JPH0586309A - 船底塗料 - Google Patents

船底塗料

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JPH0586309A
JPH0586309A JP24938491A JP24938491A JPH0586309A JP H0586309 A JPH0586309 A JP H0586309A JP 24938491 A JP24938491 A JP 24938491A JP 24938491 A JP24938491 A JP 24938491A JP H0586309 A JPH0586309 A JP H0586309A
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acrylic resin
ship bottom
water
coating film
weight
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JP24938491A
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Atsushi Obayashi
厚 大林
Takashi Takazawa
孝 高沢
Hiroshi Yamagishi
宏 山岸
Nobunari Sugimoto
允成 杉本
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Mitsubishi Kasei Vinyl Co
Original Assignee
Mitsubishi Kasei Vinyl Co
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 船舶の運航に際して、船体の水中摩擦抵抗を
長期間低減させる船底塗料の提供。 【構成】 (a)ガラス転移温度が35〜80℃の範囲
にある疎水性アクリル系樹脂の水系エマルジョン、
(b)シリカゾル、及び(c)疎水性アクリル系樹脂
(a)の架橋剤の三成分を有効成分として含有し、シリ
カゾル(b)の配合量が固形分重量比で、上記疎水性ア
クリル系樹脂に対して0.5〜4.0の範囲にある船底
塗料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、水と船体との摩擦抵抗
低減効果に優れた船底塗料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】船底と水との摩擦抵抗は船舶の推進エネ
ルギー当りの航行距離に極めて大きな影響を及ぼすこと
が知られている。航行中の船底への生物付着は摩擦抵抗
増加の要因として大きなものであるため、これを防止す
るための方法として、例えば、特開昭49−53924
号公報、特開昭49−92178号公報のように、防汚
剤として有機錫化合物、酸化銅、酸化水銀等を被膜形成
樹脂に添加使用する方法、あるいは例えば特開昭60−
250076号公報のように、防汚成分を被膜形成樹脂
と化学的に結合させたものを主成分として用いる方法が
提案されており、実用化されている。
【0003】一方、生物付着以前に船底そのものの摩擦
抵抗を減少させて省エネルギー化を計ろうとする試みも
為されており、例えば特開昭57−28172号公報、
特開昭58−174453号公報には、一般の船底塗料
に水膨潤性物質を配合する方法が提案されている。これ
は海水中塗膜表面に親水コロイドを形成させ、水との親
和性を増すことで摩擦抵抗の低減を図ろうとするもので
ある。しかしながら、このような方法によって形成され
る親水コロイド面は本来粘着性である為に、生物の付着
に対しては逆に助長する傾向にあって、総合的には満足
出来るものではなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、水と
船体との摩擦抵抗低減効果が大幅に向上した船底塗料を
