JP2611368B2 - 蛋白組織化物の製造法 - Google Patents

蛋白組織化物の製造法

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【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、蛋白含有素材をエクストルーダ処理に付し
て蛋白組織化物を製造する方法において、該処理時にト
ランスグルタミナーゼ(以下、TGaseと略記することが
ある。)を加えることにより、優れた品質の蛋白組織化
物を提供する方法に関する。
(従来技術とその問題点) 従来、蛋白組織化物は、高温高圧により蛋白含有素材
を溶融後、成型加圧することを基本として、例えばエク
ストルーダ処理により製造されてきた。
しかしながら、高温高圧で処理されるため、得られる
蛋白組織化物は、色、味、風味、ジューシー感が劣り、
ハンバーグ、シューマイ、ギョーザ、コロッケなどの惣
菜に用いたとき、吸水して食感をかたくすることはでき
ても、ボソツキを生じ、ジューシー感に欠けた品質のも
のしか得られず、特に植物性蛋白素材を原料として用い
た時、味、風味が気になる。例えば、大豆蛋白素材など
いり豆臭の強い呈味を有し、これら食品への使用量は制
限されてきた(例えば、乾物ベースで5%以下)。その
ため、より低温でせん断力を活かした組織化法が望まれ
ている。
因みに、TGaseを蛋白含有素材から蛋白組織化物を製
造するためのエクストルーダ処理時に使用した例は見な
い。
(問題点を解決するための手段) 本発明は、蛋白含有素材を蛋白組織物に変えるエクス
トルーダ処理時にTGaseを用いることを特徴とし、こう
することによってエクストルーダ処理時に従来よりも低
温で膨化が可能となり、それによって比較的温和な温度
での蛋白の組織化が可能となり、又、従来と同じような
温度で処理しても、褐変を防止するため、白く、ロース
ト臭のない組織化物を得ることができる。
本発明の方法により製造した蛋白組織化物は又、畜
肉、すり身などとの親和性が高く、結果的にボソツキの
ない、ジューシー感がある。のどこしにすぐれた食品を
得ることができる。
以下、本発明の方法を逐次詳細に説明する。
本発明の方法の概要は、蛋白含有素材を水(必要に応
じて)とトランスグルタミナーゼとを加えてエクストル
ーダ処理に付して蛋白組織化物とするものであるが、ト
ランスグルタミナーゼを使用しない蛋白含有素材のエク
ストルーダ処理による蛋白組織化物の製造法は周知なの
で、本発明方法の実施に際しても、トランスグルタミナ
ーゼを使用すること、及びこの使用に伴う若干の制約の
他は、全て上記の周知のエクストルーダ処理条件がその
まま又は必要な改変を行なって採用できる。
まず、原料について説明する。
蛋白含有素材は、蛋白含有物であればよく、例えば、
大豆、小麦、綿実種子等由来の植物性蛋白、卵白、畜
肉、カゼイン、脱脂粉乳等由来の動物性蛋白及びこれら
の2種以上の組合せを挙げることができる。
水は、蛋白含有素材が乾物である場合など必要に応じ
て加えるが、通常蛋白含有素材1部に対して0.1〜2部
の量で加える。
トランスグルタミナーゼは、特に起源を問わず、例え
ば、モルモットの肝臓から分離したもの(以下、MTGase
と略記することがある)、微生物が産生するもの(以
下、BTGaseと略記することがある)と挙げることができ
る。前者のMTGaseは、例えば、特開昭58−14964号に記
載の方法で調製することができる。後者のBTGaseは、新
規酵素であって、本発明者の一部が発明者として関与し
た発明(特開昭62−165067)に係わるもので、その酵素
特性、製造法等については別項に記載する。
TGaseは、その架橋化機能を活用し、低温での成形加
