JPH05106124A - 紡機用リング - Google Patents
紡機用リングInfo
- Publication number
- JPH05106124A JPH05106124A JP26603591A JP26603591A JPH05106124A JP H05106124 A JPH05106124 A JP H05106124A JP 26603591 A JP26603591 A JP 26603591A JP 26603591 A JP26603591 A JP 26603591A JP H05106124 A JPH05106124 A JP H05106124A
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- JP
- Japan
- Prior art keywords
- ring
- traveler
- plating layer
- cluster
- spinning
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- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
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- Spinning Or Twisting Of Yarns (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 リング自体の耐摩耗性を向上すると共に、ト
ラベラの摩耗も減少し、超高速回転域においても安定操
業が可能なる紡機用リングを得る。 【構成】 少なくともトラベラと接触するリングフラン
ジ部の表面に、無電解めっきにより、ニッケル・リン合
金のマトリックス中にクラスタ・ダイヤモンド微粒子を
共析物質として分散析出させたニッケル・リン非晶質合
金複合めっき層を被覆形成した。
ラベラの摩耗も減少し、超高速回転域においても安定操
業が可能なる紡機用リングを得る。 【構成】 少なくともトラベラと接触するリングフラン
ジ部の表面に、無電解めっきにより、ニッケル・リン合
金のマトリックス中にクラスタ・ダイヤモンド微粒子を
共析物質として分散析出させたニッケル・リン非晶質合
金複合めっき層を被覆形成した。
Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は紡績の精紡機に使用さ
れ、特に高速精紡に於いて優れた紡出性能を発揮する紡
機用リングに関するものである。
れ、特に高速精紡に於いて優れた紡出性能を発揮する紡
機用リングに関するものである。
【０００２】
【従来の技術】従来、紡機用リングは素材として低炭素
鋼を用い、所定の形状に旋削した後、耐摩耗性を付与す
るため、浸炭焼入れ処理が施されている。また、上記の
リングに加え、更に耐摩耗性を向上したものとして、例
えば特開昭６１−３７９９９号に開示されている様にリ
ングフランジの表面に、硬質微粒子を分散させたニッケ
ル−リンの複合めっきを施したものが提案されている。
鋼を用い、所定の形状に旋削した後、耐摩耗性を付与す
るため、浸炭焼入れ処理が施されている。また、上記の
リングに加え、更に耐摩耗性を向上したものとして、例
えば特開昭６１−３７９９９号に開示されている様にリ
ングフランジの表面に、硬質微粒子を分散させたニッケ
ル−リンの複合めっきを施したものが提案されている。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】然るに前者の紡機用リ
ングは、精紡機のスピンドル回転数が２0,０００r.p.m.
以上の高速回転で使用すると、リングとトラベラ間の摩
擦抵抗が増大し、摩擦熱が急激に上昇してトラベラが早
期に焼付き、飛散して連続運転ができない問題点があ
る。
ングは、精紡機のスピンドル回転数が２0,０００r.p.m.
以上の高速回転で使用すると、リングとトラベラ間の摩
擦抵抗が増大し、摩擦熱が急激に上昇してトラベラが早
期に焼付き、飛散して連続運転ができない問題点があ
る。
【０００４】また後者のリングは寿命を延長するのにめ
っき層を厚くすると、表面粗さが増し、また硬質微粒子
がめっき被膜中に埋没しているため、スピンドル回転数
が２4,０００r.p.m.以上の超高速回転域において十分に
効果を発揮し得なかった。本発明は上記問題点に鑑みて
なされたものであり、その目的とするところは、リング
自体の耐摩耗性を向上すると共に、リングフランジ上を
走行するトラベラの摩耗も減少し、超高速回転域におい
ても安定操業ができる紡機用リングを提供することにあ
る。
っき層を厚くすると、表面粗さが増し、また硬質微粒子
がめっき被膜中に埋没しているため、スピンドル回転数
が２4,０００r.p.m.以上の超高速回転域において十分に
効果を発揮し得なかった。本発明は上記問題点に鑑みて
なされたものであり、その目的とするところは、リング
自体の耐摩耗性を向上すると共に、リングフランジ上を
