JP2000050844A - 食品接着用酵素製剤及び接着成形食品の製造方法 - Google Patents
食品接着用酵素製剤及び接着成形食品の製造方法Info
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Abstract
改善された食品接着用酵素製剤の提供、およびこの酵素
製剤(の有効成分)を用いて製造する接着成形食品の製
造方法の提供。 【解決手段】トランスグルタミナーゼと大豆蛋白を必須
有効成分として含有せしめ、所望により、有機酸塩、無
機酸塩および油脂の1種以上を含有せしめたことを特徴
とする食品接着用酵素製剤。
Description
れた食品原材料の接着用酵素製剤及びこの酵素製剤(の
有効成分)を用いた食品原材料の接着による接着成形食
品の製造方法に関する。本発明によれば、品質に優れた
接着成形食品を容易に作成することが出来る。
に述べるような種々の方法が試みられてきた。
公報には、畜肉、魚肉等の小肉片にコンニャク粉を用い
て接着させる方法、(2)特開昭53−20457号公
報には、乳蛋白、卵蛋白、小麦蛋白、大豆蛋白等の食品
蛋白にこれら蛋白の酵素分解物と食塩を加えて接着させ
る方法、(3)特開昭53−26345号公報には、魚
肉すり身の乾燥粉末を肉片に振りかけてから加熱するこ
とで接着させる方法が開示されている。しかしながら、
これらの方法で結着した肉片や食品は、例えば生の状態
でブロック肉やスライス肉にした場合バラけてしまい、
調理加工するまで十分な結着状態が保たれないという問
題がある。
に開示されるように、高い結着力を出すために肉片の表
面に粘性をもたせること、即ち食塩を加えてから手やタ
ンブラーで機械的に揉む等によってミオシンを溶出させ
て肉片を結着させる方法がある。しかしながら、この方
法も使用する食塩の量が多く必要で、そのために塩味を
感じたり、結着には加熱を必要とすることから、この方
法によって結着させた肉片は食品用途としての範囲が著
しく限定されるという欠点があった。つぎに、(5)ア
ルギン酸の塩類を肉片に振りかけてからカルシウム塩類
を加えてゲル化させることにより肉片を結着させる方法
や、(6)特開平2−268665号公報には、小麦蛋
白等の熱凝固性蛋白と酸化カルシウム、水酸カルシウム
等の水に溶解させた場合に溶液がアルカリ性を示すアル
カリ土類金属剤とを組み合わせて使用して肉片を接着さ
せる方法がみられる。しかしながら、(5)においては
結着効果が弱く、添加方法においてもアルギン酸の塩類
を肉片に振りかけた後、カルシウム塩を加える必要があ
るため作業性が悪い。また、一部不溶のカルシウムが残
っていたりして外観上好ましくない等の欠点があった。
一方、(6)においては、結着効果が弱く、また肉本来
の食味からみた場合、後味に苦みが残ったりして好まし
くない。
白素材を組み合わせることによる接着方法がある。この
場合の蛋白素材としては、現在までは、カゼインとコラ
ーゲンのみしか接着機能を持たないとされてきている。
例えば、(7)特開平6−284867号公報には、ト
ランスグルタミナーゼとカゼインを主体とした接着用酵
素製剤で接着させる方法の開示がある。この方法は、未
加熱、即ち生の状態で接着でき、かつ、味風味について
の課題も解決されている。しかしながら、カゼイン類を
含有するため、水に分散させる際極端に分散性が悪く、
製造現場での作業性が課題であった。また、カゼイン類
は高価な食品素材であり、小麦蛋白や大豆蛋白での代替
が強く望まれてきた。また、(8)特開平10−709
61号公報では、トランスグルタミナーゼとコラーゲン
を有効成分とするアレルギー性が抑制された接着方法が
みられる。しかしながら、コラーゲンは水に溶解すると
粘性を発現する性質を有しているため、この方法では1
0℃以下の冷水にコラーゲンを溶解することを必須と
し、しかも溶解後は速やかに接着操作に移ることが必要
であることから、これも上述の技術と同様に現場での作
