JP3089501B2 - 紡機用リング - Google Patents
紡機用リングInfo
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- JP3089501B2 JP3089501B2 JP03249544A JP24954491A JP3089501B2 JP 3089501 B2 JP3089501 B2 JP 3089501B2 JP 03249544 A JP03249544 A JP 03249544A JP 24954491 A JP24954491 A JP 24954491A JP 3089501 B2 JP3089501 B2 JP 3089501B2
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- Japan
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- ring
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- chromium oxide
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Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は精紡機に用いられる高硬
度で耐摩耗性、低摩擦性に優れた紡機用リングに関する
ものである。
度で耐摩耗性、低摩擦性に優れた紡機用リングに関する
ものである。
【０００２】
【従来の技術】従来の紡機用リングは、一般に低炭素鋼
が用いられ、耐摩耗性を持たせる目的で表面硬化処理と
して浸炭焼入れ処理が行なわれている。また、近年精紡
機の高速、高生産に対応してリング表面に窒化や金属間
炭化物の拡散層を形成し、更に耐摩耗性を付与する手段
も採用されている。
が用いられ、耐摩耗性を持たせる目的で表面硬化処理と
して浸炭焼入れ処理が行なわれている。また、近年精紡
機の高速、高生産に対応してリング表面に窒化や金属間
炭化物の拡散層を形成し、更に耐摩耗性を付与する手段
も採用されている。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】然るに上記の表面硬化
の手段として、単に浸炭焼入れを施したリングでは、ス
ピンドル回転数が２0,０００r.p.m.以上ではリングとト
ラベラの摩擦抵抗の増大と摩擦熱の急激な上昇のため、
トラベラが早期に焼付き飛散し、リングの摩耗が進んで
連続運転が出来ないという問題点がある。また、後者の
リング表面に窒化や金属炭化物の拡散層を形成したもの
は硬化層の靱性が低く、剥離しやすい。また、トラベラ
との馴じみが悪く、トラベラが焼付き、安定した操業が
不充分であった。
の手段として、単に浸炭焼入れを施したリングでは、ス
ピンドル回転数が２0,０００r.p.m.以上ではリングとト
ラベラの摩擦抵抗の増大と摩擦熱の急激な上昇のため、
トラベラが早期に焼付き飛散し、リングの摩耗が進んで
連続運転が出来ないという問題点がある。また、後者の
リング表面に窒化や金属炭化物の拡散層を形成したもの
は硬化層の靱性が低く、剥離しやすい。また、トラベラ
との馴じみが悪く、トラベラが焼付き、安定した操業が
不充分であった。
【０００４】
【課題を解決するための手段】本発明は上記従来技術の
問題点に鑑みてなしたもので、その目的とするところ
は、少なくともトラベラと接触するフランジ表面の耐摩
耗性・低摩擦性・耐熱性を著しく向上した紡機用リング
を提供するものである。
問題点に鑑みてなしたもので、その目的とするところ
は、少なくともトラベラと接触するフランジ表面の耐摩
耗性・低摩擦性・耐熱性を著しく向上した紡機用リング
を提供するものである。
【０００５】上記目的を達成するために、本発明の紡機
用リングは少なくともトラベラと接触する表面に耐摩耗
性に優れた粒子径１〜５μm のファインセラミック粒子
を含んだ粒子径１μm 以下の緻密な酸化クロムのコーテ
ィング層を形成し、上記コーティング層と母材の境界部
付近に酸化クロムを拡散させ、鉄と酸化クロム化合物と
の混合層を形成し、上記コーティング層の厚さを２０〜
４０μm となしたことによる。
用リングは少なくともトラベラと接触する表面に耐摩耗
性に優れた粒子径１〜５μm のファインセラミック粒子
を含んだ粒子径１μm 以下の緻密な酸化クロムのコーテ
ィング層を形成し、上記コーティング層と母材の境界部
付近に酸化クロムを拡散させ、鉄と酸化クロム化合物と
の混合層を形成し、上記コーティング層の厚さを２０〜
４０μm となしたことによる。
【０００６】上記のファインセラミック粒子含有酸化ク
ロムコーティング層の皮膜は２０μm 未満では耐摩耗
性、耐熱性が充分発揮されず、４０μm 以上ではコーテ
ィング層にクラックが入り易くなると共に処理時間が長
くなるので好ましくない。
ロムコーティング層の皮膜は２０μm 未満では耐摩耗
性、耐熱性が充分発揮されず、４０μm 以上ではコーテ
ィング層にクラックが入り易くなると共に処理時間が長
