JPH07145522A - 紡機用リング - Google Patents
紡機用リングInfo
- Publication number
- JPH07145522A JPH07145522A JP28891793A JP28891793A JPH07145522A JP H07145522 A JPH07145522 A JP H07145522A JP 28891793 A JP28891793 A JP 28891793A JP 28891793 A JP28891793 A JP 28891793A JP H07145522 A JPH07145522 A JP H07145522A
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- JP
- Japan
- Prior art keywords
- ring
- spinning
- plating layer
- traveler
- hardness
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- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
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Abstract
(57)【要約】
【構成】 少なくともトラベラと接触するフランジ表面
に、Wを20〜60重量%含有するFe−W合金めっき
層を厚さ1〜10μm 形成し、かつ表面粗さを中心線平
均粗さRa0.2μm 以下とした紡機用リングである。 【効果】 表面硬度が高く、トラベラの早期焼きつきや
飛散がなく、耐摩耗性にすぐれ、高速条件下でも安定し
た操業が維持できる紡機用リングである。
に、Wを20〜60重量%含有するFe−W合金めっき
層を厚さ1〜10μm 形成し、かつ表面粗さを中心線平
均粗さRa0.2μm 以下とした紡機用リングである。 【効果】 表面硬度が高く、トラベラの早期焼きつきや
飛散がなく、耐摩耗性にすぐれ、高速条件下でも安定し
た操業が維持できる紡機用リングである。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、紡績の精紡に使用さ
れ、特に高速精紡において優れた性能を発揮する紡機用
リングに関するものである。
れ、特に高速精紡において優れた性能を発揮する紡機用
リングに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の紡機用リングは、一般に低炭素鋼
が用いられ、表面硬化処理として浸炭焼入処理が行なわ
れている。
が用いられ、表面硬化処理として浸炭焼入処理が行なわ
れている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来の紡
機用リングではスピンドル回転数が18,000r.p.m.以
上の高速回転域になると、リング−トラベラ間の摩擦抵
抗及び摩擦熱が急激に増大し、トラベラ焼けや飛散が発
生し、安定した連続操業が保てなかった。またこのよう
な条件で、無理に使用を続けると、リングフランジが極
端に早期摩耗してしまい、結局リング寿命としては非常
に短いものとなっていた。
機用リングではスピンドル回転数が18,000r.p.m.以
上の高速回転域になると、リング−トラベラ間の摩擦抵
抗及び摩擦熱が急激に増大し、トラベラ焼けや飛散が発
生し、安定した連続操業が保てなかった。またこのよう
な条件で、無理に使用を続けると、リングフランジが極
端に早期摩耗してしまい、結局リング寿命としては非常
に短いものとなっていた。
【0004】そのため、リングの表面に窒化処理を施し
たり、金属間化合物の拡散層を形成する方法も考えられ
ている。しかしこれらの方法では、硬化層の靱性が低す
ぎるために剥離しやすかったり、トラベラとの馴染みが
悪いためにトラベラが焼きつく等の問題があるため、特
に高速紡出や太番手糸紡出等の非常に苛酷な条件下で
は、やはり安定操業出来ないという問題がある。
たり、金属間化合物の拡散層を形成する方法も考えられ
ている。しかしこれらの方法では、硬化層の靱性が低す
ぎるために剥離しやすかったり、トラベラとの馴染みが
悪いためにトラベラが焼きつく等の問題があるため、特
に高速紡出や太番手糸紡出等の非常に苛酷な条件下で
は、やはり安定操業出来ないという問題がある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するた
めに、本発明の紡機用リングはフランジ表面にWを20
〜60重量%含むFe−W合金をマトリックスとする硬
質めっき層を厚さ1〜10μm 形成し、場合によっては
熱処理を施しめっき層の硬度をHv900〜1600とし
たものである。しかも上記めっき層のトラベラとの接触
表面の粗さを中心線平均粗さRaで0.2μm 以下とし、め
っき層直下の母材硬度をHv500〜850としてなるも
のである。
めに、本発明の紡機用リングはフランジ表面にWを20
〜60重量%含むFe−W合金をマトリックスとする硬
質めっき層を厚さ1〜10μm 形成し、場合によっては
熱処理を施しめっき層の硬度をHv900〜1600とし
たものである。しかも上記めっき層のトラベラとの接触
表面の粗さを中心線平均粗さRaで0.2μm 以下とし、め
っき層直下の母材硬度をHv500〜850としてなるも
