0010】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。ただし、以下に示す実施例は、本発明の技術思想
を具体化するための歯科材料組成物を例示するものであ
って、本発明は歯科材料組成物を下記のものに特定しな
い。
【0011】[実施例1]下記の工程でアクリルレジン
床を成形する。 (1) ポリマー粉末であるポリメチルメタクリレート
に、抗菌剤と過酸化ベンゾイルと顔料とを添加して混合
する。抗菌剤には、銀イオンを無機イオン交換体が保持
する銀置換無機イオン交換体であるリン酸ジルコニウム
銀を使用する。このリン酸ジルコニウム銀は、平均粒径
が0.5μm、比重が3.0g/cm3、かさ比重が
0.25である、東亜合成化学工業株式会社の銀置換無
機イオン交換体である「ノバロン(登録商標)」を使用
する。過酸化ベンゾイルの添加量は0.5重量%とす
る。顔料はレジン床が所定の色に着色できる量に調整す
る。
【0012】抗菌剤に使用する銀置換無機イオン交換体
であるリン酸ジルコニウム銀は、急性毒性試験におい
て、マウスの経口投与試験で、LD50値が、投与最大量
である2000mg以上である。また、変異原性試験に
おいて、変異原性は認められなかった。さらに、皮膚一
次刺激試験においては、ウサギの皮膚への一次刺激試験
において皮膚刺激性が認められなかった。
【0013】(2) ポリマー粉末にモノマー液を添加し
て混合する。モノマー液は、エチレングリコールジメタ
クリレートを3重量%と、極微量のハイドロキノンを含
有する。モノマー液とポリマー粉末の混合比は、ポリマ
ー粉末100gに対して、モノマー液を50ccの割合
とする。
【0014】抗菌剤の添加量は、ポリマー粉末に対して
2重量%とする。モノマー液とポリマー粉末の混合物を
成形型に入れて加圧し、70℃で1時間、さらに100
℃で1時間加熱して重合反応させて硬化させる。
【0015】[実施例2]抗菌剤の添加量を、2重量%
から1重量%とする以外実施例1と同様にしてアクリル
レジン床を製作する。
【0016】[実施例3]抗菌剤の添加量を、2重量%
から0.5重量%とする以外実施例1と同様にしてアク
リルレジン床を製作する。
【0017】[実施例4]プラスチックに対して2重量
%の抗菌剤を添加して、ポリカーボネート製のスルホン
床を製作する。抗菌剤には銀イオンを無機イオン交換体
が保持する銀置換無機イオン交換体であるリン酸ジルコ
ニウム銀(東亜合成化学工業株式会社製の銀置換無機イ
オン交換体である「ノバロン」)を使用する。
【0018】[実施例5]抗菌剤の添加量を1重量%と
する以外、実施例4と同様にしてポリカーボネート製の
スルホン床を製作する。
【0019】[実施例6]抗菌剤の添加量を0.5重量
%とする以外、実施例4と同様にしてポリカーボネート
製のスルホン床を製作する。
【0020】以上の実施例で製作したアクリルレジン床
とポリカーボネート製のスルホン床の抗菌作用は下記の
ように優れたものであった。抗菌作用の試験は下記の条
件で行った。
【0021】実施例1及び2のレジン床と、実施例4及
び5のスルホン床において、供与菌を下記の(1)〜(7)と
して、抗菌作用をテストした。ただし、大腸菌に関して
は、実施例3のレジン床と、実施例6のスルホン床にお
いても実験した。 (1) 緑膿菌 (表1、表8) (2) 肺炎桿菌 (表2、表9) (3) プロテウス菌 (表3、表10) (4) 枯草菌 (表4、表11) (5) 黄色ブドウ菌 (表5、表12) (6) 虫歯菌 (表6、表13) (7) 大腸菌 (表7、表14) この試験は、実施例の各々のサンプルに上記の6種類の
菌を与え、それぞれ 37℃で1時間振とう培養(表1〜表7) 37℃で18時間振とう培養を行い(表8〜表1
4) 37℃のインキュベーター内でコロニーを発生させ、生
菌数をカウントした。
【0022】
【表1】
【0023】
【表2】
【0024】
【表3】
【0025】
【表4】
【0026】
【表5】
【0027】
【表6】
【0028】
【表7】
【0029】
【表8】
【0030】
【表9】
【0031】
【表10】
【0032】
【表11】
【0033】
【表12】
【0034】
【表13】
【0035】
【表14】
【0036】これ等の表に示すように、レジン床もスメ