業性において課題を残している。このように接着性や味
風味において他の技術よりも優れているトランスグルタ
ミナーゼと蛋白素材の組合せにおいても、作業性と経済
性での課題を残してきた。
る接着機能発現可能な基質蛋白としては、従来、カゼイ
ンとコラーゲンのみであり、その他の蛋白素材、例えば
大豆蛋白、小麦蛋白、卵白、乳ホエイ蛋白、血しょう蛋
白等はその機能をもたないとされてきていた。
トランスグルタミナーゼを用いることは味、風味および
接着力から見て他の手段よりも優れていた。しかしなが
ら、トランスグルタミナーゼの接着機能を発現させるた
めには、カゼインもしくはコラーゲンを必須原料として
トランスグルタミナーゼとともに配合する必要があっ
た。そこで、カゼインやコラーゲンを含有するため、接
着作業時水に溶かす操作が困難で、かつ、作業後カゼイ
ンやコラーゲンが装置に付着し装置洗浄時の手間がかか
るという問題があった。また、これらカゼインやコラー
ゲンは価格が高く、経済性から見てより安価な食品用接
着剤が望まれてきた。
で、水に対する分散溶解性が優れ作業性が改善された食
品接着用酵素製剤の提供であり、かつこの酵素製剤(の
有効成分)を用いて製造する接着成形食品の製造方法を
提供することにある。
対する分散溶解性が優れ作業性が改善された食品接着用
酵素製剤を得ることを目的として種々検討をおこなった
結果、トランスグルタミナーゼと大豆蛋白を組み合わせ
ることによって目的とする新規な接着用酵素製剤の提供
を可能とし、本発明を完成するに至った。
ーゼと大豆蛋白を必須有効成分として含有することを特
徴とする食品接着用酵素製剤に関する。
る。
の酵素作用に加えて、基質である大豆蛋白をバインダー
として機能させる点にある。
剤について説明する。
トランスグルタミナーゼは、周知の通り、蛋白質または
ペプチド鎖内のグルタミン残基のγ−カルボキシアミド
基と一級アミンとのアシル転移反応を触媒し、アシル受
容体としての一級アミンが蛋白質のリジン残基である場
合は、ε−(γ−Glu)−Lys架橋結合を形成させ
る作用をもつ酵素である。また、水がアシル受容体とし
て機能するときは、グルタミン残基が脱アミド化されて
グルタミン酸残基になる反応を進行させる酵素である。
本発明に使用するトランスグルタミナーゼは、トランス
グルタミナーゼ活性を有する限り、その起源を特に問わ
ず、例えば、ストレプトベルチシリウム属(Streptover
ticillium属)などの微生物由来のもの(以下、MTG
と略記することがある。特開昭64−27471号公
報、米国特許第5156956号明細書参照)、モルモ
ットなどの哺乳動物由来のもの(特開昭58−1496
4号公報参照)、タラなど魚由来のもの(関信夫ら、日
本水産学会誌56巻1号125頁、1990年参照)、
血液中に存在するもの(FactorXIIIとも称され
る)、その他遺伝子組換え法で生産されるもの(例え
ば、特開平1−300889号公報、特開平5−199
883号公報、特開平6−225775号公報、WO9
3/15234号公報など参照)等を用いることができ
る。
としては、上記のいずれのものでも用いることができる
が、商業的には大量生産可能で安価に入手できる微生物
由来のMTGを使用することが望ましい。
ミナーゼの使用量(配合量)は、特に制限はないが、こ
の酵素製剤を通常の方法で接着対象となる食品原材料に
使用した場合に、これの1gあたりトランスグルタミナ
ーゼの活性換算で通常0.01〜100ユニット、好ま
しくは0.1〜50ユニットとなる量がよい。尚、トラ
ンスグルタミナーゼの最適の使用量は、対象となる食品
原材料の種類、その大きさ、形状、最終製品の形態によ
って異なるが、前記の使用量範囲を参考にした検討を行
えば所与の場合において、当業者であれば適当な使用量
を容易に見いだすことができる。
の活性単位は、次のようなハイドロキサメイト法で測定
され、かつ、定義される。即ち、温度37℃、pH6.
