JP6798172B2 - 挽肉加工食品の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、挽肉加工食品の製造方法に関し、詳細には、製造時の付着性が改善され、かつ、喫食時の弾力が保持又は向上された挽肉加工食品の製造方法に関する。
ハンバーグ等の挽肉加工食品について、従来より肉粒感や弾力を向上させる方法が種々検討されている。
例えば、ミンチ状の畜肉にジェランガム粉砕物及び水を直接に添加して混練することにより、肉粒感や風味、ジューシー感を向上させ得ること(特許文献1)や、挽肉加工製品原料に、特定の粘度を有するヒドロキシプロピルセルロースを添加して混合することにより、食感、味質及び肉粒感の全てを満足させる挽肉加工製品が得られること(特許文献2)等が報告されている。
特開2013−78279号公報 特開2007−222041号公報
一方、挽肉加工食品は、その製造工程において、原料のロスを抑え、生産性を向上させる観点から、手や製造器具・機器等に付着しにくいことが求められるが、そのような製造時の付着性の改善は必ずしも十分でなかった。
本発明は、上述の事情に鑑みてなされたものであり、その解決しようとする課題は、製造時の付着性が改善され、かつ、喫食時の弾力が保持又は向上された挽肉加工食品の製造方法を提供することにある。
本発明者は、上記課題に対して鋭意検討した結果、挽肉に(A)トランスグルタミナーゼ、並びに(B)アラビアガム及びローカストビーンガムからなる群から選択される少なくとも一種の増粘多糖類を添加することにより、挽肉加工食品の製造時の付着性を改善し、かつ、喫食時の弾力を保持又は向上させ得ることを見出し、かかる知見に基づいてさらに研究を進めることによって本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下の通りである。
[1]挽肉に
(A)トランスグルタミナーゼ、並びに
(B)アラビアガム及びローカストビーンガムからなる群から選択される少なくとも一種の増粘多糖類
を添加することを含む、挽肉加工食品の製造方法。
[2](B)増粘多糖類の添加量が、挽肉100g当たり0.01〜3gである、[1]記載の製造方法。
[3](A)トランスグルタミナーゼの添加量が、挽肉1g当たり0.0001〜1000Uである、[1]又は[2]記載の製造方法。
[4](B)増粘多糖類が、アラビアガムである、[1]〜[3]のいずれか一つに記載の製造方法。
[5]挽肉加工食品が、ハンバーグである、[1]〜[4]のいずれか一つに記載の製造方法。
[6]トランスグルタミナーゼが作用した挽肉、並びに、
アラビアガム及びローカストビーンガムからなる群から選択される少なくとも一種の増粘多糖類
を含有する、挽肉加工食品。
[7]増粘多糖類の含有量が、挽肉100g当たり0.01〜3gである、[6]記載の挽肉加工食品。
[8]挽肉が、挽肉1g当たり0.0001〜1000Uのトランスグルタミナーゼを添加されたものである、[6]又は[7]記載の挽肉加工食品。
[9]増粘多糖類が、アラビアガムである、[6]〜[8]のいずれか一つに記載の挽肉加工食品。
[10]挽肉加工食品が、ハンバーグである、[6]〜[9]のいずれか一つに記載の挽肉加工食品。
[11]挽肉に
(A)トランスグルタミナーゼ、並びに
(B)アラビアガム及びローカストビーンガムからなる群から選択される少なくとも一種の増粘多糖類
を添加することを含む、挽肉加工食品の製造時の付着性の改善方法。
[12](B)増粘多糖類の添加量が、挽肉100g当たり0.01〜3gである、[11]記載の方法。
[13](A)トランスグルタミナーゼの添加量が、挽肉1g当たり0.0001〜1000Uである、[11]又は[12]記載の方法。
