JPH0589845U - エンジンのタイミングベルトカバー - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 エンジンのタイミングベルト側の端面近くに
エンジン据付け用のブラケットを設けたい。 【構成】 タイミングベルト室４を覆うタイミングベル
トカバー８を分割して他部より強度の大きい高強度カバ
ー１１を設け、これに据付けブラケット１５を突設し、
該据付けブラケット１５を据付け部に固定する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、往復動型内燃エンジンに用いるタイミングベルトカバーに関する。

【０００２】

【従来の技術】

エンジンのタイミングベルトカバーは、タイミングベルトを外部から遮蔽する ために用いられるものであるから、大きい強度は必要とせず、薄肉で軽量のもの が用いられている。そのため、エンジン据付け用のブラケットをタイミングベル ト側に設けようとするときは、エンジン本体からタイミングベルトカバーを迂回 するブラケットを設けるか、又はエンジン本体からタイミングベルトカバーに内 接する凸部を突出させ、該カバーを通してその外側からこの凸部にブラケットを 固定するなどの手段が用いられている。

【０００３】 しかし、これらの従来技術は、構造が複雑であったり、タイミングベルトカバ ーの取外しが容易に行えないなどの不都合がある。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

本考案は、据付けブラケットの構造が簡単で、タイミングベルトカバーの取外 しが容易に行えるようにすることを課題とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

本考案における前記課題の解決手段は、エンジン本体の端面に沿って張設した タイミングベルトを覆い、前記エンジン本体に固着されるタイミングベルトカバ ーにおいて、該タイミングベルトカバーの長手方向の一部に、幅全体にわたる高 強度部を設け、該高強度部にエンジン据付けブラケットとエンジン本体に対する 取付け部を設けたことを特徴とする。

【０００６】

【作用】 以上の手段を備えるから、前記高強度部は、タイミングベルトカバーの一部と してタイミングベルトを外部から遮蔽すると共にエンジンの重量を支持すること ができ、そのエンジン据付けブラケットを介してエンジン全体を据付け部に支持 させることができる。

【０００７】

【実施例】

以下、本考案の実施例を図面に従って説明する。図１、図２において１は往復 動型内燃エンジンの本体で、その下部にクランク軸２が支持され、上部に動弁用 のカム軸３が支持されてエンジン本体１の端面から突出しており、端面に設けた タイミングベルト室４内で軸２、３に駆動プーリ５と被動プーリ６が固着され、 両プーリ５、６にタイミングベルト７が掛け渡されている。

【０００８】 タイミングベルト室４を覆うタイミングベルトカバー８は、その長手方向に薄 い下部カバー９と上部カバー１０、及び中間に設けられる機械的強度の高い高強 度カバー１１とに分けて形成され、各カバー９、１０、１１の境界には、気密性 を保持するために段状の重合部１２、１３が形成されている。

【０００９】 そして、各カバー９、１０、１１の周辺に設けた取付け部９ａ、１０ａ、１１ ａを通るボルトによってエンジン本体１に固定されるが、取付け部１１ａはエン ジンの重量に耐えるように丈夫に作られる。

【００１０】 前記高強度カバー１１は、図１、図３で明らかなように外方へ膨出する断面形 状を有して内側に凹部１４を有すると共に、その外面に外方へ伸びる据付けブラ ケット１５を備え、該据付けブラケット１５に上下方向に貫通する据付け穴１６ が穿設されており、該据付け穴１６を通るボルトによって、例えば車両のエンジ ンルーム内の据付け部に固定される。

【００１１】 そして、前記凹部１４には上向きのねじ座１７が設けられ、該凹部１４内にク ランク角センサ１８が配置され、該クランク角センサ１８から伸びる固定アーム １８ａをボルト１９でねじ座１７に固定している。クランク角センサ１８は、被 動プーリ６に設けた基準突起２０で作動してクランク角を検出する。

【００１２】 この実施例において、各カバー９、１０、１１は、それぞれ取付け部９ａ、１ ０ａ、１１ａを通るボルトで固定されるので、該ボルトを外しさえすればタイミ ングベルト室を開放することができるから、内部を容易に点検することができる 。また、各カバー９、１０、１１に分割されているので、所要のカバーのボルト を外して上下方向に若干ずらせば、そのカバーのみを外すことができる。例えば クランク角センサ１８を点検したい場合は、上カバー１０を外して更にクランク 角センサ１８を外して点検することができる。

【００１３】 なお、前記実施例は、高強度部を高強度カバー１１によって形成しているが、 タイミングベルトカバー８を分割することなく、１枚のカバーに部分的に厚肉の 高強度部を設け、これに前記据付けブラケット１５を突設させたものとしてもよ い。

【００１４】 次に図４、図５に示すものは、高強度カバー２１の一側に補機取付け部を２２ を設けたもので、この点が前記高強度カバー１１と異なる。補機取付け部２２は 、図５に示すようにＬ型に連設されて外方に向く１対の支持部２３を備え、エン ジン本体１の端面及び側面にボルト２４で固定される。

【００１５】 そして、前記支持部２３とエンジン本体１に突設した支持部２５に、発電機の 如き補機２６のブラケット２７がボルト２８で連結される。したがって、この高 強度カバー２１は、エンジン本体１と補機２６の重量を支持してこれらを据付け 部に固定することができる。

【００１６】

【考案の効果】

以上のように本考案によるときは、タイミングベルトカバーの一部に設けた高 強度部を介してエンジン本体を据付け部に固定できるから、据付け場所がエンジ ンルームの如く狭くても、無駄な空間を生じることなく据付けることができると 共に、構造が簡単で部品数が少ない利点を有する。しかも、この高強度部は、そ の強度及び形状を任意に設定できるから、エンジン据付け用のみならず、補機を 単独又は集中的に配置できる構造のものとすることもできる。

【００１７】 また、高強度部以外の部分は薄肉であるから、タイミングベルトカバーの重量 を実質上増加させない利点を有する。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本考案の一実施例の縦断面図

【図２】 同上平面図

【図３】 同上高強度カバーの平面図

【図４】 別の実施例の正面図

【図５】 同上高強度カバーの平面図

【符号の説明】

１ エンジン本体 ４ タイミング
ベルト室 ７ タイミングベルト ８ タイミング
ベルトカバー ９ 下カバー １０ 上カバー １１、２１ 高強度カバー（高強度部） １５ 据
付けブラケット １６ 据付け穴

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁵ 識別記号 庁内整理番号 ＦＩ 技術表示箇所 Ｆ１６Ｍ 7/00 Ｋ 7049−3Ｇ

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 エンジン本体の端面に沿って張設したタ
   イミングベルトを覆い、前記エンジン本体に固着される
   タイミングベルトカバーにおいて、該タイミングベルト
   カバーの長手方向の一部に、幅全体にわたる高強度部を
   設け、該高強度部にエンジン据付けブラケットとエンジ
   ン本体に対する取付け部を設けたことを特徴とする、エ
   ンジン用タイミングベルトカバー。
2. 【請求項２】 前記高強度部をタイミングベルトカバー
   の一部に分割体として設け、該高強度部に補機類の取付
   け部を設けたことを特徴とする、請求項１のエンジンの
   タイミングベルトカバー。