JP4380538B2 - 酵素製剤及びそれを用いる食品の製造法 - Google Patents

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Description

本発明はトランスグルタミナーゼを含有する酵素製剤及び該酵素製剤を用いる食品の製造法に関する。更に、詳細には当該酵素製剤は1)トランスグルタミナーゼ、2)コラーゲン、並びに3)当該酵素製剤を溶液に溶かした時にトランスグルタミナーゼ活性発現が抑制されたpH領域にpHを移行させる酸性又はアルカリ性物質を含有する酵素製剤及び該酵素製剤を用いる食品の製造法に関する。
尚、本明細書(特許請求の範囲も明細書に含む)においてはコラーゲンと記せば、ゼラチンを含むことにする。両者を区別することは難しく、現在、コラーゲンといえばゼラチンをも含む場合が多いことに勘案し、上記のように定義する。
トランスグルタミナーゼを各種タンパク質へ作用させ、その架橋重合反応により得られる効果を、食品、医薬、化成品などの分野へ応用する技術は、これまで数多く報告されている。そのなかでもコラーゲン(上記のようにゼラチンを含む)とトランスグルタミナーゼを組み合わせることによって得られる効果を利用した技術は、その利用される技術分野の広さから、盛んに研究開発がなされている。
トランスグルタミナーゼにより、コラーゲン分子間の架橋重合を強固にした改質コラーゲンの製造方法(特許出願番号第2897780号)。耐熱性に優れたゼラチンゲルやゲル状食品、ゼラチン皮膜やその製造方法に関する発明(特開平06−098743号公報、特開平07−227228号公報、特許第2866746号公報)やトランスグルタミナーゼとコラーゲンを組み合わせ強力な接着効果を有する接着成形食品の製造方法(特開平10−70961号公報)等の発明が知られている。
また、食品分野以外でも、充分な強度と耐熱性を兼ね備えたコラーゲンゲル型芳香剤とその製造法(特開平9−70428号公報)の報告もある。このように、トランスグルタミナーゼとコラーゲンの組み合わせにより得られる効果は、非常に利用価値が高く、有益な技術である。
しかしながら、コラーゲンはトランスグルタミナーゼとの反応性が極めて高いため、トランスグルタミナーゼとコラーゲンの混合溶液は、粘度上昇及びゲル化速度が非常に速いという特徴がある。
したがって、ゲル状物又は接着成型食品を製造する場合、トランスグルタミナーゼとコラーゲンを混合すると、直ちにゲル化が進行してしまうため、製造工程上種々の制約を受けることになる。
例えば、トランスグルタミナーゼとコラーゲン混合溶液に、固形状物を分散させる場合、ゲル化するまでの非常に短い時間内で作業を終了しなければならず、均一なゲル状製品を大量に得ることは難しい。
また、接着成形食品を製造する方法として、トランスグルタミナーゼとコラーゲンを水に溶解させた糊状物を、固形状食品素材に添加混合する方法が知られているが、このとき固形状食品素材を混合する前に糊状物のゲル化が完了してしまうと、充分な接着強度を有する加工食品を得ることは出来ない。
更に、ハム、ベーコン、焼き豚等の食肉加工品の製造に使用する塩漬剤及びピックルにコラーゲンを配合する場合があるが、このピックル液調製時にトランスグルタミナーゼとコラーゲンの反応が進み、粘度が上昇すると、インジェクションができなくなってしまうという問題が生じる。
従って、トランスグルタミナーゼとコラーゲンを含む食品を製造するためには、製造工程中で上手くトランスグルタミナーゼによる反応をコントロールすることが重要である。
トランスグルタミナーゼの酵素活性を抑制する方法の一つに、低温の水に溶解させる方法がある。この方法は、トランスグルタミナーゼ活性が低温では抑制される現象を利用したものであるが、その物性コントロール効果は十分なものとは言えず、又製造工程上そこまでの温度管理は現実的ではない。また、トランスグルタミナーゼとコラーゲンを別々の時期に添加することでゲル化をコントロールすることも可能であるが、製造工程上手間のかかる作業となり好ましくない。
接着成形食品の製造に限ってみると、トランスグルタミナーゼとコラーゲンを水に溶解させた糊状物を固形状食品原材料に添加する方法の他に、粉末または顆粒状のトランスグルタミナーゼ及びコラーゲンを固形状食品原材料に直接添加し接着させる方法が存在する。
従来のトランスグルタミナーゼを配合した酵素製剤では、この二つの方法どちらにも対応可能な汎用製剤は実現できていない。
従って、ある特定の製造方法に特化した専用製剤の使い分けをすることなく、すべての方法で充分な効果を得ることができる汎用性の高い接着製剤が望まれている。また、特開平10−70961号公報に開示されたトランスグルタミナーゼとコラーゲンを配合した接着剤では、充分な接着力が得られるものの、実際の生産現場ではさらにより短い反応時間でより強い接着力の得られる接着製剤が求められている。