ホン床も、銀置換無機イオン交換体であるリン酸ジルコ
ニウム銀を添加すると、菌が極減した。
【0037】さらに、図2〜図4は、レジン床とスメホ
ン床の殺菌指数を示すグラフである。図2は、(a)緑膿
菌(実線)と、(b)肺炎桿菌(破線)の殺菌指数を示
す。図3は、(c)プロテウス菌(実線)と、(d)枯草菌
(破線)の殺菌指数を示す。図4は、(e)黄色ブドウ菌
(実線)と、(f)虫歯菌(破線)の殺菌指数を示す。
【0038】これ等の図に示すグラフは、銀置換無機イ
オン交換体であるリン酸ジルコニウム銀の添加量を1重
量%にすると極めて優れた抗菌作用を実現することを明
示する。
【0039】さらに、表15〜表29は、大腸菌と、黄
色ブドウ菌と、虫歯菌を、下記の(1)〜(5)の物質と共存
させたときの抗菌作用を示す表である。ただし、共存物
質の濃度は、0%、0.05%、0.1%、0.2%と
した。
【0040】(1) NaCl………………………表15
〜表17 (2) マルトース……………………表18〜表20 (3) グルコース……………………表21〜表23 (4) アルブミン(BSA)………表24〜表26 (5) ムチン…………………………表27〜表29
【0041】この試験は前記の表と同じように、実施例
の各々のサンプルに、共存物質を加えた上記の3種類の
菌を与え、それぞれ37℃で1時間振とう培養を行い、
37℃のインキュベーター内でコロニーを発生させ、生
菌数をカウントした。
【0042】
【表15】
【0043】
【表16】
【0044】
【表17】
【0045】銀置換無機イオン交換体であるリン酸ジル
コニウム銀を2重量%添加したスルホン床は、NaCl
の濃度に関係なく高い抗菌効果があらわれたが、レジン
床においてはNaClの濃度が高くなるにしたがって、
多少は抗菌効果が低下する傾向があらわれた。
【0046】
【表18】
【0047】
【表19】
【0048】
【表20】
【0049】銀置換無機イオン交換体であるリン酸ジル
コニウム銀を2重量%添加した全てのサンプルにおいて
高い抗菌効果がみられ、マルトースの影響はほとんどな
かった。
【0050】
【表21】
【0051】
【表22】
【0052】
【表23】
【0053】グルコースにおいてもマルトースとよく似
た結果となり、グルコースの殺菌効果にあまり影響がな
かった。
【0054】
【表24】
【0055】
【表25】
【0056】
【表26】 レジン床でもスルホン床のサンプルにおいても、あまり
大きな殺菌効果の低下は見られなかった。
【0057】
【表27】
【0058】
【表28】
【0059】
【表29】 レジン床ではムチン濃度が高くなるにしたがって、殺菌
効果の低下がみられたが、スルホン床ではそれほど大き
な低下はみられなかった。
【0060】以上の実施例は、義歯床の具体例を示す
が、本発明は歯科材料組成物を義歯床に特定しない。歯
科材料組成物には、たとえば、抗菌剤としてリン酸ジル
コニウム銀を添加したレジンインレー、レジン前装鋳造
冠、レジンジャケット冠、レジン人工歯等にも利用でき
る。
【0061】レジンインレーは、例えば、下記のように
してする。フィラーである72.5重量%のシリカに、
0.5重量%の過酸化ベンゾイルと、5重量%のトリエ
チレングリコールジメチルメタクリレートと、微量のハ
イドロキノンと、残部Bis−GMAとを混合してある
仮重合状態のレジンに、抗菌剤として2重量%のリン酸
ジルコニウム銀を混合し、これを模型表面に盛り付けて
加熱または紫外線を照射して重合、硬化させる。このよ
うにして製作したレジンインレーは、抗菌剤として添加
されるリン酸ジルコニウム銀により人工床と同じように
優れた抗菌作用がある。
【0062】レジン前装鋳造冠は、たとえば、下記のよ
うにする。ホリマー粉末であるポリメチルメタクリレー
トに、0.5重量%の過酸化ベンゾイルと、2重量%の
リン酸ジルコニウム銀と、少量の顔料とを添加し、ポリ
メチルメタクリレートを主成分とするモノマーを混和し
たものを、あらかじめニッケル、パラジウム、金、白金
等を鋳造成形した冠の表面に盛りつけ、加熱重合して硬
化させる。このようにして製作したレジン前装鋳造冠
は、抗菌剤として添加されるリン酸ジルコニウム銀によ
り、人工床と同じように優れた抗菌作用を有する。
【0063】さらに、レジンジャケット冠は下記のよう
に製作する。ホリマー粉末であるポリメチルメタクリレ
ートに、0.5重量%の過酸化ベンゾイルと、2重量%
のリン酸ジルコニウム銀と、少量の顔料とを添加し、ポ
リメチルメタクリレートを主成分とするモノマーを混和
したものを、模型表面に圧接成形した金属箔の表面に盛
りつけ、加熱重合して硬化させる。このようにして製作
したレジンジャケット冠は、抗菌剤として添加されるリ
ン酸ジルコニウム銀により、人工床と同じように優れた
抗菌作用を有する。
【0064】さらにまた、下記のようにしてハードレジ
ン人工歯を製作する。あらかじめ用意された歯の金型
に、フィラーである72.5重量%のシリカに、0.5
重量%の過酸化ベンゾイルと、5重量%のトリエチレン
グリコールジメチルメタクリレートと、微量のハイドロ
キノンと、残部Bis−GMAとを混合してある仮重合
状態のレジンに、抗菌剤として2重量%のリン酸ジルコ
ニウム銀を混合し、紫外線で重合して成形する。このよ
うにして製作したハードレジン人工歯は、抗菌剤として
添加されるリン酸ジルコニウム銀により、人工床と同じ
ように優れた抗菌作用を有する。
【0065】さらに、下記のようにしてレジン人工歯を
製作する。あらかじめ用意された歯の金型に、ホリマー
粉末であるポリメチルメタクリレートに、0.5重量%
の過酸化ベンゾイルと、2重量%のリン酸ジルコニウム
銀と、少量の顔料とを添加し、ポリメチルメタクリレー
トを主成分とするモノマーを混和して仮重合状態のレジ
ンに入れ、熱で重合して成形する。このようにして製作
したレジン人工歯は、抗菌剤として添加されるリン酸ジ
ルコニウム銀により、人工床と同じように優れた抗菌作
用を有する。
【0066】さらに本発明の歯科材料組成物は、銀イオ
ンを無機イオン交換体が保持する銀置換無機イオン交換
体であるリン酸ジルコニウム銀を抗菌剤に使用するが、
このリン酸ジルコニウム銀は1000℃まで安定してい
るので、1000℃以下で焼成して製造するセミラック
製の歯科材料にも使用できる。
【0067】
【発明の効果】本発明の歯科材料組成物は、抗菌剤に、
銀置換無機イオン交換体であるリン酸ジルコニウム銀を
使用するので、優れた抗菌作用に加えて、銀イオンを無
機イオン交換体が強固に保持するので、銀イオンが溶出
するのを効果的に防止できる特長がある。ちなみに、従
来の歯科材料組成物に含有される銀イオンを含む銀ゼオ
ライトは、550℃にわずか1時間加熱して約20%も
抗菌作用が低下するが、本発明の歯科材料組成物は、こ
の条件でほとんど性能が低下しない優れた特性を示す。
さらに、歯科材料組成物に添加される銀置換無機イオン
交換体であるリン酸ジルコニウム銀は、約1000℃に
加熱しても、抗菌作用が低下しないので、プラスチック
を成形する加熱工程で抗菌作用が低下することがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】抗菌剤としてリン酸ジルコニウム銀を添加した
レジン床とスメホン床の殺菌指数を示すグラフ
【図2】抗菌剤としてリン酸ジルコニウム銀を添加した
レジン床とスメホン床の緑膿菌(実線)と、肺炎桿菌
(破線)に対する殺菌指数を示すグラフ
【図3】抗菌剤としてリン酸ジルコニウム銀を添加した
レジン床とスメホン床のプロテウス菌(実線)と、枯草
菌(破線)に対する殺菌指数を示すグラフ
【図4】抗菌剤としてリン酸ジルコニウム銀を添加した
レジン床とスメホン床の黄色ブドウ菌(実線)と、虫歯
菌(破線)に対する殺菌指数を示すグラフ
【符号の説明】
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成7年8月2日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 歯科材料組成物
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、たとえば、人工歯や義
歯床に使用されて抗菌剤を添加した歯科材料組成物に関
する。
【0002】
【従来の技術】プラスチックを成形した義歯や義歯床は
細菌が発生しやすい性質がある。吸湿性があって細菌が
繁殖しやすい環境となるからである。細菌の発生を防止
すると共に口臭の発生を防止するために、プラスチック
に抗菌剤を混合して成形した歯科材料組成物が開発され
