JPH06116094A - 薄膜超伝導体及びその製造方法 - Google Patents

薄膜超伝導体及びその製造方法

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JPH06116094A
JPH06116094A JP4259448A JP25944892A JPH06116094A JP H06116094 A JPH06116094 A JP H06116094A JP 4259448 A JP4259448 A JP 4259448A JP 25944892 A JP25944892 A JP 25944892A JP H06116094 A JPH06116094 A JP H06116094A
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洋 市川
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    • Y10S505/702Josephson junction present

Abstract

(57)【要約】 【目的】 安定で高性能な超伝導特性を示すBi 系超伝
導薄膜の構造と、その製造方法を提供する。 【構成】 基体1上に、主成分が少なくともビスマス、
チタンと酸素からなる層状誘電体薄膜2を堆積させ、誘
電体薄膜2上に、主成分が少なくともビスマス、銅,お
よびアルカリ土類(IIa族)を含む層状酸化物超伝導薄
膜3が堆積された構造を持ち、前記誘電体薄膜と超伝導
薄膜が、少なくともc軸に対し垂直でない平面で切られ
た結晶面を介して接している薄膜超伝導体と、基体1上
に、少なくともBi を含む酸化物層と少なくともBi と
Ti を含む酸化物層とを周期的に積層させて層状誘電体
薄膜を形成した後、前記層状誘電体薄膜の少なくともc
軸に対し垂直でない結晶面を表面とし、少なくともBi
を含む酸化物層と少なくとも銅およびアルカリ土類(IIa
族) を含む酸化物層とを周期的に積層させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高性能な特性を有する
超伝導薄膜の構造およびその製造方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】現在、最も応用が急がれている材料のひ
とつに酸化物高温超伝導体がある。このペロブスカイト
系化合物は、金属化合物超伝導体よりさらに高い転移温
度が期待され、Ba-La-Cu-O系の高温超伝導体が提案
された[J.G.Bednorz and K.A.Muller, ツァイトシュリ
フト・フュア・フィジーク(Zeitshrift Fur Physik B)-
Condensed Matter Vol.64,189-193(1986)] 。さらに、
Bi-Sr-Ca-Cu-O系の材料が100K以上の転移温度
を示すことも発見された[H.Maeda,Y.Tanaka,M.Fukutom
i and T.Asano,ジャぱニーズ・ジャーナル・オブ・アプ
ライド・フィジックス(Japanese Journal of Applied P
hysics)Vol.27,L209-L210(1988)]。この種の材料の超伝
導機構の詳細は明らかではないが、転移温度が室温以上
に高くなる可能性があり、高温超伝導体として従来の2
元系化合物より、電子デバイス分野での応用が期待され
ており、そのためにもこの種の材料の薄膜化技術の確立
が要請されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、Bi-S
r-Ca-Cu-O系の材料を実用化する場合、薄膜状に加工
することが強く要望されているが、従来の技術では、良
好な超伝導特性を有する薄膜作製は難しいものであっ
た。すなわち、Bi-Sr-Ca-Cu-O系には超伝導転移温
度の異なるいくつかの相が存在することが知られている
が、特に転移温度が100K以上の相を薄膜の形態で達
成するのは、非常に困難とされていた。これはおよそ次
のようなことに起因している。すなわち、Bi-Sr-Ca-
Cu-O系材料はBi2 2 層がSr-Ca-Cu-O仮相ペロ
ブスカイト層を挟んだ層状の結晶構造を有しており、こ
の仮相ペロブスカイト層がそれぞれ整数の比率で表記さ
れる単結晶をとりにくいためである。そのために、薄膜
で超伝導臨界電流密度を一定に、また安定に高いものを
作製するのはきわめて困難であった。
【0004】本発明は、前記従来技術の課題を解決する
ため、安定で高性能なBi 系超伝導薄膜を含む薄膜超伝
導体を提供すること、及びこの構造をより効果的に実現
するBi-Sr-Ca-Cu-O薄膜薄膜の有効な製造方法を提
供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明の薄膜超伝導体は、基体上に、主成分が少な
くともビスマス(Bi )、チタン(Ti )、酸素(O)
からなる層状誘電体薄膜が堆積され、前記誘電体薄膜上
に、主成分が少なくともビスマス(Bi )、銅(Cu
),およびアルカリ土類(IIa族)を含む層状酸化物
超伝導薄膜が堆積された積層構造であるという構成を備
えたものである。(ただしアルカリ土類は、IIa族元素
のうちの少なくとも一種あるいは二種以上の元素を示
す。)前記構成においては、誘電体薄膜と超伝導薄膜
が、少なくとも前記誘電体薄膜または前記超伝導薄膜の
c軸に対し垂直でない平面で切られた面を介して接して
いることが好ましい。
【0006】また本発明の薄膜超伝導体の製造方法は、
基体上に、少なくともBi を含む酸化物層と少なくとも
Bi とTi を含む酸化物層とを周期的に積層させて層状
誘電体薄膜を形成した後、前記層状誘電体薄膜の少なく
ともc軸に対し垂直でない結晶面を表面とし、少なくと
もBi を含む酸化物層と少なくとも銅およびアルカリ土
類(IIa族) を含む酸化物層とを周期的に積層させること
を特徴とする。
【0007】前記構成においては、積層手段が蒸発によ
るものであり、かつ前記蒸発をスパッタリングで行なう
ことが好ましい。また前記構成においては、積層物質の
蒸発を少なくとも二種以上の蒸発源で行うことが好まし
い。
【0008】
【作用】前記した本発明の構成によれば、基体上に主成
分が少なくともビスマス(Bi)、チタン(Ti )、酸
素(O)からなる層状誘電体薄膜が堆積され、前記誘電
体薄膜上に、主成分が少なくともビスマス(Bi )、銅
(Cu ),およびアルカリ土類(IIa族)を含む層状酸
化物超伝導薄膜が堆積された積層構造であることによ
り、安定で高性能なBi 系超伝導薄膜を含む薄膜超伝導
体を得ることができる。すなわち、Bi4 Ti3 12
代表的であるBi 系層状強誘電体は、Bi22 層が仮
相ペロブスカイト相を挟んだBi-Sr-Ca-Cu-O超伝導
体の構造と同じであり、互いのa軸、b軸がほぼ等しい
という特性を持っている。さらにBi系強誘電体結晶の
仮相ペロブスカイト相の構成元素およびその比率を変え
ることができ、それに従ってc軸長も変えることができ
る。融点も1000℃以上と高く安定である。本発明の薄膜
超伝導体の構造をとることによって、Bi 系超伝導体が
安定にBi 系強誘電体上に安定にエピタキシャル成長す
るばかりでなく、Bi 系強誘電体のc軸と垂直をなさな
い平面上に堆積することによって、Bi 系超伝導体結晶