のである。
【0006】なお、Fe−W合金めっき層のW含有量を
20〜60重量%としたが、20重量%未満では十分な
耐摩耗性が得られるだけの硬度が得られず、60重量%
を超えるとコストアップとなり経済的に好ましくない。
また、耐摩耗性の面からW含有量は40〜60重量%と
するのがなおよい。また、めっき層の厚さを1〜10μ
m としたが、1μm 未満では耐摩耗性が十分とは言え
ず、10μm を超えるのは経済的な面から好ましくな
い。また、めっき層の硬度をHv900〜1600とした
が、Hv900未満では顕著な耐摩耗性の向上が期待出来
ず、Hv1600を超えるとめっき皮膜の靱性が低下し、
めっき層の欠けや剥離が生じやすくなる。
20〜60重量%としたが、20重量%未満では十分な
耐摩耗性が得られるだけの硬度が得られず、60重量%
を超えるとコストアップとなり経済的に好ましくない。
また、耐摩耗性の面からW含有量は40〜60重量%と
するのがなおよい。また、めっき層の厚さを1〜10μ
m としたが、1μm 未満では耐摩耗性が十分とは言え
ず、10μm を超えるのは経済的な面から好ましくな
い。また、めっき層の硬度をHv900〜1600とした
が、Hv900未満では顕著な耐摩耗性の向上が期待出来
ず、Hv1600を超えるとめっき皮膜の靱性が低下し、
めっき層の欠けや剥離が生じやすくなる。
【0007】また、表面粗さをRa0.2μm 以下とした
が、Ra0.2μm を超えるとリング−トラベラ間の摺動性
が悪くなり、馴染みも悪く、トラベラ焼けや飛散も増加
する。また、めっき層直下の母材硬度をHv500〜85
0としたがHv500未満の場合、軟質な母材の上に硬質
のめっき皮膜を存在させる事となり、このような状態で
はピッチングをともなった摺動たたき摩擦によってめっ
き皮膜が変形し、割れが生じやすくなり、またHv850
を超える熱処理技術の適用は困難である。
が、Ra0.2μm を超えるとリング−トラベラ間の摺動性
が悪くなり、馴染みも悪く、トラベラ焼けや飛散も増加
する。また、めっき層直下の母材硬度をHv500〜85
0としたがHv500未満の場合、軟質な母材の上に硬質
のめっき皮膜を存在させる事となり、このような状態で
はピッチングをともなった摺動たたき摩擦によってめっ
き皮膜が変形し、割れが生じやすくなり、またHv850
を超える熱処理技術の適用は困難である。
【0008】
【作用】本発明の紡機用リングは、リングフランジ表面
にWを20〜60重量%含有するFe−W合金めっき層
を形成し、めっき層の厚みを1〜10μm とし、めっき
層の硬度をHv900〜1600とし、表面粗さをRa0.2
μm 以下とし、かつめっき層直下の母材硬度をHv500
〜850としたことにより、リング自体の耐摩耗性を飛
躍的に向上し、高回転高速操業においても安定した性能
を発揮するものである。
にWを20〜60重量%含有するFe−W合金めっき層
を形成し、めっき層の厚みを1〜10μm とし、めっき
層の硬度をHv900〜1600とし、表面粗さをRa0.2
μm 以下とし、かつめっき層直下の母材硬度をHv500
〜850としたことにより、リング自体の耐摩耗性を飛
躍的に向上し、高回転高速操業においても安定した性能
を発揮するものである。
【0009】
【実施例】以下、本発明の紡機用リングの一実施例を図
面に基づいて説明する。
面に基づいて説明する。
【0010】図1、図2に示すように、高炭素軸受鋼を
所要のリング形状に切削加工し、焼入焼戻しおよび表面
処理を施してリング1を形成する。上記リング1のリン
グフランジ3を含む全表面に下記のめっき条件でWを5
5重量%含有するFe−W合金めっき層2を5μm 形成
する。
所要のリング形状に切削加工し、焼入焼戻しおよび表面
処理を施してリング1を形成する。上記リング1のリン
グフランジ3を含む全表面に下記のめっき条件でWを5
5重量%含有するFe−W合金めっき層2を5μm 形成
する。
【0011】 めっき液組成:FeSO4 7H2 O :80 g/l Na2 WO4 2H2 O :3〜5g/l Na3 C6 H5 O7 2H2 O:76 g/l 電着条件 :電流密度 :20 mA/cm 浴温度 :76 ℃
【0012】次いで、雰囲気炉において450℃で1時
間加熱することにより、めっき層の硬度をHv1500と
した。更にトラベラの接触、摺動するフランジ3の表面
にラッピング等の研磨加工を施し、表面粗さRa0.05μ
m の平滑な表面とし、本発明の紡機用リングを構成す
る。
間加熱することにより、めっき層の硬度をHv1500と
した。更にトラベラの接触、摺動するフランジ3の表面
にラッピング等の研磨加工を施し、表面粗さRa0.05μ
m の平滑な表面とし、本発明の紡機用リングを構成す
る。
【0013】図3に上記本発明の紡機用リングAと従来
のリング(浸炭焼入品B)の断面硬度分布曲線を示す。
本発明の紡機用リングは表層部の硬度がHv1500と、
従来品に比べて非常に高硬度を示している。
のリング(浸炭焼入品B)の断面硬度分布曲線を示す。
本発明の紡機用リングは表層部の硬度がHv1500と、
従来品に比べて非常に高硬度を示している。
【0014】上記実施例で得られた紡機用リングを用い
て摩耗テストを行なった時のテスト時間と摩耗量の関係
を図4に示す。なお、テスト条件は次の通りである。 テスト条件 紡出糸 :レーヨン30番手 スピンドル回転数:13000r.p.m. リング :3.2mmF φ45×57.5mm トラベラ :ZSC/hf No.5 図4より、本発明の紡機用リングAは従来のリングBに
