JPH07197334A - 紡機用リング - Google Patents
紡機用リングInfo
- Publication number
- JPH07197334A JPH07197334A JP33750893A JP33750893A JPH07197334A JP H07197334 A JPH07197334 A JP H07197334A JP 33750893 A JP33750893 A JP 33750893A JP 33750893 A JP33750893 A JP 33750893A JP H07197334 A JPH07197334 A JP H07197334A
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- Japan
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- spinning
- layer
- iron
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- Pending
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- Spinning Or Twisting Of Yarns (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【構成】 少なくともトラベラと接触するリングフラン
ジ1の表面に、鉄・クロムほう化物層を形成してなる紡
機用リング。 【効果】 耐摩耗性が向上し、リング性能を長期間維持
することができる。また、超高速回転域においてもリン
グとトラベラとの間のなじみが良く、安定した連続運転
ができる。
ジ1の表面に、鉄・クロムほう化物層を形成してなる紡
機用リング。 【効果】 耐摩耗性が向上し、リング性能を長期間維持
することができる。また、超高速回転域においてもリン
グとトラベラとの間のなじみが良く、安定した連続運転
ができる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、紡績の精紡に使用さ
れ、特に高速精紡において優れた性能を有する紡機用リ
ングに関するものである。
れ、特に高速精紡において優れた性能を有する紡機用リ
ングに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の紡機用リングは、一般的には低炭
素鋼を素材として切削加工し、所要のリング形状に形成
した後、表面硬化処理として浸炭焼入れ処理が行なわれ
ている。
素鋼を素材として切削加工し、所要のリング形状に形成
した後、表面硬化処理として浸炭焼入れ処理が行なわれ
ている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記紡機用リ
ングでは、スピンドル回転数が20,000r.p.m.以上の
高速回転になると、リングとトラベラ間の摩擦抵抗が増
大し、摩擦熱が急激に上昇してトラベラが早期に焼付
き、飛散して連続運転出来ないという問題点があった。
ングでは、スピンドル回転数が20,000r.p.m.以上の
高速回転になると、リングとトラベラ間の摩擦抵抗が増
大し、摩擦熱が急激に上昇してトラベラが早期に焼付
き、飛散して連続運転出来ないという問題点があった。
【0004】このため、これらの問題点を解決しようと
して、高炭素合金鋼材の適用や硬質クロムめっきの適用
も検討されたが、リング寿命が短かく不充分であった
り、めっき層が剥離する等の問題点があった。
して、高炭素合金鋼材の適用や硬質クロムめっきの適用
も検討されたが、リング寿命が短かく不充分であった
り、めっき層が剥離する等の問題点があった。
【0005】本発明は、上記問題点を解決するためにな
されたものであり、その目的とするところは、リング自
体の耐摩耗性を向上するとともに、リングフランジ上を
走行するトラベラの摩耗も減少して、超高速回転域にお
いても安定操業ができる紡機用リングを提供することで
ある。
されたものであり、その目的とするところは、リング自
体の耐摩耗性を向上するとともに、リングフランジ上を
走行するトラベラの摩耗も減少して、超高速回転域にお
いても安定操業ができる紡機用リングを提供することで
ある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の紡機用リング
は、少なくともトラベラと接触するフランジ表面に、
(Fe Cr )2 Bの鉄・クロムほう化物層を形成する
か、あるいは上記鉄・クロムほう化物層が、最外層を
(Fe Cr )Bとし、最外層と母材との間の第2層を
(Fe Cr )2 Bとした2層構造であり、かつ表面粗さ
をRa0.2μm 以下としたものである。
は、少なくともトラベラと接触するフランジ表面に、
(Fe Cr )2 Bの鉄・クロムほう化物層を形成する
か、あるいは上記鉄・クロムほう化物層が、最外層を
(Fe Cr )Bとし、最外層と母材との間の第2層を
(Fe Cr )2 Bとした2層構造であり、かつ表面粗さ
をRa0.2μm 以下としたものである。
【0007】なお、上記鉄・クロムほう化物層の表面粗
さをRa0.2μm 以下としたが、Ra0.2μm を超えると、
リングとトラベラ間の摺動特性が悪化し、始動時の糸切
れが多発するばかりか、高回転域や超高速回転域におい
て、摩擦抵抗指数が急激に上昇し、トラベラの早期焼付
き、飛散が発生して連続運転が不可能となる。
さをRa0.2μm 以下としたが、Ra0.2μm を超えると、
リングとトラベラ間の摺動特性が悪化し、始動時の糸切
れが多発するばかりか、高回転域や超高速回転域におい
て、摩擦抵抗指数が急激に上昇し、トラベラの早期焼付
き、飛散が発生して連続運転が不可能となる。
【0008】また、上記鉄・クロムほう化物層の厚さは
5〜100μm の範囲とするのが好ましく、5μm 未満
では高速回転域で剥離・摩耗が生じ、充分な性能がえら
れず、100μm を超えると非常にコストが高くなって
経済的に好ましくない。
5〜100μm の範囲とするのが好ましく、5μm 未満
では高速回転域で剥離・摩耗が生じ、充分な性能がえら
れず、100μm を超えると非常にコストが高くなって
経済的に好ましくない。
【0009】
【作用】本発明の紡機用リングは、リングフランジ表面
に、鉄・クロムほう化物層を形成し、必要に応じて表面
粗さをRa0.2μm 以下とすることにより、リング自体の
耐摩耗性を向上すると共に、リングフランジ上を走行す
るトラベラの摩耗も減少させ、高回転高速操業に適する
ものである。
に、鉄・クロムほう化物層を形成し、必要に応じて表面
粗さをRa0.2μm 以下とすることにより、リング自体の
耐摩耗性を向上すると共に、リングフランジ上を走行す
るトラベラの摩耗も減少させ、高回転高速操業に適する
ものである。
【0010】なお、上記鉄・クロムほう化物層が、最外
層を(Fe Cr )Bとし、第2層を(Fe Cr )2 Bと
した2層構造であるとき、最表面は、より高硬度(Hv1
600以上)の鉄・クロムほう化物層で覆われる。した
がって耐摩耗性に優れ、特に細番手糸をスピンドル回転
が20,000r.p.m.以上の高速回転で紡出する分野で優
れた性能を発揮する。
層を(Fe Cr )Bとし、第2層を(Fe Cr )2 Bと
した2層構造であるとき、最表面は、より高硬度(Hv1
600以上)の鉄・クロムほう化物層で覆われる。した
がって耐摩耗性に優れ、特に細番手糸をスピンドル回転
が20,000r.p.m.以上の高速回転で紡出する分野で優
れた性能を発揮する。
【0011】また、鉄・クロムほう化物層を、(Fe C
r )2 Bの単層としたときは、表面の硬度は若干低下す
るが、鉄・クロムほう化物の界面からの剥離がなくなる
ため、衝撃に強くなる。したがって太番手糸を紡出す
る、高荷重での紡出分野で優れた耐摩耗性を発揮するも
のである。
r )2 Bの単層としたときは、表面の硬度は若干低下す
るが、鉄・クロムほう化物の界面からの剥離がなくなる
ため、衝撃に強くなる。したがって太番手糸を紡出す
る、高荷重での紡出分野で優れた耐摩耗性を発揮するも
のである。
【0012】
【実施例】以下、本発明の紡機用リングの一実施例を図
面に基づいて説明する。
面に基づいて説明する。
【0013】(実施例1)図1に示すように、Cを0.2
%含有する炭素鋼を素材として所定の形状に切削加工
