JP2873353B2 - 紡機用リング - Google Patents
紡機用リングInfo
- Publication number
- JP2873353B2 JP2873353B2 JP41860890A JP41860890A JP2873353B2 JP 2873353 B2 JP2873353 B2 JP 2873353B2 JP 41860890 A JP41860890 A JP 41860890A JP 41860890 A JP41860890 A JP 41860890A JP 2873353 B2 JP2873353 B2 JP 2873353B2
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- Japan
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- ring
- spinning
- traveler
- wear
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- Expired - Lifetime
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- Spinning Or Twisting Of Yarns (AREA)
Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は紡績の精紡に使用され、
特に高速精紡に於いて優れた性能を発揮する紡機用リン
グに関するものである。
特に高速精紡に於いて優れた性能を発揮する紡機用リン
グに関するものである。
【０００２】
【従来技術及び発明が解決しようとする課題】従来、紡
機用リングは素材としての低炭素鋼を旋削形成し、表面
硬化処理として浸炭焼入処理を施したものが用いられて
いる。しかし、従来リングでは、精紡機のスピンドル回
転数が２００００ｒｐｍ以上の高速回転で使用すると、
リングとトラベラ間の摩擦抵抗が増大し、摩擦熱が急激
に上昇して卜ラベラが早期に焼きつき、飛散して連続運
転が出来ないという問題点があった。
機用リングは素材としての低炭素鋼を旋削形成し、表面
硬化処理として浸炭焼入処理を施したものが用いられて
いる。しかし、従来リングでは、精紡機のスピンドル回
転数が２００００ｒｐｍ以上の高速回転で使用すると、
リングとトラベラ間の摩擦抵抗が増大し、摩擦熱が急激
に上昇して卜ラベラが早期に焼きつき、飛散して連続運
転が出来ないという問題点があった。
【０００３】そこで、上記問題点を解決するため、少な
くともリングフランジの表面を炭化珪素で作ったものも
提案されている。しかし、上記改良リングは、炭化珪素
粒子の潤滑性が充分でなく、運転初期の馴染み性に劣る
と言う問題があり、スピンドル回転数が２５０００ｒｐ
ｍ以上の超高速回転域においてはリングとトラベラ間に
焼きつき現象を起こしてトラベラが摩耗し、運転初期に
トラブルをおこし、長期間安定な紡出が出来ないという
欠点がある。
くともリングフランジの表面を炭化珪素で作ったものも
提案されている。しかし、上記改良リングは、炭化珪素
粒子の潤滑性が充分でなく、運転初期の馴染み性に劣る
と言う問題があり、スピンドル回転数が２５０００ｒｐ
ｍ以上の超高速回転域においてはリングとトラベラ間に
焼きつき現象を起こしてトラベラが摩耗し、運転初期に
トラブルをおこし、長期間安定な紡出が出来ないという
欠点がある。
【０００４】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明は、上記
従来技術の問題点に鑑みてなしたものであり、少なくと
もトラベラと接触するリングフランジ部を、板状の微粒
子黒鉛を１０〜１５ｗｔ％含有した炭化珪素セラミック
で形成し、かつ表面粗さを中心線平均粗さＲａ０．２μ
以下にした紡機用リングを構成することにより、運転初
期の馴染み性に優れ、しかも高速回転域において安定操
業できると共に、リングの摩耗も少なく寿命が長い紡機
用リングを提供するにある。
従来技術の問題点に鑑みてなしたものであり、少なくと
もトラベラと接触するリングフランジ部を、板状の微粒
子黒鉛を１０〜１５ｗｔ％含有した炭化珪素セラミック
で形成し、かつ表面粗さを中心線平均粗さＲａ０．２μ
以下にした紡機用リングを構成することにより、運転初
期の馴染み性に優れ、しかも高速回転域において安定操
業できると共に、リングの摩耗も少なく寿命が長い紡機
用リングを提供するにある。
【０００５】即ち板状の微粒子黒鉛は固体潤滑性があ
り、リング−トラベラ間の摩擦係数が下がり、摩耗を減
少させると共に、馴染み性を向上させる。板状の微粒子
黒鉛は１０〜１５ｗｔ％が最適で、１０ｗｔ％未満では
潤滑性が劣り、１５ｗｔ％をこえるとセラミックの強度
が低下してしまう。また板状の微粒子黒鉛の大きさは、
厚みが１〜２μ、長さが４〜５μが良く、小さすぎると
潤滑性が劣り、大きいとセラミックの強度が低下してし
まう。板状の微粒子黒鉛はセラミックの強度や靭性を向
上させる効果もあり、リングの寿命も長くする事ができ
る。
り、リング−トラベラ間の摩擦係数が下がり、摩耗を減
少させると共に、馴染み性を向上させる。板状の微粒子
黒鉛は１０〜１５ｗｔ％が最適で、１０ｗｔ％未満では
潤滑性が劣り、１５ｗｔ％をこえるとセラミックの強度
が低下してしまう。また板状の微粒子黒鉛の大きさは、
厚みが１〜２μ、長さが４〜５μが良く、小さすぎると
潤滑性が劣り、大きいとセラミックの強度が低下してし
まう。板状の微粒子黒鉛はセラミックの強度や靭性を向
上させる効果もあり、リングの寿命も長くする事ができ
る。
【０００６】また板状の微粒子黒鉛を含むと炭化珪素セ
ラミックの焼結後の表面ラッピングが容易となり、加工
面でも工数の低減と、フランジ形状の精度を上げる事が
できる。リングの表面粗さが中心線平均粗さＲａ０．２
μをこえると、リング−トラベラ間の摺動性が悪化し、
始動時の糸切れが多発するばかりか、高速回転域〜超高
速回転域において、摩擦抵抗指数が急激に上昇し、トラ
ベラの早期焼きつき、飛散が発生して連続紡出が不可能
となる。
ラミックの焼結後の表面ラッピングが容易となり、加工
面でも工数の低減と、フランジ形状の精度を上げる事が
できる。リングの表面粗さが中心線平均粗さＲａ０．２
μをこえると、リング−トラベラ間の摺動性が悪化し、
始動時の糸切れが多発するばかりか、高速回転域〜超高
速回転域において、摩擦抵抗指数が急激に上昇し、トラ
ベラの早期焼きつき、飛散が発生して連続紡出が不可能
となる。
【０００７】
【実施例】以下、本発明の実施例を詳細に説明する。平
均粒径１μ以下の炭化珪素粉末にカーボンブラックを１
２ｗｔ％添加、混合し、この混合粉末をリング形状の型
の中にいれ、プレス成形する。次に２０００℃の真空焼
結法で焼結を行い、リング状の炭化珪素セラミック素材
を得る。こうして得られた素材を機械加工や表面機械加
工により、表面粗さをＲａ０．１μ以下にした紡機用リ
ングのフランジ部１を製作し胴部２と接着して図１に示
すような本発明の紡機用リング３を形成した（本発明品
Ａ）。
均粒径１μ以下の炭化珪素粉末にカーボンブラックを１
２ｗｔ％添加、混合し、この混合粉末をリング形状の型
の中にいれ、プレス成形する。次に２０００℃の真空焼
結法で焼結を行い、リング状の炭化珪素セラミック素材
を得る。こうして得られた素材を機械加工や表面機械加
工により、表面粗さをＲａ０．１μ以下にした紡機用リ
ングのフランジ部１を製作し胴部２と接着して図１に示
すような本発明の紡機用リング３を形成した（本発明品
Ａ）。
【０００８】また比較例として通常の方法で製作したＳ
ｉＣセラミック素材を作成した（比較品Ｂ）。なお、胴
部は鉄製、軽金属製、樹脂製などを用いる事ができる。
また、表面粗さの測定はＪＩＳ Ｂ ０６０１−１９８
２に準拠し、下記の条件で行なった。 表面粗さの測定条件 小坂研究所製サーフコーダーＳＥ−３０Ｄ カットオフ：０．８ｍｍ 測定スピード：０．３ｍｍ／ｓｅｃ 測定倍率：１０００倍 測定長さ：２．５ｍｍ 上記の方法で得た紡機用リングを用いて下記の条件にて
紡出テストを行ない、紡出初期の糸切れ数および運転時
間とリングの摩耗量を測定比較した。 テスト条件 糸 ：エステル／綿 ４５番手 リング ：３．２ｍｍＦ ３６ｍｍφ×５４．０ｍｍφ リングトラベラ：ＹＳ−２／ｈｆ １１／０（ニッケル
メッキ品） スピンドル回転数：２５０００ｒｐｍ
ｉＣセラミック素材を作成した（比較品Ｂ）。なお、胴
部は鉄製、軽金属製、樹脂製などを用いる事ができる。
また、表面粗さの測定はＪＩＳ Ｂ ０６０１−１９８
２に準拠し、下記の条件で行なった。 表面粗さの測定条件 小坂研究所製サーフコーダーＳＥ−３０Ｄ カットオフ：０．８ｍｍ 測定スピード：０．３ｍｍ／ｓｅｃ 測定倍率：１０００倍 測定長さ：２．５ｍｍ 上記の方法で得た紡機用リングを用いて下記の条件にて
紡出テストを行ない、紡出初期の糸切れ数および運転時
間とリングの摩耗量を測定比較した。 テスト条件 糸 ：エステル／綿 ４５番手 リング ：３．２ｍｍＦ ３６ｍｍφ×５４．０ｍｍφ リングトラベラ：ＹＳ−２／ｈｆ １１／０（ニッケル
メッキ品） スピンドル回転数：２５０００ｒｐｍ
【０００９】図２に上記紡出条件で運転した時の運転初
期の糸切れ数を示す。本発明品Ａの糸切れは運転初期よ
り少なく良好な馴染み性を持っているが、比較品Ｂは初
期の糸切れが多く、馴染み性に劣っていることがわか
る。次に図３に上記紡出条件で運転した時のリングの摩
耗の変化を示す。運転初期では本発明品Ａと比較品Ｂも
同じ様な摩耗傾向を示す。運転時間１５００時間を過ぎ
ると、比較品Ｂは摩耗が増大し始めるが、本発明品Ａは
摩耗の進行は一定である。約６０００時間の運転後で
は、本発明品Ａは比較品Ｂに比べリングの摩耗は約１／
２程度であり、より長期にわたって紡出できる事がわか
る。
期の糸切れ数を示す。本発明品Ａの糸切れは運転初期よ
り少なく良好な馴染み性を持っているが、比較品Ｂは初
期の糸切れが多く、馴染み性に劣っていることがわか
る。次に図３に上記紡出条件で運転した時のリングの摩
耗の変化を示す。運転初期では本発明品Ａと比較品Ｂも
同じ様な摩耗傾向を示す。運転時間１５００時間を過ぎ
ると、比較品Ｂは摩耗が増大し始めるが、本発明品Ａは