比較し、摩耗が少なく寿命が長いことが判明した。
て摩耗テストを行なった時のテスト時間と摩耗量の関係
を図4に示す。なお、テスト条件は次の通りである。 テスト条件 紡出糸 :レーヨン30番手 スピンドル回転数:13000r.p.m. リング :3.2mmF φ45×57.5mm トラベラ :ZSC/hf No.5 図4より、本発明の紡機用リングAは従来のリングBに
比較し、摩耗が少なく寿命が長いことが判明した。
【0015】また、運転時間と糸切れ数との関係を示す
グラフを図5に示す。但し紡出条件は次の通りである。 紡出条件 紡出糸 :綿コーマ 40番手 スピンドル回転数:18500r.p.m. リング :3.2mmF φ38×50.8mm トラベラ :YS−2/hf 4/0 従来品Bに比べ本発明の紡機用リングAは、運転初期よ
り糸切れが少なく、長期的に見ても平均の糸切れレベル
が低く、安定した紡調が維持できる事が判明した。
グラフを図5に示す。但し紡出条件は次の通りである。 紡出条件 紡出糸 :綿コーマ 40番手 スピンドル回転数:18500r.p.m. リング :3.2mmF φ38×50.8mm トラベラ :YS−2/hf 4/0 従来品Bに比べ本発明の紡機用リングAは、運転初期よ
り糸切れが少なく、長期的に見ても平均の糸切れレベル
が低く、安定した紡調が維持できる事が判明した。
【0016】
【発明の効果】本発明の紡機用リングは上記構成より形
成されているため、トラベラの早期焼きつきや飛散等が
発生することがなく、長期にわたり安定した紡調を維持
することができる。またリングの耐摩耗性も良く、寿命
は飛躍的に延長され、高速紡出条件においても安定した
操業が維持できるものである。
成されているため、トラベラの早期焼きつきや飛散等が
発生することがなく、長期にわたり安定した紡調を維持
することができる。またリングの耐摩耗性も良く、寿命
は飛躍的に延長され、高速紡出条件においても安定した
操業が維持できるものである。
【図1】本発明の紡機用リングの断面図である。
【図2】本発明の紡機用リングの要部拡大断面図であ
る。
る。
【図3】本発明と従来品との比較を示す断面硬度分布図
である。
である。
【図4】運転時間と摩耗量の関係曲線図である。
【図5】運転時間と糸切れ数の関係曲線図である。
1 リング 2 Fe−W合金めっき層 3 リングフランジ
Claims (4)
- 【請求項1】 紡機用リングの少なくともトラベラと接
触するリングフランジ表面に、Fe−W合金をマトリッ
クスとする硬質めっき層を厚さ1〜10μm形成させ、
かつ表面粗さを中心線平均粗さRa0.2μm 以下にしてな
ることを特徴とする紡機用リング。 - 【請求項2】 上記硬質めっき層のW含有量が20〜6
0重量%である請求項1記載の紡機用リング。 - 【請求項3】 上記硬質めっき層の硬度をHv900〜1
600とした請求項1記載の紡機用リング。 - 【請求項4】 上記硬質めっき層直下の母材の硬度をHv
500〜850とした請求項1記載の紡機用リング。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP28891793A JPH07145522A (ja) | 1993-11-18 | 1993-11-18 | 紡機用リング |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP28891793A JPH07145522A (ja) | 1993-11-18 | 1993-11-18 | 紡機用リング |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07145522A true JPH07145522A (ja) | 1995-06-06 |
Family
ID=17736473
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP28891793A Pending JPH07145522A (ja) | 1993-11-18 | 1993-11-18 | 紡機用リング |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07145522A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006213956A (ja) * | 2005-02-02 | 2006-08-17 | Nomura Plating Co Ltd | カチオン交換膜を用いたFe−W合金の電気めっき装置と前記装置による連続めっき方法及び皮膜 |
-
1993
- 1993-11-18 JP JP28891793A patent/JPH07145522A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006213956A (ja) * | 2005-02-02 | 2006-08-17 | Nomura Plating Co Ltd | カチオン交換膜を用いたFe−W合金の電気めっき装置と前記装置による連続めっき方法及び皮膜 |
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