し、リングフランジ1を有するリング本体2を形成す
る。
%含有する炭素鋼を素材として所定の形状に切削加工
し、リングフランジ1を有するリング本体2を形成す
る。
【0014】無水ほう酸ナトリウムと酸化クロムを9:
1の割合で混合し、750℃に加熱して溶融浴とし、陰
極にリング本体2をつなぐ電解法で電流密度を0.5A/cm
2 とし、2時間拡散浸透処理を行なった。
1の割合で混合し、750℃に加熱して溶融浴とし、陰
極にリング本体2をつなぐ電解法で電流密度を0.5A/cm
2 とし、2時間拡散浸透処理を行なった。
【0015】図2に示すように、リング本体2の表面に
は最外層3に(Fe Cr )B、最外層3とリング本体2
の母材との間の第2層4に(Fe Cr )2 Bが形成され
た2層構造の鉄・クロムほう化物層5を形成した紡機用
リングを得た。なお、この時の鉄・クロムほう化物層5
の厚みは、2層合わせて25μm であった。
は最外層3に(Fe Cr )B、最外層3とリング本体2
の母材との間の第2層4に(Fe Cr )2 Bが形成され
た2層構造の鉄・クロムほう化物層5を形成した紡機用
リングを得た。なお、この時の鉄・クロムほう化物層5
の厚みは、2層合わせて25μm であった。
【0016】(実施例2)図3に示すように、上記実施
例1で得られた2層構造の鉄・クロムほう化物層を形成
した紡機用リングを、無酸化雰囲気中で800℃×4時
間拡散熱処理を行ない、リング本体2の表面に(Fe C
r )2 Bの1層構造の鉄・クロムほう化物層6を30μ
m 形成した紡機用リングを得た。
例1で得られた2層構造の鉄・クロムほう化物層を形成
した紡機用リングを、無酸化雰囲気中で800℃×4時
間拡散熱処理を行ない、リング本体2の表面に(Fe C
r )2 Bの1層構造の鉄・クロムほう化物層6を30μ
m 形成した紡機用リングを得た。
【0017】図4に本発明の実施例1により得られた紡
機用リング(A) と、実施例2により得られた紡機用リン
グ(B) と、浸炭焼入を実施した従来の紡機用リング(C)
の断面硬度分布を示す。図4から明らかなように、従来
の紡機用リング(C) の表面硬度がHv800程度であるの
に対し、本発明の紡機用リング(A) ではHv1600、紡
機用リング(B)ではHv1400といずれも非常に高硬度
を示している。
機用リング(A) と、実施例2により得られた紡機用リン
グ(B) と、浸炭焼入を実施した従来の紡機用リング(C)
の断面硬度分布を示す。図4から明らかなように、従来
の紡機用リング(C) の表面硬度がHv800程度であるの
に対し、本発明の紡機用リング(A) ではHv1600、紡
機用リング(B)ではHv1400といずれも非常に高硬度
を示している。
【0018】また、次の条件で紡出テストを行ない、リ
ングとトラベラの摩擦抵抗指数を測定し、その結果を図
5に示した。
ングとトラベラの摩擦抵抗指数を測定し、その結果を図
5に示した。
【0019】(紡出条件) 糸 :エステル/綿 45番手 リ ン グ :3.2mmF×φ38mm ト ラ ベ ラ :YS−2/hf 10/0 スピンドル回転数:16,000〜26,000r.p.m.
【0020】図5から明らかなように、本発明の紡機用
リングAと従来の紡機用リングCとの間において、スピ
ンドル回転数が16,000〜18,000r.p.m.までは大
きな差はなかったが、スピンドル回転数が18,000r.
p.m.を超えると、従来の紡機用リングCの摩擦抵抗指数
は上昇し始めるが、本発明の紡機用リングAは緩やかで
あり、微少である。また、22,000r.p.m.以上になる
と従来の紡機用リングCの摩擦抵抗指数は大きく上昇し
始め、トラベラの摩耗が著しく進行し、連続紡出が不可
能となる。これに対し本発明の紡機用リングAは、スピ
ンドル回転数が22,000〜26,000r.p.m.の高速域
に於いても急激な上昇は見られず、安定した摩擦抵抗指
数を示し、26,000r.p.m.以上でもトラベラの摩耗も
殆どなく、連続紡出が可能であった。
リングAと従来の紡機用リングCとの間において、スピ
ンドル回転数が16,000〜18,000r.p.m.までは大
きな差はなかったが、スピンドル回転数が18,000r.
p.m.を超えると、従来の紡機用リングCの摩擦抵抗指数
は上昇し始めるが、本発明の紡機用リングAは緩やかで
あり、微少である。また、22,000r.p.m.以上になる
と従来の紡機用リングCの摩擦抵抗指数は大きく上昇し
始め、トラベラの摩耗が著しく進行し、連続紡出が不可
能となる。これに対し本発明の紡機用リングAは、スピ
ンドル回転数が22,000〜26,000r.p.m.の高速域
に於いても急激な上昇は見られず、安定した摩擦抵抗指
数を示し、26,000r.p.m.以上でもトラベラの摩耗も
殆どなく、連続紡出が可能であった。
【0021】
【発明の効果】本発明の紡機用リングは上記のように構
成したので、リング自体の耐摩耗性が向上し、かつトラ
ベラの摩耗が減少して、スピンドル回転数が24,000
r.p.m.以上の超高速回転域においても、リングとトラベ
ラ間のなじみが良好で、安定した連続運転ができる。し
かも、鉄・クロムほう化物層の剥離が生じず、リング性
能を長時間維持できるばかりか、トラベラの焼けが発生
せず、トラベラ寿命も延長できる等の優れた効果を有す
るものである。
成したので、リング自体の耐摩耗性が向上し、かつトラ
ベラの摩耗が減少して、スピンドル回転数が24,000
r.p.m.以上の超高速回転域においても、リングとトラベ
ラ間のなじみが良好で、安定した連続運転ができる。し
かも、鉄・クロムほう化物層の剥離が生じず、リング性
能を長時間維持できるばかりか、トラベラの焼けが発生
せず、トラベラ寿命も延長できる等の優れた効果を有す
るものである。
【図1】本発明の紡機用リングに用いられるリング本体
の一実施例を示す一部破断断面図である。
の一実施例を示す一部破断断面図である。
【図2】本発明の一実施例を示す紡機用リングにおける
リングフランジ表面の要部拡大断面図である。
リングフランジ表面の要部拡大断面図である。
【図3】本発明の他の実施例を示す紡機用リングにおけ
るリングフランジ表面の要部拡大断面図である。
るリングフランジ表面の要部拡大断面図である。
【図4】本発明の紡機用リングと従来の紡機用リングの
リングフランジの表面からの距離と硬度との関係を示す
断面硬度分布図である。
リングフランジの表面からの距離と硬度との関係を示す
断面硬度分布図である。
【図5】本発明の紡機用リングと従来の紡機用リングの
スピンドル回転数と摩擦抵抗指数との関係を示す曲線図
である。
スピンドル回転数と摩擦抵抗指数との関係を示す曲線図
である。
1 リングフランジ 2 リング本体 3 最外層 4 第2層 5、6 鉄・クロムほう化物層
Claims (4)
- 【請求項1】 少なくともトラベラと接触するリングフ
ランジ表面に、鉄・クロムほう化物層を形成したことを
特徴とする紡機用リング。 - 【請求項2】 上記鉄・クロムほう化物層が、(Fe C
r )2 Bである請求項1記載の紡機用リング。 - 【請求項3】 上記鉄・クロムほう化物層が、最外層を
(Fe Cr )Bとし、最外層と母材との間の第2層を
(Fe Cr )2 Bとした2層構造である請求項1記載の
紡機用リング。 - 【請求項4】 少なくともトラベラ接触部の表面粗さを
Ra0.2μm 以下とした請求項1、請求項2又は請求項3
記載の紡機用リング。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP33750893A JPH07197334A (ja) | 1993-12-28 | 1993-12-28 | 紡機用リング |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP33750893A JPH07197334A (ja) | 1993-12-28 | 1993-12-28 | 紡機用リング |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07197334A true JPH07197334A (ja) | 1995-08-01 |
Family
ID=18309319
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP33750893A Pending JPH07197334A (ja) | 1993-12-28 | 1993-12-28 | 紡機用リング |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07197334A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN107043972A (zh) * | 2017-06-19 | 2017-08-15 | 德州富华生态科技有限公司 | 一种防落纱断头复合平面钢领 |
-
1993
- 1993-12-28 JP JP33750893A patent/JPH07197334A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN107043972A (zh) * | 2017-06-19 | 2017-08-15 | 德州富华生态科技有限公司 | 一种防落纱断头复合平面钢领 |
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