JP7103088B2 - バッター組成物 - Google Patents
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Description
すなわち、本発明は以下の通りである。
[2](B)の含有量が、(A)1g当たり0.001~100Uである、[1]に記載の組成物。
[3](C)が、粉末油脂である、[1]又は[2]に記載の組成物。
[4](A)穀粉が、小麦粉である、[1]~[3]のいずれかに記載の組成物。
[5](A)澱粉が、コーンスターチ又はその酸化澱粉である、[1]~[4]のいずれかに記載の組成物。
[6](A)の含有量が、組成物中の固形分に対して50~95重量%である、[1]~[5]のいずれかに記載の組成物。
[7](C)の含有量が、組成物中の固形分に対して0.01~30重量%である、[1]~[6]のいずれかに記載の組成物。
[8]焼き調理される食品用である、[1]~[7]のいずれかに記載の組成物。
[9][1]~[8]のいずれかに記載の組成物を食品原料に付着させることを含む、食品の製造方法。
[10](A)穀粉及び澱粉からなる群から選択される少なくとも1種及び(B)トランスグルタミナーゼを含有する、焼き目付与剤。
[11]さらに(C)油脂を含有する[10]に記載の焼き目付与剤。
本発明において用いられる穀粉は、食品素材として通常用いられるものであれば特に制限されないが、例えば、小麦粉、大麦粉、ライ麦粉、はと麦粉、とうもろこし粉、じゃがいも粉、さつまいも粉、米粉等が挙げられる。これらの穀粉は、一種単独で用いてよく、又は二種以上を組み合わせて用いてもよい。穀粉として、小麦粉を用いる場合、小麦粉の種類は特に制限されないが、例えば、薄力粉、中力粉、準強力粉、強力粉、デュラムセモリナ粉等が挙げられ、タンパク質の含量が多い強力粉、中力粉が好ましい。これらの小麦粉は、一種単独で用いてよく、又は二種以上を組み合わせて用いてもよい。
なかでも、コーンスターチ及びその酸化澱粉が好ましい。
トランスグルタミナーゼは、タンパク質やペプチド中のグルタミン残基を供与体とし、リジン残基を受容体とするアシル転移反応を触媒する活性を有する酵素であり、例えば、哺乳動物由来のもの、魚類由来のもの、微生物由来のもの等、種々の起源のものが知られている。本発明において用いられるトランスグルタミナーゼは、上述の活性を有すればその起源は特に制限されず、いかなる起源のトランスグルタミナーゼであっても使用でき、また組み換え酵素を使用してもよい。本発明において用いられるトランスグルタミナーゼは市販品であってもよく、具体例としては、味の素株式会社より「アクティバ」TGという商品名で市販されている微生物由来のトランスグルタミナーゼ等が挙げられる。
すなわち、温度37℃、pH6.0のトリス緩衝液中、ベンジルオキシカルボニル-L-グルタミルグリシン及びヒドロキシルアミンを基質とする反応系で、トランスグルタミナーゼを作用せしめ、生成したヒドロキサム酸をトリクロロ酢酸存在下で鉄錯体を形成させた後、525nmにおける吸光度を測定し、ヒドロキサム酸量を検量線により求め、1分間に1μモルのヒドロキサム酸を生成せしめる酵素量を1ユニット(1U)とする(特開昭64-27471号公報参照)。
本発明において使用される油脂は、本発明の効果を損なわない限り特に限定されないが、粉末油脂及び液状油脂が挙げられるが、粉末油脂が好ましい。
粉末油脂とは、油脂を糖質やたんぱく質などで包み込みパウダー状にしたものであり、通常水溶性であるが、室温状態(1~30℃程度)で固体、好ましくは粉末状を有することができるものであれば特に制限されない。例えば粉末油脂には、高級脂肪酸、ショ糖脂肪酸エステル、モノグリセライド等が包含される。
高級脂肪酸は、一般に動植物油脂又はその硬化油脂を加水分解又は酵素により分解精製して得られたものであり、常温で固体のもの、例えばステアリン酸、パルミチン酸、ミリスチン酸等が挙げられる。またショ糖脂肪酸エステルとしては、HLBが低いもの、具体的にはHLBが5以下のもの、例えば、ショ糖ステアリン酸エステル、ショ糖パルミチン酸エステル等が挙げられる。またモノグリセライドとしては、HLBが低いもの、具体的にはHLB5以下の動物又は植物硬化油脂が挙げられる。なお、油脂は1種又は2種以上の油脂を組み合わせて使用することもできる。
油脂が粉末油脂の場合には、固形分に対して通常0.01~30重量%であり、好ましくは0.1~20重量%である。
本発明のバッター組成物が水を含有する場合、本発明のバッター組成物における水の含有量は、使用形態等に応じて調整すればよく特に制限されないが、本発明のバッター組成物に対して、通常10~80重量%であり、好ましくは30~70重量%であり、より好ましくは40~60重量%である。
本発明のバッター組成物の形態が粉体状である場合(即ち、本発明のバッター組成物がバッター粉である場合)は、例えば、上述の成分A~C及び所望によりその他のバッター原料を混合し、食品製造に通常用いられるミキサー等を用いて適宜撹拌すること等によって製造できる。また本発明のバッター組成物の形態が液体状である場合(即ち、本発明のバッター組成物がバッター液である場合)は、例えば、水に上述の成分A~C及び所望によりその他のバッター原料を添加し、適宜撹拌して溶解・分散させること等によって製造できる。
畜肉としては、鶏肉、鴨肉などの皮付き肉、豚肉、牛肉、羊肉などの厚切り肉、魚肉としては、タイ、スズキ、サケなどの皮目を有する魚が挙げられる。なかでも皮付き鶏肉、焼き鳥用鶏肉などが好ましい。
使用する部位は、あらかじめカットされている部位でも、チキンや魚などを丸のまま使用してもよい。
本発明のバッター組成物の形態が粉体状である場合(即ち、本発明のバッター組成物がバッター粉である場合)は、例えば、バッター粉のまま食品原料にふりかける又はまぶす等して、その表面、好ましくは皮目に付着させてよく、あるいはバッター粉を水に溶いて、バッター液を調製してから、これを食品原料の表面、好ましくは皮目に付着させてもよい。また本発明のバッター組成物の形態が液体状である場合(即ち、本発明のバッター組成物がバッター液である場合)は、例えば、食品原料に塗布する又は噴霧する等して、その表面、好ましくは皮目に付着させることができる。
本発明のバッター組成物の形態が粉体状である場合(即ち、本発明のバッター組成物がバッター粉である場合)は、例えば、バッター粉のまま食品原料にふりかける又はまぶす等して、その表面に付着させてよく、あるいはバッター粉に水を加え、バッター液を調製してから、これを食品原料の表面に付着させてもよい。また本発明のバッター組成物の形態が液体状である場合(即ち、本発明のバッター組成物がバッター液である場合)は、例えば、食品原料に塗布する又は噴霧する等して、その表面に付着させることができる。
本発明の本発明の焼き目付与剤は、よりパリパリの食感を得るために、さらに(C)油脂を含んでもよい。
本発明の焼き目付与剤が用いられる食品の具体例としては、上記バッター組成物と同様の食品が挙げられる。また各種定義及び含有量等の好適範囲も既述に準ずる。
(バッター液の調製)
下表1に示す配合にて、澱粉(酸化澱粉、松谷化学工業株式会社)、小麦粉(小麦粉梅月)、トランスグルタミナーゼ製剤(商品名:「アクティバ」、味の素株式会社)及び粉末油脂(ミヨシ油脂株式会社)、ならびにアロメイトMB-KF(味の素株式会社)及びA-1000(植物性タンパク質加水分解物、味の素株式会社)を混合し15-20分程静置し組成物Aとした。組成物A及びその他の材料を表2の通りに計量し、ホイッパーを用いて1分間混合することにより、バッター液を調製した。
鶏モモ肉(1枚肉)1,000gに水140g、照り焼きのたれ60g、お肉ジューシー調理料30gを真空タンブラーに投入し真空タンブリングを40分間行った。その後表面にバッター液を塗布し、オーブン220℃で20分間程度焼成しグリルチキン(芯温75℃以上)を作製し、実施例1とした。
真空タンブリング後の鶏モモ肉にバッター液を使用しないで実施例1と同様にして焼成したものを比較例1とした。
焼成後の鶏モモ肉を5名の専門パネルにより、外観及び食感を評価した。
