JPH0593999U - 自動車用グローブボックス - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 衝撃エネルギー吸収性を確保した上で、従来
より部品点数の減少を招き、ボックス本体の容量を増加
させることができる自動車用グローブボックスを提供す
る。 【構成】 自動車のインストルメントパネルに設けら
れ、車室内側に開口部１２ａが形成されたボックス本体
１２と、該ボックス本体１２の開口部１２ａを開閉する
蓋体１３とを有する自動車用グローブボックス１１にお
いて、車両前面衝突時に作用する荷重の入力時に変形す
るビード１２ｅを、前記ボックス本体１２の上面部１２
ｂ，下面部１２ｃ，両側面部１２ｄに連続させて環状に
一体成形した。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、車両前面衝突時の衝撃エネルギーを吸収させることができる自動 車用グローブボックスに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来からこの種のものとしては、例えば図４及び図５に示すようなものがある 。図４中符号１はインストルメントパネルで、このインストルメントパネル１の 左側寄り位置、つまり、助手席の前側にグローブボックス２が設けられている。

【０００３】 このグローブボックス２は、主に図５に示すように車室内側に開口部３ａを有 するボックス本体３と、この開口部３ａを開閉する蓋体４とを有している。

【０００４】 また、この蓋体４の後側には、衝撃吸収部材５が配設されている。なお、符号 ６は、車幅方向に沿って延び、図示省略のステアリングポストを支持するステア リングメンバである。

【０００５】 車両前面衝突時には、図５に示す状態から、助手席乗員の脚７が蓋体４に衝突 し、この蓋体４から衝撃吸収部材５に衝突荷重が作用することにより、この衝撃 吸収部材５が変形して衝撃エネルギーを吸収するようにしている。

【０００６】 なお、この種のものとしては、例えば特開昭５９−２０７４０号公報，実開昭 ６０−１８８６６４号公報，実開昭６０−１３６２３９号公報に記載されたよう なものがある。

【０００７】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、このような従来例にあっては、衝撃吸収部材５を別途配設して いるため、部品点数の増加を招き、配設作業工数も増加すると共に、この衝撃吸 収部材５を配設するスペースを、インストルメントパネル１内に確保しなければ ならず、その分、ボックス本体３の容量の減少を招く、という問題がある。

【０００８】 そこで、この考案は、衝撃エネルギー吸収性を確保した上で、従来より部品点 数の減少を招き、更に、ボックス本体の容量を増加させることができる自動車用 グローブボックスを提供することを課題としている。

【０００９】

【課題を解決するための手段】

この考案は、かかる課題に着目してなされたもので、自動車のインストルメン トパネルに設けられ、車室内側に開口部が形成されたボックス本体と、該ボック ス本体の開口部を開閉する蓋体とを有する自動車用グローブボックスにおいて、 車両前面衝突時に作用する荷重の入力時に変形する変形部を、前記ボックス本体 の上面部，下面部，両側面部に連続させて環状に一体成形した自動車用グローブ ボックスとしたことを特徴としている。

【００１０】

【作 用】

かかる手段によれば、車両衝突時に、乗員が蓋体に衝突すると、この荷重がボ ックス本体に伝達され、ボックス本体の変形部が変形することにより、衝撃エネ ルギーが吸収されることとなる。このようにグローブボックスのボックス本体自 体を変形させて衝撃エネルギーを吸収するようにしているため、従来のように別 途衝撃吸収部材を用意する必要がなく、部品点数および取付け作業工数の減少を 図ることができる。また、その衝撃吸収部材を配設するスペースが必要ないため 、その分、ボックス本体を容量を拡大することができる。

