JPH06141804A - カラ揚げ粉 - Google Patents

カラ揚げ粉

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JPH06141804A
JPH06141804A JP4315517A JP31551792A JPH06141804A JP H06141804 A JPH06141804 A JP H06141804A JP 4315517 A JP4315517 A JP 4315517A JP 31551792 A JP31551792 A JP 31551792A JP H06141804 A JPH06141804 A JP H06141804A
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 プロテアーゼおよび非蛋白質系糊料を含有し
ているカラ揚げ粉。 【効果】 本発明のカラ揚げ粉はプロテアーゼを含有し
ているので、肉を柔らかくすることができ、ソフトで良
好な食感を有するカラ揚げをつくることができ、しかも
プロテアーゼと共にさらに非蛋白質系糊料を含有してい
るので、揚げる前の衣のベトつきがなく、その結果食肉
からの衣の脱落や剥離がなく、これを油揚げすると食肉
の表面にカラ揚げ粉が均一に付着して、衣脱落による生
ずる焦げのない良好な外観、きれいな揚げ色、良好な風
味および食感を有するカラ揚げを得ることができる。ま
た、カラ揚げ粉にプロテアーゼを直接配合してあるの
で、プロテアーゼで食肉を軟化した後に衣を付着させる
という多段階の工程が不要であり、短時間で簡単にカラ
揚げをつくることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はカラ揚げ粉に関する。よ
り詳細には、食肉を柔らかくすることができ、しかも油
で揚げる前の食肉表面のベトつきおよびそれに伴う食肉
表面からの衣の剥離や脱落、衣の脱落部分での焦げの発
生等がなく、良好な外観とソフトで優れた食感を有する
食肉のカラ揚げを調理することのできるカラ揚げ粉に関
する。
【0002】
【従来の技術】食肉を柔らかくするために、パパイン等
のプロテアーゼをそのまままたは食塩、砂糖、香辛料等
の他の材料と一緒にして食肉にまぶすことは従来からも
知られている。そしてその場合には、プロテアーゼを表
面に施した食肉を所定の時間放置して、プロテアーゼを
食肉内部まで浸透させて肉質を柔らかくさせることが通
常行われている。
【0003】しかしながら、プロテアーゼを表面に塗布
した食肉を放置すると、プロテアーゼの食肉内部への浸
透よりも食肉表面での蛋白質の分解が著しく、その結果
食肉表面のベトつきが大きくなって、それに揚げ衣等を
まぶしても衣が肉に均一に付着せず、逆に衣が箸、手、
容器壁等に付着して食肉表面から剥離・脱落するように
なる。そして衣の脱落したそのような食肉を揚げた場合
には、衣の脱落部分で焦げが生じて均一に揚がらず、外
観や食感が不良になるという欠点がある。
【0004】
【発明の内容】上記のような状況下に、本発明者らは、
食肉を柔らかくすると共に食肉表面に均一に付着して脱
落等を生じず、外観および食感の良好なカラ揚げを提供
することのできるカラ揚げ粉を開発すべく研究を行って
きた。そして、食肉にプロテアーゼをまぶして所定時間
放置した後に、その表面に衣を付着させるという従来か
ら主として行われてきた方法に代えて、従来のカラ揚げ
粉にプロテアーゼをそのまま直接添加し、さらにα化澱
粉などの非蛋白質系の糊料を添加すると、食肉表面のベ
トつき、それによる食肉表面からのカラ揚げ粉の剥離・
脱落、その脱落部分での焦げの発生等を防止することが
でき、その結果外観が良好で且つ肉質のソフトな食感の
極めて良好なカラ揚げをつくることができることを見い
だして本発明を完成した。
【0005】すなわち、本発明は、プロテアーゼおよび
非蛋白質系糊料を添加含有することを特徴とするカラ揚
げ粉である。
【0006】本発明ではカラ揚げ粉中にプロテアーゼを
含有させておくことが必要であり、それによって食肉に
プロテアーゼをまぶして肉を軟化させてから更にカラ揚
げ粉を付着させるという2度の手間がかからず、一度の
操作で食肉の軟化とカラ揚げ粉の食肉表面への付着を行
うことができる。
【0007】その場合のプロテアーゼとしては、食品に
使用でき且つトリ肉、畜肉、魚介類などの食肉を構成す
る蛋白質やその誘導体を分解して肉質を柔らかくするこ
とのできる酵素であればいずれも使用することができ
る。本発明で使用し得るプロテアーゼの例としては、パ
パイン、ブロメライン、フィシン等の植物由来のプロテ
アーゼ、パンクレアチン、レンニン等の動物由来のプロ