摩耗の進行は一定である。約６０００時間の運転後で
は、本発明品Ａは比較品Ｂに比べリングの摩耗は約１／
２程度であり、より長期にわたって紡出できる事がわか
る。
【００１０】比較品Ｂの約６０００時間運転後のリング
のトラベラ滑走面の表面状態は微細なクラックが表面に
無数にみられ、チッピング状の欠けが多く認められた
が、本発明品Ａの摩耗面は滑らかで、微細なクラックの
発生は少なかった。また、糸切れの変化もリングの摩耗
の変化と同期して摩耗が進行すれば増加するため、本発
明品Ａの糸切れは約６０００時間運転後においても非常
に少ないものとなっている。これは、リングの表面が滑
らかで潤滑性があり、トラベラの摩耗が少ないために、
トラベラの焼けや飛散が少なく、安定した滑走状態を保
てる為である。
のトラベラ滑走面の表面状態は微細なクラックが表面に
無数にみられ、チッピング状の欠けが多く認められた
が、本発明品Ａの摩耗面は滑らかで、微細なクラックの
発生は少なかった。また、糸切れの変化もリングの摩耗
の変化と同期して摩耗が進行すれば増加するため、本発
明品Ａの糸切れは約６０００時間運転後においても非常
に少ないものとなっている。これは、リングの表面が滑
らかで潤滑性があり、トラベラの摩耗が少ないために、
トラベラの焼けや飛散が少なく、安定した滑走状態を保
てる為である。
【００１１】
【発明の効果】本発明品は上記構成にしたので、リング
自体の馴染み性が向上し、しかも耐摩耗性も向上し、か
つ糸切れも減少して、安定した連続運転が初期から長期
にわたってできる。しかも、リングトラベラの焼けが発
生せず、トラベラ寿命も延長できる等の優れた効果を有
する発明である。
自体の馴染み性が向上し、しかも耐摩耗性も向上し、か
つ糸切れも減少して、安定した連続運転が初期から長期
にわたってできる。しかも、リングトラベラの焼けが発
生せず、トラベラ寿命も延長できる等の優れた効果を有
する発明である。
【図１】本発明の紡機用リングの一実施例を示す一部破
断断面図。
断断面図。
【図２】運転初期の時間の経過に伴なう糸切れの比較図
である。
である。
【図３】運転時間とリングの摩耗量との関係を示す説明
図である。
図である。
１ フランジ部 ２ 胴部 ３ 紡機用リング
Claims (1)
- 【請求項１】 少なくともトラベラと接触するリングフ
ランジ部を、板状の微粒子黒鉛を１０〜１５ｗｔ％含有
した炭化珪素セラミックで形成し、かつ表面粗さを中心
線平均粗さＲａ０．２μ以下にしたことを特徴とする紡
機用リング。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP41860890A JP2873353B2 (ja) | 1990-12-26 | 1990-12-26 | 紡機用リング |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP41860890A JP2873353B2 (ja) | 1990-12-26 | 1990-12-26 | 紡機用リング |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH05195342A JPH05195342A (ja) | 1993-08-03 |
| JP2873353B2 true JP2873353B2 (ja) | 1999-03-24 |
Family
ID=18526411
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP41860890A Expired - Lifetime JP2873353B2 (ja) | 1990-12-26 | 1990-12-26 | 紡機用リング |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2873353B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US5829240A (en) * | 1997-03-17 | 1998-11-03 | A. B. Carter, Inc. | Spinning ring having improved traveler bearing surface |
| US6360520B2 (en) | 2000-01-14 | 2002-03-26 | Ab Carter, Inc. | Spinning ring having amorphous chromium bearing surface |
| CN106077657B (zh) * | 2016-06-01 | 2018-07-27 | 南通大学 | 一种防腐耐磨钢领的制备方法 |
-
1990
- 1990-12-26 JP JP41860890A patent/JP2873353B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH05195342A (ja) | 1993-08-03 |
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