JPS638462A - 水棲生物付着防止用表面処理剤 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 ［発明の技術分野］ 本発明は、水中に設置される各種構築物、漁網、船舶に
水棲生物が付着することを防止するための表面処理剤に
関する。

［発明の技術的背景とその問題点］ 水中構築物、漁網、船舶をはじめ水中で長期間使用する
物品には、使用中に水棲生物か付着し繁殖して、汚損す
るばかりでなく、その機能に悪影響を与えることがある
。

養殖産業では、網を海中に長期間固定してあくため、網
にアオノリ、ミド口、ホヤ、イガイ、フジッボ等の水棲
生物が付着し、網目が閉塞されて海水の流通が疎外され
、その結果養殖魚の発育に致命的な影響を与えることが
ある。また定置網漁業の場合は、水棲生物の付着によっ
て、潮の流れが変化したり、落網（箱網）の網おこし作
業が困難になったりする。またバクテリア類の繁殖によ
り水中溝築物の腐敗、物性劣化がおこって著しく寿命が
低下したりする等の被害が生じる。

従来より、このような被害を回避するために使用される
防汚剤としては、有機塩素系化合物、亜酸化銅、有機ス
ズ化合物等が知られている。この中では、有機スズ化合
物が特に優れた防汚効果があり、漁網や船底の塗料とし
て広く用いられている。しかしながら、有機塩素系化合
物は、汚損生物への活性スペクトルが狭く、また亜酸化
銅は、海水中のバクテリアにより硫化物に変化するため
、防汚効果が短期間のうちに低下する等の欠点を有して
いた。また有機スズ化合物は、毒性が高すぎるために、
ノ１ハホタテ貝、アワビ等の養殖に用いると、ノリ芽や
稚貝が死滅するという問題力鳴り使用範囲が限られてい
る。ざらに、有機スズ化合物は、刺激性が強く皮膚に触
れると炎症をおこす等、安全行ｊ生面で問題があるのみ
ならず、海水中に流出して海洋を汚染し、奇形魚の発生
やまた人体への残留性がおるなど、環境保安上の重大な
問題となっている。

そのため有機スズ化合物を含有することなく、浸れた防
汚効果を示す処理剤が求められていた。

本発明者らは先に、第４＠アンモニウム塩の存在下で乳
化重合を行なって得られた架橋型シリコーンエマルジョ
ンがこの目的に、極めて有効であることを見出した（特
開昭６０−２３７００３＠公報）。この防汚剤は、重金
属を含有せず、毒性が極めて低いという特徴があるが、
塗膜の密着性、強度か共に高くないことと、第４＠アン
モニウム塩が溶出してしまった後にはかえって藻類が付
着してしまうことから長期間の苛酷な使用には適さなか
った。

［発明の目的］ 本発明は、膜形成能、密着性および安定性に浸れ、しか
も毒性が低く環境に悪影響を与えることなく、漁網等へ
の水棲生物の付着を防止し１ｑる表面処理剤を提供する
ことを目的とする。

［発明の構成］ 本発明者らは、第４扱アンモニウム塩とアルミナゾルを
含有したアクリル系エマルジョンが、従来技術の問題点
を解決して上記の目的を達成しうろことを見出して本発
明をなすに至った。

すなわち本発明は、 （Ａ）（メタ〉アクリル酸およびこれらのエステルから
なるモノマーの１種または２種以上から重合して得られ
るアクリル系ポリマーのエマルジョンをポリマー分で１
００重量部、 （Ｂ）第４扱アンモニウム塩型界面活性剤０．１〜８０
重量部および （Ｃ）アルミナゾルを（Ａ＞のポリマー分と（Ｂ）の第
４扱アンモニウム塩型界面活性剤の合計量に対して酸化
アルミニウム分で０．１〜３０重量％からなることを特
徴とする水棲生物付着防止用表面処理剤に関するもので
ある。

本発明で用いられる（Ａ＞成分は、非処理体の表面に表
面処理剤の良好な被膜を形成するためのもので、アクリ
ル系ポリマーのエマルジョンであり、さらに詳しくは、
アクリル酸またはメタクリルｍ１−３よびこれらのエス
テルからなるモノマ〜の１種または２種以上を乳化重合
等により製造して１ｑられるエマルジョンでおる。この
エマルジョンの製造に用いられるモノマーとしては、ア
クリル酸ニアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アク
リル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ヘキシ
ル、アクリル酸−２−エチルヘキシル、アクリル酸−２
−ヒドロキシエチル、アクリル酸−２−メトキシエチル
、アクリル酸−２−エトキシエチル、アクリル酸−２−
ブトキシエチル、アクリル酸−２−クロロエチル、アク
リル酸フェネチル、アクリル１−ｐ−（Ｎ−フェニルホ
ルムイミドキシル）フェニル等のモノエステル：エチレ
ングリコールジアクリレート、トリメチロールプロパン
トリアクリレート等の多価アルコールエステル：グリシ
シルアクリレート、ｒ−アクリロキシプロピルトリメト
キシシラン、γ−アクリロキシプロピルトリエトキシシ
ラン等の栗５矯性エステル：およびこれらに対応するメ
タクリル酸ないしメタクリル酸エステルが示される。