[14](B)増粘多糖類が、アラビアガムである、[11]〜[13]のいずれか一つに記載の方法。
[15]挽肉加工食品が、ハンバーグである、[11]〜[14]のいずれか一つに記載の方法。
[16]挽肉加工食品の製造時の付着性の改善し、かつ、喫食時の弾力を保持又は向上する、[11]〜[15]のいずれか一つに記載の方法。
本発明によれば、製造時の付着性が改善され、かつ、喫食時の弾力が保持又は向上された挽肉加工食品を製造できる。
本発明の挽肉加工食品の製造方法(以下、単に「本発明の製造方法」と称する場合がある)は、挽肉に(A)トランスグルタミナーゼ(以下、単に「成分A」と称する場合がある)、並びに(B)アラビアガム及びローカストビーンガムからなる群から選択される少なくとも一種の増粘多糖類(以下、単に「成分B」と称する場合がある)を添加することを主たる特徴とする。
本発明において「挽肉加工食品」とは、挽肉を原料の一つとする加工食品を意味し、具体例としては、ハンバーグ、ミートボール、ソーセージ、つくね、メンチカツ、ミートコロッケ、肉シュウマイ、肉ギョーザ等が挙げられる。本発明における「挽肉加工食品」は、未加熱であっても又は加熱調理されていてもよく、冷凍流通品及び冷蔵流通品のいずれも包含する概念である。また、挽肉加工食品には、レトルト処理されたレトルト品も包含される。
本発明において用いられる挽肉は、挽肉加工食品に通常用いられるものであれば特に制限されないが、例えば、鶏肉、豚肉、牛肉、馬肉、めん羊肉、山羊肉、家兎肉、鴨肉等の少なくとも一種の食用肉;鶏、豚、牛、馬、めん羊、山羊、家兎、鴨等の少なくとも一種の臓器又は可食部分等を原料とするものが好ましい。これらの挽肉原料は、一種単独で用いてよく、又は二種以上を組み合わせて用いてもよい。挽肉の調製方法は特に制限されず、自体公知の方法又はそれに準ずる方法で適宜行えばよい。例えば、食用肉等を、ミートチョッパーや肉挽き機等を用いて細断すること等によって、挽肉を調製できる。
トランスグルタミナーゼは、タンパク質やペプチド中のグルタミン残基を供与体とし、リジン残基を受容体とするアシル転移反応を触媒する活性を有する酵素であり、例えば、哺乳動物由来のもの、魚類由来のもの、微生物由来のもの等、種々の起源のものが知られている。本発明において用いられるトランスグルタミナーゼは、上述の活性を有すればその起源は特に制限されず、いかなる起源のトランスグルタミナーゼであっても使用でき、また組み換え酵素を使用してもよい。本発明において用いられるトランスグルタミナーゼは市販品であってもよく、具体例としては、味の素株式会社より「アクティバ」TGという商品名で市販されている微生物由来のトランスグルタミナーゼ等が挙げられる。
本発明においてトランスグルタミナーゼの活性単位は、次のように測定され、かつ、定義される。
すなわち、温度37℃、pH6.0のトリス緩衝液中、ベンジルオキシカルボニル−L−グルタミルグリシン及びヒドロキシルアミンを基質とする反応系で、トランスグルタミナーゼを作用せしめ、生成したヒドロキサム酸をトリクロロ酢酸存在下で鉄錯体を形成させた後、525nmにおける吸光度を測定し、ヒドロキサム酸量を検量線により求め、1分間に1μモルのヒドロキサム酸を生成せしめる酵素量を1ユニット(1U)とする(特開昭64−27471号公報参照)。
成分A(トランスグルタミナーゼ)の添加量は、挽肉1g当たりの酵素活性が、好ましくは0.0001U以上であり、より好ましくは0.001U以上であり、特に好ましくは0.01U以上であり、最も好ましくは0.1U以上である。また成分Aの添加量の上限は特に制限されないが、挽肉1g当たりの酵素活性が、好ましくは1000U以下であり、より好ましくは100U以下であり、特に好ましくは10U以下であり、最も好ましくは1U以下である。
