JPH0576764B2 - - Google Patents

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JPH0576764B2
JPH0576764B2 JP58171376A JP17137683A JPH0576764B2 JP H0576764 B2 JPH0576764 B2 JP H0576764B2 JP 58171376 A JP58171376 A JP 58171376A JP 17137683 A JP17137683 A JP 17137683A JP H0576764 B2 JPH0576764 B2 JP H0576764B2
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JP
Japan
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film
coo
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magnetic
perpendicularly magnetized
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JP58171376A
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Kazuyoshi Yoshida
Norikazu Tsumita
Seiichi Asada
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Hitachi Ltd
Maxell Ltd
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Hitachi Ltd
Hitachi Maxell Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
〔発明の利用分野〕 本発明は、所定の形状を有する非磁性基体上に
被着したCoとCo酸化物から構成される垂直磁化
膜に係り、特にかかる垂直磁化膜を用いた磁気テ
ープあるいは磁気デイスクに関する。 〔発明の背景〕 発明者等は先に真空蒸着法でCoを蒸着する際
Co蒸気流を基体表面に対して垂直に入射させる
とともに、適当な酸素を導入しながら形成した
Co蒸着膜が、膜内の酸素含有量30〜40原子%に
おいて垂直磁化膜となることを提案した。 このCo−O系垂直磁化膜は、従来からよく知
られているCo−Cr等の合金系材料を用いた垂直
磁化膜に比較して、膜厚が0.1μm以下の薄膜にお
いても垂直磁化膜となることや、Co−O系材料
自身の曲げ剛性率が小さいことから、柔軟性が要
求される磁気テープやフロツピーデイスク用媒体
として好ましい機械的特性を持つている。 しかしながら、このCo−O系垂直磁化膜にお
いては垂直配向性の目安となる。Mr⊥/Mr
(膜面に垂直方向に磁界を印加した時の残留磁
化Mr⊥と膜面内に磁界を印加した時の残留磁化
Mrの比)はたかだか1.3程度であり、Co−Cr
垂直磁化膜においてMr⊥/Mrが3程度となる
ことから比較すると、Co−O系磁性膜では垂直
磁化膜としての磁気特性が劣つているという問題
点があるとともに、その飽和磁束密度(4πMs)
が3.500G以下では垂直磁化膜とならない欠点が
あつた。 〔発明の目的〕 本発明の目的は、上記したようなCo−O系垂
直磁化膜の欠点を改良して、その磁気特性を向上
させ、垂直磁気記録用媒体として好適な垂直磁化
膜を提供することにある。 〔発明の概要〕 上記目的を達成するための本発明の構成は、表
面を酸化物層で覆われたCoの針状結晶粒子群か
ら構成された多結晶薄膜磁性体からなり、該磁性
体を構成するCoの針状結晶粒子の長軸方向が、
所定形状を有した非磁性基体表面に対して、平均
的に垂直方向に配向した垂直磁化膜において、非
磁性基体表面と垂直磁化膜の間に、中間層とし
て、CoO、NiO、FeO、TiO、NbO、VO等の酸
化物層を設けることにある。 一般に従来からよく知られているCo−Cr膜が
垂直磁化膜となる理由についてはつぎのように考
えられている。スパツタリング法あるいは真空蒸
着法で作製したCo−Cr膜の断面をSEM等で観察
すると、膜面に垂直方向に結晶粒子が成長した柱
状構造が観察される。垂直磁気異方性の大きい
Co−Cr膜は、この柱状方向に沿つてCoのC軸が