0のトリス緩衝液中、ベンジルオキシカルボニル−L−
グルタミルグリシン及びハイドロオキシルアミンを基質
とする反応系で酵素反応をおこない、生成したハイドロ
キサム酸をトリクロロ酢酸存在下で鉄錯体にする。次
に、反応系の525nmにおける吸光度を測定し、生成
したハイドロキサム酸量を検量線により求め、1分間に
1μモルのハイドロキサム酸を生成せしめる酵素量をト
ランスグルタミナーゼの活性単位、1ユニット(以下、
ユニットをUと略記する)と定義する(前掲特開昭64
−27471号公報、米国特許第5156956号明細
書参照)。
成分である大豆蛋白としては、大豆粉、濃縮大豆蛋白、
分離大豆蛋白などいずれも使用できるが、5℃冷水下で
の蛋白溶解性が70%以上で、かつ、0.2モルトリク
ロル酢酸に対する可溶蛋白量が15%以下であるものが
特に好ましい。この条件を満足しないと蛋白の溶解性が
低いためにトランスグルタミナーゼの作用が弱く、結果
として接着機能を発揮できない。この条件を満足する大
豆蛋白であれば、蛋白純度は特に問わないが、一般的に
は機能性からみて高蛋白量の分離大豆蛋白が望ましい。
ただし、蛋白溶解性を向上させるために大豆蛋白を酸や
プロテアーゼによって過度な加水分解処理をおこなう
と、トリクロル酢酸に対する可溶蛋白量が15%以上と
なり接着機能は低下するため、加水分解処理については
特に留意する必要がある。
2モルトリクロル酢酸に対する可溶蛋白量は次のように
測定され定義される。
義):濃度2.5%の蛋白試料水溶液を5℃で90分間
振とう撹拌し、3,000rpmで30分間遠心分離後
の上澄液中の蛋白量の、元の試料中の蛋白量に対する割
合を百分率(%)で表す。
量の測定方法(定義):0.2モルトリクロル酢酸水溶
液に2.5%(上乗せ)の蛋白試料を投入し、40℃で
90分間振とう撹拌し、3,000rpmで30分間遠
心分離後の上澄液中の蛋白量の、元の蛋白量に対する割
合を百分率(%)で表す。
の添加量(使用量)としては、酵素(トランスグルタミ
ナーゼ)の基質として働き得る濃度(量)であり、かつ
接着のバインダーとして機能し得るという見地から、接
着対象となる食品原材料100重量部あたり通常0.1
〜5重量部、好ましくは0.5〜2重量部である。添加
量が少なすぎると、トランスグルタミナーゼの機能発現
が弱く、一方、添加量が多すぎると食品原材料の間に厚
い蛋白層ができることとなり、接着力を低下し、かつ食
感上及び外観上とも好ましくない。勿論、上記添加量は
一応の目安であり、必ずしもこれに限定されるものでは
ない。
その必須成分であるトランスグルタミナーゼと大豆蛋白
の配合量には特に制限はないが、先に説明したトランス
グルタミナーゼの使用量および大豆蛋白の使用量を考慮
して、大豆蛋白については、通常、酵素製剤100重量
部あたり20〜80重量部の配合量、そしてトランスグ
ルタミナーゼについては、通常、酵素製剤1gあたり1
〜200U、好ましくは5〜150Uの配合量とするこ
とができる。
酸の塩類が配合されると、さらに本酵素製剤の機能が発
揮される。これは、大豆蛋白の溶解性の向上によるもの
と考えられる。
エン酸ナトリウム、リン酸ナトリウム、塩化ナトリウ
ム、塩化カリウム等いずれも使用でき、特に制限はな
い。ただし、食品用途を目的とするため、これらの塩類
を配合した酵素製剤を用いて接着した食品のpHがあま
りにも高いと、味風味や安全性の面から適切ではないた
め、これらの塩類の配合量は最終食品のpHが許容され
