JP4697124B2 - 魚卵加工用酵素製剤及び魚卵加工食品の製造方法 - Google Patents

魚卵加工用酵素製剤及び魚卵加工食品の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は魚卵加工用酵素製剤及び魚卵加工食品の製造方法に関する。
資源の有効活用又は市場価値の高い製品を創出する為に、従来から魚卵加工品の製造方法に関して種々の方法が試みられている。魚卵加工品の代表的な製造方法としては生の魚卵を食塩水等に塩漬けにし、塩蔵物とする方法が挙げられる。
魚卵塩蔵物の中でもスケソウダラの卵を原料とした辛子明太子の製造に際しては原料を食塩水に漬け込み適度の熟成を行わせしめて「塩たらこ」とする一次加工後に、唐辛子磨細物を分散する調味液中に移し、該調味料中で熟成を完成させる方法が行われてきた。辛子明太子の品質は特にその特有の食感によって評価される。特有の食感とは、1)辛子明太子の表皮内における特有の「粒子感」(ツブツブ感)及び2)表皮内の粒子同士の「付着感」である。好ましい粒子感及び付着感を併せ持つものが品質的に優れたものと評価される。
好ましい「粒子感」及び「付着感」の発現は原料となる魚卵の状態に依存するところが大きい。即ち、原料の魚卵としては、生鮮物、冷蔵物、近海子、早真子、真子、水子、目付け、ガム子などを用いることができるが、ガム子を原料として用いた場合は卵が未成熟の為「粒子感」を出すことが困難であり、又、水子を原料として用いた場合は全体が軟らかすぎるなどの難点がある。ガム子、水子は他の原料に比べて安価であるので、ガム子、水子から優れた「粒子感」及び「付着感」を付与する技術が魚卵加工食品業界では待望されていた。
ガム子、水子を原料として用いた場合でも優れた食感を出す技術が本出願人かから報告されている(特許文献1)。即ち、特許文献1には、酵素であるトランスグルタミナーゼを使用して辛子明太子の品質を向上させる方法が報告されている。本方法はトランスグルタミナーゼによる蛋白質間に架橋結合を導入する方法を利用するものである。この方法は優れた方法で辛子明太子の「粒子感」の向上をもたらすことが出来る。しかし、「付着感」の低下がやや見られ辛子明太子の食感としては、十分に満足できるものではない。
また、トランスグルタミナーゼと豚、牛由来コラーゲンを組み合わせた酵素製剤を魚卵の品質改善に使用できる旨の記載が特許文献2に記載されている。いずれも優れた発明であり、辛子明太子等の魚卵加工時の成形性改善には効果があるが、食感への効果はやや乏しく、「粒子感」及び「付着感」の双方を改質し、十分に満足できる品質を最終製品である魚卵加工食品に付与する技術とは言いがたい。
このような背景から辛子明太子の製造において「粒子感」だけではなく「付着感」を同時に向上させることが出来る理想的な魚卵加工用製剤及び魚卵加工食品の製造方法が魚卵加工食品業界において待望されていた。
特許第3198758号公報 特許第3407599号公報 特公平6−65280号公報 特許第3684577号公報 国際公開WO96/22366号公報 特公平1−50382号公報 特許第3122993号公報 特許第3758187号公報 特許第3364972号公報
本発明の目的は、粒子感及び付着感の両方を向上させる魚卵加工用製剤及び魚卵加工食品の製造方法の提供である。
本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意研究を行なった結果、トランスグルタミナーゼと同時にコラーゲンを用いることにより、粒子感のみならず付着感をも向上させることができることを見出し、本発明を完成するに至った。即ち、本発明は以下の通りである。
(1)1)トランスグルタミナーゼ及び2)魚由来でゼリー強度が185〜265ブルームである酸処理コラーゲン若しくは魚由来でゼリー強度が235〜265ブルームであるアルカリ処理コラーゲンを含有する魚卵加工用製剤。
(2)(1)記載の魚卵加工用製剤を魚卵に接触させることを特徴とする魚卵加工食品の製造方法。
(3)(1)記載の魚卵加工用製剤を溶解して得た調味液に魚卵を浸漬することを特徴とする魚卵加工食品の製造方法。
(4)1)トランスグルタミナーゼ及び2)魚由来でゼリー強度が185〜265ブルームである酸処理コラーゲン若しくは魚由来でゼリー強度が235〜265ブルームであるアルカリ処理コラーゲンを魚卵に接触させることを特徴とする魚卵加工食品の製造方法。
(5)1)トランスグルタミナーゼ及び2)魚由来でゼリー強度が185〜265ブルームである酸処理コラーゲン若しくは魚由来でゼリー強度が235〜265ブルームであるアルカリ処理コラーゲンを溶解して得た調味液に魚卵を浸漬することを特徴とする魚卵加工食品の製造方法。
(6)調味液の塩分濃度が0.5〜26%であることを特徴とする(3)又は(5)記載の魚卵加工食品の製造方法。
(7)魚卵がスケソウダラの卵であることを特徴とする(3)又は(5)記載の魚卵加工食品の製造方法。
(8)調味液に魚卵を浸漬する際に、10〜72時間浸漬することを特徴とする(3)又は(5)記載の魚卵加工食品の製造方法。
(9)魚卵加工食品が辛子明太子である(3)又は(5)記載の製造方法。
本発明によれば、辛子明太子等の魚卵加工食品に好ましい粒子感と付着感を付与することができる。
本発明の特徴は魚卵加工時の魚卵をコラーゲン及びトランスグルタミナーゼに接触、作用させることにある。以下に本発明を詳細に説明する。
本発明で使用する原料の魚卵としては従来、辛子明太子の原料として難点のあったガム子、水子等を含め、各種の原料が使用出来る。具体的には、生鮮物、冷凍物、早真子、真子、ガム子、水子、柔子などの各種類の魚卵を使用すればよい。
トランスグルタミナーゼとは、蛋白質又はペプチド鎖中にあるグルタミン残基のγ−カルボキシアミド基中のアシル転移反応を触媒する酵素である。このトランスグルタミナーゼがアシル受容体としてタンパク質中のリジン残基のε−アミノ基に作用すると、タンパク質分子中及び分子間においてε-(γ-Glu)-Lys結合が形成される。この作用により、辛子明太子等の魚卵加工食品の品質向上が図られる訳である。
さて、本発明に使用される酵素であるトランスグルタミナーゼは、トランスグルタミナーゼ活性を有するものであれば使用できる。
トランスグルタミナーゼは活性発現にカルシウムを必要とするタイプ(カルシウム依存性トランスグルタミナーゼ)と、活性発現にカルシウムを必要としないタイプ(カルシウム非依存性トランスグルタミナーゼ)に大別できるが、いずれのトランスグルタミナーゼを使用してもかまわない。
起源についてもトランスグルタミナーゼ活性を有する限り、その起源は問わない。例えば、放線菌由来(特許文献3)、モナスカス等の微生物由来(特許文献4)、卵菌由来(特許文献5)等の微生物由来のものを使用することができる。
微生物由来以外でも、例えば、モルモット肝臓由来(特許文献6)、マダイ、スケソウダラ要来(特許文献7)、マガキ由来(特許文献8)、牛血液、豚血液等の動物由来のもの等を用いることができる。更に、この他、遺伝子組み換えにより製造されるもの(特許文献9)等も用いることができる。
前述したように、本発明では何れのトランスグルタミナーゼも使用することができ、その起源及び製法に限定されることはない。ただし、食品用途としての機能性、使いやすさ、又商業的に大量生産可能で安価に入手しやすいという点から、現時点では微生物由来のトランスグルタミナーゼが望ましい。
本発明に使用するトランスグルタミナーゼの活性単位は、次のように測定され、かつ定義される。即ち、ベンジルオキシカルボニル−L−グルタミニルグリシンとヒドロキシルアミンを基質として反応を行い、生成したヒドロキサム酸をトリクロロ酢酸存在下で鉄錯体に変換させた後、525nmの吸光度で、その量を測定する。1分間に1マイクロモルのヒドロキサム酸を生成する酵素量をトランスグルタミナーゼの活性単位、1ユニットと定義する。この測定法(ハイドロキサメート法)の詳細は既に報告されている通り(特許文献3参照)である。
既に述べたように、トランスグルタミナーゼには様々な起源があることが知られており、起源によっては、上記のハイドロキサメート法により活性が定義できないような基質特異性を持つものもあり、その場合には異なる方法でユニットが定義される場合もある。どのような活性測定法により定義されるにしろ、後述するトランスグルタミナーゼの添加範囲内で使用すればよい。
もう一つの重要成分であるコラーゲンについて以下に記載する。本発明で使用されるコラーゲンとしては、魚介類の皮、骨、軟骨、鱗、鰾などの組織から抽出されたものを用いればよい。
豚や牛の皮、骨等から抽出したコラーゲンは、魚由来のコラーゲンとはアミノ酸組成が大きく異なり、本発明が目的とする粒子感及び付着感の両方を向上させることが出来ない。
