JP2629886B2 - トランスグルタミナーゼを含有する調味料及び食品素材プレミックス - Google Patents

トランスグルタミナーゼを含有する調味料及び食品素材プレミックス

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JP2629886B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [利用分野] 本発明は、トランスグルタミナーゼ(TGase)を結着
有効成分として含有する新規な調味料及び食品素材プレ
ミックスに関する。
[従来技術] 畜肉、魚肉加工品の製造には、一般に調味料が用いら
れているが、調味料には結着力がなく、結着剤として一
般的には澱粉が添加されている。しかしながら、結着剤
としての澱粉は、最終製品の食感を損うことがあり、適
用できる食品の範囲が限定されるという欠点があった。
澱粉より好ましい結着剤として、卵白(卵白粉)が使
用されているが、これも最終製品の食感、風味を損うこ
とがあり、又、高価であるなどの欠点を有していた。
[発明が解決しようとする課題] 従来使用されている結着剤は、以上に述べた如く、最
終製品の食感、風味を損ったり、高価であるなどの欠点
を有しており、最終製品の食感、風味などを損わず、強
い結着を賦与することができる結着剤が望まれていた。
更に、このような結着剤を、畜肉・魚肉加工品製造時に
使用される調味料又は、食品素材に配合すれば、結着を
簡便に賦与することができる。従って、本発明の主題
は、畜肉・魚肉加工品に結着を簡便に賦与することがで
き、食感を改善できる、結着剤を含有する調味料及び食
品素材プレミックスを提供することにある。
[課題を解決するための手段] 本発明者等は、アシル転移酵素の一つであるTGase
の、食品蛋白中に多く含有されるグルタミン残基とリジ
ン残基間に架橋を形成する作用に着目し、研究した結
果、畜肉・魚肉加工品の製造に、TGaseを含有する調味
料又は食品素材を用いると、加工品に簡便にしかも安価
に結着を賦与することができ、かつ食感を改善できるこ
とを見出し、本発明を完成した。
即ち、本発明は、結着有効成分としてのTGase及
び、L−グルタミン酸モノナトリウム、核酸系調味物質
又はこれらの混合物からなる新規調味料ならびに結着
有効成分としてのTGase及び植物蛋白を含有する食品素
材プレミックスである。
本発明において用いられるTGaseの由来は特に限定さ
れるものではなく、食品蛋白中に含まれるグルタミン残
基とリジン残基間に架橋を形成し、畜肉・魚肉加工品に
結着を賦与し、食感を改善するものであれば、いずれも
使用することができる。具体的には、例えば、本出願人
による特開昭58−149645に記載されたモルモット肝由来
のTGase(MTGase)を挙げることができる。更に、本発
明者の一部が発明者として関与した発明である特願昭62
−165067には、微生物、例えば、ストレプトベンチシリ
ウム属の菌により産生される微生物由来の新規なTGase
(BTGase)が開示されている(新規BTGaseの製造法、酵
素特性等については後述する)本発明においては、この
ようなBTGaseをも使用できることは勿論である。
本発明の新規調味料の調味成分は、L−グルタミン酸
モノナリトリウム、核酸系調味物質、及びこれらの混合
物である。核酸系調味物質とは、イノシン酸ナトリム、
グアニル酸ナトリウムなどの、調味料として用いられて
いるヌクレオチドを示す。
さて、TGase及び調味料成分の配合割合は、TGase1U
(unit)に対して、L−グルタミン酸モノナトリウムは
1×10-2〜3×4g、好ましくは5×10-2〜6×103g、核
酸系調味物質は1.0×10-4〜1×103g、好ましくは5.0×
10-4〜200gである。L−グルタミン酸モノナトリウムと
核酸系調味料物質を併用する場合には、これらの合計量
がTGase 1.0×103Uに対して1.0×10-2〜3.1×104g、好
ましくは5.0×10-2〜6.2×103gであり、これらの混合割