本発明の課題は、トランスグルタミナーゼとコラーゲンを混合した溶液のゲル化を抑制することで、作業性が良好であり手間をかけずに高い品質の食品(ゲル状食品、接着成型食品等)を製造することができるトランスグルタミナーゼ及びコラーゲンを配合した酵素製剤と該酵素製剤を使用したゲル状食品、接着成形食品等の食品の製造法を提供することである。
本発明者は上述の課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、1)トランスグルタミナーゼ及び2)コラーゲンを含む溶液のpHを3以上5未満又は10以上12以下に調整することにより、溶液中でのゲル化を抑制し、食品の製造工程上適した物性を長時間保持することが出来ることを見出した。更に、このある特定のpH域に調整した1)トランスグルタミナーゼ及び2)コラーゲンを含む溶液に、食肉等のpH緩衝能を有する素材を添加混合し、その溶液のpHをトランスグルタミナーゼの至適反応pH域まで中和することにより、初めてトランスグルタミナーゼの効果が発現されることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は以下の通りである。
1.1)トランスグルタミナーゼ、2)コラーゲン、並びに3)当該酵素製剤を溶液に溶かした時にトランスグルタミナーゼ活性発現が抑制されたpH領域にpHを移行させる酸性又はアルカリ性物質を含有してなる酵素製剤。
2.該酵素製剤を溶液に溶かした時にトランスグルタミナーゼ活性発現が抑制されたpH領域がpH3以上5未満又は10以上12以下であることを特徴とする前記1記載の酵素製剤。
3.酸性又はアルカリ性物質がクエン酸、リンゴ酸、酒石酸、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、リン酸3ナトリウム、リン酸3カリウム、ピロリン酸4ナトリウム、ピロリン酸4カリウム、グリシンナトリウム、グリシンカリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、酸化カルシウム(焼成カルシウムとも言う)から選ばれる一種以上であることを特徴とする前記1記載の酵素製剤。
4.コラーゲンが魚介類由来のものである前記1記載の酵素製剤。
5.1)トランスグルタミナーゼ、2)コラーゲン、並びに3)該酵素製剤を溶液に溶かした時のpHが9以上12以下となるアルカリ性物質を含有し、かつ食品原材料に直接混合することを特徴とする酵素製剤。
6.アルカリ性物質が炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、リン酸3ナトリウム、リン酸3カリウム、ピロリン酸4ナトリウム、ピロリン酸4カリウム、グリシンナトリウム、グリシンカリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、酸化カルシウム(焼成カルシウムとも言う)から選ばれる一種以上であることを特徴とする前記5記載の酵素製剤。
7.コラーゲンが魚介類由来のものである前記5記載の酵素製剤。
8.前記1記載の酵素製剤を溶液に溶解し、当該溶液のpHをトランスグルタミナーゼ活性発現が抑制されたpH領域に移行させた後、当該溶液と食品原材料を混合せしめることにより、混合物のpHをトランスグルタミナーゼ活性が発現するpH領域に戻してトランスグルタミナーゼ反応を起こさせることを特徴とする食品の製造法。
9.トランスグルタミナーゼ活性発現が抑制されたpH領域がpH3以上5未満又は10以上12以下である前記8記載の食品の製造法。
10.トランスグルタミナーゼ活性が発現するpH領域がpH5以上8以下である前記8記載の食品の製造法。
11.食品がゲル状食品又は接着成形食品である前記8記載の食品の製造法。
12.前記1又は5記載の酵素製剤を、溶液に溶解することなく直接、食品原材料と混合することによりトランスグルタミナーゼ反応を起させることを特徴とする食品の製造法。
13.食品が接着成形製品である前記12記載の製造法。
14.前記1記載の酵素製剤を溶液に溶解し当該溶液のpHをトランスグルタミナーゼ活性発現が抑制されたpH領域に移行させた後、当該溶液を食品原材料へインジェクションすることにより、食品原材料中でトランスグルタミナーゼ反応を起させる事を特徴とする食品の製造法。
15.トランスグルタミナーゼ活性発現が抑制されたpH領域がpH3以上5未満又は10以上12以下である前記14記載の食品の製造法。
16.食品が単身品である前記14記載の食品の製造法。