挽肉に成分Aを添加する時期は特に制限されず、挽肉とその他の原料(例、成分B等)とを混合する前に、予め挽肉に成分Aを添加してよく、又は挽肉とその他の原料とを混合するときに成分Aも併せて添加してよく、あるいは挽肉とその他の原料とを混合した後、この混合物に成分Aを添加してもよい。
本発明の製造方法は、挽肉に添加したトランスグルタミナーゼを、当該挽肉に作用させることが好ましい。トランスグルタミナーゼを挽肉に作用させる態様は特に制限されず、例えば、挽肉加工食品の原料を混合しながら、トランスグルタミナーゼを挽肉に作用させ得る。挽肉にトランスグルタミナーゼを作用させる時間は、トランスグルタミナーゼの反応量の観点から可能な限り長いことが好ましいが、通常1分間〜24時間である。トランスグルタミナーゼの作用を停止させる方法は特に制限されず、自体公知の方法で行えばよいが、例えば、トランスグルタミナーゼが失活する温度まで(例えば、挽肉加工食品の中心温度が80℃程度となるまで)昇温し、当該温度で一定時間(例、1分間以上)保持すること等によって、トランスグルタミナーゼの作用を停止できる。
トランスグルタミナーゼを作用させるときの挽肉の温度は、トランスグルタミナーゼが失活しない温度であれば特に制限されないが、通常0〜60℃である。
トランスグルタミナーゼを作用させるときの挽肉のpHは、トランスグルタミナーゼが失活しないpHであれば特に制限されないが、通常4〜9であり、トランスグルタミナーゼの活性を高め得ることから好ましくは5〜8である。
挽肉のpHは、例えば、静菌剤やアルカリ剤等により調整し得る。
挽肉にトランスグルタミナーゼを作用させる間、挽肉は適宜撹拌してよい。撹拌速度は特に制限されず、挽肉の量や撹拌方法等に応じて適宜設定し得る。
本発明の製造方法において、挽肉加工食品の原料におけるトランスグルタミナーゼが作用した挽肉の割合は、食感をより向上し得ることから、挽肉加工食品の原料の総重量に対して、好ましくは40重量%以上であり、より好ましくは45重量%以上であり、更に好ましくは50重量%以上であり、特に好ましくは55重量%以上である。また当該割合は、食感をより向上し得ることから、挽肉加工食品の原料の総重量に対して、好ましくは80重量%以下であり、より好ましくは75重量%以下であり、更に好ましくは70重量%以下であり、特に好ましくは65重量%以下である。
本発明において成分Bとして用いられ得る増粘多糖類は、自体公知の方法又はそれに準ずる方法で製造できる。また市販品を用いてもよく、簡便であることから好ましい。
成分Bは、製造時の付着性が優れて改善されるとともに、喫食時の弾力も顕著に向上し得ることから、好ましくはアラビアガムである。
成分B(アラビアガム及びローカストビーンガムからなる群から選択される少なくとも一種の増粘多糖類)の添加量は、付着性をより低減し得、また食感をより向上し得ることから、挽肉100g当たり、好ましくは0.01g以上であり、より好ましくは0.05g以上であり、特に好ましくは0.1g以上である。また当該添加量の上限は特に制限されないが、製造コストの観点から、挽肉100g当たり、好ましくは3g以下であり、より好ましくは1g以下であり、特に好ましくは0.5g以下である。
ここで「成分Bの添加量」とは、アラビアガム及びローカストビーンガムのいずれかを単独で用いる場合は、それの添加量であり、アラビアガム及びローカストビーンガムを併用する場合は、それらの合計の添加量である。
挽肉に成分Bを添加する時期は特に制限されず、挽肉とその他の原料(例、成分A等)とを混合する前に、予め挽肉に成分Bを添加してよく、又は挽肉とその他の原料とを混合するときに成分Bも併せて添加してよく、あるいは挽肉とその他の原料とを混合した後、この混合物に成分Bを添加してもよい。
本発明の製造方法において、挽肉加工食品の原料における成分Bの割合は、付着性をより低減し得、また食感をより向上し得ることから、挽肉加工食品の原料の総重量に対して、好ましくは0.01重量%以上であり、より好ましくは0.05重量%以上であり、更に好ましくは0.07重量%以上であり、特に好ましくは0.1重量%以上である。また当該割合は、製造コストの観点から、挽肉加工食品の原料の総重量に対して、好ましくは5重量%以下であり、より好ましくは1重量%以下であり、更に好ましくは0.5重量%以下であり、特に好ましくは0.3重量%以下である。
ここで「成分Bの割合」とは、アラビアガム及びローカストビーンガムのいずれかを単独で用いる場合は、それの割合であり、アラビアガム及びローカストビーンガムを併用する場合は、それらの合計の割合である。
本発明の製造方法は、挽肉加工食品の原料として、挽肉、成分A及び成分Bに加え、その他の食品素材を適宜用いてよい。その他の食品素材は、挽肉加工食品に通常用いられるものであれば特に制限されないが、例えば、玉ねぎ、ねぎ、にら、キャベツ、白菜、バレイショ、果実、きのこ類、種実等の野菜類;食塩、味噌、マヨネーズ、塩麹、砂糖(例、グラニュー糖等)、醸造酢、ウスターソース、しょうゆ、トマトピューレ、トマトペースト、動植物の抽出濃縮物、みりん、グルタミン酸ナトリウム、核酸系調味料、タンパク加水分解物、酵母エキス等の調味料;こしょう(例、ホワイトペッパー等)、唐がらし、マスタード、パプリカ、ナツメグ等の香辛料;澱粉、小麦粉、コーンスターチ等の澱粉類;パン粉、麩、卵(例、全卵、卵黄、卵白等)、豆腐;水等が挙げられる。これらの食品素材は、一種単独で使用してよく、又は二種以上を組み合わせて使用してもよい。
本発明の製造方法は、挽肉に成分A及び成分Bを添加することを含む以外は、特に制限されず、挽肉加工食品の種類等に応じて、自体公知の方法又はそれに準ずる方法を適宜用いることができる。例えば、挽肉に成分A、成分B及び所望によりその他の食品素材を添加して混合し、得られた混合物を成形すること等によって挽肉加工食品を製造できる。
本発明の製造方法において、挽肉加工食品の原料を混合する方法は特に制限されず、例えば、食品製造に通常用いられるミキサーやニーダー等を用いて撹拌すること等によって混合できる。撹拌条件(例、撹拌速度、撹拌時間等)は特に制限されないが、撹拌速度は、通常10〜50rpmであり、撹拌時間は、通常10秒間〜15分間である。
本発明の製造方法において、挽肉加工食品の原料混合物の成形方法は特に制限されず、例えば、挽肉加工食品の原料混合物の形状を手作業で整えることや、挽肉加工食品の原料混合物を所定の型(例、金型等)に充填すること等によって成形し得る。得られる成形物の構造は特に制限されず、例えば、得られる成形物が単層構造となるように成形してよく、又は二層以上の多層構造となるように成形してもよい。挽肉加工食品の原料混合物の成形は、手作業でも行い得るが、工業的には、例えば市販の全自動包餡機等を使用して行うことが好ましい。
本発明の製造方法は、挽肉加工食品の原料混合物又はその成形物を、挽肉加工食品の所望の流通形態等に応じて、更に加熱処理、冷凍処理等に供してもよい。従って、本発明の製造方法によって得られる挽肉加工食品は、未加熱であっても又は加熱されていてもよく、あるいは、それらの冷凍品(冷凍食品)等であってもよい。
本発明の製造方法において、挽肉加工食品の原料混合物又はその成形物を加熱する場合、加熱方法は特に制限されず、自体公知の方法(例えば、焼成、油ちょう、ボイル、蒸し、過熱水蒸気加熱等)で加熱できる。加熱温度及び加熱時間等の各条件は、原料の種類、加熱方法等に応じて適宜調整し得るが、加熱温度は通常50〜300℃であり、加熱時間は通常30秒間〜3時間である。
本発明の製造方法において、挽肉加工食品の原料混合物又はその成形物を冷凍する場合、冷凍条件(例えば、冷凍温度等)は、適宜調整すればよいが、冷凍温度は通常−10℃以下であり、好ましくは−15℃以下である。冷凍処理に供される挽肉加工食品の原料混合物又はその成形物は、加熱されたものであっても、未加熱のものであってもよい。冷凍処理によって得られる冷凍品(冷凍食品)の解凍方法は特に制限されず、冷凍食品分野における公知の解凍方法(例えば、電子レンジ加熱、オーブン加熱、過熱水蒸気加熱、自然解凍等)を適宜用い得る。
本発明の製造方法によって得られる挽肉加工食品は、好ましくはハンバーグ(未加熱ハンバーグ及び加熱済ハンバーグ、並びにそれらの冷凍品を含む)、つくね(未加熱つくね及び加熱済つくね、並びにそれらの冷凍品を含む)及びミートボール(未加熱ミートボール及び加熱済ミートボール、並びにそれらの冷凍品を含む)からなる群より選択されるいずれか一つであり、より好ましくはハンバーグである。
本発明の製造方法によれば、製造時の付着性が改善され、かつ、喫食時の弾力が保持又は向上された挽肉加工食品を得ることができる。
本発明において、挽肉加工食品の製造時の「付着性」とは、挽肉加工食品の原料混合物を練るときや成形するときの、手や使用器具・機器(例、まな板等)への付着具合をいい、専門パネルによる目視評価によって評価できる。
また本発明において、挽肉加工食品の喫食時の「弾力」とは、加熱調理した挽肉加工食品を喫食したときに感じられる好ましい噛み応えをいい、専門パネルによる官能評価によって評価できる。
本発明の製造方法によって得られる挽肉加工食品は、製造時の付着性が改善されていることから、例えば、挽肉加工食品の原料混合物を所定の型に充填して成形した場合における、当該型から未加熱の挽肉加工食品を取り出す時の離しやすさ(離型性)にも優れ得る。
本発明の製造方法によって得られる挽肉加工食品は、トランスグルタミナーゼが作用した挽肉、並びに、アラビアガム及びローカストビーンガムからなる群から選択される少なくとも一種の増粘多糖類を含有する。従って、本発明は、トランスグルタミナーゼが作用した挽肉、並びに、アラビアガム及びローカストビーンガムからなる群から選択される少なくとも一種の増粘多糖類を含有する挽肉加工食品も提供する。
本発明は、挽肉に(A)トランスグルタミナーゼ、並びに(B)アラビアガム及びローカストビーンガムからなる群から選択される少なくとも一種の増粘多糖類を添加することを含む、挽肉加工食品の製造時の付着性の改善方法(好ましくは、挽肉加工食品の製造時の付着性の改善し、かつ、喫食時の弾力を保持又は向上する方法)も提供する。当該方法は、本発明の製造方法と同様に実施し得、好ましい態様も同様である。
以下の実施例において本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの例によってなんら限定されるものではない。
実施例1及び2、比較例1〜8並びにコントロールのそれぞれにおいて、表1に示す各原料を、ホバートミキサーを用いて5℃で1分間混合し、得られた混合物150gを楕円形に成形することにより、150gの未加熱ハンバーグを2個ずつ製造した後、各ハンバーグの両面をジェットオーブンで焼成(片面280℃、2分間)後、スチームコンベクションオーブンで焼成(200℃、湿度50%、6分間)し、加熱済ハンバーグを得た。原料の一つであるトランスグルタミナーゼには、味の素株式会社製のトランスグルタミナーゼ(商品名:「アクティバ」TG)にデキストリンを加えて10倍倍散としたものを用いた。実施例1及び2並びに比較例1〜6における、トランスグルタミナーゼの挽肉1g当たりの酵素活性は、0.5Uである。