このようなアク１ノル系ポリマーのエマルジョンは、た
とえば前述のモノマーの単独または２種以上を混合した
ものを、アルキル硫酸ナトリウム、アルキルベンゼンス
ルホン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエー
テル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルフェ
ニルエーテル硫酸ナトリウムのようなアニオン系界面活
性剤；アルキルトリメチルアンモニウム塩、ジアルキル
ジメチルアンモニウム塩、アルキルベンジルジメチルア
ンモニウム塩のようなカチオン系界面活性剤、および必
要に応じてポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテ
ルのようなノニオン系界面活性剤を、乳化剤として用い
て水中に乳化させ、ざらに有機過酸化物、アゾビス（２
−アミン）プロパンニ塩基酸、過硫酸塩のような反応開
始剤によって乳化重合させて得ることができる。

本発明で用いられる（Ｂ）成分の第４級アンモニウム塩
型界面活性剤は、貝類、藻類のような水棲生物の付着や
増殖を防止する効果をもつものである。このような第４
級アンモニウム塩としては、セチルトリメチルアンモニ
ウムクロリド、ステアリルトリメチルアンモニウムクロ
リドのようなアルキルトリメチルアンモニウム塩；ジオ
クチルジメチルアンモニウムクロリド、ジデシルジメチ
ルアンモニウムクロリド、ジラウリルジメチルアンモニ
ウムクロリド、シミリスチルジメチルアンモニウムクロ
リド、ジデシルジメチルアンモニウムクロリド、ジステ
アリルジメチルアンモニウムクロリドのようなジアルキ
ルジメチルアンモニウム塩：セチルベンジルジメチルア
ンモニウムクロリド、ステアリルベンジルジメチルアン
モニウムクロリドのようなアルキルベンジルジメチルア
ンモニウム塩が示される。

（Ｂ）成分の使用量は、（Ａ＞成分中のポリマー成分１
００重ｄ部に対して０．１〜８０重■部、好ましくは５
〜５０重量部でおる。（Ｂ）成分の量が０．１重量部未
満では、水棲生物の付着を防止する効果が不十分であり
、また８０重量部を越えると表面処理剤の安定性が低下
し不適当である。

なお、（Ａ＞のアクリル系ポリマーのエマルジョンを得
る際の乳化剤として第４級アンモニウム塩型界面活性剤
を用いることがおるが、乳化剤として用いた第４級アン
モニウム塩型界面活性剤は系中に残存するので、この場
合前記範囲の量の中にこの量を含めて考える。

本発明で用いられる（Ｃ）成分のアルミナゾルは、表面
処理剤の非処理体に対する密着性の向上に有効なもので
、酸化アルミニウム含有量が５〜２０重量％の水性分散
液として、通常使用されているものでおる。

（Ｃ）成分の配合Ｎ（酸化アルミニウム換算）は、（Ａ
＞成分中のポリマー分と（Ｂ）成分の合計量に対して、
酸化アルミニウム分て０．１〜３０重量％、好ましくは
１〜２０重量％でおる。前記の（Ｃ）成分の量が０．１
重量％以下では、処理体への密着性を向上させる効果が
不十分であり、また３０重量％を越えると表面処理剤の
安定性が低下し、ざらに硬化して形成された被膜が固く
なり、特に魚網に処理を行なう場合には、漁網の風合が
固くなり不都合である。

本発明の表面処理剤は、乳化重合等の方法によって得ら
れた（Ａ＞成分に（Ｂ）成分と（Ｃ）成分を配合して得
ることができる。本発明の表面処理剤には、さらに保存
安定剤としてポリオキシエチレンアルキルプロピレンジ
アミン等を配合することもできる。

［発明の効果］ 本発明によれば、有機スズ化合物のような環境を汚染す
る特性物質を用いることなく、養殖等に悪影響を及ぼさ
ず、かつ水棲生物の付着を有効に防止できる表面処理剤
を提供することができる。

本発明の表面処理剤は、漁網、船底および冷却水配管、
ブイ、ダムゲート、養殖Ｅ、設等の水中構築物に広く適
用することができる。

［発明の実施例］ 以下、本発明を実施例によってさらに詳しく説明する。

なお、以下の文中の部は重量部を表わす。

（アクリル系共重合体エマルジョンの製造）第１表に示
す（メタ）アクリル酸系モノマーを混合して七ツマー混
合物を得た。またそれとは別に、第１表に示す界面活ｊ
生剤、反応開始剤および水を均一に混合して、その中に
先のモノマー混合物を加え、１次圧４００ｋｇ　／　ｃ
ｌ　、　２次圧５０ｋｇ／ｃＪに設定した加圧式ホモジ
ナイザーに通してエマルジョンを得た。これを撹拌しつ
つ７５℃の温度で５時間保つことによって重合し、アク
リル系共重合体のエマルジョンＥＭ−１〜ＥＭ−５を得
た。各アクリル系共重合体エマルジョンの組成を第１表
に示す。

