JPS62177239A - 紡機用リング - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 発明の目的 （産業上の利用分野） この発明はリング精紡機、リング撚糸機等に使用する紡
機用リングに係り、特に表面処理により耐摩耗性を向上
させた紡機用リングに関するものである。

（従来の技術） リング精紡機、リング撚糸機等の紡機において　　□は
、糸をボビンへ巻取るために、上下に昇降するリングの
フランジ部をトラベラが周回するようになっている。

近年、この種の紡機においても生産性向上のた　　□め
高速化、ラージパッケージ化が指向され、それにともな
いトラベラの周回速度が大きくなって来た。トラベラの
周回速度が大きくなると、リング、トラベラ間のＦｆ、
擦抵抗が大きくなりリング、トラベラの摩耗が速く進行
し、スＦＱが短くなるという問題がある。また、リング
、トラベラ間の摩擦抵抗が人さくなると摩擦熱が多Ｉｉ
ｉに発生し、部品自体の損傷、変形を生じやずく、巻取
り糸にも悪影響を及ぼす。

リングの耐摩耗性を向上するため、リングの素材そのも
のにビラミックス等の高硬度の材料を使用することも考
えられる。しかし、高硬度の材料は加工性が悪く、リン
グのような？！雑な断面形状に加工することは非常に困
難で、リングの素材そのものに高硬度の材料を使用する
ことは得策ではない。

そこで、リング粘紡機のＮ　４４としては切削加工がし
１ｂすい鋼材を使用し、リングの表面、特にトラベラが
周回するフランジ部に表面処理を施して硬度を上げ、耐
摩耗性を向上させることが従来種々試みられている。例
えば、特開昭５０−６４５４１号公報にはリングのフラ
ンジにＴｉ　、Ｂ、Ｖ。

Ｔａ　、Ｗから選べばれた金属の拡散浸透層を溶融塩浸
漬法により形成する方法が開示され、特開昭５６−１１
６８７０号公報にはリングの表面を窒化処理Ｊる方法が
開示されている。また、特開昭６０−２７２０号公報に
はリングの表面にセラミックスのコーディング層を設け
ることが開示され、特開昭６０−９９０２３号公報には
リングの表面に化学蒸着法（ＣＶＤ法）により炭窒化チ
タン層と窒化チタン層を形成することが開示されている
。

ところが、リングの表面を硬化処理した場合、表面粗さ
が従来と同程度ではトラベラを急激に摩耗させるおそれ
がある。そのため、表面粗さを小さくする必要を生ずる
が、表面硬度が高くなればなる程仕上加工が困難となり
、処理表面の研摩が非常にコスト高となる。

一方、トラベラがリングフランジを周回する際のＩｌ？
！擦抵抗を軽減するために潤滑剤が使用されている。潤
滑−剤として油性のものを使用すると、糸に汚れを生じ
させたり、糸の種類によっては繊維をいためることがあ
るので、油性の潤滑剤は使用しに（い。そこで、リング
表面に固体潤滑剤をｆ＝ｊ与したものとしては、例えば
、特開昭５０−１３８１３５号公報のようにフッ化黒鉛
を含有する金属を被覆したもの、特開昭５２−１４８２
３２号公報のようにスズメッキをしたものがある。

ところが、一般に固体潤滑剤は硬度が低く、トラベラの
周回するリングフランジにａ５いてその下地でトラベラ
による荷重を受ける必要があり、下地の硬度が低い場合
には、表面形成組織を短時間Ｃ損りるという不都合があ
る。

（発明が解決しようとする問題点） この発明は前記のようにリング表面を硬化処理した場合
における表面粗さの悪影響及びリングとトラベラ間の摩
擦抵抗を軽減するため固体潤滑剤を被覆した場合におけ
る表面形成組織の早期の損傷という問題点を解決するも
のである。

発明の構成 （問題点を解決するための手段） 本願発明前等はリングの表面粗さによる悪影響を固体潤
滑剤の使用にＪ：り解消し、トラベラを介して固体潤滑
剤に加わる糸張力等の荷重は下地で受Ｇノ持ち下地の硬
度を高めることにより固体潤滑剤の早期損傷を防ぐとい
う考え方により１）な記問題点を解決することを試みた
。そして、紡機用リングの少なくとも走行中のトラベラ
と接触する部分に硬度１０００ＨＶ以上の硬質層を３〜
２０μｎ１の厚さで形成し、その上に厚さ１０μｍ以下
の自己ｉｔ￥ＩＩ滑皮膜を被覆した二Ｍ層の表面処理を
施した。

表面処理は第１図に示すようにリング１のフランジ１ａ
全体に施しても、第２図に示すように７ランジ１ａのう
ち走行中のトラベラとの接触部のみに施してもよい。ま
た、第３，４図に示すように縦型及びコニカル形リング
に適用してもよい。

硬質層（硬質皮膜）２としては、リングの素材として炭
素鋼を使用し溶融塩浸漬法により形成される炭化バナジ
ウム、炭化クロム等の金属炭化物皮膜、ＰＶＤ法（物理
蒸着法）又はＣＶＤ法（化学蒸着法）により形成される
ＴＩＮ（窒化チタン）、ＴｉＣ（炭化チタン）皮膜、プ
ラズマ溶射あるある。

潤滑被膜３としては、根、スズ、鉛等の低融点金属メッ
キ被膜、二硫化モリブデン、二硫化タングステン、グラ
フ１イトを単独あるいは適当な比率で樹脂中に混入した
ものをコーティングした皮膜、六方晶のチツ化ホウ素（
ＢＮ）を無電解ニッケルメッキ層に分散させたもの等が
ある。

