JPH07100656B2 - 白内障処置剤 - Google Patents

白内障処置剤

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JPH07100656B2
JPH07100656B2 JP3192947A JP19294791A JPH07100656B2 JP H07100656 B2 JPH07100656 B2 JP H07100656B2 JP 3192947 A JP3192947 A JP 3192947A JP 19294791 A JP19294791 A JP 19294791A JP H07100656 B2 JPH07100656 B2 JP H07100656B2
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pgi
keto
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隆司 上野
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株式会社上野製薬応用研究所
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    • A61P27/00Drugs for disorders of the senses
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】この発明は、プロスタサイクリン化合物の
白内障処置における新用途に関するものである。
【0002】
【従来の技術】プロスタサイクリンは、プロスタグラン
ジンI2の別名である。プロスタグランジン類(以後プロ
スタグランジンはPGとして示す)はひとおよび他の哺
乳類の組織または器官に含有され、広範囲の生理学的活
性を示す有機カルボン酸の1群である。天然に存在する
PG類は一般的な構造特性として、プロスタン酸骨格を
有する。
【化1】 さらに、PG類は5員環の構造特性によって、PGA
類、PGB類、PGC類、PGD類、PGE類、PGF
類、PGG類、PGH類およびPGJ類に分類される
が、PGI類はα鎖と5員環の間で閉環した下記の骨格
となっている。
【化2】 一方幾つかの合成類似体は修飾された骨格を持ってい
る。またこれらは、2重結合の数によって、 下付1・・・1個(13−14位) 下付2・・・2個(13−14位、5−6位) 下付3・・・3個(13−14位、5−6位および17
−18位) のように副分類される。天然PGI2は、血小板凝集抑
制作用および血圧降下作用を有することが知られてい
る。また、PGI2の6a位(9α位)の酸素がメチレンに
変った合成PG誘導体であるカルバサイクリン(別名9
(O)−メタノプロスタサイクリンまたは9(O)−メタノ
PGI2)は、血小板凝集抑制作用を有する。そのほか、
PGI2の6a位(9α位)の酸素が窒素に変り5位のメチ
レンが硫黄に変った化合物(9−デオキシ−9α,6−ニ
トリロ−5−チアPGF1α)も知られている。しかし、
これらの化合物が白内障に関して有用な活性を有するこ
とは知られていない。
【0003】
【発明の構成】この発明者等は、天然および合成プロス
タサイクリン骨格をもった化合物の生理作用について研
究の結果、これらの化合物が白内障の処置に有効である
ことを見出し、この発明を完成したのである。すなわ
ち、この発明は、プロスタサイクリン化合物を有効成分
とする、白内障処置剤を提供するものである。白内障は
水晶体の混濁を特徴とする疾患であるが、この発明にお
いて、白内障とは、水晶体の散乱光強度の増加、水晶体
の着色、核の硬化などとして観察されるような前白内障
期を包含する。この発明の処置剤は原因の如何を問わず
あらゆる白内障の処置、特に予防すなわち発症の防止に
用いることができる。このような白内障には、例えば老
人性白内障、外傷性白内障、栄養性白内障、糖尿病性白
内障、薬物中毒による白内障、放射線による白内障等が
含まれている。この発明において、「処置」の語は、予
防、治療、軽減、悪化防止または悪化の軽減を含めたあ
らゆる疾患の管理を包含する。前述のように、プロスタ
サイクリンはプロスタグランジンI2の別名であるが、
この発明で「プロスタサイクリン化合物」という場合に
は、2重結合の数、水酸基の有無その他の置換基の存否
および鎖状部分の変形にかかわりなく、プロスタン酸の
6位と9位が1個の原子(例えばC、O、S、N等)を介
して閉環して生ずる化合物のあらゆる置換体または誘導
体を包含する。
【0004】この発明のプロスタサイクリン化合物の命
名に際しては、式(B)で示したPGIの骨格に基づきそ
の番号を用いるが、これは同時に式(A)で示したプロス
タン酸の番号に基づくものである。前記式(A)および
(B)はC−20の基本骨格のものであるが、本発明では
炭素数がこれによって限定されるものではない。即ち、
基本骨格を構成する炭素の番号はカルボン酸を1とし式
(A)、(B)に共通する5員環に向って順に2〜5をα鎖
上の炭素に、6、6a(または9α)、7を式(B)に形成
された環に、8〜12を式(A)、(B)に共通する5員環
の炭素に、13〜20までをω鎖上に付しているが、炭
素数がα鎖上で減少する場合、2位から順次番号を抹消
し、α鎖上で増加する場合2位にカルボキシル基(1位)
に代わる置換基がついたものとして命名する。同様に、
炭素数がω鎖上で減少する場合、20位から炭素の番号
を順次減じ、ω鎖上で増加する場合、21番目以後の炭
素原子は置換基として命名する。また、立体配置に関し
ては、特にことわりのないかぎり、上記基本骨格が有す
る立体配置にしたがうものとする。例えば、13−14
位が飽和され、15位に水酸基の代りにオキソ基を有
し、6a位(9α位)に酸素原子の代りに炭素原子(CH2)
を有するPGI2化合物は、13,14−ジヒドロ−15
−ケト−6a−カルバ−PGI2[または13,14−ジヒ
ドロ−15−ケト−9(O)−メタノ−PGI2]と命名す
る。前述したように、この発明ではプロスタサイクリン
化合物をPGI骨格に基づいて命名するが、これをIU
PAC規則に基づいて命名することも可能である。この
場合、例えば上記化合物は、[3aS−[2E,3aα,4α
(1E,3R*),5β6aα]]−5−[ヘキサヒドロ−5−
ヒドロキシ−4−(3−オキソオクチル)−2(1H)−ペ
ンタレニリデン]ペンタン酸である。
【0005】置換体または誘導体の例は、上記閉環化合
物のα鎖末端のカルボキシル基がエステル化された化合
物、生理学的に許容し得る塩、2−3位、5−6位、6
−6a位(または9α位)、6−7位の炭素結合が2重結
合あるいは5−6位の炭素結合が飽和結合を有する化合
物、3位、5位、6位、16位、17位、19位および
/または20位の炭素に置換基を有する化合物、6a位
(または9α位)が窒素の場合窒素上に置換基を有する化
合物、11位の水酸基の代りに低級アルキル基またはヒ
ドロキシ(低級)アルキル基を有する化合物等である。こ
の発明において3位、17位および/または19位の炭
素原子に結合する置換基としては、例えば炭素数1〜4
のアルキル基があげられ、特にメチル基、エチル基があ
げられる。16位の炭素原子に結合する置換基として
は、例えばメチル基、エチル基などの低級アルキル基、
水酸基あるいは塩素、ふっ素などのハロゲン原子、トリ
フルオロメチルフェノキシ等のアリールオキシ基があげ
られる。17位の炭素原子の置換基としては、塩素、ふ
っ素等のハロゲンが挙げられる。20位の炭素原子に結
合する置換基としては、C1-4アルキルのような飽和ま
たは不飽和の低級アルキル基、C1-4アルコキシのよう
な低級アルコキシ基、C1-4アルコキシ−C1-4アルキル
のような低級アルコキシアルキルを含む。5位の炭素原
子の置換基としては、塩素、ふっ素などのハロゲンを含
む。6a位(または9α位)の窒素原子の置換基として
は、C1-4アルキル基、C6-12アリール基およびC7-13
アラルキル基を含む。11位の炭素原子にヒドロキシ
基、低級アルキルまたは低級(ヒドロキシ)アルキル置換
基を有する場合のこれらの基の立体配置はα,βまたは
それらの混合物であってもかまわない。さらに、上記誘
導体は、ω鎖が天然のPG類より短い化合物のω鎖末端
にアルコキシ基、フェノキシ基、フェニル基等の置換基
を有するものであってもよい。
【0006】特に好ましい化合物は、16位の炭素に例
えばメチル基、エチル基などの低級アルキル基を有する
化合物、塩素、ふっ素などのハロゲン原子を有する化合
物、17位の炭素に塩素、ふっ素などのハロゲンを有す
る化合物、19位の炭素に例えばメチル基、エチル基な
どの低級アルキル基を有する化合物、5位の炭素に塩
素、ふっ素などのハロゲンを有する化合物、6a位(また
は9α位)の窒素に低級アルキル基を有する化合物、2
0位の炭素に例えばメチル基、エチル基などの低級アル
キル基を有する化合物であり、また、16位の炭素以後
のアルキル鎖の代わりにハロゲン原子またはハロゲン化
アルキル基等の置換基を有することもあるフェニル基あ
るいはフェノキシ基が16位の炭素原子に結合した化合
物である。
【0007】この発明に使用される好ましい化合物は式
(I)
【化3】 [式中、点線つき直線の記号は単結合または2重結合(但
し2重結合は3個の記号中1個しか存在し得ない)、X
は水素、ヒドロキシ、ハロ、低級アルキルまたはヒドロ
キシ(低級)アルキル、Aは−CH2OH、−COCH2
H、−COOHまたはその官能性誘導体、Lは酸素原
子、炭素原子、イオウ原子または窒素原子、Mは−CH
2−CH2−、−CH=CH−または−C≡C−、Qはオ
キソ、
【化4】 (但し、R3は水素または低級アルキル)、R1は非置換ま
たはハロゲン、ヒドロキシオキソ、低級アルコキシ、低
級アルカノイルオキシ、シクロ(低級)アルキル、アリー
ルもしくはアリールオキシで置換された、二価の飽和ま
たは不飽和、低〜中級脂肪族炭化水素残基、R2は非置
換またはオキソ、ヒドロキシ、オキソ、低級アルコキ
シ、低級アルカノイルオキシ、シクロ(低級)アルキル、
アリールまたはアリールオキシで置換された、飽和また
は不飽和、低〜中級脂肪族炭化水素残基である]を有す
る。上式中、R1およびR2における「不飽和]の語は、主
鎖または側鎖の炭素原子間の結合として、少なくとも1
つまたはそれ以上の2重結合および/または3重結合を
孤立、分離または連続して含むことを意味する。通常の
命名法に従って、連続する2つの位置間の不飽和は若い
方の位置番号を表示することにより示し、連続しない2
つの位置間の不飽和は両方の位置番号を表示して示す。
好ましい不飽和は、2位の2重結合および5位の2重結
合である。
【0008】「低〜中級脂肪族炭化水素」の語は、炭素数
1〜14の直鎖または分枝鎖[ただし、側鎖は炭素数1
〜3のものが好ましい]を有する炭化水素を意味し、好
ましくはR1の場合炭素数2〜8の炭化水素であり、R2
の場合炭素数6〜12の炭化水素である。「ハロゲン」の
語は、ふっ素、塩素、臭素およびよう素を包含する。
「低級」の語は、特にことわりのない限り炭素原子数1〜
6を有する基を包含するものである。「低級アルキル」の
語は、炭素原子数1〜6の直鎖または分枝鎖の飽和炭化
水素基を包含し、例えばメチル、エチル、プロピル、イ
ソプロピル、ブチル、イソブチル、t−ブチル、ペンチ
ルおよびヘキシルを含む。「低級アルコキシ」の語は、低
級アルキルが上述と同意義である低級アルキル−O−フ
ェニルを意味する。「ヒドロキシ(低級)アルキル」の語
は、少なくとも1つのヒドロキシ基で置換された上記の
ようなアルキルを意味し、例えばヒドロキシメチル、1
−ヒドロキシエチル、2−ヒドロキシエチルおよび1−
メチル−1−ヒドロキシエチルである。「低級アルカノ
イルオキシ」の語は、式RCO−O−(ここで、RCO−
は上記のような低級アルキルが酸化されて生じるアシ
ル、例えばアセチル)で示される基を意味する。「シクロ
(低級)アルキル」の語は、上記のような低級アルキル基
が閉環して生ずる基を意味する。「アリール」の語は、置
換されていてもよい芳香性炭素環または複素環基(好ま
しくは単環性の基)を包含し、例えばフェニル、トリ
ル、キシリルおよびチエニルを含む。置換基としては、
ハロゲン、ハロゲン置換低級アルキル基(ここで、ハロ
ゲン原子および低級アルキル基は前記の意味)が含まれ
る。「アリールオキシ」の語は、式ArO−(ここで、Ar
は上記のようなアリール基)で示される基を意味する。
【0009】Zで示されるカルボキシル基の「官能性誘
導体」の語は、塩(好ましくは、医薬上許容し得る塩)、
エステルおよびアミド類を含む。適当な「医薬上許容し
得る塩」としては、慣用される非毒性塩を含み、無機塩
基との塩、例えばアルカリ金属塩(ナトリウム塩、カリ
ウム塩等)、アルカリ土類金属塩(カルシウム塩、マグネ
シウム塩等)、アンモニウム塩、有機塩基との塩、例え
ばアミン塩(例えばメチルアミン、ジメチルアミン塩、
シクロヘキシルアミン塩、ベンジルアミン塩、ピペリジ
ン塩、エチレンジアミン塩、エタノールアミン塩、ジエ
タノールアミン塩、トリエタノールアミン塩、トリス
(ヒドロキシメチルアミノ)エタン塩、モノメチル−モノ
エタノールアミン塩、リジン塩、プロカイン塩、カフェ
イン塩等)、塩基性アミノ酸塩(例えばアルギニン塩、リ
ジン塩等)テトラアルキルアンモニウム塩等があげられ
る。これらの塩類は、例えば対応する酸および塩基から
常套の方法によってまたは塩交換によって製造し得る。
エステルの例としては、メチルエステル、エチルエステ
ル、プロピルエステル、イソプロピルエステル、ブチル
エステル、イソブチルエステル、t−ブチルエステル、
ペンチルエステル、1−シクロプロピルエチルエステル
等の低級アルキルエステル、ビニルエステル、アリルエ
ステル等の低級アルケニルエステル、エチニルエステ
ル、プロピニルエステル等の低級アルキニルエステル、
ヒドロキシエチルエステルのようなヒドロキシ(低級)ア
ルキルエステル、メトキシメチルエステル、1−メトキ
シエチルエステル等の低級アルコキシ(低級)アルキルエ
ステルのような脂肪族エステルおよび例えばフェニルエ
ステル、トシルエステル、t−ブチルフェニルエステ
ル、サリチルエステル、3,4−ジメトキシフェニルエ
ステル、ベンズアミドフェニルエステル等の所望により
置換されたアリールエステル、ベンジルエステル、トリ
チルエステル、ベンズヒドリルエステル等のアリール
(低級)アルキルエステルがあげられる。
【0010】アミドとしては、メチルアミド、エチルア
ミド、ジメチルアミド等のモノもしくはジ低級アルキル
アミド、アニリド、トルイジド等のアリールアミド、メ
チルスルホニルアミド、エチルスルホニルアミド、トリ
ルスルホニルアミド等のアルキルもしくはアリ-ルスルホ
ニルアミド等があげられる。好ましいZ基の例は、−C
OOH、−COOCH3、−COOCH2CH3、−CO
OCH(CH3)2、−CONHSO2CH3である。上記式
(I)中、環、αおよび/またはω鎖の配置は、天然のプ
ロスタグランジン類の配置と同様かまたは異なっていて
もよい。しかしながら、この発明は、天然の配置を有す
る化合物および非天然の配置を有する化合物の混合物も
包含する。この発明で用いる化合物において、13,1
4位が飽和し、15位にオキソ基を有する場合に11位
のヒドロキシと15位のケト間のヘミアセタール形成に
より、ケト−ヘミアセタール平衡を生ずる場合がある。
このような互変異性体が存在する場合、両異性体の存在
比率は他の部分の構造または置換基の種類により変動
し、場合によっては一方の異性体が圧倒的に存在するこ
ともあるが、この発明においてはこれら両者を含むもの
とし、このような異性体の存在の有無にかかわりなくケ
ト型の構造式または命名法によって化合物を表わすこと
があるが、これは便宜上のものであってヘミアセタール
型の化合物を排除しようとするものではない。この発明
においては、個々の互変異性体、その混合物または光学
異性体、その混合物、ラセミ体、その他の立体異性体等
の異性体も、同じ目的に使用することが可能である。こ
の発明に使用する化合物のあるものは、特開平2−13
1446号等に記載の方法によって製造し得る。別法と
して、これらの化合物は、ここで記述したのと同様の方
法または既知方法によって製造し得る。上記プロスタサ
イクリン化合物は、白内障処置剤として有用である。
【0011】プロスタサイクリン化合物の実際の製法は
次の段階を含む。合成チャート[I]に示すごとく、市
販の(1S,5S,6R,7R)−6−(トリアルキルシロ
キシメチル)−3−ホルミル−7−テトラヒドロピラニ
ルオキシ−ビシクロ[3.3.0]オクタ−2−エン(アル
デヒド体(1))に、(3−カルボキシプロピル)トリフェ
ニルホスフィンブロミドとカリウムt−ブトキシドから
調製したイリドを反応させ、さらにジアゾメタンと反応
させて、エステル体(2)を得る。このエステル体(2)
を、テトラn−ブチルアンモニウムフルオリド等を用い
て、脱シリル化してアルコール体(3)を得る。このアル
コール体(3)をコリンズ酸化してアルデヒド体(4)を
得、このアルデヒド体(4)に所望の置換基を有するジメ
チル(2−オキソ−3−置換−ヘプチル)ホスホネートと
水素化ナトリウムから調製したアニオンを反応させてω
鎖を導入する。ω鎖をパラジウム炭素の存在下水素化す
る。次いで保護基であるテトラヒドロピラニル基を酸を
用いて外して、目的とする化合物[I]のエステル体
(7)を得る。常法により加水分解することにより、カ
ルボン酸型の目的化合物を得ることができる。ω鎖導入
に用いられるホスホネートとして3位の置換基がふっ素
原子である例を実施例1に示すが、前述のごとくこの置
換基は塩素原子、メチル基、エチル基、フェニル基、ベ
ンジル基、水酸基、メトキシ基、エトキシ基であってよ
い。C13−C14間の2重結合を有する化合物は、合成チ
ャートIIに示される方法により製造する。この方法で、
エステル体(2)は合成チャートIに記載されたのと同
じ方法で製造することができ、水素気流下パラジウム炭
素の存在下水素化し、4−メトキシカルボニルブチル化
合物(2')を得る。この化合物(2')はテトラn−ブ
チルアンモニウムフルオリド等を用いて、脱シリル化し
てアルコール体(3')を得る。これをコリンズ酸化して
アルデヒド体(4')を得、このアルデヒド体(4)に所望
の置換基を有するジメチル(2−オキソ−3−置換−ヘ
プチル)ホスホネートと水素化ナトリウムから調製した
アニオンを反応させてω鎖を導入する。ω鎖をパラジウ
ム炭素の存在下水素化する。次いで保護基であるテトラ
ヒドロピラニル基を酸を用いて外して、エステル体
(7')を得る。常法により加水分解することにより、
カルボン酸型の目的化合物を得ることができる。ω鎖導
入に用いられるホスホネートとして3位の置換基がふっ
素原子である例を実施例1に示すが、前述のごとくこの
置換基は塩素原子、メチル基、エチル基、フェニル基、
ベンジル基、水酸基、メトキシ基、エトキシ基であって
よい。
【0012】16,16−ジフルオロ化合物(9)はジ
メチル(2−オキソ−3,3−ジフルオロヘプチル)ホ
スホネート由来のアニオンと合成チャートIIIに記載し
たアルデヒド(4')とを反応させることにより製造す
ることができる。13,14−ジヒドロ−PGI2類は、
合成チャートIVにより製造することができる。合成チャ
ート[I]に示したのと同じ方法により製造することが
できる化合物(5)は、トリカルボニルクロム安息香酸
メチル錯体(例えば特開昭61−37740号公報)を用
いて水素化する(この場合環内二重結合と共役するα鎖
の二重結合は還元されて環とα鎖とが二重結合で結合し
た構造をとる)。得られた化合物を酸によりテトラヒド
ロピラニル基を除去することにより、目的とする[II]
のエステル体(15)が得られる。別法としては、上記方
法で得られた化合物(11)を水素化ほう素ナトリウム
で還元して、アルコールを得、そのアルコールをアルカ
リで加水分解してカルボン酸(13)を得る。カルボン
酸(15)はジョーンズ酸化後加水分解によりテトラヒ
ドロピラニル基を除去することにより得られる。合成チ
ャートIVでは化合物のカルボニル基に隣接する炭素上の
置換基はふっ素原子であるが、他の置換基であってよ
い。ジ不飽和化合物は、合成チャートVに示した方法に
より化合物(5)から製造することができる。化合物
(5)のカルボニル基を水素化ほう素ナトリウムで還元
して、15−ヒドロキシ化合物(5")を得、その後ト
リカルボニルクロム安息香酸メチル錯体(例えば特開昭
61−37740号公報)を用いて水素化する(この場合
環内二重結合と共役するα鎖の二重結合は還元されて環
とα鎖とが二重結合で結合した構造をとる)。得られた
化合物(12)をアルカリで水素化することにより酸
(13')を得、ジョーンズ酸化により酸化してケトン
(14')を得る。ケトン(14')から酸によりテトラ
ヒドロピラニル基を除去することにより、目的とするカ
ルボン酸(15')が得られる。カルボニル基に隣接する
炭素上の置換基は前述のように別の原子または基であっ
てよい。16,16−ジフルオロ化合物はジメチル(2
−オキソ−3,3−ジフルオロヘプチル)ホスホネート
由来のアニオンと合成チャートVIに記載されたアルデヒ
ド(4)との反応により製造することができる。
【0013】
【化5】
【化6】
【化7】
【化8】
【化9】
【化10】
【化11】
【化12】
【0014】この発明で用いる化合物は動物およびヒト
用の薬剤として使用することができ、通常、全身的ある
いは局所的に点眼、経口、静脈注射(点滴を含む)、皮下
注射、直腸内投与などの方法で使用される。投与量は動
物またはひと等のような対象の種類、年令、体重、処置
されるべき症状、所望の治療効果、投与方法、処置期間
等により変化するが、通常局所投与の場合5〜100μ
g/眼の投与量または1日2から4分割用量または持続
形態で全身投与する場合0.001〜500mg/kgの投与
量で通常十分な効果がえられる。この発明による点眼剤
としては、点眼液または眼軟膏等が含まれる。点眼液
は、有効成分を無菌の水溶液、例えば生理食塩水、緩衝
液等に溶解させるかまたは用時溶解用に組合せて作られ
る。眼軟膏は、基剤に有効成分を混合して作られる。こ
の発明による経口投与のための固体組成物としては、錠
剤、トローチ、舌下錠、カプセル、丸剤、散剤、顆粒剤
等が含まれる。このような固体組成物においては1つま
たはそれ以上の活性物質が、少なくとも1つの不活性な
希釈剤、例えば、乳糖、マンニトール、ぶどう糖、ヒド
ロキシプロピルセルロース、微晶性セルロース、でんぷ
ん、ポリビニルピロリドン、メタケイ酸アルミン酸マグ
ネシウムと混合される。組成物は常法に従って、不活性
な希釈剤以外の添加剤、例えばステアリン酸マグネシウ
ムのような滑沢剤や繊維素グルコン酸カルシウムのよう
な崩壊剤、α,βまたはγ−シクロデキストリン、ジメ
チル−α−、ジメチル−β−、トリメチル−β−または
ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン等のエー
テル化シクロデキストリン、グリコシル−,マルトシル
ーシクロデキストリン等の分枝シクロデキストリン、ホ
ルミル化シクロデキストリン、硫黄含有シクロデキスト
リン、ミソプロトール、りん脂質のような安定剤を含ん
でいてもよい。上記シクロデキストリン類を用いた場合
はシクロデキストリン類と包接化合物を形成して安定性
が増大する場合がある。また、りん脂質を用いたリポソ
ーム化することにより安定性が増大する場合がある。錠
剤または丸剤は必要により白糖、ゼラチン、ヒドロキシ
プロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロ
ースフタレートなどの胃溶性あるいは腸溶性物質のフィ
ルムで被覆してもよいし、また、2以上の層で被覆して
もよい。更にゼラチンのような崩壊され得る物質のカプ
セル剤としてもよい。速効性を必要とするときは、舌下
錠としてもよい。基剤としてはグリセリン、乳糖等を用
いればよい。 経口投与のための液体組成物としては、
乳剤、液剤、懸濁剤、シロップ剤、エリキシル剤等が例
示される。一般的に用いられる不活性な希釈剤、例えば
精製水、エタノール等を含んでいてもよい。この組成物
は不活性な希釈剤以外に湿潤剤、懸濁化剤のような補助
剤、甘味剤、風味剤、芳香剤、防腐剤を含有していても
よい。
【0015】経口投与のためのその他の組成物として
は、1つまたはそれ以上の活性物質を含み、それ自体公
知の方法により処方されるスプレー剤が含まれる。この
発明による非経口投与のための注射剤としては無菌の水
性または非水性の液剤、懸濁剤、乳剤を包含する。水性
の液剤、懸濁剤用媒体としては、例えば注射用蒸留水、
生理食塩水およびリンゲル液が含まれる。非水性の液
剤、懸濁剤用媒体としては、例えばプロピレングリコー
ル、ポリエチレングリコール、オリーブ油のような植物
油、エタノールのようなアルコール類、ポリソルベート
等がある。このような組成物は、さらに防腐剤、湿潤
剤、乳化剤、分散剤のような補助剤を含んでいてもよ
い。これらは例えばバクテリア保留フィルターを通す濾
過、殺菌剤の配合、ガス滅菌または放射線滅菌によって
無菌化される。これらはまた無菌の固体組成物を製造
し、使用前に無菌水または無菌の注射用溶媒に溶解して
使用することもできる。別の形態は坐薬または腟坐薬で
ある。これらの坐薬はカカオ脂等の体温で軟化する基剤
に有効成分を混合して作ることができ、適当な軟化温度
を有する非イオン界面活性剤を用いて吸収性を向上させ
てもよい。この発明はまた、処置すべき対象にこの発明
の処置剤を投与することからなる白内障の処置法を提供
するものである。
【0016】
【実施例】以下、この発明を製造例、製剤例および試験
例によりさらに詳細に説明するが、これらはこの発明を
限定するものではない。 製造例1 13,14−ジヒドロ−15−ケト−16(RS)−フ
ルオロ−6,6a−デヒドロ−6a−カルバ−PGI1
チルエステル(13,14−ジヒドロ−15−ケト−1
6(RS)−フルオロ−15−ケト−9(O)−メタノ−△
6(9α)−PGI1メチルエステル)の合成 1−1)(1S,5S,6S,7R)−6−(t−ブチルジメ
チルシロキシメチル)−3−[4−メトキシカルボニル−
1(EZ)−ブテニル]−7−テトラヒドロピラニルオキ
シ−ビシクロ[3.3.0]オクタ−2−エン (2)の合成 市販の(1S,5S,6S,7R)−6−(t−ブチルジメチ
ルシロキシメチル)−3−ホルミル−7−テトラヒドロ
ピラニルオキシ−ビシクロ[3.3.0]オクタ−2−エン
(1.00g) (1)を、(3−カルボキシプロピル)トリフ
ェニルホスフィンブロミドとカリウムt−ブトキシドか
ら調製したイリドと反応させた。常法の処理により粗カ
ルボン酸を得た。これをジアゾメタンのエーテル溶液と
反応させた。常法の処理により得た粗生成物をカラムク
ロマトグラフィー (ヘキサン/酢酸エチル10:1)で精
製し、無色油状物として(1S,5S,6S,7R)−6−
(t−ブチルジメチルシロキシメチル)−3−[4−メトキ
シカルボニル−1(EZ)−ブテニル]−7−テトラヒド
ロピラニルオキシ−ビシクロ[3.3.0]オクタ−2−エ
ン(2)を得た。収量 0.85g (67%)。1 H NMR (CDCl3) δ 0.05 (6H,s)、 0.9
0 (9H,s)、1.05〜1.95 (10H,m)、 2.1
0〜3.13 (7H,m)、 3.27〜4.22(5H,m)、
3.63 (3H,s)、4.45〜4.69 (1H,m)、5.