る範囲で配合するとよい。例えば、一般的に用いられる
重曹の場合では、酵素製剤100重量部に占める割合で
0.5〜10重量部を配合した場合、10倍加水下での
ペーストのpHは8.0以下で、このペーストを畜肉あ
たり1%程度添加しても、最終食品のpHはほとんど変
動しない。
れると、さらに本酵素製剤の機能が発揮される。これ
は、トランスグルタミナーゼによる大豆蛋白間の架橋が
油脂類の配合により均一に行われるようになることによ
るものと考えられる。
食用油脂を挙げることができ、特に油脂の融点など限定
されることなく使用することができる。本酵素製剤にお
いての最適な油脂の形態は、取り扱いの簡便性の見地か
ら少量のデキストリン等でコーティングされて粉末化さ
れた油脂であり、一般的には粉末油脂として市販されて
いるものを使用できる。粉末油脂の配合量の目安は、酵
素製剤100重量部に占める割合で5〜60重量部、好
ましくは10〜50重量部である。これらの配合量以外
ではともに接着機能が低下するため適当でない。
スグルタミナーゼおよび大豆蛋白(必須成分)、並びに
塩類および油脂(任意成分)を有効成分とするが、それ
以外に次のような種々の更なる任意成分を配合すること
もできる。例えば、食品用賦形剤として知られている乳
糖、蔗糖、糖アルコール、直鎖デキストリン、分岐デキ
ストリン、環状デキストリン、澱粉類、多糖類、ガム
類、ペクチン、寒天、ゼラチンなどを含有させることが
できる。また、本発明の接着用酵素製剤はカゼイン、コ
ラーゲン以外の他の蛋白素材、例えば豚肉、牛肉、羊肉
等の畜肉や家禽肉から水で抽出した蛋白素材(ゼラチ
ン、ミオシン等の混合物)、チョッパー等で前記畜肉や
家禽肉をペースト状にした蛋白素材も含有することがで
きる。
発色剤、乳化剤等も本発明の接着用酵素製剤に適宜配合
しても差し支えない。
して本発明の接着用酵素製剤を調製する調製法自体には
特別の制限はなく、この分野で採用されている酵素製剤
の調製方法に適宜準ずることができる。なお、本発明の
接着用酵素製剤は、これらの成分が必ずしも一つの容器
内でブレンドされている必要はなく、例えば、トランス
グルタミナーゼと大豆蛋白が別々の容器や袋に入れられ
ている、いわゆるキットの形態をとることもできる。
剤の特徴は、1)トランスグルタミナーゼと大豆蛋白を
必須成分として含有する、そして2)現場での作業性が
良好で、かつ安価である点にある。
て接着成形食品を製造する方法を説明する。
る。一つは、必須成分であるトランスグルタミナーゼ及
び大豆蛋白並びに所望による任意成分を有効成分として
含有する酵素製剤を予め作成しておいて、これをそのま
ま使用する方法と、トランスグルタミナーゼ及び大豆蛋
白並びにその他の成分を予め酵素製剤の形に調製するこ
となく、接着食品の製造現場において食品原材料に別々
に(しかし)同時に添加使用する方法であるが、前者は
後者の態様の一つである。、もちろんいずれの方法を用
いても構わない。いずれの方法を用いる場合でも、トラ
ンスグルタミナーゼの対食品原材料あたりの使用量、大
豆蛋白の対食品原料あたりの使用量は同じである。即
ち、既に説明したように、トランスグルタミナーゼの使
用量は接着対象となる食品原材料1gあたり通常0.0
1〜100U、好ましくは0.1〜50Uであり、そし
て、大豆蛋白の使用量は食品原材料100重量部あたり
通常0.1〜5重量部、好ましくは0.5〜2重量部で
ある。
おいて重要な点は、接着有効成分である大豆蛋白に対す
る加水比で、大豆蛋白(素材)1重量部に対して2〜2
0重量部、好ましくは4〜10重量部になるように調整
する点にある。何故なら、この比率で調整すると接着強
度が著しく向上するからである。この加水比が20重量
部を越えると、蛋白濃度が低下し接着不可となり、一
方、比率が2重量部に満たない場合は逆に蛋白可溶化に
必要な水が不足して完全に溶解したペーストが得られな
い。
法の詳細を具体的に説明する。
(またはペースト)を得る。ついで、この組成物を食品
原材料及びトランスグルタミナーゼと混和する。混和さ
せる順序は特になく、食品原材料とまず混和させて後に
トランスグルタミナーゼを混和させてもよく、またその
逆でもよい。さらに、食品原材料とトランスグルタミナ
ーゼを同時に大豆蛋白のペーストと混和させても構わな
い。さらに、水にトランスグルタミナーゼ及び大豆蛋白
を添加してペーストを得て、その後このペーストを食品
原材料と混和させてもよい。尚、この時トランスグルタ
ミナーゼと大豆蛋白をこのように別々に用いる以外に、
必須成分であるトランスグルタミナーゼと大豆蛋白が予
めブレンドされている本発明の接着用酵素製剤の形で用
いると便利である。念のために申し述べると、必須成分
であるトランスグルタミナーゼと大豆蛋白(素材)を使
用する以外に、上述したような調味料、食塩、香辛料、
砂糖、乳化剤、賦形剤等の種々の任意成分を必要により
適宜添加してもよい。
び水からなるペーストと食品原材料との混和物は通常す
ぐ成形工程に付される。成形はケーシングチューブ等の
通常よく用いられる成形容器に充填し、0〜65℃で5
〜24時間放置される。この間にトランスグルタミナー
ゼが作用して目的とする成形食品が得られる。尚、この
ようにして得られた成形食品を所望により加熱または冷
凍処理してもよく、これらの形で流通に置くことのでき
ることはいうまでもない。
品原材料について説明する。食品原材料としては蛋白性
食品原材料がトランスグルタミナーゼの作用からみて最
も適しているが、微量にしか蛋白を含まない食品原材料
においてもその機能は発現できる。蛋白性食品原材料と
しては、例えば牛肉、豚肉、馬肉、羊肉、山羊肉、家禽
肉、鶏肉等のいわゆる畜肉類、魚肉、貝類、エビ・カニ
等の甲殻類、イカ・タコ等の軟体動物、イクラ・スジコ
等の魚卵、チーズ、麺類、蒲鉾等の加工食品等も用いる
ことができる。また、蛋白を微量しか含まない食品原料
の例としては、昆布・わかめ等の海藻類、人参・芋・キ
ャベツ等の野菜類、柿・桃等の果実類等を挙げることが
できる。
て例えば成形サイコロステーキ肉を挙げることができ
る。また、これにより、食品原材料の高度利用や消費者
ニーズに対応した品質を得るメリットを納めることがで
きる。
る。もちろん、本発明の技術的範囲はこれらの実施例に
限定されるものではない。
ー(a)、(b)、(c)および(d)で配合すること
により調製した。尚、トランスグルタミナーゼは放線菌
ストレプトベルチシリウムに属する微生物(Streptover
ticillium mobaraense IFO 13819)起源のトランスグ
ルタミナーゼ(味の素(株)製「アクティバTG」、比
活性1U/mg)を用いた。また、大豆蛋白(素材)は
分離大豆蛋白粉末(味の素(株)製「アジプロンHS
2」、蛋白含量88%、5℃蛋白溶解性85%、そして
0.2モルトリクロル酢酸に対する蛋白溶解性2.3
%)を、そして油脂は粉末油脂(ミヨシ油脂(株)製
「マジックファット230」、油脂含量約75%)を用
いた。