（以下余白） 実施例１〜７ 以上のようにして得たアクリル系共重合体のエマルジョ
ンＥＭ−１〜ＥＭ−５を若干の水で希釈し、酸化アルミ
ニウム分１０％のアルミナゾルと第４級アンモニウム塩
と安定剤を第２表に示す配合比で均一に混合して、本発
明の表面処理剤を調整した。

なお、比較例１として、第４級アンモニウム塩を含まな
いものと、比較例２としてアルミナゾルを含まないもの
を、それ以外は実施例１と同様の方法で調整した。各表
面処理剤の組成を第２表に示す。

（以下余白） また比較例３として、下記の方法により表面処理剤を調
整した。

γ−［Ｎ−（β−アミノエチル）アミノコプロピルトリ
メトキシシランとβ−（３，４−エポキシシクロヘキシ
ル）エチルトリエトキシシランとの等モル反応物１０部
と、両末端がシラノール基で閉塞され、２５°Ｃにあけ
る粘度が２００ｃＳｔのポリジメチルシロキサン９０部
を、８０’Ｃで３時間反応させ、無色透明状のベースオ
イルＦを得た。ベースオイルＦ８部、オクタメチルシク
ロテトラシロキサン２７部、ジステアリルジメチルアン
モニウムクロリド５部、水５９．５部および水酸化カリ
ウム０．５部を撹拌混合し、得られた混合物をミル間隔
を１０ｍ１ｌに設定したコロイドミルに通すことによっ
て処理を行ない、得られた化合物を７５°Ｃで３時間加
熱撹拌した。撹拌しながら４０°Ｃまて冷却した後、塩
酸を用いて中和し、組成物を得た。

以上のように調整した各表面処理剤を用いて、下記の要
領で密着性と水棲生物の付着性の試験を行なった。

（密着性試験） 乾燥塗膜が２００μ■になるように、硬質塩化ビニル板
およびステンレス鋼板（ＳＯ３３０４）に塗布し、十分
に風乾した後、基盤回状に１＋ｎｍ間隔のキズを付け、
粘着テープを圧着した後引剥がして、密着性の試験を行
なった。試験は、それぞれ３つの試料について行ない平
均を求めた。その結果を第３表に示す。

（水棲生物の付着性） 硬質ポリ塩化ビニル仮およびポリエステル漁網を下記の
方法で、各表面処理剤で処理して試料を作成した。

■　硬質ポリ塩化ビニル板 ２００市ｘ　２００ｍｍＸ　３韮の硬質ポリ塩化ビニル
板に、乾燥膜厚が２００μｍになるように表面処理剤を
塗布した。

■　ポリエステル漁網 一辺の流さが５００ＩｌｌＴＩｌの正方形で網目の大き
ざが７節のポリエステル漁網を表面処理剤に浸漬し、取
出して十分に風乾した後、ポリ塩化ビニル製のフレーム
に取付けた。

これらの試料と比較例４として無処理の試料をそれぞれ
富山湾沖の海中に沈め、貝類および藻類のイ寸看］大態
を５力月に渡って観察した。

硬質ポリ塩化ビニル板への生物の付着面積比を第４表に
示す。

また漁網への付着状態および網目の閉塞状態を第５表に
示す。

（以下余白） 第　　３　　表 第　　４　　表 （注）　＊　す腹の一部剥離 第５８ 各試験結果が示すように、本発明による表面処理剤は、
長期間において安定した水棲生物の付着防止効果を発揮
する。

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. （１）（Ａ）（メタ）アクリル酸およびこれらのエステ
   ルからなるモノマーの１種または２種以上から重合して
   得られるアクリル系ポリマーのエマルジョンをポリマー
   分で１００重量部、 （Ｂ）第４級アンモニウム塩型界面活性剤 ０．１〜８０重量部および （Ｃ）アルミナゾルを（Ａ）のポリマー分 と（Ｂ）の第４級アンモニウム塩型界面活性剤の合計量
   に対して酸化アルミニウム分で０．１〜３０重量％ からなることを特徴とする水棲生物付着防止用表面処理
   剤。
2. （２）（Ｂ）の第４級アンモニウム塩型界面活性剤の量
   が５〜５０重量部である特許請求の範囲第１項記載の水
   棲生物付着防止用表面処理剤。
3. （３）（Ｃ）のアルミナゾルの量が（Ａ）のポリマー分
   と（Ｂ）の第４級アンモニウム塩型界面活性剤の合計量
   に対して酸化アルミニウム分で１〜２０重量％である特
   許請求の範囲第１項記載の水棲生物付着防止用表面処理
   剤。