05〜5.65(2H,m)、5.97 (0.67H,d,J=
12Hz)、6.22(0.33H,d,J=16Hz)。 1−2)(1S,5S,6S,7R)−3−[4−メトキシカ
ルボニル−1(EZ)−ブテニル]−6−ヒドロメチル−
7−テトラヒドロピラニルオキシ−ビシクロ[3.3.0]
オクタ−2−エン(3)の合成 製造例1−1)で得られた(1S,5S,6S,7R)−6
−(t−ブチルジメチルシリルオキシメチル)−3−
[4−メトキシカルボニル−1(EZ)−ブテニル]−7−
テトラヒドロピラニルオキシ−ビシクロ[3.3.0]オク
タ−2−エン(2)(0.85g)をTHFに溶解した。こ
の溶液中にTHF中のテトラ−n−ブチルアンモニウム
フルオリドを加え、混合物を18時間撹拌した。常法の
処理により得られた粗生成物をカラムクロマトグラフィ
ー (ヘキサン/酢酸エチル1:1)で精製し、無色油状物
として(1S,5S,6S,7R)−3−[4−メトキシカル
ボニル−1(EZ)−ブテニル]−6−ヒドロキシメチル
−7−テトラヒドロピラニルオキシ−ビシクロ[3.3.
0]オクタ−2−エン(3)を得た。収量 0.59g (96
%)。1 H NMR (CDCl3) δ 1.18〜1.93(10
H,m)、 2.16〜3.28(8H,m)、3.42〜4.07
(5H,m)、 3.63 (3H,s)、4.55〜4.64
(0.5H,m)、4.66〜4.77 (0.5H,m)、5.
33 (0.67H,dt,J=7.5Hz,J=12.5H
z)、5.42〜5.67(1.33H,m)、5.99
(0.67H,d,J=12.5Hz)、6.26(0.33
H,d,J=15.5Hz)。
【0017】1−3)(1S,5S,6S,7R)−3−
[4−メトキシカルボニル−1(EZ)−ブテニル]−
6−[4(RS)−フルオロ−3−オキソ−(E)−1
−オクテニル]−7−テトラヒドロピラニルオキシ−ビ
シクロ[3.3.0]オクタ−2−エン(5)の合成 (1S,5S,6R,7R)−3−[4−メトキシカルボニ
ル−1(EZ)−ブテニル]−6−ヒドロキシメチル−
7−テトラヒドロピラニルオキシ−ビシクロ[3.3.
0]オクタ−2−エン(3)(0.240g)を塩化メチ
レン中、0℃でコリンズ酸化した。反応液に硫酸水素ナ
トリウムを加え、濾過した。濾液を減圧濃縮して得た粗
アルデヒド(4)をTHFに溶解し、ジメチル(2−オ
キソ−3−フルオロヘプチル)ホスホネート(0.61
g)と水素化ナトリウムから調製したアニオンと50℃
で反応させ、5時間攪拌し酢酸を加えて中和した。常法
の処理により得た粗生成物をカラムクロマトグラフィー
(ヘキサン/酢酸エチル6:1)で精製し、淡黄色油状
物として(1S,5S,6S,7R)−3−[4−メトキ
シカルボニル−1(EZ)−ブテニル]−6−[4(R
S)−フルオロ−3−オキソ−(E)−1−オクテニ
ル]−7−テトラヒドロピラニルオキシ−ビシクロ
[3.3.0]オクタ−2−エン(5)を得た。収量0.
250g(35%)。1 H NMR (CDCl3) δ 0.70〜1.07 (3H,
m)、 1.06〜2.14 (15H,m)、2.15〜4.16
(11H,m)、3.66 (3H,s)、 4.43〜4.72
(1.5H,m)、4.96〜5.71 (2.5H,m)、5.9
5(0.67H,d,J=11Hz)、6.24(0.33
H,d,J=16Hz)、6.36〜6.73(1H,m)、
6.83〜7.23(1H,m)。 1−4)(1S,5S,6R,7R)−3−(4−メトキ
シカルボニルブチル)−6−[4(RS)−フルオロ−
3−オキソ−オクチル]−7−テトラヒドロピラニルオ
キシ−ビシクロ[3.3.0]オクタ−2−エン(6)の
合成 (1S,5S,6S,7R)−3−[4−メトキシカルボ
ニル−1(EZ)−ブテニル]−6−[4(RS)−フ
ルオロ−3−オキソ−(E)−1−オクテニル]−7−
テトラヒドロピラニルオキシ−ビシクロ[3.3.0]オ
クタ−2−エン(5)(0.094g)を酢酸エチルに
溶解し、5wt%パラジウム炭素(0.0094g)を加
え、水素雰囲気下、15℃で2時間攪拌した。反応液を
濾過し、濾液を減圧濃縮した。得られた粗生成物を硝酸
銀処理したシリカゲル(15wt%)を用いてカラムクロ
マトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル12:1〜9:
1)し、淡黄色油状物として、(1S,5S,6R,7
R)−3−(4−メトキシカルボニル)−6−[4(R
S)−フルオロ−3−オキソオクチル]−7−テトラヒ
ドロピラニルオキシ−ビシクロ[3.3.0]オクタ−2
−エン(6)を得た。収量0.042g(44%)。1 H NMR (CDCl3) δ 0.66〜1.03 (3H,
m)、 1.03〜3.12 (31H,m)、3.24〜4.02
(3H,m)、 3.63 (3H,s)、4.27〜4.53
(0.5H,m)、4.50〜4.70 (1H,m)、4.83
〜5.06 (0.5H,m)、5.06〜5.33 (1H,
m)。
【0018】1−5)13,14−ジヒドロ−15−ケ
ト−16(RS)−フルオロ−6,6a−デヒドロ−6
a−カルバ−PGI1(13,14−ジヒドロ−15−ケ
ト−16(RS)−フルオロ−9(0)−メタノ−△
6(9α)−PGI1メチルエステル)(7)の合成 (1S,5S,6R,7R)−3−(4−メトキシカルボ
ニルブチル)−6−[4(RS)−フルオロ−3−オキ
ソオクチル]−7−テトラヒドロピラニルオキシ−ビシ
クロ[3.3.0]オクタ−2−エン(6)(0.088
g)を酢酸、水、およびTHFの4:2:1混合溶媒に
溶解し、45℃で4時間攪拌した。反応液を減圧濃縮
し、得られた粗生成物をカラムクロマトグラフィー(ヘ
キサン/酢酸エチル6:1〜4:1)で精製し、淡黄色
油状物として13,14−ジヒドロ−15−ケト−16
(RS)−フルオロ−6,6a−デヒドロ−6a−カル
バ−PGI1(13,14−ジヒドロ−15−ケト−16
(RS)−フルオロ−9(0)−メタノ−△6(9α)−P
GIメチルエステル)(7)を得た。収量0.072
g(100%)。1 H NMR (CDCl3) δ 0.73〜1.05 (3H,
m)、 1.05〜3.15 (26H,m)、3.46〜4.04
(1H,m)、 3.63 (3H,s)、4.33〜4.56
(0.5H,m)、4.48〜5.07 (0.5H,m)、5.0
7〜5.36 (1H,m)。
【0019】製造例2 13,14−ジヒドロ−15−ケト−16(RS)−フ
ルオロ−6a−カルバ−PGI2(13,14−ジヒドロ
−15−ケト−16(RS)−フルオロ−9(0)−メ
タノ−PGI)の合成 2−1)(1S,2R,3R,5S)−7(E)−(4−
メトキシカルボニルブチリデン)−2−[4(RS)−
フルオロ−3−オキソ−オクチル]−3−テトラヒドロ
ピラニルオキシ−ビシクロ[3.3.0]オクタン(8)
の合成 オートクレーブ中、(1S,5S,6S,7R)−3−
[4−メトキシカルボニル−1(EZ)−ブテニル]−
6−[4(RS)−フルオロ−3−オキソ−(E)−1
−オクテニル]−7−テトラヒドロピラニルオキシ−ビ
シクロ[3.3.0]オクタ−2−エン(5)(0.10
9g)をアセトンに溶解し、トリカルボニルクロム・安
息香酸メチル錯体(0.023g)を加え、脱気した。
水素加圧下(70kg/cm)、125℃で20時間
撹拌した。反応液を減圧濃縮し、得られた粗生成物をカ
ラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル10:
1〜7:1)で精製し、無色油状物として(1S,2R,
3R,5S)−7(E)−(4−メトキシカルボニルブ
チリデン)−2−[4(RS)−フルオロ−3−オキソ
−オクチル]−3−テトラヒドロピラニルオキシ−ビシ
クロ[3.3.0]オクタン(11)を得た。収量0.1
57g(99%)。1 H NMR (CDCl3) δ 0.76〜1.05 (3H,
m)、 1.05〜2.91 (31H,m)、3.27〜3.98
(3H,m)、 3.62 (3H,s)、4.31〜4.72
(1.5H,m)、4.79〜5.32(1.5H,m)。 2−2)(1S,2R,3R,5S)−7(E)−(4−
メトキシカルボニルブチリデン)−2−[4(RS)−
フルオロ−3(RS)−ヒドロキシオクチル]−3−テ
トラヒドロピラニルオキシ−ビシクロ[3.3.0]オク
タン(12)の合成 (1S,2R,3R,5S)−7(E)−(4−メトキシ
カルボニルブチリデン)−2−[4(RS)−フルオロ
−3−オキソオクチル]−3−テトラヒドロピラニルオ
キシ−ビシクロ[3.3.0]オクタン(11)(0.1
97g)をメタノールに溶解し、0℃で水素化ほう素ナ
トリウム(0.017g)を加えた。30分攪拌し、常
法により処理した。得られた粗生成物をカラムクロマト
グラフィー(ヘキサン/酢酸エチル3:1)で精製し、
(1S,2R,3R,5S)−7(E)−(4−メトキシ
カルボニルブチリデン)−2−[4(RS)−フルオロ
−3(RS)−ヒドロキシオクチル]−3−テトラヒド
ロピラニルオキシ−ビシクロ[3.3.0]オクタン
(9)を得た。収量0.185g(93%)。1 H NMR (CDCl3) δ 0.72〜1.05 (3H,
m)、 1.05〜2.66 (32H,m)、3.22〜4.1
5 (4H,m)、3.62(3H,s)、4.42〜4.67
(1.5H,m)、5.00〜5.31(1H,m)。
【0020】2−3)(1S,2R,3R,5S)−7(E)
−(4−カルボキシブチリデン)−2−[4(RS)−フル
オロ−3(RS)−ヒドロキシオクチル]−3−テトラヒ
ドロピラニルオキシ−ビシクロ[3.3.0]オクタン(1
0)の合成 (1S,2R,3R,5S)−7(E)−(4−メトキシカルボ
ニルブチリデン)−2−[4(RS)−フルオロ−3(RS)
−ヒドロキシオクチル]−3−テトラヒドロピラニルオ
キシ−ビシクロ[3.3.0]オクタン(12)(0.185g)
をメタノ−ルに溶解し、1N水酸化ナトリウム水溶液
(6.5ml)を加え、室温で4時間攪拌した。常法の処
理により粗生成物として(1S,2R,3R,5S)−7
(E)−(4−カルボキシブチリデン)−2−[4(RS)−
フルオロ−3(RS)−ヒドロキシオクチル]−3−テト
ラヒドロピラニルオキシ−ビシクロ[3.3.0]オクタン
(13)を得た。収量0.184g(定量的)。 2−4)(1S,2R,3R,5S)−7(E)−(4−カルボ
キシブチリデン)−2−[4(RS)−フルオロ−3−オキ
ソオクチル]−3−テトラヒドロピラニルオキシビシク
ロ[3.3.0]オクタン(14)の合成 (1S,2R,3R,5S)−7(E)−(4−メトキシカルボ
ニルブチリデン)−2−[4(RS)−フルオロ−3(RS)
−ヒドロキシオクチル]−3−テトラヒドロピラニルオ
キシビシクロ[3.3.0]オクタン(13)(0.184g)を
約−15〜−5℃でジョーンズ試薬で酸化した。40分
撹拌後、イソプロパノール(0.43ml)加え、混合
物を常法で処理した。得られた粗生成物を酸で処理した
カラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル1
5:1〜10:1)(CC−4:マリネクロット・コー
ポレイション・リミテッド)で精製し、無色油状物とし
て(1S,2R,3R,5S)−7(E)−(4−カルボキシブ
チリデン)−2−[4(RS)−フルオロ−3−オキソオク
チル]−3−テトラヒドロピラニルオキシビシクロ[3.