配向していることが、X線回折法により解析され
ている。Co−Cr膜の垂直磁気異方性は、このCo
のC軸が垂直配向していることに一つの原因があ
るが、さらにCrを添加することにより、Co−Cr
膜の飽和磁化(Ms)が減少し、C軸が垂直配向
していることに由来する垂直磁気異方性の大きさ
(Ku)が、磁化が膜面に垂直方向に向いた時の静
磁エネルギ(2πMs2)より大となるという下記(1)
式の関係が満たされていることが二番目の理由で
ある。 Ku>2πMs2 ……(1) Co−O系磁性膜においても、その断面はCo−
Cr膜と類似した柱状構造をもち、CoのC軸が膜
面に垂直方向に配向している。また常温において
非磁性の酸化コバルト(CoO)が存在しているこ
とがX線回折法により知ることができる。このこ
とからもわかるように、Co−O系磁性膜が垂直
磁化膜となり得る原因は、Co−Cr膜の場合と同
様にCoのC軸が垂直配向していることと非磁性
のCoOが存在することにより静磁エネルギが減少
することにあると考えられる。 ところでCo−O系垂直磁化膜では、その磁気
特性がCo−Cr膜に比較し劣つていることを述べ
たが、その主な原因はCo粒子のC軸配向性が、
まだCo−Crに比較して劣つている点にあると考
えられる。 発明者等は、Co粒子のC軸配向性を改善する
方法として、あらかじめ基体表面にCoO、NiO、
FeO、TiO、NbO、VO等の金属酸化物を下地層
として真空蒸着法あるいはスパツタリング法で形
成した後、Co−O系磁性膜を作製することによ
り、磁気特性が改善されることを見出した。特に
このようにして作製したCo−O系垂直磁化膜の
Mr⊥とMrの比は2.0以上となり、下地層が存
在しなかつた場合の1.3に比較して大巾に向上す
るとともに、飽和磁束密度(4πMs)が3.500G以
下の場合においても垂直磁化膜を得ることが可能
となつた。 以上の効果は、Co−O系垂直磁化膜が垂直磁
気記録用材料として適用できる可能性を拡げるも
のであり、その実用上の利点は大きい。 〔発明の実施例〕 以下、本発明を比較例をまじえ、実施例によつ
て詳細に説明する。 実施例 1 第1図に示した電子線加熱型蒸着装置を用い、
光学研磨されたガラス基板上にCoの蒸着を行な
つた。第1図において、1はガラス基板、2は
EB蒸着源、3はニードルバルブ、4は基板加熱
用ヒーター、5はシヤツターである。なおEB蒸
着源は4個のハースをもつており、ハースを回転
させることにより、真空を破ることなく、4種類
の元素あるいは化合物を連続蒸着できるようにな
つている。 上記の装置を用い、Co蒸気流と基板法線のな
す角度θを90°に設定し、基板温度100℃、蒸着速
度約1.000Å/min、酸素分圧4×10-4Torrの酸
素過剰の条件で第1回目のCoの蒸着を行ない、
膜厚約0.1μmの半透明なCo酸化物の膜を形成し
た。その後シヤツターを閉じ、酸素分圧を減ら
し、再度Coの蒸着を行なつた。二回目の蒸着に
おいては酸素分圧を0×10-5、1.0×10-4、1.5×
10-4、2.4×10-4、3.1×10-4Torrの5通りとし、
膜厚約0.1μmの試料A1〜A5を得た。 また比較試料として、Coの酸化物層を設けず、
直接ガラス基板上に、他の条件を同じにして酸素
分圧0×10-5、1.2×10-5、1.5×10-4、2.5×10-4
3.2×10-4Torrの条件で作製した5種類のCo蒸着
膜B1〜B5を得た。 これら合計10種類のCo蒸着膜試料について、
その磁気特性をVSM(試料振動型磁力計)により
測定した。その結果を第2図に図表で示す。図
中、⊥、はそれぞれ印加磁界が膜面に垂直方
向、膜面内方向であることを示している。 なお酸素過剰な条件において、第1回目に蒸着
したCo膜は、反射X線回折像を解析することに
より、一酸化コバルト(CoO)となつていること
がわかつた。 第1表から分かるように、下地層としてCoO膜
を設けた試料A1〜A5においては、飽和磁束密度
(4πMs)が6.300G近傍においてMr⊥/Mrが
1.0以上となり垂直磁化膜が実現する。さらに飽
和磁束密度が減少すると、Mr⊥/Mrは増大し
3.400Gにおいて最大値2.0をとる。また1.500Gに
おいても1.8となり、まだ良好な垂直磁化膜とな
つている。一方、CoOを下地層として設けていな
い試料(B1〜B5)においては、飽和磁束密度が
3.500G以下になると、Mr⊥/Mrは1.0以下と
なりもはや垂直磁化膜とならず、またMr⊥/Mr
の最大値はせいぜい1.3程度であり、CoOを下