17.1)トランスグルタミナーゼ、2)コラーゲン、並びに3)トランスグルタミナーゼとコラーゲンを溶液に溶かした時にトランスグルタミナーゼ活性発現が抑制されたpH領域にpHを移行させる酸性又はアルカリ性物質、の3成分を溶液に溶解させ、トランスグルタミナーゼ活性発現が抑制されたpH領域を有する当該溶液と食品原材料を混合せしめることにより、混合物のpHをトランスグルタミナーゼ活性が発現するpH領域に戻してトランスグルタミナーゼ反応を起こさせることを特徴とする食品の製造法。
トランスグルタミナーゼは、タンパク質又はペプチド鎖内のグルタミン残基のγ−カルボキシアミド基と一級アミンとのアシル転移反応を触媒し、一級アミンがタンパク質のリジン残基である場合は、ε−(γ−Glu)−Lys架橋結合を形成させる作用を有する酵素である。
本発明で使用するトランスグルタミナーゼは、トランスグルタミナーゼ活性を有する限り、その起源を特に問わず、例えばストレプトマイセス属(Streptmyces mobaraensis IFO13819。尚、以前はストレプトベルチシリウム属に分類されていたが、現在の分類ではストレプトベルチシリウムはストレプトマイセスと分類されている。)などの微生物由来のもの(MTGaseと略記する。特開昭64−27471号公報、米国特許第5156956号)、モルモットなどの哺乳動物由来のもの(特開昭58−14964号公報)、タラなどの魚類由来のもの(関伸夫ら、日本水産学会誌56巻1号125頁(1990))、血液中に存在するもの(Factor XIIIとも称される)、その他遺伝子組換法で生産されるもの(例えば、特開平1−300889号公報、特開平5−199883号公報、特開平6−225775号公報、WO93/15234号国際公開パンフレット)などを用いることができる。
本発明で使用するトランスグルタミナーゼとしては、上記のいずれのトランスグルタミナーゼも用いることができるが、商業的には大量生産可能で、安価に入手しやすい微生物由来のものを使用することが好ましい。
また、トランスグルタミナーゼには活性発現にカルシウムを必要とするカルシウム依存性のものと、活性発現にカルシウムを必要としないカルシウム非依存性のものがあるが、いずれのトランスグルタミナーゼを用いても良い。ただ、カルシウムが不要なカルシウム非依存性のものの方が使いやすい。
なお、本発明でいうトランスグルタミナーゼの活性単位は、次のようなヒドロキサメート法で測定され、かつ、定義される。すなわち、温度37℃、pH6.0のトリス緩衝液中、ベンジルオキシカルボニル−L−グルタミルグリシン及びヒドロキシルアミンを基質とする反応系で、トランスグルタミナーゼを作用せしめ、生成したヒドロキサム酸をトリクロロ酢酸存在下で鉄錯体にする。次に、反応系の525nmにおける吸光度を測定し、生成したヒドロキサム酸量を検量線により求める。そして、1分間に1μモルのヒドロキサム酸を生成せしめる酵素量をトランスグルタミナーゼの活性単位、即ち1ユニット(1U)と定義する(特開昭64−27471号公報、米国特許第5156956号)。
本発明で用いられるコラーゲンは、いかなる種類のものも用いることが可能である。本発明で用いられるコラーゲンの原料は特に限定されないが、動物や魚介類の骨、皮、軟骨、鱗、鰾などの動物組織から抽出されたものである。そのなかでも魚介類のコラーゲンは、水への溶解性が良いことが知られており、低温下でのコラーゲン溶液調製が必要なアプリケーションにおいて、非常に有用なものである。
特に接着成形食品の製造時には、衛生管理および品質劣化の観点から低温での作業が前提となる。そのため低温で溶解する魚介類由来のコラーゲンは接着成形食品製造に適しており、さらに強力な接着力が得られることも明らかとなっている。従って、本発明にかかる酵素製剤には魚介類由来のコラーゲンを用いる方が好ましい。
コラーゲンの溶解性や融点は、そのアミノ酸組成が寄与しており、プロリンとハイドロキシプロシリン含量に依存していると言われている。そこで、種々のコラーゲン(A〜E)のアミノ酸組成と、その接着における有効性の関係を明らかにした(表1、図1参照)。
Figure 0004380538
その結果、プロリンとハイドロキシプロリンの合計残基数が該コラーゲンの全アミノ酸残基数が0.1%以上で20%未満であるコラーゲンは、特に得られた接着力が高く、接着成形食品への使用に適していることが明らかとなった(PCT/JP02/02840号)。このアミノ酸組成をもつコラーゲンには魚介類由来のものである。
本発明でいうコラーゲンとは、動物や魚介類の動物組織から抽出して、精製することにより得られるものであり、抽出や分解方法、その変性度合いに特に制限はない。抽出の過程で、様々な程度に加水分解されるもので広範囲の分子量分布を呈するのが普通であり、いわゆる狭義のゼラチンに変化したものも本発明のコラーゲンに入る。
更に、コラーゲンは、精製品である必要はなく、本発明の初期の効果を阻害しない程度に一部脂肪、炭水化物、ペプチド、アミノ酸などを含有していても構わない。また、原料の由来は単一である必要はなく、複数の由来の異なるコラーゲン(ゼラチンを含む)を適当な割合で混合したものも本発明のコラーゲンの範疇に入る。