その結果、実施例1のグリルチキンは、表面がパリッとし、食感もパリパリとしていた。いっぽう比較例1のグリルチキンの表面はブヨブヨとした食感であり、固い食感であった。
実施例1及び比較例1の鶏モモ肉を凍結(-18℃)したのち、電子レンジで加熱解凍(600Wで40~50秒)したグリルチキンを5名の専門パネルにより、外観及び食感を評価した。
その結果、実施例1のグリルチキンは、図1に示すように表面がパリッとし、食感もパリパリとしたグリルチキンが得られた。いっぽう比較例1の表面は図1に示すように外観もパリパリではなく食感もブヨブヨとしていた。
(バッター液の調製)
バッター液は試験例1と同様に調製した。
焼き鳥は適当な大きさにカットし、串に刺して蒸してから冷凍したもの(冷凍蒸し済み焼き鳥)を使用した。冷凍焼き鳥を解凍し、表面にバッター液を塗布し、オーブンで慣用の条件で焼成して作製したものを、実施例2とした。
冷凍蒸し済み焼き鳥を解凍後バッター液を使用しないで実施例2と同様にして焼成したものを比較例2とした。
焼成後の鶏モモ肉を5名の専門パネルにより、外観及び食感を評価した。
その結果、実施例2の焼き鳥は、表面がパリパリと香ばしかった。
実施例2及び比較例2の焼き鳥を凍結(-18℃)したのち、電子レンジで加熱解凍した焼き鳥を5名の専門パネルにより、外観及び食感を評価した。
その結果、実施例2の焼き鳥は、図2に示すように表面がパリッとし、食感もパリパリとした焼き鳥が得られた。
(バッター液の調製)
バッター液は試験例1と同様に調製した。
餃子は慣用の方法で作成し、蒸してから冷凍したもの(冷凍蒸し済み餃子)を使用した。冷凍蒸し済み餃子の底面にバッター液を付着させてフライパンで焼成し、実施例3とした。
市販品の焼き目付きの冷凍餃子を比較例3とした。
実施例3及び比較例3の餃子を凍結(-18℃)したのち、蓋をして一晩冷蔵解凍したのち、電子レンジで加熱解凍(600Wで1分間)した餃子を5名の専門パネルにより、外観及び食感を評価した。
その結果、図3に示すように、実施例3の餃子は、焼き目がパリッとした食感になったが、市販品はいずれも焼き目はブヨブヨとした食感であった。
Claims (11)
- (A)小麦粉、コーンスターチ及びその酸化澱粉からなる群から選択される少なくとも1種、(B)トランスグルタミナーゼならびに(C)粉末油脂を含有する、焼き調理される食品用バッター組成物。
- (B)の含有量が、(A)1g当たり0.001~100Uである、請求項1に記載の組成物。
- (A)の含有量が、組成物中の固形分に対して50~95重量%である、請求項1又は2に記載の組成物。
- (C)の含有量が、組成物中の固形分に対して0.01~30重量%である、請求項1~3のいずれか一項に記載の組成物。
- 焼き調理が、グリル、オーブン焼き、直火焼き、炭火焼、バーナー焼き、天火焼き、窯焼き、鉄板焼き、石板焼き、挟み焼き、蒸し焼き、石焼き、テフロンベルト又は鉄板ベルトによる焼成である、請求項1~4のいずれか一項に記載の組成物。
- 請求項1~5のいずれか一項に記載の組成物を食品原料に付着させることを含む、食品の製造方法。
- (A)小麦粉、コーンスターチ及びその酸化澱粉からなる群から選択される少なくとも1種及び(B)トランスグルタミナーゼ、及び(C)粉末油脂を含有する、焼き目付与剤。
- (B)の含有量が、(A)1g当たり0.001~100Uである、請求項7に記載の焼き目付与剤。
- (A)の含有量が、剤中の固形分に対して50~95重量%である、請求項7又は8に記載の焼き目付与剤。
- (C)の含有量が、剤中の固形分に対して0.01~30重量%である、請求項7~9のいずれか一項に記載の焼き目付与剤。
- グリル、オーブン焼き、直火焼き、炭火焼、バーナー焼き、天火焼き、窯焼き、鉄板焼き、石板焼き、挟み焼き、蒸し焼き、石焼き、テフロンベルト又は鉄板ベルトによる焼成に使用するための、請求項7~10のいずれか一項に記載の焼き目付与剤。
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