JPH06123990A - 電子写真感光体の製造方法 - Google Patents

電子写真感光体の製造方法

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JPH06123990A
JPH06123990A JP4296563A JP29656392A JPH06123990A JP H06123990 A JPH06123990 A JP H06123990A JP 4296563 A JP4296563 A JP 4296563A JP 29656392 A JP29656392 A JP 29656392A JP H06123990 A JPH06123990 A JP H06123990A
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Nobuyuki Ichizawa
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Wataru Nakabayashi
渉 中林
Hiroshi Miyamoto
宏 宮本
Koichi Yahagi
浩一 矢作
Masaaki Suwabe
正明 諏訪部
Naohiko Tsuyuki
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 塗膜欠陥がなく、帯電性が高く、繰り返し使
用時の残留電位の増加等を引き起こすことがなく、高温
高湿から低温低湿に至るまで安定した帯電性と低い残留
で電位を示し、画質欠陥等のない画像の形成可能な電子
写真感光体を製造する方法を提供する。 【構成】 導電性支持体上に、下引き層および感光層を
順次形成することによって電子写真感光体を製造する。
この際、各層の形成に際して、塗布を5〜10℃の範囲
の露点温度を有する雰囲気下で行い、また、形成された
塗膜の乾燥を10〜20℃の範囲の露点温度を有する雰
囲気下で行なうことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子写真感光体の製造
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電子写真方式を用いた複写機、レ
ーザープリンター、LEDプリンター等に用いられる電
子写真感光体において、電荷発生材料として、有機化合
物を用いた場合、帯電性が悪かったり、繰り返し安定性
に欠ける等の問題があった。また、特に最近、レーザー
プリンター用感光体等で、干渉縞の発生を防止するため
に、種々の手段で導電性支持体表面を粗面化する方法が
とられているが、この場合、粗面化した支持体表面に電
荷発生層を塗布する際、はじき、ぶつ等の塗布欠陥が発
生したり、支持体からの局所的な電荷の注入により、画
像上に黒ポチ、白抜け等が発生するなどの問題があっ
た。
【0003】これらの問題を解決する手段として、導電
性支持体と電荷発生層との間に下引き層を設けること
が、一般的に知られている。下引き層を形成するための
材料としては、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコー
ル、ポリビニルブチラール、ポリビニルメチルエーテ
ル、ポリアミド、熱可塑性ポリエステル、フェノキシ樹
脂、カゼイン、ゼラチン、ニトロセルロース等の熱可塑
性樹脂、ポリイミド、ポリエチレンイミン、エポキシ樹
脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、ポリウレタン樹脂
等の熱硬化性樹脂が知られている。しかしながら、これ
らの樹脂を用いて下引き層を形成する場合、膜厚を厚く
して、帯電性や、塗布性、画質欠陥制御性を向上させる
と、感度の低下、繰り返し使用時の残留電位の増大など
を引き起こす。一方、これらの特性を改善すべく、膜厚
を薄くした場合には、帯電性や塗布、画像欠陥を十分に
抑制できなくなるという問題がある。また、下引き層の
膜厚を厚くしたときの問題を回避するために、樹脂中に
有機または無機の導電性粒子を分散させる方法も試みら
れているが、期待される性能は得られていない。
【0004】これに対し、特開昭61−94057号公
報に示されるように、有機金属化合物を主成分とした下
引き層を用いると、感度の低下、残留電位の増加を引き
起こすことなく、塗布欠陥や、画質欠陥を抑制できるこ
とが知られている。また、有機金属化合物とシランカッ
プリング剤からなる塗液を用いて塗布、乾燥し、下引き
層を形成する方法を採用する場合、下引き層の硬化度が
塗布後の環境に大きく左右される。すなわち、塗布後低
温度下で乾燥された下引き層は硬化度が低くなる。ま
た、この下引き層の上に感光層を設けてなる電子写真感
