JPH0571568B2 - - Google Patents

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JPH0571568B2
JPH0571568B2 JP90282420A JP28242090A JPH0571568B2 JP H0571568 B2 JPH0571568 B2 JP H0571568B2 JP 90282420 A JP90282420 A JP 90282420A JP 28242090 A JP28242090 A JP 28242090A JP H0571568 B2 JPH0571568 B2 JP H0571568B2
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keto
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dihydro
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methyl
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Takashi Ueno
Hiroyoshi Nagama
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R Tech Ueno Ltd
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R Tech Ueno Ltd
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    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K31/00Medicinal preparations containing organic active ingredients
    • A61K31/557Eicosanoids, e.g. leukotrienes or prostaglandins
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P1/00Drugs for disorders of the alimentary tract or the digestive system
    • A61P1/16Drugs for disorders of the alimentary tract or the digestive system for liver or gallbladder disorders, e.g. hepatoprotective agents, cholagogues, litholytics

Description

【発明の詳細な説明】
[産業上の利用分野] この発明は、15−ケト−プロスタグランジン化
合物の肝・胆道系疾患処置における新用途に関す
るものである。 [従来の技術] プロスタグランジン類(以後プロスタグランジ
ンはPGとして示す)はひとおよび他の哺乳類の
組織または器官に含有され、広範囲の生理学的活
性を示す有機カルボン酸の1群である。天然に存
在するPG類は一般的な構造特性として、プロス
タン酸骨格を有する。
【化】 一方幾つかの合成類似体は修飾された骨格を持つ
ている。天然PG類は5員環の構造特性によつて、
PGA類、PGB類、PGC類、PGD類、PGE類、
PGF類、PGG類、PGH類、PGI類およびPGJ類
に分類され、さらに鎖部分が、不飽和および酸化
の存在および不存在によつても 下付1……13,14−不飽和−15−OH 下付2……5,6−および13,14−ジ不飽和−
15−OH 下付3……5,6−13,14−および17,18−ト
リ不飽和−15−OHとして、 分類される。 さらに、PGF類は9位の水酸基の配置によつ
てα(水酸基がアルフアー配置である)およびβ
(水酸基がベータ配置である)に分類される。 天然PGE1,PGE2およびPGE3は血管拡張、血
圧降下、胃液分泌減少、腸管運動亢進、子宮収
縮、利尿、気管支拡張および抗潰瘍活性をもつこ
とが知られている。また、天然PGF1α、PGF2α
およびPGF3αは血圧上昇、血管収縮、腸管運動
亢進性、子宮収縮、黄体退行および気管収縮活性
を有することが知られている。 米国特許第4374856号は、15−メチル−PGE2
よび16,16−ジメチル−PGE2が肝細胞保護作用
を有することを記載し、特開昭58−164512号は、
15−シクロアルキル−6−オキソ−PGE1、15−
シクロアルキル−PGI1およびI2、15−シクロアル
キル−6,9α−ニトリロ−PGI1、並びに15−シ
クロアルキル−6,9α−チオ−PGI1およびI2
肝細胞を含めて細胞に対する保護作用を有するこ
とを記載し、特開昭58−203911号は、ある種の
15,16,17,20位の1つまたは2つにメチル基を
有する6−オキソ−PGE1類およびPGI1類並びに
特定の15−シクロペンチル−PGI1類が肝細胞を
含めて細胞に対する保護作用を有することを記載
し、特開昭62−129218号は、4または7−チア−
PGE1類が肝疾患治療剤となり得ることを記載し
ている。しかし、これらは何れも15−ケト−PG