くなるので好ましくない。
【０００７】
【作用】本発明の紡機用リングは、図２に示すコーティ
ング層を設けることによって、鉄，酸化クロム化合物層
４はファインセラミック粒子を含んだ酸化クロムコーテ
ィング層２の剥離を抑制する作用をなし、ファインセラ
ミック粒子５は高硬度で耐摩耗性を発揮し、主構成層の
超微粒子の酸化クロムが固体潤滑剤の作用をなし、かつ
トラベラによる摩擦熱が高温になるに従い、摩擦係数が
低くなってスピンドル回転数が２0,０００r.p.m.以上で
も安定した状態での連続運転が可能となり、寿命延長が
達成される。
ング層を設けることによって、鉄，酸化クロム化合物層
４はファインセラミック粒子を含んだ酸化クロムコーテ
ィング層２の剥離を抑制する作用をなし、ファインセラ
ミック粒子５は高硬度で耐摩耗性を発揮し、主構成層の
超微粒子の酸化クロムが固体潤滑剤の作用をなし、かつ
トラベラによる摩擦熱が高温になるに従い、摩擦係数が
低くなってスピンドル回転数が２0,０００r.p.m.以上で
も安定した状態での連続運転が可能となり、寿命延長が
達成される。
【０００８】
【実施例】以下、本発明の一実施例を詳細に説明する。
図１に示すように炭素工具鋼材を所要のリング形状に切
削加工し、紡機用のリング１を形成する。
図１に示すように炭素工具鋼材を所要のリング形状に切
削加工し、紡機用のリング１を形成する。
【０００９】上記リング１にブラスト加工を施した後、
ファインセラミック粒子として例えば２μm のアルミナ
粒子を含んだ無水クロム酸中に浸漬し、引上げたあと５
５０℃で３０分間焼成する。この浸漬と焼成の工程を１
０回繰り返し、少なくともトラベラと接触するフランジ
部７にアルミナ粒子を含んだ酸化クロムのコーティング
層を得るが、リング全体にコーティング層を設けてもよ
い。その後、真空中で焼入れを行ない、フランジ部７を
研磨ラップ仕上げし、紡機用リングを得る。
ファインセラミック粒子として例えば２μm のアルミナ
粒子を含んだ無水クロム酸中に浸漬し、引上げたあと５
５０℃で３０分間焼成する。この浸漬と焼成の工程を１
０回繰り返し、少なくともトラベラと接触するフランジ
部７にアルミナ粒子を含んだ酸化クロムのコーティング
層を得るが、リング全体にコーティング層を設けてもよ
い。その後、真空中で焼入れを行ない、フランジ部７を
研磨ラップ仕上げし、紡機用リングを得る。
【００１０】図２はこのようにして形成したアルミナ粒
子５を含んだ酸化クロム６コーティング層の断面組織で
あり、表層にアルミナ粒子を含んだ酸化クロムコーティ
ング層２と上記コーティング層と母材３との境界部に鉄
酸化物とクロムを拡散しながら酸化した酸化クロムの化
合物層４が形成されている。尚、コーティング層に添加
するファインセラミック粒子は上記アルミナに限定され
るものではなく、ＳｉＣ、Ｂ4 Ｃ、ＺｒＣ、ＢＮ、Ｔｉ
Ｃ、Ｓｉ3 Ｎ4 等の粒子も同様に使用できる。
子５を含んだ酸化クロム６コーティング層の断面組織で
あり、表層にアルミナ粒子を含んだ酸化クロムコーティ
ング層２と上記コーティング層と母材３との境界部に鉄
酸化物とクロムを拡散しながら酸化した酸化クロムの化
合物層４が形成されている。尚、コーティング層に添加
するファインセラミック粒子は上記アルミナに限定され
るものではなく、ＳｉＣ、Ｂ4 Ｃ、ＺｒＣ、ＢＮ、Ｔｉ
Ｃ、Ｓｉ3 Ｎ4 等の粒子も同様に使用できる。
【００１１】次に、上記本発明により得られた紡機用リ
ング（本発明品Ａ）と従来のリングＢ（浸炭焼入品）を
用いて、次の条件にて比較テストを行なった。
ング（本発明品Ａ）と従来のリングＢ（浸炭焼入品）を
用いて、次の条件にて比較テストを行なった。
【００１２】糸 ：エステル／綿 ４５番手 リング ：3.２mmＦ ４１mmφ×５7.５mmφ トラベラ ：ＹＳ−２／hf １１／０（ニッケルメッキ
品） スピンドル回転数：１6,０００〜２5,０００r.p.m. 上記紡出テストの結果、従来リングＢと本発明リングＡ
との間において、図３に示す様に、明らかに摩擦抵抗指
数に差が認められる。
品） スピンドル回転数：１6,０００〜２5,０００r.p.m. 上記紡出テストの結果、従来リングＢと本発明リングＡ
との間において、図３に示す様に、明らかに摩擦抵抗指
数に差が認められる。
【００１３】従来リングＢは、スピンドル回転数が１8,
０００〜２2,０００r.p.m.の高速域になると、摩擦抵抗
指数が急激に上昇し、２2,０００r.p.m.以上の超高速域
になると、摩擦抵抗指数が２０を超えて、トラベラの焼
付き、摩耗が頻発し、連続紡出が不可能となった。これ
に対して、本発明リングＡは、スピンドル回転数が１8,
０００〜２2,０００r.p.m.の高速域でも摩擦抵抗指数を
余り変動せず、２2,０００〜２5,０００r.p.m.の超高速
域においても摩擦抵抗指数の増加は少なく、トラベラの
飛散、摩耗も殆どなく、安定した連続紡出が可能であっ
た。
０００〜２2,０００r.p.m.の高速域になると、摩擦抵抗
指数が急激に上昇し、２2,０００r.p.m.以上の超高速域
になると、摩擦抵抗指数が２０を超えて、トラベラの焼
