JPH04362016A - セラミックス薄膜の製造方法 - Google Patents

セラミックス薄膜の製造方法

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JPH04362016A
JPH04362016A JP3132736A JP13273691A JPH04362016A JP H04362016 A JPH04362016 A JP H04362016A JP 3132736 A JP3132736 A JP 3132736A JP 13273691 A JP13273691 A JP 13273691A JP H04362016 A JPH04362016 A JP H04362016A
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JP
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thin film
oxide
film
contg
substrate
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JP3132736A
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Hiroshi Ichikawa
洋 市川
Hideaki Adachi
秀明 足立
Kentaro Setsune
瀬恒 謙太郎
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Priority to EP94116681A priority patent/EP0643400B1/en
Priority to DE69224214T priority patent/DE69224214T2/de
Priority to EP94116712A priority patent/EP0640994B1/en
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  • Inorganic Compounds Of Heavy Metals (AREA)
  • Superconductor Devices And Manufacturing Methods Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光メモリー素子等の光
デバイスや酸化物超伝導体のジョセフソン接合に使用す
る層間絶縁膜に期待されるBi−Ti−O誘電体薄膜、
及び100K以上の高臨界温度が期待されるビスマスを
含む酸化物超伝導体薄膜などのセラミックス薄膜の製造
方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】高温超伝導体として、A15型2元系化
合物として窒化ニオブ(NbN)やゲルマニウムニオブ
(Nb3 Ge)などが知られていたが、これらの材料
の超伝導転移温度はたかだか23Kであった。一方、ペ
ロブスカイト系化合物は、さらに高い転移温度が期待さ
れ、Ba−La−Cu−O系の高温超伝導体が提案され
た[J.G.Bednorz and K.A.Mul
ler, ツァイトシュリフト・フュア・フィジーク(
Zetshrift Fur Physik B)−C
ondensed Matter Vol.64,18
9−193(1986)] 。
【0003】さらに、Bi−Sr−Ca−Cu−O系の
材料が100K以上の転移温度を示すことも発見された
[H.Maeda,Y.Tanaka,M.Fukut
omi and T.Asano,ジャパニーズ・ジャ
ーナル・オブ・アプライド・フィジックス(Japan
ese Journal of Applied Ph
ysics)Vol.27,L209−210(198
8)] 。この種の材料の超伝導機構の詳細は明らかで
はないが、転移温度が室温以上に高くなる可能性があり
、高温超伝導体として従来の2元系化合物より、より有
望な特性が期待される。
【0004】さらに超伝導体と絶縁物とを交互に積層す
ることにより、より高い超伝導転移温度が従来から期待
されていた[M.H.Cohen and D.H.D
ouglass,Jr., フィジカル・レビュー・レ
ターズ(Physical Review Lette
rs)Vol.19,118−121(1967) ]
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、Bi−
Sr−Ca−Cu−O系の材料を実用化する場合、薄膜
状に加工することが強く要望されているが、従来の技術
では、良好な超伝導特性を有する薄膜作製は難しいもの
であった。すなわち、Bi−Sr−Ca−Cu−O系に
は超伝導転移温度の異なるいくつかの相が存在すること
が知られているが、特に転移温度が100K以上の相を
薄膜の形態で達成するのは、非常に困難とされていた。
【0006】また、従来このBi系において良好な超伝
導特性を示す薄膜を形成するためには少なくとも700
℃以上の熱処理あるいは形成時の加熱が必要であり、そ
のため高い超伝導転移温度が期待される絶縁膜との周期
的な積層構造を得ること、さらにこの構造を利用した集
積化デバイスを構成するには特に膜厚数10nmの極薄
膜の絶縁膜すなわち誘電体膜を安定に形成することが必
要であるがBi−Sr−Ca−Cu−O薄膜の形成温度
自身が高いために極めて困難であるとされていた。
【0007】本発明は前記従来の課題を解決するため、
安定な結晶相を有するBi−Ti−O薄膜を提供するこ
と、及びBi系超伝導薄膜と絶縁膜との積層体によって
超伝導転移温度上昇を実現させたセラミックスを提供す
ることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
、本発明の第1の発明のセラミックス薄膜の製造方法は
、基体上に、活性化された酸素ガスを含む雰囲気中で、
主成分として少なくともビスマス(Bi)、チタン(T
i)と酸素(O)を含む誘電体薄膜を形成することを特
徴とする。
【0009】前記構成においては、誘電体を構成する金
属元素の蒸発を少なくとも二種以上の蒸発源で行なうこ
とが好ましい。また前記構成においては、蒸発をスパッ
タリングで行なうことが好ましい。
【0010】次に本発明の第2の発明のセラミックス薄
膜の製造方法は、基体上に、活性化された酸素ガスを含
む雰囲気中で、主成分として少なくともBiを含む酸化
物と少なくとも銅およびアルカリ土類(IIa族)を含
む酸化物とを周期的に積層させて形成する酸化物薄膜と
、少なくともBiを含む酸化物と少なくともTiを含む
酸化物を周期的に積層させて形成する酸化物薄膜とを、
交互に積層させて酸化物超伝導薄膜を得ることを特徴と
する。(ここでアルカリ土類は、IIa族元素のうちの
少なくとも一種の元素を示す。)前記構成においては、
積層物質の蒸発を少なくとも二種以上の蒸発源で行うこ
とが好ましい。
【0011】また前記構成においては、蒸発をスパッタ
リングで行なうことが好ましい。
【0012】
【作用】前記本発明の第1の発明の構成によれば、活性
化された酸素を含む雰囲気中でBi−Ti−O薄膜を作
成することによって、薄膜作成時に薄膜からのBi元素
の再蒸発を抑え、安定な結晶相を有するBi−Ti−O
薄膜を得ることができる。
【0013】さらに第2の発明の構成によれば、熱的に
安定なBi2 O2 層が仮相ペロブスカイト層を挟ん
だ構造を共に有するBi−Sr−Ca−Cu−O薄膜と
Bi−Ti−O薄膜を活性化された酸素を含む雰囲気中
でBiを含む酸化物と、少なくとも銅およびアルカリ土
類(IIa族)を含む酸化物あるいは少なくともTiを
含む酸化物とを、周期的に積層させて分子レベルの制御
による薄膜の作製を行うことによって、再現性良くBi
系超伝導薄膜と絶縁膜との積層を得ることができ、さら
に超伝導転移温度上昇を実現できる。
【0014】
【実施例】まず、本発明者らはBi系超伝導薄膜と誘電
体膜との周期的な積層構造を実現するため、Bi系超伝
導薄膜と種々の誘電体膜との相互作用について検討した
【0015】通常、Bi系超伝導薄膜は600〜700
℃に加熱した基体上に蒸着して得る。蒸着後、そのまま
でも薄膜は超伝導特性を示すが、その後850〜950
℃の熱処理を施し、超伝導特性を向上させる。
【0016】しかしながら、基体温度が高い時に誘電体
膜をBi系超伝導薄膜に続いて積層したり、誘電体膜を
形成後熱処理を行った場合、超伝導膜と誘電体膜との間
で、元素の相互拡散が起こり超伝導特性が大きく劣化す
ることが判明した。相互拡散を起こさないためには、超
伝導膜、誘電体膜の結晶性が優れていること、超伝導膜
・誘電体膜間での格子の整合性が優れていること、誘電
体膜が850〜950℃の熱処理に対して安定であるこ
とが不可欠と考えられる。
【0017】種々の検討を行った結果、本発明者らは、
少なくともTiを含むBi酸化物層状構造の薄膜が誘電
体膜として適していることを見いだした。この理由とし
て、Tiを含むBi層状酸化物は、Bi2 O2 酸化
物層がTiおよび酸素等の元素からなる構造体を挟み込
んだ層状ペロブスカイトを示すことが知られており、こ
のBi2 O2 層は同種の結晶構造の物質の界面に対
して高温の熱処理においても非常に安定であり、またB
i系超伝導体とBi−Ti系酸化物との格子の整合性が
きわめて優れていることが考えられる。
【0018】まず本発明者らは、Bi−Ti−O材料の
薄膜化について検討を行なった。Bi−Ti−Oの薄膜
化は従来から高周波マグネトロンスパッタ法、レーザー
・アブレイション法のセラミックスのターゲットをスパ
ッタあるいはアブレイションし、ターゲトから飛び出し
たBi−Ti−O粒子を基体上に堆積させることで行な
われてきた。 しかしながら、これらの方法は薄膜の堆積速度が1〜1
0 nm/min と速く、膜厚100nm以上の薄膜
については良好な結晶性、強誘電性が得られるが、膜厚
数10 nm 以下の極薄膜については特に基体の特性
の影響を直接的に受け結晶性に優れたBi−Ti−O薄
膜を得ることは不可能であった。そこで本発明者らは、
薄膜堆積速度を遅くして作製すれば薄膜堆積開始時から
結晶性に優れたBi−Ti−O薄膜が得られるのではと
考えBi−Ti−O薄膜の作製を行なった。
【0019】本発明者らはイオンビーム・スパッタ装置
を用いBi−Ti−O薄膜作製の検討を種々行なったが
、膜厚数10 nm 以下の極薄膜を対象にした場合、
加熱した基体上でのBi、Ti、O各元素の振舞いに大
きく依存することがわかった。すなわち、Tiは酸化力
に優れた材料であり、Ti金属元素の形ではもちろんの
こと、TiO2−x (x>0 )の酸素欠損型であっ
ても近くに酸素があるとTiO2 になってしまうこと
がわかった。またTi、TiO2 ともに融点は160
0〜1700℃と高く、600 〜700 ℃に加熱し
た基体からも真空中に再蒸発はしていかないことがわか
った。一方、Biは融点が270 ℃程度と低く、融点
が800 ℃と比較的高いBi2 O3 の形で飛来し
ても加熱された基体上ではBi2 O3−y (y>0
 )の酸素欠損型でとどまり、またTiと共存させると
TiがBiのOを奪い取ってしまい、Biは基体から再
蒸発してしまうことがわかった。このような状態でBi
−Ti−O薄膜を作製した場合、膜厚100 nm以上
であれば基体より離れたところすなわちBi−Ti−O
薄膜表面では誘電体として機能するが、基体付近の極薄
膜では各結晶からBiが抜け落ち誘電体としての機能が
ないことが説明される。 従って、基体上でいかにBiを安定に酸化させ、Tiと
共存させるかを本発明者らは検討を行ない、Bi−Ti