3.0]オクタン(14)を得た。収量0.072g(40
%)。1 H NMR (CDCl3) δ 0.72〜1.04 (3H,
m)、 4.20〜4.68 (1.5H,m)、4.75〜5.3
3 (1.5H,m)、6.52〜8.52(1H,brs)。 2−5)13,14−ジヒドロ−15−ケト−16(R
S)−フルオロ−6a−カルバ−PGI2(13,14−
ジヒドロ−15−ケト−16(RS)−フルオロ−9
(O)−メタノ−PGI2(15)の合成 (1S,2R,3R,5S)−7(E)−(4−カルボキシブチ
リデン)−2−[4(RS)−フルオロ−3−オキソオクチ
ル]−3−テトラヒドロピラニルオキシビシクロ[3.
3.0]オクタン(14)(0.070g)を酢酸、水、および
THFの4:2:1混合溶媒に溶解し、45℃で4時間
攪拌した。反応液を減圧濃縮し、得られた粗生成物をC
C−4のシリカゲルを用いてカラムクロマトグラフィー
(ヘキサン/酢酸エチル3.5:1)で精製し、無色油
状物として13,14−ジヒドロ−15−ケト−16
(RS)−フルオロ−6a−カルバ−PGI1(13,1
4−ジヒドロ−15−ケト−16(RS)−フルオロ−
9(0)−メタノ−PGIメチルエステル)(15)
を得た。収量0.048g(84%)。1 H NMR (CDCl3) δ 0.65〜1.05 (3H,
m)、 1.05〜2.85 (25H,m)、3.43〜3.82
(1H,m)、4.26〜4.57 (0.5H,m)、4.76
〜5.35 (1.5H,m)、5.20〜6.57(2H,br
s)。
【0021】製造例3 13,14−ジヒドロ−15−ケト−16(RS)−フ
ルオロ−6a−カルバ−PGI2メチルエステル(13,
14−ジヒドロ−15−ケト−16(RS)−フルオロ−
9(0)−メタノ−PGIメチルエステル(15')の
合成 (1S,2R,3R,5S)−(E)−7−(4−メトキシカ
ルボニルブチリデン)−2−[4(RS)−フルオロ−3
−オキソ−オクチル]−3−テトラヒドロピラニルオキ
シ−ビシクロ[3.3.0]オクタン(11)(0.07
0g)を酢酸、水、およびTHFの4:2:1混合溶媒
に溶解し、45℃で3時間撹拌した。反応液を減圧濃縮
し、得られた粗生成物をカラムクロマトグラフィー(ヘ
キサン/酢酸エチル3.5:1)で精製し、無色油状物
として13,14−ジヒドロ−15−ケト−16(RS)−
フルオロ−6a−カルバ−PGI2メチルエステル(1
3,14−ジヒドロ−15−ケト−16(RS)−フル
オロ−9(0)−メタノ−PGI2メチルエステル(1
5')を得た。収量0.038g(67%)。1 H NMR (CDCl3) δ 0.75〜1.05 (3H,
m)、 1.05〜2.87 (26H,m)、3.37〜3.9
6 (1H,m)、3.64(3H,s)、4.28〜4.53
(0.5H,m)、4.77〜5.32 (1.5H,m)。
【0022】製造例4 16(RS)−フルオロ−15−ケト−6,6a−デヒ
ドロ−6a−カルバ−PGI1メチルエステル(16
(RS)−フルオロ−15−ケト−9(O)−メタノ−
6(9α))PGI1メチルエステル)の合成 4−1)(1S,5S,6S,7R)−6−(t−ブチル
ジメチルシリルオキシメチル)−3−[4−メトキシカ
ルボニル−1(EZ)−ブテニル]−7−テトラヒドロ
ピラニルオキシビシクロ[3.3.0]オクタ−2−エン
(2)の合成 製造例1の1−1)と同じ方法で、標題化合物(2)を
製造した。 4−2)(1S,5S,6S,7R)−6−(t−ブチル
ジメチルシリルオキシメチル)−3−[4−メトキシカ
ルボニル−1(EZ)−ブテニル]−7−テトラヒドロ
ピラニルオキシビシクロ[3.3.0]オクタ−2−エン
(2)(0.214g)をメタノールに溶解し、10%
パラジウム炭素(0.050g)を加え、水素雰囲気下、
室温で45分間攪拌した。反応液を濾過し、濾液を減圧
濃縮した。得られた粗生成物を硝酸銀処理したシリカゲ
ル(10wt.%)を用いてカラムクロマトグラフィー(ヘキ
サン/酢酸エチル40:1〜30:1)し、無色油状物と
して(1S,5S,6S,7R)−6−(t−ブチルジメチル
シロキシメチル)−3−(4−メトキシカルボニルブチ
ル)−7−テトラヒドロピラニルオキシ−ビシクロ[3.
3.0]オクタ−2−エン(3)を得た。収量0.151g
(70%)。1 H NMR (CDCl3) δ 0.05 (6H,s)、 0.8
8 (9H,s)、0.97〜3.03 (21H,m)、 3.23
〜4.15(5H,m)、3.62 (3H,s)、4.45〜
4.69 (1H,m)、5.10〜5.33 (1H,m)。 4−3)(1S,5S,6S,7R)−3−(4−メトキシ
カルボニルブチル)−6−ヒドロキシメチル−7−テト
ラヒドロピラニルオキシビシクロ[3.3.0]オクタ−
2−エン(3')の合成 (1S,5S,6S,7R)−6−(t−ブチルジメチルシロ
キシメチル)−3−(4−メトキシメトキシブチル)−7
−テトラヒドロピラニルオキシ−ビシクロ[3.3.0]オ
クタ−2−エン(3')(0.294g)をTHFに溶解
し、n−ブチルアンモニウムフルオリドのTHF溶液
(1.1M,2.2ml)を加え、室温で18時間攪拌し
た。常法の処理により得た粗生成物をカラムクロマトグ
ラフィー (ヘキサン/酢酸エチル1:1)で精製し、
無色油状物として(1S,5S,6S,7R)−3−(4−
メトキシカルボニルブチル)−6−ヒドロキシメチル−
7−テトラヒドロピラニルオキシ−ビシクロ[3.3.
0]オクタ−2−エン(3')を得た。収量0.228
g。1 H NMR (CDCl3) δ 0.76〜3.13 (22
H,m)、 3.27〜4.13 (5H,m)、3.63 (3H,
s)、 4.46〜4.77 (1H,m)、5.02〜5.42
(1H,m)。
【0023】4−4)(1S,5S,6S,7R)−3−
(4−メトキシカルボニルブチル)−6−[4(RS)−フ
ルオロ−3−オキソ−(E)−1−オクテニル]−7−テ
トラヒドロピラニルオキシ−ビシクロ[3.3.0]オクタ
−2−エン(5')の合成 (1S,5S,6S,7R)−3−(4−メトキシメトキシ
ブチル)−6−ヒドロキシメチル−7−テトラヒドロピ
ラニルオキシビシクロ[3.3.0]オクタ−2−エン
(3')(0.125g)をDMSOに溶解し、トリエチ
ルアミン(0.93ml)および三酸化イオウ・ピリジン
錯体(0.504g)のDMSO溶液を加え、室温で1.5
時間攪拌した。常法の処理により粗アルデヒド体(5)を
得た。これをTHFに溶解し、ジメチル(2−オキソ−
3−フルオロヘプチル)ホスホネート(0.341g)
と水素化ナトリウムから調製したアニオンと50℃で反
応させた。3時間攪拌し酢酸を加えて中和した。常法の
処理により得た粗生成物をカラムクロマトグラフィー
(ヘキサン/酢酸エチル7:1)で精製し、(1S,5
S,6S,7R)−3−(4−メトキシカルボニルブチル)
−6−[4(RS)−フルオロ−3−オキソ−(E)−1−
オクテニル]−7−テトラヒドロピラニルオキシ−ビシ
クロ[3.3.0]オクタ−2−エン(5')を得た。収量0.