ている。
【0003】プラスチックに添加する抗菌剤として、ク
ロルヘキシジン、塩酸クロルヘキシジン、N−アシルア
ミン酸誘導体、有機アルミニウム化合物、有機珪酸化合
物、有機ジルコニウム化合物、有機ホウ素化合物、タン
ニン、ソルビン酸、安息香酸ナトリウム等の有機化合物
が開発されている。しかしながら、これ等の抗菌剤は有
機物であるために、耐熱性に欠ける欠点がある。
【0004】この有機抗菌剤の欠点を解消する抗菌剤た
めに、銀、銅、亜鉛等の金属イオンを含む無機の抗菌剤
を使用した歯科材料組成物が開発されている(特開平1
−238508号公報)。この公報に記載される歯科材
料組成物は、抗菌剤として、ゼオライト、フッ石郡、活
性アルミナ、シリカ等に金属イオンを含有させている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】この公報に記載される
歯科材料組成物は、金属イオンを、ゼオライト等の無機
物質に吸着、または担持させて抗菌剤とし、これを義歯
や床を成形するプラスチックに混合して成形しているの
で熱的に安定して優れた抗菌作用を有する特長がある。
しかしながら、この公報に記載される歯科材料組成物
は、無機物質に含有される金属イオンが経時的に溶出す
る欠点がある。歯科材料組成物に添加される理想的な抗
菌剤は、溶出量を皆無にするものである。金属イオンが
溶出すると、経時的に抗菌作用が低下するばかりでな
く、歯科材料組成物の使用者に毒性の悪害を与えるから
である。また、金属イオンが溶出すると、プラスチック
製の義歯や床を変色させる欠点もある。
【0006】本発明は、従来の歯科材料組成物が有する
これ等の欠点を解決することを目的に開発されたもの
で、本発明の重要な目的は、人体に対する毒性を少なく
すると共に、長期間に渡って優れた抗菌性のある歯科材
料組成物を提供するにある。また本発明の他の重要な目
的は、熱に対して安定で、変色等を有効に防止できる歯
科材料組成物を提供するにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の歯科材料組成物
は抗菌剤を混合して成形したもので、抗菌剤に、銀イオ
ンを無機イオン交換体が保持する銀置換無機イオン交換
体であるリン酸ジルコニウム銀を使用することを特徴と
している。
【0008】リン酸ジルコニウム銀の添加量は、たとえ
ば、原料に対して0.5重量%以上、好ましくは、原料
に対して0.5〜5重量%、さらに好ましくは1〜2重
量%の範囲に調整される。原料に対するリン酸ジルコニ
ウム銀の添加量が少な過ぎると、充分な抗菌作用が期待
できない。銀置換無機イオン交換体であるリン酸ジルコ
ニウム銀は、1〜2重量%の添加で充分な抗菌作用があ
るので、これ以上添加すると抗菌剤のコストが高くな
る。
【0009】
【作用】本発明の歯科材料組成物は、抗菌剤として、銀
イオンを無機イオン交換体に保持させる銀置換無機イオ
ン交換体であるリン酸ジルコニウム銀を使用する。この
抗菌剤は、従来の歯科材料組成物にように、銀イオンを
無機物質に吸着させたり、担持させたものでない。銀イ
オンは、無機イオン交換体に保持されて極めて強固に保
持されて溶出することがない。このため、本発明の歯科
材料組成物は、優れた抗菌性を長期間保持することがで
きる。また、人体に毒性のある金属イオンの溶出を防止
して安全に使用できる。さらにまた、完全に重合しない
モノマーが表面移行するプラスチックに使用しても、モ
ノマーと一緒に表面移行することもなく、安全に使用で
きる。
【0010】
【実施例】以1 本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。ただし、以下に示す実施例は、本発明の技術思想
を具体化するための歯科材料組成物を例示するものであ
って、本発明は歯科材料組成物を下記のものに特定しな
い。
【0011】[実施例1]下記の工程でアクリルレジン
床を成形する。 (1) ポリマー粉末であるポリメチルメタクリレート
に、抗菌剤と過酸化ベンゾルと顔料とを添加して混合す
る。抗菌剤には、銀イオンを無機イオン交換体が保持す
る銀置換無機イオン交換体であるリン酸ジルコニウム銀
を使用する。このリン酸ジルコニウム銀は、平均粒径が
0.5μm、比重が3.0g/cm、かさ比重が0.
