JP2580732B2 - 変性タンパク質を基材とするカプセル - Google Patents

変性タンパク質を基材とするカプセル

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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、トランスグルタミナーゼ変性タンパク質を
基材とするカプセルに関する。
(従来技術とその問題点) タンパク質を基材としたカプセル化は知られている
が、この場合、従来はタンパク質としてゼラチン位しか
用いられず、広範囲の利用目的には必ずしも適合するも
のではなかった。又、ゼラチンを基材とする場合でも耐
熱、耐水、耐油,耐凍結性を付与するためには化学架橋
材や紫外線などを用いるため、食品及び医薬品用途とし
ては安全性の面からも好まれず、更に製造温度も約30℃
以下の如く限られている。
因みに、タンパク質を基材とするカプセルであって、
特にタンパク質としてトランスグルタミナーゼ(以下、
TGaseと略記することがある。)で変性したタンパク質
を使用した例は見ない。
(問題点を解決するための手段とその作用効果) 本発明者は、上記問題点を解決すべく鋭意研究の結
果、トランスグルタミナーゼ架橋高分子化能、ゲル化能
を活用して各種タンパク質を変性させると上記問題点の
解決されることを見出して本発明を完成した。
本発明によれば、従来ゼラチンのみであっ基材蛋白が
ゼラチン以外の各種蛋白質を容易にカプセル化できるよ
うに拡張され、又製造温度も従来より広い範囲にすなわ
ち約5〜90℃に拡大できる。更に、化学架橋剤を使用せ
ずとも調製できるので、安全性の面からも食品及び医薬
品として利用できる。本発明のカプセルは、従来食品に
比較して弾力性、耐熱性、耐溶媒性、耐水性、耐凍結性
の向上したものであるので、食品、医薬品、化成品等に
広範囲に使用できる。
以下、本発明のカプセルとその製造法について詳述す
る。
本発明のカプセルは、単カプセル、二重カプセル等と
することができる。そのサイズは食品、医薬品、化成品
等の用途により異なる。また、食品においてもその種類
によって異なる。(近藤隆「新しいソフトカプセル食品
の開発とその応用」食品と開発Vol.23,No.2(昭和63
年))。例えば、食品への利用を考えた時には、魚卵様
カプセル用の場合は1〜10mmであり、ビタミン含有カプ
セル用の場合は5〜30mmである。
使用する蛋白質としては、大豆、小麦、綿実、トウモ
ロコシ等の植物性のもの及び、魚肉、畜肉、オキアミ、
乳等の動物性のものなどタンパク含有物であれば何でも
よく広範囲に利用できる。これらのタンパク質をトラン
スグルタミナーゼを作用させて変性させて用いるのであ
る。
トランスグルタミナーゼは、特に起源を問わず、例え
ばモルモットの肝臓から分離したもの(以下、MTGaseと
略記することがある)、微生物が産生するもの(以下、
BTGaseと略記することがある)を挙げることができる。
前者のMTGaseは、例えば、特開昭58−14964号に記載の
方法で調製することができる。後者のBTGaseは、新規酵
素であって、本発明者の一部が発明者として関与した発
明(特願昭62−165067)に係わるもので、その酵素特
性、製造法等については別項に記載する。
上記蛋白質にTGaseを作用させ、後者の架橋高分子化
能、グル化能を活用して従来のカプセル化技術だけでは
カプセルにできないタンパク質をも変性してカプセルの
基材とするには、例えば、次のようにする。
まず、タンパク質の水溶液もしくは乳化液を調製す
る。その濃度は、1〜30%とすることができる。
次いで、この水溶液もしくは乳化液にTGaseを濃度1
〜1,000u/gタンパク、好ましくは10〜100u/gタンパクと
なるように添加して攪拌する。これより低濃度では、無
添加の場合と差別化ができず、高濃度だと、ゲル化が進
み過ぎて良い物性のものが得られず、時にはカプセルの
製造機械中で詰ったりする。反応温度は、5〜90℃、好
ましくは20〜60℃であり、反応時間は、1秒乃至24時間
で、好ましくは5秒乃至30分である。
このようにして得られたTGase添加タンパク質水溶液
もしくは乳化液は、ついで生成した変性タンパクがカプ
セルの基材となるように処理するが、これは従来周知の
技術によってよいことはもちろんである。