また、コラーゲンとしては、製造工程で酸処理された酸処理コラーゲンを用いる場合は、ゼリー強度が185〜265ブルームのものを用いればよい。一方、製造工程でアルカリ処理されたアルカリ処理コラーゲンであれば、ゼリー強度が235〜265ブルームのものを用いればよい。いずれを用いても構わないが、185〜265ブルームの酸処理コラーゲンを使用する方が好ましく、更に、ゼリー強度190〜255ブルームの酸処理コラーゲンを用いるのがより好ましい。
魚由来のコラーゲンであっても、上記ゼリー強度範囲より強度の強いもの(数値が高いもの)は付着感にやや乏しく、上記ゼリー強度範囲より強度が弱いもの(数値が低いもの)は付着感が強すぎるため、目的とする効果は得られない。
尚、本発明でいうコラーゲンとは通常、魚介類から抽出、精製により得られるものであり、分解などその変性度合いには特に制限はない。抽出の過程において、様々な程度に加水分解されるので広範囲の分子量分布を呈するのが、普通であり、いわゆる低分子化してゼラチンに変化したものも本発明のコラーゲンの範囲に入る。さらに、コラーゲンは精製品である必要はなく、一部に脂肪、炭水化物、ペプチド、アミノ酸などを含有していても構わない。
さて、上述の好ましいゼリー強度のコラーゲンを得るために、ゼリー強度は次のようにして測定する。コラーゲンを濃度6.67%に溶解した後、120mlを専用カップゼリーに入れ、室温放冷後、ゴム栓をして10℃の恒温槽で17時間冷却、このゲル強度をテクスチャーアナライザーで測定を行う。ゼリー強度はこの測定の際に用いるテクスチャーアナライザーのプランジャーに径12.7mmの平形プルーブを用いゲルに4mm侵入させる力をブルーム(g)として定義し、測定を行う。
尚、酸処理コラーゲンとアルカリ処理コラーゲンでは等電点が異なり、酸処理コラーゲンはpH6.5〜9.0、アルカリ処理コラーゲンはpH4.9〜5.2を示す。試験方法はPAGI法(写真用ゼラチン試験法合同審議会:パギイ法、写真用ゼラチン試験法第9版(2002))を用いて行う。本発明で用いるパギイ法ではゼラチン溶液から、アニオン交換樹脂、カチオン交換樹脂を混合した樹脂によりイオン性物質を取り除いた溶液のpHを等電点とする。
本発明の魚卵加工用酵素製剤の必須構成成分であるトランスグルタミナーゼと所定のコラーゲンの配合量は特に制限はない。しかし、好ましくは、上記所定のコラーゲンについては通常酵素製剤100重量部当たり20〜99重量部、配合すればよい。
また、トランスグルタミナーゼについては、酵素製剤100g当たり500〜30000ユニット配合させればよい。また、本発明の魚卵加工用酵素製剤は必ずしもトランスグルタミナーゼとコラーゲンが容器内にブレンドされている必要はなく、別々の容器にいれられている、いわゆる「キット」の形態のものも含まれる。
さて、本発明の魚卵加工用酵素製剤はトランスグルタミナーゼと所定のコラーゲンを必須有効成分とするが、それ以外も下記のような様々の任意成分を配合することもできる。例えば、食品用賦形剤として知られる、乳糖、蔗糖、マルチトール、ソルビトール、デキストリン、分岐デキストリン、サイクロデキストリン、澱粉類、多糖類、ガム類、ペクチン等を含有させることができる。
更に、本発明の魚卵加工用酵素製剤にはコラーゲン以外の他タンパク質、例えば、豚肉、牛肉などの畜肉、家禽肉から抽出したタンパク質、大豆タンパク、小麦タンパク、カゼイン類などを含有させることもできる。
また、重曹、クエン酸ナトリウム、リン酸ナトリウム、塩化ナトリウム、塩化カリウムなども本酵素製剤に配合してよい。更にまた、調味料、砂糖、香辛料、着色料、発色剤、アスコルビン酸およびその塩類、乳化剤、油脂なども適宜配合しても差し支えない。
次に、本発明のもう1つの側面である鱈子、筋子、辛子明太子等の魚卵加工食品の製造方法について説明する。
魚卵をトランスグルタミナーゼ及び上記所定のコラーゲンで処理するわけであるが、具体的には、原料の魚卵をトランスグルタミナーゼ及び上記所定コラーゲンと接触させることにより行われる。具体的には、魚卵にトランスグルタミナーゼ及び上記所定のコラーゲンの粉末を接触、即ち、ふりかけたり、まぶしたりすることにより行う。
また、以下の方法も使用できる。すなわち、トランスグルタミナーゼと所定のコラーゲンを水液状物に溶解したものを魚卵に添加混合することにより接触させてもよい。