本発明にかかる酵素製剤の大きな特徴は、1)トランスグルタミナーゼ及び2)コラーゲン以外に3)当該酵素製剤を溶液に溶かした時にトランスグルタミナーゼ活性発現が抑制されたpH領域にpHを移行させる酸性又はアルカリ性物質を含有する点である。
より詳細に述べると、この酸性又はアルカリ性物質が当該酵素製剤を溶液(通常は水であるが、液状物等も含む)に溶かしたときに、当該溶液のpHをトランスグルタミナーゼ活性発現が抑制された領域、即ち、pH3以上5未満又は10以上12以下にする。
これらのpH領域は上述のようにトランスグルタミナーゼがほとんど作用しない領域なので、それ故、溶液のゲル化が抑制される。この為に、ゲル状食品、接着成形食品等の食品製造工程における作業性が著しく改良される。
酸性又はアルカリ性物質としては、酵素製剤を溶液に溶かした時にpHを3以上5未満又は10以上12以下にする物質であればいずれでもよい。通常、酵素製剤は水に溶かし約10〜25%溶液で使用される場合が多いので、該酵素製剤10〜25%水溶液のpHが3以上5未満又は10以上12以下にとなる物質を選べよい。また、これらのアルカリ性物質、酸性物質を2種以上組み合わせて用いてもよい。
アルカリ性物質(pHをアルカリ域に移行させる物質)としては、リン酸、炭酸などの無機酸などのナトリウム、カリウム、カルシウム若しくはマグネシウム塩が挙げられる。具体的には、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、リン酸3ナトリウム、ポリリン酸ナトリウム、ピロリン酸4ナトリウム、リン酸3カリウム、ピロリン酸4ナトリウム、ピロリン酸4カリウム、グリシンナトリウム、グリシンカリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、酸化カルシウム(焼成カルシウムとも言う)が挙げられる。
また、酸性物質(pHを酸性域に移行させる物質)としては、クエン酸、アジピン酸、グルコン酸、酢酸、乳酸、フマル酸、リンゴ酸、酒石酸、硫酸が挙げられる。
しかしながら、これらは限定的に列挙されたものではなく、本発明の目的が達成する限りは本発明においてはpHを調製する物資に入る。この中でも特に好ましく使われる酸性又はアルカリ性物質はクエン酸、リンゴ酸、酒石酸、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、リン酸3ナトリウム、リン酸3カリウム、ピロリン酸4ナトリウム、ピロリン酸4カリウム、グリシンナトリウム、グリシンカリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、酸化カルシウム(焼成カルシウムとも言う)である。
本発明の酵素製剤の必須構成成分である、1)トランスグルタミナーゼ、2)コラーゲン並びに3)酸性又はアルカリ性物質の配合量は特に制限されないが、トランスグルタミナーゼは通常酵素製剤1gあたり1U〜200U、好ましくは10U〜150Uの配合量、またコラーゲンについては、通常酵素製剤1gあたり0.1g〜0.9g、好ましくは0.2g〜0.6gの配合量である。また、酸性又はアルカリ性物質の配合量は酵素製剤の初発のpHがトランスグルタミナーゼ活性発現が抑制された領域のpH3以上5未満又は10以上12以下になるように配合されていれば、それ以外に特に制限はない。
また、本発明の酵素製剤は必ずしも1)トランスグルタミナーゼと2)コラーゲン、及び3)酸性又はアルカリ性物質が一つの容器内にブレンドされている必要はなく、一組の別々の容器に入れられている、いわゆる「キット」の形態のものも含まれる。本発明では、1)トランスグルタミナーゼ、2)コラーゲン、3)当該酵素製剤を溶液に溶かした時にトランスグルタミナーゼ活性発現が抑制されたpH領域にpHを移行させる酸性又はアルカリ性物質以外にも、様々の任意成分を配合することも出来る。
例えば、食品用賦形剤として知られる、乳糖、ショ糖、麦芽糖、マルチトール、ソルビトール、トレハロース等の糖類、デキストリン、分岐デキストリン、サイクロデキストリン、澱粉類、多糖類、ガム類、ペクチン類、寒天、カラギーナン、アルギン酸などの増粘剤等を含有することが出来る。
また、カゼイン類、各種動物性タンパク質、大豆タンパク質や小麦タンパク質などの植物性タンパク質を含有させることも出来る。
更には、調味料、砂糖、香辛料、着色料、発色剤、アスコルビン酸、その塩類などの有機酸類、乳化剤、油脂、微粒二酸化ケイ素等なども適宜配合することができる。
また、ピックルとして用いる場合は、上記の成分は、酵素製剤として配合される必要はなく、ピックル中に本発明の酵素製剤とは別に添加しても構わない。
次に、本発明の酵素製剤を用いて、ゲル状食品、接着成形食品等の食品を製造する方法について説明する。本発明は、トランスグルタミナーゼとコラーゲンを含む溶液のpHを3以上5未満又は10以上12以下に調整することにより溶液の粘度をコントロールする事が最も重要な技術である。
これは、トランスグルタミナーゼ活性のpH依存性及び安定性で説明が出来る。図2のpH依存性のグラフより、トランスグルタミナーゼの至適pHは5〜8であり、それ以外のpH域では、著しく活性発現が低下しており、トランスグルタミナーゼ反応が極めて進行しにくいことが明らかである。しかしながら、発明者は、同じく図2のpH安定性のグラフより、至適pH以外の領域、特に、アルカリ性側の領域において、トランスグルタミナーゼの安定性は良好に保持されていることに着目した。すなわち、溶液を、トランスグルタミナーゼ活性発現が極めて抑制されたpH域に移し、食品原材料への分散等の作業を施した後に、トランスグルタミナーゼ活性の至適pH域に移行させることで、トランスグルタミナーゼ反応が進行する。これにより、従来からの課題が解決され、十分な効果が発現されるのである。
このpHの移行方法は、トランスグルタミナーゼの充分な活性が得られるpH域に移行することが出来れば良く、その方法は限定されるものではない。例えば、pH緩衝能を有する原材料と混合することによって実現可能である。牛肉、豚肉、家禽肉、鶏肉、魚肉などの食肉など、動物体内に存在する体液、血液、組織液等、通常ドリップと呼ばれるものは、非常に強いpH緩衝能を有している。
従って、酵素製剤を溶液に溶解させ、このゲル化が抑制された溶液と食品原材料を混合することによって、pHをトランスグルタミナーゼ至適pH域(pH5以上8以下)へ移行させ、酵素反応を進行させることができる。これにより所望する食品、例えば、ゲル状食品や接着成形食品を製造することができる。
上述したようにトランスグルタミナーゼ活性発現が抑制されたpH領域ではゲル化が抑制される。この溶液に豚肉等を添加混合すると、豚肉等がもつpH緩衝作用により、pHが5〜8となる。また、本発明の酵素製剤を含むピックル溶液を、ハム、ベーコン、焼き豚などにインジェクションしても、同様な効果が得られ、品質の優れた単身品(ハム、ベーコン、焼き豚など)を得る事ができる。
畜肉等と異なり、食品原材料自身にpH緩衝能がない場合は、酸性、アルカリ性の物質又は酸やアルカリで処理した原料を加えることによっても溶液の中和は可能である。例えば、このような原料を溶液に添加することにより、生および乾燥具剤が分散されたゲル状製品を、合理的に製造することが可能である。このように溶液を中和することさえ出来れば、加える原材料に、その大きさ、形態、固形状であるか液状であるか等の限定は受けない。
本発明に用いられる食品原材料としては、牛肉、豚肉、馬肉、羊肉、山羊肉、家禽肉、鶏肉などいわゆる食肉ばかりでなく、各種魚肉、貝類、エビ、カニなどの甲殻類、イカ、タコなどの軟体動物、いくら、スジコなどの魚卵類なども利用できる。もちろん、これ以外の原料も使用可能であり、又2種類以上の原材料を組み合わせて使用してもかまわない。
また、このトランスグルタミナーゼ反応の抑制効果、pH調整による反応の促進効果は、温度、トランスグルタミナーゼ量、基質となるタンパク質とその量、反応時間等に依存するため、それぞれの製造条件によって、得られる効果の度合いも変ってくる。どのような最終製品を目的とするかによって、上述の種々の条件を定めれば良い。
本発明が最も効果を呈する食品の一つは接着成型食品である。即ち、屑肉片を接着して得られる食品である。この接着成型食品の製造について、まず、以下に詳述する。
接着成形食品の製造方法には、接着用酵素製剤を溶液(水や液状物等)に溶解し、得られた糊状物を、固形状原材料に添加混合し成形接着させる方法(水溶き法)と、接着用酵素製剤を溶液(水や液状物等)に溶解させることなく、直接固形状原材料に添加し成形接着させる方法(粉まぶし法)に大きく二つに分けられる。
まず、本発明の酵素製剤を用いる水溶き法から説明する。まず、1)トランスグルタミナーゼ、2)コラーゲン、並びに3)当該酵素製剤を溶液に溶かした時にトランスグルタミナーゼ活性発現が抑制されたpH領域にpHを移行させる酸性又はアルカリ性物質を含有してなる本発明の酵素製剤を水等に溶解させ、pHを3以上5未満または10以上12以下に調整する。このpH領域ではトランスグルタミナーゼ活性発現が抑制されているので、ゲル化が進行しない。
次に、この溶液(又は液状物)と牛肉等の食品原材料を混合する。食品原材料はpH緩衝作用があるので、添加混合により、トランスグルタミナーゼ活性が発現するpH領域、即ち5以上8以下にシフトする。もし、食品原材料を添加混合してもpHが5以上、8以下にならない時には、pH調整剤を加えて、トランスグルタミナーゼが作用する至適pH領域であるpH5以上8以下に移行させる。
尚、トランスグルタミナーゼ反応は通常、0℃〜55℃で10秒〜24時間行なえばよい。勿論、この反応条件に限定されるものではない。このようにトランスグルタミナーゼ反応がおこることにより接着成形食品が得られる。
本発明の酵素製剤を用いるのが最適であるが、1)トランスグルタミナーゼ、2)コラーゲン、3)トランスグルタミナーゼ活性発現が抑制されたpH領域にpHを移行させる酸性又はアルカリ性物質を個別に購入して実施してもかまわない。この場合、トランスグルタミナーゼ、コラーゲン、酸又はアルカリ性物質を粉のまま混合して、水等の溶液に溶解してもよく、また、それぞれを水等にまず溶解しておいてから、各溶液を混合してもかまわない。更には、コラーゲンを水等に溶解させた後で、酸又はアルカリ性部質でpHを調整し、これにトランスグルタミナーゼを加えてもよい。
肝要な点はpHをトランスグルタミナーゼ活性が抑制されたpH領域(3以上5未満又は10以上12以下)にすることである。
これ以降は酵素製剤を用いる場合と同じである。即ち、上記溶液と食品原材料を混合して、pHをトランスグルタミナーゼ活性が発現するpH領域、即ちpH5以上8以下にし、トランスグルタミナーゼを作用させ、接着成形食品を得るわけである。
次に、本発明の酵素製剤を用いる粉まぶし法について説明する。水溶き法と異なる点は酵素製剤を溶解することなく、酵素製剤を接着させたい食品原材料にそのままふりかける点である。このように、直接固形状食品原料に添加すると、原料自体のpH緩衝作用により、接着面のpHはトランスグルタミナーゼ反応において適したpH領域に変る。従って、より強力なゲルが形成されることにより、強力な接着力が実現するのである。
使用可能な酵素製剤としては水溶き法で用いた酵素製剤以外に1)トランスグルタミナーゼ、2)コラーゲン、並びに3)該酵素製剤を溶液に溶かした時のpHが9以上12以下となるアルカリ性物質を含有する酵素製剤が使用できる。この酵素製剤は食品原材料に直接混合する、粉まぶし法にのみ使用できる。アルカリ性物質としては、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、リン酸3ナトリウム、リン酸3カリウム、ピロリン酸4ナトリウム、ピロリン酸4カリウム、グリシンナトリウム、グリシンカリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、酸化カルシウム(焼成カルシウム)、等を使用できる。
これらの酵素製剤を食品原材料に混合した後は、トランスグルタミナーゼ反応をさせればよい。尚、トランスグルタミナーゼ反応の条件は等に拘らないが、通常、0℃〜55℃で10秒〜24時間行なえばよい。このようにして、接着成形食品が得られる。
尚、1)トランスグルタミナーゼ、2)コラーゲン、並びに3)当該酵素製剤を溶液に溶かした時にトランスグルタミナーゼ活性発現が抑制されたpH領域にpHを移行させる酸性又はアルカリ性物質を含有してなる本発明の酵素製剤は水溶き法にも粉まぶし法でも使用することができるので、汎用性を有した酵素製剤である。また、接着力も非常に強力である。
この粉まぶし法で接着成形食品を製造する場合も酵素製剤を用いるのが簡便で良いが、1)トランスグルタミナーゼ、2)コラーゲン、3)トランスグルタミナーゼ活性発現が抑制されたpH領域にpHを移行させる酸性又はアルカリ性物質をそれぞれ別々に購入し、粉まぶし法で接着成形食品を製造してもかまわない。
また、1)トランスグルタミナーゼ、2)コラーゲン、並びに3)該酵素製剤を溶液に溶かした時のpHが9以上12以下となるアルカリ性物質を同様に別々に購入して、粉まぶし法で接着成形食品を製造してもかまわない。
本発明の1)トランスグルタミナーゼ、2)コラーゲン、並びに3)当該酵素製剤を溶液に溶かした時にトランスグルタミナーゼ活性発現が抑制されたpH領域にpHを移行させる酸性又はアルカリ性物質を含有してなる酵素製剤は上述のように接着成形食品の製造に用いられるが、接着成形食品以外にもゲル状食品の製造にも用いられる。ゲル状食品の例としては、ゼリー(熱安定性の高いもの、野菜や果物等の具材を含有するものを含む)、羊羹、グミ、ふかひれ様食品等が挙げられる。また、この酵素製剤はピックル、更にはピックルを用いて作られる単身品(ハム、ベーコン、焼き豚等)の製造にも用いられる。
上記の、接着成形食品、ゲル状食品、ピックルを用いて作られる単身品のいずれの製造においても、本発明におけるトランスグルタミナーゼの使用量は、通常最終製品1gあたり0.001U〜100U、好ましくは0.01U〜10Uである。また、コラーゲンの使用量は、通常最終製品1gあたり0.0001g〜0.9g、好ましくは0.001g〜0.5gである。従って、酵素製剤の形で用いる場合でも、トランスグルタミナーゼ及びコラーゲンをそれぞれ別々に用いる場合でも、この濃度範囲でトランスグルタミナーゼ及びコラーゲンを使用すればよい。