−O薄膜作製中の各種雰囲気ガス検討を行なった結果本
発明に至ったのである。
【0020】次に第1の発明の内容を更に具体的に説明
するため、図1を用い具体的な実施例を示す。 実施例1 図1は、この実験のために用いる二元イオンビーム・ス
パッタ装置の概略図であり、11はBi2 O3 ター
ゲット、12はTiターゲット、13は基体、14は基
体加熱用ヒーター、15、16はイオンガン、17は電
子銃、18は電子線回折像観察用スクリーンを示す。ま
た19はノズルであり、基体13にガスが供給される。 直径60 mm の金属ディスクターゲット11、12
を図1に示すように配置させた。イオンガン15、16
にはアルゴン(Ar)ガスを導入し、アルゴンイオンビ
ームでそれぞれターゲット11、12をスパッタした。 MgO(100) 基体13にBi、Ti粒子が飛来す
るようターゲット11、12とイオンガン15、16の
位置を調整した。Bi−Ti−O膜の成膜時にノズル1
9から酸素ガスのみを供給したときには、Biの基体1
3への付着は極めて悪く、TiがBiから酸素を奪いB
iがBi−Ti−O薄膜から再蒸発するため結晶性がき
わめて悪くなった。ところが、本発明者らは酸素ガスに
オゾンガスを混ぜるとBiの付着量が増すことを見いだ
した。
【0021】Bi−Ti−O薄膜中のBiとTiの量を
調べた結果を図2に示す。図2からわかるように、オゾ
ンガスを導入することによってBiの付着量が増すこと
がわかる。このときのBi−Ti−O薄膜の膜厚は約2
0 nm である。またオゾンガスを導入しないときに
は本発明者らが所望する単一のBi4 Ti3 O12
の結晶構造は得ることができなかったが、オゾンガスを
導入することによって膜厚200nm程度の極薄膜でも
得ることができた。
【0022】そのときのBi−Ti−O薄膜のX線回折
スペクトルを図3に示す。Bi−Ti−O薄膜はMgO
基体上にc軸配向しており、薄膜表面も極めて平坦なも
のが得られた。このことはおよそ次のように解釈するこ
とができる。すなわち、基体13に飛来したBiの酸化
をオゾンが促進し、安定に酸素欠損のないBi−OがT
i−Oと効率的に反応してBi4 Ti3 O12結晶
を作ることによるものと考えられる。
【0023】なお、本発明者らはオゾンガス以外にもラ
ジカル等の活性化された酸素ガスの導入が同様にBi−
Ti−O薄膜を作成するのに有効であることを、併せて
見いだした。
【0024】さらに本発明者らは、第1の発明の手法を
用いてBi−Ti−O薄膜とBi−Sr−Ca−Cu−
O薄膜を原子オーダーで周期的に積層したときにBi−
Sr−Ca−Cu−O超伝導薄膜の超伝導転移温度が上
昇する超伝導薄膜の製造方法を見いだした。
【0025】さらに本発明者らは、Biの酸化物と、S
r、Ca、Cuの酸化物を異なる蒸発源から真空中で別
々に蒸発させ、基体上にBi−O→Sr−Cu−O→C
a−Cu−O→Sr−Cu−O→Bi−Oの順で周期的
に積層させた場合、さらにBiの酸化物と、Tiの酸化
物を異なる蒸発源から真空中で別々に蒸発させ、Bi−
O→Ti−O→Bi−Oの順で周期的に積層させ、さら
に活性化された酸素ガスを導入することによって、(実
施例1)に示した作製方法より格段に制御性良く、安定
した膜質の、しかも膜表面が極めて平坦なBi−Ti−
O誘電体膜が得られ、さらにBi−Sr−Ca−Cu−
O薄膜とも有効に積層できることを見いだした。
【0026】さらに本発明者らは、Bi−O、 Sr−
Cu−O、 Ca−Cu−O, Ti−Oを別々の蒸発
源から蒸発させ、Bi−Sr−Ca−Cu−O超伝導薄
膜とBi−Ti−O誘電体膜を周期的に積層した時、極
めて制御性良くm(Bi−Sr−Ca−Cu−O)・n
(Bi−Ti−O)の周期構造を持つ薄膜を形成できる
ことを見いだした。ここでm,nは正の整数を示す。さ
らに、このm(Bi−Sr−Ca−Cu−O)・n(B
i−Ti−O)薄膜は、(実施例1)に示したBi−S