光体は、低温低湿下で初期の残留電位が高く、また、繰
り返し使用時の残留電位の増加が著しいことが判明し
た。さらに、有機金属化合物のみを主成分とする下引き
層の場合、塗布、乾燥後の膜にクラックが入り易く、膜
厚を約0.3μm以上にすることが難しい。一方、前記
のように干渉縞防止対策として粗面した導電性支持体上
に感光層を作成する場合には、下引き層は、支持体表面
の凹凸を十分隠蔽出来るだけの膜厚にする必要がある
が、上記の有機金属化合物を主成分とする下引き層は、
それに対処することができない。
【0005】また、特開平2−59767号公報には、
有機チタン化合物とシランカップリング剤、およびポリ
ビニルアセタール樹脂からなる下引き層が開示され、実
施例において1−3μmの膜厚のものが示されている。
しかしながら、本発明者等の検討によれば、ここに示さ
れているポリビニルアセタール樹脂の配合量では、特に
低温低湿下で感度の低下、残留電位の増加等が著しいこ
とが判明した。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来の技術
における上記のような問題点を解決することを目的とし
てなされたものである。すなわち、本発明の目的は、塗
布欠陥がなく、帯電性が高く、繰り返し安定性に優れ、
かつ、画質欠陥等のない電子写真感光体を製造する方法
を提供することにある。また、本発明の他の目的は、高
温高湿から低温低湿に至るまで安定した帯電性と低い残
留電位を示す電子写真感光体を製造する方法を提供する
ことにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、種々検討
した結果、電子写真感光体を製造する際、下引き層およ
び感光層の塗膜形成を、ある特定の露点温度範囲を有す
る雰囲気下で行なうことにより、上記目的を達成するこ
とができることを見出だし、本発明を完成するに至っ
た。すなわち、本発明の電子写真感光体の製造方法は、
導電性支持体上に下引き層および感光層を形成すること
からなり、そして上記各層の形成に際して、塗布を5〜
10℃の範囲の露点温度を有する雰囲気下で行い、形成
された塗膜の乾燥を、10〜20℃の範囲の露点温度を
有する雰囲気下で行なうことを特徴とする。
【0008】以下、本発明について詳細に説明する。本
発明の方法で製造される電子写真感光体は、導電性支持
体、下引き層および感光層からなるものであるが、感光
層は、単層構造のものであっても、また、電荷発生層と
電荷輸送層とが機能分離した積層構造のものでもよい。
以下、本願発明を、感光層が積層構造を有する場合に関
して主として説明するが、それに限定されるものではな
い。図1は、本発明の方法で製造された電子写真感光体
の1例の断面を示す模式図であって、1は導電性支持
体、2は電荷発生層、3は電荷輸送層、4は下引き層を
示す。
【0009】本発明において、被塗布基体である導電性
支持体としては、アルミニウム、銅、ステンレス鋼等の
金属製ドラム及びシート、プラスチックフィルム及び紙
等にアルミニウム等の金属箔をラミネートしたもの、ま
たは、アルミニウムや金属を蒸着したもの、さらに、金
属或いは、樹脂性ドラム上に導電性粒子を分散させた樹
脂層を塗布したもの等があげられる。また、必要に応じ
て、上記金属製ドラムの表面には、干渉縞防止用の粗面
化処理が施されてもよい。
【0010】上記導電性支持体上には、先ず、下引き層
が形成される。下引き層を形成するためには、有機金属
化合物、シランカップリング剤を含有し、必要に応じて
結着樹脂を含有する下引き層形成用塗布液を使用する。
有機化合物としては、金属の原子価により次のようなも
のが用いられる。IV価の金属を有する化合物として
は、ジルコニウム化合物として、テトラアセチルアセト
ナトジルコニウム、ジブトキシビスアセチルアセトナト
ジルコニウム、トリブトキシアセチルアセトナトジルコ
ニウム、テトラキスエチルアセトアセタトジルコニウ
ム、ブトキシトリスエチルアセトアセタトジルコニウ
ム、トリブトキシモノエチルアセトアセタトジルコニウ
ム、ジブトキシビスエチルラクタトジルコニウム、ビス
アセチルアセトナトビスエチルアセトアセタトジルコニ
ウム、モノアセチルアセトナトトリスエチルアセトアセ
タトジルコニウム、ビスアセチルアセトナトビスエチル
ラクタトジルコニウム等のジルコニウムキレート化合
物、ジルコニウムn−ブトキシド、ジルコニムn−プロ
ポキシド等のジルコニウムアルコキシド等があげられ
る。
【0011】チタニウム化合物としては、下記一般式
(I)で表されるチタンオルソエステル、下記一般式
(II)で表されるポリオルソチタン酸エステルおよび下
記一般式(III )で表されるチタンキレート化合物があ
げられる。
【化1】 (式中、R1 、R2 、R3 及びR4 は、それぞれメチル