図1は各種コラーゲン使用時における接着強度を示す。
図2はトランスグルタミナーゼ活性のpH依存性及び安定性を示す。
以下、実施例により本発明を詳しく説明する。もちろん、本発明の技術的範囲はこれらの実施例に限定されるものではない。
実施例1:ゲル化時間の測定−魚コラーゲンの場合
トランスグルタミナーゼとしてはストレプトマイセス属(Streptomyces mobaraensis IFO13819)起源の市販のトランスグルタミナーゼ(味の素(株)製「アクティバ」TG、比活性1000U/g品)を用いた。また、魚コラーゲンとしてはKenny&Ross Ltd.製の「HMW Fish Gelatin」(商品名)、動物コラーゲンとしては新田ゼラチン(株)製の「APH−250」(商品名)を用いた。
魚コラーゲン(Kenny&Ross Ltd.製の「HMW Fish Gelatin」、尚、商品名はゼラチンであるが、コラーゲンと記すことにする)3.2gに水24gを加えて室温で溶解し、27%水酸化ナトリウム水溶液又は濃塩酸で下記表2に示す各々のpHに調整した。これに、トランスグルタミナーゼ0.48gを8gの水に溶解したものを加え、10秒間攪拌して混合物のpHを測定した後、HAAKE社レオメーターを用いて、トランスグルタミナーゼを加えてからの経過時間ごとの貯蔵弾性率及び損失弾性率を測定し、貯蔵弾性率と損失弾性率が一致する時間をゲル化時間として求めた。対照として、pH調整を行わない魚コラーゲン(HMW Fish Gelatin)水溶液に、トランスグルタミナーゼを同様に加えたときのゲル化時間を求めた。結果は表2に示した。
Figure 0004380538
表2に示されるように、コラーゲン水溶液は、pH5未満及び10以上に調整することによって、トランスグルタミナーゼ反応によるゲル化反応を遅らせることができた。
実施例2:ゲル化時間の測定−動物コラーゲンの場合
動物コラーゲン(新田ゼラチン(株)製の「APH−250」)3.2gに水24gを加えて40℃の水浴で溶解し、27%水酸化ナトリウム水溶液又は濃塩酸で下記表3に示す各々のpHに調整した。これに、実施例1と同じトランスグルタミナーゼ(味の素(株)製「アクティバ」TG、比活性1000U/g品)0.48gを8gの水に溶解したものを加え、10秒間攪拌して混合物のpHを測定した後、HAAKE社レオメーターを用いて、トランスグタミナーゼを加えてからの経過時間ごとの、40℃における貯蔵弾性率及び損失弾性率を測定し、貯蔵弾性率と損失弾性率が一致する時間をゲル化時間として求めた。対照として、pH調整を行わない動物コラーゲン水溶液(APH−250)に、トランスグルタミナーゼを同様に加えたときのゲル化時間を求めた。結果は表3に示した。
Figure 0004380538
表3に示すように、動物コラーゲン水溶液も魚コラーゲン水溶液と同様に、pH5未満及び10以上に調整することによって、トランスグルタミナーゼ反応によるゲル化時間を遅らせることができた。しかし、pH4、pH10では魚コラーゲンの方がよりゲル化時間を遅らせることが可能であった。
実施例3:トランスグルタミナーゼと魚コラーゲンによる接着豚肉の製造(水溶き法)
実施例1で使用した魚コラーゲン6gを水50gに溶解し、27%水酸化ナトリウム水溶液又は濃塩酸で下記表4に示す各々のpHに調整した。このコラーゲン溶液に、実施例1と同じトランスグルタミナーゼ(味の素(株)製「アクティバ」TG、比活性1000U/g品)0.9gを10gの水に溶解したものを加え、10秒間攪拌してpHを測定した後、10分間放置し、ゲル化の有無を確認した。
10分後混合溶液がゲル化しなかった場合には、混合溶液13.4gに豚モモ肉の小片(約2cm角)全300gを投入し、コラーゲンとトランスグルタミナーゼの混合物が十分なじむようによく混和した。この時、トランスグルタミナーゼの使用量は、最終製品1gあたり0.6U、魚コラーゲンの使用量は、最終製品1gあたり0.004gであった。
次に、この混合物を折り幅75mmのケーシングチューブに詰め、5℃で2時間放置し、トランスグルタミナーゼ反応を進行させた。放置後、−40℃の冷凍庫に入れ、評価するまで冷凍保存した。対照として、pH調整を行わない魚コラーゲン水溶液を用い、トランスグルタミナーゼ添加後すぐに、同様の方法を用い接着成形豚肉を調製した。
冷凍した接着成形豚肉を厚さ9mm、幅2.5cmにスライスし、解凍後、Stable Micro Systems社製テクスチャーアナライザーで引っ張り試験により接着強度を測定した。結果は表4に示した。
Figure 0004380538
即ち、コラーゲン水溶液のpHを調整しない場合には、トランスグルタミナーゼ反応により混合物が肉片へ添加する以前にゲル化してしまうため、接着成形食品の製造に供することができなかった。