またはその誘導体に該当するものではない。 15−ケト−PG類は下剤として使用し得ること
が、ヨーロツパ特許出願公開第0310305号に記載
されている。 また、幾つかの15−ケト(すなわち、水酸基の
代わりに15位にオキソ基を持つ)PG類および13,
14−ジヒドロ−15−ケト−PGは、天然PGの代謝
中に酵素の作用によつて自然に産生される物質と
して知られている[アクタ・フイジオロジカ・ス
カンジナビカ(Acta Physiologica
Scandinavica)、66巻、509頁、1966年]。さら
に、15−ケト−PGF2αは抗妊娠活性を持つこと
も報告されている。 しかしながら、15−ケト−PG類が肝・胆道系
疾患の治癒に有効であることは知られていない。 [発明の構成] この発明者は、15−ケト−PG化合物の生物活
性について研究の結果、これらを肝・胆道系疾患
処置剤として使用し得ることを見出してこの発明
を完成したのである。 すなわち、この発明は、15−ケト−プロスタグ
ランジン化合物を有効成分とする、肝・胆道系疾
患処置剤を提供するものである。 この発明において、「肝・胆道系疾患」とは、
肝細胞の障害に基づくかまたは障害を伴なうあら
ゆる症状および胆道系の障害に基づくあわゆる症
状を包含し、例えば劇症肝炎、脂肪肝(特にアル
コール脂肪肝)、肝性昏睡、種々の急性・慢性肝
炎(アルコール性肝炎、中毒性肝炎、A型ウイル
ス肝炎、B型ウイルス肝炎、非A非Bウイルス肝
炎、血清肝炎、慢性活動性肝炎等)、肝レンズ核
変性、肝臓肥大、門脈圧亢進症、閉塞性黄だん、
肝膿瘍、肝硬変(特にアルコール性肝硬変、胆汁
性肝硬変)、寄生虫性肝疾患、肝腫瘍、肝結核、
胆のう炎、胆石症、胆管炎、肝疝痛、脂肪過敏症
等を含む。 この発明において、「処置」の語は、予防、治
療、軽減、悪化防止または悪化の軽減を含めたあ
らゆる疾患の管理を包含する。 「15−ケト−プロスタグランジン化合物」は、
以下15−ケト−PG化合物と略称するが、いずれ
も13および14位の間の2重結合の存在または不存
在に関係なくプロスタン酸骨格の15位に水酸基の
代わりにオキソ基を持つあらゆるプロスタグラン
ジン誘導体を含む。 この発明の15−ケト−PG化合物類の命名に際
しては式(A)に示したプロスタン酸の番号を用い
る。 前記式(A)はC−20の基本骨格のものであるが、
本発明では炭素数がこれによつて限定されるもの
ではない。即ち、基本骨格を構成する炭素の番号
はカルボン酸を1とし5員環に向つて順に2〜7
までをα鎖上の炭素に、8〜12までを5員環の炭
素に、13〜20までをω鎖上に付しているが、炭素
数がα鎖上で減少する場合、2位から順次番号を
抹消し、α鎖上で増加する場合2位にカルボキシ
ル基(1位)に代わる置換基がついたものとして
命名する。同様に、炭素数がω鎖上で減少する場
合、20位から炭素の番号を順次減じ、ω鎖上で増
加する場合、21番目以後の炭素原子は置換基とし
て命名する。また、立体配置に関しては、特にこ
とわりのないかぎり、上記基本骨格の有する立体
配置に従うものとする。 従つて、ω鎖に10個の炭素原子を有する15−ケ
ト−PG化合物を15−ケト−20−エチル−PG類と
命名する。 上記式は最も典型的な配位である特定配置を示
すが、この明細書において、特にことわらない限
り化合物は上記の配置を有するものとする。 PGD,PGEあるいはPGFとは、一般にプロス
タン酸の9位および/または11位に水酸基を持つ
化合物を指すが、この発明の15−ケト−プロスタ
グランジン化合物は9位および/または11位に他
の基を有する化合物類まで拡張して包含する。上
記化合物類は9−デヒドロキシ−9−置換あるい
は11−デヒドロキシ−11−置換化合物類と称す
る。 前述のように、本明細書では15−ケト−PG化
合物の命名はプロスタン酸骨格に基づいて行う。
これをIUPACに基づいて命名すると、例えば13,
14−ジヒドロ−15−ケト−16R,S−フルオロ−
PGE2は(Z)−7−{(1R,2R,3R)−3−ヒド
ロキシ−2−[(4R,S)−フルオロ−3−オキソ
−1−オクチル]−5−オキソ−シクロペンチル}
−ヘプト−5−エン酸;13,14−ジヒドロ−15−
ケト−20−エチル−11−デヒドロキシ11R−メチ
ル−PGE2メチルエステルはメチル7−{(1R,
2S,3S)−3−メチル−2−[3−オキソ−1−
デシル]−5−オキソシクロペンチル}−ヘプト−
5−エノエート;13,14−ジヒドロ−6,15−ジ
ケト−19−メチル−PGE2エチルエステルはエチ
ル7−{(1R,2S,3S)−3−ヒドロキシ−2−
(7−メチル−3−オキソ−1−オクチル)−5−
オキソ−シクロペンチル}−6−オキソヘプタノ
エートである。13,14−ジヒドロ−15−ケト−20
−エチル−PGF2αイソプロピルエステルはイソ
プロピル(Z)−7−[(1R,2R,3R,5S)−3,
5−ジヒドロ−2−{3−オキソ−1−デシル}
シクロペンチル]−ヘプト−5−エノエートであ
り;13,14−ジヒドロ−15−ケト−20−メチル−
PGF2αメチルエステルはメチル(Z)−7−
[(1R,2R,3R,5S)−3,5−ジヒドロキシ−
2−{3−オキソ−1−ノニル}−シクロペンチ
ル}−ヘプト−5−エノエートである。 本発明において用いられる15−ケト−PG化合
物類は15位に水酸基の代わりにオキソ基を有する
あらゆるPGの誘導体類であり得、これらは飽和
