JP4051621B2 - 接着用酵素製剤及び接着成形食品の製造方法。 - Google Patents
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Description
本発明は、トランスグルタミナーゼと、ハイドロキシプロリンおよびプロリンの合計残基数がコラーゲンの全アミノ酸残基数の20%未満であるコラーゲンまたは/および平均粒径が600μm未満であるコラーゲンとを利用した固形状食品原材料の接着用酵素製剤、該接着(用酵素製)剤を用い製造した固形状食品原材料の接着成形食品、及びその製造方法に関する。
(背景技術)
従来の酵素を用いた固形状食品原材料の接着成形に関して、以下、代表的な6つの方法を例示するとともに、それぞれの問題点について述べる。
(1)特開平2−79956号公報ではトランスグルタミナーゼのみで接着成形食品を製造する技術を開示している。しかしながら、十分な接着力が得られないことから、各種成分を併用する研究がなされ、実用化されている。
例えば、(2)WO95/08274号公報には、トランスグルタミナーゼとリン酸アルカリ金属塩および塩化ナトリウムとを併用して生肉を接着する方法が開示されている。しかしながら、この方法では肉重量に対して0.4重量%以下のリン酸アルカリ金属塩と1.5〜4重量%という高濃度の塩化ナトリウムを加えることが必須であり、味および風味の点で肉本来の食味を失った製品となってしまう欠点がある。
また、(3)特開平6−284867号公報および8−140594号公報では、トランスグルタミナーゼとその基質となるカゼイン類を組み合わせた接着成形方法の開示がある。この方法は畜肉のみならず、魚肉、イカ、カニなどの魚介類、いくら、数の子、すじこ、たらこなどの魚卵類などに至るまでの食品原材料に広く適用できる。また、この方法は生の状態で接着でき、味や風味に影響のない汎用性の高い接着成形方法および接着用酵素製剤を提供している。
一方、トランスグルタミナーゼとカゼイン類以外のタンパク質の組み合わせによる接着方法についても研究されている。
(4)特開平9−107923号公報にはゼラチンとトランスグルタミナーゼを用いた成形食品の製造法が開示されている。しかしながら、該公開特許公報に記載されている5〜15%のゼラチン水溶液は佃煮類や魚卵等を成形することは可能であるが、本発明の目的とする畜肉または魚肉等を十分に接着成形することはできない。
また、(5)倉石ら、およびTseng.T−F.らの報告には、トランスグルタミナーゼと併用されるべきタンパク質としては、ナトリウムカゼイネート以外の大豆分離タンパク質、乳ホエータンパク質、ゼラチンなどでは十分な接着力が得られないことが述べられており(J.Food.Sci.,1997,62(3),488−490およびZhonghua Nongxua Huibao,2000,1(1),108−117)、実用的にはカゼイン類は接着に必須の成分であった。
しかしながら、近年、食物アレルギーなどの問題により、乳由来のタンパク質が加工食品に利用できない場合がある。特に、乳タンパク質の中でもカゼイン類が食物アレルギーの原因物質であることが知られており、カゼイン類を併用せずに強力な接着力を有する技術が必要とされていた。
このような技術的背景のもとに、(6)特開平10−070961号公報は、カゼインを併用しない、コラーゲンとトランスグルタミナーゼを有効成分とする接着用酵素製剤を使用する接着成形方法を開示している。しかしながら、このコラーゲンを高温の水に溶解すると、分散性が悪く、また高い粘性を発現するため、添加する固形状食品原材料と混和しにくい。したがって、この特開平10−070961号公報に開示の発明では、10℃以下の冷水にコラーゲンを溶解することを必須とし、しかも溶解後は速やかに接着操作に移ることが必要であることから、作業性において課題を残している。また、その接着力は塩を併用しない場合は非常に弱いもので、その場合は実用的な効果は期待できない。
(発明の開示)
このような技術的背景から、カゼイン類を併用しないで、肉片等の固形状食品原材料を十分に接着成形させることができ、かつ操作性に優れた、強力な接着用酵素製剤及びこれを使用する接着成形食品の製造法が加工食品業界にとって必要とされており、本発明の目的はこれに応えるものである。
