JPH0754224A - 紡機用リング - Google Patents
紡機用リングInfo
- Publication number
- JPH0754224A JPH0754224A JP20627793A JP20627793A JPH0754224A JP H0754224 A JPH0754224 A JP H0754224A JP 20627793 A JP20627793 A JP 20627793A JP 20627793 A JP20627793 A JP 20627793A JP H0754224 A JPH0754224 A JP H0754224A
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Abstract
(57)【要約】
【構成】 炭素鋼あるいは合金鋼より形成してなる紡機
用リングの少なくともトラベラと接触するフランジ表面
に、内層にバナジウム炭化物層、外層にクロム炭化物層
の2層の炭化物層を形成し、かつ表面粗さを1.5μm 以
下としてなる。 【効果】 2層の炭化物層の存在により、高速域におい
ても耐摩耗性大で、かつ耐食性の優れた紡機用リングで
ある。
用リングの少なくともトラベラと接触するフランジ表面
に、内層にバナジウム炭化物層、外層にクロム炭化物層
の2層の炭化物層を形成し、かつ表面粗さを1.5μm 以
下としてなる。 【効果】 2層の炭化物層の存在により、高速域におい
ても耐摩耗性大で、かつ耐食性の優れた紡機用リングで
ある。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は紡績の精紡に使用され、
特に高速精紡において優れた性能を発揮し、かつ耐食性
に優れた紡機用リングに関するものである。
特に高速精紡において優れた性能を発揮し、かつ耐食性
に優れた紡機用リングに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の紡機用リングは、一般に低炭素鋼
が用いられ、表面硬化処理として浸炭焼入れ処理が行な
われている。しかるに上記のリングでは、スピンドル回
転数が20,000r.p.m.以上では、リングとトラベラの
摩擦抵抗の増大と摩擦熱の急激な上昇のため、トラベラ
が早期に焼付き、摩耗飛散して連続運転ができないとい
う問題点があった。
が用いられ、表面硬化処理として浸炭焼入れ処理が行な
われている。しかるに上記のリングでは、スピンドル回
転数が20,000r.p.m.以上では、リングとトラベラの
摩擦抵抗の増大と摩擦熱の急激な上昇のため、トラベラ
が早期に焼付き、摩耗飛散して連続運転ができないとい
う問題点があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】最近では紡出する繊維
が多様化しており、その中には強力な腐食性ガスを放出
する場合もある。このような環境下において従来のリン
グを使用した場合、発錆が激しく、殆ど使用できない
か、あるいはできても長期の使用に耐えられないのが現
状である。
が多様化しており、その中には強力な腐食性ガスを放出
する場合もある。このような環境下において従来のリン
グを使用した場合、発錆が激しく、殆ど使用できない
か、あるいはできても長期の使用に耐えられないのが現
状である。
【0004】上記問題を解決せんとして、表面に単層の
炭化物の拡散浸透層を設けたリングも検討されたが、ト
ラベラ滑走時の衝撃による被覆層の剥離が生じ易いとい
う問題点があった。また、炭化物層には微小欠陥が存在
するため、単層の被覆では、前述したような強力な腐食
環境下においては微小欠陥部分から局部的な腐食が生じ
易いという問題点があった。
炭化物の拡散浸透層を設けたリングも検討されたが、ト
ラベラ滑走時の衝撃による被覆層の剥離が生じ易いとい
う問題点があった。また、炭化物層には微小欠陥が存在
するため、単層の被覆では、前述したような強力な腐食
環境下においては微小欠陥部分から局部的な腐食が生じ
易いという問題点があった。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記問題点を
除去するためになされたものであり、炭素鋼あるいは合
金鋼より形成してなる紡機用リングの少なくともトラベ
ラと接触するフランジ表面に、内層にバナジウム炭化物
層、外層にクロム炭化物層の2層の炭化物層を形成し、
かつトラベラとの接触表面を表面粗さ1.5μm 以下とす
ることにより、耐摩耗性、耐食性の優れた表面層を有す
る紡機用リングを提供するものである。
除去するためになされたものであり、炭素鋼あるいは合
金鋼より形成してなる紡機用リングの少なくともトラベ
ラと接触するフランジ表面に、内層にバナジウム炭化物
層、外層にクロム炭化物層の2層の炭化物層を形成し、
かつトラベラとの接触表面を表面粗さ1.5μm 以下とす
ることにより、耐摩耗性、耐食性の優れた表面層を有す
る紡機用リングを提供するものである。
【0006】
【作用】本発明の紡機用リングは、トラベラとの接触表
面に高硬度のクロム炭化物層を形成させることにより、
スピンドル回転の高速条件下においても、長寿命を得る
ことができる。しかも、バナジウム炭化物層とクロム炭
化物層の2層の炭化物層を形成したことにより、耐食性
が一段と向上するものである。
面に高硬度のクロム炭化物層を形成させることにより、
スピンドル回転の高速条件下においても、長寿命を得る
ことができる。しかも、バナジウム炭化物層とクロム炭
化物層の2層の炭化物層を形成したことにより、耐食性
が一段と向上するものである。
【0007】なお、少なくともトラベラと接触する表面
の粗さを1.5μm 以下としたが、1.5μm を超えると炭
化物の有する特性を十分に発揮できないばかりでなく、
トラベラの摩耗を促進することになる。従って1.5μm
以下とすることにより、トラベラ走行面を滑らかにし、
摩擦抵抗を低減させるものである。
の粗さを1.5μm 以下としたが、1.5μm を超えると炭
化物の有する特性を十分に発揮できないばかりでなく、
トラベラの摩耗を促進することになる。従って1.5μm
以下とすることにより、トラベラ走行面を滑らかにし、
摩擦抵抗を低減させるものである。
【0008】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説
明する。
明する。
【0009】図1に示すように、Cを0.6〜1.2%含有
する炭素鋼を素材として所定の形状に切削加工してリン
グ本体1を形成する。上記リング本体1をFe−V粉末
を含む1000℃前後の溶融硼砂浴中に浸漬保持するこ
とにより、表層にHv3000〜3400、厚さ約10μ
m のバナジウム炭化物層4を形成する。次に金属Cr 粉
末を含む1000℃前後の溶融硼砂浴中に浸漬保持する
ことにより、図2に示すようにバナジウム炭化物層4の
外層にHv1900〜2200、厚さ約5μm のクロム炭
化物層3(Cr7C3 )を形成する。更に焼入れ、焼戻し
処理を施すことにより、母材5の硬度を約Hv830に調
整する。次いで、トラベラが摺動するフランジ表面6に
研摩加工を行ない、表面粗さが0.2μm を有する紡機用
リングAを構成した。なお、各層の炭化物層の厚さは3
〜20μとするのが耐摩耗性、剥離強度より適当であ
る。
する炭素鋼を素材として所定の形状に切削加工してリン
グ本体1を形成する。上記リング本体1をFe−V粉末
を含む1000℃前後の溶融硼砂浴中に浸漬保持するこ
とにより、表層にHv3000〜3400、厚さ約10μ
m のバナジウム炭化物層4を形成する。次に金属Cr 粉
末を含む1000℃前後の溶融硼砂浴中に浸漬保持する
ことにより、図2に示すようにバナジウム炭化物層4の
外層にHv1900〜2200、厚さ約5μm のクロム炭
化物層3(Cr7C3 )を形成する。更に焼入れ、焼戻し
処理を施すことにより、母材5の硬度を約Hv830に調
整する。次いで、トラベラが摺動するフランジ表面6に
研摩加工を行ない、表面粗さが0.2μm を有する紡機用
リングAを構成した。なお、各層の炭化物層の厚さは3
〜20μとするのが耐摩耗性、剥離強度より適当であ
る。
【0010】次に、上記本発明の紡機用リングAと、従
来のバナジウム炭化物層を単層として形成された紡機用
リングBと、従来の低炭素鋼に浸炭焼入れを行なった紡
機用リングCとを用い、40%HCl溶液中に浸漬する
ことにより、耐食性評価を行なった。図3に示すように
本発明の紡機用リングAは、従来の紡機用リングB、C
に比べ大巾な耐食性の向上を示した。
来のバナジウム炭化物層を単層として形成された紡機用
リングBと、従来の低炭素鋼に浸炭焼入れを行なった紡
機用リングCとを用い、40%HCl溶液中に浸漬する
ことにより、耐食性評価を行なった。図3に示すように
本発明の紡機用リングAは、従来の紡機用リングB、C
に比べ大巾な耐食性の向上を示した。
【0011】また、次の条件で紡出テストを行ない、リ
ングとトラベラの摩擦抵抗指数を測定した。 糸 :エステル/綿 45番手 リング :3.2mmF×φ38mm トラベラ :YS−2/hf 10/0 スピンドル回転数:16,000〜26,000r.p.m.