25である、東亜合成化学工業株式会社の銀置換無機イ
オン交換体である「ノバロン(登録商標)」を使用す
る。過酸化ベンゾイルの添加量は0.5重量%とする。
顔料はレジン床が所定の色に着色できる量に調整する。
【0012】抗菌剤に使用する銀置換無機イオン交換体
であるリン酸ジルコニウム銀は、急性毒性試験におい
て、マウスの経口投与試験で、LD50値が、投与最大
量である2000mg以上である。また、変異原性試験
において、変異原性は認められなかった。さらに、皮膚
一次刺激試験においては、ウサギの皮膚への一次刺激試
験において皮膚刺激性が認められなかった。
【0013】(2) ポリマー粉末にモノマー液を添加
して混合する。モノマー液は、エチレングリコールジメ
タクリレートを3重量%と、極微量のハイドロキノンを
含有する。モノマー液とポリマー粉末の混合比は、ポリ
マー粉末100gに対して、モノマー液を50ccの割
合とする。
【0014】抗菌剤の添加量は、ポリマー粉末に対して
2重量%とする。モノマー液とポリマー粉末の混合物を
成形型に入れて加圧し、70℃で1時間、さらに100
℃で1時間加熱して重合反応させて硬化させる。
【0015】[実施例2]抗菌剤の添加量を、2重量%
から1重量%とする以外実施例1と同様にしてアクリル
レジン床を製作する。
【0016】[実施例3]抗菌剤の添加量を、2重量%
から0.5重量%とする以外実施例1と同様にしてアク
リルレジン床を製作する。
【0017】[実施例4]プラスチックに対して2重量
%の抗菌剤を添加して、ポリカーボネート製のスルホン
床を製作する。抗菌剤には銀イオンを無機イオン交換体
が保持する銀置換無機イオン交換体であるリン酸ジルコ
ニウム銀(東亜合成化学工業株式会社製の銀置換無機イ
オン交換体である「ノバロン」)を使用する。
【0018】[実施例5]抗菌剤の添加量を1重量%と
する以外、実施例4と同様にしてポリカーボネート製の
スルホン床を製作する。
【0019】[実施例6]抗菌剤の添加量を0.5重量
%とする以外、実施例4と同様にしてポリカーボネート
製のスルホン床を製作する。
【0020】以上の実施例で製作したアクリルレジン床
とポリカーボネート製のスルホン床の抗菌作用は下記の
ように優れたものであった。抗菌作用の試験は下記の条
件で行った。
【0021】実施例1及び2のレジン床と、実施例4及
び5のスルホン床において、供与菌を下記の(1)〜
(7)として、抗菌作用をテストした。ただし、大腸菌
に関しては、実施例3のレジン床と、実施例6のスルホ
ン床においても実験した。 (1)緑膿菌 (表1、表8) (2) 肺炎桿菌 (表2、表9) (3) プロテウス菌 (表3、表10) (4) 枯草菌 (表4、表11) (5) 黄色ブドウ菌 (表5、表12) (6) 虫歯菌 (表6、表13) (7) 大腸菌 (表7、表14) この試験は、実施例の各々のサンプルに上記の6種類の
菌を与え、それぞれ 37℃で1時間振とう培養(表1〜表7) 37℃で18時間振とう培養を行い(表8〜表1
4) 37℃のインキュベーター内でコロニーを発生させ、生
菌数をカウントした。
【0022】
【表1】
【0023】
【表2】
【0024】
【表3】
【0025】
【表4】
【0026】
【表5】
【0027】
【表6】
【0028】
【表7】
【0029】
【表8】
【0030】
【表9】
【0031】
【表10】
【0032】
【表11】
【0033】
【表12】
【0034】
【表13】
【0035】
【表14】
【0036】これ等の表に示すように、レジン床もスル
ホン床も、銀置換無機イオン交換体であるリン酸ジルコ
ニウム銀を添加すると、菌が極減した。
【0037】さらに、図2〜図4は、レジン床とスルホ
ン床の殺菌指数を示すグラフである。図2は、(a)緑
膿菌(実線)と、(b)肺炎桿菌(破線)の殺菌指数を
示す。図3は、(c)プロテウス菌(実線)と、(d)
枯草菌(破線)の殺菌指数を示す。図4は、(e)黄色
ブドウ菌(実線)と、(f)虫歯菌(破線)の殺菌指数
を示す。
【0038】これ等の図に示すグラフは、銀置換無機イ
オン交換体であるリン酸ジルコニウム銀の添加量を1重
量%にすると極めて優れた杭菌作用を実現することを明
示する。
【0039】さらに、表15〜表29は、大腸菌と、黄
色ブドウ菌と、虫歯菌を、下記の(1)〜(5)の物質
と共存させたときの抗菌作用を示す表である。ただし、
共存物質の濃度は、0%、0.05%、0.1%、0.