いずれの場合も通常、接触させた後、5〜25℃で4〜72時間、放置することでトランスグルタミナーゼ反応を進めることで、目的とする品質の向上が図られる。
この場合、トランスグルタミナーゼ及び上記所定コラーゲンを有効成分として含有する魚卵加工用製剤を用いても良いし、また、トランスグルタミナーゼ及びコラーゲンを別々に添加してもかまわない。しかし、作業性の観点からは、トランスグルタミナーゼ及び所定のコラーゲンを特定の比率で含有する魚卵加工用製剤を用いるのが好ましい。
上記のように、トランスグルタミナーゼ及び上記所定コラーゲンを有効成分として含有する魚卵加工用製剤を魚卵にふりかけたり、水溶液に溶解したものを添加混合してもよいが、本発明の効果をより効率的に得るには、魚卵をトランスグルタミナーゼ及び所定のコラーゲンを含有する溶液に浸漬させる方法が好ましい。
辛子明太子を製造する場合、原料となるスケソウダラの魚卵を1次調味液、2次調味液に浸漬して製造するが、トランスグルタミナーゼ及び所定のコラーゲンを1次及び/又は2次調味液に添加すればよい。とりわけ、1次加工時の添加は効果的である。
魚卵加工時に特に加温する必要はなく、通常、室温下又は室温以下で保持すればよい。例えば、1次加工時には5〜30℃で4〜36時間、好ましくは10〜36時間保持すればよい。2次加工時には0〜15℃で2〜7日間、好ましくは
3〜4日間保持すればよい。
通常、魚卵加工時に使用する調味液の塩分濃度は0.5〜26%が適当である。辛子明太子を製造する場合は、通常2段階で魚卵を調味液に浸漬するが、1次加工時に使用する1次調味液の塩分濃度は3〜26%、2次加工時に使用する2次調味液の塩分濃度は0.5〜10%が適当である。
繰り返し述べるが、辛子明太子等の魚卵加工品を製造する場合に、トランスグルタミナーゼと所定のコラーゲンを有効成分とする酵素製剤を用いる方法と、トランスグルタミナーゼと所定のコラーゲンを別々に使用する方法がある。いずれの方法を用いても構わない。
いずれの方法を用いる場合でもトランスグルタミナーゼ添加量は対象となる食品原材料100gあたり、1〜100ユニット、特に好ましくは10〜30ユニットである。また、所定のコラーゲンの添加量としては、食品原材料100重量部あたり、通常0.1〜5重量部、好ましくは0.5〜2重量部である。添加量が少なすぎるとトランスグルタミナーゼ単独の場合と食感への効果は変わらず「粒子感」が向上するが「付着感」は向上しない。逆に添加量が多すぎると「付着感」が過剰に付与されたり、調味液中でゲル化したりと食感の上でも、製造上も好ましくない。
しかしながら、上記添加量はあくまでも目安であり、必ずしもこれに限定されるものではなく、ケースバイケースにより若干の修正を加えればよい。
最後に、本発明に用いられる魚卵について説明する。魚卵とは、海産物の卵を指す。例えば、スケソウダラ、マダラ、チョウザメ、鮭、ボラ、マグロ、シシャモなどいわゆる魚の卵だけでなく、各種の貝類、エビ、カニなどの甲殻類、イカ、タコなどの軟体動物の卵にも利用できる。勿論、上述した魚卵に限定されるものではない。
また、塩蔵処理した魚卵を原料として用いても良いし、又、塩蔵処理していない魚卵を原料として用いてもかまわない。本発明は上述したように魚卵全てに適用可能であるが、特にスケソウダラの卵に利用した場合に著しい効果を発揮する。
以下、本発明を実施例に基づいて詳細に説明する。しかし、本発明の技術的範囲はこれら実施例に限定されるものではない。
実施例1
トランスグルタミナーゼとしてはストレプトベルチシリウム属(Streptoverticillium mobaraense IFO13819)起源の市販のトランスグルタミナーゼ(味の素(株)製「アクティバ」TG、比活性1000ユニット/g)を用いた。また、コラーゲンとしては(株)ニッピ社製の「FGC」(商品名)を用いた。尚、「FGC」は魚由来の酸処理コラーゲンであり前述のゼリー強度測定において、ゼリー強度が226gであった。尚、Streptoverticillium mobaraenseは現在の微生物学の分類によると、Streptomyces mobaraensisとされている。
解凍した冷凍生スケソウダラの卵(アメリカ産、柔子種)の各1Kgを表1に示すように、トランスグルタミナーゼ及びコラーゲンを含有しない1次調味液(試験区1)、トランスグルタミナーゼ(原材料100g当たり20U)のみを含有する1次調味液(試験区2)、トランスグルタミナーゼ(原材料1g当たり20U)及び該コラーゲン(原材料100g当たり1.0g)の双方を含有する1次調味液(試験区3)にそれぞれ、20℃にて20時間浸漬保持する1次加工処理を行った。
次に、試験区1、2,3のスケソウダラの卵をトランスグルタミナーゼ及びコラーゲンを含有しない2次調味液に浸漬させ、5℃で4日間保持することにより辛子明太子を製造した。
試作した辛子明太子の官能評価結果を表2に示した。評価はパネラー4人により行い、試験区1の評点を0とし、−3〜3で評価を行った。辛子明太子で好ましい食感とは「粒子感」が1.5点〜2.5点、「付着感」が0.5点〜1.5点の範囲内であるものを指す。
表2に示すごとく、トランスグルタミナーゼ及びコラーゲンを含有する1次調味液に浸漬した試験区3の辛子明太子は試験区1及び2の辛子明太子に比較して「粒子感」「付着感」ともに好ましい評価を得た。
実施例2
処理法、ゼリー強度が異なる魚由来コラーゲンを用いる以外、実施例1の試験区3と全く同じ条件で辛子明太子を製造する。使用したコラーゲンは表3に示す。
表4の結果に示すように、コラーゲンB,C,Dを用いて調製した辛子明太子は粒子感、付着感とも良好である。辛子明太子において、好ましい食感とは無添加区の評点を0とし、−3〜3で評価を行った場合、「粒子感」が1.5点〜2.5点、「付着感」が0.5点〜1.5点の範囲内であるものを指す。
実施例3
実施例1と同じストレプトベルチシリウム属(Streptoverticillium mobaraense IFO13819)起源の市販のトランスグルタミナーゼ(味の素(株)製「アクティバ」TG)及び(株)ニッピ社製の魚由来の酸処理コラーゲン(商品名FGC、ゼリー強度226g)を用いて魚卵加工食品用酵素製剤を調製する。当該酵素製剤100g中にトランスグルタミナーゼが5000ユニット、コラーゲンが50重量部含まれている。
解凍した冷凍生スケソウダラの卵(アメリカ産、柔子種)の1Kgに当該酵素製剤を含有する1次調味液に20℃にて20時間浸漬、保持する。次に、トランスグルタミナーゼ及びコラーゲンを含有しない2次調味液に浸漬させ5℃で4日間保持することにより辛子明太子を製造する。このようにして得られた辛子明太子は粒子感、付着感とも優れたものである。
トランスグルタミナーゼと所定のコラーゲンを用いることにより、自然由来で食感にばらつきのある魚卵の「粒子感」及び「付着感」をコントロールし、嗜好的により好ましい食感の魚卵加工品の製造が可能となる。

Claims (9)

  1. 1)トランスグルタミナーゼ及び2)魚由来でゼリー強度が185〜265ブルームである酸処理コラーゲン若しくは魚由来でゼリー強度が235〜265ブルームであるアルカリ処理コラーゲンを含有する魚卵加工用製剤。
  2. 請求項1記載の魚卵加工用製剤を魚卵に接触させることを特徴とする魚卵加工食品の製造方法。
  3. 請求項1記載の魚卵加工用製剤を溶解して得た調味液に魚卵を浸漬することを特徴とする魚卵加工食品の製造方法。
  4. 1)トランスグルタミナーゼ及び2)魚由来でゼリー強度が185〜265ブルームである酸処理コラーゲン若しくは魚由来でゼリー強度が235〜265ブルームであるアルカリ処理コラーゲンを魚卵に接触させることを特徴とする魚卵加工食品の製造方法。
  5. 1)トランスグルタミナーゼ及び2)魚由来でゼリー強度が185〜265ブルームである酸処理コラーゲン若しくは魚由来でゼリー強度が235〜265ブルームであるアルカリ処理コラーゲンを溶解して得た調味液に魚卵を浸漬することを特徴とする魚卵加工食品の製造方法。
  6. 調味液の塩分濃度が0.5〜26%であることを特徴とする請求項3又は5記載の魚卵加工食品の製造方法。
  7. 魚卵がスケソウダラの卵であることを特徴とする請求項3又は5記載の魚卵加工食品の製造方法。
  8. 調味液に魚卵を浸漬する際に、10〜72時間浸漬することを特徴とする請求項3又は5記載の魚卵加工食品の製造方法。
  9. 魚卵加工食品が辛子明太子である請求項3又は5記載の製造方法。
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