合は特に限定されない。
本発明の調味料には必要に応じて、食塩及び従来食品
製剤、加工食品等に使用されている蛋白加水分解物、酵
母エキスを加えることもできる。この場合、食塩の配合
割合は特に限定されないが、蛋白加水分解物及び、酵母
エキスの配合割合はTGase 1×103Uに対して1.0×10-3
1.0×104g,好ましくは2.0×10-2〜2.0×103gである。
又、惣菜の調理加工を簡便にし、TGaseの活性を常温
で長期間保持するためには、乾燥粉末状態(水分含量が
20%以下であるのが好ましい)の他の調味料、スパイ
ス、粉末油脂、パン粉、乾燥野菜を単独又は2つ以上、
本発明の調味料に加えることが好ましい。この場合、配
合割合は特に限定されない。なお上記の他の乾燥粉末調
味料としては、糖類、粉末しょうゆ、粉末ケチャップ、
粉末みりん、粉末ワインなどが例示される。
畜肉・魚肉の代替、増量あるいは結着性を補助する目
的で、本発明のTGase含有調味料に、植物性蛋白をTGase
1×103Uに、対して、10〜1×104g、好ましくは50〜2
×103g、更に含有させてもよい。植物性蛋白としては、
油糧種子の脱脂物(脱脂大豆)及び分離大豆蛋白、濃縮
大豆蛋白、大豆粉などを挙げることができる。
更に、添加物、賦形剤として、脱脂粉乳、澱粉、多
糖、乳化剤などをTGaseの結着作用を阻害しない範囲で
本発明の調味料に添加してもよい。
本発明の調味料は、粉末混合物、打錠、顆粒、カプセ
ル、ゼリー、液状などの形態をとることができるが、こ
れらの形態に限定されるものではなく、又、従来公知の
方法により前記形態とすることができる。
次に、TGaseを含有する新規食品素材プレミックスに
ついて説明する。TGase以外の構成成分として植物蛋
白、好ましくは、大豆蛋白を用いればよい。大豆蛋白と
しては、脱脂大豆、濃縮大豆蛋白、分離大豆蛋白、大豆
粉などを用いればよい。尚、植物蛋白の添加割合はTGas
e 1.0×103Unitに対し、10〜1×104g、好ましくは50〜
2×103gである。植物蛋白以外の成分については、前述
の調味料の説明において列挙した諸成分を添加すればよ
い。
さて、本発明のTGase含有調味料又は食品素材プレミ
ックスを用いて、畜肉、魚肉加工品を以下のようにして
製造することができる。
本発明の調味料又は、食品素材プレミックスを、畜肉
又は魚肉、必要量の水、及び必要に応じて用いられる他
の調味材料又は食品素材に加え、これらを充分に混合す
る。混合方法は、ホバートミキサー、サイレントカッタ
ー、ニーダー、手など何れの方法でもよい。なお、本発
明に係る大豆蛋白を含有する食品素材プレミックス又は
大豆蛋白をも含む調味料を使用する場合には必要量の水
を加えて、0〜30分間放置し、吸水させた後、畜肉又は
魚肉を加えて混合するのが好ましい。次いでこれを成形
して必要に応じて5〜40℃で0〜24時間インキュベーシ
ョンして生地を得る。このようにして得られた生地はそ
のまま加熱して最終製品とすることができる。又、得ら
れた生地を蒸し、ロースト、グリル、ボイルなどの方法
により加熱してTGaseを失活させ、冷凍あるいはチルド
保存用の加工食品とすることもできる。TGase失活のた
めには、例えば、80℃で50分、85℃で30分、又は90℃で
10分程度加熱することが必要である。このようにして製
造された冷凍保存用の加工食品は、通常行われているよ
うに解凍後加熱調理して最終製品とすることができる。
チルド保存用の加工食品はそのまま、あるいは加熱処理
後、最終製品とすることができる。
本発明のTGase含有調味料又は食品素材プレミックス
を用いれば、上述のような簡便な方法により結着が賦与
され食感が改善されたハンバーグ、ミートボール、ミー
トパテ、シューマイ、コロッケ、中華まんじゅう、かま
ぼこ、揚げかまぼこ、竹輪、魚肉ハム・ソーセージ、畜
肉ハム・ソーセージなどの畜肉・魚肉加工品を得ること
ができる。
なお本発明のTGase含有調味料又は食品素材プレミッ
クスは、TGaseの架橋化機能を活用し、惣菜・加工食品
製造時に短時間で結着効果を発現させるために、TGase
の濃度は蛋白(TGaseを含有する調味料又は食品素材プ
レミックス中の植物蛋白は含まない。)1gに対して0.1
〜100U、好ましくは0.5〜20Uになるように使用する。蛋
白1gに対して0.1U未満の場合には、TGaseを添加しない
場合と区別がなく、100Uを超える場合には、架橋反応が
進みすぎて蛋白が凝集し結着効果が得られないので好ま
しくない。又、モルモット肝由来のTGase(MTGase)
は、カルシウム(Ca2+)依存性であるため、MTGase含有
の本発明の調味料を用いて、畜肉・魚肉加工品を製造す
るには、CaCl2、CaCO3、CaSO4・2H2OなどをMTGase1Uに
対して1〜100mM、好ましくは1〜20mM加えることが必
要である。
(本発明で用いる新規トランスグルタミナーゼBTGase) (1)トランスグルタミナーゼとその由来 トランスグルタミナーゼ(以下、TGaseと略称するこ
とがある。)は、ペプチド鎖内にあるグルタミン残基の
γ−カルボキシアミド基のアシル転移反応を触媒する酵
素である。このTGaseは、アシル受容体としてタンパク
質中のリジン残基のε−アミノ基が作用すると、分子内
及び分子間にε−(γ−Glu)−Lys架橋結合が形成され
る。また水がアシル受容体として機能するときは、グル
タミン残基が脱アミドされグルタミン酸残基になる反応
を進行させる酵素である。
本発明で使用する新規トランスグルタミナーゼ(BTGa
se)は、微生物、例えば、ストレプトベルチシリウム属
の菌により産生されるものである。
(2)BTGaseの製造 BTGaseを産生する微生物は、例えば、ストレプトベル
チシリウム・グリセオカルネウム(Streptoverticilliu
m griseocarneum)IFO 12776、ストレプトベルチシリウ
ム・シナモネウム・サブ・エスピー・シナモネウム(St
reptoverticillium cinnamoneum sub sp.cinnamoneum)
IFO 12852、ストレプトベルチシリウム・モバラエンス
(Streptoverticillium mobaraense)IFO 13819等があ
げられる。
これら微生物を培養し、トランスグルタミナーゼを取
得するための培養法及び精製法等は次の通りである。
培養形態としては、液体培養、固体培養いずれも可能
であるが、工業的には深部通気撹拌培養を行うのが有利
である。又、使用する培養源としては、一般に微生物培
養に用いられる炭素源、窒素源、無機塩及びその他の微
量栄養源の他、ストレプトベルチシリウム属に属する微
生物の利用出来る栄養源であれば全て使用出来る。培地
の炭素源としては、ブドウ糖、ショ糖、「ラスターゲ
ン」(可溶性澱粉)、グリセリン、デキストリン、澱粉
等の他、脂肪酸、油脂、有機酸などが単独で又は組合せ
て用いられる。窒素源としては、無機窒素源、有機窒素
源のいずれも使用可能であり、無機窒素源としては硝酸
アンモニウム、硫酸アンモニウム、尿素、硝酸ソーダ、
塩化アンモニウム等が挙げられる。又、有機窒素源とし
ては大豆、米、トウモロコシ、小麦などの粉、糖、脱脂
粕をはじめコーンステイープリカー、ペプトン、肉エキ
ス、カゼイン、アミノ酸、酵母エキス等が挙げられる。
無機塩及び微量栄養素としては、リン酸、マグネシウ
ム、カリウム、鉄、カルシウム、亜鉛等の塩類の他ビタ
ミン、非イオン界面活性剤、消泡剤等の菌の生育やBTGa
seの産生を促進するものであれば必要に応じて使用出来
る。
培養は好気的条件で、培養温度は菌が発育しBTGaseが
産生する範囲であれば良く、好ましくは25〜35℃であ
る。培養時間は、条件により異なるが、BTGaseが最も産
生される時間まで培養すれば良く、通常2〜4日程度で
ある。
BTGaseは液体培養では培養液中に溶解されており、培
養終了後培養液より固形分を除いた培養ろ液より採取さ
れる。
培養ろ液よりBTGaseを精製するには、通常酵素精製に
用いられるあらゆる方法が使用出来る。
例えば、エタノール、アセトン、イソプロピルアルコ
ール等の有機溶媒による処理、硫安、食塩等により塩
析、透析、限外ろ過法、イオン交換クロマトグラフィ
ー、吸着クロマトグラフィー、ゲルろ過、吸着剤、等電
点分画等の方法が使用出来る。又、これらの方法を適当
に組合せる事によりBTGaseの精製度が上る場合は適宜組
合せて行う事が出来る。これらの方法によって得られる
酵素は、安定化剤として各種の塩類、糖類、蛋白質、脂
質、界面活性剤等を加え或いは加えることなく、限外ろ
過濃縮、逆浸透濃縮、減圧乾燥、凍結乾燥、噴霧乾燥の
方法により液状又は固形のBTGaseを得ることが出来る。
BTGaseの活性測定はベンジルオキシカルボニル−L−
グルタミニルグリシンとヒドロキシルアミンを基質とし
てCa2+非存在下で反応を行い、生成したヒドロキサム酸
をトリクロロ酢酸存在下で鉄錯体を形成させ525nmの吸
収を測定し、ヒドロキサム酸の量を検量線より求め活性
を算出する。
BTGase活性は、特に記載しないかぎり以下に記載する
方法により測定した。
〈活性測定法〉 試薬A 0.2Mトリス塩酸緩衝液(pH6.0) 0.1Mヒドロキシルアミン 0.01M還元型グルタチオン 0.03Mベンジルオキシカルボニル L−グルタミニルグリシン 試薬B 3N−塩酸 12%−トリクロロ酢酸 5%FeCl3・6H2O(0.1N−HClに溶解) 上記溶液の1:1:1の混合液を試薬Bとする。
酵素液の0.05mlに試薬A0.5mlを加えて混合し37℃で10
分間反応後、試薬Bを加えて反応停止とFe錯体の形成を
行った後525nmの吸光度を測定する。対照としてあらか
じめ熱失活させた酵素液を用いて同様に反応させたもの
の吸光度を測定し、酵素液との吸光度差を求める。別に
酵素液のかわりにL−グルタミン酸γ−モノヒドロキサ
ム酸を用いて検量線を作成し、前記吸光度差より生成さ
れたヒドロキサム酸の量を求め、1分間に1μモルのヒ
ドロキサム酸を生成する酵素活性を1単位とした。
(3)BTGaseの酵素特性 上のようにして得られる精製BTGase、即ちストレプト
ベチシリウム・モバランスIFO 13819のトランスグルタ
ミナーゼ(BTG−1と命名)、ストレプトベルチシリウ
ム・グリセオカルネウムIFO 12776のトランスグルタミ
ナーゼ(BTG−2と命名)、ストレプトベルチシリウム
・シナモネウム・サブ・エスピー・シナモネウムIFO 12
852のトランスグルタミナーゼ(BTG−3と命名)につい
ての酵素化学的性質は次の通り。
a) 至適pH: 基質としてベンジルオキシカルボニル−L−グルタミ
ニルグリシンとヒドロキシルアミンを使用した場合、37
℃、10分反応で、BTG−1の至適pHは6〜7にあり、BTG
−2の至適pHは6〜7付近にあり、BTG−3の至適pHは
6〜7付近にある。
b) 至適温度: 基質としてベンジルオキシカルボニル−L−グルタミ
ニルグリシンとヒドロキシルアミンを使用した場合、pH
6、10分反応で、BTG−1の至適温度は55℃付近であり、
BTG−2の至適温度は45℃付近であり、BTG−3の至適温
度は45℃付近にある。
c) pH安定性: 37℃、10分間処理で、BTG−1はpH5〜9で安定であ
り、BTG−2はpH5〜9で安定であり、BTG−3はpH6〜9
で安定である。
d) 温度安定性: pH7で10分間処理では、BTG−1は40℃では88%活性が
残存し、50℃では74%活性が残存し、BTG−2は40℃で
は86%活性が残存し、50℃では56%活性が残存し、BTG
−3は40℃で80%活性が残存し、50℃では53%活性が残
存する。
e) 基質特異性: 各BTGaseを用い、各種合成基質とヒドロキシルアミン
との反応を調べた。いずれのBTGaseも合成基質がベンジ
ルオキシカルボニルアスパラギニルグリシン、ベンジル
オキシカルボニルグルタミン、グリシルグルタミニルグ
リシンの場合反応しない。しかし合成基質がベンジルオ
キシカルボニルグルタミニルグリシンの場合の反応性は
最も高い。この時の各種合成基質濃度は5mMとした。結
果は表−1に示される。
なお、表−1中のCBZはベンジルオキシカルボニル基
の略であり、Glnはグルタミル基の略であり、Glyはグリ
シル基の略であり、Aspはアスパラギニル基の略であ
る。
f) 金属イオンの影響: 活性測定系に1mM濃度になるように各種金属イオンを
加えて影響を調べた(結果は表−2に示される)。いず
れのBTGaseもCu2+、Zn2+により活性が阻害される。
g) 阻害剤の影響: 各阻害剤を1mMになるように加え、25℃、30分放置
後、活性を測定した(結果は表−3に示される)。いず
れのBTGaseもパラクロロマーキュリー安息香酸(PCMBと
略する)、N−エチルマレイミド(NEMと略する)、モ
ノヨード酢酸により活性が阻害される。
表−3中PMSFはフェニルメチルスルホニルフルオライ
ドの略である。
h) 等電点: アンホライン等電点電気泳動により求めたところ、BT
G−1の等電点pIは9付近であり、BTG−2の等電点pIは
9.7付近であり、BTG−3の等電点pIは9.8付近である。
i) 分子量: SDSディスク電気泳動法より求めたところ、BTG−1の
分子量は約38,000であり、BTG−2の分子量は約41,000
であり、BTG−3の分子量は約41,000である。
(4)BTGaseの製造例 a) BTG−1の製造 ストレプトベルチシリウム・モバラエンスIFO 13819
を培地組成ポリペプトン0.2%、グリコース、0.5%、リ
ン酸二カリウム0.2%、硫酸マグネシウム0.1%からなる
培地(pH7)200mlに接種し、30℃、48時間培養し、得ら
れた種培養液をポリペプトン2.0%、ラスターゲン2.0
%、リン酸二カリウム0.2%、硫酸マグネシウム0.1%、
酵母エキス0.2%、消泡剤としてアデカノール(商品
名、旭電化社製品)0.05%からなる培地20(pH7)に
加え30℃で3日間培養後ろ過し、培養液18.5得た。こ
のものの活性は、0.35U/mlである。
培養液を塩酸でpH6.5に調整し、予め0.05Mリン酸緩衝
液(pH6.5)で平衡化しておいたCG−50(商品名、オル
ガノ社製品)のカラムに通した。この操作でトランスグ
ルタミナーゼは吸着された。さらに同緩衝液で不純蛋白
質を洗い流した後、さらに0.05〜0.5Mの同緩衝液の濃度
勾配をつくり、通液して溶出液を分画回収し、比活性の
高い分画を集めた。電導度を10ms以下になるように希釈
後ブルーセファロースのカラムに通した。この操作でト
ランスグルタミナーゼは吸着された。更に0.05Mリン酸
緩衝液(ph7)で不純蛋白質を洗い流した後、0〜1Mの
食塩濃度勾配をつくり通液して溶出液を回収し比活性の
高い画分を集めた。UF6000膜を使い濃縮し、0.5Mの食塩
を含む0.05Mリン酸緩衝液(pH7)で緩衝液を用いて平衡
化させた。
得られた濃縮液を同緩衝液で予め平衡化しておいたセ
フアデックスG−75(ファルマシアファインケミカル社
性)を含むカラムに通し、同緩衝液を流して溶出液を分
画した。この結果活性画分は単一のピークとして溶出さ
れた。このものの比活性は、培養ろ液に対し625倍であ
り、回収率は47%であった。
b) BTG−2の製造 BTG−1の場合と同様にして、ストレプトベルチシリ
ウム・グリセオカルネウムIFO 12776を30℃で3日間培
養後ろ過し、培養液19を得た。このものの活性は0.28
U/mlであった。
BTG−1の場合と同様な方法で酵素を精製して、SDSデ
ィスク電気泳動で単一の酵素をえた。
c) BTG−3の製造 BTG−1の場合と同様にして、ストレプトベルチシリ
ウム・シナモネウム・サブ・エスピー・シナモネウムIF
O 12852を30℃で3日培養後ろ過し、培養液18.5を得
た。このものの酵素活性は0.5U/mlであった。
BTG−1の場合と同様な方法で酵素を精製して、SDSデ
ィスク電気泳動で単一の酵素を得た。
以下に本発明の実施例について述べる。
実施例 1BTGase−2 1U/g・蛋白を含むミートパテ用プ
レミックス BTGase−2 400U、L−グルタミン酸モノナトリウム5.
0g及び食塩10gからなる調味料を牛挽肉2kg(尚、牛挽肉
の蛋白含量は20%)g、水150gに加え、ホバートミキサ
ーで4分間混合した。これを核柱状に成型し、オーブン
で140℃で90分加熱し、蛋白1g当たり1UのTGaseを含むミ
ートパテを得た。
このミートパテは、適当の硬さと弾力を有し、ボソツ
キ感がなく、結着剤としてTGaseの代りに生卵白86gを加
えて作ったミートパテに比べ、著しく食感が好ましいも
のであった。以下官能評価結果を示した。
なお、各官能評価の数値は以下のようにして得た。
即ち、得られた製品を10名の官能検査員が、試食し、
下記の評価シートを用いて、評点を記入した。評価は、
各製品ごとに独立に行い、それぞれ、結着剤を含まない
プレミックスを用いて得た製品をコントロールとした。
10名の評点の平均値を評価結果として表に示した。
以下、実施例1〜3は同様にして評価した。
実施例2 BTGase−1 5U/g・蛋白を含むハンバーグ用プ
レミックス BTGase−1 216U、L−グルタミン酸モノナトリウム1.
6g,パン粉32g、乾燥玉ねぎ12g、脱脂紛乳6g、食塩2.4
g、砂糖2.4g、こしょう0.4g及びナツメグ0.4gから成る
調味料と合挽肉(牛:豚)(なお、合挽肉の蛋白質含量
は20%)240gに添加した。次に水96mlも添加し、粘りが
生ずるまでよく混合した。これをだ円状に成形し、BTGa
se−1 5U/g・蛋白を含むハンバーグ生地を得た。これを
フライパンにて約5分加熱調理した。このハンバーグ
は、適度な硬さ、弾力とジューシー感を有し、結着剤と
してTGaseの代りに卵白紛4.0gを使用したハンバーグに
比べ、著しく食感が好ましいものであった。以下官能評
価結果を示した。
また本発明のTGase含有調味料を用いて同様にポテト
コロッケ、ミートボール、シューマイ、中華まんじゅう
を試作したが、いずれも上記ハンバーグと同様の食感改
良効果が得られた。
実施例−3 BTGase−1 20U/g・蛋白を含むハンバーグ
用プレミックス BTGase−1 8640U、L−グルタミン酸モノナトリウム1
6g、パン紛320g、乾燥玉ねぎ120g、脱脂粉乳80g、食塩1
6g、砂糖24g、こしょう4g、ナツメグ4g、ケチャップフ
レーバー4g、ワインフレーバー4g、ビーフエキス紛20g
及び粉末油脂180gから成る調味料と、組織状大豆蛋白12
00g、水1700mlを混合し、5分間放置した。これに合挽
肉(牛:豚)1200g(合挽肉の蛋白含量20%)を加え、
ホバートミキサーで2分間混合した。次いで、成型機に
て一個75gのBTGase−1 20U/g・蛋白を含むだ円状ハンバ
ーグ生地を成型した。これを98℃、10分間蒸した後、放
冷した。さらに40℃にて凍結し、冷凍ハンバーグを得
た。この冷凍ハンバーグをフライパンにて再加熱したも
のは、適度の硬さと弾力、粘りを有し、ジューシー感に
富んでいた。また、大豆臭も少なく、大豆蛋白を用いな
いハンバーグと同様の食感を呈した。又、結着剤として
TGaseの代りに卵白紛40gを使用したハンバーグに比べ、
著しく食感が好ましいものであった。
以下官能評価結果を示した。
実施例4 BTGase−1 5U/g・蛋白を含む蒲鉾用調味料プ
レミックス BTGase−1 5U/g・蛋白を含む蒲鉾用プレミックス46.4
g(BTGase−1 750U、L−グルタミン酸モノナトリウム1
3g、核酸系調味料5g)を馬鈴薯澱粉60gとともに1級す
り身500g(蛋白含量15%)、2級すり身500g(蛋白含量
15%)、氷水400gに加え、らいかい機を用いて8分間ら
いかい操作を行い、浦鉾生地を作製した。次いで、5℃
で一晩保持し、すわり工程を行った後、85℃で30分間加
熱し、製品を得た。この蒲鉾は、硬さ、弾力に富み、上
記プレミックスのうちTGaseを含まない調味料を用いて
同様に作製したものに比べ、著しく品質がまさったもの
であった。以下に、官能評価結果(官能検査員10名)、
レオメーター(不動工業(株))による物性測定結果を
示した。
実施例5 BTGase−3 2.0U/g・蛋白を含む揚げかま用食
品素材プレミックス BTGsae−3 2.0U/g・蛋白を含む揚げかま用食品素材プ
レミックス224g(BTGase−3 450U、食塩50g、蛋白加水
分解物含有調味料34g、粉末みりん30g、粉末状植物性蛋
白質110g)を馬鈴薯澱粉200gとともに2級すり身1500g
(蛋白含量15%)、氷水390gに加えて、らいかい機を用
いて20分間らいかい操作を行い、揚げかま生地を作製し
た。これを、成型機にて、短冊状(50×70×12mm)に成
型した。次いで、5℃で一晩保持し、すわり工程を行っ
た後、植物油中で140℃で4.5分揚げ、冷却したものを製
品とした。
この揚げかまは、硬さ、弾力に富み、歯切れが良く、
上記プレミックスのうちTGaseを含まない調味料を用い
て同様に作製したものに比べ、著しく品質がまさったも
のであった。以下に、官能評価結果(官能検査員10
名)、レオメーター(不動工業(株))による物性測定
結果を示した。
[発明の効果] 本発明の調味料又は食品素材プレミックスに含有され
るTGaseは、食感を損うことなく畜肉・魚肉加工品に結
着を賦与することができる。
このようなTGaseを畜肉・魚肉加工品製造時に使用さ
れる調味料又は食品素材に配合して得られる本発明のTG
ase含有調味料又は食品素材プレミックスを用いるとハ
ンバーグ、ミートボール、ミートパテ、シューマイ、コ
ロッケ、かまぼこなどの加工品に結着を簡便に賦与する
ことができ、食感を改善することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 渡井口 清一郎 神奈川県川崎市川崎区鈴木町1番1号 味の素株式会社中央研究所内 (72)発明者 本木 正雄 神奈川県川崎市川崎区鈴木町1番1号 味の素株式会社中央研究所内 (56)参考文献 特開 昭59−59151(JP,A)

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】トランスグルタミナーゼ、及び、L−グル
    タミン酸ナトリウム、核酸系調味物質又はこれらの混合
    物から成る調味料。
  2. 【請求項2】前記トランスグルタミナーゼは、動物由来
    又は微生物由来のトランスグルタミナーゼであることを
    特徴とする請求項1に記載の調味料。
  3. 【請求項3】蛋白加水分解物、酵母エキス及び食塩の少
    なくとも1以上を、更に含有する請求項1又は2に記載
    の調味料。
  4. 【請求項4】他に粉末調味料、スパイス、粉末油脂、パ
    ン粉及び乾燥野菜の少なくとも1以上を更に含有する請
    求項1、2又は3に記載の調味料。
  5. 【請求項5】植物性蛋白を更に含有する請求項1、2、
    3又は4に記載の調味料。
  6. 【請求項6】結着有効成分としてのトランスグルタミナ
    ーゼ及び植物性蛋白を含有する食品素材プレミックス。
  7. 【請求項7】前記植物性蛋白が大豆蛋白である請求項6
    に記載の食品素材プレミックス。
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