工を可能にするためには、蛋白含有素材によって若干の
差異があるが、一般には、1〜100u/g蛋白好ましくは2
〜50u/g蛋白の添加量で使用するとよいといってよい
が、詳しくは、例えば大豆、小麦、畜肉、魚肉では1〜
50u/g蛋白好ましくは2〜20u/g蛋白であり、卵白、カゼ
インでは1〜100u/g蛋白好ましくは5〜50u/g蛋白であ
る。使用量が少な過ぎると、TGaseを使用しないで製造
される従来の蛋白組織物との差別化ができず、多過ぎる
と架橋反応が進み過ぎて蛋白が凝集化し、組織化物が得
られない。TGaseが、その酵素作用の発現に他の物質を
必要とする場合は(MTGaseはCa2+依存性)、そのような
物質をも存在させることは当然である。
TGaseの添加方法には特に限定はなく、例えば、TGase
を粉末のまま、水や蛋白素材と個別にバレル内に加えて
もよく、TGaseを水に溶解後蛋白素材に加えてもよく、T
Gase、水、蛋白素材とエクストルーダ処理前に混合し、
ドウとした状態でバレルに装填してもよい。
もちろん、添加物として、調味料(肉エキス、スパイ
ス、フレーバー)、でん粉、多糖、油脂、乳化剤、など
はTGaseの作用を阻害しないとか組織化を阻害しないと
か要するに本発明の目的を阻害しない範囲で添加するこ
とは可能である。
次に、エクストルーダ処理について説明する。
エクストルーダ処理は、要は、せん断力を加えられ、
蛋白を高温高圧で溶融後、小さなノズルから押し出し成
型可能であればよく、エクストルーダを使用するのが最
適である。
エクストルーダを使用する場合、エクストルーダの機
種は一軸、二軸タイプなどいずれも使用可能であり、ス
クリューはせん断力がかけられればよくて、特にスクリ
ュー構成に制限はない。温度については、出口品温が80
〜250℃、好ましくは100〜180℃、又エクストルーダの
入口(原料投入部)は、本酵素の作用性の観点から60℃
以下とするのが好ましい。バレル内滞留時間は、TGase
は蛋白と接触すると比較的短時間に架橋反応を生ずるた
め、均一で安全なものを得るには15秒もあればよいこと
になるが、これは酵素使用量とも関係するので通常10秒
以上、好ましくは20〜60秒である。スクリュー回転数
は、特に制限はなく、好ましくは100〜400rpmである。
上記のエクストルーダ処理条件からはずれた時は、蛋
白の組織化物が得られない、生っぽい(出口品温80℃以
下)かロースト臭が強すぎる(出口品温250℃以上)。
特に出口品温250℃以上ではジューシー感に欠けたもの
となる。エクストルーダ処理の後処理は、これまた周知
の方法でよく、このようにして優れた品質の蛋白組織化
物が最終製品として得られる。
(本発明で使用できる新規トランスグルタミナーゼBTGa
se) (1)トランスグルタミナーゼとその由来 トランスグルタミナーゼは、ペプチド鎖内にあるグル
タミン残基のγ−カルボキシアミド基のアシル転移反応
を触媒する酵素である。このTGaseは、アシル受容体と
してタンパク質中のリジン残基のε−アミノ基が作用す
ると、分子内及び分子間にε−(γ−Glu)−Lys架橋結
合が形成される。また水がアシル受容体として機能する
ときは、グルタミン残基が脱アミド化されグルタミン酸
残基になる反応を進行させる酵素である。
TGaseのこのような性質により、TGaseを用いてタンパ
ク含有溶液又はスラリーをゲル化させることができる。
TGaseは、これまでモルモット肝由来のもの(MTGas
e)などの動物由来のものが知られているが、動物由来
のものは、安価にまた大量に入手するのが困難であり、
タパンク質をゲル化するときは酵素濃度及び基質濃度を
共に高くする必要があり、またCa2+依存性であるので用
途が制限される。
本発明で使用できる新規トランスグルタミナーゼ(BT
Gase)は、微生物、例えば、ストレプトベルチシリウム
属の菌により産生されるものであるが、微生物由来のTG
aseについての報告は現時点ではない。
本発明で使用できる微生物由来のBTGaseは安価に供給
され、かつ精製も容易であるので実用性が大である。ま
た、BTGaseを用いることにより、カルシウム非存在下で
も又カルシウム存在下でもいずれでも酵素(BTGase)濃
度及び基質濃度が非常に低いところで品質の優れたゲル
化物を製造できるという利点がある。
(2)BTGaseの製造 BTGaseを産生する微生物は、例えば、ストレプトベル
チシリウム・グリセオカルネウム(Streptoverticilliu
m griseocarneum)IFO12776、ストレプトベルチシリウ
ム・シナモネウム・サブ・エスピー・シナモネウム(St
reptoverticillium cinnamoneum sub sp.cinnamoneum)
IFO12852、ストレプトベルチシリウム・モバラエンス
(Streptoverticillium mobaraense)IFO13819等があげ
られる。
これら微生物を培養し、トランスグルタミナーゼを取
得するための培養法及び精製法等は次の通りである。
培養形態としては、液体培養、固体培養いずれも可能
であるが、工業的には深部通気攪拌培養を行うのが有利
である。又、使用する培養源としては、一般に微生物培
養に用いられる炭素源、窒素源、無機塩及びその他の微
量栄養源の他、ストレプトベルチシリウム属に属する微
生物の利用出来る栄養源であれば全て使用出来る。培地
の炭素源としては、ブドウ糖、ショ糖、ラスターゲン、
グリセリン、デキストリン、澱粉等の他、脂肪酸、油
脂、有機酸などが単独で又は組合せて用いられる。窒素
源としては、無機窒素源、有機窒素源のいずれも使用可
能であり、無機窒素源としては硝酸アンモニウム、硫酸
アンモニウム、尿素、硝酸ソーダ、塩化アンモニウム等
が挙げられる。又、有機窒素源としては大豆、米、トウ
モロコシ、小麦などの粉、糠、脱脂粕をはじめコーンス
テイープリカー、ペプトン、肉エキス、カゼイン、アミ
ノ酸、酵母エキス等が挙げられる。無機塩及び微量栄養
素としては、リン酸、マグネシウム、カリウム、鉄、カ
ルシウム、亜鉛等の塩類の他ビタミン、非イオン界面活
性剤、消泡剤等の菌の生育やBTGaseの産生を促進するも
のであれば必要に応じて使用出来る。
培養は好気的条件で、培養温度は菌が発育しBTGaseが
産生する範囲であれば良く、好ましくは25〜35℃であ
る。培養時間は、条件により異なるが、BTGaseが最も産
生される時間まで培養すれば良く、通常2〜4日程度で
ある。
BTGaseは液体培養では培養液中に溶解されており、培
養終了後培養液より固形分を除いた培養ろ液より採取さ
れる。
培養ろ液よりBTGaseを精製するには、通常酵素精製に
用いられるあらゆる方法が使用出来る。
例えば、エタノール、アセトン、イソプロピルアルコ
ール等の有機溶媒による処理、硫安、食塩等により塩
析、透析、限外ろ過法、イオン交換クロマトグラフィ
ー、吸着クロマトグラフィー、ゲルろ過、吸着剤、等電
点分画等の方法が使用出来る。又、これらの方法を適当
に組合せる事によりBTGaseの精製度が上る場合は適宜組
合せて行う事が出来る。これらの方法によって得られる
酵素は、安定化剤として各種の塩類、糖類、蛋白質、脂
質、界面活性剤等を加え或いは加えることなく、限外ろ
過濃縮、逆浸透濃縮、減圧乾燥、凍結乾燥、噴霧乾燥の
方法により液状又は固形のBTGaseを得ることが出来る。
BTGaseの活性測定は、ベンジルオキシカルボニル−L
−グルタミニルグリシンとヒドロキシルアミンを基質と
