JP2512595Y2 - 紡機用トラベラ - Google Patents
紡機用トラベラInfo
- Publication number
- JP2512595Y2 JP2512595Y2 JP1989072611U JP7261189U JP2512595Y2 JP 2512595 Y2 JP2512595 Y2 JP 2512595Y2 JP 1989072611 U JP1989072611 U JP 1989072611U JP 7261189 U JP7261189 U JP 7261189U JP 2512595 Y2 JP2512595 Y2 JP 2512595Y2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- traveler
- spinning machine
- titanium carbide
- ring
- carbide layer
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
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Description
【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は耐摩耗性およびリングとの馴じみ性の良好な
紡機用トラベラに関するものである。
紡機用トラベラに関するものである。
従来の紡機用トラベラは一般に硬鋼線又は合金鋼線材
を用い、表面硬化処理として焼入処理が行われ、その
後、ニッケルメッキを行なっているものもある。
を用い、表面硬化処理として焼入処理が行われ、その
後、ニッケルメッキを行なっているものもある。
しかし、今日の紡績工場での苛酷な操業条件の下で
は、従来の紡績用トラベラでは耐摩耗性が不足し、早期
に摩耗を生じ、トラベラの走行が不安定で糸切れを多発
したり毛羽の発生が多く、トラベラが早期焼付き飛散
し、更にリングの寿命が短くなるという欠点があった。
は、従来の紡績用トラベラでは耐摩耗性が不足し、早期
に摩耗を生じ、トラベラの走行が不安定で糸切れを多発
したり毛羽の発生が多く、トラベラが早期焼付き飛散
し、更にリングの寿命が短くなるという欠点があった。
このため、トラベラの耐摩耗性を向上するため、トラ
ベラにクロムメッキを施したものが考えられているが、
クロムメッキは硬度は高いが、リングとの馴じみ性が悪
く、紡出初期において紡出張力が非常に高くなり、糸切
れが多発したり、あるいは、メッキ表面に亀裂が入り易
く、これが剥離摩耗の原因となって、トラベラが異常摩
耗を生じる原因となる等の欠点があった。
ベラにクロムメッキを施したものが考えられているが、
クロムメッキは硬度は高いが、リングとの馴じみ性が悪
く、紡出初期において紡出張力が非常に高くなり、糸切
れが多発したり、あるいは、メッキ表面に亀裂が入り易
く、これが剥離摩耗の原因となって、トラベラが異常摩
耗を生じる原因となる等の欠点があった。
本考案は上記従来の紡機用トラベラの欠点を解消する
ものであり、硬鋼線又は合金鋼線より形成された紡機用
トラベラにTicl4，H2，CH4を主成分とするガス雰囲気中
で化学的蒸着をすることにより、少なくとも、リングと
接触するトラベラ表面に炭化チタン層と、更にその上部
に物理的蒸着により二硫化モリブデン層との複層を形成
し、耐摩耗性、リングとの馴じみ性の向上に寄与する紡
機用トラベラを提供することを目的とする。
ものであり、硬鋼線又は合金鋼線より形成された紡機用
トラベラにTicl4，H2，CH4を主成分とするガス雰囲気中
で化学的蒸着をすることにより、少なくとも、リングと
接触するトラベラ表面に炭化チタン層と、更にその上部
に物理的蒸着により二硫化モリブデン層との複層を形成
し、耐摩耗性、リングとの馴じみ性の向上に寄与する紡
機用トラベラを提供することを目的とする。
以下、本考案の一実施例を図面に基づいて説明する。
硬鋼線材を第１図の如く所要形状の横型トラベラ
（１）に形成する。
（１）に形成する。
上記トラベラをTicl4，H2，CH4を主成分とするガス雰
囲気中で化学的蒸着することにより、リングフランジと
接触する表面に、厚さ２〜20μの炭化チタン層（２）を
形成し、次に焼入れ処理した後、更に上層に物理的蒸着
により、３μ以下の二硫化モリブデン層（３）を形成さ
せ、表面研磨することによって本考案の紡機用トラベラ
を構成する。
囲気中で化学的蒸着することにより、リングフランジと
接触する表面に、厚さ２〜20μの炭化チタン層（２）を
形成し、次に焼入れ処理した後、更に上層に物理的蒸着
により、３μ以下の二硫化モリブデン層（３）を形成さ
せ、表面研磨することによって本考案の紡機用トラベラ
を構成する。
なお、上記炭化チタン層（２）及び二硫化モリブデン
層（３）の処理層はトラベラ全表面に施すこともできる
が、トラベラの少なくとも、リングと接触する表面に設
ければよく、処理前にマスキング処理することにより所
要部に施すことができる。
層（３）の処理層はトラベラ全表面に施すこともできる
が、トラベラの少なくとも、リングと接触する表面に設
ければよく、処理前にマスキング処理することにより所
要部に施すことができる。
また、耐摩耗性のみを特に要求されるときにはリング
表面に炭化チタン層のみを設けることもある。
表面に炭化チタン層のみを設けることもある。
本考案の紡機用トラベラは上記の如き構成よりなり、
本考案の紡機用トラベラＡの炭化チタン層（２）の硬度
はHv3,300〜4,000と従来の紡機用トラベラＢより非常に
高硬度である。
本考案の紡機用トラベラＡの炭化チタン層（２）の硬度
はHv3,300〜4,000と従来の紡機用トラベラＢより非常に
高硬度である。
なお、最表層の二硫化モリブデン層（３）は硬度は低
く、摩擦係数もかなり低く滑らかで、リングとの馴じみ
が良好である。また、処理層と母材とは拡散により接合
し、密着性はメッキより優れたものを得ることができ
る。
く、摩擦係数もかなり低く滑らかで、リングとの馴じみ
が良好である。また、処理層と母材とは拡散により接合
し、密着性はメッキより優れたものを得ることができ
る。
第２図は従来のニッケルメッキトラベラＢと本考案の
