JP2003250475A - 油ちょう食品用打ち粉組成物及び油ちょう食品の製造法 - Google Patents

油ちょう食品用打ち粉組成物及び油ちょう食品の製造法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】調理加熱、もしくは冷凍保管後の喫食前に行わ
れる再加熱によってもジューシー感を維持し、衣はがれ
が防止された油ちょう食品類を得ること。 【解決手段】好ましくはトランスグルタミナーゼの配合
量が、打ち粉組成物1gあたり5ユニット以上である、
トランスグルタミナーゼと蛋白質を有効成分として含有
する油ちょう食品用打ち粉組成物、およびこの打ち粉組
成物を打ち粉として使用し油ちょうし油ちょう食品を製
造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は油ちょう食品の製造
方法、より詳しくはトランスグルタミナーゼを使用し
た、油ちょう食品用打ち粉組成物に関するものである。
より詳しくは、中種にトランスグルタミナーゼと蛋白質
を含む粉体を打ち粉として付着させてからバッター液を
付着させ、油ちょうされる、調理加熱、もしくは冷凍保
管後の喫食前に行われる再加熱によってもジューシー感
を維持し、衣はがれが防止された油ちょう食品類に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、フライ類、天ぷら等の油ちょう食
品の製造に関しては魚、肉、野菜などの具材を小麦粉や
澱粉の懸濁液(衣液)に浸漬して衣付けを行った後に油
ちょうする方法、あるいは衣付けの後にパン粉つけを行
って油ちょうする方法がとられている。また、衣液の付
着率を高めたり、衣と具材の剥離を防止するために打ち
粉と称して具材に各種小麦粉、乾燥卵白、粉末大豆蛋
白、酸化澱粉、加工澱粉(油脂あるいは大豆粉等で加工
したもの)等をまぶす手段が採られている。この場合、
打ち粉組成物としては加工澱粉主体あるいは小麦粉主体
の二種に大別される。前者にはハイアミロースコーンス
ターチ含量40%以上であることを特徴とする打ち粉
(特開平8-38087)、澱粉成分に蛋白質成分を添加した
食品用改質澱粉(特開2000-279118)、油脂及び油脂含
有物質の存在下で乾燥、加熱処理した加工澱粉を主材と
し、それにアルギン酸プロピレングリコールエステルと
有機酸塩、蛋白素材を添加した打ち粉組成物(特開2000
-342210)等の報告例がある。後者には小麦粉と穀類、
豆類の糠類より調製した成分よりなる打ち粉(特開昭58
-11153、特公平3-39666)、小麦粉を主体としこれに甜
菜根部の可溶性繊維を添加する方法(特開昭63-29154
9、特公平3-58259)等の報告例があるが、剥離、食感等
において必ずしも満足が得られる水準に達していない。
【0003】近年、剥離防止効果の点から油脂コーティ
ング澱粉を利用した方法が技術の中心となっている。そ
の剥離抑制機構は以下のように説明されている。油脂コ
ーティングにより澱粉の濡れ性が低下し、油ちょう時に
衣あるいは種の水分が表面に接触しにくくなるため、水
分は油ちょう中に効率良く水蒸気となって出ていく。そ
の結果、余分な水分が衣、種、またその接触面に残らな
いために種と衣がよく結着する。しかしながら、種から
の水分蒸発を促進することは同時に種のジューシー感低
下やパサつき等の食感低下を伴うため、衣の剥離防止効
果とジューシー感、食感維持を両立させるのは困難であ
る。
【0004】一方、小麦を主体とした打ち粉については
蛋白質の加熱凝固性を利用しているものが多い。接着剤
としての機能に加え、種の周りを蛋白質でコーティング
し、種からの水分移行を抑制する効果もあると考えられ
るが、どちらも剥離、食感等においてその効果は十分で
はない。また、これらの蛋白質は添加量によっては味、
風味への影響を与えることも多く、衣の剥離防止効果と
味、風味等その他必要となる要素を両立させるのは困難
である。
【0005】さらに、両者において単純に打ち粉のみで
使用した場合にはその付着量が少ないため効果が弱く、
多くの場合、衣の剥離防止の為にバッター等の衣材にお