r−Ca−Cu−Oを同時に蒸着して得る超伝導薄膜と
、Bi−Ti−Oを同時に蒸着して得る酸化物誘電体膜
とを周期的に積層して得た薄膜に比べて、はるかに結晶
性が優れ、超伝導転移温度、臨界電流密度等の特性に勝
っていることも併せて見いだした。さらに本発明者らは
、上記の方法で作製したBi−Sr−Ca−Cu−O超
伝導薄膜とBi−Ti−O誘電体膜はともに薄膜表面が
極めて平坦であることを見いだした。
【0027】これらのことは図4に示す積層の概念図を
用いて説明することができる。すなわち、それぞれ層状
構造を構成する異なる元素を別々に順次積層していくこ
とにより、基体表面に対し平行な面内だけで積層された
蒸着元素が動くだけで、基体表面に対し垂直方向への元
素の移動がないことによるものと考えられる。さらに、
BiとTiを含む酸化物層状ペロブスカイト構造の結晶
のa 軸の長さは、Bi−Sr−Ca−Cu−Oのそれ
とほぼ等しく、連続的にエピタキシャル成長が可能であ
ることによるものと考えられる。
【0028】さらに以外にも、良好な超伝導特性を得る
に必要な基体の温度、熱処理温度も、従来より低いこと
を見いだした。Bi−O, Sr−Cu−O, Ca−
Cu−O, Ti−Oを周期的に積層させる方法として
は、いくつか考えられる。一般に、MBE装置あるいは
多元のEB蒸着装置で蒸発源の前を開閉シャッターで制
御したり、気相成長法で作製する際にガスの種類を切り
替えたりすることにより、周期的積層を達成することが
できる。しかしこの種の非常に薄い層の積層には従来ス
パッタリング蒸着は不向きとされていた。この理由は、
成膜中のガス圧の高さに起因する不純物の混入およびエ
ネルギーの高い粒子によるダメージと考えられている。 しかしながら、本発明者らは、このBi 系酸化物超伝
導体に対してスパッタリングにより異なる薄い層の積層
を行なったところ、以外にも良好な積層膜作製が可能な
ことを発見した。スパッタ中の高い酸素ガス圧およびス
パッタ放電が、Bi系の100K以上の臨界温度を持つ
相の形成、およびBi−Ti−O誘電体膜の形成に都合
がよいためではなかろうかと考えられる。
【0029】スパッタ蒸着で異なる物質を積層させる方
法としては、組成分布を設けた1ケのスパッタリングタ
ーゲットの放電位置を周期的に制御するという方法があ
るが、組成の異なる複数個のターゲットのスパッタリン
グという方法を用いると比較的簡単に達成することがで
きる。この場合、複数個のターゲットの各々のスパッタ
量を周期的に制御したり、あるいはターゲットの前にシ
ャッターを設けて周期的に開閉したりして、周期的積層
膜を作製することができる。また基板を周期的運動させ
て各々ターゲットの上を移動させる方法でも作製が可能
である。レーザースパッタあるいはイオンビームスパッ
タを用いた場合には、複数個のターゲットを周期運動さ
せてビームの照射するターゲットを周期的に変えれば、
周期的積層膜が実現される。このように複数個のターゲ
ットを用いたスパッタリングにより比較的簡単にBi系
酸化物の周期的積層が作製可能となる。
【0030】実施例2 以下第2の発明を具体的に説明する実施例を示す。図5
に本実施例で用いた4元マグネトロンスパッタ装置の概
略図を示す。図5において、51はBiターゲット、5
2はSr Cu 合金ターゲット、53はCaCu 合
金ターゲット、54はTiターゲット、55はシャッタ
ー、56はスリット、57は基体、58は基体加熱用ヒ
ーターを示す。計4個のターゲット51、52、53、
54は図2に示すように配置させた。即ち、MgO(1
00)基体57に焦点を結ぶように各ターゲットが約3
0°傾いて設置されている。ターゲットの前方には回転
するシャッター55があり、パルスモータで駆動するこ
とによりその中に設けられたスリット56の回転が制御
され、各ターゲットのサイクル及びスパッタ時間を設定
することができる。基体57をヒーター58で約600
℃に加熱し、アルゴン・酸素(5:1)混合雰囲気3P
aのガス中で各ターゲットのスパッタリングを行なった
。また酸素ガスにおいてはオゾンガスを導入し、その比
率を変えた。各ターゲットのスパッタ電流を、Bi:3
0 mA,Sr Cu:80 mA,Ca Cu:30
0mA, Ti:400mAにして実験を行った。Bi
→Sr Cu →Ca Cu →Biのサイクルでスパ
ッタし、Bi−Sr−Ca−Cu−O膜の元素の組成比
率がBi:Sr:Ca:Cu=2:2:2:3 となる
ように各ターゲットのスパッタ時間を調整し、上記サイ
クルを20周期行った結果、100K以上の臨界温度を
持つ相を作製することができた。また、同様にBi→T
i→BiのサイクルでBi−Ti−O膜の元素の組成比
がBi:Ti=4:3となるように各ターゲットのスパ
ッタ時間を調整し、上記サイクルを4サイクルまで少な
くして、Bi−Ti−O膜の膜厚を薄くしても、極めて
結晶性に優れたBi−Ti−O膜が得られた。
【0031】さらに本発明者らは、m×(Bi→Sr 
Cu →CaCu →Sr Cu →Bi)→n×(B
i→Ti→Bi)のサイクルで各ターゲットをスパッタ
し、m(Bi−Sr−Ca−Cu−O)・n(Bi−T
i−O)薄膜を基体57上に作製した。ここでm,nは
正の整数を示す。本発明者らはn=4のとき、mを変化
させて周期的に積層して得た膜の超伝導特性を調べた。 図6および図7にスパッタ中の供給ガスがアルゴンと酸
素のみのときと、アルゴンと4:1の酸素とオゾンガス
のときのm=2、6、16のときに得た膜の抵抗の温度
変化をそれぞれ特性61、62、63および71、72
、73に示す。図6において、m=6のとき、最も高い
超伝導転移温度およびゼロ抵抗温度、すなわち特性62
が得られた。特性62の超伝導転移温度、ゼロ抵抗温度
はBi−Sr−Ca−Cu−O膜本来のそれらの値より
も約8K高いものであり、図7についても同じではある
が、ゼロ抵抗温度が図7における方がいずれも上昇して
いることがわかる。この効果の詳細な理由については未
だ不明であるが、本実施例に示した方法でBi−Sr−
Ca−Cu−O膜とBi−Ti−O膜とを周期的に積層
することによって、Bi−Sr−Ca−Cu−O膜とB
i−Ti−O膜が互いにBi2 O2 層を介してエピ
タキシャル成長していることにより積層界面での元素の
相互拡散の影響がなく、かつ結晶性に優れた薄いBi−
Ti−O膜を介して同じく結晶性に優れたBi−Sr−
Ca−Cu−O膜を積層することによりBi−Sr−C
a−Cu−O膜において超伝導機構になんらかの変化が
引き起こされたことが考えられ、オゾンガスの導入によ
って、特にBi2 O2 層がBi−Sr−Ca−Cu
−O薄膜、Bi−Ti−O薄膜中で安定に形成されたこ
とによるものと考えられる。
【0032】なお、超伝導転移温度が上昇する効果は、
Bi→Sr Cu→Ca Cu →Biのサイクルが4
〜10の範囲で有効であることを、本発明者らは確認し
た。なお、本発明者らはターゲット51、もしくは54
に鉛(Pb)を添加してスパッタしたとき、基体57の
温度が上記実施例よりも約100℃低くても、上記実施
例と同等な結果が得られることを見いだした。
【0033】なお、本発明者らはBi−Ti−O膜の代
わりに、Bi−Ti−Nb− O, Bi−Ti−Ta
−O, Bi−Ti−Ca−O, Bi−Ti−Sr−
O, Bi−Ti−Ba−O, Bi−Ti−Na−O
, Bi−Ti−K−O膜を用いたときも第2の発明が
有効であることを確認した。
【0034】なお、本発明者らはオゾンのかわりにラジ
カル等の活性化された酸素であれば本発明が有効である
ことも見いだした。以上のように本発明者らによる第1
の発明の誘電体薄膜の製造方法は、膜厚数10 nm 
程度のBi−Ti−O誘電体の有効な作成方法を提供す
るものであり、第2の発明はBi系酸化物超伝導薄膜の
超電導転移温度を上昇させる構造を提供するものであり
、デバイス等の応用には必須の低温でのプロセス確立し
たものであり、本発明の工業的価値は大きい。
【0035】
【発明の効果】以上説明した通り、前記本発明方法の第
1の発明によれば、活性化された酸素を含む雰囲気中で
Bi−Ti−O薄膜を作成することによって、薄膜作成
時に薄膜からのBi元素の再蒸発を抑え、安定な結晶相
を有するBi−Ti−O薄膜を得ることができる。
【0036】さらに第2の発明によれば、熱的に安定な
Bi2 O2 層が仮相ペロブスカイト層を挟んだ構造
を共に有するBi−Sr−Ca−Cu−O薄膜とBi−
Ti−O薄膜を活性化された酸素を含む雰囲気中でBi
を含む酸化物と、少なくとも銅およびアルカリ土類(I
Ia族)を含む酸化物あるいは少なくともTiを含む酸
化物とを、周期的に積層させて分子レベルの制御による
薄膜の作製を行うことによって、再現性良くBi系超伝
導薄膜と絶縁膜との積層を得ることができ、さらに超伝
導転移温度上昇を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の発明の実施例における薄膜の製
造装置の概略図である。
【図2】同実施例のBiの基体上への付着量の変化を示
した図である。
【図3】図1の装置により得たBi−Ti−O薄膜のX
線回折スペクトル図である。
【図4】本発明の第2の発明の実施例における構造概念
図である。
【図5】同第2の発明の実施例における薄膜の製造装置
の概略図である。
【図6】図5の装置を使い、アルゴンと酸素ガスのみに
より作製した薄膜における抵抗の温度特性である。
【図7】図5の装置を使い、アルゴン、酸素の他にオゾ
ンガスを導入して作製して得た薄膜における抵抗の温度
特性である。
【符号の説明】
11,12,51,52,53,54    スパッタ
リングターゲット 13,57    MgO基体 14,58    ヒーター 15,16    イオンガン 17    電子銃 18    スクリーン 19    ノズル 55    シャッター 14    アバーチャー 56    スリット、 61,62,63,71,72,73    薄膜の抵
抗の温度特性

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  基体上に、活性化された酸素ガスを含
    む雰囲気中で、主成分として少なくともビスマス(Bi
    )、チタン(Ti)と酸素(O)を含む誘電体薄膜を形
    成することを特徴とするセラミックス薄膜の製造方法。
  2. 【請求項2】  誘電体を構成する金属元素の蒸発を少
    なくとも二種以上の蒸発源で行なう請求項1に記載のセ
    ラミックス薄膜の製造方法。
  3. 【請求項3】  蒸発をスパッタリングで行なう請求項
    1に記載のセラミックス薄膜の製造方法。
  4. 【請求項4】  基体上に、活性化された酸素ガスを含
    む雰囲気中で、主成分として少なくともBiを含む酸化
    物と少なくとも銅およびアルカリ土類(IIa族)を含
    む酸化物とを周期的に積層させて形成する酸化物薄膜と
    、少なくともBiを含む酸化物と少なくともTiを含む
    酸化物を周期的に積層させて形成する酸化物薄膜とを、
    交互に積層させて酸化物超伝導薄膜を得ることを特徴と
    するセラミックス薄膜の製造方法。(ここでアルカリ土
    類は、IIa族元素のうちの少なくとも一種の元素を示
    す。)
  5. 【請求項5】  積層物質の蒸発を少なくとも二種以上
    の蒸発源で行う請求項4に記載のセラミックス薄膜の製
    造方法。
  6. 【請求項6】  蒸発をスパッタリングで行なう請求項
    4に記載のセラミックス薄膜の製造方法。
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