提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】しかして、本発明の要旨
とするところは、(a)ガラス転移温度が35〜80℃
の範囲にある疎水性アクリル系樹脂の水系エマルジョン
(b)シリカゾル及び(c)疎水性アクリル系樹脂の架
橋剤の三成分を有効成分として含有し、シリカゾル
(b)の配合量が固形分重量比で、上記疎水性アクリル
系樹脂に対して0.5〜4.0の範囲にある船底塗料に
存する。
【0006】以下、本発明を詳細に説明する。本発明に
おける疎水性アクリル系樹脂は、そのガラス転移温度
(Tg)が35〜80℃の範囲内のものでなければなら
ない。このようなTgのものは、使用する単量体の種類
及び使用量(配合量)の選択によって得られる。しかし
て使用するアクリル系樹脂のTgが80℃を超えると均
一な塗膜が得られにくい。またTgが35℃に満たない
ときは、シリカゾル粒子が数次凝集して不均一な分散状
態をとりやすく、シリカゾル粒子の塗布基材に対する固
着が充分でないので、時間の経過とともに無機質シリカ
ゾル粒子が基材表面から脱落するなどして摩擦抵抗低減
効果を損ねる。
【0007】本発明では、ガラス転移温度が35〜80
℃の範囲にある疎水性アクリル系樹脂であれば特に限定
されるものではないが、具体的には例えば、少なくとも
合計60重量%のアクリル酸の或いはメタクリル酸のア
ルキルエステル類〔以下これを(メタ)アクリル酸アル
キルエステル類と記す。〕、又は(メタ)アクリル酸ア
ルキルエステル類とアルケニルベンゼン類との単量体か
らなる混合物及び0〜40重量%の共重合しうるその他
のα,β−エチレン性不飽和単量体とを通常の重合条件
に従って、例えば界面活性剤の存在下に、水系媒質中で
乳化重合させて得られる重合体又は共重合体が好ましく
用いられる。
【0008】かかる疎水性アクリル系樹脂に用いられる
(メタ)アクリル酸アルキルエステル類としては、例え
ばアクリル酸メチルエステル、アクリル酸エチルエステ
ル、アクリル酸−n−プロピルエステル、アクリル酸イ
ソプロピルエステル、アクリル酸−n−ブチルエステ
ル、アクリル酸−2−エチルヘキシルエステル、アクリ
ル酸デシルエステル、メタクリル酸メチルエステル、メ
タクリル酸エチルエステル、メタクリル酸−n−プロピ
ルエステル、メタクリル酸イソプロピルエステル、メタ
クリル酸−n−ブチルエステル、メタクリル酸−2−エ
チルヘキシルエステル、メタクリル酸デシルエステル等
が挙げられ、一般には、アルキル基の炭素数が1〜20
個のアクリル酸アルキルエステル及び/又はアルキル基
の炭素数が1〜20個のメタクリル酸アルキルエステル
が使用される。
【0009】また、アルケニルベンゼン類としては、例
えばスチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン等
が挙げられる。アルケニルベンゼン類と、(メタ)アク
リル酸アルキルエステル類との混合物を用いる場合に
は、その他のα,β−エチレン性不飽和単量体の使用量
によっても異なるが、通常当該混合物中の(メタ)アク
リル酸アルキルエステル類の使用割合を10重量%以上
とするのがよい。
【0010】かかる疎水性アクリル系樹脂中のアルケニ
ルベンゼン類単位が70重量%を越えると、塗膜の密着
性が低下するので好ましくない。又、(メタ)アクリル
酸アルキルエステル類、又は(メタ)アクリル酸アルキ
ルエステル類及びアルケニルベンゼン類の混合物の使用
量が60重量%に満たないときは形成塗膜の耐水性が充
分でなく、長期間にわたる摩擦抵抗低減効果を発揮し得
ないので好ましくない。
【0011】共重合しうるその他のα,β−エチレン性
不飽和単量体としては、例えばアクリル酸、メタクリル
酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、クロトン
酸、イタコン酸等のα,β−エチレン性不飽和カルボン
酸類;エチレンスルホン酸のようなα,β−エチレン性
不飽和スルホン酸類;2−アクリルアミド−2−メチル
プロパン酸;α,β−エチレン性不飽和ホスホン酸類;
アクリル酸又はメタクリル酸のヒドロキシエチル等の水
酸基含有ビニル単量体;アクリロニトリル類;アクリル
アマイド類;アクリル酸又はメタクリル酸のグリシジル
エステル類等がある。これら単量体は、単独で用いて
も、又は2種以上の併用でもよく、0〜40重量%の範
囲で使用できる。40重量%を超えると、摩擦抵抗低減
効果を低下させるので好ましくない。
【0012】疎水性アクリル系樹脂の水系エマルジョン
は、従来から知られている乳化重合法により製造するこ
とができる。例えば上記単量体を界面活性剤の存在下、
水系媒質中で、乳化重合させて得られる。本発明の疎水
性アクリル系樹脂を製造する際に用いる界面活性剤とし
ては、陰イオン系界面活性剤、陽イオン系界面活性剤、
非イオン系界面活性剤のいずれであってもよい。
【0013】陰イオン系界面活性剤としては、例えばオ
レイン酸ナトリウム、オレイン酸カリウム等の脂肪酸
塩;ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸アンモニウ
ム等の高級アルコール硫酸エステル類;ドデシルベンゼ
ンスルホン酸ナトリウム、アルキルナフタレンスルホン
酸ナトリウム等のアルキルベンゼンスルホン酸塩及びア
ルキルナフタレンスルホン酸塩;ナフタレンスルホン酸
ホルマリン縮合物;ジアルキルスルホコハク酸塩;ジア
ルキルホスフェート塩;ポリオキシエチレンアルキルエ
ーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルフ
ェニルエーテル硫酸ナトリウム等のポリオキシエチレン
サルフェート塩等がある。
【0014】陽イオン系界面活性剤としては、例えばエ
タノールアミン類;ラウリルアミンアセテート、トリエ
タノールアミンモノステアレートギ酸塩;ステアラミド
エチルジエチルアミン酢酸塩等のアミン塩;ラウリルト
リメチルアンモニウムクロライド、ステアリルトリメチ
ルアンモニウムクロライド、ジラウリルジメチルアンモ
ニウムクロライド、ジステアリルジメチルアンモニウム
クロライド、ラウリルジメチルベンジルアンモニウムク
ロライド、ステアリルジメチルベンジルアンモニウムク
ロライド等の第4級アンモニウム塩等がある。
【0015】非イオン系界面活性剤としては、例えばポ
リオキシエチレンラウリルアルコール、ポリオキシエチ
レンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエ
ーテル等のポリオキシエチレン高級アルコールエーテル
類;ポリオキシエチレンオクチルフェノール、ポリオキ
シエチレンノニルフェノール等のポリオキシエチレンア
ルキルアリールエーテル類;ポリエチレングリコールモ
ノステアレート等のポリオキシエチレンアシルエステル
類;ポリプロピレングリコールエチレンオキサイド付加
物;ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポ
リオキシエチレンソルビタンモノステアレート等のポリ
オキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類;シュガー
エステル類;セルロースエーテル類等がある。
【0016】これらは単独で用いても併用してもよい
が、配合するシリカゾルの種類によって制限をうける。
すなわち、水溶液中で一般に陰電荷に帯電するシリカゾ
ルと陽イオン系界面活性剤、水溶液中で陽電荷に帯電す
る特殊なシリカゾルと陰イオン系界面活性剤との組合せ
は避けるべきである。これらの組合せは、ゾルのゲル化
や船底塗料の凝集・分離を起こしやすく、塗布を困難に
する。
【0017】これら界面活性剤は、単量体の仕込み合計
量に対し0.1〜10重量%の範囲で使用される。10
重量%を超えると乾燥塗膜の耐水性を低下させるので好
ましくない。疎水性アクリル系樹脂の製造に当って用い
られる重合開始剤としては、例えば過硫酸アンモニウ
ム、過硫酸カリウム等の過硫酸塩;アセチルパーオキサ
イド、過酸化ベンゾイル等の有機過酸化物等が挙げられ
る。
【0018】これらは、単量体の仕込み合計量に対して
0.1〜10重量%の範囲で使用される。疎水性アクリ
ル系樹脂を得るための重合方法は、単量体の仕込方法が
回分方式でも、連続送入方式でもよい。また一部を先に
重合したのち、残部を連続的に送入する方式でもよい。
【0019】連続的に送入する単量体は、そのままでも
よいが、水と界面活性剤を用いて単量体分散液として送
入する方式が、きわめて好適である。本発明塗料の構成
成分である疎水性アクリル系樹脂の水系エマルジョンは
上記のような界面活性剤の存在下、乳化重合によって得
られた水系エマルジョンをそのまま使用することもで
き、又はこのものに更に、液状分散媒を加えて希釈した
ものでもよく、また上記のような重合によって生じた重
合体を分別採取し、これを液状分散媒に再分散させて水
系エマルジョンとしたものでもよい。
【0020】本発明の有効成分であるシリカゾルは、船
底に塗布することにより、船底表面にサブミクロンオー
ダーの微細な凹凸を形成すると同時に、親水性を付与す
る機能を果すものである。すなわち、シリカ微粒子が海
水中で水和物を形成し、水との流動性を増す機能を発現
し、これにより摩擦抵抗が効果的に低減する。又、微細
な凹凸面は接触面積の減少により、汚損生物の付着の低
減に寄与する。
【0021】シリカゾルは、シリカ微粒子が水又は水性
媒体中に分散したものであり、シリカ微粒子の平均粒子
径が5〜100mμの範囲のものが好ましい。この範囲
内にあれば、平均粒子径の異なる2種以上のシリカゾル
を組合せて用いてもよい。平均粒子径が100mμを越
えると、塗膜がサブミクロンオーダーの微細な凹凸を形
成しないので好ましくない。また、5mμに満たないと
きは、シリカゾルの安定性に欠ける恐れがあり好ましく
ない。
【0022】シリカゾルの配合量は、固形分重量比でア
クリル系樹脂に対して0.5〜4.0の範囲である。
0.5に満たないときは、充分な防曇効果が発揮できな
い。4.0を超えるときは、摩擦抵抗低減効果が配合量
に比例して向上しないばかりでなく、塗膜が粗雑でぜい
弱になり易くなるので不適である。本発明の船底塗料に
は、さらに架橋剤を配合する。即ちこの架橋剤によって
アクリル系樹脂同士が架橋し、耐水性を向上させること
ができる。
【0023】本発明の塗料に配合される架橋剤として
は、フェノール樹脂類、アミノ樹脂類、アミン化合物
類、アジリジン化合物類、アゾ化合物類、イソシアネー
ト化合物類、エポキシ化合物類、シラン化合物類等が挙
げられるが、特にアミン化合物類、アジリジン化合物
類、エポキシ化合物類が好適である。アミン化合物類と
しては、ジエチレントリアミン、トリエチレンペンタミ
ン、ヘキサメチレンジアミン等の脂肪族ポリアミン;
3,3′−ジメチル−4,4′−ジアミノジシクロヘキ
シルメタン、イソホロンジアミン等の脂環式アミン;
4,4′−ジアミノジフェニルメタン、m−フェニレン
ジアミン等の芳香族アミンが使用される。
【0024】アジリジン化合物類としては、トリス−
2,4,6−(1−アジリジニル)−1,3,5−トリ
アジン、トリメチロールプロパン−トリ−β−アジリジ
ニルプロピオネート、トリス〔1−(2−メチル)アジ
リジニル〕ホスフィンオキシド、ヘキサ〔1−(2−メ
チル)−アジリジニル〕トリホスファトリアジン等が使
用される。
【0025】エポキシ化合物類としては、ビスフェノー
ルA又はビスフェノールFとエピクロルヒドリンとの反
応生成物、フェノール(又は置換フェノール)とホルム
アルデヒドとの樹脂反応生成物とエピクロルヒドリンの
反応により生成されるエポキシ化ノボラック樹脂、エピ
クロルヒドリン及び脂肪族多価アルコール例えばグリセ
ロール、1,4−ブタンジオール、ポリ(オキシプロピ
レン)グリコール又は類似の多価アルコール成分から生
成される樹脂状反応生成物及び過酢酸を用いるエポキシ
化により得られる樹脂等が使用される。エポキシ化合物