テアーゼを挙げることができるが、パパイン、ブロメラ
イン、フィシン等の植物由来のプロテアーゼが好まし
く、特にパパインとブロメラインを併用するのがよい。
パパインとブロメラインを併用すると、その各々を単独
で使用する場合に比べて、食肉の軟化に要する時間が短
縮でき、しかもソフトさに優れ且つ歯切れのよい(サク
みのある)、食感の極めて良好なカラ揚げをつくること
ができる。
【0008】カラ揚げ粉におけるプロテアーゼの配合量
は、プロテアーゼの蛋白消化力、それを施す食肉の種
類、食肉に対するカラ揚げ粉の付着量などの種々の要件
によって変わり得るが、例えば、パパインを単独で使用
する場合は、カラ揚げ粉100g当たり約30,000
〜70,000PaUNになるようにするとよい。ま
た、パパインとブロメラインを併用する場合は、カラ揚
げ粉100g当たり、パパインが約30,000〜4
8,000PaUNでブロメラインが約20,000〜
160,000Uになるようにして、それらのプロテア
ーゼを配合するのがよい。
【0009】なお、本明細書において、パパインの蛋白
消化力(PaUN)およびブロメラインのタンパク質消
化力(U)は、次のようにして測定した時の値をいう。
【0010】パパインの蛋白消化力(PaUN)の測定
法:5mlの0.6%のミルクカゼイン(pH7.5、
M/25リン酸緩衝液)にシスティンによって活性化し
たプロテアーゼの1mlを加えて30℃で10分間反応
させた時に、1分間に1μgのチロジンに相当する27
5nmの吸光度をTCA可溶性成分として遊離する活性
を1PaUNとする。
【0011】ブロメラインの蛋白消化力(U)の測定
法:5mlの0.6%のミルクカゼイン(pH7.0、
M/25リン酸緩衝液)にシスティンによって活性化し
たプロテアーゼの1mlを加えて37℃で10分間反応
させた時に、1分間に1μgのチロジンに相当する27
5nmの吸光度をTCA可溶性成分として遊離する活性
を1Uとする。
【0012】そして、本発明ではカラ揚げ粉中にプロテ
アーゼと共にさらに非蛋白質系糊料を含有させる。プロ
テアーゼと共に非蛋白質系糊料を配合することによっ
て、プロテアーゼにより食肉の分解軟化が進んでも、食
肉表面のベトつきが防止されて、カラ揚げ粉が食肉表面
に均一且つ強固に付着するようになり、その結果カラ揚
げ粉が食肉表面から剥離・脱落して箸、手、容器壁等に
付着することがなくなり、外観および食感の極めて良好
なカラ揚げが得られるようになる。
【0013】その場合の非蛋白質系糊料としては、粉末
状を呈し且つ食品に添加し得る非蛋白質系糊料であれば
いずれでもよく、例えば、α化澱粉、アルギン酸プロピ
レングリコールエステル、繊維素グリコール酸のカルシ
ウム塩やナトリウム塩、澱粉グリコール酸ナトリウム、
澱粉リン酸エステルナトリウム、メチルセルロース、ポ
リアクリル酸ナトリウム、アルギン酸ナトリウム、トラ
ガントガム、ガッテイガム、アラビアガム、カラヤガ
ム、グアーガム、ローカストーンガム等のガム類などを
挙げることができる。上記した非蛋白質系糊料のうちで
も、α化澱粉が、カラ揚げ粉の主成分である小麦粉等の
穀粉類との親和性もよく、食した場合の違和感がなく、
好ましい。一方、蛋白質系の糊料を使用した場合には、
プロテアーゼによって該蛋白質系糊料も分解されてしま
うため、食肉表面のベトつきを防止することができな
い。
【0014】カラ揚げ粉における非蛋白質系糊料の含有
量は、カラ揚げ粉の組成、プロテアーゼの種類や配合
量、非蛋白質系糊料の種類などにより種々異なり得る
が、通常、カラ揚げ粉の全重量に基づいて、α化澱粉の
場合は約3〜30重量%(以後単に%という)の割合で
含有させるのが好ましく、約5〜20%とするのが特に
好ましい。また、α化澱粉以外の非蛋白質系糊料の場合
は、約0.1〜2%の割合で含有させるのが好ましく、
約0.2〜0.5%とするのが特に好ましい。非蛋白質
系糊料の含有量が前記範囲より少ない場合は、プロテア
ーゼの使用に伴うベトつき、それによる食肉表面からの
衣の剥離や脱落を防止することができず、一方非蛋白質
系糊料の含有量が前記の範囲を超えると、揚げたときに
火ぶくれ様のものができて外観が不良になり且つ食感も
低下し、好ましくない。
【0015】本発明のカラ揚げ粉は、上記したプロテア
ーゼおよび非蛋白質系糊料を含有している限り、その他
の材料や成分、調製方法等は限定されず、カラ揚げ粉に
おいて従来から使用されている材料や成分、調製方法を
用いることができる。本発明のカラ揚げ粉は、小麦粉や
澱粉(未α化澱粉)などの穀粉類を主成分とするのが好
ましく、更に粉末醤油、食塩、糖類、粉末味噌、アミノ
酸やその他の調味料、香辛料、香料、ビタミン等の栄養
成分などの材料や成分のうちから適当なものを適宜組み