のc軸長がBi 系強誘電体のそれに固定され、c軸長が
一定すなわち結晶相が単一の単結晶薄膜が容易に得られ
る。
【0009】さらに本発明の製造方法は、Bi 系強誘電
体およびBi 系超伝導体の結晶を構成するBi2 2
と仮相ペロブスカイト層を互いに周期的に積層する薄膜
超伝導体の製造方法であり、本発明の薄膜超伝導体をよ
り効果的に作製することができる。
【0010】
【実施例】以下実施例を用いて本発明をさらに具体的に
説明する。通常、酸化物超伝導薄膜は400 〜700 ℃に加
熱した基体上に蒸着して得る。蒸着後、そのままでも薄
膜は超伝導特性を示すが、その後700 〜950 ℃の熱処理
を施し、超伝導特性を向上させる。
【0011】しかしながら、通常、膜厚が1000オングス
トローム以下の酸化物超伝導薄膜については、バルク焼
成体とほぼ等しい超伝導転移温度を示すが、ゼロ抵抗温
度がバルク焼成体の場合より低い。例えば、Bi-Sr-C
a-Cu-O系の超伝導体はバルク焼成体ではゼロ抵抗温度
が105 K程度であるのに対し、膜厚数100 オングストロ
ームの薄膜では最高80Kであった。基体上に酸化物超伝
導薄膜を形成した場合、基体と薄膜との界面で基体の元
素が薄膜に拡散し、薄膜の結晶構造を破壊していること
がわかった。さらにBi4 Ti3 12に代表されるBi
系強誘電体がBi-Sr-Ca-Cu-O系超伝導体結晶と同じ
くBi2O2 層が仮相ペロブスカイト層を挟んだ構造を有
しており、a軸( またはb軸) 長がBi-Sr-Ca-Cu-O
系超伝導体結晶のそれにほぼ等しく、また融点も1000℃
と高く安定であることに着目し、Bi-Sr-Ca-Cu-O超
伝導体薄膜とBi 系強誘電体の積層について検討を行っ
た。そしてBi 系強誘電体薄膜上にBi-Sr-Ca-Cu-O
系超伝導薄膜がきわめて安定にエピタキシャル成長する
ことを見いだした。さらにBi 系強誘電体薄膜上のBi-
Sr-Ca-Cu-O超伝導薄膜の臨界電流密度も直接基体上
に作製した場合に比べ高いことも併せて見いだした。こ
のことは次のように解釈される。すなわちBi 系強誘電
体結晶とBi-Sr-Ca-Cu-O超伝導体結晶のa軸(もし
くはb軸)がほぼ等しく、またBi22 層が熱的に安定
でBi 系強誘電体薄膜とBi-Sr-Ca-Cu-O超伝導薄膜
の界面で互いの元素の相互拡散が抑えられたエピタキシ
ャル成長が実現されていることによるものと考えられ
る。
【0012】さらに、Bi 系強誘電体薄膜のc軸と垂直
でない結晶面にBi-Sr-Ca-Cu-O超伝導薄膜を作製し
たとき以外にも超伝導特性が向上することを見いだし
た。そこで、相転移のあるLa Al O3 結晶材料を基体
として選び、その上にBi4 Ti3 12薄膜を作製し
た。基体温度600 ℃でBi4 Ti3 12薄膜を作製した
とき、Bi4 Ti3 12薄膜の表面が階段状になってい
ることを見いだした。一般にLa Al O3 の相転移温度
は550 〜650 ℃といわれており、Bi4 Ti3 12薄膜
作製中にLa Al O3 基体に相転移が起こり基体表面が
階段状になったことによるものと考えられる。X線回折
測定によると基体表面に対し約5゜傾いてBi4 Ti3
12薄膜が成長していることがわかった。さらに前記B
4 Ti3 12薄膜上にBi 系超伝導体薄膜を作製する
と、直接基体上にBi 系超伝導薄膜を作製したときに比
べ格段に超伝導特性が向上していることを見いだした。
以下具体的な実施例を用いて本発明を説明する。
【0013】実施例1 図1に本実施例で作製した薄膜超伝導体の構造概略図を
示す。本実施例において、まず基体1としてLa Al O
3 (100)単結晶を用いた。本発明者らは基体1上に
Bi-Ti-O薄膜2、続いてBi-Sr-Ca-Cu-O薄膜3を
図1の構成になるよう高周波マグネトロンスパッタ法で
堆積した。Bi-Ti-O薄膜2、Bi-Sr-Ca-Cu-O薄膜
3のスパッタリングターゲットにはそれぞれ焼成したセ
ラミックス粉体を用いた。Bi-Ti-O薄膜2作製時のガ
ス圧力(Ar:O2 =1: 9)は5Pa 、高周波電力60
W、基体温度600℃にして100nm作製した。Bi-
Sr-Ca-Cu-O薄膜3作製時のガス圧力(Ar:O2
8: 2)は1Pa 、高周波電力60W、基体温度650
℃にして100nm作製した。図2に図1の構造にした
ときのBi-Sr-Ca-Cu-O薄膜の抵抗の温度変化4と、
直接La Al O3 基体上に同一条件でBi-Sr-Ca-Cu-
O薄膜を作製したときの抵抗の温度変化5を示す。抵抗
の温度変化4の方が超伝導転移温度が5K程度高い結果
が得られた。さらに50Kのときの超伝導臨界電流密度
はBi-Ti-O薄膜上のBi-Sr-Ca-Cu-O薄膜の場合
5.5×105 A/ cm2 であった。これに対して基体
上のBi-Sr-Ca-Cu-O薄膜の場合は1×105 A/ c
2 であり、図2の構造のBi-Sr-Ca-Cu-O薄膜の方
が特性が優れていることがわかった。基体1をSr Ti
3、Mg O、YAl O3 に変えて同様な実験を行なっ
たがBi-Ti-O薄膜上のBi-Sr-Ca-Cu-O薄膜が基体
上のBi-Sr-Ca-Cu-O薄膜に比べていずれの基体につ
いても超伝導特性が優れていた。しかしながら本実施例
でLa Al O3 基体上にBi-Ti-O薄膜を作製した上の
Bi-Sr-Ca-Cu-O薄膜の特性がもっとも優れていた。
この原因をX線回折、透過型電子顕微鏡(TEM)観察
で究明した結果、La Al O3 基体1、Bi-Ti-O薄膜
2、Bi-Sr-Ca-Cu-O薄膜3は図3に示す様な断面構
造になっていることがわかった。すなわちLa Al O3
基体上に成長したBi-Ti-O薄膜2の表面はc軸に垂直
な面(a−b面)から約5゜傾いた面になっており、B
i-Sr-Ca-Cu-O薄膜3もBi-Ti-O薄膜2と同様に成
長していることがわかった。そして意外にもBi-Sr-C
a-Cu-O薄膜結晶はBi-Ti-O薄膜結晶のBi2 2
でつながり、Bi-Sr-Ca-Cu-O薄膜結晶のc軸長もバ
ルク単結晶体の3nmからBi-Ti-O薄膜結晶の3.2
5nmになっていることがわかった。このときBi-Sr-
Ca-Cu-O薄膜3の超伝導特性が向上する原因は不明で
あるが、図3に示すようにBi-Sr-Ca-Cu-O薄膜結晶
のc軸長がBi-Ti-O薄膜結晶のそれにつられて固定さ
れることによるのではと考えられる。
【0014】本実施例は基体1として相転移のあるLa
Al O3 を用いたことにより、偶然見いだした。次に、
本発明者らは意識的にこのような基体とBi-Ti-O薄膜
の状態をつくり、Bi-Sr-Ca-Cu-O薄膜の作製を試み
た。すなわちSr Ti O3 単結晶のc軸に対し95゜の
垂直でない角度をなす面で切り、研磨し基体として用い
たときにもLa Al O3 のときと同じ結果を得ることが
できた。さらにBi-Ti-O薄膜のc軸に対し95゜の角
度をなす面で切り、研磨しその上にBi-Sr-Ca-Cu-O
薄膜を作製したときにも同様な結果を得ることができ
た。すなわち本発明者らは、Bi-Ti-O薄膜とBi-Sr-
Ca-Cu-O薄膜がc軸に垂直な面と0でない角度θをな
す面を介して接しているとき有効であることを見いだし
た。なお、本発明者らはその角度が0゜<θ≦10゜の
範囲で有効であることを併せて見いだした。
【0015】なお、本発明者らはLa Al O3 以外の種
々の基体についても本発明の効果を実験・検討した結
果、酸化マグネシウム(Mg O)、チタン酸ストロンチ
ウム(Sr Ti O3 )、サファイア( α−AL
2 3 )、Mg Al2 4 、YSZ、La Ga O3 、L
a Al O3 、Nd Ga O3 、YAl O3 、Si 、Ga A
s の結晶性基体についても本発明が有効であることを確
認した。
【0016】なお、本発明者らはBi4 Ti3 12のか
わりにBi4 Ti3 12と同じBi 2 WO6 やBi2
m-1 m 2m+1の化学式で表記できるBi 系層状強誘電
体でも有効であることを見いだした。ここでmは1、
2、3、4、5の値をとる。Aは1価、2価、3価の元
素またはこれらの組合せで構成される。BはTi4+、N
5+、Ta5+か、またはこれらの組合せで構成される。
【0017】第1の発明の構造をBi-Ti-O薄膜とBi-
Sr-Ca-Cu-O薄膜を原子オーダーで周期的に積層した
ときにBi-Sr-Ca-Cu-O超伝導薄膜の超伝導特性がよ
り安定する薄膜超伝導体の製造方法とすることができ
る。
【0018】さらに本発明者らは、Bi の酸化物と、S
r 、Ca 、Cu の酸化物を異なる蒸発源から真空中で別
々に蒸発させ、基体上にBi-O→Sr-Cu-O→Ca-Cu-
O→Sr-Cu-O→Bi-Oの順で周期的に積層させた場
合、さらにBi の酸化物と、Ti の酸化物を異なる蒸発
源から真空中で別々に蒸発させ、Bi-O→Ti-O→Bi-
Oの順で周期的に積層させ、さらに活性化された酸素ガ
スを導入することによって、前記実施例1に示した作製
方法より格段に制御性良く、安定した膜質の、しかも膜
表面が極めて平坦なBi-Ti-O誘電体膜が得られ、さら
にBi-Sr-Ca-Cu-O薄膜とも有効に積層できることを
見いだした。
【0019】さらに本発明者らは、Bi-O、 Sr-Cu-
O、 Ca-Cu-O, Ti-Oを別々の蒸発源から蒸発させ、
Bi-Sr-Ca-Cu-O超伝導薄膜とBi-Ti-O誘電体膜を
周期的に積層した時、極めて制御性良くm(Bi-Sr-C
a-Cu-O)・n(Bi-Ti-O)の周期構造を持つ薄膜を
形成できることを見いだした。ここでm,nは正の整数
を示す。さらに、このm(Bi-Sr-Ca-Cu-O)・n
(Bi-Ti-O)薄膜は、前記実施例に示したBi-Sr-C
a-Cu-Oを同時に蒸着して得る超伝導薄膜と、Bi-Ti-
Oを同時に蒸着して得る酸化物誘電体膜とを周期的に積
層して得た薄膜に比べて、はるかに結晶性が優れ、超伝
導転移温度、臨界電流密度等の特性に勝っていることも
併せて見いだした。さらに本発明者らは、上記の方法で
作製したBi-Sr-Ca-Cu-O超伝導薄膜とBi-Ti-O誘
電体膜はともに薄膜表面が極めて平坦であることを見い
だした。
【0020】これらのことは図4に示す積層の概念図を
用いて説明することができる。すなわち、それぞれ層状
構造を構成する異なる元素を別々に順次積層していくこ
とにより、基体表面に対し平行な面内だけで積層された
蒸着元素が動くだけで、基体表面に対し垂直方向への元
素の移動がないことによるものと考えられる。さらに、
Bi とTi を含む酸化物層状ペロブスカイト構造の結晶
のa 軸の長さは、Bi-Sr-Ca-Cu-Oのそれとほぼ等し
く、連続的にエピタキシャル成長が可能であることによ
るものと考えられる。
【0021】さらに以外にも、良好な超伝導特性を得る
に必要な基体の温度、熱処理温度も、従来より低いこと
を見いだした。Bi-O, Sr-Cu-O, Ca-Cu-O, Ti-
Oを周期的に積層させる方法としては、いくつか考えら