いても上記素材が併用されており、前述した問題点がよ
り顕著となっている。
【0006】一方、加熱直後にはジューシー感の低下や
衣の剥離が見られないようなものであっても、加熱調理
後に電子レンジやオーブン、オーブントースター等によ
る再加熱処理の結果、再度中種から衣への水分移行が起
こりジューシー感の低下や衣の剥離が問題になることも
多い。即ち、一般に揚げ物は高温の油中で調理される
為、揚げ直後は衣部分が低水分かつ食品素材が高水分状
態にある。しかし、上記の加熱機器で再加熱処理を行っ
た場合、既存の打ち粉では中種から水分の流出を防ぐ力
が弱い為、中種が縮み、パサつきが出るなど中種の食感
低下が著しく、また衣の剥離や衣表面への油の滲出等、
外観の低下も同時に起こり、揚げ物としての商品価値を
著しく低下させてしまう。
【0007】次に、本発明と本発明に関連した公知知見
との相違点について述べる。特開平11-9209では、でん
ぷんとトランスグルタミナーゼからなる打ち粉を麺類や
菓子類の生地に打ち粉として使用することにより、茹で
溶け(煮崩れ)を少なくし、見た目を美しく、しかも原
料本来の食感、風味を維持した麺類を製造することをそ
の目的としており、油ちょう食品に関しては一切述べら
れていない。一方、本発明は、後述するように蛋白質と
トランスグルタミナーゼからなる打ち粉を中具に付着さ
せ、さらにバッター液を潜らせ、さらに油ちょうするも
のである。二つの技術は、トランスグルタミナーゼを含
む粉体を食品素材に付着させる方法として、一般的にい
う「打ち粉」の使い方をとる点で一致しているが、打ち
粉の組成およびその後の調理工程および作用機構は全く
異なるものである。
【0008】トランスグルタミナーゼを食品原材料の接
着に使用し、接着物からフライを作製する実施例が報告
されている(特開平6-284867、特開平8-140594)。これ
らの発明は蛋白質粉末とトランスグルタミナーゼを食品
素材にまぶした後、衣付けを行い、油ちょうするという
点で本発明と一致する。しかし、該出願では蛋白質粉末
とトランスグルタミナーゼを食品素材にまぶした後、接
着が完了するまで反応時間をとってから油ちょうしてい
るのに対し、本発明では蛋白質素材とトランスグルタミ
ナーゼを食品素材にまぶし、その蛋白質間での架橋反応
が進まないうちにすみやかにバッター液に潜らせること
が必要であることから、トランスグルタミナーゼの作用
が全く異なる。さらに付け加えると、本発明における打
ち粉を具材に付着させた後に、接着が進むほど反応時間
をとった場合は、バッターとのなじみが不十分となり、
本発明の効果である衣の剥離防止効果及びジューシー感
向上効果が著しく低下する上に、打ち粉が素材の水分を
吸って湿潤してしまうため、打ち粉本来のバッター液の
付着性改善効果が得られない。該出願の接着方法におい
て、本発明の効果である衣の剥離防止効果及びジューシ
ー感向上効果が得られるほど反応時間を短くした場合
は、食品原料同士の接着が不十分であることはいうまで
もない。さらに、接着が不十分な状態でその具材にバッ
ター液を付着させることが不可能である(バッター中で
具材がバラバラになる)ことはいうまでもない。従っ
て、該出願において本発明における効果が発現すること
はありえないし、本発明において、該出願の接着を同時
に進行させることはできないことから、本発明と該出願
とは明確に差別化される。
【0009】挽肉を主とした具材をトランスグルタミナ
ーゼ溶液に浸漬することによりジューシー感を付与する
報告例(特開平6-197738)があるが、出願はジューシー
感が向上する素材そのものにトランスグルタミナーゼを
浸透させ改質するものであり、素材の表面に、打ち粉と
バッターの複合による形成される膜により具材を保護す
る本発明とは作用機構および構造が全く異なる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、油ち
ょう時及び油ちょう後に時間が経過しても、あるいは油
ちょう後に冷凍もしくは冷蔵保存した後、電子レンジや
オーブン、オーブントースターなどの加熱機器で温め直
しても種のジューシー感を維持し、衣の剥離が防止され