ングとトラベラの摩擦抵抗指数を測定した。 糸 :エステル/綿 45番手 リング :3.2mmF×φ38mm トラベラ :YS−2/hf 10/0 スピンドル回転数:16,000〜26,000r.p.m.
【0012】図4から明らかなように、本発明の紡機用
リングAと従来の紡機用リングBはスピンドル回転数1
6,000〜18,000r.p.m.までは大きな差はない。ス
ピンドル回転数が18,000r.p.m.を超えると、従来の
紡機用リングBの摩擦抵抗指数は上昇し始めるが、本発
明の紡機用リングAは緩やかであり、微小である。
リングAと従来の紡機用リングBはスピンドル回転数1
6,000〜18,000r.p.m.までは大きな差はない。ス
ピンドル回転数が18,000r.p.m.を超えると、従来の
紡機用リングBの摩擦抵抗指数は上昇し始めるが、本発
明の紡機用リングAは緩やかであり、微小である。
【0013】また、22,000r.p.m.以上になると、従
来の紡機用リングBの摩擦抵抗指数は大きく上昇し始
め、24,000r.p.m.以上になると上昇が著しくなり、
トラベラの摩耗が進行し、連続紡出が不可能となる。こ
れに対し、本発明の紡機用リングAは、スピンドル回転
数が22,000〜26,000r.p.m.の高速域においても
急激な上昇は見られず、安定した摩擦抵抗指数を示し、
連続紡出が可能となった。
来の紡機用リングBの摩擦抵抗指数は大きく上昇し始
め、24,000r.p.m.以上になると上昇が著しくなり、
トラベラの摩耗が進行し、連続紡出が不可能となる。こ
れに対し、本発明の紡機用リングAは、スピンドル回転
数が22,000〜26,000r.p.m.の高速域においても
急激な上昇は見られず、安定した摩擦抵抗指数を示し、
連続紡出が可能となった。
【0014】
【発明の効果】本発明の紡機用リングは、上記の如く構
成したことにより、クロム炭化物の耐焼付性、耐摺動性
を十分に発揮させ、トラベラの摩擦抵抗を著しく軽減
し、かつ2層の炭化物層を形成したので、腐食環境下に
おいても、耐腐食性を一段と向上する等の優れた効果を
有する発明である。
成したことにより、クロム炭化物の耐焼付性、耐摺動性
を十分に発揮させ、トラベラの摩擦抵抗を著しく軽減
し、かつ2層の炭化物層を形成したので、腐食環境下に
おいても、耐腐食性を一段と向上する等の優れた効果を
有する発明である。
【図1】本発明の紡機用リングの一実施例を示す一部破
断断面図である。
断断面図である。
【図2】本発明の紡機用リングのフランジ部付近の要部
拡大断面図である。
拡大断面図である。
【図3】本発明の紡機用リングと従来の紡機用リングの
耐食性を比較した曲線図である。
耐食性を比較した曲線図である。
【図4】本発明の紡機用リングと従来の紡機用リングの
スピンドル回転と摩擦抵抗指数の関係を示す曲線図であ
る。
スピンドル回転と摩擦抵抗指数の関係を示す曲線図であ
る。
1 リング 2 フランジ部 3 クロム炭化物層 4 バナジウム炭化物層 5 母材 6 フランジ表面
Claims (1)
- 【請求項1】 炭素鋼あるいは合金鋼より形成してなる
紡機用リングの少なくともトラベラと接触するフランジ
表面に、内層にバナジウム炭化物層、外層にクロム炭化
物層の2層の炭化物層を形成し、かつ表面粗さを1.5μ
m 以下としたことを特徴とする紡機用リング。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP20627793A JPH0754224A (ja) | 1993-08-20 | 1993-08-20 | 紡機用リング |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP20627793A JPH0754224A (ja) | 1993-08-20 | 1993-08-20 | 紡機用リング |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0754224A true JPH0754224A (ja) | 1995-02-28 |
Family
ID=16520660
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP20627793A Pending JPH0754224A (ja) | 1993-08-20 | 1993-08-20 | 紡機用リング |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0754224A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN105063823A (zh) * | 2015-07-17 | 2015-11-18 | 吴江新劲纺织有限公司 | 一种一体式纺织纲领圈 |
-
1993
- 1993-08-20 JP JP20627793A patent/JPH0754224A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN105063823A (zh) * | 2015-07-17 | 2015-11-18 | 吴江新劲纺织有限公司 | 一种一体式纺织纲领圈 |
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