合わせて使用することができる。また、限定されるもの
ではないが、カラ揚げ粉の水分含量を8%以下に調整し
ておくと、カラ揚げ粉が長期間に亙って変質や品質低下
せず、しかもプロテアーゼの活性低下がないので好まし
い。
【0016】更に、必要に応じて、カラ揚げ粉中にグル
タチオン粉末、またはグルタチオン含有成分粉末(例え
ば酵母エキス粉末や肝臓エキス粉末など)を含有させて
おくと、食肉の軟化が一層促進されて、ソフトで良好な
食感を有するカラ揚げを得ることができる。その場合の
カラ揚げ粉中へのグルタチオンの配合量は、カラ揚げ粉
の全重量に基づいて、約0.1〜5ppm程度になるよ
うにするのがよい。例えば、グルタチオン含量が0.0
1%である酵母エキス粉末を用いる場合は、カラ揚げ粉
中の酵母エキス粉末の含有量を約0.1〜5.0%程度に
するのがよい。
【0017】カラ揚げ粉には、粉末状のカラ揚げ粉を食
肉や魚介類等にそのまままぶして油揚げするいわゆる
“まぶし”タイプのものと、粉末状のカラ揚げ粉を水な
どの液体で溶いて液状またはペースト状にしそれを食肉
や魚介類など付着させて油揚げするいわゆる“溶き”タ
イプのものがあるが、本発明のカラ揚げ粉は、“まぶ
し”タイプとして用いるのに特に適している。
【0018】本発明のカラ揚げ粉は、鶏、アヒル、カ
モ、七面鳥などのトリ肉、豚、牛、羊、ヤギなどの畜
肉、魚介類などの食肉のカラ揚げ粉として特に適してい
るが、それらに限定されるものではなく、他の種々の材
料に付着させて使用することができる。
【0019】本発明のカラ揚げ粉を用いて食肉などのカ
ラ揚げをつくる際の調理方法は特に限定されないが、通
常、食肉を適当な大きさにし、それに本発明のカラ揚げ
粉を粉末状のままでまぶし、約3〜30分間放置した
後、適温(通常約160〜170℃)に熱した油で揚げ
るとよい。
【0020】
【実施例】以下に実施例等により本発明を具体的に説明
するが、本発明はそれに限定されない。 《実施例 1》 (1)下記の表1に示す配合からなるカラ揚げ粉を各々
準備した。 (2)鶏モモ肉を適当な大きさに切断し(鶏肉100g
を約4個に切断)、それに上記(1)で準備したカラ揚
げ粉を鶏肉100g当たり10gの割合でまぶし、その
まま室温で5分間放置した。 (3)次いで、カラ揚げ粉を付着させた上記(2)の鶏
肉を、160〜170℃に熱したサラダ油で3分間揚げ
て、鶏肉のカラ揚げをつくった。
【0021】上記(2)で準備した、カラ揚げ粉をまぶ
し5分間放置して揚げる直前の衣の状態、上記(3)に
より得られた鶏肉のカラ揚げにおける揚げ衣の色調、揚
げ衣の付着状態、風味および食感を、下記の表2に示し
た評価基準にしたがってパネラー10名により点数評価
し、その平均値を採ったところ、表1にとおりの結果で
あった。
【0022】
【表1】
【0023】
【表2】
【0024】上記表1の結果から、非蛋白質系糊料の1
種であるα化澱粉を含有する試験区2〜6の本発明のカ
ラ揚げ粉は、α化澱粉を含まない試験区1のカラ揚げ粉
に比べて、揚げる前の衣のベトつきがなく、しかも得ら
れたカラ揚げにおける揚げ衣の色調、揚げ衣の付着状
態、カラ揚げの風味および食感が優れていること、特に
α化澱粉を5%以上の割合で含有させた場合に、より優
れた効果が得られることがわかる。
【0025】
【発明の効果】本発明のカラ揚げ粉はプロテアーゼを含
有しているので、食肉のカラ揚げに用いた場合に、肉を
柔らかくすることができ、ソフトで良好な食感を有する
カラ揚げをつくることができる。そして、本発明のカラ
揚げ粉は、プロテアーゼと共にさらに非蛋白質系糊料を
含有しているので、揚げる前の衣のベトつきがなく、そ
の結果食肉からの衣の脱落や剥離がなく、食肉の表面に
カラ揚げ粉が均一に付着する。そして、これを油揚げす
ると、食肉の表面全体に揚げ衣が均一に付着した、良好
な揚げ色、風味および食感を有するカラ揚げを得ること
ができる。また、本発明ではカラ揚げ粉にプロテアーゼ
が直接配合してあるので、プロテアーゼで食肉を軟化し
た後に衣を付着させるという多段階の工程が不要であ
り、簡単な操作で短時間に食感の良好なカラ揚げをつく
ることができる。
【手続補正書】
【提出日】平成4年11月13日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0022
【補正方法】変更
【補正内容】
【0022】
【表1】

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プロテアーゼおよび非蛋白質系糊料を添
    加含有することを特徴とするカラ揚げ粉。
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