(製造時の付着性の評価)
製造時の付着性の評価は、5名の専門パネルが、実施例1及び2並びに比較例1〜8の原料混合物を練ったときや成形したときの、手やまな板等への付着具合を目視にて確認して、それぞれ下記の評価基準に基づいて評点付けし、その平均点を算出することにより行った。
尚、当該付着性の評点が低い程、良好な挽肉加工食品であることを示す。
9点:コントロールに比べ、極めて強い
8点:コントロールに比べ、かなり強い
7点:コントロールに比べ、強い
6点:コントロールに比べ、やや強い
5点:コントロールと同等
4点:コントロールに比べ、やや弱い
3点:コントロールに比べ、弱い
2点:コントロールに比べ、かなり弱い
1点:コントロールに比べ、極めて弱い
(喫食時の弾力の評価)
喫食時の弾力の評価は、5名の専門パネルが、実施例1及び2並びに比較例1〜8の各加熱済みハンバーグを食して、それぞれ下記の評価基準に基づいて評点付けし、その平均点を算出することにより行った。
尚、当該弾性の評点が高い程、良好な挽肉加工食品であることを示す。
9点:コントロールに比べ、極めて強い
8点:コントロールに比べ、かなり強い
7点:コントロールに比べ、強い
6点:コントロールに比べ、やや強い
5点:コントロールと同等
4点:コントロールに比べ、やや弱い
3点:コントロールに比べ、弱い
2点:コントロールに比べ、かなり弱い
1点:コントロールに比べ、極めて弱い
結果を表2に示す。
表2に示される結果から明らかなように、実施例1及び2の本発明の挽肉加工食品(ハンバーグ)は、コントロールに比べて製造時の付着性が改善され、かつ、コントロールと同程度の弾力を保持するか、コントロールに比べて優れた弾力を有するものであることが確認された。
一方、比較例1〜8の挽肉加工食品においては、製造時の付着性の改善は確認されなかった。
従って、トランスグルタミナーゼとアラビアガムを併用すること(実施例1)や、トランスグルタミナーゼとローカストビーンガムとを併用すること(実施例2)によって得られる本発明の効果は、トランスグルタミナーゼ、アラビアガム又はローカストビーンガムをそれぞれ単独で用いること(比較例1、7及び8)や、アラビアガム及びローカストビーンガム以外の増粘剤をトランスグルタミナーゼと併用すること(比較例2〜6)によっては得られない優れた効果であることが確認された。
本発明によれば、製造時の付着性が改善され、かつ、喫食時の弾力を保持又が向上された挽肉加工食品を製造できる。

Claims (5)

  1. 挽肉に
    (A)トランスグルタミナーゼを作用させること、並びに
    (B)アラビアガム及びローカストビーンガムからなる群から選択される少なくとも一種の増粘多糖類
    を添加することを含む、挽肉加工食品の製造方法であって、
    (B)増粘多糖類の添加量が、挽肉100g当たり0.01〜3gである、製造方法
  2. (A)トランスグルタミナーゼの添加量が、挽肉1g当たり0.0001〜1000Uである、請求項1記載の製造方法。
  3. (B)増粘多糖類が、アラビアガムである、請求項1又は2記載の製造方法。
  4. 挽肉加工食品が、ハンバーグである、請求項1〜のいずれか一項に記載の製造方法。
  5. トランスグルタミナーゼが作用した挽肉、並びに、
    アラビアガム及びローカストビーンガムからなる群から選択される少なくとも一種の増粘多糖類
    を含有する、挽肉加工食品であって、
    増粘多糖類の含有量が、挽肉100g当たり0.01〜3gである、挽肉加工食品
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