TGase添加タンパク質水溶液もしくは乳化液には、必
要に応じて適当な添加物、例えば、砂糖、塩、エキス、
スパイス、フレーバー等の調味料、多糖類、油脂、乳化
剤、可塑剤、グリセリン、ビタミン、ミネラルなどを可
溶性、不溶性の状態で例えば酵素反応を阻害しない程度
で加えることも可能である。
このようにして調製した添加物を加えた又は加えない
TGase添加タンパク質水溶液もしくは乳化液を用いてカ
プセルを製造するには、カプセルが単カプセルの場合
は、上記水溶液を粒滴として油層中に射出するが、油層
中では適当な攪拌操作を加えて粒滴状を保つなどの方法
が用いられる。油層としては例えばコーン油、大豆油等
各種の植物油を使用することができる。その他の粒滴製
造条件は、前記水溶液もしくは乳化液の種類、タンパク
質濃度、酵素濃度等に応じて当業者であれば容易に設定
できるが、粒滴のサイズは、充分に凝固反応が起きる程
度の大きさにすべきで、例えば0.01〜30mmとすることが
できる。必要に応じてインキュベーションを行なうが、
これは例えば5〜60℃で30秒〜24時間行なう。インキュ
ベーションは、各種特性、例えば保形性、耐熱性等付与
の観点から好ましい。
二重カプセルの場合、例えば油等を芯液とし変性タン
パク質を皮膜基材とするカプセルの場合は、いわゆる滴
下法によるとよい。即ち、二重ノズルの内側のノズルか
ら芯液が、外側のノズルからカプセル皮膜液である前記
水溶液もしくは乳化液が一定速度で流出するようにし、
この2層の液流を一定間隔で切断し、液滴として油層中
に射出する。皮膜の性質は、ノズルの形とサイズ、射出
量とスピード、タンパク質水溶液もしくは乳化液の組
成、TGase濃度、油層の種類と状態、インキュベーショ
ンの条件等に依存するが、これらの因子を考慮して適当
な性質の皮膜を得ることは当業者であれば容易に行なう
ことができる。
油層中に生成したカプセルは、そのまま例えば90℃に
加熱して10分間保持した後に油層から分離回収するか、
逆に油層から分離回収した後に加熱するとよい。
その後の乾燥などの処理は、当業者に周知の方法で必
要に応じて適宜行なうとよい。
(新規トランスグルタミナーゼBTGase) (1)トランスグルタミナーゼとその由来 トランスグルタミナーゼ(以下、TGaseと略称するこ
とがある。)は、ペプチド鎖内にあるグルタミン残基の
γ−カルボキシアミド基のアシル転移反応を触媒する酵
素である。このTGaseは、アシル受容体としてタンパク
質中のリジン残基のε−アミノ基が作用すると、分子内
及び分子間にε−(γ−Glu)−Lys架橋結合が形成され
る。また水がアシル受容体として機能するときは、グル
タミン残基が脱アミド化されグルタミン酸残基になる反
応を進行させる酵素である。
TGaseのこのような性質により、TGaseを用いてタンパ
ク含有溶液又はスラリーをゲル化させることができる。
TGaseは、これまでモルモット肝由来のもの(MTGas
e)などの動物由来のものが知られているが、動物由来
のものは、安価にまた大量に入手するのが困難であり、
タンパク質をゲル化するときは酵素濃度および基質濃度
を共に高くする必要があり、またCa2+依存性であるので
用途が制限される。
本発明で使用できる新規トランスグルタミナーゼ(BT
Gase)は、微生物、例えば、ストレプトベルチシリウム
属の菌により産生されるものであるが、微生物由来のTG
aseについての報告は現時点ではない。
本発明で使用できる微生物由来のBTGaseは安価に供給
され、かつ生成も容易であるので実用性が大である。ま
た、BTGaseを用いることにより、カルシウム非存在下で
又カルシウム存在下でも酵素(BTGase)濃度及び基質濃
度が非常に低いところけで品質の優れたゲル化物を製造
できるという利点がある。
(2)BTGaseの製造 BTGaseを産生する微生物は、例えば、ストレプトベル
チシリウム・グリセオカルネウム(Streptoverticilliu
m griseocarneum)IFO12776、ストレプトベルチシリウ
ム・シナモネウム・サブ・エスピー・シナモネウム(St
reptoverticillium cinnamoneum sub sp.cinnamoneum)
IFO12852、ストレプトベルチシリウム・モバラエンス
(Streptoverticillium mobaraense)IFO13819等があげ
られる。
これら微生物を培養し、トランスグルタミナーゼを取
得するための培養法及び精製法等は次の通りである。
培養形態としては、液体培養、固体培養いずれも可能
であるが、工業的には深部通気攪拌培養を行うのが有利
である。又、使用する培養源としては、一般に微生物培
養に用いられる炭素源、窒素源、無機塩及びその他の微
量栄養源の他、ストレプトベルチシリウム属に属する微
生物の利用出来る栄養源であれば全て使用できる。培地
の炭素源としては、ブドウ糖、ショ糖、ラスターゲン、
グリセリン、デキストリン、澱粉等の他、脂肪酸、油
脂、有機酸などが単独で又は組合せて用いられる。窒素
源としては、無機窒素源、有機窒素源のいずれも使用可
能であり、無機窒素源としては硝酸アンモニウム、硫酸
アンモニウム、尿素、硝酸ソーダ、塩化アンモニウム等
が挙げられる。又、有機窒素源としては大豆、米、トウ
モロコシ、小麦などの粉、糠、脱脂粕をはじめコーンス
テイープリカー、ペプトン、肉エキス、カゼイン、アミ
ノ酸、酵母エキスなどが挙げられる。無機塩及び微量栄
養素としては、リン酸、マグネシウム、カリウム、鉄、
カルシウム、亜鉛等の塩類の他ビタミン、非イオン界面
活性剤、消泡剤等の菌の生育やBTGaseの産生を促進する
ものであれば必要に応じて使用出来る。
培養は好気的条件で、培養温度は菌が発育しBTGaseが
産生する範囲であれば良く、好ましくは25〜35℃であ
る。培養時間は、条件により異なるが、BTGaseが最も産
生される時間まで培養すれば良く、通常2〜4日程度で
ある。
BTGaseは液体培養では培養液中に溶解されており、培
養終了後培養液より固形分を除いた培養ろ液より採取さ
れる。
培養ろ液よりBTGasaeを精製するには、通常酵素精製
に用いられるあらゆる方法が使用出来る。
例えば、エタノール、アセトン、イソプロピルアルコ
ール等の有機溶媒による処理、硫安、食塩等により塩
析、透析、限外ろ過法、イオン交換クロマトグラフィ
ー、吸着クロマトグラフィー、ゲルろ過、吸着剤、等電
点分画等の方法が使用出来る。又、これらの方法を適当
に組合せる事によりBTGaseの精製度が上る場合は適宜組
合せて行う事ができる。これらの方法によって得られる
酵素は、安定化剤として各種の塩類、糖類、蛋白質、脂
質、界面活性剤等を加え或いは加えることなく、限外ろ
過濃縮、逆浸透濃縮、減圧乾燥、凍結乾燥、噴霧乾燥の
方法により液状又は固形のBTGaseを得る事が出来る。
BTGaseの活性測定はベンジルオキシカルボニル−L−
グルタミニルグリシンとヒドロキシルアミンを基質とし
てCa2+非存在下で反応を行い、生成したヒドロキサム酸
をトリクロロ酢酸存在下で鉄錯体を形成させ525nmの吸
収を測定し、ヒドロキサム酸の量を検量線より求め活性
を算出する。
BTGase活性は、特に記載しないかぎり以下に記載する
方法により測定した。
(活性測定法) 試薬A 0.2Mトリス塩酸緩衝液(pH6.0) 0.1Mヒドロキシルアミン 0.01M還元型グルタチオン 0.03Mベンジルオキシカルボニル−L−グルタミニル
グリシン 試薬B 3N−塩酸 12%−トリクロロ酢酸 5%Fecl3・6H2O(0.1N−Hclに溶解) 上記溶液の1:1:1:の混合液を試薬Bとする。
酵素液の0.05mlに試薬A0.5mlを加えて混合し37℃で10
分間反応後、試薬Bを加えて反応停止とFe錯体の形成を
行った後525nmの吸光度を測定する。対象としてあらか
じめ熱失活させた酵素液を用いて同様に反応させたもの
の吸光度を測定し、酵素液との吸光度差を求める。別に
酵素液のかわりにL−グルタミン酸γ−モノヒドロキサ
ム酸を用いて検量線を作成し、前記吸光度差より生成さ
れたヒドロキサム酸の量を求め、1分間に1μモルのヒ
ドロキサム酸を生成する酵素活性を1単位とした。
(3)BTGaseの酵素特性 上のようにして得られる精製BTGase、即ちストレプト
ベチシリウム・モバランスIFO13819のトランスグルタミ
ナーゼ(BTG−1と命名)、ストレプトベルチシリウム
・グリセオカルネウムIFO12776のトランスグルタミナー
ゼ(BTG−2と命名)、ストレプトベルチシリウム・シ
ナモネウム・サブ・エスピー・シナモネウムIFO12852の
トランスグルタミナーゼ(BTG−3と命名)についての
酵素化学的性質は次の通り。
