JP2006182956A - 防汚剤ペーストを含む水性硬化型防汚塗料組成物 - Google Patents

防汚剤ペーストを含む水性硬化型防汚塗料組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】 硬化した塗膜から防汚剤を放出することができる防汚剤ペーストを含む水性硬化型防汚塗料組成物を提供する。
【解決手段】 酸価10〜300mgKOH/g、数平均分子量1000〜20000の水溶性分散樹脂と防汚剤とを含有する防汚剤ペースト、及び、硬化性を有する水性バインダー成分を含む水性硬化型防汚塗料組成物。
【選択図】 なし

Description

本発明は、防汚剤ペーストを含む水性硬化型防汚塗料組成物に関する。
船舶、漁網、その他の水中構造物には、フジツボ、イガイ、藻類等の海洋生物が付着しやすく、それによって、船舶等では効率のよい運行が妨げられ燃料の浪費を招く等の問題があり、また漁網等では目詰まりが起こったり、耐用年数が短くなる等の問題が生じる。これら水中構造物に対する生物の付着を防止するために、水中構造物の表面に防汚性塗膜を形成することが行われている。このような防汚性塗膜の形成に使用される防汚塗料としては、非硬化型樹脂を含有する溶剤系の塗料組成物が知られている(例えば特許文献1〜5参照)。
近年、多くの塗料分野において有機溶剤の使用量の低減が求められており、各種水性塗料が開発、使用されてきている。しかし、防汚塗料組成物においては、水性化の試みは少なかった。それは以下の理由によるものである。すなわち、水性塗料では水を媒体とするため、それに含まれるバインダーは溶剤型塗料に含まれるものに比べて親水性が高く、そのままでは塗膜が水に溶解してしまうという問題点を有する。一方、この問題を解決するため、塗膜を硬化させれば耐水性は確保できるが、今度は硬化した膜から、防汚剤が溶出できなくなるので塗膜が防汚性を有しなくなるという別の問題点が発生する。このように、防汚塗料を水性化することは、技術的にかなり困難であった。
特許文献6、7には、2価の金属を含有する樹脂と水と塩基性化合物とを含有する組成物が記載されている。しかし、このような樹脂は非硬化型であり、得られる塗膜の耐水性が充分ではなかった。一方、特許文献5には、防汚剤、着色顔料、体質顔料を顔料分散剤でペースト化したものが記載されている。しかし、このものを用いた塗料は硬化性を有するものではなく、当然、塗膜の耐水性は充分ではない。
特開平9−52803号公報 特開平10−59810号公報 特開平11−172159公報 特開2000−109729号公報 特開2003−49123号公報 特開2003−277680号公報 特開2002−371166号公報
本発明は、上記の現状に鑑み、三次元架橋した硬化膜から防汚剤を容易に溶出することができる防汚剤ペースト及び水性バインダー成分からなる水性防汚塗料組成物を提供することを目的とするものである。
本発明は、酸価が10〜300mgKOH/gであり、数平均分子量が1000〜20000である水溶性分散樹脂と防汚剤とを含有する防汚剤ペースト、及び、硬化性を有する水性バインダー成分を含む水性硬化型防汚塗料組成物である。
上記防汚剤ペーストにおける水溶性分散樹脂と防汚剤との固形分質量比が1/99〜50/50であることが好ましい。
上記水性硬化型防汚塗料組成物は、それから得られる塗膜が水中で使用されるものであることが好ましい。
上記水性バインダー成分が付加反応により硬化するものであることが好ましい。
上記水性バインダー成分が、酸化重合により硬化するものであることが好ましい。
上記酸化重合は、高級不飽和脂肪酸由来基が関与するものであることが好ましい。
上記水性バインダー成分は、高級不飽和脂肪酸由来基を有するエマルション樹脂及びドライヤーからなるものであることが好ましい。
上記エマルション樹脂は、高級不飽和脂肪酸由来基を有するエチレン性不飽和単量体の共重合体であることが好ましい。
本発明は、上述の水性硬化型防汚塗料組成物により得られることを特徴とする防汚性塗膜でもある。
本発明は、上述の防汚性塗膜を有することを特徴とする水中構造物でもある。
以下に、本発明を詳細に説明する。
本発明で用いられる防汚剤ペーストは、水溶性分散樹脂と防汚剤とからなるものである。上記防汚剤ペーストを用いることにより、硬化した塗膜から防汚剤を放出することができる。上記水溶性分散樹脂としては特に限定されず、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂等公知の分散樹脂を使用することができるが、酸価が10〜300mgKOH/g、数平均分子量が1000〜20000の範囲内である。