【００１１】

【実施例】

以下、この考案の実施例を図面に基づいて説明する。

【００１２】 図１乃至図３は、この考案の一実施例を示すものである。

【００１３】 まず構成を説明すると、この実施例のグローブボックス１１は、従来と同様、 助手席の前側に設けられている。

【００１４】 このグローブボックス１１は、車室内側に開口部１２ａが形成されたボックス 本体１２と、この開口部１２ａを開閉する蓋体１３とを有している。

【００１５】 そのボックス本体１２は、合成樹脂製で、略直方体形状を呈し、上面部１２ｂ ，下面部１２ｃ、両側面部１２ｄに環状に連続する「変形部」としてのビード１ ２ｅが形成されている。このビード１２ｅは、車両前面衝突時に作用する荷重の 入力時に変形するように設定されている。

【００１６】 一方、蓋体１３は、所定の剛性を確保するため、樹脂部材１３ａ内に鉄板製の レインフォース１３ｂが埋設されて形成され、この蓋体１３の下端部が、ヒンジ １４により、ボックス本体１２に回動自在に取り付けられている。

【００１７】 そして、グローブボックス１１の車両において前側には、図示省略のステアリ ングポストを支持するステアリングメンバ６が車幅方向に沿って配設されている 。

【００１８】 次に、作用について説明する。

【００１９】 車両前面衝突時に、図３に示すように、乗員の脚７が蓋体１３に衝突すると、 この蓋体１３は所定の剛性を有しているため、この荷重がボックス本体１２に有 効に伝達され、ボックス本体１２のビード１２ｅがまず変形することにより、こ のボックス本体１２全体が図３中二点鎖線に示すように変形して、衝撃エネルギ ーが吸収されることとなる。

【００２０】 このようにグローブボックス１１のボックス本体１２自体を変形させて衝撃エ ネルギーを吸収するようにしているため、従来のように別途衝撃吸収部材５を用 意する必要がなく、部品点数および取付け作業工数の減少を図ることができる。 また、その衝撃吸収部材５を配設するスペースが必要ないため、その分、ボック ス本体１２を容量を拡大することも可能となる。

【００２１】 なお、上記実施例では、ボックス本体１２に「変形部」としてビード１２ｅを 形成したが、これに限らず、衝突荷重が作用した時に変形するようなものであれ ば、蛇腹状等に形成することもできる。しかも、この実施例では、ビード１２ｅ の変形を起因として、ボックス本体１２の両側面部１２ｄ等の全体が変形するこ とにより、衝撃エネルギーを吸収するようにしているが、これに限らず、変形部 のみの変形により、衝撃エネルギーを吸収するようにしても良いことは勿論であ る。

【００２２】

【考案の効果】

以上説明してきたように、この考案によれば、ボックス本体に変形部を形成し て、グローブボックスのボックス本体自体を変形させて衝撃エネルギーを吸収す るようにしているため、従来のように別途衝撃吸収部材を用意する必要がなく、 部品点数および取付け作業工数の減少を図ることができる。また、その衝撃吸収 部材を配設するスペースが必要ないため、その分、ボックス本体の容量を拡大す ることができる、という実用上有益な効果を発揮する。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案の自動車用グローブボックスの一実施
例を示す要部斜視図である。

【図２】同一実施例を示す鉛直方向に沿う断面図であ
る。

【図３】同一実施例を示す水平方向に沿う断面図であ
る。

【図４】インストルメントパネルを示す正面図である。

【図５】従来例を示す図３に相当する断面図である。

【符号の説明】

11 グローブボックス 12 ボックス本体 12a 開口部 12b 上面部 12c 下面部 12d 側面部 12e ビード（変形部） 13 蓋体

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 自動車のインストルメントパネルに設け
   られ、車室内側に開口部が形成されたボックス本体と、
   該ボックス本体の開口部を開閉する蓋体とを有する自動
   車用グローブボックスにおいて、 車両前面衝突時に作用する荷重の入力時に変形する変形
   部を、前記ボックス本体の上面部，下面部，両側面部に
   連続させて環状に一体成形したことを特徴とする自動車
   用グローブボックス。