JPH06108323A - 紡機用リング - Google Patents

紡機用リング

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JPH06108323A
JPH06108323A JP25652092A JP25652092A JPH06108323A JP H06108323 A JPH06108323 A JP H06108323A JP 25652092 A JP25652092 A JP 25652092A JP 25652092 A JP25652092 A JP 25652092A JP H06108323 A JPH06108323 A JP H06108323A
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JP
Japan
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ring
layer
spinning
carbide layer
traveler
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Pending
Application number
JP25652092A
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English (en)
Inventor
Naoyuki Morimoto
直之 森本
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 リングをFe−V粉末と金属クロム粉末を含
む溶融硼砂浴中に浸漬することにより、内層にクロム炭
化物層、外層にバナジウム炭化物層の2層の炭化物層を
形成させた紡機用リング。 【効果】 高速精紡に適し、かつ耐食性に優れたリング
が形成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は高速精紡において優れた
性能を発揮し、かつ耐食性に優れた紡機用リングに関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】従来の紡機用リングは、一般に低炭素鋼
が用いられ、表面硬化処理として浸炭焼入れ処理が行な
われている。然るに上記のリングでは、スピンドル回転
数が20,000r.p.m.以上では、リングとトラベラの摩
擦抵抗の増大と摩擦熱の急激な上昇のため、トラベラが
早期に焼き付き、摩耗飛散して連続運転が出来ないとい
う問題点があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】最近では、紡出する繊
維が多様化しており、その中には強力な腐食性ガスを放
出する場合もある。この様な環境下において従来のリン
グを使用した場合、発錆が激しく、殆ど使用できない
か、あるいはできても長期の使用に耐えられないのが現
状である。上記従来の問題を解決せんとして、表面にバ
ナジウム炭化物等の拡散浸透層を設けたリングも検討さ
れたが、炭化物層と母材との硬度差が大きく、密着性が
低いため、トラベラ滑走時の衝撃による被覆層の剥離が
生じ易いという問題点があった。また、炭化物層には微
小欠陥が存在するため、単層の被覆では、前述した様な
強力な腐食環境下においては微小欠陥部分から局部的な
腐食が生じ易いという問題点があった。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は上記問題点を解
決するためになされたものであり、リング素材として炭
素を0.6〜1.5%含有する炭素鋼あるいは合金鋼を用
い、所定形状に形成した紡機用リングの少なくともトラ
ベラと接触する表面に、炭化物被覆処理を行なう事によ
り、内層にクロム炭化物層、外層にバナジウム炭化物層
の2層の炭化物層を形成し、かつトラベラとの接触表面
を表面粗さ1.5μm 以下とすることにより、外層に高硬
度で耐摩耗性、潤滑性に優れた表面層を有する紡機用リ
ングを提供するものである。
【0005】
【作用】本発明の紡機用リングは、トラベラとの接触表
面に硬度が約Hv3000のバナジウム炭化物層を形成
させ、更にこの表面を表面粗さ1.5μm 以下に研摩加工
を行なう事により、炭化物の有する良好な耐焼付性、耐
摺動性を充分に発揮させる事ができ、スピンドル回転の
高速条件下に於いてもトラベラとの摩擦抵抗を十分に抑
制する事が可能となる。しかも内層に硬度が約Hv16
00のクロム炭化物層を形成する事により、母材−クロ
ム炭化物層−バナジウム炭化物層での硬度差が大巾に軽
減され、各層間の密着性・整合性が向上し、衝撃による
被膜層の剥離が殆ど生じなくなる。
【0006】更に、母材への被覆が、クロム炭化物層と
バナジウム炭化物層の2層構造となったことにより、耐
食性が一段と向上するものである。なお、少なくともト
ラベラと接触する表面の粗さを1.5μm 以下としたが、
1.5μm を超えると炭化物の有する特性を十分に発揮で
きないばかりでなく、トラベラの摩耗を促進することに
なる。従って、1.5μm 以下とすることによりトラベラ
走行面を滑らかにし、摩擦抵抗を低減させたものであ
る。
【0007】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説
明する。図1に示すように、炭素を0.95%含む炭素鋼
を素材として所定の形状に切削加工してリング本体1を
形成する。図2に示すように、上記リング本体1をFe
−V粉末と金属クロム粉末を含む1000℃前後の溶融
硼砂浴中に浸漬保持することにより、外層に厚み約8μ
mのバナジウム炭化物層3、内層に厚み約8μm のクロ
ム炭化物層4を形成する。更に焼入れ焼き戻し処理を施
す事により、母材5の硬度を約Hv830に調整する。
次いで、トラベラが摺動するフランジ表面6に研摩加工
を行ない、表面粗さが0.5μm を有する紡機用リングA
を構成した。
【0008】次に、上記本発明の紡機用リングAと、従
来のバナジウム炭化物層を単層として形成させた紡機用
リングB及び低炭素鋼に浸炭焼入れを行なった紡機用リ
ングCの断面の硬度分布を測定した結果を図3に示す。
【0009】また、被膜の剥離強度を評価するため、次
の条件で鋼球落下試験を行なった結果を図4に示す。 鋼球 :SUJ2/300gr 落下距離:100mm 図3から明らかなように、本発明の紡機用リングAはバ
ナジウム炭化物を単層として形成させた従来の紡機用リ
ングBに比べ、表面層から母材に至る硬度差が軽減さ
れ、また、図4から明らかなように、本発明の紡機用リ
ングAは10万回でも剥離せず、被膜の密着性は約10
倍以上となった。
【0010】次に、40%HC1溶液中に浸漬すること
により、耐食性評価試験を行なったところ、図5に示す
ように、従来の低炭素鋼に浸炭焼入れを行なった紡機用
リングCに比較し、本発明の紡機用リングAは大巾な耐
食性の向上を示した。
【0011】また、次の条件で紡出テストを行ない、リ
ングとトラベラの摩擦抵抗指数を測定した。 糸 :エステル/綿 45番手 リング :3.2mmF×φ38mm トラベラ:ys−2/hf 11/0 スピンドル回転数:16,000〜26,000r.p.m. 図6から明らかなように、本発明の紡機用リングAと従
来の紡機用リングCはスピンドル回転数:16,000〜
18,000r.p.m.までは大きな差はない。スピンドル回
転数が18,000r.p.m.を超えると、従来の紡機用リン
グCの摩擦抵抗指数は上昇し始めるが、本発明の紡機用
リングAは緩やかであり、微小である。
【0012】また、22,000r.p.m.以上になると、従
来の紡機用リングCの摩擦抵抗指数は大きく上昇し始
め、24,000r.p.m.以上になると上昇が著しくなり、
トラベラの摩耗が進行し、連続紡出が不可能となる。こ
れに対し、本発明の紡機用リングAはスピンドル回転数
が22,000〜26,000r.p.m.の高速域においても急
激な上昇は見られず、安定した摩擦抵抗指数を示し、2
6,000〜28,000r.p.m.でもトラベラの摩耗も殆ど
なく、連続紡出が可能となった。
【0013】
【発明の効果】本発明の紡機用リングは、上記の如く構
成したことにより、バナジウム炭化物の耐焼付性、耐摺
動性を十分に発揮させ、トラベラとの摩擦抵抗を著しく
軽減し、かつ内層にクロム炭化物層を形成したので、被
膜の密着性が大巾に向上し、衝撃による剥離が殆どなく
なるため、リングの寿命が大巾に向上した。さらに耐腐
食性も一段と向上する等の優れた効果を有するものであ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の紡機用リングの一実施例を示す一部破
断断面図である。
【図2】本発明の紡機用リングのフランジ部付近の要部
拡大断面図である。
【図3】本発明の紡機用リングと従来の紡機用リングの
硬度分布曲線図である。
【図4】本発明の紡機用リングと従来の紡機用リングの
剥離強度の比較を示す棒グラフである。
【図5】本発明の紡機用リングと従来の紡機用リングの
耐腐食性を比較した曲線図である。
【図6】本発明の紡機用リングと従来の紡機用リングの
スピンドル回転と摩擦抵抗指数の関係を示す曲線図であ
る。
【符号の説明】
1 リング本体 2 フランジ部 3 バナジウム炭化物層 4 クロム炭化物層 5 母材 6 フランジ表面

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炭素含有量0.6〜1.5%の炭素鋼あるい
    は合金鋼より形成してなる紡機用リングの少なくともト
    ラベラと接触するフランジの表面に、内層にクロム炭化
    物層、外層にバナジウム炭化物層の2層の炭化物層を形
    成し、かつ表面粗さを1.5μm 以下としたことを特徴と
    する紡機用リング。
JP25652092A 1992-09-25 1992-09-25 紡機用リング Pending JPH06108323A (ja)

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JP25652092A JPH06108323A (ja) 1992-09-25 1992-09-25 紡機用リング

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JP25652092A JPH06108323A (ja) 1992-09-25 1992-09-25 紡機用リング

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JPH06108323A true JPH06108323A (ja) 1994-04-19

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ID=17293774

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JP25652092A Pending JPH06108323A (ja) 1992-09-25 1992-09-25 紡機用リング

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103710799A (zh) * 2012-10-09 2014-04-09 昆山立特纳米电子科技有限公司 自润滑涂层钢领及其制备工艺

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