本発明者らは、上記目的を達成するべく鋭意研究の結果、特定のコラーゲンを用いることにより、固形状食品原材料を簡便かつ強力に接着成形できることを見出し、このような知見に基いて本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、トランスグルタミナーゼと、(1)コラーゲン中のハイドロキシプロリンとプロリン(以下、イミノ酸と総称することがある)の合計残基数が、コラーゲンの全アミノ酸残基数の20%未満であるコラーゲンまたは/および(2)平均粒径が600μm未満であるコラーゲンとを有効成分とする、固形状食品原材料の接着用酵素製剤、該接着用酵素製剤(の有効成分)を用いる固形状食品原材料の接着成形食品の製造方法、および該製造方法によって製造された固形状食品原材料の接着成形食品に関する。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の特徴は、トランスグルタミナーゼの酵素作用に加えて、上述の特定のコラーゲンを固形状食品原材料の接着成形食品を製造するための接着剤として機能させる点にある。
先ず、本発明に使用されるトランスグルタミナーゼについて説明する。
トランスグルタミナーゼは蛋白あるいはペプチド鎖中にあるグルタミン残基のγ−カルボキシアミド基中のアシル転移反応を触媒する酵素である。このトランスグルタミナーゼがアシル受容体としてタンパク質中のリジン残基のε−アミノ基に作用すると、タンパク質分子中及び分子間においてε−(γ−Glu)−Lys結合が形成される。尚、本発明に使用される酵素であるトランスグルタミナーゼは、トランスグルタミナーゼ活性を有するものであれば、その起源は問わず、既に公知のトランスグルタミナーゼを使用することができる。
例えば、放線菌由来のもの(特許第2572716号公報参照)、枯草菌由来のもの、微生物由来のもの(WO96/06931号公報参照)、卵菌由来のもの(WO96/22366号公報参照)、(特開平11−137254号公報参照)等の微生物由来のものをあげることができる。また、モルモット肝臓由来のもの(特許第1689614号公報参照)、牛血液、豚血液等の動物由来のもの、サケ、マダイ等の魚由来のもの(関ら、日本水産学会誌,1990,56,125−132)、カキ由来のもの(米国特許第5736356号)、等をあげることができる。この他、遺伝子組み換えにより製造されるもの(例えば、特開平11−75876号公報参照)等、をあげることができる。
本発明には何れのトランスグルタミナーゼでも使用することができ、起源及び製法に限定されることはない。ただし、食品用途としての機能性、使いやすさの点から、また商業的には大量生産可能で安価に入手しやすいという点から、上記微生物由来のトランスグルタミナーゼ(特許第2572716号公報、WO96/06931号公報、およびWO96/22366号公報参照)を使用することが好ましい。
本発明に使用するトランスグルタミナーゼの活性単位は、次のように測定され、かつ定義される。即ち、ベンジルオキシカルボニル−L−グルタミニルグリシンとヒドロキシルアミンを基質として反応を行い、生成したヒドロキサム酸をトリクロロ酢酸存在下で鉄錯体に変換させた後、525nmの吸光度で、その量を測定する。1分間に1マイクロモルのヒドロキサム酸を生成する酵素量をトランスグルタミナーゼの活性単位、1ユニットと定義する。この測定法(ハイドロキサメート法)の詳細は既に報告されている通りである(例えば、前記特許第2572716号公報参照)。
既に述べたように、トランスグルタミナーゼには様々な起源があることが知られており、起源によっては、上記のハイドロキサメート法により活性が定義できないような基質特異性を持つものもある。そして、その場合には異なる方法でユニットが定義される場合もある。どのような活性測定法により定義されるにしろ、実質的に本発明でいう接着成形効果を示す量であれば、本発明のトランスグルタミナーゼの添加量の範囲に入る。
次に、本発明の固形状食品原材料の接着用酵素製剤のもう1つの有効成分であるコラーゲンについて説明する。
本発明に使用されているコラーゲンは、動物や魚介類の皮、骨、軟骨、鱗、鰾などの動物組織から抽出されたものであって、イミノ酸(ハイドロキシプロリンとプロリン)の含量が該コラーゲンの全アミノ酸残基数の20%未満のもの、または/および同じく前記動物組織から抽出されたコラーゲンであって、平均粒径が600μm未満のものである。上記のアミノ酸組成の規定範囲に含まれるコラーゲンおよび平均粒径の規定範囲に含まれるコラーゲンをそれぞれ単独にまたは両者を組み合せて用いると、接着効果が著しく上昇するのである。
以下にこれをより詳細に述べる。
本発明で用いられる特定のコラーゲンに関する限定の一つは、イミノ酸含量についてである。畜肉系コラーゲン中のイミノ酸含量(残基数)は20〜22%のものが多いが、イミノ酸含量の低いコラーゲンと混合して種々のイミノ酸含量のコラーゲンを調製し、それぞれについて接着力を測定した。その結果、イミノ酸含量が20%より低いコラーゲンを用いることにより、接着力が大幅に増加するという驚くべき効果が見出された。イミノ酸含量の低いコラーゲンは魚介類から得られるものに多いので、その含量が20%未満のものはそのまま用いることが出来る。
