JPH07307022A - 磁気記録媒体及びその製造法 - Google Patents
磁気記録媒体及びその製造法Info
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- JPH07307022A JPH07307022A JP7083137A JP8313795A JPH07307022A JP H07307022 A JPH07307022 A JP H07307022A JP 7083137 A JP7083137 A JP 7083137A JP 8313795 A JP8313795 A JP 8313795A JP H07307022 A JPH07307022 A JP H07307022A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 耐酸化性や耐食性に優れており、しかも、磁
気ヘッドの磁気飽和を回避できる適当な保磁力を有する
垂直磁化膜からなる磁気記録媒体を提供する。 【構成】 (400)面が基体の表面に平行に優先配向
したCo含有マグヘマイト薄膜であり、該薄膜中のCo
がFeに対してモル比で0.01以上、0.10未満で
あって、(400)面の面間隔が2.082Å以下であ
る垂直磁化膜が、基体の表面上に作成されている(20
0)面が基体の表面に平行に優先配向したNiO下地膜
上に形成されている磁気記録媒体。この磁気記録媒体
は、(400)面が基体の表面に平行に優先配向したC
o含有マグネタイトからなる単層膜又はマグネタイト層
とCoO層とからなる多層膜であって、該膜中CoがF
eに対してモル比で0.01以上、0.10未満である
単層膜又は多層膜を、基体の表面上に作成されている
(200)面が基体の表面に平行に優先配向したNiO
下地膜上に形成し、次いで、240〜450℃の温度範
囲で熱処理して得られる。
気ヘッドの磁気飽和を回避できる適当な保磁力を有する
垂直磁化膜からなる磁気記録媒体を提供する。 【構成】 (400)面が基体の表面に平行に優先配向
したCo含有マグヘマイト薄膜であり、該薄膜中のCo
がFeに対してモル比で0.01以上、0.10未満で
あって、(400)面の面間隔が2.082Å以下であ
る垂直磁化膜が、基体の表面上に作成されている(20
0)面が基体の表面に平行に優先配向したNiO下地膜
上に形成されている磁気記録媒体。この磁気記録媒体
は、(400)面が基体の表面に平行に優先配向したC
o含有マグネタイトからなる単層膜又はマグネタイト層
とCoO層とからなる多層膜であって、該膜中CoがF
eに対してモル比で0.01以上、0.10未満である
単層膜又は多層膜を、基体の表面上に作成されている
(200)面が基体の表面に平行に優先配向したNiO
下地膜上に形成し、次いで、240〜450℃の温度範
囲で熱処理して得られる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高密度磁気記録媒体と
して好適である、耐酸化性や耐食性に優れており、しか
も現在広く普及している磁気ヘッドの磁気飽和を回避で
きる適当な保磁力、殊に3000Oeより小さい保磁力
を有すると共に大きな角型比(反磁場補正した値)を有
する垂直磁化膜からなる磁気記録媒体に関するものであ
る。
して好適である、耐酸化性や耐食性に優れており、しか
も現在広く普及している磁気ヘッドの磁気飽和を回避で
きる適当な保磁力、殊に3000Oeより小さい保磁力
を有すると共に大きな角型比(反磁場補正した値)を有
する垂直磁化膜からなる磁気記録媒体に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】近年、情報機器、システムの小型化と高
信頼性の傾向が顕著であり、磁気記録媒体の高密度記録
化の要求が益々高まってきている。このような特性を満
たす磁気記録媒体として垂直磁化膜の開発がさかんであ
り実用化されている。即ち、垂直磁化膜は、膜面に垂直
な方向に磁化するため減磁作用がなく、高密度記録が可
能である。
信頼性の傾向が顕著であり、磁気記録媒体の高密度記録
化の要求が益々高まってきている。このような特性を満
たす磁気記録媒体として垂直磁化膜の開発がさかんであ
り実用化されている。即ち、垂直磁化膜は、膜面に垂直
な方向に磁化するため減磁作用がなく、高密度記録が可
能である。
【0003】垂直磁化膜としては、従来からCoCr合
金等の合金膜が提案されているが、該合金膜は酸化によ
る磁気特性の劣化を防ぐため100〜200Å程度の厚
みのカーボン膜を表面にコーティングする必要があり、
その結果、カーボン膜の厚み分だけ、スペーシング(磁
気ヘッドと媒体との距離)ロスが大きくなり、高密度記
録用として適さなくなる。その為、垂直磁化膜として
は、酸化に対して安定な酸化物であることが強く要求さ
れている。
金等の合金膜が提案されているが、該合金膜は酸化によ
る磁気特性の劣化を防ぐため100〜200Å程度の厚
みのカーボン膜を表面にコーティングする必要があり、
その結果、カーボン膜の厚み分だけ、スペーシング(磁
気ヘッドと媒体との距離)ロスが大きくなり、高密度記
録用として適さなくなる。その為、垂直磁化膜として
は、酸化に対して安定な酸化物であることが強く要求さ
れている。
【0004】そして、垂直磁化膜の保磁力について言え
ば、現在広く普及しているヘッドの磁気飽和を回避でき
る適当な保磁力、殊に、3000Oeより低い保磁力で
あることが要求されている。
ば、現在広く普及しているヘッドの磁気飽和を回避でき
る適当な保磁力、殊に、3000Oeより低い保磁力で
あることが要求されている。
【0005】磁気記録媒体の保磁力Hcと磁気ヘッドの
性能とは密接な関係があり、磁気記録媒体の保磁力Hc
があまりに高すぎて、殊に、3000Oeを越えると、
書込み電流が高くなる為、現在広く用いられている磁気
ヘッドではヘッドコアの飽和磁束密度Bm不足によりコ
アが磁気的に飽和してしまい、磁気記録媒体を十分磁化
することができなくなることが知られている。
性能とは密接な関係があり、磁気記録媒体の保磁力Hc
があまりに高すぎて、殊に、3000Oeを越えると、
書込み電流が高くなる為、現在広く用いられている磁気
ヘッドではヘッドコアの飽和磁束密度Bm不足によりコ
アが磁気的に飽和してしまい、磁気記録媒体を十分磁化
することができなくなることが知られている。
【0006】現在、保磁力が1000Oe以下の磁気記
録媒体に対応する磁気記録再生用機器にはフェライトヘ
ッドが広く用いられており、保磁力が1000Oeを越
える磁気記録媒体に対応する磁気記録再生用機器にはセ
ンダストヘッド、アモルファスヘッド、薄膜ヘッドなど
ヘッドコアの飽和磁束密度が高い材質のものが使用され
ている。
録媒体に対応する磁気記録再生用機器にはフェライトヘ
ッドが広く用いられており、保磁力が1000Oeを越
える磁気記録媒体に対応する磁気記録再生用機器にはセ
ンダストヘッド、アモルファスヘッド、薄膜ヘッドなど
ヘッドコアの飽和磁束密度が高い材質のものが使用され
ている。
【0007】更に、磁気記録媒体は、高密度記録時の再
生出力ができるだけ大きいことが必要であり、その為に
は垂直磁化膜は、できるだけ角型比が大きいことが要求
される。
生出力ができるだけ大きいことが必要であり、その為に
は垂直磁化膜は、できるだけ角型比が大きいことが要求
される。
【0008】従来、磁気記録用垂直磁化膜としては、C
oCr合金、CoPt合金等の合金膜、コバルトフェラ
イト等のスピネル型酸化物薄膜(特開昭51−1199
99号公報、特開昭63−47359号公報、特開平3
−17813号公報、特開平3−188604号公報、
特開平4−10509号公報、特開平5−12765号
公報)及びバリウムフェライト等のマグネトプランバイ
ト型酸化物薄膜(特開昭62−267949号公報)等
が提案されている。
oCr合金、CoPt合金等の合金膜、コバルトフェラ
イト等のスピネル型酸化物薄膜(特開昭51−1199
99号公報、特開昭63−47359号公報、特開平3
−17813号公報、特開平3−188604号公報、
特開平4−10509号公報、特開平5−12765号
公報)及びバリウムフェライト等のマグネトプランバイ
ト型酸化物薄膜(特開昭62−267949号公報)等
が提案されている。
【0009】上掲の垂直磁化膜のうち、スピネル型酸化
物として最も代表的なコバルトフェライト(CoX Fe
3-X O4 )膜は酸化物であることによって酸化に対して
安定であり、しかも、結晶磁気異方性が大きいものであ
るから垂直磁気記録媒体として有望とされている。
物として最も代表的なコバルトフェライト(CoX Fe
3-X O4 )膜は酸化物であることによって酸化に対して
安定であり、しかも、結晶磁気異方性が大きいものであ
るから垂直磁気記録媒体として有望とされている。
【0010】周知の通り、コバルトフェライト(CoX
Fe3-X O4 )膜の製造法としては、スパッタ法、真空
蒸着法、MOCVD法等各種方法が知られている。
Fe3-X O4 )膜の製造法としては、スパッタ法、真空
蒸着法、MOCVD法等各種方法が知られている。
【0011】近時、垂直磁化膜の配向性を向上させるた
めに、基体として単結晶を用いたり、垂直磁化膜と基体
との間に各種下地層を形成させることが行われており、
基体としてMgO単結晶を使用するもの(IEEE T
rans.Mag.MAG−12,No.6,773
(1976)、IEEE Trans.Mag.MAG
−14,No.5,906(1978)、Czehc
h.J.Phys.B21,563(1971))、基
体としてNaClを使用するもの(J.Cry.Gro
wth.50,801(1980)),下地膜としてN
iOを使用するもの(特開平5−166167号公報)
等がある。
めに、基体として単結晶を用いたり、垂直磁化膜と基体
との間に各種下地層を形成させることが行われており、
基体としてMgO単結晶を使用するもの(IEEE T
rans.Mag.MAG−12,No.6,773
(1976)、IEEE Trans.Mag.MAG
−14,No.5,906(1978)、Czehc
h.J.Phys.B21,563(1971))、基
体としてNaClを使用するもの(J.Cry.Gro
wth.50,801(1980)),下地膜としてN
iOを使用するもの(特開平5−166167号公報)
等がある。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】耐酸化性や耐食性に優
れており、しかも、現在広く普及しているヘッドの磁気
飽和を回避できる適当な保磁力を有する垂直磁化膜は、
現在最も要求されているところであるが、これら諸特性
を十分満たすものは未だ得られていない。
れており、しかも、現在広く普及しているヘッドの磁気
飽和を回避できる適当な保磁力を有する垂直磁化膜は、
現在最も要求されているところであるが、これら諸特性
を十分満たすものは未だ得られていない。
【0013】即ち、前出公知のコバルトフェライト(C
oX Fe3-X O4 )膜の製造法のうち主として採用され
ているスパッタ法による場合には、一般にコバルトフェ
ライト(CoX Fe3-X O4 )膜の垂直磁化容易軸は
〔100〕軸であるにもかかわらず、ランダム配向した
り、(111)面が基体に平行に配向しやすい為、垂直
磁化膜を作成し難いという欠点がある。(400)面が
基体に平行に優先配向したコバルトフェライト(CoX
Fe3-X O4 )膜を得る方法として、例えば、第9回
日本応用磁気学会学術講演概要集29PB−10に記載
の方法、第13回日本応用磁気学会学術講演概要集第
246頁に記載の方法及び特開平4−10509号公
報に記載の方法が知られている。
oX Fe3-X O4 )膜の製造法のうち主として採用され
ているスパッタ法による場合には、一般にコバルトフェ
ライト(CoX Fe3-X O4 )膜の垂直磁化容易軸は
〔100〕軸であるにもかかわらず、ランダム配向した
り、(111)面が基体に平行に配向しやすい為、垂直
磁化膜を作成し難いという欠点がある。(400)面が
基体に平行に優先配向したコバルトフェライト(CoX
Fe3-X O4 )膜を得る方法として、例えば、第9回
日本応用磁気学会学術講演概要集29PB−10に記載
の方法、第13回日本応用磁気学会学術講演概要集第
246頁に記載の方法及び特開平4−10509号公
報に記載の方法が知られている。
【0014】前出の方法は、酸素プラズマ中でFe及
びCoをイオン化し500℃に加熱したMgAl2O4
基体又は石英ガラスに蒸着する方法であり、成膜時に真
空中で基体温度を500℃以上の高温に保持する必要が
ある為生産性が悪く、しかも、基体温度を500℃以上
にする為には基体自体の耐熱性が要求されるが、垂直磁
気記録媒体用の基体材料として現在汎用されているガラ
ス等の耐熱性は不十分であり、基体材料が制限される
等、工業的、経済的ではない。
びCoをイオン化し500℃に加熱したMgAl2O4
基体又は石英ガラスに蒸着する方法であり、成膜時に真
空中で基体温度を500℃以上の高温に保持する必要が
ある為生産性が悪く、しかも、基体温度を500℃以上
にする為には基体自体の耐熱性が要求されるが、垂直磁
気記録媒体用の基体材料として現在汎用されているガラ
ス等の耐熱性は不十分であり、基体材料が制限される
等、工業的、経済的ではない。
【0015】前出の方法は、プラズマ励起MO−CV
D法であり、成膜時に真空中に基体温度を300〜40
0℃に保持する必要がある為、生産性が悪く、工業的、
経済的ではない。
D法であり、成膜時に真空中に基体温度を300〜40
0℃に保持する必要がある為、生産性が悪く、工業的、
経済的ではない。
【0016】また、前出の方法は、CoとFeを2層
以上積層して金属多層膜を形成した後、酸素を含む雰囲
気中500℃以上で熱処理するものであり、上述した通