類では、さらに三級アミン類や四級アンモニウム塩類を
触媒として併用すると好ましい。
【0026】これら架橋剤は、その添加量がアクリル系
樹脂固形分に対して0.1〜30重量%の範囲で使用で
きる。特に、0.5〜10重量%の範囲が好ましい。本
発明の塗料には必要に応じて更に液状分散媒が配合され
る。かかる液状分散媒としては、水を含む親水性ないし
水混合性溶媒が含まれ、水;メチルアルコール、エチル
アルコール、イソプロピルアルコール等の一価アルコー
ル類;エチレングリコール、ジエチレングリコール、グ
リセリン等の多価アルコール類;ベンジルアルコール等
の環式アルコール類;セロソルブアセテート類;ケトン
類等が挙げられる。
【0027】これら液状分散媒は単独で用いても併用し
てもよいが、本発明に係る船底塗料の分散安定性、船底
表面に塗布した後の濡れ性、液状分散媒除去の難易、経
済性を勘案して決めるのが好ましい。本発明の塗料には
更に必要に応じて、防汚剤、消泡剤、界面活性剤、可塑
剤、造膜助剤、増粘剤、顔料、顔料分散剤等の慣用の添
加剤を混合することができる。
【0028】本発明に係る船底塗料は、船底表面に塗布
し、強制乾燥又は自然乾燥により、液状分散媒を揮散さ
せることができる。塗布するには、ロールコート法、デ
ィップコート法、ハケ塗り法、スプレーコート法、バー
コート法、ナイフコート法等それ自体公知の如何なる方
法によってもよい。
【0029】又、強制乾燥する方法としては、熱風乾燥
法、赤外線輻射法等が採用できる。強制乾燥するときの
加熱温度は、塗布された船底塗料によって決定される
が、50〜250℃、好ましくは70〜200℃の範囲
である。船底表面に船底塗料を塗布し、液状分散媒を乾
燥、除去させた後の固形物の付着量は、0.01〜10
0g/m2、好ましくは0.1〜50g/m2の範囲がよ
い。
【0030】船底表面と、本発明に係る船底塗料に由来
する塗膜との接着性が充分でない場合には、船底塗料を
塗布する前に、船底表面にサンドプラスト処理ないし、
プラズマ処理を施すとか、又はコロナ放電処理を施こす
とか、さらには下塗り剤で処理する等によって船底表面
を改質するのがよい。
【0031】
【発明の効果】本発明に係る船底塗料からなる塗膜は、
親水性でかつ表面が微細な凹凸形状を有しており、これ
により船体と水との摩擦抵抗が低減するので極めて有用
である。
【0032】
【実施例】以下、本発明を実施例にもとづいて詳細に説
明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の例
に限定されるものではない。 実施例1〜5、比較例1〜6
【0033】(1)アクリル系樹脂の調製 製造例1〜8 四ツ口フラスコにポリオキシエチレンラウリルエーテル
2重量部及び水80重量部を仕込んで窒素ガス気流下に
60℃まで加熱し、ここに過硫酸アンモニウム0.5重
量部を添加し、さらに表1に示した各単量体の混合物1
00重量部を3時間にわたって滴下した。この際の反応
温度は60〜70℃の範囲に保持するが、滴下終了後も
同温度範囲に2時間保持してから冷却し、アンモニア水
で中和して、アクリル系樹脂エマルジョンを得た。各樹
脂のガラス転移温度は、表1に示すとおりであった。
【0034】(2)船底塗料の調製 上記製造例において得られた生成物(アクリル系樹脂A
〜Hエマルジョン)に、表2に示した種類及び量のシリ
カゾル、その他を配合し、各種の船底塗料を調製した。
【0035】(3)塗膜の形成及び塗膜の評価 得られた船底塗料を、図1に示した形状のフロート(重
量118.6g、材質スチール)の全表面にディップコ
ート法によって、乾燥後の塗布量(固形分として)が5
g/m2となるように塗布し、90℃の熱風中に1分間滞
留させ、溶媒を除去した。得られたフロートに形成され
た塗膜の性能を、次に記載した方法で評価した。
【0036】密着性 フロートの塗膜形成面にセロハンテープを接着し、この
セロハンテープを剥した後の塗膜の剥離状況を肉眼で観
察した。結果を表3に示す。評価基準は、次のとおりで
ある。 ○ … 塗膜が全く剥離せず、完全に残ったもの。 ○×… 塗膜の2/3以上が剥離せず、残ったもの。 △ … 塗膜の2/3以上が剥離したもの。 × … 塗膜が完全に剥離したもの。
【0037】 塗膜と水との摩擦抵抗及び塗膜の耐水安定性 〔初期〕塗膜を形成させた図1に示す形状のフロート
を、図2に示すようにテーパー管中に挿入しテーパー管
の底部から一定流量(2.0m3/時)の水を流してフロ
ートを浮かせた。フロートが停止したのち、その停止位
置における、フロートとテーパー管内面との間を流れる
水の線速を求めた。線速はフロート最上面の位置におけ
るテーパー管の内部断面積からフロート最上面の面積を
引算して得られる水の流通面積で、水の流量を割ること
により算出した。結果を表3に示す。
【0038】本試験によれば水と摩擦抵抗が小さければ
小さいほど線速は大きくなる(フロートの停止位置はよ
り下方になる)ので、塗膜による摩擦抵抗の低減を相対
的に確認し得るものであり、表3から、本願発明の塗膜
の摩擦抵抗が小さいことがわかる。
【0039】〔温水処理後〕塗膜の耐水安定性の加速試
験として、塗膜を形成させたフロートを60℃の温水中
に2週間及び1ケ月浸漬したのち、初期と同様の方法で
線速を求めた。結果を表3に示す。この結果から、本願
発明の塗膜は、水に長期に浸漬した場合にも摩擦抵抗が
減少せず耐水安定性に優れていることがわかる。
【0040】
【表1】
【0041】
【表2】
【0042】
【表3】
【0043】表1中における略号は、それぞれ以下の意
味を有する。 MMA : メタクリル酸メチル BMA : メタクリル酸n−ブチル iPMA : メタクリル酸イソプロピル EA : アクリル酸エチル St : スチレン EHA : アクリル酸2−エチルヘキシル N−MAA : N−メチロールアクリルアマイド MA : メタクリル酸 AA : アクリル酸 AN : アクリロニトリル HEMA : メタクリル酸2−ヒドロキシエチル
【0044】表2中の*1〜3の注釈は以下の通りであ
る。 *1 アクリル系樹脂の配合量は重合体固形物量で示
し、シリカゾルの配合量は無機質粒子量で示す。 *2 相互薬工(株)製アジリジン系化合物 *3 大日本インキ化学(株)製ビスフェノールAタイ
プエポキシ化合物
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例で用いたフローメータ用のフロートの断
面図である。
【図2】実施例の塗膜と水との摩擦抵抗の評価試験にお
いて、水の線速を求める様子を表わした模式断面図であ
る。
【符号の説明】
1 フロート 2 テーパー管
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 杉本 允成 愛知県名古屋市中村区岩塚町大池2番地 三菱化成ビニル株式会社名古屋工場内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)ガラス転移温度が35〜80℃の
    範囲にある疎水性アクリル系樹脂の水系エマルジョン、
    (b)シリカゾル及び(c)疎水性アクリル系樹脂の架
    橋剤の三成分を有効成分として含有し、シリカゾル
    (b)の配合量が固形分重量比で、上記疎水性アクリル
    系樹脂に対して0.5〜4.0の範囲にある船底塗料。
  2. 【請求項2】 疎水性アクリル系樹脂の水系エマルジョ
    ンが、少なくとも計60重量%の(メタ)アクリル酸ア
    ルキルエステル類又は(メタ)アクリル酸アルキルエス
    テル類とアルケニルベンゼン類との混合物、及び、0〜
    40重量%の共重合し得るその他のα,β−エチレン性
    不飽和単量体とを界面活性剤の存在下、水系媒質中で乳
    化重合させて得られたものである請求項1の船底塗料。
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