上記酸価が10mgKOH/g未満であると、水溶性が低下して安定性が損なわれることがある。一方、酸価が300mgKOH/gを超えると、樹脂の親水性が高くなりすぎて、塗膜の耐水性が低下することがある。上記上限は、100mgKOH/gであることがより好ましい。
上記数平均分子量が1000未満の場合、分子量が低すぎて充分に防汚剤を分散させることができないおそれがある。また、数平均分子量が20000を超える場合は、水溶性が確保できなくなったり、粘度が高くなりすぎて取り扱いが困難になるおそれがある。上記下限は、5000であることがより好ましく、上記上限は、15000であることがより好ましい。
上記水溶性分散樹脂としては、種々のものが存在するが、顔料分散剤として市販されているものを用いることができる。具体的な商品名としては、ソルスパース20000、ソルスパース27000、ソルスパース41090(以上、アビシア社製)、ディスパービック180、ディスパービック181、ディスパービック182、ディスパービック183、ディスパービック184、ディスパービック190、ディスパービック191、ディスパービック192(以上、ビックケミー社製)、ポリマー450、ポリマー451、ポリマー452、ポリマー453、EFKA−1501、EFKA−1502、EFKA−4540、EFKA−4550(以上、EFKAケミカル社製)、フローレンG−700、フローレンTG−720、フローレン−730W、フローレン740W、フローレン−745W(以上、共栄社化学社製)、ジョンクリル678、ジョンクリル679、ジョンクリル62(以上、ジョンソンポリマー社製)等を挙げることができる。
上記防汚剤としては特に限定されず、公知のものを使用することができ、例えば、無機化合物、金属を含む有機化合物及び金属を含まない有機化合物等を挙げることができる。
上記防汚剤としては特に限定されず、例えば、亜酸化銅、マンガニーズエチレンビスジチオカーバメート、ジンクジメチルカーバーメート、2−メチルチオ−4−t−ブチルアミノ−6−シクロプロピルアミノ−s−トリアジン、2,4,6−テトラクロロイソフタロニトリル、N,N−ジメチルジクロロフェニル尿素、ジンクエチレンビスジチオカーバーメート、ロダン銅、4,5,−ジクロロ−2−n−オクチル−3(2H)イソチアゾロン、N−(フルオロジクロロメチルチオ)フタルイミド、N,N′−ジメチル−N′−フェニル−(N−フルオロジクロロメチルチオ)スルファミド、2−ピリジンチオール−1−オキシド亜鉛塩及び銅塩、テトラメチルチウラムジサルファイド、2,4,6−トリクロロフェニルマレイミド、2,3,5,6−テトラクロロ−4−(メチルスルホニル)ピリジン、3−ヨード−2−プロピルブチルカーバーメート、ジヨードメチルパラトリスルホン、フェニル(ビスピリジル)ビスマスジクロライド、2−(4−チアゾリル)−ベンズイミダゾール、トリフェニルボロンピリジン塩、ステアリルアミン−トリフェニルボロン、ラウリルアミン−トリフェニルボロン等を挙げることができる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらは組み合わせて使用することが、その機能を充分に発現させる点から好ましい。
上記防汚剤ペーストにおいて上記水溶性分散樹脂と上記防汚剤の混合比は、固形分で1/99〜50/50の範囲内であることが好ましい。上記混合比が範囲外であると、防汚剤ペーストの分散粘度が高くなりすぎたり、防汚剤の分散性が低下したりして安定性が不充分となるおそれがある。
上記防汚剤ペーストは、上述の成分以外に、顔料、可塑剤等の慣用の添加剤を添加することができる。
上記顔料としては、例えば、沈降性バリウム、タルク、クレー、白亜、シリカホワイト、アルミナホワイト、ベントナイト等の体質顔料;酸化チタン、酸化ジルコン、塩基性硫酸鉛、酸化スズ、カーボンブラック、黒鉛、ベンガラ、クロムイエロー、フタロシアニングリーン、フタロシアニンブルー、キナクリドン等の着色顔料等を挙げることができる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記防汚剤ペーストが顔料を含む場合、顔料の含有率は50質量%以下であることが好ましい。
上記可塑剤としては、例えば、ジオクチルフタレート、ジメチルフタレート、ジシクロヘキシルフタレート等のフタル酸エステル系可塑剤;アジピン酸イソブチル、セバシン酸ジブチル等の脂肪族二塩基酸エステル系可塑剤;ジエチレングリコールジベンゾエート、ペンタエリスリトールアルキルエステル等のグリコールエステル系可塑剤;トリクレンジリン酸、トリクロロエチルリン酸等のリン酸エステル系可塑剤;エポキシ大豆油、エポキシステアリン酸オクチル等のエポキシ系可塑剤;ジオクチルスズラウリレート、ジブチルスズラウリレート等の有機スズ系可塑剤;トリメリット酸トリオクチル、トリアセチレン等を挙げることができる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記のほか、その他の添加剤としては特に限定されず、例えば、フタル酸モノブチル、コハク酸モノオクチル等の一塩基有機酸、樟脳等;水結合剤、タレ止め剤;色分かれ防止剤;沈降防止剤;消泡剤等を挙げることができる。上記可塑剤及びその他の添加剤の配合量としては特に限定されないが、塗料中20質量%以下であることが好ましい。
上記防汚剤ペーストの調製方法は、例えば、上記水溶性分散樹脂と上記防汚剤とをサンドグラインダーミル等の顔料分散機を用いて混合する方法により得ることができる。
本発明の水性硬化型防汚塗料組成物において、上記防汚剤ペーストは、硬化性を有する水性バインダー成分とともに用いられるため、得られる塗膜が硬化膜となるので耐水性が優れているが、防汚性も優れている。これは、塗膜を水中で使用した場合に、上記防汚剤ペーストに含まれる水溶性分散樹脂が通り道となって防汚剤が溶出するためであると考えられる。
上記防汚剤ペーストは、水性防汚塗料組成物における防汚剤の含有量が、塗料固形分中、下限0.1質量%、上限80質量%の範囲内となるように配合することが好ましい。上記含有量が0.1質量%未満では防汚効果を期待することができず、80質量%を越えると塗膜にクラック、剥離等の欠陥が生じることがある。下限1質量%、上限60質量%であることがより好ましい。
本発明の水性硬化型防汚塗料組成物に含有される水性バインダー成分の硬化性は、塗料の使用形態を考慮すると、常温で硬化するものが好ましい。常温で硬化するものは通常、塗布後、自然乾燥または80℃程度の強制乾燥によって、硬化反応が進行するものであり、当業者によく知られている。
本発明の水性硬化型防汚塗料組成物に含まれる水性バインダー成分は、硬化性を有するものであれば特に限定されず、水溶性樹脂を溶解した溶液、水分散性樹脂を分散させたエマルション樹脂、乳化剤等によって樹脂を強制的に分散させた分散樹脂からなるものであってよい。耐水性、防汚性能等の各種性能という観点から、水分散性樹脂を分散させたエマルション樹脂からなることが特に好ましい。
上記エマルション樹脂は、水に分散・乳化するための官能基及び硬化官能基を含有するものである。上記水に分散・乳化するための官能基としては特に限定されず、例えば、カルボキシル基、スルホン酸基等の酸性基やアミノ基等の塩基性基を挙げることができる。上記水に分散・乳化するための官能基が酸性基である場合、これらの酸性基は、エマルション樹脂の酸価として、300mgKOH/g以下の範囲で含まれることが好ましく、より好ましくは1〜20mgKOH/gである。上記酸性基としては、カルボキシル基が特に好ましい。塩基性基の場合にも、酸性基と同様にして設定することができる。更に、ポリエチレンオキサイドユニットを付加して水に分散・乳化することもできる。
上記水に分散・乳化するための官能基が酸性基である場合、上記エマルション樹脂に塩基を、上記水に分散・乳化するための官能基が塩基性基である場合、上記エマルション樹脂に酸を加えて中和することにより、水に分散・乳化することができる。
上記水性バインダー成分は、硬化反応時に脱離物が発生しないものであるため、付加反応又は酸化重合により常温硬化することが好ましい。このような硬化系としては特に限定されず、例えば、ウレタン/ウレア系、マイケル付加系、カルボジイミド/COOH系等を挙げることができる。
上記ウレタン/ウレア系としては特に限定されず、例えば、硬化剤としてのポリイソシアネート化合物と、水酸基及び/又はアミノ基含有樹脂からなる水性バインダー成分を挙げることができる。上記水酸基及び/又はアミノ基含有樹脂として、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリカーボネート樹脂等を挙げることができ、これらはそれぞれ当業者によく知られたものを使用することができる。
上記ポリイソシアネート化合物としては特に限定されず、例えば、トリレンジイソシアネート(TDI)、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)等の芳香族ジイソシアネート化合物;ヘキサメチレンジイソシアネート(HMDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、2,5−若しくは2,6−ビス(イソシアナートメチル)ビシクロ〔2,2,1〕ヘプタン(ノルボルナンジイソシアネートNBDI)等の脂肪族若しくは脂環族ジイソシアネート化合物;又はこれらジイソシアネート化合物の二量体,三量体及びトリメチロールプロパン付加物等のポリイソシアネート化合物を挙げることができる。これらは反応性を制御するため、一部又は全部が活性水素化合物でブロックされたものであってもよい。上記ブロック剤としては特に限定されず、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、2−エチルヘキサノール、エチレングリコールモノブチルエーテル、シクロヘキサノール等の脂肪族アルコール;フェノール、ニトロフェノール、エチルフェノール等のフェノール類;メチルエチルケトオキシム等のオキシム類;ε−カプロラクタム等のラクタム類等を挙げることができる。
上記水酸基及び/又はアミノ基含有樹脂に含まれる硬化官能基量と上記ポリイソシアネート化合物に含まれる硬化剤官能基量とのモル比は、1/0.05〜1/10の範囲内であることが好ましい。上記モル比が1/0.05未満であると、硬化性が不充分となり、耐水性が低下するおそれがある。上記モル比が1/10を超えると、未反応のポリイソシアネート化合物の量が多くなり、耐水性が低下するおそれがある。上記モル比は、1/0.1〜1/0.6の範囲内であることが耐水性の観点からより好ましい。
上記カルボジイミド/COOH系としては特に限定されず、例えば、硬化官能基としてカルボキシル基を含有するカルボキシル基含有樹脂、及び、硬化剤としてポリカルボジイミド化合物からなる水性バインダー成分を挙げることができる。
上記カルボキシル基含有樹脂としては特に限定されず、例えば、カルボキシル基含有アクリル樹脂、カルボキシル基含有ポリエステル樹脂、カルボキシル基含有アルキド樹脂及びカルボキシル基含有ポリウレタン樹脂等を挙げることができる。上記カルボキシル基含有樹脂がアクリル樹脂である場合、アクリル酸やメタクリル酸といったカルボキシル基を含むエチレン性不飽和単量体を含有する単量体組成物の乳化重合によって得られるエマルション樹脂を使用することが好ましい。
上記ポリカルボジイミド化合物としては、日清紡績社製のV−02等の市販されているものが使用できる。また、先に挙げたポリイソシアネート化合物をカルボジイミド化触媒として知られているホスホレンオキシドを用いてカルボジイミド化して、イソシアネート末端ポリカルボジイミドを得、これを用いて親水化させたものを使用することができる。
上記カルボキシル基含有樹脂に含まれる硬化官能基量と上記ポリカルボジイミド化合物に含まれる硬化剤官能基量とのモル比は、1/0.05〜1/10の範囲内であることが好ましい。上記モル比が1/0.05未満であると、硬化性が不充分となり、耐水性が低下するおそれがある。上記モル比が1/10を超えると、未反応のポリカルボジイミド化合物の量が多くなり、耐水性が低下するおそれがある。上記モル比は、1/0.1〜1/0.6の範囲内であることが耐水性の観点からより好ましい。
上記マイケル付加系としては特に限定されず、例えば、活性メチレン基及び/又は活性メチン基を有する化合物と、α,β−不飽和カルボニル基を複数有する化合物とからなる水性バインダー成分を挙げることができる。
上記活性メチレン基及び/又は活性メチン基を有する化合物としては、例えば、アセト酢酸、マロン酸、シアノ酢酸、及び、これらの誘導体を挙げることができる。上記誘導体としては特に限定されず、例えば、ポリオールと、上述の化合物との反応生成物を挙げることができる。
上記α,β−不飽和カルボニル基を複数有する化合物としては特に限定されず、例えば、1分子当たり2個以上のメタクリレート基及び/又はアクリレート基を有するもの、例えば、カルボニル基に関してα、β炭素間に二重結合があるメタクリレート基及び/又はアクリレート基を2個以上有するもの等を挙げることができる。具体的には、ポリオールの(メタ)アクリル酸エステルを挙げることができ、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、1,4−シクロヘキシルジメタノールジ(メタ)アクリレート、4,4’−イソプロピリデンジシクロヘキサノールジ(メタ)アクリレート、ビス(ヒドロキシメチル)トリシクロ〔5,2,1,0〕デカンジ(メタ)アクリレート、1,3,5−トリス(2−ヒドロキシエチル)シアヌル酸トリ(メタ)アクリレート等;アクリルポリオールのポリ(メタ)アクリレート樹脂、ポリエステルポリオールのポリ(メタ)アクリレート樹脂、ポリエーテルポリオールのポリ(メタ)アクリレート樹脂、エポキシポリオールのポリ(メタ)アクリレート樹脂、ポリウレタンポリオールのポリ(メタ)アクリレート樹脂及びシリコーンポリオールのポリ(メタ)アクリレート樹脂等を挙げることができる。
上記活性メチレン基及び/又は活性メチン基を有する化合物に含まれる硬化官能基量と上記α,β−不飽和カルボニル基を複数有する化合物に含まれる不飽和結合とのモル比は、1/0.05〜1/10の範囲内であることが好ましい。上記モル比が1/0.05未満であると、硬化性が不充分となり、耐水性が低下するおそれがある。上記モル比が1/10を超えると、未反応のα,β−不飽和カルボニル基を複数有する化合物の量が多くなり、耐水性が低下するおそれがある。上記モル比は、1/0.1〜1/0.6の範囲内であることが耐水性の観点からより好ましい。
上記酸化重合するものとしては、高級不飽和脂肪酸由来基が関与するものであることが好ましい。高級不飽和脂肪酸由来基における不飽和結合が酸化重合することによって、長鎖炭化水素基が酸素原子を介して架橋した構造が得られ、防汚剤が溶出しやすくなるため好ましい。これは、上記の架橋構造は他の硬化系により得られる架橋構造に比べて、緩やかな網目状になっているためであると考えられる。
上記高級不飽和脂肪酸由来基を有する樹脂として、例えば、アルキッド樹脂を挙げることができるが、アクリル型のエマルション樹脂であることが好ましい。このような高級不飽和脂肪酸由来基を有するアクリルエマルション樹脂は、高級不飽和脂肪酸由来基を有するエチレン性不飽和単量体を含有する単量体組成物の乳化重合によって得ることができる。
上記高級不飽和脂肪酸由来基を有するエチレン性不飽和単量体としては特に限定されず、例えば、高級不飽和脂肪酸とグリシジル基含有エチレン性不飽和単量体との反応によって得られるもの等を挙げることができる。上記高級不飽和脂肪酸としては特に限定されず、例えば、ミリストレイン酸、パルミトレイン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレイン酸、リシノール酸等を挙げることができる。更に、亜麻仁油脂肪酸、サフラワー油脂肪酸、大豆油脂肪酸、米糠油脂肪酸、胡麻油脂肪酸、ひまし油脂肪酸、脱水ひまし油脂肪酸、エノ油脂肪酸、麻実油脂肪酸、綿実油脂肪酸、トール脂肪酸等の非共役二重結合を有する乾性油脂肪酸、半乾性油脂肪酸等を挙げることもできる。なお、桐油脂肪酸等の共役二重結合を有する脂肪酸を一部併用することができる。
上記高級不飽和脂肪酸の炭化水素部分の平均炭素数は、13〜23であることが好ましい。
上記グリシジル基含有エチレン性不飽和単量体としては特に限定されず、例えば、グリシジルアクリレート、グリシジルメタアクリレート、メチルグリシジルアクリレート、メチルグリシジルメタアクリレート等を挙げることができる。
上記高級不飽和脂肪酸由来基を有するエチレン性不飽和単量体のヨウ素価は、60〜180であることが好ましく、70〜150であることがより好ましい。
上記高級不飽和脂肪酸由来基を有するエマルション樹脂は上述の範囲となる酸価を有することが好ましく、カルボキシル基を有するエチレン性不飽和単量体を所望量含有する単量体組成物を重合することによって得られる。上記カルボキシル基を有するエチレン性不飽和単量体としては特に限定されず、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、フマル酸、マレイン酸等の不飽和カルボン酸;無水マレイン酸等の不飽和カルボン酸の無水物;イタコン酸、フマル酸、マレイン酸等の不飽和カルボン酸の半エステル化物等を挙げることができる。
上記高級不飽和脂肪酸由来基を有するエマルション樹脂は、数平均分子量が3000以上であることが好ましい。上記数平均分子量が3000未満であると、耐水性が低下するおそれがあるため好ましくない。上記数平均分子量は、10000以上であることがより好ましい。上記数平均分子量は、連鎖移動剤を使用したり、重合開始剤量、重合温度等を調整して樹脂の重合を行うことにより適宜目的とする範囲に調整することができる。また、上記高級不飽和脂肪酸由来基を有するエマルション樹脂のヨウ素価は、5〜100であることが好ましい。上記ヨウ素価が100を超えると、塗膜表面の乾燥が早過ぎるため、充分な効果が得られない。
上記高級不飽和脂肪酸由来基を有するエマルション樹脂の製造には、上記単量体の他にその他の単量体を使用することができる。上記その他の単量体としては、エチレン性の不飽和単量体を挙げることができ、例えば、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル〔以後単に(メタ)アクリル酸エステルのように表すことがある。〕、スチレン、ビニルトルエン等の芳香族単量体、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、パーサチック酸ビニル等のビニルエステル類、(メタ)アクリロニトリル等のシアン化ビニル類、塩化ビニル、塩化ビニリデン等のハロゲン化ビニル類、ブタジエン等がある。さらに種々の官能性単量体、例えば、(メタ)アクリルアミド、ビニルピロリドン、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、N−メチロールアクリルアミド、N−ブトキシメチルアクリルアミド、メタクリル酸アシッドホスホオキシエチル、メタクリル酸3−クロロ−2−アシッドホスホオキシプロピル、メチルプロパンスルホン酸アクリルアミド、ジビニルベンゼン、(ポリ) オキシエチレンモノ(メタ) アクリレート、(ポリ) プロピレングリコール(メタ) アクリレート、(メタ) アクリル酸アリル、(ポリ) オキシエチレンジ(メタ)アクリレート、トリメチロルプロパントリ(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸ジエチルアミノエチル、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン等を挙げることができる。
上記アクリル酸エステル又はメタクリル酸エステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ドデシル等を挙げることができる。
上記高級不飽和脂肪酸由来基を有するエマルション樹脂を製造する手段としては、従来公知の乳化重合が好ましい。その理由は、導入する官能基量の制御が容易であり、この方法で得られる樹脂の分子量が比較的高いため、硬化反応による高分子量化の効果が大きく、耐水性の向上及び高固形分化への対応も可能になるためである。上記従来公知の乳化重合としては、具体的には、上記単量体組成物を、例えば、水、又は、必要に応じてアルコール等のような有機溶剤を含む水性媒体中で反応性乳化剤を用いて予め乳化しておき、これを加熱攪拌下、重合開始剤とともに滴下する方法等を挙げることができる。上記反応性乳化剤としては特に限定されず、アニオン型、カチオン型、ノニオン型のいずれであってもよい。上記反応性乳化剤としては、例えば、エレミノールJSシリーズ(三洋化成社製)、ラテムルS及びKシリーズ(花王社製)、アクアロンHSシリーズ(第一工業製薬社製)、アデカリアソープシリーズ(旭電化社製)、アントックスMS−60(日本乳化剤社製)等の市販の製品を使用することができる。
上記重合開始剤としては特に限定されず、例えば、アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)等のアゾ系の油性化合物、アニオン系の4,4’−アゾビス(4−シアノ吉草酸)、2,2’−アゾビス(N−(2−カルボキシエチル)−2−メチルプロピオンアミジン)等の水性化合物、ベンゾイルパーオキサイド、パラクロロベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、t−ブチルパーベンゾエート等のレドックス系の油性過酸化物、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の水性過酸化物等を挙げることができる。
上記高級不飽和脂肪酸基を有するエマルション樹脂の平均粒子径は、例えば、50〜600nmの範囲内でよい。上記平均粒子径が上記範囲外であると、分散性が低下し、水性防汚塗料組成物の安定性が不充分となる等のおそれがある。
上記水性バインダー成分が酸化重合反応により硬化するものである場合、更にドライヤーを含有することが好ましい。上記ドライヤーは、上記高級不飽和脂肪酸由来基の不飽和結合を架橋させるための働きをするものである。上記ドライヤーとしては、通常、塗料用として慣用されているものであれば特に限定されないが、なかでもコバルト、バナジウム、マンガン、セリウム、鉛、鉄、カルシウム、亜鉛、ジルコニウム、セリウム、ニッケル、及び、スズ等のナフテン酸塩、オクチル酸塩、樹脂酸塩等を挙げることができる。上記ドライヤーの配合量は、通常、樹脂固形分100質量部に対して0.005〜5質量部である。
本発明の水性硬化型防汚塗料組成物は、例えば、水性バインダー成分に防汚剤ペーストを添加し、必要に応じて更に可塑剤、塗膜消耗調整剤、顔料等の慣用の添加剤を添加し、ディスパー等の攪拌手段により、混合して調製することができる。なお、上述したように、上記慣用の添加剤については、その一部又は全部を上記防汚剤ペースト製造時に併用することで、ぺースト中に含有させることも可能である
上記水性硬化型防汚塗料組成物は、不揮発分量が10〜90質量%であることが好ましい。上記不揮発分量が10質量%未満であると、厚膜化が困難となる場合がある。上記不揮発分量が90質量%を超えると、塗装時の粘度調整が困難となるおそれがある。
上記水性硬化型防汚塗料組成物は、PWCが50〜90質量%であることが好ましい。上記PWCが50質量%未満であると、硬化性が低下するおそれがある。一方、上記PWCが90質量%を超えると、造膜性が低下するおそれがある。
本発明の水性硬化型防汚塗料組成物は、常法に従って被塗物の表面に塗布することによって、塗膜を形成することができるものであり、このようにして得られる塗膜は、硬化しているため、耐水性に優れている。また、上記水性硬化型防汚塗料組成物は、防汚剤を水溶性分散樹脂に分散させた防汚剤ペーストとして含有するため、防汚剤が水中で経時的に放出され、安定に防汚効果を発揮することができるものである。上記防汚剤ペーストは水溶性分散樹脂を含んでいるため、得られた塗膜を水中においたとき、水溶性分散樹脂が存在する部分が通り道となり、その結果、近傍に位置する防汚剤が水中に溶出して防汚効果が発現することができる。このようにして得られる防汚効果は、塗膜が緩やかな網目状の架橋状態になっていると類推される、長鎖炭化水素基同士が架橋した構造を持つ酸化重合系の場合に大きくなる。上記水性防汚塗料組成物を塗布することにより得られる防汚性塗膜も本発明の1つであり、上記防汚性塗膜を有する水中構造物も本発明の一つである。
上記防汚性塗膜は、例えば、浸漬法、スプレー法、ハケ塗り、ローラー等の従来公知の方法により上記水性防汚塗料組成物を塗布することによって形成することができる。塗布後、室温にて放置して乾燥させるか、又は、80℃程度の強制乾燥を数時間〜1日程度行なってもよい。上記塗膜の乾燥膜厚は、下限30μm、上限500μmの範囲内であることが好ましい。上記乾燥膜厚が上記範囲内であると、耐水性と防汚性のバランスが良好であるため好ましい。
上記水中構造物としては特に限定されず、例えば、船舶、配管材料、漁網等を挙げることができる。
本発明により、耐水性に優れ、かつ良好な防汚効果を有する水性硬化型塗料組成物を得ることができた。上記水性硬化型塗料組成物により得られる防汚性塗膜は、上述の効果を有するため、幅広く水中構造物に適用することができる。
以下本発明について実施例を掲げて更に詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。また実施例中、「部」は特に断りのない限り「質量部」を意味する。
製造例1
高級不飽和脂肪酸由来基含有エマルション樹脂の製造
グリシジルメタクリレートの大豆油脂肪酸付加体10部、メタクリル酸メチル30部、アクリル酸エチル20部、アクリル酸n−ブチル30部、スチレン9部、メタクリル酸1部からなるモノマー混合物を、イオン交換水60部とアクアロンHS−10(第一工業製薬社製アニオン系反応性乳化剤)6部とを混合して得られた溶液に加えた後、攪拌機を用いて乳化することにより、モノマー混合物のプレエマルションを得た。また、過硫酸アンモニウム0.3部をイオン交換水17部に溶解させ、開始剤水溶液を得た。
滴下ロート、温度計、窒素導入管、還流冷却器及び攪拌機を備えた反応容器に、イオン交換水70部にアクアロンHS−10を2部仕込み、窒素雰囲気下で80℃に昇温した。次に、得られたプレエマルションと開始剤水溶液とを別個の滴下ロートから3時間かけて同時に滴下した。滴下終了後、同温度でさらに2時間反応を継続した。冷却後、イオン交換水7部とジメチルエタノールアミン1部とからなる塩基性中和剤水溶液により中和した。得られた高級不飽和脂肪酸由来基含有エマルション樹脂は、固形分質量40%、平均粒子径が90nmであった。
製造例2
カルボキシル基含有エマルション樹脂の製造
メタクリル酸メチル36部、アクリル酸エチル20部、アクリル酸n−ブチル30部、スチレン10部、メタクリル酸10部からなるモノマー混合物を、イオン交換水60部とアクアロンHS−10(第一工業製薬社製アニオン系反応性乳化剤)6部とを混合して得られた溶液に加えた後、攪拌機を用いて乳化することにより、モノマー混合物のプレエマルションを得た。また、過硫酸アンモニウム0.3部をイオン交換水17部に溶解させ、開始剤水溶液を得た。
滴下ロート、温度計、窒素導入管、還流冷却器及び攪拌機を備えた反応容器に、イオン交換水70部にアクアロンHS−10を2部仕込み、窒素雰囲気下で80℃に昇温した。次に、得られたプレエマルションと開始剤水溶液とを別個の滴下ロートから3時間かけて同時に滴下した。滴下終了後、同温度でさらに2時間反応を継続した。冷却後、イオン交換水7部とジメチルエタノールアミン1部とからなる塩基性中和剤水溶液により中和した。
得られたカルボキシル基含有エマルション樹脂は、固形分質量40%、平均粒子径が90nmであった。
製造例3
防汚剤ペーストの製造
脱イオン水20部に対し、亜酸化銅40部、ジンクピリチオン5部、亜鉛華5部、ベンガラ5部、タルク5部を加え、更に、顔料分散剤としてのBYK−190(ビックケミー社製)20部及び消泡剤としてBYK−019(ビックケミー社製)を加え、サンドグラインダーミルで分散することにより、固形分76.5質量%、PWC92%、粒度20μmの防汚剤ペーストを得た。
実施例1〜4
表1に示した配合成分と、防汚剤ペーストを順次加えて水性硬化型防汚塗料組成物を得た。次に、得られた塗料組成物を25℃におけるストーマー粘度計での粘度が90KUとなるようにイオン交換水にて粘度調整した。
この塗料組成物を、サンドペーパー(粒度240)で目荒らししたFRP板(100×300×3mm、ゲルコート処理あり)に、乾燥膜厚が400μmとなるように刷毛で塗装を行なった。塗装後、温度20℃、相対湿度65%の雰囲気中に1日放置することにより試験塗板を得た。更に、実施例と同様にして試験塗板を得た。
比較例1〜3
表1に示した配合成分と防汚剤又は防汚剤ペーストとを順次加えて、比較用の水性硬化型防汚塗料組成物2種類と水性非硬化型防汚塗料組成物とを得た。更に実施例と同様にして試験塗板を得た。
Figure 2006182956
得られた各試験塗板について、以下の基準により耐水性、及び、防汚性を評価した。
〈耐水性及び防汚性〉
試験塗板を岡山県玉野市・日本ペイント株式会社臨海研究所において海中筏から水深1mに垂下浸漬し、1ヶ月及び6ヶ月後の塗膜の表面状態を目視にて観察した。結果を表1に示す。
耐水性に関しては以下の基準で評価した
○:異常なし
△:わずかにフクレが見られる
×:全面にフクレが見られる
防汚性については以下の基準で評価した。
◎:付着生物なし
〇:除去容易なスライムのみ付着
△:試験板面積の10%未満に動植物付着
×:試験板面積の10%以上50%未満に動植物付着あり
××:試験板面積の50%以上に動植物付着あり
表1より、実施例により得られた塗膜は、耐水性に優れるとともに、防汚性も優れていることが確認できた。特に酸化重合系の硬化系の実施例1は、他の付加重合の硬化系より、防汚性が優れていた。
一方、防汚剤ペーストを用いない比較例1および2では、耐水性には問題がなかったものの、防汚性が劣っており、非硬化系である比較例2では、耐水性に問題があることが明らかになった。
本発明の水性硬化型防汚塗料組成物は、硬化性を有する水性バインダー成分及び防汚剤ペーストからなるものであるため、耐水性に優れ、かつ防汚効果も良好な塗膜を形成することができることから、幅広く水中構造物に適用することができる。

Claims (10)

  1. 酸価が10〜300mgKOH/gであり、数平均分子量が1000〜20000である水溶性分散樹脂と防汚剤とを含有する防汚剤ペースト、及び、硬化性を有する水性バインダー成分を含む水性硬化型防汚塗料組成物。
  2. 防汚剤ペーストにおける水溶性分散樹脂と防汚剤との固形分質量比が1/99〜50/50である請求項1記載の水性硬化型防汚塗料組成物。
  3. それから得られる塗膜が水中で使用されるものであることを特徴とする請求項1又は2記載の水性硬化型防汚塗料組成物。
  4. 水性バインダー成分が付加反応により硬化するものである請求項1、2又は3記載の水性硬化型防汚塗料組成物。
  5. 水性バインダー成分が、酸化重合により硬化するものである請求項1、2又は3記載の水性硬化型防汚塗料組成物。
  6. 酸化重合は、高級不飽和脂肪酸由来基が関与するものである請求項5記載の水性硬化型防汚塗料組成物。
  7. 水性バインダー成分は、高級不飽和脂肪酸由来基を有するエマルション樹脂及びドライヤーからなるものである請求項6記載の水性硬化型防汚塗料組成物。
  8. エマルション樹脂は、高級不飽和脂肪酸由来基を有するエチレン性不飽和単量体の共重合体である請求項7記載の水性硬化型防汚塗料組成物。
  9. 請求項1、2、3、4、5、6、7又は8記載の水性硬化型防汚塗料組成物により得られることを特徴とする防汚性塗膜。
  10. 請求項9記載の防汚性塗膜を有することを特徴とする水中構造物。
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