体でもよく、さらに13−14位に二重結合(15−ケ
ト−PGタイプ1化合物)、13−14位と5−6位に
二重結合(15−ケト−PGタイプ2化合物)、また
は13−14位、5−6位および17−18位に二重結合
(15−ケト−PGタイプ3化合物)を有し得る。ま
た、13,14−ジヒドロ体も含まれる。 本発明に用い得る代表的な例は、15−ケト−
PGA,15−ケト−PGD,15−ケト−PGE,15−
ケト−PGF,13,14−ジヒドロ−15−ケト−
PGA,13,14−ジヒドロ−15−ケト−PGD,13,
14−ジヒドロ−15−ケト−PGE,13,14−ジヒ
ドロ−15−ケト−PGF並びにそれらの置換体お
よびそれらの誘導体である。 置換体または誘導体の例は、上記15−ケト−
PG類のα鎖末端のカルボキシル基がエステル化
された化合物、生理学的に許容し得る塩、2−3
位の炭素結合が2重結合あるいは5−6位の炭素
結合が3重結合を有する化合物、3位、6位、16
位、19位および/または20位の炭素に置換基を有
する化合物、9位および/または11位の水酸基の
代りに低級アルキル基またはヒドロキシ(低級)
アルキル基を有する化合物等である。 この発明において3位、17位および/または19
位の炭素原子に結合する置換基としては、例えば
炭素数1〜4のアルキル基があげられ、特にメチ
ル基、エチル基があげられる。16位の炭素原子に
結合する置換基としては、例えばメチル基、エチ
ル基などの低級アルキル基、水酸基あるいは塩
素、ふつ素などのハロゲン原子、トリフルオロメ
チルフエノキシ等のアリールオキシ基があげられ
る。20位の炭素原子に結合する置換基としては、
C1-4アルキルのような飽和または不飽和の低級ア
ルキル基、C1-4アルコキシのような低級アルコキ
シ基、C1-4アルコキシ−C1-4アルキルのような低
級アルコキシアルキルを含む。6位の炭素原子の
置換基としては、カルボニル基を形成するオキソ
基を含む。9位および/または11位の炭素原子に
ヒドロキシ基、低級アルキルまたは低級(ヒドロ
キシ)アルキル置換基を有する場合のこれらの基
の立体配置はα,βまたはそれらの混合物であつ
てもかまわない。 さらに、上記誘導体は、ω鎖が天然のPG類よ
り短い化合物のω鎖末端にアルコキシ基、フエノ
キシ基、フエニル基等の置換基を有するものであ
つてもよい。 特に好ましい化合物は、16位の炭素に例えばメ
チル基、エチル基などの低級アルキル基を有する
化合物、塩素、ふつ素などのハロゲン原子を有す
る化合物、19位の炭素に例えばメチル基、エチル
基などの低級アルキル基を有する化合物、6位の
炭素にオキソ基を有する化合物、20位の炭素に例
えばメチル基、エチル基などの低級アルキル基を
有する化合物であり、また、16位の炭素以後のア
ルキル鎖の代わりにハロゲン原子またはハロゲン
化アルキル基等の置換基を有することもあるフエ
ニル基あるいはフエノキシ基が16位の炭素原子に
結合した化合物である。 この発明に使用される好ましい化合物は式
【式】 [式中、XおよびYは水素、ヒドロキシ、ハロ
ゲン、低級アルキル、ヒドロキシ(低級)アルキ
ル、またはオキソ(但し、XおよびYの基の内少
なくとも1つは水素以外の基であり、5員環は少
なくとも1つの2重結合を有していてもよい)、 Zは水素またはハロゲン、 Aは−CH2OH、−COCH2OH、−COOHまたは
その官能性誘導体、 Bは−CH2−CH2−、−CH=CH−、−C≡C
−、 R1は非置換またはハロゲン、オキソもしくは
アリールで置換された、二価の飽和または不飽
和、低〜中級脂肪族炭化水素残基、R2は非置換
またはハロゲン、ヒドロキシ、オキソ、低級アル
コキシ、低級アルカノイルオキシ、シクロ(低
級)アルキル、アリールまたはアリールオキシで
置換された、飽和または不飽和、低〜中級脂肪族
炭化水素残基である] を有する。 上式中、R1およびR2における「不飽和」の語
は、主鎖または側鎖の炭素原子間の結合として、
少なくとも1つまたはそれ以上の2重結合およ
び/または3重結合を孤立、分離または連続して
含むことを意味する。通常の命名法に従つて、連
続する2つの位置間の不飽和は若い方の位置番号
を表示することにより示し、連続しない2つの位
置間の不飽和は両方の位置番号を表示して示す。
好ましい不飽和は、2位の2重結合および5位の
2重結合または3重結合である。 「低〜中級脂肪族炭化水素」の語は、炭素数1
〜14の直鎖または分枝鎖[ただし、側鎖は炭素数
1〜3のものが好ましい]を有する炭化水素を意
味し、好ましくはR1の場合炭素数2〜8の炭化
水素であり、R2の場合炭素数2〜10の炭化水素
である。 「ハロゲン」の語は、ふつ素、塩素、臭素およ
びよう素を包含する。 「低級」の語は、特にことわりのない限り炭素
原子数1〜6を有する基を包含するものである。 「低級アルキル」の語は、炭素原子数1〜6の
直鎖または分枝鎖の飽和炭化水素基を包含し、例
えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、
ブチル、イソブチル、t−ブチル、ペンチルおよ
びヘキシルを含む。 「低級アルコキシ」の語は、低級アルキルが上
述と同意義である低級アルキル−Oを意味する。 「ヒドロキシ(低級)アルキル」の語は、少な
くとも1つのヒドロキシ基で置換された上記のよ
うなアルキルを意味し、例えばヒドロキシメチ
ル、1−ヒドロキシエチル、2−ヒドロキシエチ
ルおよび1−メチル−1−ヒドロキシエチルであ
る。 「低級アルカノイルオキシ」の語は、式RCO
−O−(ここで、RCO−は上記のような低級アル
キルが酸化されて生じるアシル、例えばアセチ
ル)で示される基を意味する。 「シクロ(低級)アルキル」の語は、上記のよ
うな低級アルキル基が閉環して生ずる基を意味す
る。 「アリール」の語は、置換されていてもよい芳
香性炭素環または複素環基(好ましくは単環性の
基)を包含し、例えばフエニル、トリル、キシリ
ルおよびチエニルを含む。置換基としては、ハロ
ゲン、ハロゲン置換低級アルキル基(ここで、ハ
ロゲン原子および低級アルキル基は前記の意味)
が含まれる。 「アリールオキシ」の語は、式ArO−(ここ
で、Arは上記のようなアリール基)で示される
基を意味する。 Aで示されるカルボキシル基の「官能性誘導
体」の語は、塩(好ましくは、医薬上許容し得る
塩)、エステルおよびアミド類を含む。 適当な「医薬上許容し得る塩」としては、慣用
される非毒性塩を含み、無機塩基との塩、例えば
アルカリ金属塩(ナトリウム塩、カリウム塩等)、
アルカリ土類金属塩(カルシウム塩、マグネシウ
ム塩等)、アンモニウム塩、有機塩基との塩、例
えばアミン塩(例えばメチルアミン、ジメチルア
ミン塩、シクロヘキシルアミン塩、ベンジルアミ
ン塩、ピペリジン塩、エチレンジアミン塩、エタ
ノールアミン塩、ジエタノールアミン塩、トリエ
タノールアミン塩、トリス(ヒドロキシメチルア
ミノ)エタン塩、モノメチル−モノエタノールア
ミン塩、リジン塩、プロカイン塩、カフエイン塩
等)、塩基性アミノ酸塩(例えばアルギニン塩、
リジン塩等)テトラアルキルアンモニウム塩等が
あげられる。これらの塩類は、例えば対応する酸
および塩基から常套の方法によつてまたは塩交換
によつて製造し得る。 エステルの例としては、メチルエステル、エチ
ルエステル、プロピルエステル、イソプロピルエ
ステル、ブチルエステル、イソブチルエステル、
t−ブチルエステル、ペンチルエステル、1−シ
クロプロピルエチルエステル等の低級アルキルエ
ステル、ビニルエステル、アリルエステル等の低
級アルケニルエステル、エチニルエステル、プロ
ピニルエステル等の低級アルキニルエステル、ヒ
ドロキシエチルエステルのようなヒドロキシ(低
級)アルキルエステル、メトキシメチルエステ
ル、1−メトキシエチルエステル等の低級アルコ
キシ(低級)アルキルエステルのような脂肪族エ
ステルおよび例えばフエニルエステル、トシルエ
ステル、t−ブチルフエニルエステル、サリチル
エステル、3,4−ジメトキシフエニルエステ
ル、ベンズアミドフエニルエステル等の所望によ
り置換されたアリールエステル、ベンジルエステ
ル、トリチルエステル、ベンズヒドリルエステル
等のアリール(低級)アルキルエステルがあげら
れる。 アミドとしては、メチルアミド、エチルアミ
ド、ジメチルアミド等のモノもしくはジ低級アル
キルアミド、アニリド、トルイジド等のアリール
アミド、メチルスルホニルアミド、エチルスルホ
ニルアミド、トリルスルホニルアミド等のアルキ
ルもしくはアリールスルホニルアミド等があげら
れる。 好ましいA基の例は、−COOH、−COOCH3、−
COOCH2CH3、−COOCH(CH32、−CONHSO2
CH3である。 上記式()中、環、αおよび/またはω鎖の
配置は、天然のPG類の配置と同様かまたは異な
つていてもよい。しかしながら、この発明は、天
然の配置を有する化合物および非天然の配置を有
する化合物の混合物も包含する。 この発明の典型的な化合物類の例は、15−ケト
−PG類、13,14−ジヒドロ−15−ケト−PG類お
よびそれらの6−オキソ誘導体、△2−誘導体、
3R,S−メチル誘導体、16R,S−メチル誘導
体、16,16−ジメチル誘導体、16R,S−フルオ
ロ誘導体、16,16−ジフルオロ誘導体、17S−メ
チル誘導体、20−メチル誘導体、20−エチル誘導
体、19−デスメチル誘導体および16−デスブチル
−16−フエノキシ誘導体である。 この発明で用いる化合物において、13,14位が
飽和している場合に11位のヒドロキシと15位のケ
ト間のヘミアセタール形成により、ケト−ヘミア
セタール平衡を生ずる場合がある。このような互
変異性体が存在する場合、両異性体の存在比率は
他の部分の構造または置換基の種類により変動
し、場合によつては一方の異性体が圧倒的に存在
することもあるが、この発明においてはこれら両
者を含むものとし、このような異性体の存在の有
無にかかわりなくケト型の構造式または命名法に
よつて化合物を表わすことがあるが、これは便宜
上のものであつてヘミアセタール型の化合物を排
除しようとするものではない。 この発明においては、個々の互変異性体、その
混合物または光学異性体、その混合物、ラセミ
体、その他の立体異性体等の異性体も、同じ目的
に使用することが可能である。 この発明に使用する化合物のあるものは、特開
昭64−52753号、特開平1−104040号、特開平1
−151519号等に記載の方法によつて製造し得る。
別法として、これらの化合物は、ここで記述した
のと同様の方法または既知方法によつて製造し得
る。 上記15−ケト−PG化合物は、肝細胞および胆
道系の障害を予防または治療する作用を有するの
で、肝・胆道系疾患処置剤として有用である。こ
のような活性は、標準的方法例えば四塩化炭素障
害モデル、エタノール障害モデル等を用いて測定
することができる。 この発明で用いる化合物は動物およびヒト用の
薬剤として使用することができ、通常、全身的あ
るいは局所的に経口、静脈注射(点滴を含む)、
皮下注射、直腸内投与などの方法で使用される。
投与量は動物またはひと等のような対象の種類、
年令、体重、処置されるべき症状、所望の治療効
果、投与方法、処置期間等により変化するが、通
常1日2から4分割用量または持続形態で投与す
る場合0.001〜500mg/Kgの投与量で通常十分な効
果がえられる。 この発明による経口投与のための固体組成物と
しては、錠剤、トローチ、舌下錠、カプセル、丸
剤、散剤、顆粒剤等が含まれる。このような固体
組成物においては1つまたはそれ以上の活性物質
が、少なくとも1つの不活性な希釈剤、例えば、
乳糖、マンニトール、ぶどう糖、ヒドロキシプロ
ピルセルロース、微晶性セルロース、でんぷん、
ポリビニルピロリドン、メタケイ酸アルミン酸マ
グネシウムと混合される。組成物は常法に従つ
て、不活性な希釈剤以外の添加剤、例えばステア
リン酸マグネシウムのような滑沢剤や繊維素グル
コン酸カルシウムのような崩壊剤、α,βまたは
γ−シクロデキストリン、ジメチル−α−、ジメ
チル−β−、トリメチル−β−またはヒドロキシ
プロピル−β−シクロデキストリン等のエーテル
化シクロデキストリン、グリコシル−、マルトシ
ルーシクロデキストリン等の分枝シクロデキスト
リン、ホルミル化シクロデキストリン、硫黄含有
シクロデキストリン、ミソプロトール、りん脂質
のような安定剤を含んでいてもよい。上記シクロ
デキストリン類を用いた場合はシクロデキストリ
ン類と包接化合物を形成して安定性が増大する場
合がある。また、りん脂質を用いたリポソーム化
することにより安定性が増大する場合がある。錠
剤または丸剤は必要により白糖、ゼラチン、ヒド
ロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピル
メチルセルロースフタレートなどの胃溶性あるい
は腸溶性物質のフイルムで被覆してもよいし、ま
た、2以上の層で被覆してもよい。更にゼラチン
のような崩壊され得る物質のカプセル剤としても
よい。速効性を必要とするときは、舌下錠として
もよい。基剤としてはグリセリン、乳糖等を用い
ればよい。 経口投与のための液体組成物としては、乳剤、
液剤、懸濁剤、シロツプ剤、エリキシル剤等が例
示される。一般的に用いられる不活性な希釈剤、
例えば精製水、エタノール等を含んでいてもよ
い。この組成物は不活性な希釈剤以外に湿潤剤、
懸濁化剤のような補助剤、甘味剤、風味剤、芳香
剤、防腐剤を含有していてもよい。 経口投与のためのその他の組成物としては、1
つまたはそれ以上の活性物質を含み、それ自体公
知の方法により処方されるスプレー剤が含まれ
る。 この発明による非経口投与のための注射剤とし
ては無菌の水性または非水性の液剤、懸濁剤、乳
剤を包含する。水性の液剤、懸濁剤用媒体として
は、例えば注射用蒸留水、生理食塩水およびリン
ゲル液が含まれる。 非水性の液剤、懸濁剤用媒体としては、例えば
プロピレングリコール、ポリエチレングリコー
ル、オリーブ油のような植物油、エタノールのよ
うなアルコール類、ポリソルベート等がある。こ
のような組成物は、さらに防腐剤、湿潤剤、乳化
剤、分散剤のような補助剤を含んでいてもよい。
これらは例えばバクテリア保留フイルターを通す
濾過、殺菌剤の配合、ガス滅菌または放射線滅菌
によつて無菌化される。これらはまた無菌の固体
組成物を製造し、使用前に無菌水または無菌の注
射用溶媒に溶解して使用することもできる。 別の形態は坐薬または膣坐薬である。これらの
坐薬はカカオ脂等の体温で軟化する基剤に有効成
分を混合して作ることができ、適当な軟化温度を
有する非イオン界面活性剤を用いて吸収性を向上
させてもよい。 この発明はまた、処置すべき対象にこの発明の
処置剤を投与することからなる、肝・胆道系疾患
の処置法を提供するものである。 [実施例] 以下、この発明を合成剤、製剤例および試験例
によりさらに詳細に説明するが、これらはこの発
明を限定するものではない。 合成例 1 16,16−ジフルオロ−13,14−ジヒドロ−15−
ケト−PGE1メチルエステル(12)の合成法 1−1 (1S,5R,6R,7R)−6−ヒドロキシ
メチル−7−テトラヒドロピラニルオキシ−2
−オキサビシクロ[3.3.0]オクタン−3−オ
ン(2)の合成 市販の(−)コーリーラクトン(1)(THP保護
体)(37.9g)のテトラヒドロフラン溶液にフツ
化テトラブチルアンモニウムのテトラヒドロフラ
ン溶液(1.0M,300ml)を加え、室温で3時間攪
拌した。 反応液を減圧下濃縮し、得られた残渣をカラム
クロマトグラフイーに供したところ、表題化合物
(2)が得られた。 収量:21.70g(82.8%) 1−2 (1S,5R,6R,7R)−6−{(E)−4,
4−ジフルオロ−5−オキソ−2−オクテニ
ル}−7−テトラヒドロピラニルオキシ−2−
オキサビシクロ[3.3.0]オクタン−3−オン
(4)の合成 アルゴン雰囲気下、−78℃で、塩化オキザリル
の塩化メチレン溶液(2.0M,45.5ml)を塩化メ
チレンに溶解し、ジメチルスルホキシド(12.9
ml)を滴下し、10分攪拌した。これに(1S,5R,
6R,7R)−6−ヒドロキシメチル−7−テトラ
ヒドロピラニルオキシ−2−オキサビシクロ
[3.3.0]オクタン−3−オン(2)(11.65g)の塩化
メチレン溶液を滴下し、30分攪拌し、トリエチル
アミン(56ml)を滴下しさらに1時間攪拌した。
反応液を常法に従つて処理し、粗生成物としてア
ルデヒド体(3)を得た。 アルゴン雰囲気下、タリウムエトキシド(3.26
ml)の塩化メチレン溶液に3,3−ジフルオロ−
2−オキソヘプチルホスホン酸ジメチル(11.9
g)を加え、1時間攪拌した。0℃に冷却し、上
で調製したアルデヒド(3)の塩化メチレン溶液を加
え、室温で14時間攪拌した。反応液に酢酸、セラ
イト、飽和ヨウ化カリウム水を加え、濾過した。
濾液を常法により処理し、得られた粗生成物をカ
ラムクロマトグラフイーに供したところ表題化合
物(4)が得られた。 収量:7.787g(44.3%) 1−3 (1S,5R,6R,7R)−6−(4,4−ジ
フルオロ−5−オキソオクチル)−7−テトラ
ヒドロピラニルオキシ−2−オキサビシクロ
[3.3.0]オクタン−3−オン(5)の合成 (1S,5R,6R,7R)−6−{(E)−4,4−ジ
フルオロ−5−オキソ−2−オクテニル}−7−
テトラヒドロピラニルオキシ−2−オキサビシク
ロ[3.3.0]オクタン−3−オン(4)(5.57g)の酢
酸エチル溶液に、5%パラジウム−炭素(触媒
量)を加え、水素雰囲気下、室温で7時間攪拌し
た。反応液を濾過し、濾液を減圧下濃縮し、粗生
成物として表題化合物(5)を得た。 収量:5.48g(97.8%) 1−4 (1S,5R,6R,7R)−6−{4,4−ジ
フルオロ−5(RS)−ヒドロキシオクチル}−7
−テトラヒドロピラニルオキシ−2−オキサビ
シクロ[3.3.0]オクタン−3−オン(6)の合成 (1S,5R,6R,7R)−6−(4,4−ジフルオ
ロ−5−オキソオクチル)−7−テトラヒドロピ
ラニルオキシ−2−オキサビシクロ[3.3.0]オ
クタン−3−オン(5)(5.48g)のメタノール溶液
に、0℃で水素化ホウ素ナトリウム(0.800g)
を加え、10分攪拌した。反応物を常法により処理
し、得られた粗生成物をカラムクロマトグラフイ
ーに供したところ表題化合物(6)が得られた。 収量:5.46g(99.5%) 1−5 16,16−ジフルオロ−13,14−ジヒドロ
−11−テトラヒドロピラニルオキシ−PGF2α
メチルエステル(9)の合成 アルゴン雰囲気下、(1S,5R,6R,7R)−6−
{4,4−ジヒドロ−5(RS)−ヒドロキシオクチ
ル}−7−テトラヒドロピラニルオキシ−2−オ
キサビシクロ[3.3.0]オクタン−3−オン(6)
(2.579g)のトルエン溶液を−78℃に冷却し、ジ
イソブチルアルミニウムヒドリドのトルエン溶液
(1.5M、9.6ml)を滴下し、30分攪拌した。反応
液にメタノール、飽和ロツシエル塩水溶液を加
え、常法により処理した。粗生成物として、ラク
トール体(7)を得た。 アルゴン雰囲気下、臭化4−カルボキシブチル
トリフエニルホスフイン(11.72g)のテトラヒ
ドロフラン懸濁液に、カリウムt−ブトキシドの
テトラヒドロフラン溶液(1.0M,52.84ml)を滴
下し、20分攪拌した。この液を0℃に冷却し、上
で調製したラクトール体(7)のテトラヒドロフラン
溶液を加え、室温で15時間攪拌した。 反応液を常法により処理し、粗生成物としてカ
ルボン酸体(8)を得た。 アルゴン雰囲気下、カルボン酸体(8)のアセトニ
トリル溶液に、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]
ウンデセ−7−エン(DBU)(4.0ml)およびヨ
ウ化メチル(1.7ml)を加え、60℃で3時間攪拌
した。常法の処理により得られた粗生成物をカラ
ムクロマトグラフイーに供したところ、表題化合
物(9)が得られた。 収量:2.737g(84.5%) 1−6 16,16−ジフルオロ−13,14−ジヒドロ
−15−ケト−11−テトラヒドロピラニルオキシ
−PGE2メチルエステル(10)の合成 アルゴン雰囲気下、無水クロム酸(16.18g)、
ビリジン(26.2ml)から常法により調製したコリ
ンズ試薬の塩化メチレン溶液に、−20℃で、16,
16−ジフルオロ−13,14−ジヒドロ−11−テトラ
ヒドロピラニルオキシ−PGF2αメチルエステル
(9)(2.646g)の塩化メチレン溶液を加え、2時
間攪拌した。−5℃に昇温してさらに9時間攪拌
した。反応液に、エーテル、硫酸水素ナトリウム
を加え、濾過した。濾液を減圧下濃縮し、カラム
クロマトグラフイーに供したところ、表題化合物
(10)が得られた。 収量:1.890g(64.4%) 1−7 16,16−ジフルオロ−13,14−ジヒドロ
−15−ケト−PGE2メチルエステル(11)の合成 16,16−ジフルオロ−13,14−ジヒドロ−15−
ケト−11−テトラヒドロピラニルオキシ−PGE2
メチルエステル(10)(2.809g)を酢酸、水、テト
ラヒドロフランの3:1:1混合溶媒に溶解し、
60℃で5時間攪拌した。反応液を減圧下濃縮し、
カラムクロマトグラフイーに供したところ、表題
化合物(11)が得られた。 収量:1.755g(75.5%) 1−8 16,16−ジフルオロ−13,14−ジヒドロ
−15−ケト−PGE1メチルエステル(12)の合成 16,16−ジフルオロ−13,14−ジヒドロ−15−
ケト−PGE2メチルエステル(11)(1.755g)の酢
酸エチル溶液に5%パラジウム−炭素(触媒量)
を加え、水素雰囲気下、室温で6時間攪拌した。
反応液を濾過し、濾液を減圧下濃縮し、カラムク
ロマトグラフイーに供したところ、表題化合物(1
2)が得られた。 収量:1.655g(93.8%) 1〓H NMR(CDCl3)δ0.87(3H,t,J=7
Hz)、1.15〜2.05(23H,m)、2.11〜2.30(3H,
m)、2.50(1H,dd,J=7.5および17Hz)、3.10〜
3.20(1H,br)、3.71(3H,s)、4.05〜4.20(1H,
m)。 Mass(D1−E1)m/z404(M+)、355(M+−H2
O−CH3O)、297(M+−C5H9F2)。 経路を下記反応式に示す。
【化】
【化】
【化】
【化】
【化】
【化】
【化】
【式】 製剤例1 (注射用粉末) (重量部) 13,14−ジヒドロ−15−ケト− 16,16−ジフルオロPGE2 1 マンニトール 5 滅菌水 0.4 上記成分を混合し、攪拌し、滅菌し、ろ過して
から凍結乾燥して注射用粉末を得た。 製剤例2 (注射用溶液) (重量部) 13,14−ジヒドロ−15−ケト− 16,16−ジフルオロPGE1 0.2 非イオン性界面活性剤 2 注射用滅菌水 98 上記成分を混合してから凍結乾燥して注射可能
な溶液を得た。 製剤例 3 メタノール(10ml)に13,14−ジヒドロ−15−
ケト−16,16−ジフルオロ−20−メチル−PGE2
(50mg)を溶解し、さらに生成溶液をマンニトー
ル(18.5g)と混合した。混合物をふるい(孔
径:30mm)に掛け、30℃で90分間乾燥させてから
再度ふるいに掛けた。生成粉末を微粒子シリカゲ
ル(アエロシル、200g)と混合し、混合物を3
番ゼラチン硬カプセル(100)に充填した。カプ
セルは、1カプセル当たり0.5mgの13,14−ジヒ
ドロ−15−ケト−16,16−ジフルオロ−20−メチ
ル−PGE2を含有する腸溶性カプセルである。 製剤例4 (経口投与用粉末) (重量部) 13,14−ジヒドロ−6,15− ジケト−16,16−ジフルオロ− PGE1メチルエステル 5 軽量無水けい酸 5 アゼセル 20 ラクトース 70 上記成分を混合して、経口投与用粉末を得た。 製剤例5 (ゼラチン軟カプセル) (重量部) 13,14−ジヒドロ−6,15− ジケト−19−メチル−PGE1 メチルエステル 1 パナセート(Panasate) 899 上記成分を混合して、ゼラチン軟カプセルに充
填した。 製剤例6 (腸溶性カプセル) メタノール(10ml)に16−デスブチル−13,14
−ジヒドロ−15−ケト−16−m−トリフルオロメ
チルフエノキシ−PGF2αメチルエステル(50mg)
を溶解し、さらに生成溶液をマンニトール(18.5
g)と混合した。混合物をふるい(孔径:30mm)
に掛け、30℃で90分間乾燥させてから再度ふるい
に掛けた。生成粉末を微粒子シリカゲル(アエロ
シル、200g)と混合し、混合物を3番ゼラチン
硬カプセル(100)に充填した。カプセルは、1
カプセル当たり0.5mgの13,14−ジヒドロ−15−
ケト−16−デスブチル−16−m−トリフルオロメ
チルフエノキシ−PGF2αメチルエステルを含有
する腸溶性カプセルである。 上記製剤例において、活性成分は、この発明で
使用する範囲の任意の他の化合物に置き換え得
る。 試験例 1 (方法) Crj:ウイスター(Wistar)雄性ラツト(体重
200−220g、7週齢)を16時間絶食して用いた。
四塩化炭素(CCl4)3ml/Kgを経口投与し急性
肝障害を生じさせた。24時間後にエーテル麻酔下
で採血し、血清を自動分析装置(AU550、オリ
ンパス化学工業株式会社)で測定し、血液生化学
的検査を行なつた。また肝臓を摘出し重量を測定
した。さらに、肝臓について、その外見により下
記のスコアーに基づいて採点した。 スコアー 0:著変認めず。 1:同一形状で肝臓表面が赤褐色化する。 2:肥大、辺縁の鈍化が認められ淡赤色で表面
構造が明瞭である。 3:さらに肥大および褐色が進む。 被検物質は0.5%エタノール生理食塩水に溶解
しCCl4経口投与の24時間前、30分前、6時間後
に背部へ皮下投与した。この発明の被検薬として
は、13,14−ジヒドロ−15−ケト−16,16−ジフ
ルオロ−PGE2を用いた。 投与区分は次の通りとした。
【表】 (結果) 血液生化学的検査の検査は第1表の通りであ
る。なお、表中、GPTはグルタミン酸ピルビン
酸トランスアミナーゼ、GOTはグルタミン酸オ
キザロ酢酸トランスアミナーゼ、LDHは乳酸脱
水素酵素、γ−GTPはガンマ・グルタミルトラ
ンスペプチダーゼを示す。また、数値は平均±
SDである。 また、第2表に肝臓重量、肝体重比および肉眼
的解剖所見(スコアー)を示す。
【表】
【表】 第5群は、肉眼的解剖所見(スコアー)におい
て第2群に比して肝臓の壊死変性を抑制した。ま
た、第4群も有意ではないものの抑制傾向がみら
れた。 四塩化炭素投与による肝重量の増加に対して第
4,5群は有意ではないものの抑制傾向を示し
た。肝体重比の増加に対して第5群は有意な抑制
作用を示した。 血液生化学検査では、GPT,GOT,LDH,γ
−GTP,NH3値の四塩化炭素投与による増加を
第5群は有意に抑制し、GOT,LDH値について
は第3−5群とも抑制作用を示した。 以上の結果から、本発明化合物は実験的急性肝
障害に対する改善作用があることがわかつた。 試験例 2 (方法) 試験例1と同様に行なつた。但し、この発明の
被検薬としては、13,14−ジヒドロ−15−ケト−
16R,S−フルオロ−PGE2を用いた。 投与区分は試験例1と同様とした。 (結果) 血液生化学検査および肉眼的解剖所見(スコア
ー)の結果は第3表の通りである。
【表】 各項目とも、第5群では有意でないが抑制傾向
がみられ、第4群ではGPT,NH3についても抑
制傾向がみられた。 肉眼的解剖所見(スコアー)では、第5群は、
対照群に比して、肝臓の壊死変性を抑制した。 以上の結果から、本発明化合物は実験的急性肝
障害に対する改善作用があることが示唆された。 試験例 3 (方法) 試験例1と同様に行なつた。但し、この発明の
被検薬としては、13,14−ジヒドロ−6,15−ジ
ケト−19−メチル−PGE1エチルエステル・ジメ
チルシクロデキストリン付加物(13,14−ジヒド
ロ−6,15−ジケト−19−メチル−PGE1エチル
エステル:ジメチルシクロデキストリン=1:
10)を用いた。 投与区分は次の通りとした。
【表】
【表】 血液生化学的検査では、第6群でNH3の抑制
およびGPTの抑制傾向がみられた。 以上の結果から、本発明化合物は実験的肝障害
に対する改善作用が認められた。 試験例 4 (方法) 試験例1と同様に行なつた。ただし、被験物質
として、以下に示すものを用いた。 投与区分は次の通りとした。
【表】 ノール生理
食塩水
第3群 被験物質(第5表に記載) 〃 5
(結果) 血液生化学検査の結果において、第2群の四塩
化炭素投与により増加した各値を100%とした場
合の第3群の被験物質投与による各値における制
御率を求めた。結果を第5表に示す。 また、第6−10表に肝体重比および肉眼的解剖
所見(スコアー)を示す。
【表】
【表】
【表】
【表】
【表】
【表】
【表】 試験例 5 (方法) ウイスター(Wister)雄性ラツト(体重200−
220g)を1群5頭とし、16時間絶食した後、四
塩化炭素3ml/Kgを経口投与した。24時間後に、
エーテル麻酔下で採血し、血清中のアルカリホス
フアターゼ(ALP)活性を測定した。被験物質
は生理食塩水に溶解し、四塩化炭素投与の24時間
前、30分前および6時間後に背部皮下へ投与し
た。対照群は生理食塩水のみの投与とした。対照
群のアルカリホスフアターゼ活性の上昇率を100
%とした場合の被験物質のアルカリホスフアター
ゼ活性上昇抑制率を求めた。 (結果) 結果を第11表に示す。
【表】 以上の結果から本発明化合物は肝臓・胆道系疾
患時の指標酵素であるアルカリホスフアターゼ活
性の上昇抑制効果を有するので肝・胆道系疾患の
処理剤として有効である。 試験例 6 供試動物としてCrj:ウイスター(Wistar)系
雄性ラツト(7週齢、体重200−220g)5/群を
用いた。 皮下投与のため、試験化合物を5ml/Kg体重宛
て投与できるように0.5%エタノール生理食塩水
に溶解した。 18時間絶食したラツトに、60%エタノール12
ml/Kgを経口投与した。エタノール投与の30分
前、2時間後および8時間後に試験化合物溶液を
背部より皮下投与し、24時間後にエーテル麻酔下
で肝臓を摘出し、重量を測定した。 試験化合物としては、13,14−ジヒドロ−15−
ケト−16,16−ジフルオロ−PGE2を用いた。 投与区分は次の通りとした。
【表】 結果を第12表に示す。
【表】 第2群においてみられる肝臓重量の増大に対し
て第3群においては有意ではないが抑制傾向がみ
られ、第4群においては有意な抑制傾向がみられ
る。 以上の結果から、本発明化合物はエタノール誘
発実験的急性肝障害に対する改善作用があること
が示された。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 15−ケト−プロスタグランジン化合物を有効
    成分とする、肝・胆道系疾患処置剤。 2 15−ケト−プロスタグランジン化合物が、16
    −モノまたはジハロ−15−ケト−プロスタグラン
    ジン化合物である、請求項1記載の剤。 3 15−ケト−プロスタグランジン化合物が、
    13,14−ジヒドロ−16−モノまたはジハロ−15−
    ケト−プロスタグランジン化合物である、請求項
    1記載の剤。 4 15−ケト−プロスタグランジン化合物が、
    13,14−ジヒドロ−16−モノまたはジフルオロ−
    15−ケト−プロスタグランジン化合物である、請
    求項1記載の剤。 5 15−ケト−プロスタグランジン化合物が、
    6,15−ジケト−プロスタグランジン化合物であ
    る、請求項1記載の剤。 6 15−ケト−プロスタグランジン化合物が、
    13,14−ジヒドロ−6,15−ジケト−プロスタグ
    ランジン化合物である、請求項1記載の剤。 7 15−ケト−プロスタグランジン化合物が、15
    −ケト−19−アルキル−プロスタグランジン化合
    物である、請求項1記載の剤。 8 15−ケト−プロスタグランジン化合物が、
    13,14−ジヒドロ−15−ケト−19−アルキル−プ
    ロスタグランジン化合物である、請求項1記載の
    剤。
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