したがって、本発明において接着力を発現せしめるべきコラーゲンは単一の起源から得られるものである必要はない。ある起源のイミノ酸含量の高いコラーゲンに他の起源のイミノ酸含量の低いコラーゲンを混合し、全体のイミノ酸含量が本発明の規定の範囲内にはいる場合は、本発明の該コラーゲンの範囲内となる。具体的には、イミノ酸含量の20%以上のコラーゲンにイミノ酸含量の20%未満のコラーゲンを混合し、全体のイミノ酸含量が20%未満になるように調整したコラーゲンを用いても、十分な接着効果が得られる。このような混合コラーゲンも本発明のコラーゲンの範疇に入る。更には、上記動物組織から抽出されたコラーゲンを何らかの化学的、酵素的処理等によりイミノ酸含量を20%未満に調整したものも本発明において使用されるべきコラーゲンの範疇にはいる。
さて、上述の好ましいアミノ酸組成のコラーゲンを得るために、そのアミノ酸組成は次のようにして測定する。例えば、コラーゲンを酸加水分解した後、適当なカラムによる液体クロマトグラフィーを用いる方法が利用できる。また、アミノ酸の検出方法としては薄層クロマトグラフィーや質量分析も利用可能である。
なお、本発明者は、アミノ酸組成の測定に次のような方法を用いた。すなわち、乾燥したサンプル約3〜5mgに1mLの6N塩酸を加え、脱気後、110±1℃で20時間加熱し、完全加水分解した。加水分解後、塩酸をエバポレーターで除去し、適宜希釈した後、「アミノ酸自動分析機L−8500」(日立製作所製)により分析した。アミノ酸としてアスパラギン酸、トレオニン、セリン、グルタミン酸、プロリン、ハイドロキシプロリン、グリシン、アラニン、システイン、バリン、メチオニン、イソロイシン、ロイシン、チロシン、フェニルアラニン、リジン、ヒスチジンおよびアルギニンを定量し、その合計アミノ酸残基数をもとにこれに対するプロリンおよびハイドロキシプロリンの合計残基数の割合を算出した。すなわち、アミノ酸分析の結果、重量%で検出された各アミノ酸のデータをそれぞれのアミノ酸の分子量で割ってモル比を算出し、これを使用して合計アミノ酸残基数あたりのプロリンおよびハイドロキシプロリンの合計残基数の割合を求めた。
上述した方法により、5種のコラーゲンA〜Eにつきアミノ酸組成を測定し(下記第1表)、その組成と接着における有効性の関係をあきらかにした(後掲第1図参照。なお、試験方法は実施例1を参照)。その結果、イミノ酸含量の高いコラーゲンを用いた場合は実用的な接着力を示さないことが分った。
本発明で用いられるべき特定のコラーゲンに関するもう一つの限定は、平均粒径に関するものである。平均粒径の異なるコラーゲンを複数水準調製し、それぞれについて接着力を測定した結果、平均粒径が600μm未満のコラーゲンを用いることにより、実用的な接着力が得られることを見出した。ここで言う平均粒径とは、粉体の積算分布曲線の50%に相当する粒径で、メジアン径Dmedまたは50%径D50とも呼ばれる。
上述した特定のコラーゲンを使用することによる接着力の上昇は、固形状食品原材料の接着成形食品を製造するいかなる方法においても認められる。しかしながら、トランスグルタミナーゼとコラーゲンを有効成分とする粉末状の接着用酵素製剤を、あらかじめ水または液状物に溶解せずに、固形状食品原材料に粉末のまま直接添加する接着成型食品の製造方法においては、平均粒径が600μm未満のコラーゲンを使用することによって、実用的な接着力が得られる。ここで言う液状物とは、水、油などの液体或いはこのような液体に、各種タンパク質、調味料、香辛料や適当な大きさの食品原材料などを混合した、流動性を有するものを指す。
また、粒径の大きいコラーゲンを使用した場合には、接着面に厚い接着用酵素製剤による層が形成されるため、食感上および外観上ともに好ましくない。しかし、平均粒径が600μm未満であるコラーゲンを使用すると、充分な接着力が得られることは上述のとおりであるが、加えて被接着物の表面(接着面)に接着用酵素製剤を薄く均一に付着させることが可能となり、食感上および外観上ともに優れた接着成形食品が得られる。
上述の特定粒径のコラーゲンを調製する方法としては、各種粉砕機を用いる粉砕方法や、粉末状のコラーゲンを一度溶媒に溶解し、この溶液をスプレードライ等の乾燥技術を用いて乾燥する方法等を挙げることができる。また、造粒技術によっても粉体の粒径を調節することが出来る。もっとも、本発明において使用されるべき特定粒径のコラーゲンを調製する方法としては、上述の方法に限定されるものではなく、粉体の粒径を調節する、いかなる方法もこれに含まれる。
なお、本発明者は、コラーゲンを粉砕機により粉砕し篩分することによって粒度分布の異なるコラーゲンを複数水準得た。このようにして調製したコラーゲン粉末を各水準(フラクション)ごとに粒度分布計により分析し、各フラクションの平均粒径を検出した。
