JP3163829B2 - カニ様食品素材の製造法 - Google Patents

カニ様食品素材の製造法

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JP3163829B2 JP05831193A JP5831193A JP3163829B2 JP 3163829 B2 JP3163829 B2 JP 3163829B2 JP 05831193 A JP05831193 A JP 05831193A JP 5831193 A JP5831193 A JP 5831193A JP 3163829 B2 JP3163829 B2 JP 3163829B2
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隆徳 梶原
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本願発明は、魚肉すりみを主原料
として加工されるカニしゅうまい、カニ風味蒲鉾の水産
練製品おいて、粉末コラーゲン、水、魚肉すりみ、でん
粉の混合物にトランスグルタミナーゼを作用させて得ら
れるカニ様食感を有する食品素材の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】カニしゅうまい、カニ風味蒲鉾の水産練
製品において、カニ特有の適度な弾力と繊維感、粒感の
ある食感を付与するためには、天然のカニ棒肉等を使用
するか、魚肉すりみを主原料とした練製品を加熱変性さ
せた後、繊維状にカット処理した水産加工品を使用して
きた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本願発明の課題は、製
造プロセスにおいて加熱工程を必要としない安価なカニ
様食品素材を得ることである。更に、カニ様食品素材に
適度なゲル強度を持たせることにより、繊維状、粒状に
加工する場合の破砕耐性を賦与し、かつ水産練製品の最
終製品においても良好な繊維感、粒感を賦与することで
ある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本願発明者らは、前記課
題を解決するべく鋭意検討した結果、トランスグルタミ
ナーゼを、粉末コラーゲン、水、魚肉すりみ、でん粉の
混合物に作用させることによって、前記の課題を解決で
きることを見い出し、本願発明を完成した。
【0005】すなわち本願発明は、トランスグルタミナ
ーゼを、粉末コラーゲン10部、水100部、魚肉すり
み2〜20部、及びでん粉2〜10部からなる混合物に
添加し、0〜15℃で5〜72時間の酵素反応を行った
後、5〜10mmミンチ処理もしくは繊維状カット処理
することを特徴とするカニ様食感を有する食品素材の製
造方法であり、このときのトランスグルタミナーゼの添
加量は、蛋白1g当り1〜30ユニットである。
【0006】さらに本願発明は、トランスグルタミナー
ゼを、粉末コラーゲン10部、水100部、魚肉すりみ
2〜20部、でん粉2〜10部、糖類、及び増粘多糖類
からなる混合物に添加し、0〜15℃で5〜72時間の
酵素反応を行った後、5〜10mmミンチ処理もしくは
繊維状カット処理することを特徴とするカニ様食感を有
する食品素材の製造方法である。
【0007】また本願発明は、5〜10mmミンチ処理
もしくは繊維状カット処理の後に冷凍処理を施すことを
特徴とする前記載の食品素材の製造方法である。
【0008】以下、本願発明を詳述する。
【0009】本願発明に使用する粉末コラーゲンは、豚
から一般的に抽出分離して調製されるコラーゲンを主成
分とする素材である。その配合割合は添加する水に対し
ておよそ10%である。
【0010】魚肉すりみとは、タラ類、ホキ、ハモ、シ
ログチ、イトヨリ等を原料とした摺味である。その配合
割合は添加する水に対して2〜20%である。
【0011】でん粉とは、馬鈴薯、小麦、米、とうもろ
こし等由来のでん粉で、特に限定されるものではない。
その配合割合は添加する水に対して2〜10%である。
【0012】糖類とは、砂糖、オリゴ糖等を示し、その
添加量は1〜10%(対全体)である。増粘多糖類と
は、グアガム、キサンタンガム、カラギーナン等を示
し、その添加量は0.05〜1%(対全体)である。こ
れらはカニ様食品素材の冷凍耐性を向上させる為に使用
するものである。
【0013】トランスグルタミナーゼは粉末コラーゲ
ン、魚肉すりみ、水、でん粉の混合物に作用させる。ま
た、トランスグルタミナーゼの添加量は、蛋白1gあた
り1〜30ユニットが適当である。1ユニット以下では
該酵素の反応効果が発揮されず、30ユニット以上では
蛋白が凝集化現象を示し、最終製品である練製品におい
て離水と食感の低下が起こり好ましくない。トランスグ
ルタミナーゼの反応条件は、0〜15℃で5〜72時間
を基本とする。但し、一般的に0〜60℃の範囲であれ
ば、酵素反応は可能である。
【0014】トランスグルタミナーゼとしては、カルシ
ウム非依存性のものとカルシウム依存性のものがある。
前者の例としては、微生物由来のもの(例えば、特開平
1−27471号公報参照)をあげることができる。後
者の例としては、モルモット肝臓由来のもの(特公平1
−50382号公報参照)、魚由来のものをあげること
ができる。この他、遺伝子組替えにより製造されるもの
等、いずれのトランスグルタミナーゼでも用いることが
でき、起源及び製法に限定されることはない。但し、機
能性及び経済性の点から、カルシウム非依存性のもの方
がよい。例えば、微生物由来のトランスグルタミナーゼ
(例えば、特開平1−27471号公報参照)等はいず
れの条件を満足するもので、現時点では最適といえる。
【0015】尚、トランスグルタミナーゼの活性単位
は、次のように測定され、かつ定義される。即ち、ベン
ジルオキシカルボニル−L−グルタミニルグリシンとヒ
ドロキシルアミンを基質として反応を行い、生成したヒ
ドロキサム酸をトリクロル酢酸存在下で鉄錯体を形成さ
せた後、525nmの吸光度を測定し、ヒドロキサム酸
の量を検量線より求め、活性を算出する。(特開平1−
27471号公報参照)
【0016】製造方法について詳細に述べる。トランス
グルタミナーゼは、添加と同時に酵素反応が進行するの
で、最初に、粉末コラーゲン10部、水100部、魚肉
すりみ2〜20部、でん粉2〜10部、調味料等をサイ
レントカッター、らい潰機等で5〜15分間混合する。
これに、トランスグルタミナーゼを添加して、更に3〜
5分間混合する。混合後は目的に応じた容器に移し、酵
素反応を行う。なお、酵素反応が終了したものは、冷蔵
保存もしくは冷凍保存する。
【0017】酵素反応は、前述のように0〜15℃で5
〜72時間を基本とする。0〜15℃での反応を行う理
由は、カニ様食品素材に適度な保存性を付与するためで
ある。また、酵素は最終製品での調理加熱(芯温80℃
以上)で失活される。
【0018】加工処理としては、酵素反応を終えた練製
品を5〜10mmミンチ処理、もしくはカニ肉様に繊維
状カット処理を行うことである。これによって得られた
食品素材は、カニ様の食感を有し、カニしゅうまい、カ
ニ風味蒲鉾の水産加工品に利用することができる。ま
た、調理加熱後においてもトランスグルタミナーゼの効
果により、カニ様の食感は維持される。
【0019】以上の製造方法により、カニ様食品素材は
製造される。
【0020】本願発明は、トランスグルタミナーゼによ
るコラーゲンと魚肉すりみの蛋白分子間の架橋重合によ
る網目構造の形成を特徴とするものである。これによ
り、コラーゲンに耐熱性が付与され、加熱後においても
適度な弾力が得られることとなる。
【0021】
【実施例】以下、実施例によって詳しく説明する。もち
ろん、これによって規定されるものではない。
【0022】(実施例1)表1記載レシピーの粉末コラ
ーゲン(太陽化学(株)製「サンプロGF−G」)25
g、魚肉すりみ0〜35g、水250g、澱粉(味の素
(株)製「白銀」)0〜35g、砂糖5g、グルタミン
酸ナトリウム1g、ガーリックペースト0.2g、ホワ
イトペッパー0.1gをサイレントカッターにて130
0rpmで7分間混合してから、放線菌ストレプトベル
チシリウムに属する微生物起源のトランスグルタミナー
ゼ(比活性1000ユニット/g) 0.15gを食塩5gに分散
したものを加え、更に1300rpmで3分間混合し
た。これをボウル等の容器に移し取り、5℃で20時間
酵素反応を行った後、9mmミンチ処理を行いカニ様食
品素材(試料A〜E)を得た。対照として、トランスグ
ルタミナーゼを添加せずに、試料A〜Eと同様に調製さ
れた食品素材(試料F)を得た。
【0023】
【表1】
【0024】試料A〜Fは、加熱前はともに9mmミン
チで過度に粉砕されることはなかったが、10分間の蒸
し調理による官能評価の結果、表1記載のように試料F
は、ゾル化して食感が悪いのに対し、試料B〜Dは良好
な弾力が維持され、カニ蒲鉾に近い食感であった。又、
試料A、Eはやや歯切れが悪かった。
【0025】(実施例2)実施例1記載のカニ様食品素
材(試料A、C、E、F)を使用してカニしゅうまい
(試料I〜IV)を作成した。配合はカニ様食品素材の
代わりにカニ落し身を使用した対照レシピー(試料V)
とともに表2に記載する。製造工程としては、中具混合
を行った後、15g/個に成型し、皮で包み、10分間
蒸し加熱を行った。それから、急速凍結を行いカニしゅ
うまい試料I〜Vを得た。
【0026】
【表2】
【0027】試料I〜IVを10分間の蒸し調理を行
い、官能評価を行った結果、試料IV、Vはしゅうまい
全体が均一な練製品の食感であったが、試料I〜IIIは
9mmミンチされたカニ様食品素材が添加されているた
め、中具食感にヘテロ感が認められた。特に、試料IIは
練製品の食感の中にカニ様の良好な食感が得られた。
【0028】
【発明の効果】トランスグルタミナーゼの作用により、
コラーゲンと魚肉すりみの蛋白分子間の架橋重合によっ
て網目構造が形成され、コラーゲンに耐熱性と加熱後に
おける適度な弾力が得られる。これらをカニしゅうまい
やカニ風味蒲鉾の水産練製品に利用することによりカニ
様食感が付与され、低コストで付加価値の高い製品の提
供を可能とした。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−158765(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A23L 1/325 101 A23L 1/33 JICSTファイル(JOIS)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 トランスグルタミナーゼを、粉末コラー
    ゲン10部、水100部、魚肉すりみ2〜20部、及び
    でん粉2〜10部からなる混合物に添加し、0〜15℃
    で5〜72時間の酵素反応を行った後、5〜10mmミ
    ンチ処理もしくは繊維状カット処理することを特徴とす
    るカニ様食感を有する食品素材の製造方法。
  2. 【請求項2】 トランスグルタミナーゼの添加量が、蛋
    白1g当り1〜30ユニットである請求項1記載の食品
    素材の製造方法。
  3. 【請求項3】 トランスグルタミナーゼを、粉末コラー
    ゲン10部、水100部、魚肉すりみ2〜20部、でん
    粉2〜10部、糖類、及び増粘多糖類からなる混合物に
    添加し、0〜15℃で5〜72時間の酵素反応を行った
    後、5〜10mmミンチ処理もしくは繊維状カット処理
    することを特徴とする請求項1記載の食品素材の製造方
    法。
  4. 【請求項4】 5〜10mmミンチ処理もしくは繊維状
    カット処理の後に冷凍処理を施すことを特徴とする請求
    項1乃至3記載の食品素材の製造方法
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ES2283529T3 (es) * 2001-03-30 2007-11-01 Ajinomoto Co., Inc. Preparaciones de enzimas para union y procedimiento para producir alimentos unidos y moldeados.

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