地層として設けた場合に較べ磁気特性の劣つてい
ることは明らかである。 実施例 2 実施例1と同じ装置を用いて、Co蒸気流と基
板法線のなす角度θを90°に設定し、基板温度
【表】
【表】 100℃、蒸着速度約1.000Å/min、酸素分圧7×
10-4Torrの酸化過剰状態で、Coの蒸着を行ない、
膜厚0.1μmのCo酸化物層を形成した。その後シ
ヤツターを閉じ、酸素分圧1.5×10-4、2.4×
10-4Torrの条件で、再度Coの蒸着を行ない膜厚
0.1μmの試料C1とC2を得た。これらの試料の磁
気特性を第2表に示す。 なお、酸素過剰な条件において蒸着したCo膜
は、X線回折像を解析することにより、酸化コバ
ルト(Co3O4)となつていることがわかつてい
る。 第2表からわかるように、下地層としてCo3O4
膜を設けると、飽和磁束密度が6.100G、3.500G
におけるMr⊥/Mrはそれぞれ0.9、0.7となり、
もはや垂直磁化膜とならず、Co3O4膜は垂直磁化
膜の実現を逆に阻害する。 以上の実施例1、2からわかるように、Co酸
化物を下地層として用いた場合、Co−O系垂直
磁化膜の特性改善に対して、二価のCoO膜が有効
であり、それ以上の酸化価数をもつCo3O4は逆に
垂直磁化膜の実現を阻害するものである。 実施例 3 第1図に示した電子線加熱型蒸着装置を用い
て、下地層として膜圧約0.1μmのTiO膜、NiO
膜、FeO膜、NbO膜、VO膜を形成した後、酸素
分圧約2.5×10-4あるいは3.0×10-4Torrの条件
で、膜厚約0.1μmのCo−O系磁性膜を形成し、
合計10種類の試料を得た。TiO膜はTiOのペレツ
トを用いてEB蒸着を行つた他は、NiO膜、FeO
膜、NbO膜、VO膜については、CoO膜の形成方
法と同様に、適当な酸素分圧のもとで各種金属単
体をガラス基板上蒸着し下地層とした。またCo
−O系磁性膜の蒸着条件は酸素分圧を除き、実施
例1と同じである。 これら10種類のCo蒸着膜の磁気特性を、第3
表に示す。 なお、下地層の結晶構造はX線回折法により、
TiO、NiO、FeO、NbO、VOの二価の酸化物と
なつていることを確認した。 第3表からわかるように、下地層として、
TiO、
【表】
〔発明の効果〕
以上説明したところから明らかなように、本発
明は、Co−O系垂直磁化膜の磁気特性を向上さ
せ、さらにCo−O系垂直磁化膜の特長である小
さな曲げ剛性率を高めることがないため、磁気テ
ープ、磁気フロツピーデイスク用垂直磁気記録媒
体材料として大きな効果を有する。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の蒸着膜の作製に用いた電子線
加熱型蒸着装置の概略図である。 1……ガラス基板、2……EB蒸着源、3……
ニードルバルブ、4……基板加熱用ヒーター、5
……シヤツター。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 非磁性基体と、該非磁性基体上に形成された
    下地層と、該下地層上に形成された垂直磁化膜を
    有する垂直磁気記録媒体において、上記下地層は
    CoO、NiO、FeO、TiO、NbOおよびVOから成
    る群の中から選ばれた材料から成り、上記垂直磁
    化膜は表面を酸化物層で覆われたCo−CoO垂直
    磁化膜から成ることを特徴とする垂直磁気記録媒
    体。 2 上記非磁性基体は有機ポリマーから成る特許
    請求の範囲第1項記載の垂直磁気記録媒体。 3 非磁性体基体上に下地層、垂直磁化膜を順次
    形成する垂直磁気記録媒体の製造方法において、
    上記下地層はCoO、NiO、FeO、TiO、NbOおよ
    びVOから成る群の中から選ばれた材料を少なく
    とも金属原子を上記非磁性基体表面に対し垂直な
    方向から入射させて形成し、上記垂直磁化膜は表
    面を酸化物層で覆われたCo−CoO垂直磁化膜か
    ら成り、酸素雰囲気中でCo原子を上記非磁性基
    体表面に対し垂直な方向から入射させて形成する
    ことを特徴とする垂直磁気記録媒体の製造方法。 4 上記下地層はCoOから成り、酸素雰囲気中で
    Co原子を上記非磁性基体表面に対し垂直な方向
    から入射させる特許請求の範囲第3項記載の垂直
    磁気記録媒体の製造方法。
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