JPH05186917A - 紡機用リング - Google Patents
紡機用リングInfo
- Publication number
- JPH05186917A JPH05186917A JP4002787A JP278792A JPH05186917A JP H05186917 A JPH05186917 A JP H05186917A JP 4002787 A JP4002787 A JP 4002787A JP 278792 A JP278792 A JP 278792A JP H05186917 A JPH05186917 A JP H05186917A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- ring
- spinning
- nitride layer
- traveler
- flange
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
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- Spinning Or Twisting Of Yarns (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 高硬度で耐摩耗性に優れ、高速紡出に適する
と共に、耐食性に優れ、腐食性ガスの発生する繊維の紡
出にも使用できる。 【構成】 Cを0.16〜1.2重量%、Cr を8〜24重
量%含む合金鋼を用い、表層にクロム窒化物層を形成し
た。
と共に、耐食性に優れ、腐食性ガスの発生する繊維の紡
出にも使用できる。 【構成】 Cを0.16〜1.2重量%、Cr を8〜24重
量%含む合金鋼を用い、表層にクロム窒化物層を形成し
た。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は高速精紡において優れた
性能を発揮し、かつ耐食性に優れた紡機用リングに関す
るものである。
性能を発揮し、かつ耐食性に優れた紡機用リングに関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】従来、紡機用リングは一般に低炭素鋼が
用いられ、表面硬化処理として浸炭焼入れ処理が行なわ
れている。
用いられ、表面硬化処理として浸炭焼入れ処理が行なわ
れている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記紡機用リングで
は、スピンドル回転数が20,000r.p.m.以上では、リ
ングとトラベラの摩擦抵抗の増大と摩擦熱の急激な上昇
のため、トラベラが早期に焼き付き、摩耗飛散して連続
運転が出来ないという問題点があった。
は、スピンドル回転数が20,000r.p.m.以上では、リ
ングとトラベラの摩擦抵抗の増大と摩擦熱の急激な上昇
のため、トラベラが早期に焼き付き、摩耗飛散して連続
運転が出来ないという問題点があった。
【0004】しかも最近では、紡出する繊維が多様化し
ており、その中には強力な腐食性ガスを発生する場合も
ある。この様な環境下において従来のリングを使用した
場合、発錆が激しく、ほとんど使用できなくなるか、あ
るいは使用できても長期の使用には耐えられないという
問題点があった。
ており、その中には強力な腐食性ガスを発生する場合も
ある。この様な環境下において従来のリングを使用した
場合、発錆が激しく、ほとんど使用できなくなるか、あ
るいは使用できても長期の使用には耐えられないという
問題点があった。
【0005】また、上記問題点を解決するため、表面に
各種メッキやコーティングを施したリングが考えられて
いるが、上記メッキ層やコーティング層がトラベラとの
摩擦により剥離するという問題点があった。
各種メッキやコーティングを施したリングが考えられて
いるが、上記メッキ層やコーティング層がトラベラとの
摩擦により剥離するという問題点があった。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は上記問題点を除
去するためになされたものであり、リング素材としてC
を0.16〜1.2重量%、Cr を8〜24重量%、残部F
e 及び不純物よりなる合金鋼を用い、所定のリング形状
に旋削加工してなる紡機用リングの、少なくともトラベ
ラと接触するフランジ部表面に、厚み5μm 〜100μ
m のクロム窒化物層を形成する事により、高硬度で耐摩
耗性,耐食性に優れた表面層を有する紡機用リングを提
供するものである。
去するためになされたものであり、リング素材としてC
を0.16〜1.2重量%、Cr を8〜24重量%、残部F
e 及び不純物よりなる合金鋼を用い、所定のリング形状
に旋削加工してなる紡機用リングの、少なくともトラベ
ラと接触するフランジ部表面に、厚み5μm 〜100μ
m のクロム窒化物層を形成する事により、高硬度で耐摩
耗性,耐食性に優れた表面層を有する紡機用リングを提
供するものである。
【0007】
【作用】本発明の紡機用リングは、トラベラとの接触表
面に硬度が約Hv 1300のクロム窒化物層を形成させ
る事によりスピンドル回転の高速条件下においてもトラ
ベラとの摩擦抵抗が小さく、高速紡出が可能となり、
又、母材を高クロムの合金鋼とした事により、耐食性に
も優れたものとなる。
面に硬度が約Hv 1300のクロム窒化物層を形成させ
る事によりスピンドル回転の高速条件下においてもトラ
ベラとの摩擦抵抗が小さく、高速紡出が可能となり、
又、母材を高クロムの合金鋼とした事により、耐食性に
も優れたものとなる。
【0008】尚、素材の炭素量を0.16〜1.2重量%と
したが、0.16%未満では充分な素材強度が得られず、
1.2%を超えると窒化物層の厚みが充分に得られなくな
る。また、クロム含有量を8〜24重量%としたが、8
%未満では、充分な窒化物層の厚さが得られないばかり
でなく、耐食性の低下をまねき、24%を超えると、経
済的に好ましくない。
したが、0.16%未満では充分な素材強度が得られず、
1.2%を超えると窒化物層の厚みが充分に得られなくな
る。また、クロム含有量を8〜24重量%としたが、8
%未満では、充分な窒化物層の厚さが得られないばかり
でなく、耐食性の低下をまねき、24%を超えると、経
済的に好ましくない。
【0009】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説
明する。図1に示すように、Cを0.35%、Cr を13
%含有する合金鋼を素材として所定の形状に切削加工し
てリングフランジ1を有するリング本体2を形成する。
明する。図1に示すように、Cを0.35%、Cr を13
%含有する合金鋼を素材として所定の形状に切削加工し
てリングフランジ1を有するリング本体2を形成する。
【0010】図2に示すように、上記リング本体2を、
N2 −H2 の混合ガス雰囲気中において、500℃で1
6時間の処理条件のもとでイオン窒化処理を行ない、リ
ング本体2の表面全体に厚さ80μm のクロム窒化物層
3を形成する。
N2 −H2 の混合ガス雰囲気中において、500℃で1
6時間の処理条件のもとでイオン窒化処理を行ない、リ
ング本体2の表面全体に厚さ80μm のクロム窒化物層
3を形成する。
【0011】次いで、トラベラが摺動するリングフラン
ジ1の表面に研摩加工を行ない、表面粗さが0.5μm を
有する紡機用リング4を形成した。
ジ1の表面に研摩加工を行ない、表面粗さが0.5μm を
有する紡機用リング4を形成した。
【0012】次に、上記本発明の紡機用リングと従来の
低炭素鋼により形成された紡機用リングを次の条件で紡
出テストを行なった。 <紡出条件> 糸 :エステル/綿 45番手 リング :3.2mmF×φ38mm トラベラ:YS−2/hf 9/0 スピンドル回転数:16,000〜26,000r.p.m.