豚肉の製造 実施例1において調製した本発明の接着用酵素製剤4種
類を使用して接着豚肉を次のようにして作成した。すな
わち、各酵素製剤それぞれの10gを4倍の水に添加し
て分散させ、ペーストを得た。ついで、このペーストを
バインダーとして用いた。即ち、このペーストと全量で
1kgの豚モモ肉の小片(約3cm)がよくなじむよう
に混和した。その後すみやかに折幅75cmのケーシン
グチューブに充填し、20℃で1時間放置して接着生豚
肉を製造した。ケーシングチューブに充填した成形豚肉
はそのまま−25℃の冷凍庫内で評価まで冷凍保存し
た。なお、本発明の酵素製剤を加えない以外は同様に調
製したものを対照とした。
した。解凍後、生の状態でレオメータで引っ張り試験を
行って、接着強度を測定した。また、ホットプレート上
で両面を焼き(グリル)、官能評価をおこなった。
生の接着豚肉の接着強度は、酵素製剤(a)、(b)、
(c)および(d)を使用して得た本発明品は、(a)
62g/cm2、(b)78g/cm2、(c)75g/
cm2及び(d)90g/cm2を示し、いずれも接着豚
肉製品として十分実用的な成形性を維持していた。これ
に対して、本発明による酵素製剤を使用しなかった対照
品は、肉片同士が全く接着していなかった。また、グリ
ルした時も、本発明品はいずれも、接着面が剥がれるこ
とがなく食感も自然で新鮮肉と同様の良好な食味及び風
味であった。
による食品原材料の接着において、従来十分な接着力を
得るために必須であったカゼインやコラーゲンを大豆蛋
白で代替することができるようになった。これにより、
カゼインやコラーゲンを使用する場合の課題であった水
に対する溶解作業の煩雑さや高価格で経済性がないなど
に対して、一定の蛋白特性をもつ大豆蛋白を用いること
により、これらの課題を解決して、かつ接着成形食品と
しては十分に接着性を得ることができる。本発明による
と、加熱することなく生の状態で肉片等の食品原材料を
高度に接着させることができ、かつ得られたものが味お
よび風味とも良好である接着成形食品を提供することが
できる。
Claims (5)
- 【請求項1】トランスグルタミナーゼと大豆蛋白を必須
有効成分として含有することを特徴とする食品接着用酵
素製剤。 - 【請求項2】大豆蛋白が5℃冷水での溶解性が70%以
上で、かつ0.2モルトリクロル酢酸可溶蛋白量が15
%以下の特性値を有する大豆蛋白であることを特徴とす
る請求項1記載の食品接着用酵素製剤。 - 【請求項3】更に、有機酸及び無機酸の塩類の1種もし
くは2種以上ならびに/あるいは粉末油脂をも含有する
ことを特徴とする請求項1または2に記載の食品接着用
酵素製剤。 - 【請求項4】トランスグルタミナーゼと大豆蛋白を接着
剤として使用して食品原材料を接着することを特徴とす
る接着成形食品の製造方法。。 - 【請求項5】更に、有機酸および無機酸の塩類の1種も
しくは2種以上並びに/あるいは粉末油脂を添加併用す
ることを特徴とする請求項4記載の接着成形食品の製造
方法。
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---|---|---|---|
JP10225737A JP2000050844A (ja) | 1998-08-10 | 1998-08-10 | 食品接着用酵素製剤及び接着成形食品の製造方法 |
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