（作用） 紡機の運転時にトラベラがリングのフランジ上を高速で
周回するが、１〜ラベラは自己潤滑皮膜と接触した状態
で走行するため、リングと１〜ラベラ間の１！！擦抵抗
が小ざくなりトラベラの摩耗、ＩＩＸ擦熱の発生が少な
くなる。自己潤滑皮膜は硬度が低く、トラベラを介しで
作用する糸張力などの荷車をぞれ自身で担う場合にはず
ぐに損傷される。しかし、この発明では自己潤滑皮膜の
〃ざが１０μｍ以下と薄いので、トラベラを介して作用
する荷重は自己潤滑皮膜の下地である硬′ｔ１１層が受
は持つようになる。すなわち、この発明ではリング表面
に形成された二重層のうち、下地の硬質層がトラベラを
介して作用する荷重を受は持ち、表層の自己ｉ１１．１
滑皮膜が８１滑性の改善を受は持つという理想的な補充
関係となる。

表層の潤滑皮膜が厚い場合には荷重が潤滑皮膜自身にか
かりすぐに損傷するため、できるだけ薄いことが必要と
なる。潤滑皮膜の厚さと；ｆＰ命の関係は第５図のよう
になり、１０μｍ以下がよい。

下地となる硬質層はその厚さが厚くなりすぎると靭性が
低下し、クラックの発生等の問題が生じやすくなる。し
かも、硬質層の厚さく膜厚）と処理コストとは正の相関
関係があり、厚くすることはコストの面からも望ましく
ない。硬質層の好ましい厚さは処理の種類すなわら膜の
材質により異なるが、３〜２０μｍの範囲がコスト的に
良い。

（実施例１） 炭素鋼材を素材とする円筒材から機械加工によって第１
図に示す断面形状のリング１を形成し、該リング１の上
部表面に溶融塩浸漬法により９５０℃の処理浴中で３＠
間処理し厚さ７〜１０μ■のＶＣ（炭化バナジウム）の
硬質層２を形成した。

この皮膜の硬度は約ＨＶ　３０００であった。次に該リ
ング１にメッキ処理を施し、硬質層２の上に潤滑皮！Ｉ
＊３として厚さ２μｍのスズ層を形成した。

（実施例２） 前記実施例１と同様にして炭素鋼材で形成したリング１
の表面に厚さ７〜１０μ霧の■ＣＷ！Ｊを形成したもの
に表面処理を施し、六方晶の窒化ホウ素が無電解ニッケ
ルメッキ層に分散された厚さ７μｍの潤滑皮膜３を形成
した。

（実施例３） 前記実施例１と同様にして炭素鋼材で形成したリング１
の表面に厚さ７〜１０μｍの７０層を形成したものに、
グラフ１イトを分散した樹脂液をコーティングし、厚さ
１０μｍのグラファイトコート層を形成した。

前記のようにして形成したリングを用いて下記の条件に
より行った摩耗試験の結果を、ＶＣ硬化層のみを形成し
たリングを使用した場合のトラベラ′Ｒ命と比較して第
６図にＡ−Ｃで示す。

試験条件 リング径：３６ｍｍ スヒントル四転：２５００Ｏｒｐｍ 第６図に示すようにＶＣ処理のみを行ったリングに比較
して、ＶＣ硬化層の上に潤滑皮膜を形成した本発明のリ
ングではトラベラの寿命が長くなる。

発明の効果 以上詳述したように、本発明によれば自己潤滑皮膜の作
用により、リング表面の下地の粗さが従来と同じ状態の
まま硬度を上げてもトラベラの潤滑性がよくなりｒｆ命
を一段と長くすることができ、しかも、トラベラを介し
て作用する荷重は硬度の向上した下地が受は持つので、
スピンドルの高速回転時にも自己ｒａ’Ｉｂ皮膜は９期
損傷をさたすことがなく、十分耐えつるという優れた効
果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明を具体化した紡機用リングの断　　□
面図、第２図は走行中のトラベラと接触する部分トのみ
二重層処理を施したリングの断面図、第３藺は縦形リン
グの断面図、第４図はコ、ニカル形り　　（ングの断面
図、第５図は自己潤滑皮膜の厚さと［・ラベラ寿命の関
係を示ず線図、第６図はＶＣ皮膜　　・のみの表面処理
を施したリングと本発明のリングを使用した場合のトラ
ベラスＦＱの比較を示す図である。 リング１、フランジ１ａ、硬質層２、潤滑皮膜３゜ 特許出頼大　　株式会社　費［Ｂ自動織機製作所代　　
理　　人　　　　　弁理士　　　恩　　１）　　　博　
　宣第１−図　　　第２図 第３図　　　　第４図

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １、少なくとも走行中のトラベラと接触する部分に硬度
   １０００Ｈｖ以上の硬質層を３〜２０μｍの厚さで形成
   し、その上に厚さ１０μｍ以下の自己潤滑皮膜を被覆し
   た二重層の表面処理を施した紡機用リング。 ２、前記硬質層はバナジウム、クロム、ニオブ、チタン
   、珪素等の炭化物層である特許請求の範囲第１項に記載
   の紡機用リング。 ３、前記自己潤滑被膜は銀、すず、鉛等の低融点金属メ
   ッキ層である特許請求の範囲第１項に記載の紡機用リン
   グ。 ４、前記自己潤滑皮膜は二硫化モリブデン、二硫化タン
   グステン、グラファイトが単独あるいは混合した状態で
   樹脂に分散されている皮膜である特許請求の範囲第１項
   に記載の紡機用リング。 ５、前記自己潤滑皮膜は窒化ホウ素（六方晶）を無電解
   ニッケルメッキ層に分散させたものである特許請求の範
   囲第１項に記載の紡機用リング。