た油ちょう類食品を提供することにある。
【0011】
【課題を解決する為の手段】本発明者らは、上述の実状
に鑑み鋭意研究を重ねた結果、蛋白質及びトランスグル
タミナーゼの両者を含む混合粉末を油ちょう食品用打ち
粉として使用することにより、上記課題を解決できるこ
とを見出し、本発明を完成するに至った。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明における打ち粉は、トランスグルタミナーゼと蛋
白質を含む。蛋白質としては、大豆蛋白粉末、カゼイ
ン、乳清蛋白粉末、小麦蛋白粉末、卵白、などの蛋白質
素材および、蛋白質を含む穀粉が使用できる。これらの
蛋白質の1種類、または2種類以上をトランスグルタミ
ナーゼと混合して本発明の打ち粉が作られる。必要に応
じて賦形剤を使用してもよい。賦形剤の種類は、澱粉、
加工澱粉、デキストリン、糖類などが使用できるが、打
ち粉としての粉体特性を損なわないものであれば種類は
特に問わない。
【0013】打ち粉における蛋白質含有量は多いほどよ
いが、少なくとも5%以上が望ましい。本発明の効果
は、打ち粉中の蛋白質にトランスグルタミナーゼが作用
して発現することから、蛋白質含量が少なすぎるとトラ
ンスグルタミナーゼの効果が現れにくくなる。
【0014】トランスグルタミナーゼにはカルシウム非
依存性のものとカルシウム依存性のものがあり、いずれ
も本発明に使用することができる。前者の例としては放
線菌由来(登録2572716号)、枯草菌(特開平11-13725
4)等の微生物由来のものを挙げることができる。後者
の例としてはモルモット肝臓由来のもの(登録1689614
号)、卵菌等の微生物由来のもの(WO96/22366)、牛
血液、豚血液等動物由来のもの、サケ、マダイ等の魚由
来のもの(N.Sekiら 日本水産学会誌(1990)56)カキ
由来のもの(米国特許5736356号)等を挙げることがで
きる。この他、遺伝子組換えにより製造されるもの(特
開平11-75876)等をあげることができる。本発明にはい
ずれのトランスグルタミナーゼも使用することができ、
起源及び製法に限定されることはない。ただし、食品用
途としての機能性、使いやすさの点から、好ましくはカ
ルシウム非依存性のものが良い。TGによる品質改良には
様々な産業上の利点がある。第一に比較的微量な添加量
で効果を示し、また食品蛋白質に直接トランスグルタミ
ナーゼが作用して効果を示す為、呈味への悪影響は少な
い。例えば、上記微生物由来のトランスグルタミナーゼ
(放線菌由来)は何れの条件をも満足するものであり、
現時点では最適ということができる。
【0015】打ち粉におけるトランスグルタミナーゼの
配合量は、打ち粉1gあたり5ユニット以上、望ましく
は15ユニット以上必要である。それ以下では効果を発
現しないか、もしくは効果を発現するのに必要な反応時
間が著しく長くなり、生産効率が低下する。トランスグ
ルタミナーゼの配合量が多すぎて機能が発揮されないこ
とは無く、配合量の上限は、機能面をみれば特に限定さ
れるものではないので、コストが許す限り配合量は多く
できるが、一般的には打ち粉1gあたり500ユニット
以下で使用される。
【0016】本発明により、油ちょう食品(揚げ物)を
製造する方法について述べる。本発明の具材は、一般的
に揚げ物に使用される食品素材、たとえば豚肉、牛肉、
鶏肉などの畜肉、白身魚、海老、帆立貝などの魚介類、
なす、かぼちゃ、ピーマン、ニンジンなどの野菜類など
が対象となるが、必ずしもここに挙げる限りではない。
但し、野菜等表面が乾燥しているものは、粉付きをよく
するために表面を湿らせる必要がある。公知の保水材、
増量材等で改質したもの、成形加工したものをそのま
ま、又は蒸煮したものも対象となる。
【0017】これらの具材に、本発明の打ち粉を付着さ
せる。食品素材になるべく均一に付着できる方法であれ
ば、どのような付着方法をもちいてもよい。一般的には
食品素材を打ち粉に押しつけたり、打ち粉中に潜らせ、
はたいて余分な粉を振り払う方法や、食品素材に打ち粉
を振りかけたり噴霧する方法などが用いられる。
【0018】次に、バッター液を付着させる。衣本体を
形成し、さらにパン粉及び衣素材を付着させる目的で市
販されているバッター用プレミックスや天ぷら粉などを
水で溶いて調製したものを使用できる。また、必要に応
じて揚げ物の品質に影響を与えない範囲内で、該バッタ
ーに調味料、香辛料を適宜加えることができる。バッタ
ー液の付着方法は一般的に行われている、浸漬、スプレ
ーなどの方法を用いることができる。
【0019】なお、打ち粉を付着してからバッター液を
付着させるまでの時間はなるべく短い方がよく、0.1
分〜5分未満の範囲が好ましい。その理由は、打ち粉を
してから長時間放置すると、その間に具材から打ち粉へ
の水分移行が進み、トランスグルタミナーゼにより打ち
粉中の蛋白質同士の架橋結合が進み、その後に付着させ
たバッター液への打ち粉成分(打ち粉中の蛋白質および
トランスグルタミナーゼ)の適度な拡散が阻害され、打
ち粉で形成される層とバッター層との連続的な相互の濃
度勾配が形成されにくい、つまりなじみが不十分とな
り、本発明の効果が低くなるからである。また、打ち粉
本来の機能である、バッターを付きやすくして衣を厚く
する機能が不十分となる。
【0020】油ちょう食品として、天ぷら、フリッター
等を製造する場合はこのままで、フライ等を調製する場
合は、パン粉は市販されている乾燥パン粉および生パン
粉などを付着させてから、常法に従って油ちょうする。
一般的には120℃〜200℃の食用油で1〜10分間油ちょう
する。衣付けを行った後、すぐに油ちょうしてもよい
し、未油ちょうの状態で冷凍もしくは冷蔵で保存した後
に油ちょうを行ってもよい。打ち粉を付けた具材にバッ
ターを付けた時点に、打ち粉中のトランスグルタミナー
ゼと蛋白質に水分が与えられ、トランスグルタミナーゼ
の架橋反応が始まるため、衣付けの後にトランスグルタ
ミナーゼの反応が進む温度で放置し、その後油ちょうす
るのが望ましい。望ましくは、0℃〜60℃より望まし
くは、4℃〜25℃で5分以上放置してから油ちょうす
るのが望ましい。トランスグルタミナーゼによる架橋反
応は、基質である蛋白質上のグルタミン残基およびリジ
ン残基が架橋し尽くされると終了することから、反応時
間の上限は無いといえるが、衛生上の観点から48時間
以内が望ましい。
【0021】また、本発明によって得られる油ちょう食
品は常温、冷凍もしくは冷蔵で保存した後、電子レン
ジ、オーブン、オーブントースター等で再加熱を行って
食することができる。本発明によれば、これらの再加熱
を経ても、具材のジューシー感と食感、衣の食感、外観
の劣化が少ない。
【0022】
【実施例】以下本発明を実施例により更に具体的に説明
するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0023】実施例 1〜5、比較例1〜6 表1に示す配合比でトランスグルタミナーゼ粉末(10
00ユニット/g)と各粉末状蛋白質および粉末デキスト
リンを混合して油ちょう食品用打ち粉を調製した。小麦
粉に1.5倍に相当する水を加えてバッター液を調製し
た。これらの打ち粉に厚さ10mm、重量75〜80g
の豚ロース肉を押しつけて軽くはたいて、打ち粉を豚肉
の表面に均一に被覆し、続いてすみやかにバッター液に
潜らせて衣付けを行い、続いてパン粉付けを行った。パ
ン粉付けした豚肉を5℃で2時間静置してトランスグル
タミナーゼによる反応を進めた後、−40℃で急速凍結
し、180℃の食用油中で5分間油ちょうした。冷却
後、官能評価により中種のジューシー感について評価を
行った。また、とんかつ中央部を切断し、その切り口を
観察して中種と衣の結着性を観察した。その結果を表1
に示した。
【0024】中種のジューシー感については、ジューシ
ー感が感じられないものを×、ジューシー感は感じられ
るが弱いものを△、ジューシー感が良好なものを○とし
て評点をつけた。衣の結着性については、中央部で切断
した際に切断面の衣がすでに剥離しているものを×、手
で剥がそうとしたときに弱い力で剥離するものを△、強
い力で剥離するものを○、剥離できない(強い接着のた
め、無理に剥がそうとすると衣自身が破壊される)もの
を◎として評点をつけた。
【0025】
【表1】
【0026】表1より明らかなように、トランスグルタ
ミナーゼのみ(対照区1)、あるいは単に蛋白質素材の
み(対照区2〜6)では中種は固く、パサパサした食感
になりジューシー感に劣る傾向にあった。また、対照区
の中種と衣の結着性については卵白(対照区4)を除き、
剥離が顕著に見られた。一方、本発明区においては、中
種のジューシー感が保持され、食感もソフトで、且つ衣
との結着性も著しく向上していた。なお、本結果は揚げ
たてを評価したものであるが、油ちょう後に冷却あるい
は冷凍したものを電子レンジやオーブン、オーブントー
スターなどの加熱機器で再加熱した場合も表1と同様な
結果が得られた。
【0027】実施例 6〜12、比較例7〜9 小麦薄力粉(蛋白質含量9.0%)と、トランスグルタ
ミナーゼ粉末(1000ユニット/g)を表2に示す配合
に従って混合し打ち粉を調製した。これらの打ち粉に厚
さ10mm、重量75〜80gの豚ロース肉を押しつけ
て軽くはたいて、打ち粉を豚肉の表面に均一に被覆し、
続いてすみやかに実施例1と同じバッター液に潜らせて
衣付けを行い、続いてパン粉付けを行った。パン粉付け
した豚肉を5℃で2時間静置してトランスグルタミナー
ゼによる反応を進めた後、−40℃で急速凍結し、18
0℃の食用油中で5分間油ちょうした。冷却後、実施例
1〜5と同様に評価を行った。
【0028】
【表2】
【0029】冷蔵静置時間を21時間取った場合は、中
種のジューシー感保持、衣の剥離防止において効果を示
すのに必要なトランスグルタミナーゼの配合量は小麦粉
100部に対し、0.45部(打ち粉1gあたり4.5
ユニット)以上であった。4.5部(打ち粉1gあたり
45ユニット)以上ではその効果は変化しなかった。ト
ランスグルタミナーゼ濃度を4.5部とした場合に上記
効果を示すのに必要な冷蔵静置時間は約15分であっ
た。静置時間を60分以上とっても効果は変わらなかっ
た。なお、揚げたてのもの及び油ちょう後に冷却あるい
は冷凍したものを電子レンジやオーブン、オーブントー
スターなどの加熱機器で再加熱した場合にも表2と同様
な結果が得られた。
【0030】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
打ち粉にトランスグルタミナーゼと大豆蛋白、カゼイ
ン、乳清蛋白、小麦蛋白、卵白粉末等の蛋白質の1種又
は2種以上を併用することにより、油ちょう時及び油ち
ょう後に時間が経過しても、あるいは油ちょう後に冷凍
もしくは冷蔵保存した後、電子レンジやオーブン、オー
ブントースターなどの加熱機器で温め直しても種のジュ
ーシー感を維持し、衣の剥離が防止された油ちょう類食
品が得られる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 増田 佳子 大阪府大阪市北区西天満一丁目8番2号 味の素株式会社大阪支社内 (72)発明者 森田 晶子 神奈川県川崎市川崎区鈴木町1−1 味の 素株式会社調味料研究開発部内 Fターム(参考) 4B025 LB06 LG04 LG32 LG36 4B035 LC03 LE17 LG15 LG51 LP07

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】トランスグルタミナーゼと蛋白質を有効成
    分として含有することを特徴とする油ちょう食品用打ち
    粉組成物。
  2. 【請求項2】蛋白質が、小麦粉、カゼイン、乳清蛋白、
    大豆蛋白、筋肉蛋白、コラーゲン、ゼラチン、小麦蛋
    白、および卵蛋白質のうちから選ばれる1種または2種
    以上であることを特徴とする請求項1に記載の油ちょう
    食品用打ち粉組成物。
  3. 【請求項3】トランスグルタミナーゼの配合量が、打ち
    粉組成物1gあたり5ユニット以上であることを特徴と
    する請求項1に記載の油ちょう食品用打ち粉組成物。
  4. 【請求項4】請求項1に記載の打ち粉組成物を打ち粉と
    して使用し、油ちょうすることを特徴とする油ちょう食
    品の製造法。
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