り、高温を必要とする為、基体の材料が制限され、工業
的、経済的ではない。
以上積層して金属多層膜を形成した後、酸素を含む雰囲
気中500℃以上で熱処理するものであり、上述した通
り、高温を必要とする為、基体の材料が制限され、工業
的、経済的ではない。
【0017】前出公知の下地膜としてMgO単結晶やN
aClを使用すれば、垂直磁化膜であるフェライトの
(400)面を形成しやすいものではあるが、単結晶基
体は高価で割れ易く、大面積のものを得ることは困難で
あるため、実用的ではない。
aClを使用すれば、垂直磁化膜であるフェライトの
(400)面を形成しやすいものではあるが、単結晶基
体は高価で割れ易く、大面積のものを得ることは困難で
あるため、実用的ではない。
【0018】下地膜としてのNiO(200)配向膜
は、室温でガラス基体上にスパッタ法により容易に形成
できるため、下地膜として用いるには実用的である。し
かしながら、前出特開平5−166167号公報に記載
の垂直磁化膜は、NiO下地膜上にCoフェライトを形
成させることによって、(400)面の結晶配向が促進
されたものではあるが、NiO下地膜の(200)面間
隔(2.09Å)がCoX Fe3-X O4 の(400)面
間隔(2.10Å)よりも小さいため、磁性膜面内に圧
縮応力が働き、垂直異方性を減少させるという問題があ
る。
は、室温でガラス基体上にスパッタ法により容易に形成
できるため、下地膜として用いるには実用的である。し
かしながら、前出特開平5−166167号公報に記載
の垂直磁化膜は、NiO下地膜上にCoフェライトを形
成させることによって、(400)面の結晶配向が促進
されたものではあるが、NiO下地膜の(200)面間
隔(2.09Å)がCoX Fe3-X O4 の(400)面
間隔(2.10Å)よりも小さいため、磁性膜面内に圧
縮応力が働き、垂直異方性を減少させるという問題があ
る。
【0019】この事実は、特開平3−17813号公報
に記載されている通り、下地層の格子定数がフェライト
層の格子定数より大きい方がフェライト層の垂直磁気異
方性が大きくなるという現象から明らかである。
に記載されている通り、下地層の格子定数がフェライト
層の格子定数より大きい方がフェライト層の垂直磁気異
方性が大きくなるという現象から明らかである。
【0020】また、ヨーロッパ特許出願公開公報058
6142AIには、基体の表面上に作成されている(1
00)面が基体に平行に優先配向したNiO下地膜上に
形成された(400)面が基板に平行に優先配向したC
o含有γ−Fe2 O3 薄膜であり、該薄膜中のCoとF
eの割合が0.10:1〜0.32:1の範囲であっ
て、前記(400)面の面間隔が2.085以下であっ
て、当該膜の700nmにおける光吸収係数が2.5μ
m-1以下である垂直磁化膜が開示されている。
6142AIには、基体の表面上に作成されている(1
00)面が基体に平行に優先配向したNiO下地膜上に
形成された(400)面が基板に平行に優先配向したC
o含有γ−Fe2 O3 薄膜であり、該薄膜中のCoとF
eの割合が0.10:1〜0.32:1の範囲であっ
て、前記(400)面の面間隔が2.085以下であっ
て、当該膜の700nmにおける光吸収係数が2.5μ
m-1以下である垂直磁化膜が開示されている。
【0021】ヨーロッパ特許出願公開公報058614
2AIに開示の垂直磁化膜は、4000Oe以上の保磁
力を有するものであり、その技術的課題は、耐酸化性や
耐食性に優れているとともに、保磁力が大きく、例え
ば、保磁力が4000Oe以上であって、角形比が大き
く、短波長領域で大きなファラデー回転角を有し、しか
も、光吸収係数が小さい垂直磁化膜を提供することであ
る。
2AIに開示の垂直磁化膜は、4000Oe以上の保磁
力を有するものであり、その技術的課題は、耐酸化性や
耐食性に優れているとともに、保磁力が大きく、例え
ば、保磁力が4000Oe以上であって、角形比が大き
く、短波長領域で大きなファラデー回転角を有し、しか
も、光吸収係数が小さい垂直磁化膜を提供することであ
る。
【0022】そこで、本発明は、耐酸化性や耐食性に優
れており、しかも、適当な保磁力、殊に3000Oe未
満の保磁力を有すると共に大きな角形比(反磁場補正し
た値)を有するスピネル型酸化物からなる垂直磁化膜を
500℃未満のできるだけ低温で工業的、経済的に製造
することを技術的課題にする。
れており、しかも、適当な保磁力、殊に3000Oe未
満の保磁力を有すると共に大きな角形比(反磁場補正し
た値)を有するスピネル型酸化物からなる垂直磁化膜を
500℃未満のできるだけ低温で工業的、経済的に製造
することを技術的課題にする。
【0023】
【課題を解決する為の手段】前記技術的課題は、次の通
りの本発明によって達成できる。
りの本発明によって達成できる。
【0024】即ち、本発明は、(400)面が基体の表
面に平行に優先配向したCo含有マグヘマイト薄膜であ
り、該Co含有マグヘマイト薄膜中のCoがFeに対し
てモル比で0.01以上、0.10未満であって、(4
00)面の面間隔が2.082Å以下である垂直磁化膜
が、基体の表面上に作成されている(200)面が基体
の表面に平行に優先配向したNiO下地膜上に形成され
ていることからなる磁気記録媒体及び(400)面が基
体の表面に平行に優先配向したCo及びMnを含有する
マグヘマイト薄膜であり、該Co及びMn含有マグヘマ
イト薄膜中のCoがFeに対してモル比で0.01以
上、0.10未満、MnがCoに対してモル比で0.0
7〜0.30であって、(400)面の面間隔が2.0
82Å以下である垂直磁化膜が、基体の表面上に作成さ
れている(200)面が基体の表面に平行に優先配向し
たNiO下地膜上に形成されていることからなる磁気記
録媒体である。
面に平行に優先配向したCo含有マグヘマイト薄膜であ
り、該Co含有マグヘマイト薄膜中のCoがFeに対し
てモル比で0.01以上、0.10未満であって、(4
00)面の面間隔が2.082Å以下である垂直磁化膜
が、基体の表面上に作成されている(200)面が基体
の表面に平行に優先配向したNiO下地膜上に形成され
ていることからなる磁気記録媒体及び(400)面が基
体の表面に平行に優先配向したCo及びMnを含有する
マグヘマイト薄膜であり、該Co及びMn含有マグヘマ
イト薄膜中のCoがFeに対してモル比で0.01以
上、0.10未満、MnがCoに対してモル比で0.0
7〜0.30であって、(400)面の面間隔が2.0
82Å以下である垂直磁化膜が、基体の表面上に作成さ
れている(200)面が基体の表面に平行に優先配向し
たNiO下地膜上に形成されていることからなる磁気記
録媒体である。
【0025】また、本発明は、(400)面が基体の表
面に平行に優先配向したCo含有マグネタイトからなる
単層膜又はマグネタイト層とCoO層とからなる多層膜
であって、該膜中のCoがFeに対してモル比で0.0
1以上、0.10未満である単層膜又は多層膜を、基体
の表面上に作成されている(200)面が基体の表面に
平行に優先配向したNiO下地膜上に形成し、次いで、
240〜450℃の温度範囲で熱処理することからなる
磁気記録媒体の製造法及び(400)面が基体の表面に
平行に優先配向したCo及びMnを含有するマグネタイ
トからなる単層膜又はマグネタイト層とCo及びMnを
含む酸化物層とからなる多層膜であって、該膜中のCo
がFeに対してモル比で0.01以上、0.10未満で
あって、MnがCoに対してモル比で0.07〜0.3
0である単層膜又は多層膜を、基体の表面上に作成され
ている(200)面が基体の表面に平行に優先配向した
NiO下地膜上に形成し、次いで、240〜450℃の
温度範囲で熱処理することからなる磁気記録媒体の製造
法である。
面に平行に優先配向したCo含有マグネタイトからなる
単層膜又はマグネタイト層とCoO層とからなる多層膜
であって、該膜中のCoがFeに対してモル比で0.0
1以上、0.10未満である単層膜又は多層膜を、基体
の表面上に作成されている(200)面が基体の表面に
平行に優先配向したNiO下地膜上に形成し、次いで、
240〜450℃の温度範囲で熱処理することからなる
磁気記録媒体の製造法及び(400)面が基体の表面に
平行に優先配向したCo及びMnを含有するマグネタイ
トからなる単層膜又はマグネタイト層とCo及びMnを
含む酸化物層とからなる多層膜であって、該膜中のCo
がFeに対してモル比で0.01以上、0.10未満で
あって、MnがCoに対してモル比で0.07〜0.3
0である単層膜又は多層膜を、基体の表面上に作成され
ている(200)面が基体の表面に平行に優先配向した
NiO下地膜上に形成し、次いで、240〜450℃の
温度範囲で熱処理することからなる磁気記録媒体の製造
法である。
【0026】次に、本発明実施にあたっての諸条件につ
いて述べる。
いて述べる。
【0027】本発明に係る垂直磁化膜は、基体の表面上
にNiO下地膜を介して形成されたCo含有マグヘマイ
ト薄膜(マグヘマイト中にコバルト成分を含有している
薄膜を意味する。以下、同じ)であり、該薄膜の(40
0)面が基体の表面に平行に優先配向し、その面間隔が
2.082Å以下であって、当該薄膜中のCoがFeに
対してモル比で0.01以上、0.10未満、好ましく
は、0.015〜0.075、より好ましくは、0.0
2〜0.06である。そして、この薄膜の保磁力は30
00Oeより小さいものである。
にNiO下地膜を介して形成されたCo含有マグヘマイ
ト薄膜(マグヘマイト中にコバルト成分を含有している
薄膜を意味する。以下、同じ)であり、該薄膜の(40
0)面が基体の表面に平行に優先配向し、その面間隔が
2.082Å以下であって、当該薄膜中のCoがFeに
対してモル比で0.01以上、0.10未満、好ましく
は、0.015〜0.075、より好ましくは、0.0
2〜0.06である。そして、この薄膜の保磁力は30
00Oeより小さいものである。
【0028】本発明における”優先配向”とは、X線回
折装置で測定した各面のピークの面積比により定義す
る。即ち、NiO下地層においては、(111)面ピー
ク面積(S(111) )に対する(200)面ピーク面積
(S(200) )の比が2以上〔S(200) /S(111) ≧2〕
であることを意味し、Co含有マグヘマイト膜、Co含
有マグネタイト膜、マグネタイト層とCoO層とからな
る多層膜、マグネタイト層とCo及びMnを含む酸化物
層とからなる多層膜においては、(311)面ピーク面
積(S(311) )に対する(400)面ピーク面積(S
(400) )の比が2以上〔S(400) /S(311) ≧2〕であ
ることを意味する。
折装置で測定した各面のピークの面積比により定義す
る。即ち、NiO下地層においては、(111)面ピー
ク面積(S(111) )に対する(200)面ピーク面積
(S(200) )の比が2以上〔S(200) /S(111) ≧2〕
であることを意味し、Co含有マグヘマイト膜、Co含
有マグネタイト膜、マグネタイト層とCoO層とからな
る多層膜、マグネタイト層とCo及びMnを含む酸化物
層とからなる多層膜においては、(311)面ピーク面
積(S(311) )に対する(400)面ピーク面積(S
(400) )の比が2以上〔S(400) /S(311) ≧2〕であ
ることを意味する。
【0029】本発明におけるCo含有マグヘマイト薄膜
とは、面間隔が2.082Å以下、好ましくは、2.0
65〜2.082Åのものをいい、多層膜又はCo含有
マグネタイト膜を構成するマグネタイト中のFe2+が完
全にFe3+に酸化されてγ−Fe2 O3 となっているも
のはもちろん若干のFe2+が残っているものもいう。
とは、面間隔が2.082Å以下、好ましくは、2.0
65〜2.082Åのものをいい、多層膜又はCo含有
マグネタイト膜を構成するマグネタイト中のFe2+が完
全にFe3+に酸化されてγ−Fe2 O3 となっているも
のはもちろん若干のFe2+が残っているものもいう。
【0030】磁化膜の(400)面が基体の表面に平行
に優先配向していない場合、磁化膜の(400)面の面
間隔が2.082Åを越える場合のいずれも垂直磁化膜
にならない。CoがFeに対してモル比で0.01未満
である場合にも垂直磁化膜にならない。(400)面が
基体の表面に平行に優先配向したマグヘマイト薄膜を容
易に得ようとすれば0.02以上であることが好まし
い。CoがFeに対して0.10を越える場合には、保
磁力が3000Oeを越える。また、(400)面の面
間隔が2.065未満の場合には、保磁力が3000O
eを越えることがある。
に優先配向していない場合、磁化膜の(400)面の面
間隔が2.082Åを越える場合のいずれも垂直磁化膜
にならない。CoがFeに対してモル比で0.01未満
である場合にも垂直磁化膜にならない。(400)面が
基体の表面に平行に優先配向したマグヘマイト薄膜を容
易に得ようとすれば0.02以上であることが好まし
い。CoがFeに対して0.10を越える場合には、保
磁力が3000Oeを越える。また、(400)面の面
間隔が2.065未満の場合には、保磁力が3000O
eを越えることがある。
【0031】本発明に係る垂直磁化膜の角形比(反磁場
補正したもの)は、0.88以上、好ましくは0.92
以上、より好ましくは0.94以上である。
補正したもの)は、0.88以上、好ましくは0.92
以上、より好ましくは0.94以上である。
【0032】本発明に係る垂直磁化膜は、必要により、
Co含有グヘマイト薄膜中にMnを含有していてもよ
く、Mnを含有していることにより、角型比(反磁場補
正したもの)が優れた垂直磁化膜、殊に、角型比が0.
95以上の垂直磁化膜を得ることができる。
Co含有グヘマイト薄膜中にMnを含有していてもよ
く、Mnを含有していることにより、角型比(反磁場補
正したもの)が優れた垂直磁化膜、殊に、角型比が0.
95以上の垂直磁化膜を得ることができる。
【0033】Mn含有量はCoに対してモルで0.07
〜0.30、好ましくは、0.10〜0.20である。
Mn含有量がCoに対してモル比で0.07未満の場合
には、垂直磁化膜の角型比を向上させることができな
い。角型比の大きさを考慮すれば、Mn量の上限値はC
oに対してモル比で0.30、好ましくは0.20であ
る。
〜0.30、好ましくは、0.10〜0.20である。
Mn含有量がCoに対してモル比で0.07未満の場合
には、垂直磁化膜の角型比を向上させることができな
い。角型比の大きさを考慮すれば、Mn量の上限値はC
oに対してモル比で0.30、好ましくは0.20であ
る。
【0034】本発明に係る垂直磁化膜の保磁力が300
0Oeより大きい場合には、現在広く普及している磁気
ヘッドの磁気飽和を回避できなくなる。磁気ヘッドの磁
気飽和を考慮すれば保磁力が2500Oe以下であるこ
とがより好ましい。
0Oeより大きい場合には、現在広く普及している磁気
ヘッドの磁気飽和を回避できなくなる。磁気ヘッドの磁
気飽和を考慮すれば保磁力が2500Oe以下であるこ
とがより好ましい。
【0035】本発明に係る垂直磁化膜は、基体の表面上
に下地膜を介して形成されたマグネタイトFeOx・F
e2 O3 (0<x≦1)単層膜又はマグネタイトFeO
x・Fe2 O3 (0<x≦1)層とCoO層とからなる
多層膜であり、該単層膜又は多層膜の(400)面が基
体の表面に平行に優先配向し、当該多層膜中のCoがF
eに対しモル比で0.01以上、0.10未満である単
層膜又は多層膜を240〜450℃で熱処理することに
よって製造される。
に下地膜を介して形成されたマグネタイトFeOx・F
e2 O3 (0<x≦1)単層膜又はマグネタイトFeO
x・Fe2 O3 (0<x≦1)層とCoO層とからなる
多層膜であり、該単層膜又は多層膜の(400)面が基
体の表面に平行に優先配向し、当該多層膜中のCoがF
eに対しモル比で0.01以上、0.10未満である単
層膜又は多層膜を240〜450℃で熱処理することに
よって製造される。
【0036】本発明に係る垂直磁化膜は、必要により、
Co含有マグヘマイト薄膜中にMnを含有していてもよ
く、製造にあたっては、CoO層に代えて、Co及びM
nを含む酸化物層を生成させた多層膜を形成し、次い
で、同様に熱処理をすればよい。
Co含有マグヘマイト薄膜中にMnを含有していてもよ
く、製造にあたっては、CoO層に代えて、Co及びM
nを含む酸化物層を生成させた多層膜を形成し、次い
で、同様に熱処理をすればよい。
【0037】本発明におけるマグネタイトFeOx・F
e2 O3 (0<x≦1)層とCoO層とからなる多層膜
は、酸素雰囲気中で金属ターゲット(Feターゲットと
Co金属ターゲット)をスパッタする反応スパッタ法、
マグネタイトFeOx・Fe2 O3 (0<x≦1)の焼
結ターゲットとCoを含む酸化物の焼結ターゲットの各
ターゲットにより直接酸化膜を形成する直接法、並びに
酸素雰囲気中で金属(FeとCoからなる金属や合金)
を蒸着する反応蒸着のいずれの方法によっても得ること
ができる。また、反応スパッタ法において付着速度を上
げて同じ生成物を作りたい時には、酸素分圧を上げてや
ればよい。
e2 O3 (0<x≦1)層とCoO層とからなる多層膜
は、酸素雰囲気中で金属ターゲット(Feターゲットと
Co金属ターゲット)をスパッタする反応スパッタ法、
マグネタイトFeOx・Fe2 O3 (0<x≦1)の焼
結ターゲットとCoを含む酸化物の焼結ターゲットの各
ターゲットにより直接酸化膜を形成する直接法、並びに
酸素雰囲気中で金属(FeとCoからなる金属や合金)
を蒸着する反応蒸着のいずれの方法によっても得ること
ができる。また、反応スパッタ法において付着速度を上
げて同じ生成物を作りたい時には、酸素分圧を上げてや
ればよい。
【0038】本発明において、Co含有マグネタイトか
らなる単層膜又はマグヘマイト層とCoO層とからなる
多層膜を作成する時の酸素分圧を下げる程、得られるC
o含有マグヘマイト薄膜の(400)面の面間隔は、小
さくなる傾向がある。
らなる単層膜又はマグヘマイト層とCoO層とからなる
多層膜を作成する時の酸素分圧を下げる程、得られるC
o含有マグヘマイト薄膜の(400)面の面間隔は、小
さくなる傾向がある。
【0039】本発明における単層膜又は多層膜は、Co
がFeに対しモル比で0.01以上、0.10未満であ
る。CoがFeに対しモル比で0.01未満の場合、
0.10以上の場合のいずれの単層膜又は多層膜を用い
ても本発明の目的とする垂直磁化膜を得ることができな
い。
がFeに対しモル比で0.01以上、0.10未満であ
る。CoがFeに対しモル比で0.01未満の場合、
0.10以上の場合のいずれの単層膜又は多層膜を用い
ても本発明の目的とする垂直磁化膜を得ることができな
い。
【0040】本発明における多層膜は、NiO下地膜上
にエピタキシャル成長するため、一周期の厚みを130
Å以上でも(400)面が基体に平行に配向するので、
積層の操作回数を減らせることができ、工業的、経済的
に有利である。尚、NiO下地膜のない場合には、垂直
磁化膜を得ようとすれば、一周期の厚みは130Å以下
にする必要があることを実験により確認している。
にエピタキシャル成長するため、一周期の厚みを130
Å以上でも(400)面が基体に平行に配向するので、
積層の操作回数を減らせることができ、工業的、経済的
に有利である。尚、NiO下地膜のない場合には、垂直
磁化膜を得ようとすれば、一周期の厚みは130Å以下
にする必要があることを実験により確認している。
【0041】本発明に係る垂直磁化膜は、基体の表面上
に下地層を介して形成されたマグネタイト層とCoO層
からなる多層膜であり、該多層膜の(400)面が基体
の表面に平行に配向し、当該多層膜中のCoがFeに対
してモル比で0.01以上、0.1未満である多層膜を
240〜450℃で熱処理することにより、基体上に下
地層を介して形成されたCo含有マグネタイト単層膜で
あり、該単層膜の(400)面が基体の表面に平行に配
向し、当該単層膜中のCoがFeに対してモル比で0.
01以上、0.1未満である単層膜を240〜450℃
で熱処理することによって製造される。
に下地層を介して形成されたマグネタイト層とCoO層
からなる多層膜であり、該多層膜の(400)面が基体
の表面に平行に配向し、当該多層膜中のCoがFeに対
してモル比で0.01以上、0.1未満である多層膜を
240〜450℃で熱処理することにより、基体上に下
地層を介して形成されたCo含有マグネタイト単層膜で
あり、該単層膜の(400)面が基体の表面に平行に配
向し、当該単層膜中のCoがFeに対してモル比で0.
01以上、0.1未満である単層膜を240〜450℃
で熱処理することによって製造される。
【0042】本発明に係る垂直磁化膜は、Co含有マグ
ネタイトを熱処理する方法、マグネタイト層とCoO層
からなる多層膜を熱処理する方法のいずれの方法でも得
られるが、後者の方が生成時にお互いの結晶による成長
抑制を受けずに、それぞれ独立して成長できるため、よ
り(400)配向させやすく、好ましいものと考えられ
る。
ネタイトを熱処理する方法、マグネタイト層とCoO層
からなる多層膜を熱処理する方法のいずれの方法でも得
られるが、後者の方が生成時にお互いの結晶による成長
抑制を受けずに、それぞれ独立して成長できるため、よ
り(400)配向させやすく、好ましいものと考えられ
る。
【0043】本発明における多層膜の一周期の構成単位
は、マグネタイト層−CoO層の2層からなるもので
も、マグネタイト層−CoO層−マグネタイト層あるい
はCoO層−マグネタイト層−CoO層の3層からなる
ものでもよい。また、形成する順番は、マグネタイト層
−CoO層の2層からなるものでは、CoO層、マグネ
タイト層のどちらが先でもよい。
は、マグネタイト層−CoO層の2層からなるもので
も、マグネタイト層−CoO層−マグネタイト層あるい
はCoO層−マグネタイト層−CoO層の3層からなる
ものでもよい。また、形成する順番は、マグネタイト層
−CoO層の2層からなるものでは、CoO層、マグネ
タイト層のどちらが先でもよい。
【0044】多層膜の1周期の厚みをいくらにしても、
目的とする垂直磁化膜は得られる。本発明者は、1周期
の厚みが1500Åでも目的とする膜が得られることを
確認している。
目的とする垂直磁化膜は得られる。本発明者は、1周期
の厚みが1500Åでも目的とする膜が得られることを
確認している。
【0045】周期の数は1周期以上のいくらでもよく、
垂直磁化膜の厚みは、実用上500〜3000Åである
から、所望の厚みになるように周期の数を決めればよ
い。例えば、1500Åの膜厚の膜を作る場合、1周期
の厚さを1500Åにすれば、周期の数は1となり、1
周期の厚さを750Åとすれば2になる。
垂直磁化膜の厚みは、実用上500〜3000Åである
から、所望の厚みになるように周期の数を決めればよ
い。例えば、1500Åの膜厚の膜を作る場合、1周期
の厚さを1500Åにすれば、周期の数は1となり、1
周期の厚さを750Åとすれば2になる。
【0046】ヨーロッパ特許出願公開公報058614
2AIによれば、熱処理温度が280℃より低いか、あ
るいは、多層膜の1周期の厚さが800Åを越えるとC
oのγ−Fe2 O3 への拡散が不十分となり、垂直磁化
膜が得られ難くなるという記載があるが、本発明におい
てはCoのFeに対するモル比が低いため、Coのγ−
Fe2 O3 中への拡散が容易になり、熱処理温度が28
0℃より低くても、また、多層膜の1周期の厚さが80
0Åを越えても、目的とする垂直磁化膜が得られる。
2AIによれば、熱処理温度が280℃より低いか、あ
るいは、多層膜の1周期の厚さが800Åを越えるとC
oのγ−Fe2 O3 への拡散が不十分となり、垂直磁化
膜が得られ難くなるという記載があるが、本発明におい
てはCoのFeに対するモル比が低いため、Coのγ−
Fe2 O3 中への拡散が容易になり、熱処理温度が28
0℃より低くても、また、多層膜の1周期の厚さが80
0Åを越えても、目的とする垂直磁化膜が得られる。
【0047】本発明におけるCo及びMnを含む酸化物
層を作成する場合は、酸素雰囲気中で金属ターゲット
(Co金属、Mn金属、Co−Mn合金又はCo及びM
nの複合ターゲット)をスパッタする反応スパッタ法、
Co及びMnを含む酸化物の焼結ターゲットにより直接
酸化膜を形成する直接法、並びに酸素雰囲気中で金属
(CoとMnからなる金属や合金)を蒸着する反応蒸着
のいずれの方法によってもよい。
層を作成する場合は、酸素雰囲気中で金属ターゲット
(Co金属、Mn金属、Co−Mn合金又はCo及びM
nの複合ターゲット)をスパッタする反応スパッタ法、
Co及びMnを含む酸化物の焼結ターゲットにより直接
酸化膜を形成する直接法、並びに酸素雰囲気中で金属
(CoとMnからなる金属や合金)を蒸着する反応蒸着
のいずれの方法によってもよい。
【0048】本発明におけるマグネタイト単層膜又は多
層膜の熱処理温度は240〜450℃である。240℃
未満の場合には、マグネタイトFeOx・Fe2 O
3 (0<x≦1)の酸化(γ化)やマグヘマイト薄膜へ
のCoやMnの拡散が充分ではなく、本発明の目的とす
る垂直磁化膜が得られない。450℃を越える場合に
は、マグヘマイトのα化が生起し始め、本発明の目的と
する垂直磁化膜が得られない。
層膜の熱処理温度は240〜450℃である。240℃
未満の場合には、マグネタイトFeOx・Fe2 O
3 (0<x≦1)の酸化(γ化)やマグヘマイト薄膜へ
のCoやMnの拡散が充分ではなく、本発明の目的とす
る垂直磁化膜が得られない。450℃を越える場合に
は、マグヘマイトのα化が生起し始め、本発明の目的と
する垂直磁化膜が得られない。
【0049】熱処理にあたり、例えば特開昭57−54
309号に記載されている通り、膜中にCuを含有させ
てマグネタイトFeOx・Fe2 O3 (0<x≦1)の
酸化(γ化)温度を下げることが行われているが、本発
明においてもこの方法を実施することができ、同様の効
果を得ることができる。また、熱処理は、あらかじめマ
グネタイトFeOx・Fe2 O3 (0<x≦1)の酸化
(γ化)を200〜320℃で行なった後、次いで、2
40〜450℃でCoやMnの拡散を行うという2段階
で行うこともでき、この場合には酸化(γ化)の際に生
じやすいクラックの発生を抑えることができる。
309号に記載されている通り、膜中にCuを含有させ
てマグネタイトFeOx・Fe2 O3 (0<x≦1)の
酸化(γ化)温度を下げることが行われているが、本発
明においてもこの方法を実施することができ、同様の効
果を得ることができる。また、熱処理は、あらかじめマ
グネタイトFeOx・Fe2 O3 (0<x≦1)の酸化
(γ化)を200〜320℃で行なった後、次いで、2
40〜450℃でCoやMnの拡散を行うという2段階
で行うこともでき、この場合には酸化(γ化)の際に生
じやすいクラックの発生を抑えることができる。
【0050】本発明におけるNiO下地膜は、磁化膜の
(400)面配向が十分に促進するためには、膜厚が8
00〜3000Åが好ましく、より好ましくは1200
〜2400Åである。
(400)面配向が十分に促進するためには、膜厚が8
00〜3000Åが好ましく、より好ましくは1200
〜2400Åである。
【0051】NiO下地膜は、温度100℃以下に保持
した基体上に酸素雰囲気中で金属(Ni)ターゲットを
スパッタする反応スパッタ法、Niを含む酸化物の焼結
ターゲットにより直接酸化膜を作成する直接法、並びに
酸素雰囲気中で金属(Ni)を蒸着する反応蒸着法のい
ずれの方法によっても作成することができる。基体の温
度が100℃を越えると(200)面が基体の表面に平
行に配向しにくくなる。基体の温度は、100℃以下で
あればよく、この範囲内であれば低い温度の方が好まし
い。
した基体上に酸素雰囲気中で金属(Ni)ターゲットを
スパッタする反応スパッタ法、Niを含む酸化物の焼結
ターゲットにより直接酸化膜を作成する直接法、並びに
酸素雰囲気中で金属(Ni)を蒸着する反応蒸着法のい
ずれの方法によっても作成することができる。基体の温
度が100℃を越えると(200)面が基体の表面に平
行に配向しにくくなる。基体の温度は、100℃以下で
あればよく、この範囲内であれば低い温度の方が好まし
い。
【0052】本発明における基体は、ガラス等の汎用さ
れている基体材料を使用することができる。
れている基体材料を使用することができる。
【0053】
【作用】本発明において最も重要な点は、本発明に係る
垂直磁化膜は、基体上に(200)面が基体の表面に平
行に優先配向したNiO下地層を形成し、その上に(4
00)面が基体の表面に平行に優先配向したCo含有マ
グネタイト単層膜、あるいは、マグネタイトFeOx・
Fe2 O3 (0<x≦1)層とCoO層との多層膜であ
って、当該膜中のCoがFeに対しモル比で0.01以
上、0.10未満である単層膜又は多層膜を形成し、次
いで、得られた単層膜あるいは多層膜を240〜450
℃で熱処理することによって得られ、このようにして得
られた垂直磁化膜は、3000Oe未満の保磁力を有す
るとともに、大きな角形比(反磁場補正した値)、例え
ば、0.88以上を示し、且つ、耐酸化性や耐食性に優
れているという事実である。
垂直磁化膜は、基体上に(200)面が基体の表面に平
行に優先配向したNiO下地層を形成し、その上に(4
00)面が基体の表面に平行に優先配向したCo含有マ
グネタイト単層膜、あるいは、マグネタイトFeOx・
Fe2 O3 (0<x≦1)層とCoO層との多層膜であ
って、当該膜中のCoがFeに対しモル比で0.01以
上、0.10未満である単層膜又は多層膜を形成し、次
いで、得られた単層膜あるいは多層膜を240〜450
℃で熱処理することによって得られ、このようにして得
られた垂直磁化膜は、3000Oe未満の保磁力を有す
るとともに、大きな角形比(反磁場補正した値)、例え
ば、0.88以上を示し、且つ、耐酸化性や耐食性に優
れているという事実である。
【0054】本発明に係る垂直磁化膜がNiO下地層を
使用しているにもかかわらず、垂直異方性が大きい理由
について、本発明者は、Co含有マグヘマイト薄膜の
(400)面の面間隔がNiO下地膜の(200)面の
面間隔である2.09Åに比べ、2.082Å以下、殊
に、2.065〜2.082Åと小さく、その結果、磁
性膜面内に引っ張り応力が働くためであると考えてい
る。
使用しているにもかかわらず、垂直異方性が大きい理由
について、本発明者は、Co含有マグヘマイト薄膜の
(400)面の面間隔がNiO下地膜の(200)面の
面間隔である2.09Åに比べ、2.082Å以下、殊
に、2.065〜2.082Åと小さく、その結果、磁
性膜面内に引っ張り応力が働くためであると考えてい
る。
【0055】本発明に係る垂直磁化膜が、適当な保磁
力、殊に3000Oeより小さい保磁力が得られる理由
について、本発明者は、Co含有マグヘマイト薄膜中の
CoがFeに対してモル比で0.01以上、0.10未
満であってもNiOの下地膜がない場合、NiO下地膜
を介して生成されたCo含有マグヘマイト薄膜であって
も当該膜中のCoがFeに対してモル比で0.10以上
の場合のいずれも保磁力が3000Oe未満とならない
ことから、NiO下地膜を介してCo含有マグヘマイト
薄膜が生成されていることと磁性膜中のCoがFeに対
してモル比で0.01以上、0.10未満であることと
の相乗効果によるものと考えている。
力、殊に3000Oeより小さい保磁力が得られる理由
について、本発明者は、Co含有マグヘマイト薄膜中の
CoがFeに対してモル比で0.01以上、0.10未
満であってもNiOの下地膜がない場合、NiO下地膜
を介して生成されたCo含有マグヘマイト薄膜であって
も当該膜中のCoがFeに対してモル比で0.10以上
の場合のいずれも保磁力が3000Oe未満とならない
ことから、NiO下地膜を介してCo含有マグヘマイト
薄膜が生成されていることと磁性膜中のCoがFeに対
してモル比で0.01以上、0.10未満であることと
の相乗効果によるものと考えている。
【0056】また、NiO下地膜を介して生成されたC
o含有マグヘマイト薄膜のCoがFeに対して0.01
以上、0.10未満である場合でも、当該薄膜の(40
0)面の面間隔が2.065未満になると保磁力が30
00Oe以上になることから、本発明者は、Co含有マ
グヘマイト薄膜の(400)面の面間隔も保磁力の値に
影響しているものと考えている。
o含有マグヘマイト薄膜のCoがFeに対して0.01
以上、0.10未満である場合でも、当該薄膜の(40
0)面の面間隔が2.065未満になると保磁力が30
00Oe以上になることから、本発明者は、Co含有マ
グヘマイト薄膜の(400)面の面間隔も保磁力の値に
影響しているものと考えている。
【0057】Fe3 O4 からγ−Fe2 O3 へ変化する
際、結晶形態の変化はほとんど伴わない。即ち、Fe3
O4 は格子定数が8.3967Åのcubic spi
nelであり(Ref.National Burea
u of Standards,Monograph
25,Sec.5,31(1967).)、γ−Fe2
O3 も格子定数が8.350Åのcubic spin
elである(Ref.Haul and Shoon,
Z.phys.Chemie,44 216−226
(1939).)。Cubicの結晶形では(400)
面と(040)面と(004)面は等価であるため、X
線回折のスペクトルにおいてこれらの面のピークはすべ
て同じ位置に現れる。従って、本発明においては、これ
らの面は、すべて(400)面と記載する。
際、結晶形態の変化はほとんど伴わない。即ち、Fe3
O4 は格子定数が8.3967Åのcubic spi
nelであり(Ref.National Burea
u of Standards,Monograph
25,Sec.5,31(1967).)、γ−Fe2
O3 も格子定数が8.350Åのcubic spin
elである(Ref.Haul and Shoon,
Z.phys.Chemie,44 216−226
(1939).)。Cubicの結晶形では(400)
面と(040)面と(004)面は等価であるため、X
線回折のスペクトルにおいてこれらの面のピークはすべ
て同じ位置に現れる。従って、本発明においては、これ
らの面は、すべて(400)面と記載する。
【0058】NiOの結晶もCubic型であり、従っ
て、(200)面と(020)面と(002)面とは等
価であるため、これらの面はいずれも(200)面と記
載する。
て、(200)面と(020)面と(002)面とは等
価であるため、これらの面はいずれも(200)面と記
載する。
【0059】尚、本発明に係る垂直磁化膜の面間隔が小
さいのは、基体の収縮等によるものではなく、膜自体に
よるものであることは、本発明に係る垂直磁化膜と同じ
ガラス基体上に(222)面が基体に平行に配向したF
e3 O4 単層膜(2000Å)を作成した後酸化(γ
化)した膜の(222)面の面間隔がバルクの値2.4
08Åとほぼ同等の2.407Åであったことにより確
認している。
さいのは、基体の収縮等によるものではなく、膜自体に
よるものであることは、本発明に係る垂直磁化膜と同じ
ガラス基体上に(222)面が基体に平行に配向したF
e3 O4 単層膜(2000Å)を作成した後酸化(γ
化)した膜の(222)面の面間隔がバルクの値2.4
08Åとほぼ同等の2.407Åであったことにより確
認している。
【0060】本発明における多層膜は、基体上に(20
0)面が基体の表面に平行に優先配向したNiO下地膜
を介して形成されることによって、一周期の厚みを厚く
することができる。
0)面が基体の表面に平行に優先配向したNiO下地膜
を介して形成されることによって、一周期の厚みを厚く
することができる。
【0061】この理由について、本発明者は、NiO下
地膜に対してマグネタイト層とCoO層又はCo及びM
nを含む酸化物層とがエピタキシャルな結晶成長をして
いる為と考えている。
地膜に対してマグネタイト層とCoO層又はCo及びM
nを含む酸化物層とがエピタキシャルな結晶成長をして
いる為と考えている。
【0062】本発明の垂直磁化膜の磁気特性は、保磁力
が3000Oe未満、好ましくは、2500Oe以下、
より好ましくは、1000Oe以上;飽和磁化値が28
0emu/cm3 以上、好ましくは300emu/cm
3 以上、より好ましくは310emu/cm3 以上;角
形比が0.33以上、好ましくは0.40以上;反磁場
補正した角形比が0.88以上、好ましくは0.92以
上、より好ましくは0.94以上;垂直異方性磁場が5
000Oe以上、好ましくは6000Oe以上である。
が3000Oe未満、好ましくは、2500Oe以下、
より好ましくは、1000Oe以上;飽和磁化値が28
0emu/cm3 以上、好ましくは300emu/cm
3 以上、より好ましくは310emu/cm3 以上;角
形比が0.33以上、好ましくは0.40以上;反磁場
補正した角形比が0.88以上、好ましくは0.92以
上、より好ましくは0.94以上;垂直異方性磁場が5
000Oe以上、好ましくは6000Oe以上である。
【0063】
【実施例】次に、実施例並びに比較例により本発明を説
明する。
明する。
【0064】尚、以下の実施例並びに比較例における垂
直磁化膜の磁気特性は、「振動試料型磁力計VSM−3
S−15」(東英工業(株)製)を用いて測定した値で
示した。
直磁化膜の磁気特性は、「振動試料型磁力計VSM−3
S−15」(東英工業(株)製)を用いて測定した値で
示した。
【0065】薄膜のX線回折スペクトルは、X線回折装
置RAD−2A(理学電機(株)製)で測定した。測定
条件は、使用管球:Fe、管電圧:40kV、管電流:
20mA、ゴニオメーター:広角ゴニオメーター、サン
プリング幅:0.010°、走査速度:1.000°/
min、発散スリット:1°、散乱スリット:1°、受
光スリット:0.30mmで、回折角(2θ)が40.
00°から60.00°の領域を測定した。
置RAD−2A(理学電機(株)製)で測定した。測定
条件は、使用管球:Fe、管電圧:40kV、管電流:
20mA、ゴニオメーター:広角ゴニオメーター、サン
プリング幅:0.010°、走査速度:1.000°/
min、発散スリット:1°、散乱スリット:1°、受
光スリット:0.30mmで、回折角(2θ)が40.
00°から60.00°の領域を測定した。
【0066】NiO下地層とCo含有γ−Fe2 O3 か
らなる本発明の膜のX線回折スペクトルにおいて、Co
含有γ−Fe2 O3 の(400)面のピーク位置と、N
iOの(200)面のピーク位置とが非常に近いため、
この2つのピークが重なってしまう。従って、Co含有
γ−Fe2 O3 の(400)面のピークの面積を求める
ためには、本発明の膜のX線回折スペクトルのCo含有
γ−Fe2 O3 の(400)面とNiOの(200)面
からなるピークの面積からNiOの(200)面のピー
クの面積を引く必要がある。
らなる本発明の膜のX線回折スペクトルにおいて、Co
含有γ−Fe2 O3 の(400)面のピーク位置と、N
iOの(200)面のピーク位置とが非常に近いため、
この2つのピークが重なってしまう。従って、Co含有
γ−Fe2 O3 の(400)面のピークの面積を求める
ためには、本発明の膜のX線回折スペクトルのCo含有
γ−Fe2 O3 の(400)面とNiOの(200)面
からなるピークの面積からNiOの(200)面のピー
クの面積を引く必要がある。
【0067】ここで、NiOの(200)面のピークの
面積は、以下の2つの方法で求めたが、どちらの方法を
用いてもほぼ同じ値が得られた。
面積は、以下の2つの方法で求めたが、どちらの方法を
用いてもほぼ同じ値が得られた。
【0068】方法1 NiO層を作成した時点で、この層のX線回折スペクト
ルを測定し、(200)面のピークの面積を求める。
ルを測定し、(200)面のピークの面積を求める。
【0069】方法2 NiO下地層とCo含有γ−Fe2 O3 からなる本発明
の膜を80℃の濃塩酸に30秒浸けた後、取り出し、水
洗、乾燥させる。Co含有γ−Fe2 O3 に比べNiO
が酸に溶け難いため、この処理でCo含有γ−Fe2 O
3 のみを除去することができる。こうして得られた膜の
X線回折スペクトルを測定し、NiOの(200)面の
ピークの面積を求める。
の膜を80℃の濃塩酸に30秒浸けた後、取り出し、水
洗、乾燥させる。Co含有γ−Fe2 O3 に比べNiO
が酸に溶け難いため、この処理でCo含有γ−Fe2 O
3 のみを除去することができる。こうして得られた膜の
X線回折スペクトルを測定し、NiOの(200)面の
ピークの面積を求める。
【0070】また、Co含有γ−Fe2 O3 の(40
0)面の面間隔は、本発明の膜のX線回折スペクトルか
ら、上記方法で測定したNiO下地層のX線回折スペク
トルを演算処理(RINT製)により除去し、得られた
Co含有γ−Fe2 O3 のX線回折スペクトルの(40
0)面のピーク位置から求めた。また、この方法で得ら
れたCo含有γ−Fe2 O3 のX線回折スペクトルから
(400)面のピークの面積を求めてもよい。
0)面の面間隔は、本発明の膜のX線回折スペクトルか
ら、上記方法で測定したNiO下地層のX線回折スペク
トルを演算処理(RINT製)により除去し、得られた
Co含有γ−Fe2 O3 のX線回折スペクトルの(40
0)面のピーク位置から求めた。また、この方法で得ら
れたCo含有γ−Fe2 O3 のX線回折スペクトルから
(400)面のピークの面積を求めてもよい。
【0071】実施例1 高周波ハイレートスパッタ装置SH−250H−T06
((株)日本真空製)を用いた反応スパッタ法により、
基体とターゲットとの間の距離を80mmに設定して、
室温でガラス基体上に、酸素分圧0.11mTorr、
全圧5mTorrのアルゴンと酸素とからなる雰囲気中
で、金属(Ni)ターゲットをスパッタリングして40
Å/分の付着速度で、下地層としてNaCl型NiO膜
を1000Åの厚みで形成した。
((株)日本真空製)を用いた反応スパッタ法により、
基体とターゲットとの間の距離を80mmに設定して、
室温でガラス基体上に、酸素分圧0.11mTorr、
全圧5mTorrのアルゴンと酸素とからなる雰囲気中
で、金属(Ni)ターゲットをスパッタリングして40
Å/分の付着速度で、下地層としてNaCl型NiO膜
を1000Åの厚みで形成した。
【0072】このNiO膜は、X線回折スペクトル測定
の結果、(200)面のピークの面積と(111)面の
ピークの面積の比〔S(200) /S(111) 〕の値は5であ
り、(200)面が基体の表面に対して平行に優先配向
していた。
の結果、(200)面のピークの面積と(111)面の
ピークの面積の比〔S(200) /S(111) 〕の値は5であ
り、(200)面が基体の表面に対して平行に優先配向
していた。
【0073】更に、この上に200℃でスピネル型Fe
3 O4 膜の厚みを158Å、NaCl型CoO膜の厚み
を2Å(CoがFeに対してモル比で0.02に該当す
る。)として1周期の厚みを160Åとし、この操作を
交互に24回繰り返して、Fe3 O4 層とCoO膜のそ
れぞれを12層として多層膜を得た。
3 O4 膜の厚みを158Å、NaCl型CoO膜の厚み
を2Å(CoがFeに対してモル比で0.02に該当す
る。)として1周期の厚みを160Åとし、この操作を
交互に24回繰り返して、Fe3 O4 層とCoO膜のそ
れぞれを12層として多層膜を得た。
【0074】得られた多層膜は、X線回折スペクトル測
定の結果、(400)面のピークの面積と(311)面
のピークの面積の比〔S(400) /S(311) 〕の値は8で
あり、(400)面が基体の表面に対して平行に優先配
向していた。
定の結果、(400)面のピークの面積と(311)面
のピークの面積の比〔S(400) /S(311) 〕の値は8で
あり、(400)面が基体の表面に対して平行に優先配
向していた。
【0075】得られた多層膜を330℃で2時間大気中
で熱処理をして、NiO膜を下地層とするCo含有γ−
Fe2 O3 膜を作成した。
で熱処理をして、NiO膜を下地層とするCo含有γ−
Fe2 O3 膜を作成した。
【0076】得られたCo含有γ−Fe2 O3 膜は、X
線回折スペクトル測定の結果、(400)面のピークの
面積と(311)面のピークの面積の比〔S(400) /S
(311 ) 〕の値は5であり、(400)面が基体の表面に
対して平行に優先配向しており、(400)面の面間隔
は2.075Åであった。このCo含有γ−Fe2 O3
膜の磁化曲線を観察した結果、垂直磁化膜であることが
認められた。また、この垂直磁化膜の磁気特性は、飽和
磁化値が340emu/cm3 、保磁力値が1150O
e、角型比が0.37(反磁場補正した値は0.9
2)、垂直異方性磁場5200Oeであり、良好な垂直
磁化膜であることが認められる。
線回折スペクトル測定の結果、(400)面のピークの
面積と(311)面のピークの面積の比〔S(400) /S
(311 ) 〕の値は5であり、(400)面が基体の表面に
対して平行に優先配向しており、(400)面の面間隔
は2.075Åであった。このCo含有γ−Fe2 O3
膜の磁化曲線を観察した結果、垂直磁化膜であることが
認められた。また、この垂直磁化膜の磁気特性は、飽和
磁化値が340emu/cm3 、保磁力値が1150O
e、角型比が0.37(反磁場補正した値は0.9
2)、垂直異方性磁場5200Oeであり、良好な垂直
磁化膜であることが認められる。
【0077】実施例2 高周波ハイレートスパッタ装置SH−250H−T06
((株)日本真空製)を用いた反応スパッタ法により、
基体とターゲットとの間の距離を80mmに設定して、
室温でガラス基体上に、酸素分圧0.11mTorr、
全圧5mTorrのアルゴンと酸素とからなる雰囲気中
で、金属(Ni)ターゲットをスパッタリングして40
Å/分の付着速度で、下地層としてNaCl型NiO膜
を2000Åの厚みで形成した。
((株)日本真空製)を用いた反応スパッタ法により、
基体とターゲットとの間の距離を80mmに設定して、
室温でガラス基体上に、酸素分圧0.11mTorr、
全圧5mTorrのアルゴンと酸素とからなる雰囲気中
で、金属(Ni)ターゲットをスパッタリングして40
Å/分の付着速度で、下地層としてNaCl型NiO膜
を2000Åの厚みで形成した。
【0078】このNiO膜は、X線回折スペクトル測定
の結果、(200)面のピークの面積と(111)面の
ピークの面積の比〔S(200) /S(111) 〕の値は20で
あり、(200)面が基体の表面に対して平行に優先配
向していた。
の結果、(200)面のピークの面積と(111)面の
ピークの面積の比〔S(200) /S(111) 〕の値は20で
あり、(200)面が基体の表面に対して平行に優先配
向していた。
【0079】更に、この上に200℃でスピネル型Fe
3 O4 膜の厚みを400Å、NaCl型CoO膜の厚み
を8Å(CoがFeに対してモル比で0.03に該当す
る。)として1周期の厚みを408Åとし、この操作を
交互に12回繰り返して、Fe3 O4 層とCoO膜のそ
れぞれを6層として多層膜を得た。
3 O4 膜の厚みを400Å、NaCl型CoO膜の厚み
を8Å(CoがFeに対してモル比で0.03に該当す
る。)として1周期の厚みを408Åとし、この操作を
交互に12回繰り返して、Fe3 O4 層とCoO膜のそ
れぞれを6層として多層膜を得た。
【0080】得られた多層膜は、X線回折スペクトル測
定の結果、(400)面のピークの面積と(311)面
のピークの面積の比〔S(400) /S(311) 〕の値は8で
あり、(400)面が基体の表面に対して平行に優先配
向していた。
定の結果、(400)面のピークの面積と(311)面
のピークの面積の比〔S(400) /S(311) 〕の値は8で
あり、(400)面が基体の表面に対して平行に優先配
向していた。
【0081】得られた多層膜を330℃で2時間大気中
で熱処理をして、NiO膜を下地層とするCo含有γ−
Fe2 O3 膜を作成した。
で熱処理をして、NiO膜を下地層とするCo含有γ−
Fe2 O3 膜を作成した。
【0082】得られたCo含有γ−Fe2 O3 膜は、X
線回折スペクトル測定の結果、(400)面のピークの
面積と(311)面のピークの面積の比〔S(400) /S
(311) 〕の値は5であり、(400)面が基体の表面に
対して平行に優先配向しており、(400)面の面間隔
は2.072Åであった。このCo含有γ−Fe2 O3
膜の磁化曲線を観察した結果、垂直磁化膜であることが
認められた。また、この垂直磁化膜の磁気特性は、飽和
磁化値が335emu/cm3 、保磁力値が2000O
e、角型比が0.65(反磁場補正した値は0.9
3)、垂直異方性磁場7800Oeであり、良好な垂直
磁化膜であることが認められる。
線回折スペクトル測定の結果、(400)面のピークの
面積と(311)面のピークの面積の比〔S(400) /S
(311) 〕の値は5であり、(400)面が基体の表面に
対して平行に優先配向しており、(400)面の面間隔
は2.072Åであった。このCo含有γ−Fe2 O3
膜の磁化曲線を観察した結果、垂直磁化膜であることが
認められた。また、この垂直磁化膜の磁気特性は、飽和
磁化値が335emu/cm3 、保磁力値が2000O
e、角型比が0.65(反磁場補正した値は0.9
3)、垂直異方性磁場7800Oeであり、良好な垂直
磁化膜であることが認められる。
【0083】実施例3 高周波ハイレートスパッタ装置SH−250H−T06
((株)日本真空製)を用いた反応スパッタ法により、
基体とターゲットとの間の距離を80mmに設定して、
室温でガラス基体上に、酸素分圧0.11mTorr、
全圧5mTorrのアルゴンと酸素とからなる雰囲気中
で、金属(Ni)ターゲットをスパッタリングして40
Å/分の付着速度で、下地層としてNaCl型NiO膜
を2000Åの厚みで形成した。
((株)日本真空製)を用いた反応スパッタ法により、
基体とターゲットとの間の距離を80mmに設定して、
室温でガラス基体上に、酸素分圧0.11mTorr、
全圧5mTorrのアルゴンと酸素とからなる雰囲気中
で、金属(Ni)ターゲットをスパッタリングして40
Å/分の付着速度で、下地層としてNaCl型NiO膜
を2000Åの厚みで形成した。
【0084】このNiO膜は、X線回折スペクトル測定
の結果、(200)面のピークの面積と(111)面の
ピークの面積の比〔S(200) /S(111) 〕の値は10で
あり、(200)面が基体の表面に対して平行に優先配
向していた。
の結果、(200)面のピークの面積と(111)面の
ピークの面積の比〔S(200) /S(111) 〕の値は10で
あり、(200)面が基体の表面に対して平行に優先配
向していた。
【0085】更に、この上に200℃でスピネル型Fe
3 O4 膜の厚みを300Å、NaCl型CoO膜の厚み
を14Å(CoがFeに対してモル比で0.07に該当
する。)として1周期の厚みを314Åとし、この操作
を交互に8回繰り返して、Fe3 O4 層とCoO膜のそ
れぞれを4層として多層膜を得た。
3 O4 膜の厚みを300Å、NaCl型CoO膜の厚み
を14Å(CoがFeに対してモル比で0.07に該当
する。)として1周期の厚みを314Åとし、この操作
を交互に8回繰り返して、Fe3 O4 層とCoO膜のそ
れぞれを4層として多層膜を得た。
【0086】得られた多層膜は、X線回折スペクトル測
定の結果、(400)面のピークの面積と(311)面
のピークの面積の比〔S(400) /S(311) 〕の値は14
であり、(400)面が基体の表面に対して平行に優先
配向していた。
定の結果、(400)面のピークの面積と(311)面
のピークの面積の比〔S(400) /S(311) 〕の値は14
であり、(400)面が基体の表面に対して平行に優先
配向していた。
【0087】得られた多層膜を350℃で2時間大気中
で熱処理をして、NiO膜を下地層とするCo含有γ−
Fe2 O3 膜を作成した。
で熱処理をして、NiO膜を下地層とするCo含有γ−
Fe2 O3 膜を作成した。
【0088】得られたCo含有γ−Fe2 O3 膜は、X
線回折スペクトル測定の結果、(400)面のピークの
面積と(311)面のピークの面積の比〔S(400) /S
(311) 〕の値は10であり、(400)面が基体に対し
て平行に優先配向しており、(400)面の面間隔は
2.082Åであった。このCo含有γ−Fe2 O3 膜
の磁化曲線を観察した結果、垂直磁化膜であることが認
められた。また、この垂直磁化膜の磁気特性は、飽和磁
化値が325emu/cm3 、保磁力値が2900O
e、角型比が0.80(反磁場補正した値は0.9
4)、垂直異方性磁場10000Oeであり、良好な垂
直磁化膜であることが認められる。
線回折スペクトル測定の結果、(400)面のピークの
面積と(311)面のピークの面積の比〔S(400) /S
(311) 〕の値は10であり、(400)面が基体に対し
て平行に優先配向しており、(400)面の面間隔は
2.082Åであった。このCo含有γ−Fe2 O3 膜
の磁化曲線を観察した結果、垂直磁化膜であることが認
められた。また、この垂直磁化膜の磁気特性は、飽和磁
化値が325emu/cm3 、保磁力値が2900O
e、角型比が0.80(反磁場補正した値は0.9
4)、垂直異方性磁場10000Oeであり、良好な垂
直磁化膜であることが認められる。
【0089】実施例4 高周波ハイレートスパッタ装置SH−250H−T06
((株)日本真空製)を用いた反応スパッタ法により、
基体とターゲットとの間の距離を80mmに設定して、
室温でガラス基体上に、酸素分圧0.11mTorr、
全圧5mTorrのアルゴンと酸素とからなる雰囲気中
で、金属(Ni)ターゲットをスパッタリングして40
Å/分の付着速度で、下地層としてNaCl型NiO膜
を1000Åの厚みで形成した。
((株)日本真空製)を用いた反応スパッタ法により、
基体とターゲットとの間の距離を80mmに設定して、
室温でガラス基体上に、酸素分圧0.11mTorr、
全圧5mTorrのアルゴンと酸素とからなる雰囲気中
で、金属(Ni)ターゲットをスパッタリングして40
Å/分の付着速度で、下地層としてNaCl型NiO膜
を1000Åの厚みで形成した。
【0090】このNiO膜は、X線回折スペクトル測定
の結果、(200)面のピークの面積と(111)面の
ピークの面積の比〔S(200) /S(111) 〕の値は10で
あり、(200)面が基体の表面に対して平行に優先配
向していた。
の結果、(200)面のピークの面積と(111)面の
ピークの面積の比〔S(200) /S(111) 〕の値は10で
あり、(200)面が基体の表面に対して平行に優先配
向していた。
【0091】更に、この上に250℃でスピネル型Fe
3 O4 膜の厚みを260Å、Co及びMnを含む酸化物
(MnがCoに対してモル比で0.24に該当する。)
膜を4Åの厚みで1周期形成した。1周期の厚みは26
4Åであり、CoがFeに対してモル比で0.02であ
った。この操作を交互に20回繰り返して、260Åの
厚みのFe3 O4 層と4Åの厚みのCo及びMnを含む
酸化物層のそれぞれを10層として多層膜を得た。
3 O4 膜の厚みを260Å、Co及びMnを含む酸化物
(MnがCoに対してモル比で0.24に該当する。)
膜を4Åの厚みで1周期形成した。1周期の厚みは26
4Åであり、CoがFeに対してモル比で0.02であ
った。この操作を交互に20回繰り返して、260Åの
厚みのFe3 O4 層と4Åの厚みのCo及びMnを含む
酸化物層のそれぞれを10層として多層膜を得た。
【0092】得られた多層膜は、X線回折スペクトル測
定の結果、(400)面のピークの面積と(311)面
のピークの面積の比〔S(400) /S(311) 〕の値は6で
あり、(400)面が基体の表面に対して平行に優先配
向していた。
定の結果、(400)面のピークの面積と(311)面
のピークの面積の比〔S(400) /S(311) 〕の値は6で
あり、(400)面が基体の表面に対して平行に優先配
向していた。
【0093】得られた多層膜を350℃で1時間大気中
で熱処理をして、NiO膜を下地層とするCo−Mn含
有γ−Fe2 O3 膜を作成した。
で熱処理をして、NiO膜を下地層とするCo−Mn含
有γ−Fe2 O3 膜を作成した。
【0094】得られたCo−Mn含有γ−Fe2 O3 膜
は、X線回折スペクトル測定の結果、(400)面のピ
ークの面積と(311)面のピークの面積の比〔S
(400) /S(311) 〕の値は4であり、(400)面が基
体の表面に対して平行に優先配向しており、(400)
面の面間隔は2.072Åであった。このCo含有γ−
Fe2 O3 膜の磁化曲線を観察した結果、垂直磁化膜で
あることが認められた。また、この垂直磁化膜の磁気特
性は、飽和磁化値が330emu/cm3 、保磁力値が
1450Oe、角型比が0.47(反磁場補正した値は
0.95)、垂直異方性磁場6200Oeであり、良好
な垂直磁化膜であることが認められる。
は、X線回折スペクトル測定の結果、(400)面のピ
ークの面積と(311)面のピークの面積の比〔S
(400) /S(311) 〕の値は4であり、(400)面が基
体の表面に対して平行に優先配向しており、(400)
面の面間隔は2.072Åであった。このCo含有γ−
Fe2 O3 膜の磁化曲線を観察した結果、垂直磁化膜で
あることが認められた。また、この垂直磁化膜の磁気特
性は、飽和磁化値が330emu/cm3 、保磁力値が
1450Oe、角型比が0.47(反磁場補正した値は
0.95)、垂直異方性磁場6200Oeであり、良好
な垂直磁化膜であることが認められる。
【0095】実施例5 高周波ハイレートスパッタ装置SH−250H−T06
((株)日本真空製)を用いた反応スパッタ法により、
基体とターゲットとの間の距離を80mmに設定して、
室温でガラス基体上に、酸素分圧0.11mTorr、
全圧5mTorrのアルゴンと酸素とからなる雰囲気中
で、金属(Ni)ターゲットをスパッタリングして40
Å/分の付着速度で、下地層としてNaCl型NiO膜
を1000Åの厚みで形成した。
((株)日本真空製)を用いた反応スパッタ法により、
基体とターゲットとの間の距離を80mmに設定して、
室温でガラス基体上に、酸素分圧0.11mTorr、
全圧5mTorrのアルゴンと酸素とからなる雰囲気中
で、金属(Ni)ターゲットをスパッタリングして40
Å/分の付着速度で、下地層としてNaCl型NiO膜
を1000Åの厚みで形成した。
【0096】このNiO膜は、X線回折スペクトル測定
の結果、(200)面のピークの面積と(111)面の
ピークの面積の比〔S(200) /S(111) 〕の値は4であ
り、(200)面が基体の表面に対して平行に優先配向
していた。
の結果、(200)面のピークの面積と(111)面の
ピークの面積の比〔S(200) /S(111) 〕の値は4であ
り、(200)面が基体の表面に対して平行に優先配向
していた。
【0097】更に、この上に200℃でスピネル型Fe
3 O4 膜の厚みを300Å、Co及びMnを含む酸化物
(MnがCoに対してモル比で0.10に該当する。)
膜を4Åの厚みで形成し、1周期とした。1周期の厚み
は304Åであり、CoがFeに対してモル比で0.0
2であった。この操作を交互に20回繰り返して、30
0Åの厚みのFe3 O4 層と4Åの厚みのCo及びMn
を含む酸化物層のそれぞれを10層として多層膜を得
た。
3 O4 膜の厚みを300Å、Co及びMnを含む酸化物
(MnがCoに対してモル比で0.10に該当する。)
膜を4Åの厚みで形成し、1周期とした。1周期の厚み
は304Åであり、CoがFeに対してモル比で0.0
2であった。この操作を交互に20回繰り返して、30
0Åの厚みのFe3 O4 層と4Åの厚みのCo及びMn
を含む酸化物層のそれぞれを10層として多層膜を得
た。
【0098】得られた多層膜は、X線回折スペクトル測
定の結果、(400)面のピークの面積と(311)面
のピークの面積の比〔S(400) /S(311) 〕の値は9で
あり、(400)面が基体の表面に対して平行に優先配
向していた。
定の結果、(400)面のピークの面積と(311)面
のピークの面積の比〔S(400) /S(311) 〕の値は9で
あり、(400)面が基体の表面に対して平行に優先配
向していた。
【0099】得られた多層膜を350℃で1時間大気中
で熱処理をして、NiO膜を下地層とするCo−Mn含
有γ−Fe2 O3 膜を作成した。
で熱処理をして、NiO膜を下地層とするCo−Mn含
有γ−Fe2 O3 膜を作成した。
【0100】得られたCo−Mn含有γ−Fe2 O3 膜
は、X線回折スペクトル測定の結果、(400)面のピ
ークの面積と(311)面のピークの面積の比〔S
(400) /S(311) 〕の値は7であり、(400)面が基
体の表面に対して平行に優先配向しており、(400)
面の面間隔は2.069Åであった。このCo含有γ−
Fe2 O3 膜の磁化曲線を観察した結果、垂直磁化膜で
あることが認められた。また、この垂直磁化膜の磁気特
性は、飽和磁化値が335emu/cm3 、保磁力値が
1500Oe、角型比が0.46(反磁場補正した値は
0.96)、垂直異方性磁場6100Oeであり、良好
な垂直磁化膜であることが認められる。
は、X線回折スペクトル測定の結果、(400)面のピ
ークの面積と(311)面のピークの面積の比〔S
(400) /S(311) 〕の値は7であり、(400)面が基
体の表面に対して平行に優先配向しており、(400)
面の面間隔は2.069Åであった。このCo含有γ−
Fe2 O3 膜の磁化曲線を観察した結果、垂直磁化膜で
あることが認められた。また、この垂直磁化膜の磁気特
性は、飽和磁化値が335emu/cm3 、保磁力値が
1500Oe、角型比が0.46(反磁場補正した値は
0.96)、垂直異方性磁場6100Oeであり、良好
な垂直磁化膜であることが認められる。
【0101】実施例6 高周波ハイレートスパッタ装置SH−250H−T06
((株)日本真空製)を用いた反応スパッタ法により、
基体とターゲットとの間の距離を80mmに設定して、
室温でガラス基体上に、酸素分圧0.11mTorr、
全圧5mTorrのアルゴンと酸素とからなる雰囲気中
で、金属(Ni)ターゲットをスパッタリングして40
Å/分の付着速度で、下地層としてNaCl型NiO膜
を1000Åの厚みで形成した。
((株)日本真空製)を用いた反応スパッタ法により、
基体とターゲットとの間の距離を80mmに設定して、
室温でガラス基体上に、酸素分圧0.11mTorr、
全圧5mTorrのアルゴンと酸素とからなる雰囲気中
で、金属(Ni)ターゲットをスパッタリングして40
Å/分の付着速度で、下地層としてNaCl型NiO膜
を1000Åの厚みで形成した。
【0102】このNiO膜は、X線回折スペクトル測定
の結果、(200)面のピークの面積と(111)面の
ピークの面積の比〔S(200) /S(111) 〕の値は6であ
り、(200)面が基体の表面に対して平行に優先配向
していた。
の結果、(200)面のピークの面積と(111)面の
ピークの面積の比〔S(200) /S(111) 〕の値は6であ
り、(200)面が基体の表面に対して平行に優先配向
していた。
【0103】更に、この上に200℃でスピネル型Fe
3 O4 膜の厚みを280Å、NaCl型CoO膜の厚み
を4Å(CoがFeに対してモル比で0.023に該当
する。)として1周期の厚みを284Åとし、この操作
を交互に6回繰り返して、Fe3 O4 層とCoO膜のそ
れぞれを3層として多層膜を得た。
3 O4 膜の厚みを280Å、NaCl型CoO膜の厚み
を4Å(CoがFeに対してモル比で0.023に該当
する。)として1周期の厚みを284Åとし、この操作
を交互に6回繰り返して、Fe3 O4 層とCoO膜のそ
れぞれを3層として多層膜を得た。
【0104】得られた多層膜は、X線回折スペクトル測
定の結果、(400)面のピークの面積と(311)面
のピークの面積の比〔S(400) /S(311) 〕の値は4で
あり、(400)面が基体の表面に対して平行に優先配
向していた。
定の結果、(400)面のピークの面積と(311)面
のピークの面積の比〔S(400) /S(311) 〕の値は4で
あり、(400)面が基体の表面に対して平行に優先配
向していた。
【0105】得られた多層膜を330℃で2時間大気中
で熱処理をして、NiO膜を下地層とするCo含有γ−
Fe2 O3 膜を作成した。
で熱処理をして、NiO膜を下地層とするCo含有γ−
Fe2 O3 膜を作成した。
【0106】得られたCo含有γ−Fe2 O3 膜は、X
線回折スペクトル測定の結果、(400)面のピークの
面積と(311)面のピークの面積の比〔S(400) /S
(311) 〕の値は3であり、(400)面が基体の表面に
対して平行に優先配向しており、(400)面の面間隔
は2.070Åであった。このCo含有γ−Fe2 O3
膜の磁化曲線を観察した結果、垂直磁化膜であることが
認められた。また、この垂直磁化膜の磁気特性は、飽和
磁化値が330emu/cm3 、保磁力値が2980O
e、角型比が0.79(反磁場補正した値は0.9
0)、垂直異方性磁場11000Oeであり、良好な垂
直磁化膜であることが認められる。
線回折スペクトル測定の結果、(400)面のピークの
面積と(311)面のピークの面積の比〔S(400) /S
(311) 〕の値は3であり、(400)面が基体の表面に
対して平行に優先配向しており、(400)面の面間隔
は2.070Åであった。このCo含有γ−Fe2 O3
膜の磁化曲線を観察した結果、垂直磁化膜であることが
認められた。また、この垂直磁化膜の磁気特性は、飽和
磁化値が330emu/cm3 、保磁力値が2980O
e、角型比が0.79(反磁場補正した値は0.9
0)、垂直異方性磁場11000Oeであり、良好な垂
直磁化膜であることが認められる。
【0107】実施例7 高周波ハイレートスパッタ装置SH−250H−T06
((株)日本真空製)を用いた反応スパッタ法により、
基体とターゲットとの間の距離を80mmに設定して、
室温でガラス基体上に、酸素分圧0.11mTorr、
全圧5mTorrのアルゴンと酸素とからなる雰囲気中
で、金属(Ni)ターゲットをスパッタリングして40
Å/分の付着速度で、下地層としてNaCl型NiO膜
を1000Åの厚みで形成した。
((株)日本真空製)を用いた反応スパッタ法により、
基体とターゲットとの間の距離を80mmに設定して、
室温でガラス基体上に、酸素分圧0.11mTorr、
全圧5mTorrのアルゴンと酸素とからなる雰囲気中
で、金属(Ni)ターゲットをスパッタリングして40
Å/分の付着速度で、下地層としてNaCl型NiO膜
を1000Åの厚みで形成した。
【0108】このNiO膜は、X線回折スペクトル測定
の結果、(200)面のピークの面積と(111)面の
ピークの面積の比〔S(200) /S(111) 〕の値は20で
あり、(200)面が基体の表面に対して平行に優先配
向していた。
の結果、(200)面のピークの面積と(111)面の
ピークの面積の比〔S(200) /S(111) 〕の値は20で
あり、(200)面が基体の表面に対して平行に優先配
向していた。
【0109】更に、この上に150℃でスピネル型Fe
3 O4 膜の厚みを300Å、NaCl型CoO膜の厚み
を4Å(CoがFeに対してモル比で0.02に該当す
る。)として1周期の厚みを304Åとし、この操作を
交互に8回繰り返して、Fe3 O4 層とCoO膜のそれ
ぞれを4層として多層膜を得た。
3 O4 膜の厚みを300Å、NaCl型CoO膜の厚み
を4Å(CoがFeに対してモル比で0.02に該当す
る。)として1周期の厚みを304Åとし、この操作を
交互に8回繰り返して、Fe3 O4 層とCoO膜のそれ
ぞれを4層として多層膜を得た。
【0110】得られた多層膜は、X線回折スペクトル測
定の結果、(400)面のピークのみで(311)面の
ピークは無く、(400)面が基体の表面に対して平行
に優先配向していた。
定の結果、(400)面のピークのみで(311)面の
ピークは無く、(400)面が基体の表面に対して平行
に優先配向していた。
【0111】得られた多層膜を300℃で2時間大気中
で熱処理をして、NiO膜を下地層とするCo含有γ−
Fe2 O3 膜を作成した。
で熱処理をして、NiO膜を下地層とするCo含有γ−
Fe2 O3 膜を作成した。
【0112】得られたCo含有γ−Fe2 O3 膜は、X
線回折スペクトル測定の結果、(400)面のピークの
みで(311)面のピークは無く、(400)面が基体
の表面に対して平行に優先配向しており、(400)面
の面間隔は2.072Åであった。このCo含有γ−F
e2 O3 膜の磁化曲線を観察した結果、垂直磁化膜であ
ることが認められた。また、この垂直磁化膜の磁気特性
は、飽和磁化値が340emu/cm3 、保磁力値が1
700Oe、角型比が0.56(反磁場補正した値は
0.95)、垂直異方性磁場7000Oeであり、良好
な垂直磁化膜であることが認められる。
線回折スペクトル測定の結果、(400)面のピークの
みで(311)面のピークは無く、(400)面が基体
の表面に対して平行に優先配向しており、(400)面
の面間隔は2.072Åであった。このCo含有γ−F
e2 O3 膜の磁化曲線を観察した結果、垂直磁化膜であ
ることが認められた。また、この垂直磁化膜の磁気特性
は、飽和磁化値が340emu/cm3 、保磁力値が1
700Oe、角型比が0.56(反磁場補正した値は
0.95)、垂直異方性磁場7000Oeであり、良好
な垂直磁化膜であることが認められる。
【0113】実施例8 高周波ハイレートスパッタ装置SH−250H−T06
((株)日本真空製)を用いた反応スパッタ法により、
基体とターゲットとの間の距離を80mmに設定して、
室温でガラス基体上に、酸素分圧0.11mTorr、
全圧5mTorrのアルゴンと酸素とからなる雰囲気中
で、金属(Ni)ターゲットをスパッタリングして40
Å/分の付着速度で、下地層としてNaCl型NiO膜
を1000Åの厚みで形成した。
((株)日本真空製)を用いた反応スパッタ法により、
基体とターゲットとの間の距離を80mmに設定して、
室温でガラス基体上に、酸素分圧0.11mTorr、
全圧5mTorrのアルゴンと酸素とからなる雰囲気中
で、金属(Ni)ターゲットをスパッタリングして40
Å/分の付着速度で、下地層としてNaCl型NiO膜
を1000Åの厚みで形成した。
【0114】このNiO膜は、X線回折スペクトル測定
の結果、(200)面のピークのみで(111)面は無
く、(200)面が基体の表面に対して平行に優先配向
していた。
の結果、(200)面のピークのみで(111)面は無
く、(200)面が基体の表面に対して平行に優先配向
していた。
【0115】更に、この上に200℃でスピネル型Fe
3 O4 膜の厚みを1300Å、NaCl型CoO膜の厚
みを16Å(CoがFeに対してモル比で0.018に
該当する。)として1周期の厚みを1316Åとし、こ
の操作を交互に2回繰り返して、Fe3 O4 層とCoO
膜のそれぞれを1層として多層膜を得た。
3 O4 膜の厚みを1300Å、NaCl型CoO膜の厚
みを16Å(CoがFeに対してモル比で0.018に
該当する。)として1周期の厚みを1316Åとし、こ
の操作を交互に2回繰り返して、Fe3 O4 層とCoO
膜のそれぞれを1層として多層膜を得た。
【0116】得られた多層膜は、X線回折スペクトル測
定の結果、(400)面のピークの面積と(311)面
のピークの面積の比〔S(400) /S(311) 〕の値は9で
あり、(400)面が基体の表面に対して平行に優先配
向していた。
定の結果、(400)面のピークの面積と(311)面
のピークの面積の比〔S(400) /S(311) 〕の値は9で
あり、(400)面が基体の表面に対して平行に優先配
向していた。
【0117】得られた多層膜を330℃で2時間大気中
で熱処理をして、NiO膜を下地層とするCo含有γ−
Fe2 O3 膜を作成した。
で熱処理をして、NiO膜を下地層とするCo含有γ−
Fe2 O3 膜を作成した。
【0118】得られたCo含有γ−Fe2 O3 膜は、X
線回折スペクトル測定の結果、(400)面のピークの
面積と(311)面のピークの面積の比〔S(400) /S
(311) 〕の値は6であり、(400)面が基体の表面に
対して平行に優先配向しており、(400)面の面間隔
は2.072Åであった。このCo含有γ−Fe2 O3
膜の磁化曲線を観察した結果、垂直磁化膜であることが
認められた。また、この垂直磁化膜の磁気特性は、飽和
磁化値が330emu/cm3 、保磁力値が1620O
e、角型比が0.55(反磁場補正した値は0.9
2)、垂直異方性磁場6800Oeであり、良好な垂直
磁化膜であることが認められる。
線回折スペクトル測定の結果、(400)面のピークの
面積と(311)面のピークの面積の比〔S(400) /S
(311) 〕の値は6であり、(400)面が基体の表面に
対して平行に優先配向しており、(400)面の面間隔
は2.072Åであった。このCo含有γ−Fe2 O3
膜の磁化曲線を観察した結果、垂直磁化膜であることが
認められた。また、この垂直磁化膜の磁気特性は、飽和
磁化値が330emu/cm3 、保磁力値が1620O
e、角型比が0.55(反磁場補正した値は0.9
2)、垂直異方性磁場6800Oeであり、良好な垂直
磁化膜であることが認められる。
【0119】実施例9 高周波ハイレートスパッタ装置SH−250H−T06
((株)日本真空製)を用いた反応スパッタ法により、
基体とターゲットとの間の距離を80mmに設定して、
室温でガラス基体上に、酸素分圧0.11mTorr、
全圧5mTorrのアルゴンと酸素とからなる雰囲気中
で、金属(Ni)ターゲットをスパッタリングして40
Å/分の付着速度で、下地層としてNaCl型NiO膜
を1000Åの厚みで形成した。
((株)日本真空製)を用いた反応スパッタ法により、
基体とターゲットとの間の距離を80mmに設定して、
室温でガラス基体上に、酸素分圧0.11mTorr、
全圧5mTorrのアルゴンと酸素とからなる雰囲気中
で、金属(Ni)ターゲットをスパッタリングして40
Å/分の付着速度で、下地層としてNaCl型NiO膜
を1000Åの厚みで形成した。
【0120】このNiO膜は、X線回折スペクトル測定
の結果、(200)面のピークの面積と(111)面の
ピークの面積の比〔S(200) /S(111) 〕の値は40で
あり、(200)面が基体の表面に対して平行に優先配
向していた。
の結果、(200)面のピークの面積と(111)面の
ピークの面積の比〔S(200) /S(111) 〕の値は40で
あり、(200)面が基体の表面に対して平行に優先配
向していた。
【0121】更に、この上に200℃でスピネル型Fe
3 O4 膜の厚みを80Å、NaCl型CoO膜の厚みを
1Å(CoがFeに対してモル比で0.02に該当す
る。)として1周期の厚みを81Åとし、この操作を交
互に20回繰り返して、Fe3O4 層とCoO膜のそれ
ぞれを10層として多層膜を得た。
3 O4 膜の厚みを80Å、NaCl型CoO膜の厚みを
1Å(CoがFeに対してモル比で0.02に該当す
る。)として1周期の厚みを81Åとし、この操作を交
互に20回繰り返して、Fe3O4 層とCoO膜のそれ
ぞれを10層として多層膜を得た。
【0122】得られた多層膜は、X線回折スペクトル測
定の結果、(400)面のピークの面積と(311)面
のピークの面積の比〔S(400) /S(311) 〕の値は10
であり、(400)面が基体の表面に対して平行に優先
配向していた。
定の結果、(400)面のピークの面積と(311)面
のピークの面積の比〔S(400) /S(311) 〕の値は10
であり、(400)面が基体の表面に対して平行に優先
配向していた。
【0123】得られた多層膜を240℃で3時間大気中
で熱処理をして、NiO膜を下地層とするCo含有γ−
Fe2 O3 膜を作成した。
で熱処理をして、NiO膜を下地層とするCo含有γ−
Fe2 O3 膜を作成した。
【0124】得られたCo含有γ−Fe2 O3 膜は、X
線回折スペクトル測定の結果、(400)面のピークの
面積と(311)面のピークの面積の比〔S(400) /S
(311) 〕の値は8であり、(400)面が基体の表面に
対して平行に優先配向しており、(400)面の面間隔
は2.072Åであった。このCo含有γ−Fe2 O3
膜の磁化曲線を観察した結果、垂直磁化膜であることが
認められた。また、この垂直磁化膜の磁気特性は、飽和
磁化値が330emu/cm3 、保磁力値が1620O
e、角型比が0.51(反磁場補正した値は0.9
0)、垂直異方性磁場6000Oeであり、良好な垂直
磁化膜であることが認められる。
線回折スペクトル測定の結果、(400)面のピークの
面積と(311)面のピークの面積の比〔S(400) /S
(311) 〕の値は8であり、(400)面が基体の表面に
対して平行に優先配向しており、(400)面の面間隔
は2.072Åであった。このCo含有γ−Fe2 O3
膜の磁化曲線を観察した結果、垂直磁化膜であることが
認められた。また、この垂直磁化膜の磁気特性は、飽和
磁化値が330emu/cm3 、保磁力値が1620O
e、角型比が0.51(反磁場補正した値は0.9
0)、垂直異方性磁場6000Oeであり、良好な垂直
磁化膜であることが認められる。
【0125】実施例10 高周波ハイレートスパッタ装置SH−250H−T06
((株)日本真空製)を用いた反応スパッタ法により、
基体とターゲットとの間の距離を80mmに設定して、
80℃でガラス基体上に、酸素分圧0.11mTor
r、全圧5mTorrのアルゴンと酸素とからなる雰囲
気中で、金属(Ni)ターゲットをスパッタリングして
40Å/分の付着速度で、下地層としてNaCl型Ni
O膜を1000Åの厚みで形成した。
((株)日本真空製)を用いた反応スパッタ法により、
基体とターゲットとの間の距離を80mmに設定して、
80℃でガラス基体上に、酸素分圧0.11mTor
r、全圧5mTorrのアルゴンと酸素とからなる雰囲
気中で、金属(Ni)ターゲットをスパッタリングして
40Å/分の付着速度で、下地層としてNaCl型Ni
O膜を1000Åの厚みで形成した。
【0126】このNiO膜は、X線回折スペクトル測定
の結果、(200)面のピークの面積と(111)面の
ピークの面積の比〔S(200) /S(111) 〕の値は3であ
り、(200)面が基体の表面に対して平行に優先配向
していた。
の結果、(200)面のピークの面積と(111)面の
ピークの面積の比〔S(200) /S(111) 〕の値は3であ
り、(200)面が基体の表面に対して平行に優先配向
していた。
【0127】更に、200℃でこの上に、酸素分圧0.
10mTorr、全圧5mTorrのアルゴンと酸素と
からなる雰囲気中で、Fe−Co合金ターゲットをスパ
ッタリングして40Å/分の付着速度で、1000Åの
厚さのCo含有Fe3 O4 単層膜(組成分析の結果、C
oがFeに対してモル比で0.02であった。)を形成
した。尚、成膜時の投入電力は300Wとした。
10mTorr、全圧5mTorrのアルゴンと酸素と
からなる雰囲気中で、Fe−Co合金ターゲットをスパ
ッタリングして40Å/分の付着速度で、1000Åの
厚さのCo含有Fe3 O4 単層膜(組成分析の結果、C
oがFeに対してモル比で0.02であった。)を形成
した。尚、成膜時の投入電力は300Wとした。
【0128】得られたCo含有γ−Fe2 O3 膜は、X
線回折スペクトル測定の結果、(400)面のピークの
面積と(311)面のピークの面積の比〔S(400) /S
(311) 〕の値は3であり、(400)面が基体の表面に
対して平行に優先配向していた。
線回折スペクトル測定の結果、(400)面のピークの
面積と(311)面のピークの面積の比〔S(400) /S
(311) 〕の値は3であり、(400)面が基体の表面に
対して平行に優先配向していた。
【0129】得られた上記単層層膜を330℃で2時間
大気中で熱処理をして、NiO膜を下地層とするCo含
有γ−Fe2 O3 膜を作成した。
大気中で熱処理をして、NiO膜を下地層とするCo含
有γ−Fe2 O3 膜を作成した。
【0130】得られたCo含有γ−Fe2 O3 膜は、X
線回折スペクトル測定の結果、(400)面のピークの
面積と(311)面のピークの面積の比〔S(400) /S
(311) 〕の値は2.5であり、(400)面が基体の表
面に対して平行に優先配向しており、(400)面の面
間隔は2.072Åであった。このCo含有γ−Fe2
O3 膜の磁化曲線を観察した結果、垂直磁化膜であるこ
とが認められた。また、この垂直磁化膜の磁気特性は、
飽和磁化値が300emu/cm3 、保磁力値が170
0Oe、角型比が0.55(反磁場補正した値は0.8
9)、垂直異方性磁場7000Oeであり、良好な垂直
磁化膜であることが認められる。
線回折スペクトル測定の結果、(400)面のピークの
面積と(311)面のピークの面積の比〔S(400) /S
(311) 〕の値は2.5であり、(400)面が基体の表
面に対して平行に優先配向しており、(400)面の面
間隔は2.072Åであった。このCo含有γ−Fe2
O3 膜の磁化曲線を観察した結果、垂直磁化膜であるこ
とが認められた。また、この垂直磁化膜の磁気特性は、
飽和磁化値が300emu/cm3 、保磁力値が170
0Oe、角型比が0.55(反磁場補正した値は0.8
9)、垂直異方性磁場7000Oeであり、良好な垂直
磁化膜であることが認められる。
【0131】比較例1 高周波ハイレートスパッタ装置SH−250H−T06
((株)日本真空製)を用いた反応スパッタ法により、
基体とターゲットとの間の距離を80mmに設定して、
200℃に保持したガラス基体上に、酸素分圧0.11
mTorr、全圧5mTorrのアルゴンと酸素とから
なる雰囲気中で、金属(Fe)ターゲットをスパッタリ
ングして40Å/分の付着速度で、第1層としてスピネ
ル型Fe3 O4 膜を62Åの厚みで形成した。
((株)日本真空製)を用いた反応スパッタ法により、
基体とターゲットとの間の距離を80mmに設定して、
200℃に保持したガラス基体上に、酸素分圧0.11
mTorr、全圧5mTorrのアルゴンと酸素とから
なる雰囲気中で、金属(Fe)ターゲットをスパッタリ
ングして40Å/分の付着速度で、第1層としてスピネ
ル型Fe3 O4 膜を62Åの厚みで形成した。
【0132】次に、シャッターを回転し、金属(Co)
ターゲットをスパッタリングして42Å/分の付着速度
で第2層としてNaCl型CoO膜を4Åの厚みで形成
して1周期とした。
ターゲットをスパッタリングして42Å/分の付着速度
で第2層としてNaCl型CoO膜を4Åの厚みで形成
して1周期とした。
【0133】1周期の厚みは、66Åであり、CoがF
eに対してモル比で0.09であった。この操作を交互
に100回繰り返して、Fe3 O4 層とCoO膜のそれ
ぞれを50層として多層膜を得た。
eに対してモル比で0.09であった。この操作を交互
に100回繰り返して、Fe3 O4 層とCoO膜のそれ
ぞれを50層として多層膜を得た。
【0134】得られた多層膜は、X線回折スペクトル測
定の結果、(400)面のピークの面積と(311)面
のピークの面積の比〔S(400) /S(311) 〕の値は5で
あり、(400)面が基体に対して平行に優先配向して
いた。
定の結果、(400)面のピークの面積と(311)面
のピークの面積の比〔S(400) /S(311) 〕の値は5で
あり、(400)面が基体に対して平行に優先配向して
いた。
【0135】得られた多層膜を350℃で2時間大気中
で熱処理をして、Co含有γ−Fe2 O3 膜を作成し
た。
で熱処理をして、Co含有γ−Fe2 O3 膜を作成し
た。
【0136】得られたCo含有γ−Fe2 O3 膜は、X
線回折スペクトル測定の結果、(400)面が基体に対
して平行に優先配向しており、(400)面の面間隔は
2.077Åであった。このCo含有γ−Fe2 O3 膜
の磁化曲線を観察した結果、垂直磁化膜であることが認
められた。また、この垂直磁化膜の磁気特性は、飽和磁
化値が340emu/cm3 、保磁力値が5300O
e、角型比が0.81(反磁場補正した値は0.91)
であり、良好な垂直磁化膜であることが認められる。
線回折スペクトル測定の結果、(400)面が基体に対
して平行に優先配向しており、(400)面の面間隔は
2.077Åであった。このCo含有γ−Fe2 O3 膜
の磁化曲線を観察した結果、垂直磁化膜であることが認
められた。また、この垂直磁化膜の磁気特性は、飽和磁
化値が340emu/cm3 、保磁力値が5300O
e、角型比が0.81(反磁場補正した値は0.91)
であり、良好な垂直磁化膜であることが認められる。
【0137】比較例2 高周波ハイレートスパッタ装置SH−250H−T06
((株)日本真空製)を用いた反応スパッタ法により、
基体とターゲットとの間の距離を80mmに設定して、
室温でガラス基体上に、酸素分圧0.11mTorr、
全圧5mTorrのアルゴンと酸素とからなる雰囲気中
で、金属(Ni)ターゲットをスパッタリングして40
Å/分の付着速度で、下地層としてNaCl型NiO膜
を2000Åの厚みで形成した。
((株)日本真空製)を用いた反応スパッタ法により、
基体とターゲットとの間の距離を80mmに設定して、
室温でガラス基体上に、酸素分圧0.11mTorr、
全圧5mTorrのアルゴンと酸素とからなる雰囲気中
で、金属(Ni)ターゲットをスパッタリングして40
Å/分の付着速度で、下地層としてNaCl型NiO膜
を2000Åの厚みで形成した。
【0138】このNiO膜は、X線回折スペクトル測定
の結果、(200)面のピーク面積と(111)面のピ
ーク面積の比〔S(200) /S(111) 〕の値は8であり、
(200)面が基体の表面に対して平行に優先配向して
いた。
の結果、(200)面のピーク面積と(111)面のピ
ーク面積の比〔S(200) /S(111) 〕の値は8であり、
(200)面が基体の表面に対して平行に優先配向して
いた。
【0139】この上に450℃で膜厚0.17μmのコ
バルトフェライト単層膜を作成した。
バルトフェライト単層膜を作成した。
【0140】得られたコバルトフェライト膜は、X線回
折スペクトル測定の結果、(400)面が基体の表面に
対して平行に優先配向しており、(400)面の面間隔
は2.106Åであった。このコバルトフェライト膜の
磁気特性は、飽和磁化値が260emu/cm3 、保磁
力値が1500Oe、角型比が0.30(反磁場補正し
た値は0.84)、垂直異方性磁場4000Oeであっ
た。
折スペクトル測定の結果、(400)面が基体の表面に
対して平行に優先配向しており、(400)面の面間隔
は2.106Åであった。このコバルトフェライト膜の
磁気特性は、飽和磁化値が260emu/cm3 、保磁
力値が1500Oe、角型比が0.30(反磁場補正し
た値は0.84)、垂直異方性磁場4000Oeであっ
た。
【0141】比較例3 高周波ハイレートスパッタ装置SH−250H−T06
((株)日本真空製)を用いた反応スパッタ法により、
基体とターゲットとの間の距離を80mmに設定して、
120℃でガラス基体上に、酸素分圧0.11mTor
r、全圧5mTorrのアルゴンと酸素とからなる雰囲
気中で、金属(Ni)ターゲットをスパッタリングして
40Å/分の付着速度で、下地層としてNaCl型Ni
O膜を1000Åの厚みで形成した。
((株)日本真空製)を用いた反応スパッタ法により、
基体とターゲットとの間の距離を80mmに設定して、
120℃でガラス基体上に、酸素分圧0.11mTor
r、全圧5mTorrのアルゴンと酸素とからなる雰囲
気中で、金属(Ni)ターゲットをスパッタリングして
40Å/分の付着速度で、下地層としてNaCl型Ni
O膜を1000Åの厚みで形成した。
【0142】このNiO膜は、X線回折スペクトル測定
の結果、(200)面のピークの面積と(111)面の
ピークの面積の比〔S(200) /S(111) 〕の値は1であ
った。
の結果、(200)面のピークの面積と(111)面の
ピークの面積の比〔S(200) /S(111) 〕の値は1であ
った。
【0143】更に、この上に200℃でスピネル型Fe
3 O4 膜の厚みを158Å、NaCl型CoO膜の厚み
を2Å(CoがFeに対してモル比で0.02に該当す
る。)として1周期の厚みを160Åとし、この操作を
交互に16回繰り返して、Fe3 O4 層とCoO膜のそ
れぞれを8層として多層膜を得た。
3 O4 膜の厚みを158Å、NaCl型CoO膜の厚み
を2Å(CoがFeに対してモル比で0.02に該当す
る。)として1周期の厚みを160Åとし、この操作を
交互に16回繰り返して、Fe3 O4 層とCoO膜のそ
れぞれを8層として多層膜を得た。
【0144】得られた多層膜は、X線回折スペクトル測
定の結果、(400)面のピークの面積と(311)面
のピークの面積の比〔S(400) /S(311) 〕の値は1.
5であった。
定の結果、(400)面のピークの面積と(311)面
のピークの面積の比〔S(400) /S(311) 〕の値は1.
5であった。
【0145】得られたCo含有γ−Fe2 O3 膜は、X
線回折スペクトル測定の結果、(400)面のピークの
面積と(311)面のピークの面積の比〔S(400) /S
(311) 〕の値は1であり、(400)面の面間隔は2.
075Åであった。このCo含有γ−Fe2 O3 膜の磁
化曲線を観察した結果、保磁力及び残留磁化とも面内の
方が大きく、垂直磁化膜ではなかった。
線回折スペクトル測定の結果、(400)面のピークの
面積と(311)面のピークの面積の比〔S(400) /S
(311) 〕の値は1であり、(400)面の面間隔は2.
075Åであった。このCo含有γ−Fe2 O3 膜の磁
化曲線を観察した結果、保磁力及び残留磁化とも面内の
方が大きく、垂直磁化膜ではなかった。
【0146】比較例4 高周波ハイレートスパッタ装置SH−250H−T06
((株)日本真空製)を用いた反応スパッタ法により、
基体とターゲットとの間の距離を80mmに設定して、
室温でガラス基体上に、酸素分圧0.10mTorr、
全圧5mTorrのアルゴンと酸素とからなる雰囲気中
で、金属(Ni)ターゲットをスパッタリングして40
Å/分の付着速度で、下地層としてNaCl型NiO膜
を1000Åの厚みで形成した。
((株)日本真空製)を用いた反応スパッタ法により、
基体とターゲットとの間の距離を80mmに設定して、
室温でガラス基体上に、酸素分圧0.10mTorr、
全圧5mTorrのアルゴンと酸素とからなる雰囲気中
で、金属(Ni)ターゲットをスパッタリングして40
Å/分の付着速度で、下地層としてNaCl型NiO膜
を1000Åの厚みで形成した。
【0147】このNiO膜は、X線回折スペクトル測定
の結果、(200)面のピークの面積と(111)面の
ピークの面積の比〔S(200) /S(111) 〕の値は8であ
り、(200)面が基体の表面に対して平行に優先配向
していた。
の結果、(200)面のピークの面積と(111)面の
ピークの面積の比〔S(200) /S(111) 〕の値は8であ
り、(200)面が基体の表面に対して平行に優先配向
していた。
【0148】更に、この上に200℃でスピネル型Fe
3 O4 膜の厚みを240Å、NaCl型CoO膜の厚み
を2Å(CoがFeに対してモル比で0.012に該当
する。)として1周期の厚みを242Åとし、この操作
を交互に10回繰り返して、Fe3 O4 層とCoO膜の
それぞれを5層として多層膜を得た。
3 O4 膜の厚みを240Å、NaCl型CoO膜の厚み
を2Å(CoがFeに対してモル比で0.012に該当
する。)として1周期の厚みを242Åとし、この操作
を交互に10回繰り返して、Fe3 O4 層とCoO膜の
それぞれを5層として多層膜を得た。
【0149】得られた多層膜を330℃で2時間大気中
で熱処理をして、NiO膜を下地層とするCo含有γ−
Fe2 O3 膜を作成した。
で熱処理をして、NiO膜を下地層とするCo含有γ−
Fe2 O3 膜を作成した。
【0150】得られたCo含有γ−Fe2 O3 膜は、X
線回折スペクトル測定の結果、(400)面のピークの
面積と(311)面のピークの面積の比〔S(400) /S
(311) 〕の値は5であり、(400)面が基体の表面に
対して平行に優先配向しており、(400)面の面間隔
は2.064Åであった。このCo含有γ−Fe2 O3
膜の磁化曲線を観察した結果、垂直磁化膜であることが
認められた。また、この垂直磁化膜の磁気特性は、飽和
磁化値が330emu/cm3 、保磁力値が3300O
e、角型比が0.82(反磁場補正した値は0.9
2)、垂直異方性磁場11000Oeであった。
線回折スペクトル測定の結果、(400)面のピークの
面積と(311)面のピークの面積の比〔S(400) /S
(311) 〕の値は5であり、(400)面が基体の表面に
対して平行に優先配向しており、(400)面の面間隔
は2.064Åであった。このCo含有γ−Fe2 O3
膜の磁化曲線を観察した結果、垂直磁化膜であることが
認められた。また、この垂直磁化膜の磁気特性は、飽和
磁化値が330emu/cm3 、保磁力値が3300O
e、角型比が0.82(反磁場補正した値は0.9
2)、垂直異方性磁場11000Oeであった。
【0151】比較例5 高周波ハイレートスパッタ装置SH−250H−T06
((株)日本真空製)を用いた反応スパッタ法により、
基体とターゲットとの間の距離を80mmに設定して、
室温でガラス基体上に、酸素分圧0.11mTorr、
全圧5mTorrのアルゴンと酸素とからなる雰囲気中
で、金属(Ni)ターゲットをスパッタリングして40
Å/分の付着速度で、下地層としてNaCl型NiO膜
を1000Åの厚みで形成した。
((株)日本真空製)を用いた反応スパッタ法により、
基体とターゲットとの間の距離を80mmに設定して、
室温でガラス基体上に、酸素分圧0.11mTorr、
全圧5mTorrのアルゴンと酸素とからなる雰囲気中
で、金属(Ni)ターゲットをスパッタリングして40
Å/分の付着速度で、下地層としてNaCl型NiO膜
を1000Åの厚みで形成した。
【0152】このNiO膜は、X線回折スペクトル測定
の結果、(200)面のピークの面積と(111)面の
ピークの面積の比〔S(200) /S(111) 〕の値は6であ
り、(200)面が基体の表面に対して平行に優先配向
していた。
の結果、(200)面のピークの面積と(111)面の
ピークの面積の比〔S(200) /S(111) 〕の値は6であ
り、(200)面が基体の表面に対して平行に優先配向
していた。
【0153】更に、この上に200℃でスピネル型Fe
3 O4 膜の厚みを280Å、NaCl型CoO膜の厚み
を20Å(CoがFeに対してモル比で0.107に該
当する。)として1周期の厚みを300Åとし、この操
作を交互に6回繰り返して、Fe3 O4 層とCoO膜の
それぞれを3層として多層膜を得た。
3 O4 膜の厚みを280Å、NaCl型CoO膜の厚み
を20Å(CoがFeに対してモル比で0.107に該
当する。)として1周期の厚みを300Åとし、この操
作を交互に6回繰り返して、Fe3 O4 層とCoO膜の
それぞれを3層として多層膜を得た。
【0154】得られた多層膜は、X線回折スペクトル測
定の結果、(400)面のピークの面積と(311)面
のピークの面積の比〔S(400) /S(311) 〕の値は4で
あり、(400)面が基体の表面に対して平行に優先配
向していた。
定の結果、(400)面のピークの面積と(311)面
のピークの面積の比〔S(400) /S(311) 〕の値は4で
あり、(400)面が基体の表面に対して平行に優先配
向していた。
【0155】得られた多層膜を330℃で2時間大気中
で熱処理をして、NiO膜を下地層とするCo含有γ−
Fe2 O3 膜を作成した。
で熱処理をして、NiO膜を下地層とするCo含有γ−
Fe2 O3 膜を作成した。
【0156】得られたCo含有γ−Fe2 O3 膜は、X
線回折スペクトル測定の結果、(400)面のピークの
面積と(311)面のピークの面積の比〔S(400) /S
(311) 〕の値は3であり、(400)面が基体の表面に
対して平行に優先配向しており、(400)面の面間隔
は2.078Åであった。このCo含有γ−Fe2 O3
膜の磁化曲線を観察した結果、垂直磁化膜であることが
認められた。また、この垂直磁化膜の磁気特性は、飽和
磁化値が330emu/cm3 、保磁力値が4600O
e、角型比が0.86(反磁場補正した値は0.9
4)、垂直異方性磁場18000Oeであった。
線回折スペクトル測定の結果、(400)面のピークの
面積と(311)面のピークの面積の比〔S(400) /S
(311) 〕の値は3であり、(400)面が基体の表面に
対して平行に優先配向しており、(400)面の面間隔
は2.078Åであった。このCo含有γ−Fe2 O3
膜の磁化曲線を観察した結果、垂直磁化膜であることが
認められた。また、この垂直磁化膜の磁気特性は、飽和
磁化値が330emu/cm3 、保磁力値が4600O
e、角型比が0.86(反磁場補正した値は0.9
4)、垂直異方性磁場18000Oeであった。
【0157】比較例6 高周波ハイレートスパッタ装置SH−250H−T06
((株)日本真空製)を用いた反応スパッタ法により、
基体とターゲットとの間の距離を80mmに設定して、
室温でガラス基体上に、酸素分圧0.11mTorr、
全圧5mTorrのアルゴンと酸素とからなる雰囲気中
で、金属(Ni)ターゲットをスパッタリングして40
Å/分の付着速度で、下地層としてNaCl型NiO膜
を1000Åの厚みで形成した。
((株)日本真空製)を用いた反応スパッタ法により、
基体とターゲットとの間の距離を80mmに設定して、
室温でガラス基体上に、酸素分圧0.11mTorr、
全圧5mTorrのアルゴンと酸素とからなる雰囲気中
で、金属(Ni)ターゲットをスパッタリングして40
Å/分の付着速度で、下地層としてNaCl型NiO膜
を1000Åの厚みで形成した。
【0158】このNiO膜は、X線回折スペクトル測定
の結果、(200)面のピークの面積と(111)面の
ピークの面積の比〔S(200) /S(111) 〕の値は20で
あり、(200)面が基体の表面に対して平行に優先配
向していた。
の結果、(200)面のピークの面積と(111)面の
ピークの面積の比〔S(200) /S(111) 〕の値は20で
あり、(200)面が基体の表面に対して平行に優先配
向していた。
【0159】更に、この上に150℃でスピネル型Fe
3 O4 膜の厚みを320Å、NaCl型CoO膜の厚み
を2Å(CoがFeに対してモル比で0.009に該当
する。)として1周期の厚みを322Åとし、この操作
を交互に8回繰り返して、Fe3 O4 層とCoO膜のそ
れぞれを4層として多層膜を得た。
3 O4 膜の厚みを320Å、NaCl型CoO膜の厚み
を2Å(CoがFeに対してモル比で0.009に該当
する。)として1周期の厚みを322Åとし、この操作
を交互に8回繰り返して、Fe3 O4 層とCoO膜のそ
れぞれを4層として多層膜を得た。
【0160】得られた多層膜は、X線回折スペクトル測
定の結果、(400)面のピークのみで(311)面の
ピークは無く、(400)面が基体の表面に対して平行
に優先配向していた。
定の結果、(400)面のピークのみで(311)面の
ピークは無く、(400)面が基体の表面に対して平行
に優先配向していた。
【0161】得られた多層膜を300℃で2時間大気中
で熱処理をして、NiO膜を下地層とするCo含有γ−
Fe2 O3 膜を作成した。
で熱処理をして、NiO膜を下地層とするCo含有γ−
Fe2 O3 膜を作成した。
【0162】得られたCo含有γ−Fe2 O3 膜は、X
線回折スペクトル測定の結果、(400)面のピークの
みで(311)面のピークは無く、(400)面が基体
の表面に対して平行に優先配向しており、(400)面
の面間隔は2.072Åであった。このCo含有γ−F
e2 O3 膜の磁化曲線を観察した結果、垂直磁化膜であ
ることが認められた。また、この垂直磁化膜の磁気特性
は、飽和磁化値が340emu/cm3 、保磁力値が1
000Oe、角型比が0.23(反磁場補正した値は
0.80)、垂直異方性磁場3000Oeであった。
線回折スペクトル測定の結果、(400)面のピークの
みで(311)面のピークは無く、(400)面が基体
の表面に対して平行に優先配向しており、(400)面
の面間隔は2.072Åであった。このCo含有γ−F
e2 O3 膜の磁化曲線を観察した結果、垂直磁化膜であ
ることが認められた。また、この垂直磁化膜の磁気特性
は、飽和磁化値が340emu/cm3 、保磁力値が1
000Oe、角型比が0.23(反磁場補正した値は
0.80)、垂直異方性磁場3000Oeであった。
【0163】
【発明の効果】本発明に係る垂直磁化膜は、前出実施例
に示した通り、酸化物であることによって耐酸化性や耐
食性に優れており、しかも、適当な保磁力、殊に300
0Oeより小さい保磁力を有すると共に大きな角型比
(反磁場補正をした値)を有する磁気記録媒体であるの
で高密度磁気記録用磁気記録媒体として好適である。
に示した通り、酸化物であることによって耐酸化性や耐
食性に優れており、しかも、適当な保磁力、殊に300
0Oeより小さい保磁力を有すると共に大きな角型比
(反磁場補正をした値)を有する磁気記録媒体であるの
で高密度磁気記録用磁気記録媒体として好適である。
【0164】更に、本発明に係る磁気記録媒体の製造法
によれば、多層膜の製造時の1周期の厚みを厚くするこ
とができるので工業的、経済的に極めて有利である。
によれば、多層膜の製造時の1周期の厚みを厚くするこ
とができるので工業的、経済的に極めて有利である。
Claims (4)
- 【請求項1】 (400)面が基体の表面に平行に優先
配向したCo含有マグヘマイト薄膜であり、該Co含有
マグヘマイト薄膜中のCoがFeに対してモル比で0.
01以上、0.10未満であって、(400)面の面間
隔が2.082Å以下である垂直磁化膜が、基体の表面
上に作成されている(200)面が基体の表面に平行に
優先配向したNiO下地膜上に形成されていることを特
徴とする磁気記録媒体。 - 【請求項2】 (400)面が基体の表面に平行に優先
配向したCo及びMnを含有するマグヘマイト薄膜であ
り、該Co及びMn含有マグヘマイト薄膜中のCoがF
eに対してモル比で0.01以上、0.10未満、Mn
がCoに対してモル比で0.07〜0.30であって、
(400)面の面間隔が2.082Å以下である垂直磁
化膜が、基体の表面上に作成されている(200)面が
基体の表面に平行に優先配向したNiO下地膜上に形成
されていることを特徴とする磁気記録媒体。 - 【請求項3】 (400)面が基体の表面に平行に優先
配向したCo含有マグネタイトからなる単層膜又はマグ
ネタイト層とCoO層とからなる多層膜であって、該膜
中のCoがFeに対してモル比で0.01以上、0.1
0未満である単層膜又は多層膜を、基体の表面上に作成
されている(200)面が基体の表面に平行に優先配向
したNiO下地膜上に形成し、次いで、240〜450
℃の温度範囲で熱処理することを特徴とする請求項1記
載の磁気記録媒体の製造法。 - 【請求項4】 (400)面が基体の表面に平行に優先
配向したCo及びMnを含有するマグネタイトからなる
単層膜又はマグネタイト層とCo及びMnを含む酸化物
層とからなる多層膜であって、該膜中のCoがFeに対
してモル比で0.01以上、0.10未満であって、M
nがCoに対してモル比で0.07〜0.30である単
層膜又は多層膜を、基体の表面上に作成されている(2
00)面が基体の表面に平行に優先配向したNiO下地
膜上に形成し、次いで、240〜450℃の温度範囲で
熱処理することを特徴とする請求項2記載の磁気記録媒
体の製造法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP08313795A JP3344449B2 (ja) | 1994-03-16 | 1995-03-15 | 磁気記録媒体及びその製造法 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7266394 | 1994-03-16 | ||
JP6-72663 | 1994-03-16 | ||
JP08313795A JP3344449B2 (ja) | 1994-03-16 | 1995-03-15 | 磁気記録媒体及びその製造法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07307022A true JPH07307022A (ja) | 1995-11-21 |
JP3344449B2 JP3344449B2 (ja) | 2002-11-11 |
Family
ID=26413807
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP08313795A Expired - Fee Related JP3344449B2 (ja) | 1994-03-16 | 1995-03-15 | 磁気記録媒体及びその製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3344449B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP0949608A1 (en) * | 1998-03-20 | 1999-10-13 | Toda Kogyo Corp. | Magnetic recording medium and process for producing the same |
US6020060A (en) * | 1997-09-25 | 2000-02-01 | Fujitsu Limited | Magnetic recording medium, process for producing the same and magnetic disk device |
-
1995
- 1995-03-15 JP JP08313795A patent/JP3344449B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6020060A (en) * | 1997-09-25 | 2000-02-01 | Fujitsu Limited | Magnetic recording medium, process for producing the same and magnetic disk device |
EP0949608A1 (en) * | 1998-03-20 | 1999-10-13 | Toda Kogyo Corp. | Magnetic recording medium and process for producing the same |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP3344449B2 (ja) | 2002-11-11 |
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