a)至適pH: 基質としてベンジルオキシカルボニル−L−グルタミ
ニルグリシンとヒドロキシルアミンを使用した場合、37
℃、10分反応で、BTG−1の至適pHは6〜7にあり、BTG
−2の至適pHは6〜7付近にあり、BTG−3の至適pHは
6〜7付近にある。
b)至適温度: 基質としてベンジルオキシカルボニル−L−グルタミ
ニルグリシンとヒドロキシルアミンを使用した場合、pH
6、10分反応で、BTG−1の至適温度は55℃付近であり、
BTG−2の至適温度は45℃付近であり、BTG−3の至適温
度は45℃付近にある。
c)pH安定性: 37℃、10分間処理で、BTG−1はpH5〜9で安定であ
り、BTG−2はpH5〜9で安定であり、BTG−3はpH6〜9
で安定である。
d)温度安定性: pH7で10分間処理では、BTG−1は40℃では88%活性が
残存し、50℃では74%活性が残存し、BTG−2は40℃で
は86%活性が残存し、50℃では56%活性が残存し、BTG
−3は40℃で80%活性が残存し、50℃では53%活性が残
存する。
e)基質特異性: 各BTGaseを用い、各種合成基質とヒドロキシルアミン
との反応を調べた。いずれのBTGaseも合成基質がベンジ
ルオキシカルボニルアスパラギニルグリシン、ベンジル
オキシカルボニルグルタミン、グリシルグルタミニルグ
リシンの場合反応しない。しかし合成基質がベンジルオ
キシカルボニルグルタミニルグリシンの場合の反応性は
最も高い。この時の各種合成基質濃度は5mMとした。結
果は表−1に示される。
なお、表−1中のCBZはベンジルオキシカルボニル基
の略であり、Glnはグルタミル基の略であり、Glyはグリ
シル基の略であり、Aspはアスパラギニルの略である。
f)金属イオンの影響: 活性測定系に1mM濃度になるように各種金属イオンを
加えて影響を調べた(結果は表−2に示される)。いず
れのBTGaseもCu2+、Zn2+により活性が阻害される。
g)阻害剤の影響: 各阻害剤を1mMになるように加え、25℃、30分放置
後、活性を測定した(結果は表−3に示される)。いず
れのBTGaseもパラクロロマーキュリー安息香酸(PCMBと
略する)、N−エチルマレイミド(NEMと略する)、モ
ノヨード酢酸により活性が阻害される。
表−3中PMSFはフェニルメチルスルホニルフルオライ
ドの略である。
h)等電点: アンホライン等電点電気泳動により求めたところ、BT
G−1の等電点pIは9付近であり、BTG−2の等電点pIは
9.7付近であり、BTG−3の等電点pIは9.8付近である。
i)分子量: SDSディスク電気泳動法より求めたところ、BTG−1の
分子量は約38,000であり、BTG−2の分子量は約41,000
であり、BTG−3の分子量は約41,000である。
j)MTGaseとの比較: 次にBTGaseとモルモット肝由来のトランスグルタミナ
ーゼ(MTGase)との性質を比較する。尚、MTGaseは、特
開昭58−149645号に記載された方法で調製した。
表−4には各酵素化学的性質の比較を、表−5にはCa
2+の活性に及ぼす影響を示す。表−4および表−5より
明らかのように従来主として研究されているMTGaseと放
線菌由来のBTGaseとには酵素化学的性質において種々の
差が見られ、特に温度安定性、分子量、等電点、基質特
異性に差が見られる。また、Ca2+の存在下及び非存在下
においてもBTGaseは作用する点等でも明らかな差がみら
れる。従って、新規酵素BTGaseに属する各酵素はMTGase
とはその性質を異にするものと考えられる。
(4)BTGaseの製造例 a)BTG−1の製造 ストレプトベルチシリウム・モバランスIFO13819を培
地組成ポリペプトン0.2%、グリコース0.5%、リン酸二
カリウム0.2%、硫酸マグネシウム0.1%からなる培地
(pH7)200mlに接種し、30℃、48時間培養し、得られた
種培養液をポリペプトン2.0%、ラスターゲン2.0%、リ
ン酸二カリウム0.2%、硫酸マグネシウム0.1%、酵母エ
キス0.2%、消泡剤としてアデカノール(商品名、旭電
化社製品)0.05%からなる培地20l(pH7)に加え30℃で
3日間培養ろ過し、培養液18.5lを得た。このものの活
性は、0.35u/mlである。
培養液を塩酸でpH6.5に調整し、予め0.05Mリン酸緩衝