基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−
ブチル基、イソブチル基、クレジル基、ステアリル基、
ヘキシル基、ノニル基およびセチル基を表す。)
【0012】
【化2】 (式中、R1 、R2 、R3 及びR4 は、前記と同じ。)
【0013】Ti(L)n 4-n (III ) (式中、Lは、キレート基を表し、Xはエステル残基を
表し、nは1〜4の整数を示す。)キレート基を形成す
る配位子種としては、オクチレングリコール、アセチル
アセトン等のβ−ジケトン、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、
サリチル酸等のヒドロキシカルボン酸、アセト酢酸エス
テル等のケトエステル、およびジアセトナルコール等の
ケトアルコール等があげられる。また、エステル残基
は、アルコキシ基等のチタン酸エステルの残基があげら
れる。
【0014】また、チタンキレート化合物の具体的とし
ては、例えば、ジ−i−プロポキシ・ビス(アセチルア
セトン)チタネート、ジ−n−ブトキシ・ビス(トリエ
タノールアミン)チタネート、ジヒドロキシ・ビス(ラ
クティクアシド)チタネートジ、テトラオクチレングリ
コールチタネート、ジ−i−プロポキシ・ビス(アセト
酢酸エチル)チタネート等があげられる。
【0015】III 価の金属を有する化合物としては、ア
ルミニウムイソプロポキシド、モノsec−ブトキシア
ルミニウムジイソプロポキシド、アルミニウムsec−
ブトキシド、アルミニウムエトキシド等のアルミニウム
アルコキシド;ジイソプロポキシ(エチルアセトアセタ
ト)アルミニウム、トリス(エチルアセトアセタト)ア
ルミニウム、トリス(アセチルアセトナト)アルミニウ
ム、ビスエチルアセトアセタトモノアセチルアセトナト
アルミニウム等のアルミニウムキレート化合物;インジ
ウムメトキシド、インジウムエトキシド、インジウムイ
ソプロポキシド、インジウムn−ブトキシド等のインジ
ウムアルコキシド;アンチモンメトキシド、アンチモン
エトキシド、アンチモンイソプロポキシド、アンチモン
n−ブトキシド等のアンチモンアルコキシド;ボロンメ
トキシド、ボロンn−ブトキシド等のボロンアルコキシ
ド等があげられる。
【0016】II価の金属を有する化合物としては、ビス
(アセチルアセトナト)マンガン、ビス(アセチルアセ
トナト)亜鉛、ビス(アセチルアセトナト)錫等があげ
られる。
【0017】シランカップリング剤としては、例えば、
ビニルトリクロルシラン、ビニルトリエトキシシラン、
ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、γ−グ
リシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリ
ロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピ
ルメチルジメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメ
トキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシ
ラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−ア
ミノプロピルトリエトキシシラン、メチルトリメトキシ
シラン、ジメチルジメトキシシラン、トリメチルモノメ
トキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニ
ルジエトキシシラン、モノフェニルトリメトキシシラ
ン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメト
キシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピル
メチルジメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピル
トリメトキシシラン等があげられる。
【0018】また、結着樹脂としては、ポリウレタン樹
脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルホルマール
樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂等が用いられる。溶剤として
は、公知のものであるならば如何なるものでも使用でき
る。
【0019】下引き層形成用塗布液は、上記有機金属化
合物、シランカップリング剤および必要に応じて結着樹
脂を混合した後、適当な溶剤で稀釈することによって調
製される。その際、有機金属化合物、シランカップリン
グ剤および結着樹脂は、それぞれ1種でもよく、あるい
は2種以上混合して用いてもよい。また、有機金属化合
物に対するシランカップリング剤の量は、5〜95重量
%の範囲で任意に設定することができる。また、結着樹
脂を含有させる場合、有機金属化合物とシランカップリ
ング剤の合計量に対する結着樹脂の量は、5〜25重量
%の範囲で設定することが好ましい。
【0020】上記下引き層形成用塗布液は、導電性支持
体上に、例えば、スプレー塗布法、浸漬塗布法等によっ
て塗布し、乾燥するが、本発明において、塗布は5〜1
0℃の範囲の露点温度を有する雰囲気下で行い、乾燥は
10〜20℃の範囲の露点温度を有する雰囲気下で行う
ことが必要である。塗布および乾燥に際しての雰囲気の
露点温度が上記の範囲よりも高くなると、ブラッシング
(溶剤が蒸発する際、熱を奪うため、塗膜層の表面温度
が低下し、空気中の水分が結露して表面に吸着し、膜が
凹凸になる、または穴があいてしまい膜が白化する現
象)してしまい、また上記の範囲よりも低くなると最終
製品である電子写真感光体の残留電位が高くなり、かつ
繰り返し特性も悪化する。また、本発明において、下引
き層形成用塗布液の塗布は20〜25℃の温度範囲で行
い、形成された塗膜の乾燥は150〜200℃の温度範
囲で行うのが好ましい。下引き層の膜厚は、0.1〜1
0μmの範囲で任意に設定されるが、特に0.5〜1μ
mの範囲が好ましい。
【0021】上記のようにして形成された下引き層の上
に、続いて感光層が形成される。感光層が電荷発生層と
電荷輸送層とよりなる場合、その積層順序はいずれが先
に形成されてもよい。電荷発生層および電荷輸送層は、
電荷発生材料と結着樹脂を適当な溶剤に分散溶解させた
電荷発生層形成用塗布液、および電荷輸送材料と結着樹
脂を適当な溶剤に溶解させた電荷輸送層形成用塗布液を
それぞれ調製し、上記下引き層の上に塗布し、乾燥する
ことによって形成する。
【0022】電荷発生材料としては、例えばクロロダイ
アンブルー等のアゾ染料、アントアントロン、ピレンキ
ノン等のキノン顔料、キノシアニン顔料、ペリレン顔
料、インジゴ顔料、ビスベンゾイミダゾール顔料、銅フ
タロシアニン、バナジルフタロシアニン、チタニルフタ
ロシアニン等のフタロシアニン顔料、アズレニウム塩、
スクエアリウム顔料、キナクリドン顔料等を用いること
ができる。また、電荷輸送材料としては、例えば、アン
トラセン、ピレン、フェナントレン等の多環芳香族化合
物、または、インドール、カルバゾール、イミダゾール
等の含窒素複素環を有する化合物、ピラゾリン化合物、
ヒドラゾン化合物、トリフェニルメタン化合物、トリフ
ェニルアミン化合物、エナミン化合物、スチルベン化合
物等が用いられる。また、結着樹脂としては、成膜性の
ある樹脂ならば如何なるものであってもよく、例えば、
ポリエステル、ポリサルホン、ポリカーボネート、ポリ
メチルメタクリレート等が用いられる。溶剤としては、
公知のものであるならば如何なるものでも使用できる。
【0023】上記電荷発生層形成用塗布液および電荷輸
送層形成用塗布液は、導電性支持体上に形成された下引
き層の上に、例えば、スプレー塗布法、浸漬塗布法等に
よって塗布し、乾燥するが、前記下引き層の形成におけ
ると同様に、塗布は5〜10℃の範囲の露点温度を有す
る雰囲気下で行い、乾燥は10〜20℃の範囲の露点温
度を有する雰囲気下で行うことが必要である。塗布およ
び乾燥に際しての雰囲気の露点温度が上記の範囲よりも
高くなると、ブラッシングしてしまい、また上記の範囲
よりも低くなると最終製品である電子写真感光体の残留
電位が高くなり、かつ繰り返し特性も悪化する。
【0024】電荷発生層形成の場合は、塗布は20〜2
5℃の温度範囲で行い、乾燥は80〜120℃の温度範
囲で行うのが好ましい。また、電荷輸送層形成の場合
は、塗布は20〜25℃の温度範囲で行い、乾燥は10
0〜150℃の温度範囲で行うのが好ましい。
【0025】電荷発生層の膜厚は、通常0.1〜5μm
の範囲で任意に設定されるが、特に0.2〜2μmの範
囲が好ましい。また、電荷輸送層の膜厚は、5〜30μ
mの範囲で任意に設定されるが、特に、15〜25μm
の範囲が好ましい。
【0026】上記のように、下引き層形成用塗布液、電
荷発生層形成用塗布液および電荷輸送層形成用塗布液を
塗布する際、および形成された塗膜を乾燥する際におけ
る雰囲気として、上記の露点温度範囲を有するエアーを
用いることにより、形成される電子写真感光体は、優れ
た電子写真特性を有するものになる。すなわち、その電
子写真感光体は、繰り返し使用時の残留電位の増加など
を引き起こすことがなく、高温高湿から低温低湿に至る
まで安定した帯電性と低い残留で電位を示すものとな
る。
【0027】