上述の方法によって得られたコラーゲンとトランスグルタミナーゼを、豚もも肉の小片(300g)に粉末のまま直接添加し、肉に良くなじむように混和した。次に、折り幅75mmのケーシングチューブにこの混合物を詰め、5℃で2時間放置してトランスグルタミナーゼによる架橋反応を進行させた後、−40℃に冷却して反応を停止させた。冷凍した接着豚肉を厚さ9mmそして幅25mmにスライスし、解凍後引張り強度を測定した(結果を後掲第2図に示す)。その結果、粒径の小さいコラーゲンを用いることによって、より強い接着力が得られるという驚くべき効果が見出された。また、平均粒径が600μm未満のコラーゲンを用いることで実用的な接着力が認められ、さらに400μm未満のコラーゲンを用いることにより充分に強力な接着力が得られた。
また、本発明でいうコラーゲンとは、通常、動物や魚介類の動物組識から抽出して、精製することにより得られるものであり、分解などその変性度合いには特に制限はない。抽出の過程において、様々な程度に加水分解されるので広範囲の分子量分布を呈するのが普通であり、いわゆるゼラチンに変化したものも本発明のコラーゲンの範囲に入る。
さらに、コラーゲンは精製品である必要はなく、本発明の所期の効果を阻害しない限度で一部に脂肪、炭水化物、ペプチド、アミノ酸などを含有していても構わないことはいうまでもない。
一方、特開平7−227228号公報では魚介類から分離した乾燥ゼラチンとトランスグルタミナーゼによる、新規ゲル化素材およびその製造方法についての技術が開示されている。このゲル化素材は、幅広い温度帯で水に対して易溶性の魚介類由来のゼラチンとトランスグルタミナーゼを組み合わせることで、熱安定性の高いゲルを迅速に形成することを示している。しかしながら、本発明の提供する固形状食品原材料の接着機能は、この特開平7−227228号公報に述べられているゲル化能からは推定することが出来ないことに留意しなければならない。
詳述すると、本発明の接着用酵素製剤は、固形状食品原材料を接着することを目的としているのに対し、特開平7−227228号公報に記載のゲル化素材は、水あるいは液状食品を添加混合してゼリー様のゲル化食品を製造することを目的としている。本発明における接着とは、界面の堅密な接触を通して合目的に応力を伝達すること(「接着ハンドブック第3版」1996年日刊工業新聞社発行)、つまり接着剤を媒介とし、化学的もしくは物理的な力、またはその両者によって二つの面が結合した状態のことを意味している。一方、特開平7−227228号公報で用いられるゲル化とは、ゾルからゲルへの変化(「生化学辞典第2版」1990年(株)東京化学同人発行)のことであり、流動性を持っていた懸濁液または溶液が流動性を持たず自重でも崩れない程度に固まることを意味する。このように接着とゲル化は、同義でなく、定義上全く異なる現象である。従って、本発明の接着用酵素製剤と特開平7−227228号公報のゲル化素材とは、目指す目的の違う、根本的な技術的思想の異なる発明である。
また、トランスグルタミナーゼと種々のタンパク質が反応することによって得られるゲルの特性(破断強度、4mm応力、特開平7−227228号公報に示されるトルクなどもゲル特性のひとつ)と、接着力の間には相関性が認められないことも明らかである。例えば、トランスグルタミナーゼを添加して形成したタンパク質ゲルの硬さ(4mm応力:Stable Micro Systems製「Texture Analyzer」によるプランジャー:15mm cylinderおよび速度:10mm/secの条件での測定)とトランスグルタミナーゼと同タンパク質を用いた豚肉接着試験(試験方法は実施例1に詳細に記載)の結果には、なんら相関性が認められない。具体的には、トランスグルタミナーゼにより速やかにゲル形成が行われることが知られているカゼインナトリウム、大豆分離タンパク質、ゼラチンおよび水溶性ゼラチンの各タンパク質溶液にタンパク質1gあたり100ユニットのトランスグルタミナーゼを加えて形成したゲルの4mm応力は、それぞれ、65.5、66.8、643.9および383.9gであった。一方、接着能を示す引っ張り強度は、それぞれ80.0、25.0、46.6、および30.0g/cm2であった。80.0g/cm2以上が実用的な接着力と見なすと、カゼインナトリウム以外の接着能は極めて低い。これらの結果から、ゲルの硬さ(4mm応力)と接着能(引っ張り強度)との間にはなんら相関が認められないことはわかる。
要するに、トランスグルタミナーゼにより硬いゲルを形成するタンパク質すべてが固形状食品原材料どうしの接着を可能にするわけではない、と言うことである。前記特開平7−227228号公報では、魚介類由来の乾燥ゼラチンはトランスグルタミナーゼにより、ゲルの硬さを反映する一つの指標であるトルクの大きいゲルを形成することが示されている。しかし、このトルクの大きいゲルを形成することと、固形状食品原材料どうしを接着させることの間には、上述のように相関を見出すことはできないのである。
また、前記特開平7−227228号公報では、魚介類由来のゼラチンが水に易溶性であることで、迅速にトルクの大きいゲルが形成されることが示されている。しかし、トランスグルタミナーゼとの反応基質となるタンパク質が水に易溶性であることと、接着が可能であることの間には、何ら相関は認められないことも事実である。
例えば、水に易溶性である大豆分離タンパク質は、上述の結果のとおり、トランスグルタミナーゼと反応させても実用的な接着力は得られない。また、幅広い温度帯で水に易溶性のゼラチン(いわゆる水溶性ゼラチン)は一般的に市販されている。これらはコラーゲンを変性させたり、あるいは分解させたりして調製されるものであるが、これら水溶性ゼラチンを用いて豚肉の接着試験を行っても上述したように十分な接着は認められない。すなわち、タンパク質の水への易溶性と食品原材料の接着にはなんら相関は認められない。
従って、繰り返すが、特開平7−227228号公報に述べられている幅広い温度帯で水に易溶性の魚介類由来のゼラチンとトランスグルタミナーゼを組み合わせることで、熱安定性のゲルを速やかに形成することから、固形状食品原材料の接着機能を推定することは容易ではなく、これに対して本発明が進歩性を有することは明らかである。
前述した通り、本発明でいうコラーゲンはもともと動物や魚介類の動物組織より抽出されるものであり、分解などその変性度合いには特に制限はないが、好ましくは分子量約65,000以上の画分が50%以上のものが好ましい。
なぜなら、分子量が小さすぎると接着効果は低下するためである。これは分子量が小さくなると、トランスグルタミナーゼとの反応性が低くなることが予想され、コラーゲンの接着面との親和性が弱くなることによるものと推定される。
因みに、本発明に使用されるコラーゲンの分子量の測定方法としては、次のような方法が利用できる。すなわち、分子ふるいの効果によりタンパク質を分子量別に分画する方法、例えば、ゲル濾過法やSDS−ポリアクリルアミド電気泳動法が利用できる。また、電荷と質量の関係より、タンパク質の分子量を測定する方法、例えば、質量分析法などが上げられる。分画されたタンパク質の分子量は、市販の分子量マーカーと比較することで、その分子量を推定することができる。
次に、本発明の固形状食品原材料の接着用酵素製剤について説明する。
本発明の接着用酵素製剤の必須構成成分であるトランスグルタミナーゼとコラーゲンの配合量には特別の制限はないが、好ましくは、コラーゲンについては通常酵素製剤100重量部に占める割合で10〜80重量部の配合、またトランスグルタミナーゼについては、酵素製剤1gあたりの含有量で10〜300ユニットの配合量である。
因みに、特開平7−227228号公報におけるゲル化素材において、好ましいトランスグルタミナーゼの配合量は0.005〜0.1%と規定されており、本発明の配合量に比べ低く規定されている。そこで、特開平7−227228号公報において、好ましいとされるトランスグルタミナーゼ配合量(0.1%)でゲル化素材を調製し、該ゲル化素材により固形状食品原材料の接着が可能であるか否かを検討した(試験方法は実施例1を参照)。その結果、該ゲル化素材を使用した場合の接着強度は11g/cm2と、充分な接着力は認められず、また得られた肉片を加熱するとさらに接着強度は低下した。従って、特開平7−227228号公報記載のゲル化素材に接着能はなく、機能的に見ても本発明の接着用酵素製剤とは異なるものである。
また、本発明の接着用酵素製剤は必ずしもトランスグルタミナーゼとコラーゲンが一つの容器内にブレンドされている必要はなく、これには一組の別々の容器にいれられている、いわゆる「キット」の形態のものも含まれる。
さて、本発明の接着用酵素製剤はトランスグルタミナーゼとコラーゲンを有効成分とするが、それ以外もこの分野で通常使用されている次のような様々の任意成分を配合することもできる。例えば、食品用賦形剤として知られる、乳糖、蔗糖、マルチトール、ソルビトール、デキストリン、分岐デキストリン、サイクロデキストリン、澱粉類、多糖類、ガム類、ペクチン等を含有させることができる。更に、本発明の接着用酵素製剤にはカゼイン類以外の他のタンパク質、例えば、豚肉、牛肉などの畜肉や家禽肉から抽出した動物性タンパク質や、大豆タンパク、小麦タンパクなどの植物性タンパク質を含有させることもできる。更にまた、重曹、クエン酸ナトリウム、リン酸ナトリウム、塩化ナトリウム、塩化カリウムなどの生理学的に許容される無機塩類も必要に応じて本酵素製剤に配合することができる。更にまた、調味料、砂糖、香辛料、着色料、発色剤、アスコルビン酸、その塩類などの有機塩類、乳化剤、油脂なども適宜配合することができる。
次に、本発明の接着用酵素製剤を用いて接着成形食品を製造する方法について説明する。
固形状食品原材料を接着させて接着成形食品を製造する場合、接着用酵素製剤の使用形態に関しては次の通りである。すなわち、トランスグルタミナーゼとコラーゲンを有効成分とした接着用酵素製剤を水または液状物に溶解したものを固形状食品原材料に添加混合する場合と、これを粉体のまま固形状食品原材料へ直接添加する場合である。また、トランスグルタミナーゼを有効成分とするものとコラーゲンを有効成分とするものをそれぞれ溶解して溶液とし、または粉体のまま、別々に又は同時に食品原材料と添加混合する場合である。これらいずれの方法を用いる場合も、本発明の接着成形食品の製造法の範囲内である。
いずれの方法を用いる場合でも、トランスグルタミナーゼの添加量(使用量)は接着対象となる固形状食品原材料1gあたり、0.01〜100ユニット、好ましくは0.1〜50ユニットである。また、コラーゲンの添加量(使用量)としては、食品原材料100重量部あたり、通常、0.1〜5重量部、好ましくは0.3〜2重量部である。コラーゲン添加量が少なすぎるとトランスグルタミナーゼ単独の場合と接着の効果は変わらず、逆に添加量が多すぎると食品原材料の間にタンパク質の膜ができることになり、食感の上でも、接着力の上でも好ましくない。もっとも、両者の上記添加量は目安であり、本発明の所期の効果を奏される限りは必ずしもこれらに限定されるものではない。
因みに、前記特開平7−227228号公報におけるゲル化素材は、該ゲル化素材を水あるいは液状物に溶解してゾル状態の混合物を得てから、これをトランスグルタミナーゼの作用によりゲル化食品を形成させるものである。これに対し、本発明の接着用酵素製剤を粉体のまま固形状食品原材料に直接添加する方法に関しては、意図的にゾル状態を介さずに接着成形食品を得る点において、特開平7−227228号公報の発明から差別化される。このような本発明の接着用酵素製剤を粉末のまま使用する方法によって得られる接着強度は、接着用酵素製剤を溶媒に溶解させ、その溶液を固形状食品原材料に添加する方法によって得られる接着強度よりも強く、より有用な接着成形食品の製造方法である。
トランスグルタミナーゼ、コラーゲンおよび固形状食品原材料の混合物はトランスグルタミナーゼの酵素作用の発現する温度(反応温度)に置く。反応温度は一般に、3℃〜60℃程度であり、この温度に保持すると約1分〜約48時間程度で架橋反応が進行する。しかし、好ましくは5℃〜50℃程度で約5分〜約24時間程度行なうのがよい。この架橋反応によってコラーゲンと固形状食品原材料(表面)の間に架橋が生じ、結局コラーゲンを介して固形状食品原材料どうしが接着する。
最後に、本発明に用いられる固形状食品原材料について説明する。
固形状食品原材料とは、流動性はなく、それ自体で一定の形状を維持するものを指す。例えば、牛肉、豚肉、馬肉、羊肉、山羊肉、家兎肉、鶏肉などいわゆる食肉だけでなく、各種の魚肉、貝類、エビ、カニなどの甲殻類、イカ、タコなどの軟体動物、イクラ、スジコなどの魚卵類などの食品原材料が利用できる。更に、チーズ、麺類、蒲鉾などの加工食品も用いることができる。しかしながら、これらは限定的に列挙されたものではなく、本発明の目的の達成される限りは、本発明の固形状食品原材料の範囲内にある。
また、本発明で使用される魚ゼラチンは、適当量の水分を加えることにより、極めて迅速に高い接着力が得られるという性質を持つ。したがって、製造工程上、または原材料の形状が不均一であることや脆く崩れやすいなどの性質上、接着成型時に強い圧力をかけられない場合において、本発明は、その高い接着力から、圧力をかけることなく、迅速な接着が可能である。本発明は上述したように固形状食品原材料全てに適用可能であるが、特に食肉、魚肉の接着に利用した場合、高い効果が認められ、その中でも脆く崩れやすい固形状食品原材料である魚肉等の接着において、さらに著しい効果が発揮される。
(発明を実施するための最良の形態)
以下、本発明を実施例に基づいて詳細に説明する。しかし、本発明の技術的範囲はこれら実施例に限定されるものではない。
実施例1:トランスグルタミナーゼとコラーゲンによる接着成形肉の製造
トランスグルタミナーゼとしてはストレプトベルチシリウム属(Streptoverticillium mobaraense F013819)起源の市販のトランスグルタミナーゼ(味の素(株)製「アクティバTG」、比活性1000ユニット/g品)を用いた。また、コラーゲンとしてはアメリカ合衆国のNorland Products Inc.製の魚起源ゼラチン「Norland HMW Fish Gelatin」(商品名)を用いた。尚、「Norland HMW Fish Gelatin」は前述のアミノ酸組成分析において、イミノ酸含量が15.7%であった。
