JP2009034072A - 食肉改質剤 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、従来の食肉改質剤又は食肉改質方法に比べてより安全性が高く、かつ簡便に使用可能な食肉改質剤及び食肉改質方法を提供することを目的とする。
【解決手段】トランスグルタミナーゼとポリグルタミン酸とを含有する食肉改質剤、及びこれらを併用した食肉の改質方法を提供する。
【選択図】図1
【解決手段】トランスグルタミナーゼとポリグルタミン酸とを含有する食肉改質剤、及びこれらを併用した食肉の改質方法を提供する。
【選択図】図1
Description
本発明は、新規食肉改質剤、該改質剤を利用した食肉の改質方法、及び該方法により改質された食肉から製造される飲食品に関する。
一般的に、畜肉、魚介類に加熱処理を施すと、表面が硬化し、パサパサとした好ましくないテクスチャーを生じる。現在までにこのようなテクスチャーを改善するための手段として、カルシウム含有液と重合リン酸塩含有液とを併用する方法(特許文献1)や、これにさらにトランスグルタミナーゼを併用する方法(特許文献2)などが報告されている。
重合リン酸塩、例えばポリリン酸ナトリウムやメタリン酸ナトリウムは、ハム、ソーセージ、種々の魚肉練り製品などの結着性及び弾力の向上のために従来から使用されている結着補強剤である。重合リン酸塩は、筋原繊維に結合したカルシウムイオンを遊離させる能力により、アクチンとミオシンとの結合を弱め、タンパク質の保水性に資するため、水の筋肉中への取り込みを促進させることで畜肉、魚介類の歩留まりを向上させることができる。
一方、トランスグルタミナーゼ(以下、「TG」ともいう。)は、ペプチド鎖中のグルタミン残基へのアミン化合物の共有結合的付加反応やペプチド鎖間のε‐(γ‐グルタミン)リジン・イソペプチド結合による架橋形成反応を進行させて、食品のテクスチャーの改善を可能にする。現在までに、トランスグルタミナーゼの添加によるポークとチキンソーセージのテクスチャーの改善が報告されており、トランスグルタミナーゼの食肉製品への利用は既に幅広く実用化されている。
しかし、カルシウム含有液と重合リン酸塩含有液を使用する方法は、カルシウム含有液と重合リン酸塩含有液とを正しい順序で順次的に使用する必要がある。加えて、重合リン酸の使用は、リンの過剰摂取による腎臓、尿細管への障害、或いは血中カルシウムの低下などの問題が懸念されており、近年の食品の安全性や健康志向の高まりから、これに変わる結着剤の使用が望まれている。
本発明は、従来の食肉改質剤又は食肉改質方法に比べてより安全性が高く、かつ簡便に使用可能な食肉改質剤及び食肉改質方法を提供することを目的とする。
ポリグルタミン酸(以下、「PG」ともいう。)はD及びL−グルタミン酸がγ−グルタミル結合で連結した分子量数千から数百万、もしくはそれ以上の酸性の水溶性高分子である。これは、フラクタンとともに、納豆の粘性を構成する成分で、Bacillus属細菌にて生産される。ポリグルタミン酸の主な特性は高い保水性、保湿性、増粘性である。現在では工業的な規模で量産が可能となり、新素材として食品分野への応用が期待されている。
本発明者らは、重合リン酸塩に代わる結着補強剤としてポリグルタミン酸に着目し、トランスグルタミナーゼとポリグルタミン酸とを食肉に併用したところ、トランスグルタミナーゼ又はポリグルタミン酸をそれぞれ単独で使用するよりも、食肉の歩留まりを有意に増加することを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は以下の特徴を包含する:
(1)トランスグルタミナーゼとポリグルタミン酸とを含有することを特徴とする食肉改質剤。
(2)液体組成物であることを特徴とする(1)に記載の食肉改質剤。
(3)粉末状組成物であることを特徴とする(1)に記載の食肉改質剤。
(4)トランスグルタミナーゼとポリグルタミン酸とを食肉に添加することを含む食肉の改質方法。
(5)(4)に記載の方法により改質した食肉を原料として製造された飲食品。
(6)食肉加工品又は水産加工品である、(5)に記載の飲食品。
(1)トランスグルタミナーゼとポリグルタミン酸とを含有することを特徴とする食肉改質剤。
(2)液体組成物であることを特徴とする(1)に記載の食肉改質剤。
(3)粉末状組成物であることを特徴とする(1)に記載の食肉改質剤。
(4)トランスグルタミナーゼとポリグルタミン酸とを食肉に添加することを含む食肉の改質方法。
(5)(4)に記載の方法により改質した食肉を原料として製造された飲食品。
(6)食肉加工品又は水産加工品である、(5)に記載の飲食品。
本発明は、人体への影響が懸念される重合リン酸塩を使用しないため、より安全性に優れている。また本発明で使用するトランスグルタミナーゼ及びポリグルタミン酸の使用順序に制限はないため、これらの混合物として食肉改質剤を提供することができ、さらにこれらを用いた食肉の改質方法も簡略化することができるという利点を有する。
本明細書で使用する食肉の「改質」という用語は、食肉の歩留まりの増加の他、食肉の、テクスチャーの改変、弾力性の改変、凝集性の改変、ガム性の改変、咀嚼性の改変、付着性の改変及び官能特性の改変の1以上を意味し得る。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明は、トランスグルタミナーゼとポリグルタミン酸とを含有する食肉改質剤に関する。
本発明は、トランスグルタミナーゼとポリグルタミン酸とを含有する食肉改質剤に関する。
本発明の食肉改質剤による改質の対象となる食肉としては、例えば生又は冷凍解凍した牛肉、豚肉、鶏肉、七面鳥肉、馬肉、羊肉などの鳥獣肉、鮪、鮭、秋刀魚、鯵、鯛などの魚肉類が挙げられる。またこれらの比較的脂分の少ない部位に適用することが好ましい。
本発明で使用するトランスグルタミナーゼは、トランスグルタミナーゼ活性を有するものであれば、その起源及び製法に特に制限はなく、例えば微生物由来のもの(例えば、特許第3720363号公報;特開平1−27471号公報参照)、モルモット肝臓由来のもの(特公平1−50382号公報参照)、魚由来のもの(例えば、特開平07−023787公報;関信夫ら、昭和63年度日本水産学会秋季大会講演要旨集 167頁参照)、その他遺伝子組換え手法によって製造されるものなどを使用することができる。また、トランスグルタミナーゼは様々な製造業者から販売されており、これらの市販のトランスグルタミナーゼを用いてもよい。
本発明で使用するポリグルタミン酸は、グルタミン酸がγ位で重合したもので、1分子中に酸性を示すカルボキシル基が、重合したグルタミン酸の数と同数存在しているものである。本発明において、ポリグルタミン酸は、納豆菌などのポリグルタミン生成菌、その他の微生物を利用して製造することができ、使用可能なポリグルタミン酸の分子量は特に限定されないが、好ましくは数十万から数百万、特に好ましくは20万から200万のものである。ポリグルタミン酸の製造方法については、例えば特公昭43−24472、特開平01−174397などを参照されたい。また、ポリグルタミン酸は様々な製造業者から販売されており、これらの市販のポリグルタミン酸を使用することもできる。
本発明で使用するポリグルタミン酸は、そのカルボキシル基が、カルボキシル基のままであっても、ナトリウム塩、カリウム塩などの塩形態であってもよい。塩形態のポリグルタミン酸は、ポリグルタミン酸を水に懸濁し、水酸化物塩で中和してポリグルタミン酸をすべて溶解させ、中和した水溶液を凍結乾燥することによって得ることができる。
本発明の食肉改質剤は、場合により、本発明の効果を害したり、健康上の問題を生じない範囲において、食塩、醤油、砂糖、動植物エキス、タンパク質加水分解物などの食用調味料;乳糖、マルチトール、ソルビトール、デキストリン、グルコース、澱粉類、多糖類、ペクチンなどの食品用賦形剤;塩化カルシウム、亜硫酸ナトリウム、重曹などの酵素安定化剤;エリソルビン酸などの抗酸化剤;硝酸カリウム、L−アスコルビン酸などの発色剤、などをさらに含んでもよい。
本発明の食肉改質剤中のトランスグルタミナーゼに対するポリグルタミン酸の配合比は、特に制限されないが、一般的には1:0.1〜1:10、より好ましくは1:0.25〜1:0.75である。
本発明の食肉改質剤は、トランスグルタミナーゼ及びポリグルタミン酸、並びに場合により上述した成分を、一般的な方法により均一に混合して得ることができる。その形状は特に限定されるものではなく、粉末状、顆粒状、液体状又はカプセル状であり得る。本発明の食肉改質剤の好ましい形状は、粉末状又は液状である。
本発明の食肉改質剤が液体の形態を採る場合には、ポリグルタミン酸が上記塩形態であることが好ましい。これによりポリグルタミン酸が水溶性になるからである。この場合、トランスグルタミナーゼ及びポリグルタミン酸を適当な溶媒(例えば水、生理食塩水又はこれより低濃度の塩水など)中に分散させることにより製剤化することができる。
本発明の食肉改質剤によれば、トランスグルタミナーゼ及びポリグルタミン酸の相乗効果により、それぞれを単独で用いるよりも有意に食肉の歩留まりを増加することができる。また、下記に記載するように、本発明の食肉改質剤に含まれるトランスグルタミナーゼ及びポリグルタミン酸の量を操作することにより、食肉のテクスチャーの改変も可能である。
本発明はまた、トランスグルタミナーゼとポリグルタミン酸とを食肉に添加することを含む食肉の改質方法に関する。
トランスグルタミナーゼ及びポリグルタミン酸による改質の対象となる食肉としては、例えば生又は冷凍解凍した牛肉、豚肉、鶏肉、七面鳥肉、馬肉、羊肉などの鳥獣肉、鮪、鮭、秋刀魚、鯵、鯛などの魚肉類が挙げられる。またこれらの比較的脂分の少ない部位に適用することが好ましい。
添加されるトランスグルタミナーゼ及びポリグルタミン酸の形態は、粉末状であってもよいし液状であってもよい。液状で添加する場合には、トランスグルタミナーゼ及びポリグルタミン酸を適当な溶媒(例えば水、生理食塩水又はこれより低濃度の塩水)中に分散させたものを添加することができる。
トランスグルタミナーゼ及びポリグルタミン酸の添加は、食肉の種類、形態などにより異なるが、例えば、該改質剤を食肉の表面に直接塗布又は噴霧する、該改質剤に食肉を浸漬させる、該改質剤を食肉中に注入する、或いは該改質剤と食肉とを混合することを含む。トランスグルタミナーゼ及びポリグルタミン酸の添加は、同時であっても順次的であってもよく、その順序は問わない。
トランスグルタミナーゼ及びポリグルタミン酸の食肉への添加量は、一般的には例えば畜肉であれば1Kgあたりに対するトランスグルタミナーゼの添加量が20〜3000ユニット、好ましくは100〜1000ユニットであり、ポリグルタミン酸の食肉に対する添加量が0.1〜3重量%、好ましくは0.5〜2重量%となるように食肉へ添加することができる。ただし、添加量は上記範囲に限定されるものではなく、改質の対象となる食肉の種類又は筋肉タンパク質量、処理温度、所望されるテクスチャーなどに応じて変化し得る。なお、トランスグルタミナーゼの活性単位は、以下のように測定され、定義される。すなわち、37℃、pH6.0のトリス緩衝液中、ベンジルオキシカルボニル−L−グルタニルグリシンとヒドロキシルアミンを基質として酵素反応をおこない、トリクロロ酢酸で反応停止するとともに生成したヒドロキシム酸を鉄錯体とし、525nmの吸光度を測定する。対照として、熱失活した酵素液を用いた反応液の吸光度を同様に測定し、その吸光度の差からヒドロキサム酸の生成量をあらかじめ作成した検量線より求め、1分間に1μモルのヒドロキサム酸を生成する酵素量を1ユニット(U)とする(特開昭64−27471号参照)。
本発明の方法によれば、トランスグルタミナーゼ及びポリグルタミン酸の相乗効果により、それぞれを単独で用いるよりも有意に食肉の歩留まりを増加することができる(下記の実施例、及び図1参照)。また本発明は、トランスグルタミナーゼ及びポリグルタミン酸の使用順序に制限が無いため、簡便な操作で実施することが可能である。
本発明の方法はさらに、添加するトランスグルタミナーゼ及びポリグルタミン酸の量を調節することによって、食肉の破断強度及び硬さ荷重の操作が可能である(下記の実施例、及び図2参照)。したがって、食肉に対するトランスグルタミナーゼ及びポリグルタミン酸の添加量を操作することにより、歩留まりを向上させつつ、食肉のテクスチャーを調節することが可能であり得るため、従来には無いテクスチャーの食肉や、特定の需要者向きの食肉を提供し得る。例えば、介護食向きの柔らかいテクスチャーを有する食肉を提供する場合には、本発明の食肉改質剤中のトランスグルタミナーゼの配合割合を少なめに、かつポリグルタミン酸の配合割合を多めに適宜調製すればよい。
本発明はまた、上記のようにして改質された食肉を原料として製造された飲食品に関する。
本発明の飲食品としては、特に制限はなく、鳥獣肉又は魚肉類を主成分とする全ての飲食品を含み得る。例えば本発明の飲食品として、ハム、ソーセージ、ハンバーグなどの食肉加工品;かまぼこ、はんぺん、ちくわ、魚肉ソーセージ、さつま揚げなどの水産加工品を挙げることができる。本発明の飲食品が、食肉加工品又は水産加工品であることが好ましい。
また原料とする食肉は、同一種のものでもよいし、合挽き肉のように異なる2種類以上の素材を混合したものでもよい。
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明する。但し、本発明はこれらに限定されるものではない。
本実施例では、テクスチャー改変効果を有するトランスグルタミナーゼ、又は高い保水性をもつポリグルタミン酸、或いはその両者を利用したソーセージを試作し、それらの歩留まり、テクスチャー及び外観の評価を行い、トランスグルタミナーゼとポリグルタミン酸とが食肉製品の物性にどのような影響を与えているかを検討した。
材料及び方法
原料肉は国産の豚モモ肉と豚背脂肪を使用した。トランスグルタミナーゼ粉末は味の素株式会社製、ポリグルタミン酸は明治ポリグルタミン酸、重合リン酸塩は市販の重合ポリリン酸塩、食塩とL−アスコルビン酸Naは和光純薬工業株式会社製、亜硝酸Naは半井科学薬品株式会社製を用いた。
原料肉は国産の豚モモ肉と豚背脂肪を使用した。トランスグルタミナーゼ粉末は味の素株式会社製、ポリグルタミン酸は明治ポリグルタミン酸、重合リン酸塩は市販の重合ポリリン酸塩、食塩とL−アスコルビン酸Naは和光純薬工業株式会社製、亜硝酸Naは半井科学薬品株式会社製を用いた。
トランスグルタミナーゼ溶液の調製
上記トランスグルタミナーゼ粉末を以下のように調製して使用した。20mM食塩溶液40mlにトランスグルタミナーゼ粉末3gを溶解した。これを高速冷却遠心機(日立 himac CR20E)を用いて12000rpm、20分、4℃にて遠心分離を行った。その上澄みをfillter No.5にてろ過した。これをエッペンチューブに1mlずつ分注し、凍結保存した。ビュレット法による吸光度測定の結果、トランスグルタミナーゼの濃度は3.4mg/mlであった。
上記トランスグルタミナーゼ粉末を以下のように調製して使用した。20mM食塩溶液40mlにトランスグルタミナーゼ粉末3gを溶解した。これを高速冷却遠心機(日立 himac CR20E)を用いて12000rpm、20分、4℃にて遠心分離を行った。その上澄みをfillter No.5にてろ過した。これをエッペンチューブに1mlずつ分注し、凍結保存した。ビュレット法による吸光度測定の結果、トランスグルタミナーゼの濃度は3.4mg/mlであった。
各試験区の配合
各試験区における、ソーセージに添加したポリグルタミン酸(PG)、トランスグルタミナーゼ(TG)、リン酸塩、及びその他の成分の配合割合を表1及び表2に示す。
各試験区における、ソーセージに添加したポリグルタミン酸(PG)、トランスグルタミナーゼ(TG)、リン酸塩、及びその他の成分の配合割合を表1及び表2に示す。
ソーセージの調製手順
以下の手順によりソーセージを調製した:
細切処理:ミートグラインダーにて原料肉を細切した。
加水:水を半量に分け、1液(1.5%食塩、0.12%アスコルビン酸、及び0.02%亜硝酸Na)、2液(重合リン酸塩、又はトランスグルタミナーゼ)とした。
混合:細切した原料肉に1液を入れ、粘りが出るまで混合した。その後、ポリグルタミン酸を粉末添加し、上記各試験区に従い、2液を加えてさらに混合した。
充填:このミート・エマルジョンを羊腸に充填した。
テンパリング:これを4℃、24時間冷蔵庫にて保持した。トランスグルタミナーゼ及びポリグルタミン酸のタンパクとの反応促進のためのプロセスを付け加えた。
加熱処理:70℃にて30分ボイルした。
冷却:直ちに氷水にて冷却した。
保存:通気トレーに入れ、冷蔵庫にて4℃、6日間保持した。
以下の手順によりソーセージを調製した:
細切処理:ミートグラインダーにて原料肉を細切した。
加水:水を半量に分け、1液(1.5%食塩、0.12%アスコルビン酸、及び0.02%亜硝酸Na)、2液(重合リン酸塩、又はトランスグルタミナーゼ)とした。
混合:細切した原料肉に1液を入れ、粘りが出るまで混合した。その後、ポリグルタミン酸を粉末添加し、上記各試験区に従い、2液を加えてさらに混合した。
充填:このミート・エマルジョンを羊腸に充填した。
テンパリング:これを4℃、24時間冷蔵庫にて保持した。トランスグルタミナーゼ及びポリグルタミン酸のタンパクとの反応促進のためのプロセスを付け加えた。
加熱処理:70℃にて30分ボイルした。
冷却:直ちに氷水にて冷却した。
保存:通気トレーに入れ、冷蔵庫にて4℃、6日間保持した。
試験方法
試験の項目と方法を以下に示す。
(1)歩留まり(%)の測定
ボイル前とボイル後のソーセージの重量を測定し、歩留まり(%)を下記の計算式で求めた:
歩留まり(%)=100−〔(ボイル前重量−ボイル後重量)×100/ボイル前重量〕
(2)破断強度の測定
冷蔵保存後のソーセージをカッターナイフで1×1×2cmの直方体に切り出し、カッターナイフ(No.21)のプランジャーを装着した。CREEPMETER(山電RE2−33005S、−3305S)を使用し、圧縮速度1mm/秒で95%まで圧縮したときのプランジャーに対する荷重を測定し、破断点での荷重を破断強度とした。
(3)硬さ荷重の測定
冷蔵保存後のソーセージをカッターナイフで直径2cm、厚さ1cmの円柱状に切り出し、直径3mmの円柱状プランジャーを装着した。CREEPMETER(山電RE2−33005S、−3305S)を使用し、圧縮速度5mm/秒で70%まで圧縮した時のプランジャーに対する荷重を測定した。
(4)外観検査
冷蔵保存したソーセージの3日後から6日後までの外見上の変化(ケーシングのしわや縮み等)や離水状況を目視にて検査した。
試験の項目と方法を以下に示す。
(1)歩留まり(%)の測定
ボイル前とボイル後のソーセージの重量を測定し、歩留まり(%)を下記の計算式で求めた:
歩留まり(%)=100−〔(ボイル前重量−ボイル後重量)×100/ボイル前重量〕
(2)破断強度の測定
冷蔵保存後のソーセージをカッターナイフで1×1×2cmの直方体に切り出し、カッターナイフ(No.21)のプランジャーを装着した。CREEPMETER(山電RE2−33005S、−3305S)を使用し、圧縮速度1mm/秒で95%まで圧縮したときのプランジャーに対する荷重を測定し、破断点での荷重を破断強度とした。
(3)硬さ荷重の測定
冷蔵保存後のソーセージをカッターナイフで直径2cm、厚さ1cmの円柱状に切り出し、直径3mmの円柱状プランジャーを装着した。CREEPMETER(山電RE2−33005S、−3305S)を使用し、圧縮速度5mm/秒で70%まで圧縮した時のプランジャーに対する荷重を測定した。
(4)外観検査
冷蔵保存したソーセージの3日後から6日後までの外見上の変化(ケーシングのしわや縮み等)や離水状況を目視にて検査した。
結果および考察
歩留まりについて
測定結果を図1に示す。トランスグルタミナーゼの添加により、濃度依存的に歩留まりの低減が認められたが、有意な差は得られなかった。ポリグルタミン酸の添加により、濃度依存的に歩留まりは増加したが、コントロールに対する有意な差は得られなかった。両者を併用すると、ポリグルタミン酸の濃度に依存して歩留まりが増加し、1.0%PG+2.0%TG添加区、1.5%PG+2.0%TG添加区において、コントロールに対し有意な差が得られた(P<0.05)。各PG+TG濃度間ではポリグルタミン酸のみを使用した添加区よりも歩留まりの増加量が多かった。これらの結果から、ポリグルタミン酸とトランスグルタミナーゼの歩留まりに対する相乗効果が示唆された。
歩留まりについて
測定結果を図1に示す。トランスグルタミナーゼの添加により、濃度依存的に歩留まりの低減が認められたが、有意な差は得られなかった。ポリグルタミン酸の添加により、濃度依存的に歩留まりは増加したが、コントロールに対する有意な差は得られなかった。両者を併用すると、ポリグルタミン酸の濃度に依存して歩留まりが増加し、1.0%PG+2.0%TG添加区、1.5%PG+2.0%TG添加区において、コントロールに対し有意な差が得られた(P<0.05)。各PG+TG濃度間ではポリグルタミン酸のみを使用した添加区よりも歩留まりの増加量が多かった。これらの結果から、ポリグルタミン酸とトランスグルタミナーゼの歩留まりに対する相乗効果が示唆された。
また、今回の実験ではポリグルタミン酸を粉末添加にしたが、歩留まりの結果から問題はないと考えられる。
破断強度および硬さ荷重について
測定結果を図2に示す。トランスグルタミナーゼの添加により、濃度依存的に破断強度、硬さ荷重が有意に増加した(P<0.05)。一方、ポリグルタミン酸の添加により、濃度依存的に破断強度、硬さ荷重が低下する傾向が認められた。両者を併用すると破断強度、硬さ荷重が増加した。破断強度では0.5%PG+2.0%TG添加区において、硬さ荷重では0.5%PG+2.0%TG添加区と1.0%PG+2.0%TG添加区において、有意な増加が認められた(P<0.05)。
測定結果を図2に示す。トランスグルタミナーゼの添加により、濃度依存的に破断強度、硬さ荷重が有意に増加した(P<0.05)。一方、ポリグルタミン酸の添加により、濃度依存的に破断強度、硬さ荷重が低下する傾向が認められた。両者を併用すると破断強度、硬さ荷重が増加した。破断強度では0.5%PG+2.0%TG添加区において、硬さ荷重では0.5%PG+2.0%TG添加区と1.0%PG+2.0%TG添加区において、有意な増加が認められた(P<0.05)。
外観検査について
ソーセージの3日後から6日後までの経時変化を観察したところ、外見上の変化(ケーシングのしわや縮み等)や離水は見られなかった。
ソーセージの3日後から6日後までの経時変化を観察したところ、外見上の変化(ケーシングのしわや縮み等)や離水は見られなかった。
実験の結果、TG添加区は物性を改善するが歩留まりは減少し、PG添加区は歩留まりを増加させるが物性の改善は見られなかった。しかし、PG+TG併用区は物性と歩留まりの両方が向上した。
以上のことからトランスグルタミナーゼとポリグルタミン酸を併用することで、リン酸塩無添加でも、従来にはない新規なテクスチャーを有した食肉製品の開発の可能性が示唆された。
Claims (6)
- トランスグルタミナーゼとポリグルタミン酸とを含有することを特徴とする食肉改質剤。
- 液体組成物であることを特徴とする請求項1に記載の食肉改質剤。
- 粉末状組成物であることを特徴とする請求項1に記載の食肉改質剤。
- トランスグルタミナーゼとポリグルタミン酸とを食肉に添加することを含む食肉の改質方法。
- 請求項4に記載の方法により改質した食肉を原料として製造された飲食品。
- 食肉加工品又は水産加工品である、請求項5に記載の飲食品。
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5613844B2 (ja) * | 2011-10-28 | 2014-10-29 | マルハニチロ株式会社 | 食感を改良した魚介類加工品の製造方法 |
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2007
- 2007-08-03 JP JP2007203410A patent/JP2009034072A/ja active Pending
Cited By (2)
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JP5613844B2 (ja) * | 2011-10-28 | 2014-10-29 | マルハニチロ株式会社 | 食感を改良した魚介類加工品の製造方法 |
JPWO2013062093A1 (ja) * | 2011-10-28 | 2015-04-02 | マルハニチロ株式会社 | 食感を改良した魚介類加工品の製造方法 |
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