【実施例】以下に、本発明を実施例および比較例によっ
てさらに詳細に説明する。 実施例1〜4、比較例1〜5 (下引き層の形成) トリブトキシアセチルアセトナトジルコニウム 20重量部 [(C5 7 2 )Zr(OC4 9 3 、 オルガチックスZC540、松本交商製)] γ−アミノプロピルトリエトキシシラン 2重量部 ポリビニルブチラール樹脂 1.5重量部 (エスレックBM−S 積水化学(株)製) n−ブチルアルコール 70重量部 上記成分からなる溶液を、84mmφ×340mmのサ
イズのアルミニウムパイプ上に浸漬塗布した後、150
℃で10分間乾燥させて、膜厚0.9μmの下引き層を
形成した。
【0028】 (電荷発生層の形成) X型無金属フタロシアニン 5重量部 塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 5重量部 (VMCH、ユニオンカーバイド社製) 酢酸n−ブチル 200重量部 次に、上記の成分を1mmφのガラスビーズを用いたサ
ンドミルで2時間分散して得られた分散液を、上記の下
引き層上に浸漬塗布し、100℃で10分間乾燥させ
て、膜厚0.2μmの電荷発生層を形成した。
【0029】(電荷輸送層の形成)
【化3】 次に、上記成分からなる溶液を上記電荷発生層上に浸漬
塗布した後、135℃で1時間乾燥させて、膜厚20μ
mの電荷輸送層を形成し、電子写真感光体を作製した。
上記各実施例および比較例において、下引き層、電荷発
生層および電荷輸送層の各層の塗布時における雰囲気の
露点温度および乾燥時における雰囲気の露点温度は、下
記表1に記載の通りであった。
【0030】(評価)上記のようにして得られた電子写
真感光体は、レーザープリンター(Able1301
α、富士ゼロックス(株)社製)を改造した評価装置内
で、電気特性の評価を行なった。評価は、低温低湿(1
0℃、15%RH)において、上記評価装置内の現像位
置で初期残留電位および5万回操作後の残留電位を測定
することにより行なった。ここで、プリンターの停止直
前の電位を残留電位とした。その結果を表1に示す。
【0031】
【表1】 なお、比較例1および3の場合は、ブラッシングしてし
まい評価ができなかった。
【0032】
【発明の効果】本発明は、上記構成を有するので、作製
された電子写真感光体は、塗布欠陥がなく、帯電性が高
く、繰り返し使用時の残留電位の増加等を引き起こすこ
とがなく、高温高湿から低温低湿に至るまで安定した帯
電性と低い残留で電位を示し、かつ、形成された画像
は、画質欠陥等がない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明方法で製造された電子写真感光体の1
例の断面を示す模式図である。
【符号の説明】
1…導電性支持体、2…電荷発生層、3…電荷輸送層、
4…下引き層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 宮本 宏 神奈川県海老名市本郷2274番地 富士ゼロ ックス株式会社内 (72)発明者 矢作 浩一 神奈川県海老名市本郷2274番地 富士ゼロ ックス株式会社内 (72)発明者 諏訪部 正明 神奈川県南足柄市竹松1600番地 富士ゼロ ックス株式会社内 (72)発明者 露木 直彦 神奈川県南足柄市竹松1600番地 富士ゼロ ックス株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性支持体上に、下引き層および感光
    層を形成することからなる電子写真感光体の製造方法に
    おいて、上記各層の形成に際して、塗布を5〜10℃の
    範囲の露点温度を有する雰囲気下で行い、形成された塗
    膜の乾燥を、10〜20℃の範囲の露点温度を有する雰
    囲気下で行なうことを特徴とする電子写真感光体の製造
    方法。
  2. 【請求項2】 前記下引き層が、有機金属化合物とシラ
    ンカップリング剤を含有するものであることを特徴とす
    る請求項1に記載の電子写真感光体の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記下引き層が、結着樹脂を含有するも
    のであることを特徴とする請求項1に記載の電子写真感
    光体の製造方法。
  4. 【請求項4】 結着樹脂が、ポリビニルブチラール樹脂
    であることを特徴とする請求項3に記載の電子写真感光
    体の製造方法。
JP4296563A 1992-10-09 1992-10-09 電子写真感光体の製造方法 Expired - Lifetime JP2765407B2 (ja)

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