してCa2+非存在下で反応を行い、生成したヒドロキサム
酸をトリクロロ酢酸存在下で鉄錯体を形成させ525nmの
吸収を測定し、ヒドロキサム酸の量を検量線より求め活
性を算出する。
BTGase活性は、特に記載しないかぎり、以下に記載す
る方法により測定した。
〈活性測定法〉 試薬A 0.2Mトリス塩酸緩衝液(pH6.0) 0.1Mヒドロキシルアミン 0.01M還元型グルタチオン 0.03Mベンジルオキシカルボニル−L−グルタミニルグ
リシン 試薬B 3N−塩酸 12%−トリクロロ酢酸 5%FeCl3・6H2O(0.1N−HClに溶解) 上記溶液の1:1:1の混合液を試薬Bとする。
酵素液の0.05mlに試薬A0.5mlを加えて混合し37℃で10
分間反応後、試薬Bを加えて反応停止とFe錯体の形成を
行った後525nmの吸光度を測定する。対照としてあらか
じめ熱失活させた酵素液を用いて同様に反応させたもの
の吸光度を測定し、酵素液との吸光度差を求める。別に
酵素液のかわりにL−グルタミン酸γ−モノヒドロキサ
ム酸を用いて検量線を作成し、前記吸光度差より生成さ
れたヒドロキサム酸の量を求め、1分間に1μモルのヒ
ドロキサム酸を生成する酵素活性を1単位とした。
(3)BTGaseの酵素特性 上のようにして得られる精製BTGase、即ちストレプト
ベチシリウム・モバランスIFO13819のトランスグルタミ
ナーゼ(BTG−1と命名)、ストレプトベルチシリウム
・グリセオカルネウムIFO12776のトランスグルタミナー
ゼ(BTG−2と命名)、ストレプトベルチシリウム・シ
ナモネウム・サブ・エスピー・シナモネウムIFO12852の
トランスグルタミナーゼ(BTG−3と命名)についての
酵素化学的性質は次の通り。
a) 至適pH: 基質としてベンジルオキシカルボニル−L−グルタミ
ニルグリシンとヒドロキシルアミンを使用した場合、37
℃、10分反応で、BTG−1の至適pHは6〜7にあり、BTG
−2の至適pHは6〜7付近にあり、BTG−3の至適pHは
6〜7付近にある。
b) 至適温度: 基質としてベンジルオキシカルボニル−L−グルタミ
ニルグリシンとヒドロキシルアミンを使用した場合、pH
6、10分反応で、BTG−1の至適温度は55℃付近であり、
BTG−2の至適温度は45℃付近であり、BTG−3の至適温
度は45℃付近にある。
c) pH安定性: 37℃、10分間処理で、BTG−1はpH5〜9で安定であ
り、BTG−2はpH5〜9で安定であり、BTG−3はpH6〜9
で安定である。
d) 温度安定性: pH7で10分間処理では、BTG−1は40℃では88%活性が
残存し、50℃では74%活性が残存し、BTG−2は40℃で
は86%活性が残存し、50℃では56%活性が残存し、BTG
−3は40℃で80%活性が残存し、50℃では53%活性が残
存する。
e) 基質特異性: 各BTGaseを用い、各種合成基質とヒドロキシルアミン
との反応を調べた。いずれのBTGaseも合成基質がベンジ
ルオキシカルボニルアスパラギニルグリシン、ベンジル
オキシカルボニルグルタミン、グリシルグルタミニルグ
リシンの場合反応しない。しかし合成基質がベンジルオ
キシカルボニルグルタミニルグリシンの場合の反応性は
最も高い。この時の各種合成基質濃度は5mMとした。結
果は表−1に示される。
なお、表−1中のCBZはベンジルオキシカルボニル基
の略であり、Glnはグルタミン基の略であり、Glyはグリ
シル基の略であり、Aspはアスパラギニル基の略であ
る。
f) 金属イオンの影響: 活性測定系に1mM濃度になるように各種金属イオンを
加えて影響を調べた(結果は表−2に示される)。いず
れのBTGaseもCu2+、Zn2+により活性が阻害される。
g) 阻害剤の影響: 各阻害剤を1mMになるように加え、25℃、30分放置
後、活性を測定した(結果は表−3に示される)。いず
れのBTGaseもパラクロロマーキュリー安息香酸(PCMBと
略する)、N−エチルマレイミド(NEMと略する)、モ
ノヨード酢酸により活性が阻害される。
表−3中PMSFはフェニルメチルスルホニルフルオライ
ドの略である。
h) 等電点: アンホライン等電点電気泳動により求めたところ、BT
G−1の等電点pIは9付近であり、BTG−2の等電点pIは
9.7付近であり、BTG−3の等電点pIは9.8付近である。
i) 分子量: SDSディスク電気泳動法より求めたところ、BTG−1の
分子量は約38,000であり、BTG−2の分子量は約41,000
であり、BTG−3の分子量は約41,000である。
j) MTGaseとの比較: 次にBTGaseとモルモット肝由来のトランスグルタミナ
ーゼ(MTGase)との性質を比較する。尚、MTGaseは、特
開昭58−149645号に記載された方法で調製した。
表−4には各酵素化学的性質の比較を、表−5にはCa
2+の活性に及ぼす影響を示す。表−4および表−5より
明らかのように従来主として研究されているMTGaseと放
線菌由来のBTGaseとには酵素化学的性質において種々の
差が見られ、特に温度安定性、分子量、等電点、基質特
異性に差が見られる。また、Ca2+の存在下及び非存在下
においても各BTGaseは作用する点等でも明らかな差がみ
られる。従って、各BTGaseはMTGaseとはその性質を異に
するものと考えられる。
(4)BTGaseの製造例 a) BTG−1の製造 ストレプトベルチシリウム・モバラエンスIFO13819を
培地組成ポリペプトン0.2%、グリコース0.5%、リン酸
二カリウム0.2%、硫酸マグネシウム0.1%からなる培地
(pH7)200mlに接種し、30℃、48時間培養し、得られた
種培養液をポリペプトン2.0%、ラスターゲン2.0%、リ
ン酸二カリウム0.2%、硫酸マグネシウム0.1%、酵母エ
キス0.2%、消泡剤としてアデカノール(商品名、旭電
化社製品)0.05%からなる培地20(pH7)に加え30℃
で3日間培養後ろ過し、培養液18.5得た。このものの
活性は、0.35u/mlである。
培養液を塩酸でpH6.5に調整し、予め0.05Mリン酸緩衝
液(pH6.5)で平衡化しておいたCG−50(商品名、オル
ガノ社製品)のカラムに通した。この操作でトランスグ
ルタミナーゼは吸着された。さらに同緩衝液で不純蛋白
質を洗い流した後、さらに0.05〜0.5Mの同緩衝液の温度
勾配をつくり、通液して溶出液を分画回収し、比活性の
高い分画を集めた。電導度を10ms以下になるように希釈
後ブルーセファロースのカラムに通した。この操作でト
ランスグルタミナーゼは吸着された。更に0.05Mリン酸
緩衝液(pH7)で不純蛋白質を洗い流した後、0〜1Mの
食塩濃度勾配をつくり通液して溶出液を回収し比活性の
高い画分を集めた。UF6000膜を使い濃縮し、0.5Mの食塩
を含む0.05Mリン酸緩衝液(pH7)で緩衝液を用いて平衡
化させた。
得られた濃縮液を同緩衝液で予め平衡化しておいたセ
ファデックスG−75(ファルマシアファインケミカル社
製)を含むカラムに通し、同緩衝液を流して溶出液を分
画した。この結果活性画分は単一のピークとして溶出さ
れた。このものの比活性は、培養ろ液に対し625倍であ
り、回収率は47%であった。
b) BTG−2の製造 BTG−1の場合と同様にして、ストレプトベルチシリ
ウム・グリセオカルネウムIFO12776を30℃で3日間培養
後ろ過し、培養液19を得た。このものの活性は0.28u/
mlであった。
BTG−1の場合と同様な方法で酵素を精製して、SDSデ