088g(56%)。1 H NMR (CDCl3) δ 0.75〜1.06 (3H,
m)、 1.05〜3.14 (27H,m)、3.26〜4.13
(3H,m)、 3.63 (3H,s)、4.38〜4.71
(1.5H,m)、5.01〜5.43 (1.5H,m)、6.2
6〜6.68 (1H,m)、6.80〜7.26 (1H,
m)。 4−5)16(RS)−フルオロ−15−ケト−6,6
a−デヒドロ−6a−カルバ−PGI1メチルエステル
(16(RS)−フルオロ−15−ケト−9(O)−メ
タノ−△6(9α)−PGI1メチルエステル)(7')の合
成 (1S,5S,6S,7R)−3−(4−メトキシカルボニ
ルブチル)−6−[4(RS)−フルオロ−3−オキソ−
(E)−1−オクテニル]−7−テトラヒドロピラニルオ
キシビシクロ[3.3.0]オクタ−2−エン(5')(0.
088g)を酢酸、水、およびTHFの4:2:1混合
溶媒に溶解し、45℃で3時間攪拌した。反応液を減圧
濃縮し、得られた粗生成物をカラムクロマトグラフィー
(ヘキサン/酢酸エチル3:1)で精製し、無色油状物
として16(RS)−フルオロ−15−ケト−6,6a
−デヒドロ−6a−カルバ−PGI1メチルエステル
(16(RS)−フルオロ−15−ケト−9(O)−メタノ
−△6(9α)−PGIメチルエステル)(7')を得
た。収量0.069g(96%)。1 H NMR (CDCl3) δ 0.72〜1.04 (3H,
m)、 1.04〜3.18 (22H,m)、3.62(3H,
s)、 3.70〜4.12 (1H,m)、4.43〜4.63
(0.5H,m)、4.98〜5.23 (0.5H,m)、5.1
8〜5.35 (1H,m)、6.53(1H,dd,J=16H
z,J=3Hz)、6.98(1H,dd,J=16Hz,J=9
Hz)。
【0024】製造例5 16,16−ジフルオロ−15−ケト−6,6a−デヒド
ロ−6a−カルバ−PGI1メチルエステル(16,16
−ジフルオロ−15−ケト−9(O)−メタノ−△
6(9α)−PGI1メチルエステル)の合成 5−1)(1S,5S,6S,7R)−3−(4−メトキシ
カルボニルブチル)−6−[4,4−ジフルオロ−3−オ
キソ−(E)−1−オクテニル]−7−テトラヒドロピラ
ニルオキシ−ビシクロ[3.3.0]オクタ−2−エン
(8)の合成 (1S,5S,6S,7R)−3−(4−メトキシカルボニ
ルブチル)−6−ヒドロキシメチル−7−テトラヒドロ
ピラニルオキシ−ビシクロ[3.3.0]オクタ−2−エン
(3')(0.108g)をDMSOに溶解し、トリエ
チルアミン(0.90ml)および三酸化イオウ・ピリ
ジン錯体(0.488g)のDMSO溶液を加え、室温
で30分攪拌した。常法の処理により粗アルデヒド体
(5)を得た。これをTHFに溶解し、ジメチル(2−
オキソ−3,3−ジフロオロヘプチル)ホスホネート
(0.435g)と水素化ナトリウムから調製したアニ
オンと反応させた。48時間加熱還流し、酢酸を加えて
中和した。常法の処理により得た粗生成物をカラムクロ
マトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル7:1)で精製
し、無色油状物として(1S,5S,6S,7R)−3−
(4−メトキシカルボニルブチル)−6−[4,4−ジフル
オロ−3−オキソ−(E)−1−オクテニル]−7−テト
ラヒドロピラニルオキシ−ビシクロ[3.3.0]オクタ−
2−エン (8)を得た。収量0.091g(64%)。1 H NMR (CDCl3) δ 0.76〜1.05 (3H,
m)、 1.05〜3.17 (27H,m)、3.25〜4.15
(3H,m)、 3.63 (3H,s)、4.35〜4.75 (1
H,m)、5.09〜5.37(1H,m)、6.56(1
H,dd,J=15Hz,J=6Hz)、6.86〜7.37
(1H,m)。 5−2)16,16−ジフルオロ−15−ケト−6,6a
−デヒドロ−6a−カルバ−PGI1メチルエステル
(16,16−ジフルオロ−15−ケト−9(O)−メタ
ノ−△6(9α)−PGIメチルエステル)(9)の合成 (1S,5S,6S,7R)−3−(4−メトキシカルボニ
ルブチル)−6−[4,4−ジフルオロ−3−オキソ−
(E)−1−オクテニル]−7−テトラヒドロピラニルオ
キシ−ビシクロ[3.3.0]オクタ−2−エン(8)
(0.091g)を酢酸、水、およびTHFの4:2:
1混合溶媒に溶解し、45℃で3時間攪拌した。反応液
を減圧濃縮し、得られた粗生成物をカラムクロマトグラ
フィー(ヘキサン/酢酸エチル2:1)で精製し、無色
油状物として16,16−ジフルオロ−15−ケト−6,
6a−デヒドロ−6a−カルバ−PGI1メチルエステ
ル(16,16−ジフルオロ−15−ケト−9(O)−メ
タノ−△6(9α)−PGIメチルエステル)(9)を得
た。収量0.060g(80%)。1 H NMR (CDCl3) δ 0.76〜1.05 (3H,
m)、 1.05〜3.21 (22H,m)、3.62 (3H,
s)、3.73〜4.17 (1H,m)、5.09〜5.43
(1H,m)、6.56(1H,d,J=15Hz)、7.12
(1H,dd,J=15Hz,J=7.5Hz)。
【0025】製造例6 16(RS)−フルオロ−15−ケト−9(O)−メタ
ノ−PGI2(16(RS)−フルオロ−15−ケト−9
(O)−メタノ−PGI2)の合成 6−1)(1S,5S,6S,7R)−3−[4−メトキシカ
ルボニル−1(EZ)−ブテニル]−6−ヒドロキシメチ
ル−7−テトラヒドロピラニルオキシ−ビシクロ[3.
3.0]オクタ−2−エン(3)の合成 製造例1の1−2)と同様の方法で、化合物(3)を製
造した。 6−2)(1S,5S,6R,7R)−3−[4−メトキ
シカルボニル−1(EZ)−ブテニル]−6−[4(R
S)−フルオロ−3−オキソ−(E)−1−オクテニ
ル]−7−テトラヒドロピラニルオキシビシクロ[3.
3.0オクタ−2−エン(5)の合成 製造例1の1−3)と同様の方法で、化合物(5)を製
造した。 6−3)(1S,5S,6R,7R)−3−[4−メトキ
シカルボニル−1(EZ)−ブテニル]−6−[4(R
S)−フルオロ−3(RS)−ヒドロキシ−(E)−1
−オクテニル]−7−テトラヒドロピラニルオキシビシ
クロ[3.3.0]オクタ−2−エン(5")の合成 (1S,5S,6S,7R)−3−[4−メトキシカルボニル
−1(EZ)−ブテニル]−6−[4(RS)−フルオロ
−3−オキソ−(E)−1−オクテニル]−7−テトラ
ヒドロピラニルオキシ−ビシクロ[3.3.0]オクタ−2
−エン(5)(0.088g)をメタノールに溶解し、水素化
ほう素ナトリウム(0.008g)を加え、0℃で30
分間攪拌した。常法の処理により、無色油状物として
(1S,5S,6S,7R)−3−[4−メトキシカルボニル
−1(EZ)−ブテニル]−6−[4(RS)−フルオロ
−3(RS)−ヒドロキシ−(E)−1−オクテニル]
−7−テトラヒドロピラニルオキシビシクロ[3.3.
0]オクタ−2−エン(5")を得た。収量0.089
g。1 H NMR (CDCl3) δ 0.67〜1.03(3H,
m)、 1.03〜3.19(24H,m)、3.22〜4.34
(4.5H,m),3.62(3H,s)、 4.40〜4.74
(1.5H,m)、5.07〜6.32(5H,m)。
【0026】6−4)(1S,2S,3R,5R)−7−
[4−メトキシカルボニルブチリデン)−2−[4(R
S)−フルオロ−3(RS)−ヒドロキシ−(E)−1
−オクテニル]−3−テトラヒドロピラニルオキシビシ
クロ[3.3.0]オクタ−2−エン(12')の合成 オートクレーブ中に(1S,5S,6S,7R)−3−[4−
メトキシカルボニル−1(EZ)−ブテニル]−6−[4
(RS)−フルオロ−3(RS)−ヒドロキシ−(E)
−1−オクテニル]−7−テトラヒドロピラニルオキシ
−ビシクロ[3.3.0]オクタ−2−エン(5")(0.08
9g)を置き、酢酸に溶解し、トリカルボニルクロミウム
/メチル安息香酸錯体(0.011g)を加え、オート
クレーブを脱ガスした。オートクレーブ中の混合物を7
0kg/cm2の水素気流下120℃15時間撹拌し
た。反応混合物を減圧下濃縮し、粗生成物をカラムクロ
マトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=2:1)し
て、無色油状物として(1S,2S,3R,5R)−7−
[4−メトキシカルボニルブチリデン)−2−[4(R
S)−フルオロ−3(RS)−ヒドロキシ−(E)−1
−オクテニル]−3−テトラヒドロピラニルオキシビシ
クロ[3.3.0]オクタ−2−エン(12')を得た。
収量:0.078g(87%)1 H NMR (CDCl3) δ 0.70〜1.04(3H,
m)、 1.04〜2.67(28H,m)、3.21〜4.32
(4.5H,m),4.36〜4.75(1.5H,m)、 4.9
9〜5.30(1H,m)、5.30〜5.92(2H,
m)。 6−5)(1S,2S,3R,5S)−(E)−7−(4
−カルボキシブチリデン)−2−[4(RS)−フルオ
ロ−3(RS)−ヒドロキシ−(E)−1−オクテニ
ル]−3−テトラヒドロピラニルオキシ−ビシクロ[3.