走行するトラベラの摩耗も減少し、超高速回転域におい
ても安定操業ができる紡機用リングを提供することにあ
る。
【０００５】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の紡機用リングは少なくともトラベラが摺動
するリングフランジ表面に硬質微粒子、即ち平均粒径が
３０〜１０００オングストロームのクラスタ・ダイヤモ
ンドを共析物質とし、ニッケル・リンを含有するニッケ
ル合金をマトリックスとする複合めっき層を設け、上記
複合めっき層の表面に占有面積率５〜４０％で上記硬質
微粒子を顕出し、かつ表面粗さを中心線平均粗さRa0.2
μm 以下にして成るめっき厚５〜２０μの超潤滑の硬
質、耐摩耗性の平滑被膜を有するリングを形成したこと
による。
に、本発明の紡機用リングは少なくともトラベラが摺動
するリングフランジ表面に硬質微粒子、即ち平均粒径が
３０〜１０００オングストロームのクラスタ・ダイヤモ
ンドを共析物質とし、ニッケル・リンを含有するニッケ
ル合金をマトリックスとする複合めっき層を設け、上記
複合めっき層の表面に占有面積率５〜４０％で上記硬質
微粒子を顕出し、かつ表面粗さを中心線平均粗さRa0.2
μm 以下にして成るめっき厚５〜２０μの超潤滑の硬
質、耐摩耗性の平滑被膜を有するリングを形成したこと
による。
【０００６】上記本発明の構成に於いて複合めっき層の
高度は、略Hv１０５０程度とし、かつ上記層直下のリン
グ母材硬度はHv６５０前後に形成することが望ましい。
ところで、複合めっきの共析物質とするクラスタ・ダイ
ヤモンド硬質微粒子の占有面積率は、５％未満ではリン
グ自体の耐摩耗性が劣る。また、上記占有面積率が４０
％を超え、表面粗さを中心線平均粗さRa0.2 μm を超え
ると、リング−トラベラ間の摺動性が悪化し、始動時の
糸切れが多発するばかりか、高速回転域〜超高速回転域
において摩擦抵抗指数が急激に上昇し、トラベラの早期
焼付き、飛散が発生して連続紡出が不可能となる。よっ
て、硬質微粒子の占有面積率は５〜４０％、好ましくは
１０〜３５％であり、表面粗さは中心線平均粗さRa0.2
μm 以下が適切である。
高度は、略Hv１０５０程度とし、かつ上記層直下のリン
グ母材硬度はHv６５０前後に形成することが望ましい。
ところで、複合めっきの共析物質とするクラスタ・ダイ
ヤモンド硬質微粒子の占有面積率は、５％未満ではリン
グ自体の耐摩耗性が劣る。また、上記占有面積率が４０
％を超え、表面粗さを中心線平均粗さRa0.2 μm を超え
ると、リング−トラベラ間の摺動性が悪化し、始動時の
糸切れが多発するばかりか、高速回転域〜超高速回転域
において摩擦抵抗指数が急激に上昇し、トラベラの早期
焼付き、飛散が発生して連続紡出が不可能となる。よっ
て、硬質微粒子の占有面積率は５〜４０％、好ましくは
１０〜３５％であり、表面粗さは中心線平均粗さRa0.2
μm 以下が適切である。
【０００７】また、複合めっき層の厚さは５μm 未満で
は高速回転域で剥離、摩耗が生じ、２０μm を超える
と、めっき処理コストが増大して好ましくない。よっ
て、複合めっき層の厚さは５〜２０μm 、寿命、コスト
の点から１５〜２０μm が最適である。
は高速回転域で剥離、摩耗が生じ、２０μm を超える
と、めっき処理コストが増大して好ましくない。よっ
て、複合めっき層の厚さは５〜２０μm 、寿命、コスト
の点から１５〜２０μm が最適である。
【０００８】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説
明する。図１に示す様に、基材として円筒形状の鋼材
（Ｓ１５ＣＫ）を切削加工して、リング１を形成し、浸
炭焼入れおよび表面処理を行なう。
明する。図１に示す様に、基材として円筒形状の鋼材
（Ｓ１５ＣＫ）を切削加工して、リング１を形成し、浸
炭焼入れおよび表面処理を行なう。
【０００９】上記リング１は円筒形状の胴部２の外周面
に鍔部３を有し、鍔部３の上部に連続してリングネック
部４及びその頂部にリングトラベラが滑走するリングフ
ランジ部５を有して構成される。尚、リング基材には上
記の外、スチール系の一般構造用圧延鋼材（ＳＳ）、炭
素工具鋼材（ＳＫ）やアルミ等も使用できる。
に鍔部３を有し、鍔部３の上部に連続してリングネック
部４及びその頂部にリングトラベラが滑走するリングフ
ランジ部５を有して構成される。尚、リング基材には上
記の外、スチール系の一般構造用圧延鋼材（ＳＳ）、炭
素工具鋼材（ＳＫ）やアルミ等も使用できる。
【００１０】上記リング１は脱脂、酸洗等のめっき前処
理を施した後、図２に示す如く少なくともリングフラン
ジ部５の表面に、無電解めっきにより、ニッケル−リン
合金７のマトリックス中にクラスタ・ダイヤモンド８を
共析物質として分散析出させたＮi −Ｐ非晶質合金複合
めっき層６を被覆形成する。
理を施した後、図２に示す如く少なくともリングフラン
ジ部５の表面に、無電解めっきにより、ニッケル−リン
合金７のマトリックス中にクラスタ・ダイヤモンド８を
共析物質として分散析出させたＮi −Ｐ非晶質合金複合
めっき層６を被覆形成する。
【００１１】ところで、上記の共析物質のクラスタ・ダ
イヤモンド８は、平均粒径が略５０Åで丸みを持った立
方構造となっている。これらの丸みを持つ集合体が、ニ
ッケル合金のマトリックスとの密着性を強化させ、複合
めっき層６を形成している。上記複合めっきを施したリ
ングは、熱処理温度が４００℃で、熱処理時間が約１時
間の条件で熱処理を施したが、熱処理温度は３２０℃〜
４２０℃、熱処理時間は約１時間〜２時間の条件で実施
しても差支えない。
イヤモンド８は、平均粒径が略５０Åで丸みを持った立
方構造となっている。これらの丸みを持つ集合体が、ニ
ッケル合金のマトリックスとの密着性を強化させ、複合
めっき層６を形成している。上記複合めっきを施したリ
ングは、熱処理温度が４００℃で、熱処理時間が約１時
間の条件で熱処理を施したが、熱処理温度は３２０℃〜
４２０℃、熱処理時間は約１時間〜２時間の条件で実施
しても差支えない。
【００１２】上記熱処理条件で熱処理を行なうことによ
り、被膜硬度がHv１０５０程度（８５０〜１１５０）の
高硬度を得ることができ、しかも、複合めっき層直下の
リング母材硬度にHv６５０前後を得ることができ、リン
グの耐摩耗性が格段に向上させることができる。更にリ
ングトラベラが接触、摺動するリングフランジ複合めっ
き層６の表面に、ラッピングによる研摩加工が施され、
表面粗さがRa0.2 μm 以下の平滑な面に仕上げられた所
望の紡機用リングを構成した。
り、被膜硬度がHv１０５０程度（８５０〜１１５０）の
高硬度を得ることができ、しかも、複合めっき層直下の
リング母材硬度にHv６５０前後を得ることができ、リン
グの耐摩耗性が格段に向上させることができる。更にリ
ングトラベラが接触、摺動するリングフランジ複合めっ
き層６の表面に、ラッピングによる研摩加工が施され、
表面粗さがRa0.2 μm 以下の平滑な面に仕上げられた所
望の紡機用リングを構成した。
【００１３】
【発明の効果】本発明は上記の如く、リング表面に硬質
耐摩耗性、平滑性、潤滑性及び耐腐食性に優れた構成と
なし、特にリングフランジ表面に丸みを持つ立方構造の
クラスタ・ダイヤモンドがＮi −Ｐめっき層に混在し、
その平滑表面に露出して存在しているためリング自体の
耐摩耗性が向上し、かつトラベラの摩耗が減少して、ス
ピンドル回転数が２4,０００r.p.m.以上の超高速回転域
においてもリングトラベラのなじみがよく、安定した連
続運転ができる。しかも、複合めっき層の剥離が発生せ
ず、リング性能を長期間維持できるばかりか、リングト
ラベラの焼けが発生せず、トラベラ寿命も延長できる。
また、複合めっき層の硬度をHv１０５０程度で、層直下
のリング母材硬度をHv６５０前後としているのでリング
の摩耗量が少なく、リングの寿命をより延長することが
できる等の優れた効果を有する発明である。
耐摩耗性、平滑性、潤滑性及び耐腐食性に優れた構成と
なし、特にリングフランジ表面に丸みを持つ立方構造の
クラスタ・ダイヤモンドがＮi −Ｐめっき層に混在し、
その平滑表面に露出して存在しているためリング自体の
耐摩耗性が向上し、かつトラベラの摩耗が減少して、ス
ピンドル回転数が２4,０００r.p.m.以上の超高速回転域
においてもリングトラベラのなじみがよく、安定した連
続運転ができる。しかも、複合めっき層の剥離が発生せ
ず、リング性能を長期間維持できるばかりか、リングト
ラベラの焼けが発生せず、トラベラ寿命も延長できる。
また、複合めっき層の硬度をHv１０５０程度で、層直下
のリング母材硬度をHv６５０前後としているのでリング
の摩耗量が少なく、リングの寿命をより延長することが
できる等の優れた効果を有する発明である。
【図１】本発明に用いる紡機用リングの一部破断断面図
である。
である。
【図２】本発明の紡機用リングの要部拡大模式図であ
る。
る。
１ 紡機用リング ２ 胴部 ３ 鍔部 ４ リングネック部 ５ リングフランジ部 ６ 複合めっき層 ７ ニッケル−リン合金 ８ クラスタ・ダイヤモンド
Claims (2)
- 【請求項１】 少なくともトラベラと接触するリングフ
ランジの表面に、クラスタ・ダイヤモンド硬質微粒子を
共析物質とし、ニッケル合金をマトリックスとする複合
めっき層を設けてなり、熱処理により上記複合めっき層
の硬度をHv８５０〜Hv１１５０となし、表面に占有面積
率５〜４０％で該クラスタ・ダイヤモンドを顕出させ、
かつ表面粗さを中心線平均粗さRa0.2 μm 以下に形成し
てなることを特徴とする紡機用リング。 - 【請求項２】 請求項１記載の紡機用リングの複合めっ
き層の厚さが５〜２０μに形成してなることを特徴とす
る紡機用リング。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP26603591A JPH05106124A (ja) | 1991-10-15 | 1991-10-15 | 紡機用リング |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP26603591A JPH05106124A (ja) | 1991-10-15 | 1991-10-15 | 紡機用リング |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH05106124A true JPH05106124A (ja) | 1993-04-27 |
Family
ID=17425485
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP26603591A Pending JPH05106124A (ja) | 1991-10-15 | 1991-10-15 | 紡機用リング |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH05106124A (ja) |
Cited By (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US5829240A (en) * | 1997-03-17 | 1998-11-03 | A. B. Carter, Inc. | Spinning ring having improved traveler bearing surface |
| GB2326426A (en) * | 1997-06-13 | 1998-12-23 | Rieter Ingolstadt Spinnerei | Open-end spinning rotor and other components with wear-resistant coating |
| US6360520B2 (en) | 2000-01-14 | 2002-03-26 | Ab Carter, Inc. | Spinning ring having amorphous chromium bearing surface |
| US8021721B2 (en) * | 2006-05-01 | 2011-09-20 | Smith International, Inc. | Composite coating with nanoparticles for improved wear and lubricity in down hole tools |
-
1991
- 1991-10-15 JP JP26603591A patent/JPH05106124A/ja active Pending
Cited By (7)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US5829240A (en) * | 1997-03-17 | 1998-11-03 | A. B. Carter, Inc. | Spinning ring having improved traveler bearing surface |
| GB2326426A (en) * | 1997-06-13 | 1998-12-23 | Rieter Ingolstadt Spinnerei | Open-end spinning rotor and other components with wear-resistant coating |
| US6012278A (en) * | 1997-06-13 | 2000-01-11 | Rieter Ingolstadt Spinnereimaschinenbau Ag | Open-end spinning rotor with a coated fiber guiding surface and process for its manufacture |
| GB2326426B (en) * | 1997-06-13 | 2002-01-02 | Rieter Ingolstadt Spinnerei | Open-end spinning rotor and method of producing it |
| DE19822265B4 (de) * | 1997-06-13 | 2006-07-06 | Rieter Ingolstadt Spinnereimaschinenbau Ag | Offenend-Spinnrotor und Verfahren zu seiner Herstellung |
| US6360520B2 (en) | 2000-01-14 | 2002-03-26 | Ab Carter, Inc. | Spinning ring having amorphous chromium bearing surface |
| US8021721B2 (en) * | 2006-05-01 | 2011-09-20 | Smith International, Inc. | Composite coating with nanoparticles for improved wear and lubricity in down hole tools |
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