ィスク電気泳動で単一の酵素をえた。
c) BTG−3の製造 BTG−1の場合と同様にして、ストレプトベルチシリ
ウム・シナモネウム・サブ・エスピー・シナモネウムIF
O12852を30℃で3日培養後ろ過し、培養液18.5を得
た。このものの酵素活性は0.5u/mlであった。
BTG−1の場合と同様な方法で酵素を精製して、SDSデ
ィスク電気泳動で単一の酵素を得た。
以下、実施例により本発明を更に説明する。
実施例1 脱脂大豆粉(NSI60%)をフィード量20kg/H、水単独
もしくはTGase活性が原料大豆粉1g当り1、10、50、100
uを含む各酵素水溶液をフィード量8kg/Hの割合で二軸エ
クストルーダ(ウエルナー社製スクリュー径37mm)ホツ
パーに投入し、高温高圧処理を行った。なお、TGase
は、前記BTG−1と命名したBTGaseを使用した。
エクストルーダ条件としては、バレル出口部200℃、
スクリュー回転数250rpm、フィード物のバレル内滞留時
間を約35秒、ダイは7mmφ×2穴とした。
この条件下で処理した時の出口品温は、177℃であっ
た。
エクストルーダ処理物を60℃にて3時間乾燥してTGas
e活性の異なる条件下で処理された各組織化物を得た。
ついで、このものを粉砕後篩分し、6メッシュ篩下か
つ12メッシュ篩上の粒経区分を用い、ハンバーグでの利
用評価を行った。
ハンバーグの作り方は、家庭で作られる一般的な方法
に従い、牛豚合挽肉、玉ねぎ、パン粉、全卵を混合成型
後、加熱した。但し、畜肉部は全体の60%とし、これに
対して上記各組織化物の水もどし品を置換した。置換率
は肉の1/3とした。
各ハンバーグの評価結果を表1に示した。評価は、組
織化物を含まない肉のみをコントロール(評点5)とし
て、10点法で、パネルN=10で評価した。評価基準:10
点……非常により、7点……ややよい、5点……ふつう
(コントロール)、3点……やや悪い、1点……非常に
悪い。
(発明の効果) 蛋白含有素材を蛋白組織化物に変換するエクストルー
ダー処理時にTGaseを使用する本発明を用いると、従来
のエクストルーダー処理に比較して比較的温和な条件で
処理できる為に、風味、色調とも良好な組織化物を得る
ことができる。
また、本発明の方法により製造した蛋白組織化物を畜
肉、すり身等に添加すると、味、食感、等が優れた食品
を製造することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 足立 好司 神奈川県川崎市川崎区鈴木町1番1号 味の素株式会社中央研究所内 (72)発明者 渡井口 清一郎 神奈川県川崎市川崎区鈴木町1番1号 味の素株式会社中央研究所内 (72)発明者 本木 正雄 神奈川県川崎市川崎区鈴木町1番1号 味の素株式会社中央研究所内 (56)参考文献 特開 昭63−141551(JP,A) 特開 昭59−59151(JP,A) 日本農芸化学会誌、Vol.62,N o.3(1988.Mar)P.434 日本農芸化学会誌、Vol.61,N o.4(1987)P.486−488

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】蛋白含有素材にトランスグルタミナーゼを
    加えてエクストルーダ処理することを特徴とする蛋白組
    織化物の製造法。
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日本農芸化学会誌、Vol.61,No.4(1987)P.486−488
日本農芸化学会誌、Vol.62,No.3(1988.Mar)P.434

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