該コラーゲン1.8gを約20℃の水10mlに溶解し、次にこれを豚もも肉の小片(約2cm角)全300gに投入し、溶液と豚肉が十分なじむように混和した。ここへ180ユニットのトランスグルタミナーゼを少量の水(2ml)に溶解したものを投入し、コラーゲン(溶液)と肉片およびトランスグルタミナーゼ(溶液)がまんべんなく混ざるように混和した(肉1gあたりトランスグルタミナーゼ0.6ユニット、そしてコラーゲン0.006g)。
次に、この混和物を折り幅75mmのケーシングチューブに詰め、5℃で2時間放置し、トランスグルタミナーゼの酵素反応を進行させた。放置後、−40℃の冷凍庫に入れ、評価するまで冷凍保存した。対照として、該コラーゲンの代わりに特開平10−070961号公報記載のProtein Foods A/S社製コラーゲン「SCANPRO T−95」(商品名)を用いた系、該コラーゲンの代わりにカゼインナトリウムを用いた系、およびトランスグルタミナーゼを加えない該コラーゲンのみの系で接着成形豚肉を調製した(下記第2表)。なお、「SCANPRO T−95」の系においては先に引用の特開平10−070961号公報記載に従い、分散しやすい様に溶解する水を12.6mlとし(コラーゲン1重量部に対して7重量部の水)、同様に接着成形豚肉を調製した。なおまた、「SCANPRO T−95」は前述のアミノ酸組成分析において、イミノ酸含量が20.5%であった。
冷凍した接着豚肉を厚さ9mm、そして幅25mmにスライスした。解凍後、生の状態で引っ張り強度を測定した。また、ホットプレート上で両面を焼き、官能評価を行った。
結果を後掲第3図に示した。同図から分るように、イミノ酸含量が15.7%のコラーゲン「Norland HMW Fish Gelatin」を用いた場合の接着豚肉の引っ張り強度は110g/cm2で充分実用的でかつ強力な接着性を示した。カゼインナトリウムによる接着においても従来知られているように80g/cm2と実用的な接着性を示したが、該コラーゲンを用いた場合の方が強い接着力を示した。これに対し、「SCANPRO T−95」とトランスグルタミナーゼによる接着、及び該コラーゲンのみの接着においては肉片同士の実用的な接着力は認められなかった。前記特開平10−070961号公報によると「SCANPRO T−95」は冷水を用いることで分散性を示すため、本発明の系のように20℃の水を用いると全く接着性を示さず、水温の制御が作業を煩雑にすると言える。一方、該コラーゲンを用いる場合には通常の水温(15〜25℃)の水を用いれば、何ら水温の管理の必要はなく、接着可能で、しかも強い接着力が得られる。
また、グリルした時にも本発明の接着成形食品は、接着面がはがれて固形状食品原材料(肉片)どうしが分離することなく、食感も自然で、新鮮肉と同様の良好な食味及び風味であった。
実施例2:接着用酵素製剤の調製
本発明の接着用酵素製剤及び次の実施例3および4にて用いる接着用酵素製剤を、その成分を下記第3表に示すレシピで配合することにより7種(a)〜(g)調製した。尚、トランスグルタミナーゼは実施例1に記載したものを用いた。
実施例3:接着用酵素製剤を用いた接着成形肉の製造(その1)
実施例2において調製した5種の接着用酵素製剤(a)、(d)、(e)、(f)および(g)から各3gをとり、それぞれに4倍重量の水(20℃)を添加して分散させ、5種の糊状物を得た。この糊状物をバインダーとして用いて接着成形肉を得た。
すなわち、この糊状物それぞれを豚もも肉の小片(約2cm角)全300gに添加し、これらを豚肉と十分なじむように混和した。次に、この混和物それぞれを折り幅75mmのケーシングチューブに詰め、5℃で2時間放置してトランスグルタミナーゼによる架橋反応を進行させた。2時間放置後、−40℃の冷凍庫に入れ、評価するまで冷凍保存した。
冷凍保存1日後に各接着成形豚肉を厚さ9mm、そして幅25mmのサイズにスライスした。これらのスライスをそれぞれ解凍後、生の状態で引っ張り強度を測定した。また、ホットプレート上で両面を焼いて官能評価を行った。
結果を後掲図4に示す。同図から理解されるように、イミノ酸含量が20%未満であるコラーゲンとトランスグルタミナーゼを有効成分とする接着用酵素製剤(a)および(d)については、それぞれ123g/cm2および114g/cm2という強力な接着力が認められた。また、カゼインナトリウムとトランスグルタミナーゼを用いた製剤(f)についても、84g/cm2という実用的な接着力が認められたが、本発明におけるコラーゲンを用いたときほどではなかった。一方、イミノ酸含量が20%よりも高いコラーゲンとトランスグルタミナーゼを用いた製剤(e)、及びイミノ酸含量が20%未満であるコラーゲンは用いたがトランスグルタミナーゼを含まない製剤(g)では、実用的な接着力は得られなかった。