れる。一般に、MBE装置あるいは多元のEB蒸着装置
で蒸発源の前を開閉シャッターで制御したり、気相成長
法で作製する際にガスの種類を切り替えたりすることに
より、周期的積層を達成することができる。しかしこの
種の非常に薄い層の積層には従来スパッタリング蒸着は
不向きとされていた。この理由は、成膜中のガス圧の高
さに起因する不純物の混入およびエネルギーの高い粒子
によるダメージと考えられている。しかしながら、本発
明者らは、このBi 系酸化物超伝導体に対してスパッタ
リングにより異なる薄い層の積層を行なったところ、以
外にも良好な積層膜作製が可能なことを発見した。スパ
ッタ中の高い酸素ガス圧およびスパッタ放電が、Bi 系
の100K以上の臨界温度を持つ相の形成、およびBi-
Ti-O誘電体膜の形成に都合がよいためではなかろうか
と考えられる。
【0022】スパッタ蒸着で異なる物質を積層させる方
法としては、組成分布を設けた1ケのスパッタリングタ
ーゲットの放電位置を周期的に制御するという方法があ
るが、組成の異なる複数個のターゲットのスパッタリン
グという方法を用いると比較的簡単に達成することがで
きる。この場合、複数個のターゲットの各々のスパッタ
量を周期的に制御したり、あるいはターゲットの前にシ
ャッターを設けて周期的に開閉したりして、周期的積層
膜を作製することができる。また基板を周期的運動させ
て各々ターゲットの上を移動させる方法でも作製が可能
である。レーザースパッタあるいはイオンビームスパッ
タを用いた場合には、複数個のターゲットを周期運動さ
せてビームの照射するターゲットを周期的に変えれば、
周期的積層膜が実現される。このように複数個のターゲ
ットを用いたスパッタリングにより比較的簡単にBi 系
酸化物の周期的積層が作製可能となる。
【0023】実施例2 図5に本実施例で用いた3元マグネトロンスパッタ装置
の概略図を示す。図5において、6はBi-Oターゲッ
ト、7はSr-Ca-Cu-Oターゲット、8はBi-Ti-Oタ
ーゲット、9はMgO等の基体、10は基体加熱用ヒー
ターを示す。計3個のターゲット6、7、8は図5に示
すように配置させた。即ち、基体9に焦点を結ぶように
各ターゲットが約30°傾いて設置されている。各ター
ゲットの前方にはシャッター11、12、13があり、
各ターゲットのスパッタ時間、順番を設定することがで
きる。基体9をヒーター10で約600℃に加熱し、ア
ルゴン・酸素(5:1)混合雰囲気3Pa のガス中で各
ターゲットのスパッタリングを行なった。このとき基体
9として、Mg Oの(100)面に対して5゜傾いた面
を削りだし用いた。ターゲット6、7、8に注入した高
周波電力をそれぞれ、30W,60W、60Wとした。
まずBi-O→(Bi-Ti-O)→Bi-OのサイクルでBi-
Ti-O膜の元素の組成比がBi:Ti=4:3 となるように各
ターゲットのスパッタ時間を調整し、上記サイクルを2
0サイクル行いBi-Ti-O薄膜を基体9上に作製したの
ち、基体9の温度を650℃に上げてBi-O→(Sr-C
a-Cu-O)→Bi-Oのサイクルを20サイクル行いBi-
Sr-Ca-Cu-O薄膜を作製した。このとき得られたBi-
Sr-Ca-Cu-O薄膜の抵抗の温度変化14を図6に示
す。超伝導転移温度、臨界電流密度ともに実施例1の図
2に示した特性4よりも向上していることがわかった。
この原因についての詳細は不明であるが、本発明者らに
よる第1の発明の薄膜超伝導体の構造が原子レベルで制
御され精度よく実現されたことによるものと考えられ
る。
【0024】なお、本発明者らは酸化マグネシウム( M
g O) 以外の種々の基体についても本発明の効果を実験
・検討した結果、チタン酸ストロンチウム( Sr Ti O
3 )、サファイア( α- Al2 O3 )、Mg Al2 O4
、YSZ、La Ga O3 、La Al O3 、Nd Ga O
3 、YAl O3 、Si 、Ga As の結晶性基体について
も本発明が有効であることを確認した。
【0025】
【発明の効果】以上のように本発明薄膜超伝導体は、安
定で高性能なBi 系超伝導薄膜の構造のものである。ま
た本発明の製造方法は、前記の構造をより効果的に実現
するBi-Sr-Ca-Cu-O薄膜薄膜の有効な作成方法を提
供するものであり、デバイス等の応用には必須の低温で
のプロセス確立したものであり、本発明の工業的価値は
大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1における薄膜超伝導体構造の
概念図。
【図2】本発明の実施例1によって得られたBi-Sr-C
a-Cu-O薄膜の抵抗の温度特性図。
【図3】本発明の実施例1によって得られたBi-Ti-O
薄膜とBi-Sr-Ca-Cu-O薄膜界面の状況を模式的に示
した薄膜の断面構造図。
【図4】本発明の実施例1のBi-Sr-Ca-Cu-O結晶と
Bi-Ti-O結晶の分子構造概略図。
【図5】本発明の実施例2で用いた薄膜の製造装置の概
略図。
【図6】本発明の実施例2で得られたBi-Sr-Ca-Cu-
O薄膜の抵抗の温度特性図。
【符号の説明】
1 La Al O3 2 Bi-Ti-O薄膜 3 Bi-Sr-Ca-Cu-O薄膜 4,5,14 Bi-Sr-Ca-Cu-O薄膜の抵抗の温度特性 6,7,8 スパッタリングターゲット 9 Mg O基体 10 ヒーター 11、12、13 シャッター
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01L 39/02 ZAA B 9276−4M 39/24 ZAA B 9276−4M

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基体上に、主成分が少なくともビスマス
    (Bi )、チタン(Ti )、酸素(O)からなる層状誘
    電体薄膜が堆積され、前記誘電体薄膜上に、主成分が少
    なくともビスマス(Bi )、銅(Cu ),およびアルカ
    リ土類(IIa族)を含む層状酸化物超伝導薄膜が堆積さ
    れた積層構造である薄膜超伝導体。(ただしアルカリ土
    類は、IIa族元素のうちの少なくとも一種あるいは二種
    以上の元素を示す。)
  2. 【請求項2】 誘電体薄膜と超伝導薄膜が、少なくとも
    前記誘電体薄膜または前記超伝導薄膜のc軸に対し垂直
    でない平面で切られた面を介して接している請求項1に
    記載の薄膜超伝導体。
  3. 【請求項3】 基体上に、少なくともBi を含む酸化物
    層と少なくともBi とTi を含む酸化物層とを周期的に
    積層させて層状誘電体薄膜を形成した後、前記層状誘電
    体薄膜の少なくともc軸に対し垂直でない結晶面を表面
    とし、少なくともBi を含む酸化物層と少なくとも銅お
    よびアルカリ土類(IIa族) を含む酸化物層とを周期的に
    積層させることを特徴とする薄膜超伝導体の製造方法。
  4. 【請求項4】 積層手段が蒸発によるものであり、かつ
    前記蒸発をスパッタリングで行なう請求項3に記載の薄
    膜超伝導体の製造方法。
  5. 【請求項5】 積層物質の蒸発を少なくとも二種以上の
    蒸発源で行う請求項4に記載の薄膜超伝導体の製造方
    法。
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