液(pH6.5)で平衡化しておいたCG−50(商品名、オル
ガノ社製品)のカラムに通した。この操作でトランスグ
ルタミナーゼは吸着された。さらに同緩衝液で不純蛋白
質を洗い流した後、さらに0.05〜0.5Mの同緩衝液の濃度
勾配をつくり、通液して溶出液を分画回収し、比活性の
高い分画を集めた。電導度を10ms以下になるように希釈
後ブルーセファロースのカラムに通した。この操作でト
ランスグルタミナーゼは吸着された。更に0.05Mリン酸
緩衝液(pH7)で不純蛋白質を洗い流した後、0〜1Mの
食塩濃度勾配をつくり通液して溶出液を回収し比活性の
高い画分を集めた。UF6000膜を使い濃縮し、0.5Mの食塩
を含む0.05Mリン酸緩衝液(pH7)で緩衝液を用いて平衡
化させた。
得られた濃縮液を同緩衝液で予め平衡化しておいたセ
ファデックスG−75(ファルマシアファインケミカル社
製)を含むカラムに通し、同緩衝液を流して溶出液を分
画した。この結果活性画分は単一のピークとして溶出さ
れた。このものの比活性は、培養ろ液に対し625倍であ
り、回収率は47%であった。
b)BTG−2の製造 BTG−1の場合と同様にして、ストレプトベルチシリ
ウム・グリセオカルネウムIFO12776を30℃で3日間培養
ろ過し、培養液19lを得た。このものの活性は0.28u/ml
であった。
BTG−1の場合と同様な方法で酵素を精製して、SDSデ
ィスク電気泳動で単一の酵素をえた。
c)BTG−3の製造 BTG−1の場合と同様にして、ストレプトベルチシリ
ウム・シナモネウム・サブ・エスピー・シナモネウムIF
O12852を30℃で3日培養後ろ過し、培養液18.5lを得
た。このものの酵素活性は0.5u/mlであった。
BTG−1の場合と同様な方法で酵素を精製して、SDSデ
ィスク電気泳動で単一の酵素を得た。
以下、本発明の変性タンパク質を基材とするカプセル
の製造例を実施例として掲げて本発明を更に説明する。
実施例1 ガゼイン酸ナトリウム(New Zealand Dairy Board
製、アラネート180)40gをビーカーにとり、水280gを加
え、55℃の湯浴中で完全に溶解させた。その後、大豆油
(味の素(株)製)を32g加え、ホモゲナイザー(KINEM
ATICA GmbH LITTAU製POLYTRON 、シャフトφ20mm)を
用いて乳化した(12,000rpm×3分)。
この乳化物にBTG−1(比活性2.0u/mg)400mgを水5ml
に溶解させて添加し、均一になるように上記のホモゲナ
イザーを用いて攪拌した(12,000rpm×10秒)。ついで5
5℃の湯浴中に10分間保持した。
その後、口径1mmのノズルを通して、上記乳化物を1
分間に5mlの割合で、大豆油からなる油層(55℃)へ滴
下した。油層にはマグネチックスターラーを用いて、攪
拌子がおよそ1分間に180回転となるような攪拌を加え
た。滴下後30分間放置してから、カプセル状に凝固した
カゼイン乳化物のみを取り上げ、90℃の湯中で10分間加
熱した。
このようにして得た生成物は、白色の球状(球径1〜
2mm)で、柔らかくなめらかな舌触りのタラコ様の食感
を有していた。
実施例2 分離大豆タンパク質(味の素(株)製、アジプロンHS
2)50gをビーカーにとり、水400gと大豆油(味の素
(株)製)50gを加え、実施例1に記したのと同じ機
器、条件で乳化した。
この乳化物50gに対し、BTG−1(比活性2.0u/mg)25m
gを水1mlに溶解させて添加し均一になるよう混合した。
次いで、直径2mmのノズルを通して、上記乳化物を1
分間に12mlの割合で、マグネチックスターラを用いて攪
拌(1分間に240回転)している油層(55℃)へ注入し
た。さらに攪拌を継続しながら10分間放置した後油層の
温度を90℃まで上昇させ10分間保った。
これにより白色球状(球径1〜3mm)のカプセルを得
た。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 (C12N 9/10 C12R 1:01)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】トランスグルタミナーゼ変性タンパク質を
    基材とするカプセル。
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