また、グリルした時にも本発明の接着用酵素製剤を用いた場合には、接着成形された豚肉の小片どうしの接着面がはがれることなく、食感も自然で、新鮮肉と同様の良好な食味及び風味であった。
実施例4:接着用酵素製剤を用いた接着成形肉の製造(その2)
実施例2において調製した7種の接着用酵素製剤(a)〜(g)の各々を、約2cm角にカットした牛もも肉小片の一つの面に均一に付着させた。次に、二つの肉小片の酵素製剤を付着させた面どおしを接触させ、ポリエチレン製の袋に詰めた後、真空シーラーにより圧着させた。この真空シールした肉小片を、5℃で2時間放置し、トランスグルタミナーゼによる架橋反応をさせた後、引っ張り強度を測定した。
結果を後掲図5に示す。同図から理解されるように、タンパク質として、イミノ酸含量が20%未満のコラーゲン(ゼラチン)を使用したとき(製剤(a)、(b)および(d)の場合)には、カゼインナトリウムを使用したとき(製剤(f)の場合)よりも、強力な接着力が認められた。特に製剤(a)および(d)を用いた場合には、驚くべき強さの接着力が認められた。一方、イミノ酸組成が20%よりも高いコラーゲンを用いたとき(製剤(c)および(e)の場合)、およびイミノ酸含量が20%未満であるコラーゲンを用いたがトランスグルタミナーゼを含まない製剤を使用したとき(製剤(g)の場合)では、実用的な接着力は得られなかった。
(産業上の利用可能性)
トランスグルタミナーゼとコラーゲンを用いた固形状食品原材料を接着成形する従来の方法では、コラーゲンを冷水に分散し、迅速な操作が必要であったが、本発明により特に水温をコントロールする必要のない簡便な方法で接着成形することが可能となった。また、その接着力は従来のコラーゲンを用いる接着に比べ著しく強力であるのみならず、従来からバインダーとして知られるカゼインを用いた場合と同様か、それ以上の接着力を示し、かつ得られた接着成形食品の味および風味共に良好である。本発明を用いることで、乳アレルギー等でカゼインを摂取できない消費者に、簡便な方法で固形状食品原材料の接着成形食品を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
図1は、各種ゼラチンを用いた接着肉の引っ張り強度を示す。
A:ブタ起源ゼラチン「ゼラチンAP−100」(商品名)、新田ゼラチン(株)製
B:ブタ起源ゼラチン「ゼラチンAE」(商品名)、新田ゼラチン(株)製
C:ブタ起源ゼラチン「ゼラチンR」(商品名)、新田ゼラチン(株)製
D:魚起源ゼラチン「Norland HMW Fish Gelatin」(商品名)、Norland Products Inc.製
E:鮭の皮由来のゼラチン(試作品)
図2は、種々の粒径のコラーゲンを用いて製造した接着成形肉の引張り強度を示す。
図3は、各種タンパク質を用いた接着成形肉の引張り強度を示す(実施例1)。
1.「Norland HMW Fish Gelatin」+トランスグルタミナーゼ
2.「SCANPRO T−95」+トランスグルタミナーゼ
3.カゼインナトリウム+トランスグルタミナーゼ
4.「Norland HMW Fish Gelatin」のみ
図4は、各製剤を水に溶解させて得られた糊状物の形態で使用したときの接着成形肉の引張り強度を示す(実施例3)。
図5は、各製剤を粉末のまま使用したときの接着成形肉の引張り強度を示す(実施例4)。
Claims (5)
- トランスグルタミナーゼとコラーゲン中のプロリン及びハイドロキシプロリンの合計残基数が該コラーゲンの全アミノ酸残基数の18.7%以下であるコラーゲンとを有効成分とすることを特徴とする固形状食品原材料の接着用酵素製剤。
- 該トランスグルタミナーゼが、接着用酵素製剤1gあたり10〜300ユニット含まれていることを特徴とする請求項1に記載の固形状食品原材料の接着用酵素製剤。
- トランスグルタミナーゼとコラーゲン中のプロリン及びハイドロキシプロリンの合計残基数が該コラーゲンの全アミノ酸残基数の18.7%以下であるコラーゲンとを接着剤として用いることを特徴とする固形状食品原材料の接着成型食品の製造方法。
- 固形状食品原材料に請求項1又は2のいずれかに記載の接着用酵素製剤を作用させて接着成形食品を製造する際に、該接着用酵素製剤を水または液状物に溶解させることなく、固形状食品原材料に直接添加することを特徴とする接着成形食品の製造方法。
- 請求項3又は4に記載の製造方法によって製造されたことを特徴とする固形状食品原材料の接着成形食品。
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