低炭素鋼により形成された紡機用リングを次の条件で紡
出テストを行なった。 <紡出条件> 糸 :エステル/綿 45番手 リング :3.2mmF×φ38mm トラベラ:YS−2/hf 9/0 スピンドル回転数:16,000〜26,000r.p.m.
【0013】図3から明らかなように、従来の紡機用リ
ングでは、スピンドル回転数が20,000r.p.m.を超え
ると、摩擦抵抗が急激に大きくなり、22,000r.p.m.
を超えると、連続紡出が不可能となった。これに対し、
本発明の紡機用リングでは、22,000〜26,000r.
p.m.の高速回転域においても安定した紡出が可能であっ
た。
ングでは、スピンドル回転数が20,000r.p.m.を超え
ると、摩擦抵抗が急激に大きくなり、22,000r.p.m.
を超えると、連続紡出が不可能となった。これに対し、
本発明の紡機用リングでは、22,000〜26,000r.
p.m.の高速回転域においても安定した紡出が可能であっ
た。
【0014】次に、40%HCl の溶液中に浸漬する事
による耐食性評価試験を行なった。図4に示すとおり、
従来の紡機用リングに比べ、本発明の紡機用リングでは
大幅な耐食性の向上を示した。
による耐食性評価試験を行なった。図4に示すとおり、
従来の紡機用リングに比べ、本発明の紡機用リングでは
大幅な耐食性の向上を示した。
【0015】
【発明の効果】本発明の紡機用リングは、上記のように
構成したことにより、リングフランジに形成されたクロ
ム窒化物が耐焼き付き性,耐摺動性を大幅に向上させ、
トラベラとの摩擦抵抗を著しく軽減し、高速紡出が可能
になる。また、耐食性も大幅に向上し、過酷な使用条件
においても寿命が延長されるという優れた効果を有する
ものである。
構成したことにより、リングフランジに形成されたクロ
ム窒化物が耐焼き付き性,耐摺動性を大幅に向上させ、
トラベラとの摩擦抵抗を著しく軽減し、高速紡出が可能
になる。また、耐食性も大幅に向上し、過酷な使用条件
においても寿命が延長されるという優れた効果を有する
ものである。
【図1】本発明の紡機用リングに用いられるリング本体
の一実施例を示す一部破断断面図である。
の一実施例を示す一部破断断面図である。
【図2】本発明の紡機用リングの一実施例を示す要部拡
大断面図である。
大断面図である。
【図3】本発明の紡機用リングと従来の紡機用リングの
スピンドル回転数と摩擦抵抗指数の関係を示す曲線図で
ある。
スピンドル回転数と摩擦抵抗指数の関係を示す曲線図で
ある。
【図4】本発明の紡機用リングと従来の紡機用リングの
耐食性を比較した曲線図である。
耐食性を比較した曲線図である。
1 リングフランジ 2 リング本体 3 クロム窒化物層 4 紡機用リング
Claims (1)
- 【請求項1】 Cを0.16〜1.2重量%、Cr を8〜2
4重量%、残部Fe及び不純物よりなる合金鋼を素材と
し、所定のリング形状に旋削加工してなる紡機用リング
の、少なくともトラベラと接触するフランジ部表面に、
厚み5μm 〜100μm のクロム窒化物層を形成してな
る事を特徴とする紡機用リング。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4002787A JPH05186917A (ja) | 1992-01-10 | 1992-01-10 | 紡機用リング |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4002787A JPH05186917A (ja) | 1992-01-10 | 1992-01-10 | 紡機用リング |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05186917A true JPH05186917A (ja) | 1993-07-27 |
Family
ID=11539069
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4002787A Pending JPH05186917A (ja) | 1992-01-10 | 1992-01-10 | 紡機用リング |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH05186917A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5829240A (en) * | 1997-03-17 | 1998-11-03 | A. B. Carter, Inc. | Spinning ring having improved traveler bearing surface |
US6360520B2 (en) | 2000-01-14 | 2002-03-26 | Ab Carter, Inc. | Spinning ring having amorphous chromium bearing surface |
-
1992
- 1992-01-10 JP JP4002787A patent/JPH05186917A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5829240A (en) * | 1997-03-17 | 1998-11-03 | A. B. Carter, Inc. | Spinning ring having improved traveler bearing surface |
US6360520B2 (en) | 2000-01-14 | 2002-03-26 | Ab Carter, Inc. | Spinning ring having amorphous chromium bearing surface |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |