JP3041088B2 - ディジタル磁気記録システム - Google Patents

ディジタル磁気記録システム

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JP3041088B2
JP3041088B2 JP3175990A JP17599091A JP3041088B2 JP 3041088 B2 JP3041088 B2 JP 3041088B2 JP 3175990 A JP3175990 A JP 3175990A JP 17599091 A JP17599091 A JP 17599091A JP 3041088 B2 JP3041088 B2 JP 3041088B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、斜め蒸着法により形成
された柱状結晶粒子からなる強磁性金属薄膜を磁性層と
して有する面内記録型のディジタル磁気記録システムに
関する。
【0002】
【従来の技術】HDTVの実用化に向けて、膨大なディ
ジタル画像信号を小型カセットへ記録するために、高密
度記録が可能な磁気テープが要求されている。
【0003】これを実現するため、テレビジョン学会技
術報告vol.13,No. 59, PP19-24(1989) には、メタル磁
性粉を用いた塗布型の磁気テープを用いたディジタル画
像記録の実験結果が報告されている。
【0004】また、電子情報通信学会技術研究報告(信
学技報)PP39-44 MR90−15では、Co−Cr蒸着
タイプの垂直磁気テープを用いて実験が行なわれてい
る。
【0005】他方、Coを主体とし、さらにNi等を含
有し、斜め蒸着法によって形成した強磁性金属薄膜を磁
性層とする磁気テープは、飽和磁束密度が大きく、しか
も保磁力が高く、すぐれた電磁変換特性を示す。斜め蒸
着法では、蒸着等の気相法により強磁性金属の蒸気を非
磁性基体の表面に特定の角度で入射させ、柱状結晶粒子
からなる強磁性金属薄膜を形成する。
【0006】信学技報PP43-49 MR90−7では、この
斜め蒸着タイプの磁気テープを用い、孤立再生波を調べ
るために矩形波を記録して走行方向依存性等の実験とそ
の解析を行ない、その記録機構について考察を行なって
いる。この報文では、その第43ページ図1に示される
ように、1方向から斜め蒸着して1方向に柱状結晶粒子
を成長させた単層の蒸着膜を磁性層として用いている。
【0007】この結果、この報文では、正方向および逆
方向で孤立波信号を最適記録電流にて記録し、その各々
につき、正方向および逆方向での4種の孤立再生波形を
観察すると、第45ページ図4に示されるように、ゼロ
クロス点からピーク点の時間と、ピーク点からゼロクロ
ス点の時間との比は、1/5以下、あるいは5倍以上と
きわめて大きく、再生波形の非対称性がきわめて大き
い。
【0008】このように孤立再生波形が非対称である
と、実際の記録再生ではエラー率が増大してしまう。特
に民生用の規格では、帯域圧縮が使用されるなどエラー
訂正に関する余裕が小さいため、エラー率減少は重要な
課題である。
【0009】また、再生波形が非対称であると、エラー
率を低く抑えるために単位波形あたりの幅(ウインドー
マージン)を広くとる必要が生じ、高密度記録が不可能
となってしまう。また、サンプリング周波数を高くでき
なくなるため、高S/Nが得られない。
【0010】なお、再生波形の非対称性は等化回路によ
って補正することもできるが、非対称性が著しいと等化
が極めて困難ないし不可能となる。また、塗布型メタル
テープとの互換性がとれなくなってしまう。塗布型メタ
ルテープは磁化容易軸が磁性層面内方向に存在するた
め、再生波形の対称性が良好だからである。
【0011】また、ディジタル記録用磁気記録媒体に
は、このような再生波形の対称性の他に、高出力も要求
される。出力が低いとエラー率が高くなってしまう。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこのような事
情からなされたものであり、孤立再生波形の非対称性が
低く、しかも高い出力が得られるディジタル磁気記録シ
ステムを提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】このような目的は、下記
(1)〜(4)の本発明により達成される。 (1) 斜め蒸着法により形成された柱状結晶粒子から
なる強磁性金属薄膜を有する磁性層が基体表面に形成さ
れており、前記磁性層が、少なくとも1層の強磁性金属
薄膜からなる下層と、少なくとも1層の強磁性金属薄膜
からなる上層とを有し、下層の厚さが上層の厚さの0.
8〜1.4倍であり、前記下層における柱状結晶粒子の
平均成長方向と前記上層における柱状結晶粒子の平均成
長方向とが前記基体の法線を挟んで交差しているディジ
タル記録用磁気記録媒体に、前記上層における柱状結晶
粒子の成長方向の逆側に相対移動する磁気ヘッドにより
ディジタル記録が行なわれることを特徴とするディジタ
ル磁気記録システム (2) 正および負の孤立波信号を最適記録電流にて記
録して再生したとき、再生信号のゼロクロス点からピー
ク点までの時間が、ピーク点からゼロクロス点までの時
間の0.5〜1.5倍である上記(1)に記載のディジ
タル磁気記録システム (3) 半値巾50〜500nsec、波長0.35〜0.
80μm の信号にてディジタル記録が行なわれる上記
(1)または(2)に記載のディジタル磁気記録システ
ム (4) 前記磁性層面内における保磁力が800 Oe 以
上であり、かつ残留磁束密度が2500G 以上である上
記(1)ないし(3)のいずれかに記載のディジタル磁
気記録システム
【0014】
【0015】
【0016】
【0017】
【0018】
【作用】図1に示されるように、本発明のディジタル記
録用磁気記録媒体1の磁性層3は、下層31における柱
状結晶粒子の平均成長方向と上層32における柱状結晶
粒子の平均成長方向とが基体2の法線を挟んで交差して
おり、記録および再生時における磁気ヘッド10の相対
移動方向は、上層32における柱状結晶粒子の成長方向
の逆側である。
【0019】このような構成とすることにより、孤立再
生波形の対称性が向上し、しかも十分な再生出力が得ら
れる。このため、エラー率が低くなり、また、単位波形
あたりに必要とされるウインドーマージンが狭くて済む
ので高密度ディジタル記録が可能となり、サンプリング
周波数を高くできて良好なS/Nを得ることが可能とな
る。さらに、等化が容易となり、あるいは等化を省略す
ることもでき、塗布型メタルテープとの互換性も向上す
る。
【0020】
【具体的構成】以下、本発明の具体的構成について詳細
に説明する。
【0021】本発明のディジタル記録用磁気記録媒体
は、斜め蒸着法により形成された柱状結晶粒子からなる
強磁性金属薄膜を有する磁性層が基体表面に形成されて
いる。この磁性層は、少なくとも1層の強磁性金属薄膜
からなる下層と、少なくとも1層の強磁性金属薄膜から
なる上層とを有し、基体、下層、上層の順に積層されて
いる。
【0022】図1に本発明のディジタル記録用磁気記録
媒体の好適実施例を示す。図1に示されるディジタル記
録用磁気記録媒体1は、基体2上に磁性層3を有する。
磁性層3を構成する下層31および上層32はそれぞれ
1層の強磁性金属薄膜からなり、下層31における柱状
結晶粒子311の平均成長方向と、上層32における柱
状結晶粒子321の平均成長方向とが、基体2の法線を
挟んで交差している。
【0023】なお、下層および/または上層が複数の強
磁性金属薄膜から構成される場合も、上記と同様であ
る。すなわち、下層に属する全ての強磁性金属薄膜それ
ぞれの柱状結晶粒子の平均成長方向が、上層に属する全
ての強磁性金属薄膜それぞれの柱状結晶粒子の平均成長
方向と、基体2の法線を挟んで交差している。
【0024】このように、下層および/または上層を複
数の強磁性金属薄膜から構成することにより、各強磁性
金属薄膜の柱状結晶粒子の粒子径を小さくすることがで
き、良好なS/Nを得ることが可能となる。
【0025】図1において、記録および再生時における
磁気ヘッド10の相対移動方向は、上層32における柱
状結晶粒子の成長方向の逆側である。柱状結晶粒子の成
長方向の逆側とは、柱状結晶粒子の成長方向を基体2主
面に投影した方向の反対方向(図中に矢印で示す方向)
とほぼ一致する方向であり、磁気テープ化して通常のヘ
リカルスキャン記録を行なう場合には、前記反対方向を
中心とし、基体主面内において±10°以下程度の範囲
内に収まる。
【0026】記録時の磁気ヘッドの相対移動方向をこの
ような方向とすることにより、再生波形の対称性が極め
て良好となる。具体的には、半値巾50〜500nsec、
記録波長0.35〜0.80μm 程度の例えば矩形波の
正および負の孤立波パルス信号列を記録した場合、その
再生波形のゼロクロス点からピーク点までの時間(立ち
上がり時間)を、ピーク点からゼロクロス点までの時間
(立ち下がり時間)の0.5〜1.5倍、特に0.8〜
1.2倍程度に収めることができる。この場合の立ち上
がり時間と立ち下がり時間との比は、最適記録電流(最
大出力が得られる記録電流)におけるものである。
【0027】下層31の厚さと上層32の厚さの比率は
特に限定されない。下層を厚くすれば高出力が得られる
が、波形の対称性は低下する傾向にあるため、出力と波
形の対称性との関係を考慮して、適用される記録フォー
マットに応じて適当な設計を行なえばよいが、通常、下
層の厚さを上層の厚さの0.8〜4倍程度とする。下層
の厚さが上層の厚さの0.8倍未満であると出力が不足
し、4倍を超えると上層の厚さが不十分となって強度が
不足する。そして、波形の対称性が良好となる。
【0028】磁性層全体の厚さは、1000〜3000
A 、特に1500〜2500A とすることが好ましい。
磁性層の厚さが前記範囲未満であると磁性層全体の強度
が不十分であり、信頼性が低くなる。また、前記範囲を
超えると記録磁化が回転モードを形成し、再生出力が低
下してしまう。
【0029】なお、下層および/または上層が複数の強
磁性金属薄膜から構成される場合、各強磁性金属薄膜の
厚さは特に限定されず、磁性層全体の厚さと積層数に応
じて適宜設定すればよい。
【0030】各強磁性金属薄膜の柱状結晶粒子の傾きは
特に限定されず、要求される面内方向保磁力や残留磁束
密度、あるいは、その強磁性金属薄膜の磁性層内での位
置等に応じて適当な傾きを選択すればよいが、高保磁力
かつ高残留磁束密度を得るためには、柱状結晶粒子の平
均成長方向と基体主面とのなす角度θを、40〜80
°、特に50〜70°とすることが好ましい。なお、下
層および/または上層が複数の強磁性金属薄膜から構成
される場合、同一の層に属する強磁性金属薄膜の平均成
長方向は一致している必要はなく、信号パターンの記録
深さなどに応じて各薄膜における角度θを異なるものと
してもよい。
【0031】柱状結晶粒子の平均成長方向と基体主面と
のなす角度θは、以下のようにして求める。まず、柱状
結晶粒子の成長方向を含み基体主面に垂直な平面で媒体
を切断する。その断面には、各強磁性金属薄膜を構成す
る柱状結晶粒子の断面が弧状に現われる。この断面に現
われた柱状結晶粒子の側面(隣り合う柱状結晶粒子の境
界線)と基体主面とのなす角度を、各強磁性金属薄膜毎
に少なくとも柱状結晶粒子100個について測定し、各
強磁性金属薄膜におけるそれらの平均値を求める。そし
て、これら各平均値を、各強磁性金属薄膜における柱状
結晶粒子の平均成長方向と基体主面とのなす角度θとす
る。なお、θの測定位置は強磁性金属薄膜の厚さ方向の
中間点である。
【0032】角度θは、斜め蒸着法における強磁性金属
の入射方向に依存し、特に最小入射角θmin に依存す
る。
【0033】磁性層を構成する強磁性金属薄膜はCoを
主成分として含有するCo基合金であることが好まし
く、強磁性金属薄膜中のCo含有率は、60原子%以上
であることが好ましい。Co基合金としては、Coおよ
びNiを主成分とするか、またはCo、NiおよびCr
を主成分とする合金が好ましい。Co以外の各元素の含
有率は、要求される磁気特性や耐食性に応じて適宜選択
すればよい。
【0034】磁性層の磁気特性は特に限定されず、磁性
層の組成や柱状結晶粒子の平均成長方向などを適宜選択
して目的とする磁気特性を得ればよいが、高密度ディジ
タル記録を行なうためには、磁性層面内における保磁力
Hc を800 Oe 以上、残留磁束密度Br を2500G
以上、最大磁束密度Bm を3000G 以上とすることが
好ましい。なお、通常、Hc は1700 Oe 程度以下、
Br は5000G 程度以下、Bm は7000G 程度以下
である。
【0035】各強磁性金属薄膜は、それぞれ斜め蒸着法
により形成される。斜め蒸着装置および方法に特に制限
はなく、通常のものを用いればよい。
【0036】斜め蒸着法は、例えば、供給ロールから繰
り出された長尺フィルム状の非磁性基体を回転する冷却
ドラムの表面に添わせて送りながら、一個以上の定置金
属源から斜め蒸着をし、巻き取りロールに巻き取るもの
である。この場合、入射角は蒸着初期の最大入射角θma
x から最終の最小入射角θmin まで連続的に変化し、基
体表面に柱状結晶粒子が弧状に成長する。下層の上に上
層を形成する際には、下層形成時の巻き取りロールを供
給ロールとして、基体の走行方向を逆にして蒸着を行な
えばよい。
【0037】θmax およびθmin は、目的とする磁気特
性等に応じて適宜決定すればよいが、通常、θmax は8
0〜90°程度、θmin は10〜60°程度とすること
が好ましい。
【0038】なお、斜め蒸着の際の雰囲気中に酸素ガス
を導入して、保磁力向上や酸化に対する安定性を向上さ
せることが好ましい。
【0039】本発明で用いる基体は非磁性であればその
材質に特に制限はなく、強磁性金属薄膜蒸着時の熱に耐
える各種フィルム、例えばポリエチレンテレフタレート
等を用いることができる。また、特開昭63−1031
5号公報に記載の各種材料が使用可能である。
【0040】本発明で用いる基体の表面には、微小な突
起が設けられることが好ましい。磁性層は蒸着膜であり
極めて薄いため、基体表面の性状が磁性層表面に直接的
に現われる。従って、基体表面に微小な突起を設ければ
磁性層表面にも微小な突起を出現させることができる。
磁性層表面の突起は磁性層の摩擦を低下させてテープ化
したときの走行性を向上させ、また、媒体の耐久性を高
める。
【0041】基体表面の微小な突起の性状および形成方
法は特に限定されないが、突起の配設パターンや突起形
成後の基体の表面粗さが磁性層の磁気特性、特に保磁力
に影響を与えるので、本発明では微細粒子を基体表面に
配設することにより突起を設けることが好ましい。
【0042】使用される微細粒子としては、粒状、特に
ほぼ球形のものが好ましく、例えば、SiO2 、Al2
3 、MgO、ZnO、MgCO3 、CaCO3 、Ca
SO4 、BaSO4 、TiO2 等の酸化物、硫酸塩、炭
酸塩等、Si、Al、Mg、Ca、Ba、Zn、Mn等
の金属の酸化物あるいは酸塩等の1種以上を含む無機粒
子、あるいはポリスチレン、ポリエステル、ポリアミ
ド、ポリエチレン等の1種以上の有機化合物球状粒子な
どが好ましい。これら微細粒子は、磁性を有していても
有していなくてもよい。
【0043】微細粒子の平均粒子径は100〜1000
A 、特に300〜600A であることが好ましい。平均
粒子径が前記範囲未満であると摩擦低減効果が小さく、
耐久性向上効果も不十分である。また、平均粒子径が前
記範囲を超えると磁性層の表面粗さが大きくなって後述
する中心線平均粗さRa とすることが困難となり、保磁
力が低下する他、高周波特性が不十分となる。
【0044】微細粒子の配設密度は、1mm2 あたり10
万個〜1億個、特に100万個〜7000万個であるこ
とが好ましい。配設密度が低すぎると微細粒子を設ける
ことによる効果が不十分となる。また、配設密度が高す
ぎても効果の向上はみられず、後述する連鎖比率とする
ことが困難となる。
【0045】微細粒子はできるだけ均一な分布で配設さ
れることが好ましい。粒子同士が凝集したり極度に接近
したりすると、これらは見掛け上大きな粒子(二次粒
子)として挙動することになり、好ましくない。微細粒
子間の接近度を、本明細書では連鎖比率で定義する。す
なわち、基体の表面に配設された粒子の平均直径をRと
し、隣接する粒子間の距離をdとしたとき、 連鎖比率=(d<Rを満足する粒子の単位面積あたりの
個数)×100/(単位面積あたりの粒子の個数) で定義される(単位は%)。なお、粒子間距離dおよび
粒子の個数は電子顕微鏡写真にて測定する。
【0046】本発明では、このような連鎖比率が70%
以下、特に0〜60%であることが好ましい。連鎖比率
が前記範囲を超えると微細粒子が二次粒子としての挙動
を示すため、柱状結晶粒子の成長方向が揃いにくくなっ
て保磁力が低下する。また、磁性層形成後、磁性層表面
に現われる突起の径および高さが著しく大きくなり、磁
性層の表面性が低下してスペーシングロスにより電磁変
換特性が低下する。
【0047】微細粒子配設後の基体の中心線平均粗さR
a は、40A 以下、特に30A 以下であることが好まし
い。Ra が前記範囲を超えると柱状結晶粒子の成長方向
が揃いにくくなり、保磁力が低下する傾向にある。な
お、Ra が低すぎると摩擦低減効果が不十分で耐久性も
低くなるため、Ra は10A 以上とすることが好まし
い。
【0048】微細粒子を基体表面に配設する方法は特に
限定されないが、例えば、合成樹脂を溶剤に溶解した薄
いバインダに微細粒子を分散したものを基体に塗布する
方法、あるいはこのようなバインダを塗布した上に微細
粒子を付着させる方法などが好ましく用いられる。
【0049】本発明の磁気記録媒体の磁性層上には、磁
性層の保護および耐食性向上のために公知の種々のトッ
プコート層が設けられることが好ましい。また、テープ
化したときの走行性を確保するために、基体の磁性層と
反対側には公知の種々のバックコート層が設けられるこ
とが好ましい。
【0050】本発明の磁気記録媒体に対してなされるデ
ィジタル記録再生の方式は特に限定されず、例えば、前
記の各種報文等に従い各種フォーマットでディジタル記
録再生を行なえばよいが、通常、半値巾50〜500ns
ec、記録波長0.35〜0.80μm 程度でディジタル
記録を行なう。
【0051】なお、本発明のディジタル記録用磁気記録
媒体は、通常、テープ化されて各種用途に用いられる。
【0052】
【実施例】以下、本発明の具体的実施例を示し、本発明
をさらに詳細に説明する。
【0053】[実施例1] 微細粒子としてSiO2 (平均粒子径300A )0.1
5重量%を、バインダとしてメチルセルロース0.2重
量%およびシランカップリング剤〔N−β(アミノエチ
ル)−γアミノプロピルメチルジメトキシシラン〕0.
02重量%を、残部溶剤として水を含有する配合物を十
分に混合分散させ、得られた懸濁液を厚さ7μm のポリ
エチレンテレフタレート(PET)基体表面に塗布し、
乾燥した。
【0054】乾燥後の微細粒子の配設密度は1千万個/
mm2 、連鎖比率は50%、基体表面のRa は30A であ
った。
【0055】次いで、基体表面に強磁性金属薄膜を蒸着
した。
【0056】供給ロールから基体を繰り出して、回転す
る円筒状冷却ドラムの周面に添わせて移動させ、強磁性
金属を斜め蒸着することにより強磁性金属薄膜を形成し
て下層とし、巻き取りロールに巻き取った。
【0057】次いで、この巻き取りロールを供給ロール
とし、基体表面の法線方向を挟んで上記斜め蒸着時の入
射方向と交差する入射方向にて強磁性金属を斜め蒸着す
ることにより強磁性金属薄膜を形成して上層とし、磁気
記録媒体サンプルを得た。
【0058】なお、上層および下層をそれぞれ形成する
際には、ArガスとO2 ガスとの混合ガスを真空槽内に
流し、真空槽内の圧力を10-4Torrに保った。また、混
合ガスは、最小入射角付近で蒸着される部分の基体に吹
き付けるように流した。また、各層形成の際の最大入射
角θmaxは90°、最小入射角θmin は35°とした。
【0059】各サンプルの上層形成および下層形成に
は、Co80原子%、Ni20原子%の組成を有する強
磁性金属を用いた。
【0060】上層厚さに対する下層厚さの比率を変え
て、複数のサンプルを作製した。なお、各サンプルの下
層および上層における柱状結晶粒子の平均成長方向と基
体主面とのなす角度θは、それぞれ55°であった。角
度θは、前述した方法により測定した。柱状結晶粒子の
測定数は100個とした。また、各サンプルの下層と上
層の合計厚さは、2000A とした。
【0061】各サンプルをスリッタにて8mm巾に裁断し
てテープ化し、テープに対する磁気ヘッドの相対移動方
向が上層の柱状結晶粒子の成長方向の逆側となるように
ビデオカセットに装填した。次いで、各カセットを、M
IGヘッドを搭載したビデオデッキ(ソニー社製 S9
00)に装填し、1MHz の正負孤立矩形波を記録し、孤
立再生波のゼロクロス−ピーク時間TL 、ピーク−ゼロ
クロス時間TR を測定した。記録電流とTL /TR との
関係を図2に示す。
【0062】また、各サンプルに10MHz のサイン波を
記録し、再生出力を測定した。記録電流と再生出力との
関係を図3に示す。
【0063】なお、比較のために、磁気ヘッドの相対移
動方向が上記各サンプルと正反対の方向となるようにビ
デオカセットに装填したサンプルも作製した。このサン
プルについても、上記各サンプルと同様な測定を行なっ
た。結果を、図2および図3に併記する。
【0064】図2および図3に示される結果から、本発
明の効果が明らかである。すなわち、磁気ヘッドの相対
移動方向が比較サンプルと正反対である本発明のサンプ
ルは、TL /TR が1により近くなり、最適記録電流付
近(−12〜−10dBm )ではTL /TR が0.8〜
1.5に収まり、孤立再生波形の対称性が良好であるこ
とがわかる。そして、TL /TR が0.8〜1.5に収
まる記録電流範囲が−15〜−5dBm と極めて広いの
で、回路設計の自由度が高く、また、互換性の点で非常
に有利であることがわかる。なお、dBm は電力レベルを
表わし、1mWの電力が0dBm である。また、本発明のサ
ンプルでは、下層の厚さが比率が増加するに従って出力
が高くなり、下層の厚さが減少するに従ってTL /TR
が1に近くなる。
【0065】なお、各サンプルの磁性層面内方向の保磁
力Hc は約1200 Oe 、残留磁束密度Br は約450
0G 、角形比は約0.78であった。
【0066】また、上記各サンプルのエラー率を、改造
したディジタルオーディオテープレコーダ(DAT)に
て測定したところ、本発明のサンプルは比較サンプルに
対しエラー率が2桁以上低かった。
【0067】
【発明の効果】本発明のディジタル記録用磁気記録媒体
は、再生波形の対称性が良好で、しかも十分な出力が得
られるので、エラー率が低い。また、単位波形あたりの
ウインドーマージンが狭くて済み、短波長記録が可能と
なるので、高密度記録ができ、高S/Nが得られる。ま
た、等化が容易ないしは等化が不要となるので、塗布型
メタルテープなどとの互換性が高い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のディジタル記録用磁気記録媒体の好適
実施例を部分的に示す断面図である。
【図2】記録電流とTL (孤立再生波のゼロクロス−ピ
ーク時間)/TR (ピーク−ゼロクロス時間)との関係
を表わすグラフである。
【図3】記録電流と再生出力との関係を表わすグラフで
ある。
【符号の説明】
1 ディジタル記録用磁気記録媒体 2 基体 3 磁性層 31 下層 311 柱状結晶粒子 32 上層 321 柱状結晶粒子 10 磁気ヘッド
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G11B 5/09 G11B 5/66

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 斜め蒸着法により形成された柱状結晶粒
    子からなる強磁性金属薄膜を有する磁性層が基体表面に
    形成されており、 前記磁性層が、少なくとも1層の強磁性金属薄膜からな
    る下層と、少なくとも1層の強磁性金属薄膜からなる上
    層とを有し、下層の厚さが上層の厚さの0.8〜1.4
    倍であり、 前記下層における柱状結晶粒子の平均成長方向と前記上
    層における柱状結晶粒子の平均成長方向とが前記基体の
    法線を挟んで交差しているディジタル記録用磁気記録媒
    体に、 前記上層における柱状結晶粒子の成長方向の逆側に相対
    移動する磁気ヘッドによりディジタル記録が行なわれる
    ことを特徴とするディジタル磁気記録システム
  2. 【請求項2】 正および負の孤立波信号を最適記録電流
    にて記録して再生したとき、再生信号のゼロクロス点か
    らピーク点までの時間が、ピーク点からゼロクロス点ま
    での時間の0.5〜1.5倍である請求項1に記載のデ
    ィジタル磁気記録システム
  3. 【請求項3】 半値巾50〜500nsec、波長0.35
    〜0.80μm の信号にてディジタル記録が行なわれる
    請求項1または2に記載のディジタル磁気記録システム
  4. 【請求項4】 前記磁性層面内における保磁力が800
    Oe 以上であり、かつ残留磁束密度が2500G 以上で
    ある請求項1ないし3のいずれかに記載のディジタル磁
    気記録システム
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