2%とした。
【0040】(1) NaCl………………………表1
5〜表17 (2) マルトース……………………表18〜表20 (3) グルコース……………………表21〜表23 (4) アルブミン(BSA)………表24〜表26 (5) ムチン…………………………表27〜表29
【0041】この試験は前記の表と同じように、実施例
の各々のサンプルに、共存物質を加えた上記の3種類の
菌を与え、それぞれ37℃で1時間振とう培養を行い、
37℃のインキュベーター内でコロニーを発生させ、生
菌数をカウントした
【0042】
【表15】
【0043】
【表16】
【0044】
【表17】
【0045】銀置換無機イオン交換体であるリン酸ジル
コニウム銀を2重量%添加したスルホン床は、NaCl
の濃度に関係なく高い抗菌効果があらわれたが、レジン
床においてはNaClの濃度が高くなるにしたがって、
多少は抗菌効果が低下する傾向があらわれた。
【0046】
【表18】
【0047】
【表19】
【0048】
【表20】
【0049】銀置換無機イオン交換体であるリン酸ジル
コニウム銀を2重量%添加した全てのサンプルにおいて
高い抗菌効果がみられ、マルトースの影響はほとんどな
かった。
【0050】
【表21】
【0051】
【表22】
【0052】
【表23】
【0053】グルコースにおいてもマルトースとよく似
た結果となり、グルコースの殺菌効果にあまり影響がな
かった。
【0054】
【表24】
【0055】
【表25】
【0056】
【表26】 レジン床でもスルホン床のサンプルにおいても、あまり
大きな殺菌効果の低下は見られなかった。
【0057】
【表27】
【0058】
【表28】
【0059】
【表29】 レジン床ではムチン濃度が高くなるにしたがって、殺菌
効果の低下がみられたが、スルホン床ではそれほど大き
な低下はみられなかった。
【0060】以上の実施例は、義歯床の具体例を示す
が、本発明は歯科材料組成物を義歯床に特定しない。歯
科材料組成物には、たとえば、抗菌剤としてリン酸ジル
コニウム銀を添加したレジンインレー、レジン前装鋳造
冠、レジンジャケット冠、レジン人工歯等にも利用でき
る。
【0061】レジンインレーは、例えば、下記のように
してする。フィラーである72.5重量%のシリカに、
0.5重量%の過酸化ベンゾイルと、5重量%のトリエ
チレングリコールジメチルメタクリレートと、微量のハ
イドロキノンと、残部Bis−GMAとを混合してある
仮重合状態のレジンに、抗菌剤として2重量%のリン酸
ジルコニウム銀を混合し、これを模型表面に盛り付けて
加熱または紫外線を照射して重合、硬化させる。このよ
うにして製作したレジンインレーは、抗菌剤として添加
されるリン酸ジルコニウム銀により人工床と同じように
優れた抗菌作用がある。
【0062】レジン前装鋳造冠は、たとえば、下記のよ
うにする。ポリマー粉末であるポリメチルメタクリレー
トに、0.5重量%の過酸化ベンゾイルと、2重量%の
リン酸ジルコニウム銀と、少量の顔料とを添加し、ポリ
メチルメタクリレートを主成分とするモノマーを混和し
たものを、あらかじめニッケル、パラジウム、金、白金
等を鋳造成形した冠の表面に盛りつけ、加熱重合して硬
化させる。このようにして製作したレジン前装鋳造冠
は、抗菌剤として添加されるリン酸ジルコニウム銀によ
り、人工床と同じように優れた抗菌作用を有する。
【0063】さらに、レジンジャケット冠は下記のよう
に製作する。ポリマー粉末であるポリメチルメタクリレ
ートに、0.5重量%の過酸化ベンゾイルと、2重量%
のリン酸ジルコニウム銀と、少量の顔料とを添加し、ポ
リメチルメタクリレートを主成分とするモノマーを混和
したものを、模型表面に圧接成形した金属箔の表面に盛
りつけ、加熱重合して硬化させる。このようにして製作
したレジンジャケット冠は、抗菌剤として添加されるリ
ン酸ジルコニウム銀により、人工床と同じように優れた
抗菌作用を有する。
【0064】さらにまた、下記のようにしてハードレジ
ン人工歯を製作する。あらかじめ用意された歯の金型
に、フィラーである72.5重量%のシリカに、0.5
重量%の過酸化ベンゾイルと、5重量%のトリエチレン
グリコールジメチルメタクリレートと、微量のハイドロ
キノンと、残部Bis−GMAとを混合してある仮重合
状態のレジンに、抗菌剤として2重量%のリン酸ジルコ
ニウム銀を混合し、紫外線で重合して成形する。このよ
うにして製作したハードレジン人工歯は、抗菌剤として
添加されるリン酸ジルコニウム銀により、人工床と同じ
ように優れた抗菌作用を有する。
【0065】さらに、下記のようにしてレジン人工歯を
製作する。あらかじめ用意された歯の金型に、ポリマー
粉末であるポリメチルメタクリレートに、0.5重量%
の過酸化ベンゾイルと、2重量%のリン酸ジルコニウム
銀と、少量の顔料とを添加し、ポリメチルメタクリレー
トを主成分とするモノマーを混和して仮重合状態のレジ
ンに入れ、熱で重合して成形する。このようにして製作
したレジン人工歯は、抗菌剤として添加されるリン酸ジ
ルコニウム銀により、人工床と同じように優れた抗菌作
用を有する。
【0066】さらに本発明の歯科材料組成物は、銀イオ
ンを無機イオン交換体が保持する銀置換無機イオン交換
体であるリン酸ジルコニウム銀を抗菌剤に使用するが、
このリン酸ジルコニウム銀は1000℃まで安定してい
るので、1000℃以下で焼成して製造するセラミック
製の歯科材料にも使用できる。
【0067】
【発明の効果】本発明の歯科材料組成物は、抗菌剤に、
銀置換無機イオン交換体であるリン酸ジルコニウム銀を
使用するので、優れた抗菌作用に加えて、銀イオンを無
機イオン交換体が強固に保持するので、銀イオンが溶出
するのを効果的に防止できる特長がある。ちなみに、従
来の歯科材料組成物に含有される銀イオンを含む銀ゼオ
ライトは、550℃にわずか1時間加熱して約20%も
抗菌作用が低下するが、本発明の歯科材料組成物は、こ
の条件でほとんど性能が低下しない優れた特性を示す。
さらに、歯科材料組成物に添加される銀置換無機イオン
交換体であるリン酸ジルコニウム銀は、約1000℃に
加熱しても、抗菌作用が低下しないので、プラスチック
を成形する加熱工程で抗菌作用が低下することがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】抗菌剤としてリン酸ジルコニウム銀を添加した
レジン床とスルホン床の殺菌指数を示すグラフ
【図2】抗菌剤としてリン酸ジルコニウム銀を添加した
レジン床とスルホン床の緑膿菌(実線)と、肺炎桿菌
(破線)に対する殺菌指数を示すグラフ
【図3】抗菌剤としてリン酸ジルコニウム銀を添加した
レジン床とスルホン床のプロテウス菌(実線)と、枯草
菌(破線)に対する殺菌指数を示すグラフ
【図4】抗菌剤としてリン酸ジルコニウム銀を添加した
レジン床とスルホン床の黄色ブドウ菌(実線)と、虫歯
菌(破線)に対する殺菌指数を示すグラフ
【符号の説明】

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 抗菌剤を混合して成形した歯科材料組成
    物において、抗菌剤に、銀イオンを無機イオン交換体が
    保持する銀置換無機イオン交換体であるリン酸ジルコニ
    ウム銀を使用することを特徴とする歯科材料組成物。
JP6148470A 1994-06-06 1994-06-06 歯科材料組成物 Pending JPH07330532A (ja)

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