しかし、コラーゲン水溶液pHを3〜4および10〜12に調整することにより、肉片への混合に適した物性を混合の操作が充分に行える時間保持することができ、かつ最終製品には充分な接着力を実現することが可能であった。
尚、肉片混合後のpHを測定した結果、肉片表面のpHはいずれの実験区においてもpH5〜7に移行した。即ち、肉片を混合した全ての実験区において、肉片の混合によりトランスグルタミナーゼ反応がおこるpH領域にpHが移行した訳であるが、コラーゲン水溶液のpHが2.5及び12.5の実験区では、肉片に混合する以前にトランスグルタミナーゼが失活したために、トランスグルタミナーゼ反応による接着が弱い、または接着しなかったのである。
実施例4:トランスグルタミナーゼと魚コラーゲンによる接着牛肉の製造(粉まぶし法)
下記表5に示す配合表に従い、酵素製剤6種を調製した。この酵素製剤を、牛モモ肉の小片(約2cm角)の表面に付着させ、2個の肉片の、製剤が付着した面を密着し、真空シールした。この時、トランスグルタミナーゼの使用量は、最終製品1gあたり0.64U、魚コラーゲンの使用量は、最終製品1gあたり0.003gであった。
対照として、炭酸ナトリウムを配合しない酵素製剤(下記表5の酵素製剤▲1▼)を用いた。
尚、コラーゲンは実施例1で使用した魚コラーゲン、トランスグルタミナーゼも実施例1で使用したトランスグルタミナーゼ(味の素(株)製「アクティバ」TG、比活性1000U/g品)を用いた。
5℃で2時間放置し、トランスグルタミナーゼ反応を進行させた後、Stable Micro Systems社製テクスチャーアナライザーを用い、引っ張り試験により2個の肉片の接着強度を測定した(表6)。尚、表6には、酵素製剤を付着させた肉片表面のpH及び各酵素製剤の20%水溶液のpHをあわせて示した。
Figure 0004380538
Figure 0004380538
即ち実験区▲2▼〜▲6▼の酵素製剤は、水に溶かした時のpHが9以上12以下であるが、肉片に付着させた場合には、pH緩衝能により肉片表面のpHは5以上8以下となり、トランスグルタミナーゼ反応が起こるpH領域に移行した。この時、実験区はいずれも対照区▲1▼より接着強度が増加したことから、アルカリ性物質を含有させた酵素製剤は、含有しない酵素製剤よりも接着力を増強した。
本発明により、トランスグルタミナーゼとコラーゲンを混合した溶液が急速にゲル化するのを抑制し、接着成形食品等の食品を製造する際の作業性を改善することができる。また、本発明の酵素製剤を用いることにより、食品原材料を強度に接着することができる。本発明の酵素製剤の1つは、水あるいは液状物に溶解して、糊状にしたものをバインダーとして利用する方法(水溶き法)、及び、直接、固形状原材料にまぶして接着する方法(粉まぶし法)のどちらにも利用することができる汎用性のある酵素製剤として有用である。

Claims (7)

  1. 1)トランスグルタミナーゼ、2)魚介類由来のコラーゲン、並びに3)当該酵素製剤を溶液に溶かした時にトランスグルタミナーゼ活性発現が抑制されたpH領域であるpH3以上5未満又は10以上12以下へpHを移行させるクエン酸、リンゴ酸、酒石酸、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、リン酸3ナトリウム、リン酸3カリウム、ピロリン酸4ナトリウム、ピロリン酸4カリウム、グリシンナトリウム、グリシンカリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、酸化カルシウムから選ばれる一種以上の酸性又はアルカリ性物質を含有してなる酵素製剤。
  2. 請求項1記載の酵素製剤を溶液に溶解し、当該溶液のpHをpH3以上5未満又は10以上12以下に移行させた後、当該溶液と食品原材料を混合せしめることにより、混合物のpHをトランスグルタミナーゼ活性が発現するpH5以上8以下に戻してトランスグルタミナーゼ反応を起こさせることを特徴とする食品の製造法。
  3. 食品がゲル状食品又は接着成形食品である請求項2記載の食品の製造法。
  4. 請求項1記載の酵素製剤を、溶液に溶解することなく直接、食品原材料と混合することによりトランスグルタミナーゼ反応を起させることを特徴とする食品の製造法。
  5. 食品が接着成形製品である請求項4記載の製造法。
  6. 請求項1記載の酵素製剤を溶液に溶解し当該溶液のpHをpH3以上5未満又は10以上12以下に移行させた後、当該溶液を食品原材料へインジェクションすることにより、食品原材料中でトランスグルタミナーゼ反応を起させる事を特徴とする食品の製造法。
  7. 食品が単身品である請求項6記載の食品の製造法。
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