紡機用トラベラＡを用いて下記のテスト条件にて紡出し
た場合のトラベラ焼け率の比較を示し、トラベラの焼け
率は３倍以上減少することが判る。
紡機用トラベラＡを用いて下記のテスト条件にて紡出し
た場合のトラベラ焼け率の比較を示し、トラベラの焼け
率は３倍以上減少することが判る。
テスト条件 リング内径:45mm フランジ巾:3.2mm 繊維：ポリエステル，綿45′s スピンドル回転数:15000r.p.m. トラベラ:ZS/hf6/0 なお、上記実施例においては横形トラベラに適用した
例を示したが、第３図の如く縦形トラベラ（４）の少な
くとも内面に炭化チタン層（２）と二硫化モリブデン層
（３）の複層を形成したり、第４図の如くメタルインサ
ートナイロントラベラ（５）のインサート部材（６）に
炭化チタン層（２）と二硫化モリブデン層（３）の複層
を形成して本考案の紡機用トラベラを構成することがで
きる。
例を示したが、第３図の如く縦形トラベラ（４）の少な
くとも内面に炭化チタン層（２）と二硫化モリブデン層
（３）の複層を形成したり、第４図の如くメタルインサ
ートナイロントラベラ（５）のインサート部材（６）に
炭化チタン層（２）と二硫化モリブデン層（３）の複層
を形成して本考案の紡機用トラベラを構成することがで
きる。
上記縦形トラベラ及びメタルインサートナイロントラ
ベラにおいても表面に炭化チタン層と二硫化モリブデン
の複層を設けているので耐摩耗性が著しく向上し、リン
グとの馴じみも向上する。
ベラにおいても表面に炭化チタン層と二硫化モリブデン
の複層を設けているので耐摩耗性が著しく向上し、リン
グとの馴じみも向上する。
本考案の紡機用トラベラは硬鋼線又は合金鋼線より形
成された紡機用トラベラの少なくともリングと接触する
表面に母材との密着性のよい炭化チタン層と二硫化モリ
ブデン層を形成しているため、耐摩耗性にすぐれ、長期
にわたりトラベラが安定した走行をし、リングとの馴じ
み性が良く、糸切れの多発を防止し、毛羽の発生を押え
ると共にトラベラの寿命を著しく延長することができ
る。
成された紡機用トラベラの少なくともリングと接触する
表面に母材との密着性のよい炭化チタン層と二硫化モリ
ブデン層を形成しているため、耐摩耗性にすぐれ、長期
にわたりトラベラが安定した走行をし、リングとの馴じ
み性が良く、糸切れの多発を防止し、毛羽の発生を押え
ると共にトラベラの寿命を著しく延長することができ
る。
また、炭化チタン層が耐蝕性の向上に寄与するため、
難燃性繊維の紡績に使用してもトラベラの発錆を防止す
ることができる等、優れた効果を有する考案である。
難燃性繊維の紡績に使用してもトラベラの発錆を防止す
ることができる等、優れた効果を有する考案である。
第１図は本考案の一実施例を示す横形トラベラの断面
図、第２図は本考案の紡機用トラベラと従来のトラベラ
との比較を示すトラベラ焼け率曲線図、第３図及び第４
図は各々本考案の紡機用トラベラ他の実施例を示す断面
図である。 （１）……横形トラベラ （２）……炭化チタン層 （３）……二硫化モリブデン層 （４）……縦形トラベラ （５）……メタルインサートナイロントラベラ （６）……インサート部材
図、第２図は本考案の紡機用トラベラと従来のトラベラ
との比較を示すトラベラ焼け率曲線図、第３図及び第４
図は各々本考案の紡機用トラベラ他の実施例を示す断面
図である。 （１）……横形トラベラ （２）……炭化チタン層 （３）……二硫化モリブデン層 （４）……縦形トラベラ （５）……メタルインサートナイロントラベラ （６）……インサート部材
Claims (1)
- 【請求項１】硬鋼線又は合金鋼線より形成された紡機用
トラベラの少なくともリングと接触する部分の表面に、
化学的蒸着による炭化チタン層と、更にその上層に物理
的蒸着による二硫化モリブデン層の複層を形成してなる
紡機用トラベラ。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP1989072611U JP2512595Y2 (ja) | 1989-06-21 | 1989-06-21 | 紡機用トラベラ |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP1989072611U JP2512595Y2 (ja) | 1989-06-21 | 1989-06-21 | 紡機用トラベラ |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0314171U JPH0314171U (ja) | 1991-02-13 |
| JP2512595Y2 true JP2512595Y2 (ja) | 1996-10-02 |
Family
ID=31610698
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP1989072611U Expired - Lifetime JP2512595Y2 (ja) | 1989-06-21 | 1989-06-21 | 紡機用トラベラ |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2512595Y2 (ja) |
Family Cites Families (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS616333A (ja) * | 1984-06-21 | 1986-01-13 | Hiroyuki Kanai | 紡機用トラベラ |
| JPS62116722A (ja) * | 1985-11-15 | 1987-05-28 | Toyoda Autom Loom Works Ltd | 紡機用トラベラ |
-
1989
- 1989-06-21 JP JP1989072611U patent/JP2512595Y2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH0314171U (ja) | 1991-02-13 |
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