3.0]オクタ−2−エン(13')の合成 (1S,2S,3R,5R)−7−[4−メトキシカルボ
ニルブチリデン)−2−[4(RS)−フルオロ−3
(RS)−ヒドロキシ−(E)−1−オクテニル]−3
−テトラヒドロピラニルオキシビシクロ[3.3.0]オ
クタ−2−エン(12')(0.129g)をメタノール
に溶解し、1N水酸化ナトリウム水溶液(2ml)を加
え、室温で6時間撹拌した。常法処理後、無色油状物と
して(1S,2S,3R,5S)−(E)−7−(4−カ
ルボキシブチリデン)−2−[4(RS)−フルオロ−
3(RS)−ヒドロキシ−(E)−1−オクテニル]−
3−テトラヒドロピラニルオキシ−ビシクロ[3.3.0]
オクタ−2−エン(13')を得た。収量:0.140g1 H NMR (CDCl3) δ 0.70〜1.05(3H,
m)、 1.05〜2.70(27H,m)、3.26〜6.06
(10H,m)。
【0027】6−6)(1S,2S,3R,5S)−
(E)−7−(4−カルボキシブチリデン)−2−[4
(RS)−フルオロ−3−オキソ−(E)−1−オクテ
ニル]−3−テトラヒドロピラニルオキシビシクロ[3.
3.0]オクタン(14')の合成 (1S,2S,3R,5S)−(E)−7−(4−カルボ
キシブチリデン)−2−[4(RS)−フルオロ−3
(RS)−ヒドロキシ−(E)−1−オクテニル]−3
−テトラヒドロピラニルオキシ−ビシクロ[3.3.0]オ
クタ−2−エン(13')(0.140g)を−15℃〜
−20℃でジョーンズ酸化した。混合物を30分間撹拌
し、イソプロピルアルコールを混合物に加え、常法によ
り処理した。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(ヘ
キサン/酢酸エチル=6:1〜5:1)で精製し、無色
油状物として(1S,2S,3R,5S)−(E)−7−
(4−カルボキシブチリデン)−2−[4(RS)−フ
ルオロ−3−オキソ−(E)−1−オクテニル]−3−
テトラヒドロピラニルオキシビシクロ[3.3.0]オクタ
ン(14')を得た。1 H NMR (CDCl3) δ 0.75〜1.04(3H,
m)、 1.04〜2.78(27H,m)、3.23〜4.14
(3H,m)、4.37〜4.73(1.5H,m)、5.0
2〜5.36(1.5H,m)、6.32〜6.67(1H,
m)、6.73〜7.26(1H,m)。 6−7) 16(RS)−フルオロ−15−ケト−6a
−カルバ−PGI2(16(RS)−フルオロ−15−
ケト−9(O)−メタノ−PGI2)(15')の合成 (1S,2S,3R,5S)−(E)−7−(4−カルボ
キシブチリデン)−2−[4(RS)−フルオロ−3−
オキソ−(E)−1−オクテニル]−3−テトラヒドロ
ピラニルオキシビシクロ[3.3.0]オクタン(14')
(0.106g)を酢酸、水、およびTHFの4:2:
1混合溶媒に溶解し、45℃で3.5時間攪拌した。反
応混合物を減圧下濃縮し、粗生成物をシリカゲル(CC
−4:マリンクロット・コーポレイション・リミテッド
から入手)を用いて、カラムクロマトグラフィー(ヘキ
サン/酢酸メチル=6:1〜2:1)で精製し、16
(RS)−フルオロ−15−ケト−6a−カルバ−PG
2(16(RS)−フルオロ−15−ケト−9(O)
−メタノ−PGI2)(15')を得た。1 H NMR (CDCl3) δ 0.74〜1.04(3H,
m)、 1.04〜2.80(21H,m)、3.67〜4.07
(1H,m)、4.43〜4.65(0.5H,m)、4.9
9〜5.37(1.5H,m)、4.00〜5.60(2H,
brs)、6.51(1H,dd,J=17Hz,J=4H
z)、6.94(1H,dd,J=17Hz,J=7H
z)。
【0028】製造例7 16,16−ジフルオロ−15−ケト−6a−カルバ−
PGI2(16,16−ジフルオロ−15−ケト−9
(O)−メタノ−PGI2)の合成 7−1)(1S,5S,6S,7R)−3−[4−メトキシ
カルボニル−1(EZ)−ブテニル]−6−[4,4−ジフ
ルオロ−3−オキソ−(E)−1−オクテニル]−7−
テトラヒドロピラニルオキシ−ビシクロ[3.3.0]オク
タ−2−エン(16)の合成 (1S,5S,6R,7R)−3−[4−メトキシカルボ
ニル−1(EZ)−ブテニル]−6−[4,4−ジフルオロ
−3−オキソ−(E)−1−ブテニル]−6−ヒドロキ
シメチル−7−テトラヒドロピラニルオキシビシクロ
[3.3.0]オクタ−2−エン(3)(0.333g)を
0℃で塩化メチレン中コリンズ酸化した。30分後硫化
水素ナトリウムを反応混合物に加え、濾過した。濾液を
減圧下濃縮して粗アルデヒド(4)を得、それをTHF
に溶解し、ジメチル(2−オキソ−3,3−ジフルオロ
ヘプチル)ホスホネート(0.970g)および水素化
ナトリウムから調製したアニオンと50℃で反応させ、
17時間撹拌後、反応生成物を酢酸で中和した。常法で
処理した粗生成物をカラムクロマトグラフィー(ヘキサ
ン/酢酸エチル=6:1)で精製し、無色油状物として
(1S,5S,6S,7R)−3−[4−メトキシカルボニ
ル−1(EZ)−ブテニル]−6−[4,4−ジフルオロ−
3−オキソ−(E)−1−オクテニル]−7−テトラヒ
ドロピラニルオキシ−ビシクロ[3.3.0]オクタ−2−
エン(16)を得た。1 H NMR (CDCl3) δ 0.73〜1.06(3H,
m)、 1.04〜2.90(23H,m)、2.90〜4.17
(3H,m)、3.63(3H,s)、4.43〜4.71
(1H,m)、5.10〜5.66(2H,m)、5.94
(0.67H,d,J=12Hz)、6.57(1H,dd,
J=6Hz)、6.86〜7.33(1H,m)。 7−2)(1S,5S,6S,7R)−3−[4−メトキシ
カルボニル−1(EZ)−ブテニル]−6−[4,4−ジフ
ルオロ−3(RS)ヒドロキシ−(E)−1−オクテニ
ル]−7−テトラヒドロピラニルオキシ−ビシクロ[3.
3.0]オクタ−2−エン(17)の合成 (1S,5S,6S,7R)−3−[4−メトキシカルボニ
ル−1(EZ)−ブテニル]−6−[4,4−ジフルオロ−
3−オキソ−(E)−1−オクテニル]−7−テトラヒ
ドロピラニルオキシ−ビシクロ[3.3.0]オクタ−2−
エン(16)(0.196g)をメタノールに溶解し、水
素化ほう素ナトリウム(0.015g)を0℃で加え、
混合物を30分間撹拌した。常法で処理した後、(1
S,5S,6S,7R)−3−[4−メトキシカルボニル−
1(EZ)−ブテニル]−6−[4,4−ジフルオロ−3
(RS)ヒドロキシ−(E)−1−オクテニル]−7−
テトラヒドロピラニルオキシ−ビシクロ[3.3.0]オク
タ−2−エン(17)が無色油状物として得られた。収
量:0.184g(93%)。1 H NMR (CDCl3) δ 0.70〜1.03(3H,
m)、 1.03〜2.72(24H,m)、2.85〜3.23
(1H,m)、3.23〜3.96(2H,m)、3.63
(3H,s)、3.96〜4.35(1H,m)、4.46
〜4.68(1H,m)、5.05〜6.35(5H,
m)。
【0029】7−3)(1S,2S,3R,5S)−
(E)−7−(4−メトキシカルボニルブチリデン)−
2−[4,4−ジフルオロ−3(RS)ヒドロキシ−
(E)−1−オクテニル]−3−テトラヒドロピラニル
オキシビシクロ[3.3.0]オクタン(18)の合成 (1S,5S,6S,7R)−3−[4−メトキシカルボニ
ル−1(EZ)−ブテニル]−6−[4,4−ジフルオロ−
3(RS)ヒドロキシ−(E)−1−オクテニル]−7
−テトラヒドロピラニルオキシ−ビシクロ[3.3.0]オ
クタ−2−エン(17)(0.184g)をアセトンに溶
解し、オートクレーブに入れ、トリカルボニルクロニウ
ム/メチル安息香酸複合体(0.021g)を加え、オ
ートクレーブを脱ガスした。オートクレーブの混合物を
水素圧(70kg/cm2)で120℃15時間撹拌し
た。反応混合物を還元下濃縮し、得られた粗生成物をカ
ラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=7:
2〜3:1)で精製し、無色油状物として(1S,2S,
3R,5S)−(E)−7−(4−メトキシカルボニル
ブチリデン)−2−[4,4−ジフルオロ−3(RS)
ヒドロキシ−(E)−1−オクテニル]−3−テトラヒ
ドロピラニルオキシビシクロ[3.3.0]オクタン(1
8)を得た。収量:0.175g(95%)1 H NMR (CDCl3) δ 0.75〜1.05(3H,
m)、 1.05〜2.63(28H,m)、3.23〜4.00
(3H,m)、3.62(3H,s)、4.00〜4.66
(1H,m)、5.03〜5.32(1H,m)、5.33
〜6.05(2H,m)。 7−4)(1S,2S,3R,5S)−(E)−7−(4
−カルボキシブチリデン)−2−[4,4−ジフルオロ
−3(RS)ヒドロキシ−(E)−1−オクテニル]−
3−テトラヒドロピラニルオキシビシクロ[3.3.0]オ
クタン(19)の合成 (1S,2S,3R,5S)−(E)−7−(4−メトキ
シカルボニルブチリデン)−2−[4,4−ジフルオロ
−3(RS)ヒドロキシ−(E)−1−オクテニル]−
3−テトラヒドロピラニルオキシビシクロ[3.3.0]オ
クタン(18)(0.175g)をメタノールに溶解し、
1N水酸化ナトリウム水溶液を加え、混合物を完全に清
澄になるまで撹拌した。常法により処理して(1S,2
S,3R,5S)−(E)−7−(4−カルボキシブチリ
デン)−2−[4,4−ジフルオロ−3(RS)ヒドロ
キシ−(E)−1−オクテニル]−3−テトラヒドロピ
ラニルオキシビシクロ[3.3.0]オクタン(19)を得
た。収量:0.172g。1 H NMR (CDCl3) δ 0.70〜1.03(3H,
m)、 1.03〜2.73(27H,m)、3.22〜4.39
(4H,m)、4.40〜4.72(1H,m)、4.98
〜5.35(1H,m)、5.35〜6.03(2H,
m)、3.22〜6.13(2H,brs)。
【0030】7−5)(1S,2S,3R,5S)−
(E)−7−(4−カルボキシブチリデン)−2−
[4,4−ジフルオロ−オキソ−(E)−1−オクテニ
ル]−3−テトラヒドロピラニルオキシビシクロ[3.
3.0]オクタン(20)の合成 (1S,2S,3R,5S)−(E)−7−(4−カルボ
キシブチリデン)−2−[4,4−ジフルオロ−3(R
S)ヒドロキシ−(E)−1−オクテニル]−3−テト
ラヒドロピラニルオキシビシクロ[3.3.0]オクタン
(19)(0.172g)を室温でコリンズ酸化した。混
合物を30分間撹拌し、硫化水素ナトリウムを混合物に
加え、混合物を濾過した。濾液を濃縮した。粗生成物を
シリカゲル(CC−4)を用いてカラムクロマトグラフ
ィー(ヘキサン/酢酸エチル=20:1〜10:1)で
精製し、(1S,2S,3R,5S)−(E)−7−(4
−カルボキシブチリデン)−2−[4,4−ジフルオロ
−オキソ−(E)−1−オクテニル]−3−テトラヒド
ロピラニルオキシビシクロ[3.3.0]オクタン(20)
を得た。収量:0.05g(30%)1 H NMR (CDCl3) δ 0.66〜1.03(3H,
m)、 1.03〜2.75(27H,m)、3.24〜4.08
(3H,m)、4.36〜4.68(1H,m)、5.07
〜5.36(1H,m)、6.52(1H,dd,J=15
Hz,J=6Hz)、6.83〜7.30(1H,m)、
7.20〜8.20(1H,brs)。 7−6)16,16−ジフルオロ−15−ケト−6a−
カルバ−PGI2(16,16−ジフルオロ−15−ケト
−9(O)−メタノ−PGI2)(21)の合成(1S,
2S,3R,5S)−(E)−7−(4−カルボキシブチ
リデン)−2−[4,4−ジフルオロ−オキソ−(E)
−1−オクテニル]−3−テトラヒドロピラニルオキシ
ビシクロ[3.3.0]オクタン(20)(0.050g)を
酢酸、水、およびTHFの4:2:1混合溶媒に溶解
し、45℃で3.5時間攪拌した。反応混合物を減圧下
濃縮し、粗生成物をシリカゲル(CC−4)を用いてカ
ラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=4:
1)で精製して、無色油状物として16,16−ジフル
オロ−15−ケト−6a−カルバ−PGI2(16,16
−ジフルオロ−15−ケト−9(O)−メタノ−PGI
2)(21)を得た。収量:0.033g(80%)1 H NMR (CDCl3) δ 0.70〜1.05(3H,
m)、 1.05〜2.90(21H,m)、3.65〜4.20
(1H,m)、5.05〜5.40(1H,m)、4.80
〜5.95(2H,brs)、6.53(1H,dd,J=16H
z)、7.07(1H,dd,J=16Hz,J=7.5H
z)。
【0031】製剤例1(注射用粉末) (重量部) 6a−カルバ−PGI2[9(O)−メタノ−PGI2] 1 マンニトール 5 滅菌水 0.4 上記成分を混合し、撹拌し、滅菌し、ろ過してから凍結
乾燥して注射用粉末を得た。 製剤例2(注射用溶液) (重量部) 13,14−ジヒドロ−16,16−ジフルオロ− 15−ケト−6,6a−デヒドロ−6a−カルバ− PGI1[13,14−ジヒドロ−16,16− ジフルオロ−15−ケト−9(O)−メタノ− △6(9α)−PGI1 0.2 非イオン性界面活性剤 2 注射用滅菌水 98 上記成分を混合してから凍結乾燥して注射可能な溶液を
得た。 製剤例3 メタノール(10ml)に13,14−ジヒドロ−15−ケ
ト−16R,S−フルオロ−6a−カルバ−PGI2メチ
ルエステル[13,14−ジヒドロ−15−ケト−16
R,S−フルオロ−9(O)−メタノ−PGI2メチルエス
テル](50mg)を溶解し、さらに生成溶液をマンニトー
ル(18.5g)と混合した。混合物をふるい(孔径:30m
m)に掛け、30℃で90分間乾燥させてから再度ふるい
に掛けた。生成粉末を微粒子シリカゲル(アエロシル、
200g)と混合し、混合物を3番硬ゼラチンカプセル
(100)に充填した。カプセルは、1カプセル当たり
0.5mgの13,14−ジヒドロ−15−ケト−16R,
S−フルオロ−6a−カルバ−PGI2メチルエステル
[13,14−ジヒドロ−15−ケト−16R,S−フル
オロ−9(O)−メタノ−PGI2メチルエステル]を含有
する腸溶性カプセルである。
【0032】製剤例4(経口投与用粉末) (重量部) 15−ケト−6a−カルバ−PGI2[16,16− ジフルオロ−15−ケト−9(O)−メタノ−PGI2] 5 軽量無水けい酸 5 アビセル 20 ラクトース 70 上記成分を混合して、経口投与用粉末を得た。 製剤例5(ゼラチン軟カプセル) (重量部) 16R,S−フルオロ−15−ケト−6,6a− デヒドロ−6a−カルバ−PGI1メチルエステル [16R,S−フルオロ−15−ケト−9(O)− メタノ−PGI1メチルエステル] 1 パナセート(Panasate) 899 上記成分を混合して、ゼラチン軟カプセルに充填した。 製剤例6(点眼液) 6,6a−デヒドロ−6a−カルバ−PGI16(9α)−PGI1 [9(O)−メタノ−△6(9α)−PGI1] 10mg 生理食塩水 10ml 上記成分を別個のバイヤルに充填し、用時溶解用点眼液
とする。
【0033】試験例 (方法)ウイスター系ラット(3週齢、体重40−50g)
を1群6匹として使用した。各群を30%ガラクトース
含有飼料で飼育した。被験物質を生理食塩水(5ml/
kg)に溶解し、1日4回、皮下投与した。対照群に
は、生理食塩水(5ml/kg)のみを投与した。ラット
の眼の観察を毎日行い、水晶体の核の部分が明らかに不
透明になったものを白内障発症とした。試験開始24日
目において、対照群ラットの全眼に白内障が発症した。
試験開始24日目における各群の発症率を求めた。結果
を表に示す。 群(n) 用量 (μg/kg/日) 試験開始後24日目の発症率(%) 対照 − 100 被験物質1 100 75 被験物質1 20 83 被験物質2 400 92 被験物質3 400 75 *1日4回の総投与量を示す。 被験物質1: 6a−カルバ−PGI2[9(O)−メタノ−
PGI2] 被験物質2: 15−ケト−6,6a−デヒドロ−6a−カ
ルバ−PGI1メチルエステル[15−ケト−9(O)
−メタノ−△6(9α)−PGI1メチルエステル] 被験物質3: 11β−15−ケト−6,6a−デヒドロ−
6a−カルバ−PGI1メチルエステル[11β−15−
ケト−9(O)−メタノ−△6(9α)−PGIメチルエス
テル]

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プロスタサイクリン化合物を有効成分と
    する、白内障処置剤。
  2. 【請求項2】 プロスタサイクリン化合物が、カルバサ
    イクリン(メタノプロスタサイクリン)化合物である、請
    求項1記載の剤。
  3. 【請求項3】 プロスタサイクリン化合物が、プロスタ
    グランジンI化合物である、請求項1記載の剤。
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