付き、摩耗が頻発し、連続紡出が不可能となった。これ
に対して、本発明リングＡは、スピンドル回転数が１8,
０００〜２2,０００r.p.m.の高速域でも摩擦抵抗指数を
余り変動せず、２2,０００〜２5,０００r.p.m.の超高速
域においても摩擦抵抗指数の増加は少なく、トラベラの
飛散、摩耗も殆どなく、安定した連続紡出が可能であっ
た。
【００１４】
【発明の効果】本発明は上記の構成としたから、コーテ
ィング層は高硬度（Ｈｖ1,５００〜2,０００）となり、
かつファインセラミック粒子（アルミナでＨｖ2,３００
〜2,７００）はさらに高硬度であり、しかも１μm 以下
の超微粒子の酸化クロムが固体潤滑剤の作用をするた
め、トラベラとの摩擦抵抗が少なくなり、極めて優れた
耐摩耗性を示す。また、鉄・酸化クロム化合物層は酸化
クロムのコーティング層の剥離が起き難くする効果があ
る。そのため、長時間にわたり、安定した連続運転が可
能となり、リング寿命も延長できる等の優れた効果を有
する発明である。
ィング層は高硬度（Ｈｖ1,５００〜2,０００）となり、
かつファインセラミック粒子（アルミナでＨｖ2,３００
〜2,７００）はさらに高硬度であり、しかも１μm 以下
の超微粒子の酸化クロムが固体潤滑剤の作用をするた
め、トラベラとの摩擦抵抗が少なくなり、極めて優れた
耐摩耗性を示す。また、鉄・酸化クロム化合物層は酸化
クロムのコーティング層の剥離が起き難くする効果があ
る。そのため、長時間にわたり、安定した連続運転が可
能となり、リング寿命も延長できる等の優れた効果を有
する発明である。
【図１】本発明の紡機用リングの実施の一例を示す一部
破断断面図である。
破断断面図である。
【図２】同要部拡大模式図である。
【図３】本発明と従来リングのスピンドル回転数と摩擦
抵抗指数との関係を示す曲線図である。
抵抗指数との関係を示す曲線図である。
１ リング ２ セラミック粒子含有酸化クロムコーティング層 ３ 母材 ４ 酸化クロムと鉄酸化物の化合物層 ５ ファインセラミック粒子 ６ 超微粒子酸化クロム
Claims (1)
- 【請求項１】 少なくともトラベラと接触するフランジ
表面にファインセラミック粒子を含む酸化クロムのコー
ティング層を形成し、該コーティング層の母材との境界
部に鉄酸化物と酸化クロムの化合物層を形成してなり、
上記コーティング層の厚さが２０〜４０μm であるであ
ることを特徴とする紡機用リング。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP03249544A JP3089501B2 (ja) | 1991-09-27 | 1991-09-27 | 紡機用リング |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP03249544A JP3089501B2 (ja) | 1991-09-27 | 1991-09-27 | 紡機用リング |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0593320A JPH0593320A (ja) | 1993-04-16 |
| JP3089501B2 true JP3089501B2 (ja) | 2000-09-18 |
Family
ID=17194574
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP03249544A Expired - Fee Related JP3089501B2 (ja) | 1991-09-27 | 1991-09-27 | 紡機用リング |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3089501B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US5829240A (en) * | 1997-03-17 | 1998-11-03 | A. B. Carter, Inc. | Spinning ring having improved traveler bearing surface |
| US6360520B2 (en) | 2000-01-14 | 2002-03-26 | Ab Carter, Inc. | Spinning ring having amorphous chromium bearing surface |
-
1991
- 1991-09-27 JP JP03249544A patent/JP3089501B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH0593320A (ja) | 1993-04-16 |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
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| LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |