JPH07100655B2 - 白内障処置剤 - Google Patents

白内障処置剤

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JPH07100655B2
JPH07100655B2 JP9820291A JP9820291A JPH07100655B2 JP H07100655 B2 JPH07100655 B2 JP H07100655B2 JP 9820291 A JP9820291 A JP 9820291A JP 9820291 A JP9820291 A JP 9820291A JP H07100655 B2 JPH07100655 B2 JP H07100655B2
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ester
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隆司 上野
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R Tech Ueno Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、15−ケト−プロス
タグランジン化合物の白内障処置における新用途に関す
るものである。
【従来の技術】
【0002】 プロスタグランジン類(以後プロスタグ
ランジンはPGとして示す)はひとおよび他の哺乳類の
組織または器官に含有され、広範囲の生理学的活性を示
す有機カルボン酸の1群である。天然に存在するPG類
は一般的な構造特性として、プロスタン酸骨格を有す
る。
【化1】 一方幾つかの合成類似体は修飾された骨格を持ってい
る。天然PG類は5員環の構造特性によって、PGA
類、PGB類、PGC類、PGD類、PGE類、PGF
類、PGG類、PGH類およびPGJ類に分類され、さ
らに鎖部分が、不飽和結合および酸化の存在および不存
在によっても 下付1...13,14−不飽和−15−OH 下付2...5,6−および13,14−ジ−不飽和−1
5−OH 下付3...5,6−、13,14−および17,18−
トリ不飽和−15−OH として、分類される。さらに、PGF類は9位の水酸基
の配置によってα(水酸基がアルファー配置である)およ
びβ(水酸基がベータ配置である)に分類される。
【0003】天然PGE1、PGE2およびPGE3は血
管拡張、血圧降下、胃液分泌減少、腸管運動亢進、子宮
収縮、利尿、気管支拡張および抗潰瘍活性をもつことが
知られている。また、天然PGF1α、PGF2αおよび
PGF3αは血圧上昇、血管収縮、腸管運動亢進性、子
宮収縮、黄体退行および気管収縮活性を有することが知
られている。また、幾つかの15−ケト(すなわち、水
酸基の代わりに15位にオキソ基を持つ)PG類および
13,14−ジヒドロ−15−ケト−PGは、天然PG
の代謝中に酵素の作用によって自然に産生される物質と
して知られている[アクタ・フィジオロジカ・スカンジ
ナビカ(Acta Physiologica Scandinavica)、66
巻、509頁、1966年]。さらに、15−ケト−P
GF2αは抗妊娠活性を持つことも報告されている。ま
た、15−ケト−PGE類は下剤として使用し得ること
が、ヨーロッパ特許出願公開第0310305号に記載
されている。しかしながら、15−ケト−PG類が白内
障に有効であることは知られていない。
【0004】
【発明の構成】この発明者は、15−ケト−PG化合物
の生物活性について研究の結果、これらを白内障処置剤
として使用し得ることを見出してこの発明を完成したの
である。すなわち、この発明は、15−ケト−プロスタ
グランジン化合物を有効成分とする、白内障処置剤を提
供するものである。白内障は水晶体の混濁を特徴とする
疾患であるが、この発明において、白内障とは、水晶体
の散乱光強度の増加、水晶体の着色、核の硬化などとし
て観察されるような前白内障期を包含する。この発明の
処置剤は原因の如何を問わずあらゆる白内障の処置、特
に予防すなわち発症の防止に用いることができる。この
ような白内障には、例えば老人性白内障、外傷性白内
障、栄養性白内障、糖尿病性白内障、薬物中毒による白
内障、放射線による白内障等が含まれている。
【0005】この発明において、「処置」の語は、予防、
治療、軽減、悪化防止または悪化の軽減を含めたあらゆ
る疾患の管理を包含する。「15−ケト−プロスタグラ
ンジン化合物」は、以下15−ケト−PG化合物と略称
するが、いずれも13および14位の間の2重結合の存
在または不存在に関係なくプロスタン酸骨格の15位に
水酸基の代わりにオキソ基を持つあらゆるプロスタグラ
ンジン誘導体を含む。この発明の15−ケト−PG化合
物類の命名に際しては式(A)に示したプロスタン酸の番
号を用いる。前記式(A)はC−20の基本骨格のもので
あるが、本発明では炭素数がこれによって限定されるも
のではない。即ち、基本骨格を構成する炭素の番号はカ
ルボン酸を1とし5員環に向って順に2〜7までをα鎖
上の炭素に、8〜12までを5員環の炭素に、13〜2
0までをω鎖上に付しているが、炭素数がα鎖上で減少
する場合、2位から順次番号を抹消し、α鎖上で増加す
る場合2位にカルボキシル基(1位)に代わる置換基がつ
いたものとして命名する。同様に、炭素数がω鎖上で減
少する場合、20位から炭素の番号を順次減じ、ω鎖上
で増加する場合、21番目以後の炭素原子は置換基とし
て命名する。また、立体配置に関しては、特にことわり
のないかぎり、上記基本骨格の有する立体配置に従うも
のとする。従って、ω鎖に10個の炭素原子を有する1
5−ケト−PG化合物を15−ケト−20−エチル−P
G類と命名する、また、α鎖に9個の炭素原子を有する
15−ケト−PG化合物を2−デカルボキシ−2−(2
−カルボキシエチル)−15−ケト−PG類と命名す
る。上記式は最も典型的な配位である特定配置を示す
が、この明細書において、特にことわらない限り化合物
は 上記の配置を有するものとする。PGD、PGEあ
るいはPGF類とは、一般にプロスタン酸の9位および
/または11位に水酸基を持つ化合物を指すが、この発
明の15−ケト−プロスタグランジン化合物は9位およ
び/または11位に他の基を有する化合物類まで拡張し
て包含する。上記化合物類は9−デヒドロキシ−9−置
換あるいは11−デヒドロキシ−11−置換化合物類と
称する。
【0006】前述のように、本明細書では15−ケト−
PG化合物の命名はプロスタン酸骨格に基づいて行う。
これをIUPACに基づいて命名すると、例えば13,
14−ジヒドロ−15−ケト−16R,S−フルオロ−
PGE2は(Z)−7−{(1R,2R,3R)−3−ヒドロキ
シ−2−[(4R,S)−フルオロ−3−オキソ−1−オク
チル]−5−オキソ−シクロペンチル}−ヘプト−5−エ
ン酸;13,14−ジヒドロ−15−ケト−20−エチル
−11−デヒドロキシ11R−メチル−PGE2メチル
エステルはメチル 7−{(1R,2S,3S)−3−メチ
ル−2−[3−オキソ−1−デシル]−5−オキソシクロ
ペンチル}−ヘプト−5−エノエート;13,14−ジヒ
ドロ−6,15−ジケト−19−メチル−PGE2エチル
エステルはエチル 7−{(1R,2S,3S)−3−ヒド
ロキシ−2−(7−メチル−3−オキソ−1−オクチル)
−5−オキソ−シクロペンチル}−6−オキソヘプタノ
エートである。13,14−ジヒドロ−15−ケト−2
0−エチル−PGF2αイソプロピルエステルはイソプ
ロピル(Z)−7−[(1R,2R,3R,5S)−3,5−ジ
ヒドロ−2−{3−オキソ−1−デシル}シクロペンチ
ル]−ヘプト−5−エノエートであり;13,14−ジヒ
ドロ−15−ケト−20−メチル−PGF2αメチルエ
ステルはメチル (Z)−7−[(1R,2R,3R,5S)−
3,5−ジヒドロキシ−2−{3−オキソ−1−ノニル}
−シクロペンチル}−ヘプト−5−エノエートである。
【0007】本発明において用いられる15−ケト−P
G化合物類は15位に水酸基の代わりにオキソ基を有す
るあらゆるPGの誘導体類であり得、これらは飽和体で
もよく、さらに13−14位に二重結合(15−ケト−
PGタイプ1化合物類)、13−14位と5−6位に二
重結合(15−ケト−PGタイプ2化合物)、または13
−14位、5−6位および17−18位に二重結合(1
5−ケト−PGタイプ3化合物)を有し得る。また、1
3,14−ジヒドロ体も含まれる。本発明に用い得る代
表的な例は、15−ケト−PGA、15−ケト−PG
D、15−ケト−PGE、15−ケト−PGF、13,
14−ジヒドロ−15−ケト−PGA、13,14−ジ
ヒドロ−15−ケト−PGD、13,14−ジヒドロ−
15−ケト−PGE、13,14−ジヒドロ−15−ケ
ト−PGF並びにそれらの置換体およびそれらの誘導体
である。
【0008】置換体または誘導体の例は、上記15−ケ
ト−PG類のα鎖末端のカルボキシル基がエステル化さ
れた化合物、生理学的に許容し得る塩、2−3位の炭素
結合が2重結合あるいは5−6位の炭素結合が3重結合
を有する化合物、3位、5位、6位、16位、17位、
19位および/または20位の炭素に置換基を有する化
合物、11位の水酸基の代りに低級アルキル基またはヒ
ドロキシ(低級)アルキル基を有する化合物等である。こ
の発明において3位、17位および/または19位の炭
素原子に結合する置換基としては、例えば炭素数1〜4
のアルキル基があげられ、特にメチル基、エチル基があ
げられる。16位の炭素原子に結合する置換基として
は、例えばメチル基、エチル基などの低級アルキル基、
水酸基あるいは塩素、ふっ素などのハロゲン原子、トリ
フルオロメチルフェノキシ等のアリールオキシ基があげ
られる。17位の炭素原子の置換基としては、塩素、ふ
っ素等のハロゲンが挙げられる。20位の炭素原子に結
合する置換基としては、C1-4アルキルのような飽和ま
たは不飽和の低級アルキル基、C1-4アルコキシのよう
な低級アルコキシ基、C1-4アルコキシ−C1-4アルキル
のような低級アルコキシアルキルを含む。5位の炭素原
子の置換基としては、塩素、ふっ素などのハロゲンを含
む。6位の炭素原子の置換基としては、カルボニル基を
形成するオキソ基を含む。11位の炭素原子にヒドロキ
シ基、低級アルキルまたは低級(ヒドロキシ)アルキル置
換基を有する場合のこれらの基の立体配置はα,βまた
はそれらの混合物であってもかまわない。 さらに、上
記誘導体は、ω鎖が天然のPG類より短い化合物のω鎖
末端にアルコキシ基、フェノキシ基、フェニル基等の置
換基を有するものであってもよい。特に好ましい化合物
は、16位の炭素に例えばメチル基、エチル基などの低
級アルキル基を有する化合物、塩素、ふっ素などのハロ
ゲン原子を有する化合物、17位の炭素に塩素、ふっ素
などのハロゲンを有する化合物、19位の炭素に例えば
メチル基、エチル基などの低級アルキル基を有する化合
物、5位の炭素に塩素、ふっ素などのハロゲンを有する
化合物、6位の炭素にオキソ基を有する化合物、20位
の炭素に例えばメチル基、エチル基などの低級アルキル
基を有する化合物であり、また、16位の炭素以後のア
ルキル鎖の代わりにハロゲン原子またはハロゲン化アル
キル基等の置換基を有することもあるフェニル基あるい
はフェノキシ基が16位の炭素原子に結合した化合物で
ある。
【0009】この発明に使用される好ましい化合物は式
(I)
【化2】 [式中、XおよびYは水素、ヒドロキシ、ハロゲン、低
級アルキル、ヒドロキシ(低級)アルキル、またはオキソ
(但し、XおよびYの基の内少なくとも1つは水素以外の
基であり、5員環は少なくとも1つの2重結合を有して
いてもよい)、Zは水素またはハロゲン、Aは−CH2
H、−COCH2OH、−COOHまたはその官能性誘
導体、Bは−CH2−CH2−、−CH=CH−、−C≡
C−、R1は非置換またはハロゲン、オキソもしくはアリ
ールで置換された、二価の飽和または不飽和、低〜中級
脂肪族炭化水素残基、R2は非置換またはオキソ、ヒドロ
キシ、ハロゲン、低級アルコキシ、低級アルカノイルオ
キシ、低級シクロアルキル、アリールまたはアリールオ
キシで置換された、飽和または不飽和、低〜中級脂肪族
炭化水素残基である]を有する。
【0010】上記式の化合物のうち好ましい化合物の一
群としては一般式(II)
【化3】 [式中、LおよびMは水素、ヒドロキシ、低級アルキ
ル、ヒドロキシ(低級)アルキル、またはオキソ(但し、
LおよびMの基の内少なくとも1つは水素以外の基であ
り、5員環は少なくとも1つの2重結合を有してしても
よい)、Q1およびQ2は水素、ハロゲンまたは低級アル
キル、Dは−CH2−CH2−、−CH=CH−、−C≡
C−または−CO−CH2−、Eは−CH2−CH2−ま
たは−CH=CH−、Wは−CH2−CH2−CH2−、
−CH=CH−CH2−または−CH2CH=CH−、R
aは水素原子、低級アルキル基、低級シクロアルキル
基、単環性アリール基、単環性アリール低級アルキル基
または単環性アロイル低級アルキル基、Rbは単結合ま
たは低級アルキレン基、Rcは非置換もしくはハロゲン
置換低級アルキル基、非置換もしくは低級アルキル置換
低級シクロアルキル基、非置換またはハロゲンもしくは
ハロ低級アルキルで置換された単環性アリール基、非置
換またはハロゲンもしくはハロ低級アルキルで置換され
た単環性アリールオキシ基を意味する]で示される化合
物またはRaが水素の場合その塩類を提供するものであ
る。
【0011】上式中、R1およびR2における「不飽和]の
語は、主鎖または側鎖の炭素原子間の結合として、少な
くとも1つまたはそれ以上の2重結合および/または3
重結合を孤立、分離または連続して含むことを意味す
る。通常の命名法に従って、連続する2つの位置間の不
飽和は若い方の位置番号を表示することにより示し、連
続しない2つの位置間の不飽和は両方の位置番号を表示
して示す。好ましい不飽和は、2位の2重結合および5
位の2重結合または3重結合である。Dにおける基−C
H=CH−はシス結合を有するのが好ましく、Eにおけ
る基−CH=CH−はトランス結合を有するのが好まし
い。
【0012】「低〜中級脂肪族炭化水素」の語は、炭素数
1〜14の直鎖または分枝鎖[ただし、側鎖は炭素数1
〜3のものが好ましい]を有する炭化水素を意味し、好
ましくはR1の場合炭素数2〜8の炭化水素であり、R2
の場合炭素数6〜12の炭化水素である。「ハロゲン」の
語は、ふっ素、塩素、臭素およびよう素を包含する。
「低級」の語は、特にことわりのない限り炭素原子数1〜
6を有する基を包含するものである。「低級アルキル」の
語は、炭素原子数1〜6の直鎖または分枝鎖の飽和炭化
水素基、単環性アリール低級アルキル基、単環性アロイ
ル低級アルキル基またはハロ低級アルキル基を包含し、
例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチ
ル、イソブチル、t−ブチル、ペンチルおよびヘキシル
を含む。「低級アルキレン基」の語は、上記のような低級
アルキル基から水素を1個除いて得られる基であり、例
えばメチレン、エチレン、プロピレン、テトラメチレ
ン、2−メチルテトラメチレン、ペンタメチレン、ヘキ
サメチレン等を含む。「低級アルコキシ」の語は、低級ア
ルキルが上述と同意義である低級アルキル−O−フェニ
ルを意味する。「ハロ低級アルキル基」の語は、少なくと
も1個、好ましくは1−3個の上記のようなハロゲンを
有する上記のような低級アルキル基を包含し、例えばク
ロロメチル、ブロモメチル、フルオロメチル、トリフル
オロメチル、1,2−ジクロロエチル、1,2,2−トリ
クロロエチル、クロロプロピル、クロロブチル、クロロ
ペンチル、クロロヘキシル等を含む。「ヒドロキシ(低
級)アルキル」の語は、少なくとも1つのヒドロキシ基で
置換された上記のようなアルキルを意味し、例えばヒド
ロキシメチル、1−ヒドロキシエチル、2−ヒドロキシ
エチルおよび1−メチル−1−ヒドロキシエチルであ
る。「低級アルカノイルオキシ」の語は、式RCO−O−
(ここで、RCO−は上記のような低級アルキルが酸化
されて生じるアシル、例えばアセチル)で示される基を
意味する。「低級シクロアルキル基」の語は、炭素原子3
個以上を含む上記のような低級アルキル基が閉環して生
ずる基であり、例えばシクロプロピル、シクロブチル、
シクロペンチル、シクロヘキシルを含む。「アリール」の
語は、置換されていてもよい芳香性炭素環または複素環
基(好ましくは単環性の基)を包含し、例えばフェニル、
トリル、キシリルおよびチエニルを含む。置換基として
は、ハロゲン、ハロゲン置換低級アルキル基(ここで、
ハロゲン原子および低級アルキル基は前記の意味)が含
まれる。「アリールオキシ」の語は、式ArO−(ここで、
Arは上記のようなアリール基)で示される基を意味す
る。「単環性アリール基」の語は、低級アルキル置換基を
有するか有しないフェニル基を包含し、例えばフェニ
ル、トリル、キシリル、クメニル等を含む。「単環性ア
リール低級アルキル基」の語は、上記のような単環性ア
リール基と低級アルキル基が結合して生ずる基であり、
例えばベンジル、フェネチル、トリルメチル等を含む。
「単環性アロイル低級アルキル基」の語は、低級アルキ
ル置換基を有する有しないベンゾイル基のような単環性
アロイル基が上記のような低級アルキル基と結合して生
ずる基であり、例えばフェナシル(ベンゾイルメチ
ル)、トリルメチル、キシリルメチル等を含む。「単環
性アリールオキシ基」の語は、上記のような単環性アリ
ール基が酸素原子(−O−)と結合して生ずる基であり、
例えばフェノキシ、トリルオキシ、キシリルオキシ、ク
メニルオキシ等を含む。
【0013】Aで示されるカルボキシル基の「官能性誘
導体」の語は、塩(好ましくは、医薬上許容し得る塩)、
エステルおよびアミド類を含む。適当な「医薬上許容し
得る塩」としては、慣用される非毒性塩を含み、無機塩
基との塩、例えばアルカリ金属塩(ナトリウム塩、カリ
ウム塩等)、アルカリ土類金属塩(カルシウム塩、マグネ
シウム塩等)、アンモニウム塩、有機塩基との塩、例え
ばアミン塩(例えばメチルアミン、ジメチルアミン塩、
シクロヘキシルアミン塩、ベンジルアミン塩、ピペリジ
ン塩、エチレンジアミン塩、エタノールアミン塩、ジエ
タノールアミン塩、トリエタノールアミン塩、トリス
(ヒドロキシメチルアミノ)エタン塩、モノメチル−モノ
エタノールアミン塩、リジン塩、プロカイン塩、カフェ
イン塩等)、塩基性アミノ酸塩(例えばアルギニン塩、リ
ジン塩等)テトラアルキルアンモニウム塩等があげられ
る。これらの塩類は、例えば対応する酸および塩基から
常套の方法によってまたは塩交換によって製造し得る。
エステルの例としては、メチルエステル、エチルエステ
ル、プロピルエステル、イソプロピルエステル、ブチル
エステル、イソブチルエステル、t−ブチルエステル、
ペンチルエステル、1−シクロプロピルエチルエステル
等の低級アルキルエステル、ビニルエステル、アリルエ
ステル等の低級アルケニルエステル、エチニルエステ
ル、プロピニルエステル等の低級アルキニルエステル、
ヒドロキシエチルエステルのようなヒドロキシ(低級)ア
ルキルエステル、メトキシメチルエステル、1−メトキ
シエチルエステル等の低級アルコキシ(低級)アルキルエ
ステルのような脂肪族エステルおよび例えばフェニルエ
ステル、トシルエステル、t−ブチルフェニルエステ
ル、サリチルエステル、3,4−ジメトキシフェニルエ
ステル、ベンズアミドフェニルエステル等の所望により
置換されたアリールエステル、ベンジルエステル、トリ
チルエステル、ベンズヒドリルエステル等のアリール
(低級)アルキルエステルがあげられる。アミドとして
は、メチルアミド、エチルアミド、ジメチルアミド等の
モノもしくはジ低級アルキルアミド、アニリド、トルイ
ジド等のアリールアミド、メチルスルホニルアミド、エ
チルスルホニルアミド、トリルスルホニルアミド等のア
ルキルもしくはアリールスルホニルアミド等があげられ
る。好ましいA基の例は、−COOH、−COOC
3、−COOCH2CH3、−COOCH(CH32
−CONHSO2CH3である。
【0014】上記式(I)中、環、αおよび/またはω鎖
の配置は、天然のプロスタグランジン類の配置と同様か
または異なっていてもよい。しかしながら、この発明
は、天然の配置を有する化合物および非天然の配置を有
する化合物の混合物も包含する。この発明の典型的な化
合物類の例は、15−ケト−PG類、13,14−ジヒ
ドロ−15−ケト−PG類および6−オキソ誘導体、△
2−誘導体、3R,S−メチル誘導体、6−ケト誘導体、
5R,S−フルオロ誘導体、5,5−ジフルオロ誘導体、
16R,S−メチル誘導体、16,16−ジメチル誘導
体、16R,S−フルオロ誘導体、16,16−ジフルオ
ロ誘導体、17S−メチル誘導体、17R,S−フルオ
ロ誘導体、17,17−ジフルオロ誘導体、19−メチ
ル誘導体、20−メチル誘導体、20−エチル誘導体、
19−デスメチル誘導体、2−デカルボキシ−2−(2
−カルボキシエチル)誘導体および16−デブチル−1
6−フェノキシ誘導体である。この発明で用いる15−
ケト−PGE化合物において、13,14位が飽和して
いる場合に11位のヒドロキシと15位のケト間のヘミ
アセタール形成により、ケト−ヘミアセタール平衡を生
ずる場合がある。このような互変異性体が存在する場
合、両異性体の存在比率は他の部分の構造または置換基
の種類により変動し、場合によっては一方の異性体が圧
倒的に存在することもあるが、この発明においてはこれ
ら両者を含むものとし、このような異性体の存在の有無
にかかわりなくケト型の構造式または命名法によって化
合物を表わすことがあるが、これは便宜上のものであっ
てヘミアセタール型の化合物を排除しようとするもので
はない。この発明においては、個々の互変異性体、その
混合物または光学異性体、その混合物、ラセミ体、その
他の立体異性体等の異性体も、同じ目的に使用すること
が可能である。
【0015】この発明に使用する化合物のあるものは、
特開昭64−52753号、特開平1−104040
号、特開平1−151519号、特願平3−29310
号等に記載の方法によって製造し得る。別法として、こ
れらの化合物は、ここで記述したのと同様の方法または
既知方法によって製造し得る。
【0016】上記15−ケト−PG化合物は、白内障処
置剤として有用である。この発明で用いる化合物は動物
およびヒト用の薬剤として使用することができ、通常、
全身的あるいは局所的に点眼、経口、静脈注射(点滴を
含む)、皮下注射、直腸内投与などの方法で使用され
る。投与量は動物またはひと等のような対象の種類、年
令、体重、処置されるべき症状、所望の治療効果、投与
方法、処置期間等により変化するが、通常局所投与の場
合0.01〜100μg/眼の投与量または1日2から
4分割用量または持続形態で全身投与する場合0.00
1〜500mg/kgの投与量で通常十分な効果がえら
れる。
【0017】この発明による点眼剤としては、点眼液ま
たは眼軟膏等が含まれる。点眼液は、有効成分を無菌の
水溶液、例えば生理食塩水、緩衝液等に溶解させるかま
たは用時溶解用に組合せて作られる。眼軟膏は、基剤に
有効成分を混合して作られる。この発明による経口投与
のための固体組成物としては、錠剤、トローチ、舌下
錠、カプセル、丸剤、散剤、顆粒剤等が含まれる。この
ような固体組成物においては1つまたはそれ以上の活性
物質が、少なくとも1つの不活性な希釈剤、例えば、乳
糖、マンニトール、ぶどう糖、ヒドロキシプロピルセル
ロース、微晶性セルロース、でんぷん、ポリビニルピロ
リドン、メタケイ酸アルミン酸マグネシウムと混合され
る。組成物は常法に従って、不活性な希釈剤以外の添加
剤、例えばステアリン酸マグネシウムのような滑沢剤や
繊維素グルコン酸カルシウムのような崩壊剤、α,βま
たはγ−シクロデキストリン、ジメチル−α−、ジメチ
ル−β−、トリメチル−β−またはヒドロキシプロピル
−β−シクロデキストリン等のエーテル化シクロデキス
トリン、グリコシル−,マルトシルーシクロデキストリ
ン等の分枝シクロデキストリン、ホルミル化シクロデキ
ストリン、硫黄含有シクロデキストリン、ミソプロトー
ル、りん脂質のような安定剤を含んでいてもよい。上記
シクロデキストリン類を用いた場合はシクロデキストリ
ン類と包接化合物を形成して安定性が増大する場合があ
る。また、りん脂質を用いたリポソーム化することによ
り安定性が増大する場合がある。錠剤または丸剤は必要
により白糖、ゼラチン、ヒドロキシプロピルセルロー
ス、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレートな
どの胃溶性あるいは腸溶性物質のフィルムで被覆しても
よいし、また、2以上の層で被覆してもよい。更にゼラ
チンのような崩壊され得る物質のカプセル剤としてもよ
い。速効性を必要とするときは、舌下錠としてもよい。
基剤としてはグリセリン、乳糖等を用いればよい。 経
口投与のための液体組成物としては、乳剤、液剤、懸濁
剤、シロップ剤、エリキシル剤等が例示される。一般的
に用いられる不活性な希釈剤、例えば精製水、エタノー
ル等を含んでいてもよい。この組成物は不活性な希釈剤
以外に湿潤剤、懸濁化剤のような補助剤、甘味剤、風味
剤、芳香剤、防腐剤を含有していてもよい。
【0018】経口投与のためのその他の組成物として
は、1つまたはそれ以上の活性物質を含み、それ自体公
知の方法により処方されるスプレー剤が含まれる。この
発明による非経口投与のための注射剤としては無菌の水
性または非水性の液剤、懸濁剤、乳剤を包含する。水性
の液剤、懸濁剤用媒体としては、例えば注射用蒸留水、
生理食塩水およびリンゲル液が含まれる。非水性の液
剤、懸濁剤用媒体としては、例えばプロピレングリコー
ル、ポリエチレングリコール、オリーブ油のような植物
油、エタノールのようなアルコール類、ポリソルベート
等がある。このような組成物は、さらに防腐剤、湿潤
剤、乳化剤、分散剤のような補助剤を含んでいてもよ
い。これらは例えばバクテリア保留フィルターを通す濾
過、殺菌剤の配合、ガス滅菌または放射線滅菌によって
無菌化される。これらはまた無菌の固体組成物を製造
し、使用前に無菌水または無菌の注射用溶媒に溶解して
使用することもできる。別の形態は坐薬または腟坐薬で
ある。これらの坐薬はカカオ脂等の体温で軟化する基剤
に有効成分を混合して作ることができ、適当な軟化温度
を有する非イオン界面活性剤を用いて吸収性を向上させ
てもよい。この発明はまた、処置すべき対象にこの発明
の処置剤を投与することからなる、白内障の処置法を提
供するものである。
【0019】
【実施例】以下、この発明を合成例、製剤例および試験
例によりさらに詳細に説明するが、これらはこの発明を
限定するものではない。 合成例1 16,16−ジフルオロ−13,14−ジヒドロ−15−
ケト−PGE1メチルエステル(12)の合成法 1−1) (1S,5R,6R,7R)−6−ヒドロキシメチ
ル−7−テトラヒドロピラニルオキシ−2−オキサビシ
クロ[3.3.0]オクタン−3−オン(2)の合成 市販の(−)コーリーラクトン(1)(THP保護体)(37.
9g)のテトラヒドロフラン溶液にフッ化テトラブチル
アンモニウムのテトラヒドロフラン溶液(1.0M、30
0ml)を加え、室温で3時間攪拌した。反応液を減圧
下濃縮し、得られた残渣をカラムクロマトグラフィーに
供したところ、表題化合物(2)が得られた。 収量:21.70g(82.8%) 1−2) (1S,5R,6R,7R)−6−{(E)−4,4−
ジフルオロ−5−オキソ−2−オクテニル}−7−テト
ラヒドロピラニルオキシ−2−オキサビシクロ[3.3.
0]オクタン−3−オン(4)の合成 アルゴン雰囲気下、−78℃で、塩化オキザリルの塩化
メチレン溶液(2.0M、45.5ml)を塩化メチレンに
溶解し、ジメチルスルホキシド(12.9ml)を滴下
し、10分攪拌した。これに(1S,5R,6R,7R)−
6−ヒドロキシメチル−7−テトラヒドロピラニルオキ
シ−2−オキサビシクロ[3.3.0]オクタン−3−オン
(2)(11.65g)の塩化メチレン溶液を滴下し、30
分攪拌し、トリエチルアミン(56ml)を滴下しさらに
1時間攪拌した。反応液を常法に従って処理し、粗生成
物としてアルデヒド体(3)を得た。アルゴン雰囲気下、
タリウムエトキシド(3.26ml)の塩化メチレン溶液
に3,3−ジフルオロ−2−オキソヘプチルホスホン酸
ジメチル(11.9g)を加え1時間攪拌した。0℃に冷
却し、上で調製したアルデヒド(3)の塩化メチレン溶液
を加え、室温で14時間攪拌した。反応液に酢酸、セラ
イト、飽和ヨウ化カリウム水を加え、濾過した。濾液を
常法により処理し、得られた粗生成物をカラムクロマト
グラフィーに供したところ表題化合物(4)が得られた。 収量:7.787g(44.3%)
【0020】1−3) (1S,5R,6R,7R)−6−
(4,4−ジフルオロ−5−オキソオクチル)−7−テト
ラヒドロピラニルオキシ−2−オキサビシクロ[3.3.
0]オクタン−3−オン(5)の合成 (1S,5R,6R,7R)−6−{(E)−4,4−ジフルオ
ロ−5−オキソ−2−オクテニル}−7−テトラヒドロ
ピラニルオキシ−2−オキサビシクロ[3.3.0]オクタ
ン−3−オン(4)(5.57g)の酢酸エチル溶液に、5
%パラジウム−炭素(触媒量)を加え、水素雰囲気下、室
温で7時間攪拌した。反応液を濾過し、濾液を減圧下濃
縮し、粗生成物として表題化合物(5)を得た。 収量:5.48g(97.8%) 1−4) (1S,5R,6R,7R)−6−{4,4−ジフル
オロ−5(RS)−ヒドロキシオクチル}−7−テトラヒ
ドロピラニルオキシ−2−オキサビシクロ[3.3.0]オ
クタン−3−オン(6)の合成 (1S,5R,6R,7R)−6−(4,4−ジフルオロ−5
−オキソオクチル)−7−テトラヒドロピラニルオキシ
−2−オキサビシクロ[3.3.0]オクタン−3−オン
(5)(5.48g)のメタノール溶液に、0℃で水素化ホ
ウ素ナトリウム(0.800g)を加え、10分攪拌し
た。反応物を常法により処理し、得られた粗生成物をカ
ラムクロマトグラフィーに供したところ表題化合物(6)
が得られた。 収量:5.46g(99.5%)
【0021】1−5) 16,16−ジフルオロ−13,
14−ジヒドロ−11−テトラヒドロピラニルオキシ−
PGF2αメチルエステル(9)の合成 アルゴン雰囲気下、(1S,5R,6R,7R)−6−{4,
4−ジヒドロ−5(RS)−ヒドロキシオクチル}−7−
テトラヒドロピラニルオキシ−2−オキサビシクロ[3.
3.0]オクタン−3−オン(6)(2.579g)のトルエ
ン溶液を−78℃に冷却し、ジイソブチルアルミニウム
ヒドリドのトルエン溶液(1.5M、9.6ml)を滴下
し、30分攪拌した。反応液にメタノール、飽和ロッシ
ェル塩水溶液を加え、常法により処理した。粗生成物と
して、ラクトール体(7)を得た。アルゴン雰囲気下、臭
化4−カルボキシブチルトリフェニルホスフィン(11.
72g)のテトラヒドロフラン懸濁液に、カリウムt−ブ
トキシドのテトラヒドロフラン溶液(1.0M,52.84
ml)を滴下し、20分攪拌した。この液を0℃に冷却
し、上で調製したラクトール体(7)のテトラヒドロフラ
ン溶液を加え、室温で15時間攪拌した。反応液を常法
により処理し、粗生成物としてカルボン酸体(8)を得
た。アルゴン雰囲気下、カルボン酸体(8)のアセトニト
リル溶液に、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデ
セ−7−エン(DBU)(4.0ml)およびヨウ化メチル
(1.7ml)を加え、60℃で3時間攪拌した。常法の
処理により得られた粗生成物をカラムクロマトグラフィ
ーに供したところ、表題化合物(9)が得られた。収量:
2.737g(84.5%) 1−6) 16,16−ジフルオロ−13,14−ジヒド
ロ−15−ケト−11−テトラヒドロピラニルオキシ−
PGE2メチルエステル(10)の合成 アルゴン雰囲気下、無水クロム酸(16.18g)、ビリ
ジン(26.2ml)から常法により調製したコリンズ試
薬の塩化メチレン溶液に、−20℃で、16,16−ジ
フルオロ−13,14−ジヒドロ−11−テトラヒドロ
ピラニルオキシ−PGF2αメチルエステル(9)(2.6
46g)の塩化メチレン溶液を加え、2時間攪拌した。
−5℃に昇温してさらに9時間攪拌した。反応液に、エ
ーテル、硫酸水素ナトリウムを加え、濾過した。濾液を
減圧下濃縮し、カラムクロマトグラフィーに供したとこ
ろ、表題化合物(10)が得られた。 収量:1.890g(64.4%)
【0022】1−7) 16,16−ジフルオロ−13,
14−ジヒドロ−15−ケト−PGE2メチルエステル
(11)の合成 16,16−ジフルオロ−13,14−ジヒドロ−15−
ケト−11−テトラヒドロピラニルオキシ−PGE2
チルエステル(10)(2.809g)を酢酸、水、テトラ
ヒドロフランの3:1:1混合溶媒に溶解し、60℃で5
時間攪拌した。反応液を減圧下濃縮し、カラムクロマト
グラフィーに供したところ、表題化合物(11)が得られ
た。 収量:1.755g(75.5%) 1−8) 16,16−ジフルオロ−13,14−ジヒド
ロ−15−ケト−PGE1メチルエステル(11)の合成 16,16−ジフルオロ−13,14−ジヒドロ−15−
ケト−PGE2メチルエステル(11)(1.755g)の酢
酸エチル溶液に5%パラジウム−炭素(触媒量)を加え、
水素雰囲気下、室温で6時間攪拌した。反応液を濾過
し、濾液を減圧下濃縮し、カラムクロマトグラフィーに
供したところ、表題化合物(11)が得られた。 収量:1.655g(93.8%)1 H NMR(CDCl3)δ0.87(3H,t,J=7Hz)、
1.15〜2.05(23H,m)、2.11〜2.30(3
H,m)、2.50(1H,dd,J=7.5および17Hz)、
3.10〜3.20(1H,br)、3.71(3H,s)、4.0
5〜4.20(1H,m)。Mass(D1−E1)m/z404
(M+)、355(M+−H2O−CH3O)、297(M+−C
592)。
【0023】合成例2 20−エチル−2−デカルボキシ−2−(2−カルボキ
シエチル)−13,14−ジヒドロ−15−ケト−PG
2αイソプロピルエステル[IUPAC名:(Z)−9
−(1R)−[(2R,3R,5S)−3,5−ジヒドロキシ
−2−(3−オキソデシル)シクロペンチル]−7−ノネ
ン酸イソプロピルエステル](16)の製造 2−1)(Z)−9−(1R)−[(2R,3R,5S)−2−
(3,3−エチレンジオキシデシル)−5−ヒドロキシ−
3−(テトラピラニルオキシ)シクロペンチル]−7−ノ
ネン酸(14) アルゴン雰囲気下、水素化ナトリウム(60%,0.42
2g)をヘキサンで洗浄し、これにジメチルスルホキシド
(DMSO、10ml)を加え60℃に3時間保った。室温
とした後、6−カルボキシヘキシルトリフェニルホスホ
ニウムブロミド(2.49g)を加え30分間撹拌した。
(1S,5R,6R,7R)−6−(3−エチレンジオキ
シオクチル)−7−テトラヒドロピラニルオキシ−2−
オキサビシクロ[3.3.0]オクタン−3−オン(13)
のDMSO(11ml)溶液を加え、室温で2時間、45℃
で1時間撹拌後、氷水に注いだ。常法処理により、標題
化合物(14)を得た。 収量 : 1.68g 2−2)(Z)−9−(1R)−[(2R,3R,5S)−2−
(3,3−エチレンジオキシデシル)−5−ヒドロキシ−
3−(テトラピラニルオキシ)シクロペンチル]−7−ノ
ネン酸イソプロピルエステル(16) 化合物(14)(1.68g)をアセトニトリル(15ml)中、
1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン
(DBU、0.78ml)及びよう化イソプロピル(0.35
ml)とを用いて常法によりエステル化し、標題化合物(1
6)を得た。生成物はシリカゲルカラムで精製した。 収量 : 0.908g(88%) 2−3)(Z)−9−(1R)−〔(2R,3R,5S)−3,
5−ジヒドロキシ−2−(3−オキソデシル)シクロペン
チル〕−7−ノネン酸イソプロピルエステル(16) 化合物(15)(0.305)gを、酢酸:THF:水(2:1:
1)混合溶媒(6ml)に溶解し、50℃に14時間保っ
た。常法処理により得た粗生成物をシリカゲルカラムで
精製し標題化合物(16)を得た。 収量 : 0.213g(90%) 化合物(16)(Q1=Q2=H、Rb−Rc=ヘキシル、
3=イソプロピル)NMR(CDCl3)δ:0.85(t,
3H,J=6.5Hz),1.20(d,6H,J=6Hz),1.2
3〜2.65(m,34H),3.86(m,1H),4.16(m,1
H),4.99(Hept,1H,J=6Hz),5.39(m,2H)
【0024】合成例3 20−エチル−2−デカルボキシ−2−(2−カルボキ
シエチル)−13,14−ジヒドロ−15−ケト−PG
2イソプロピルエステル[IUPAC名:(Z)−9−
(1R)−[(2R,3R)−3−ヒドロキシ−5−オキソ
−2−(3−オキソデシル)シクロペンチル]−7−ノネ
ン酸イソプロピルエステル](18)の製造 3−1)(Z)−9−(1R)−[(2R,3R)−2−(3,
3−エチレンジオキシデシル)−5−オキソ−3−(テト
ラヒドロピラニルオキシ)シクロペンチル]−7−ノネ
ン酸イソプロピルエステル(17) ジクロロメタン(5ml)を−70℃に冷却し、これに2M
塩化オギザリル(0.45ml)およびDMSO(0.13ml)
を加え15分間撹拌した。これに(Z)−9−(1R)
[(2R,3R,5S)−2−(3,3−エチレンジオキシデ
シル)−5−ヒドロキシ−3−(テトラピラニルオキシ)
シクロペンチル]−7−ノネン酸イソプロピルエステル
(15)(0.350g)のジクロロメタン(7ml)溶液を滴下
した。これを−55℃に昇温し15分間撹拌後、トリエ
チルアミン(0.25ml)を加え10℃まで6時間で昇温
した。常温処理して得た粗生成物を、シリカゲルカラム
で精製し、標題化合物(17)を得た。 収量 : 0.311g(89%) 3−2)(Z)−9−(1R)−[(2R,3R)−3−ヒド
ロキシ−5−オキソ−2−(3−オキソデシル)シクロペ
ンチル]−7−ノネン酸イソプロピルエステル(18) 化合物(17)(0.311g)を酢酸 :THF:1K(2:1:
1)混合溶媒(5ml)に溶解し、50℃に3時間保った。
常法処理して得た粗生成物をシリカゲルカラムで精製
し、標題化合物(18)を得た。 収量 : 0.156g(66%) 化合物(18)(Q1=Q2=H、Rb−Rc=ヘキシル、
3=イソプロピル)NMR(CDCl3)δ:0.86(t,
3H,J=6.5Hz),1.20(d,6H,J=6Hz),1.2
3〜2.75(m,33H),4.20(m,1H),4.99(Hep
t,1H,J=6Hz),5.15〜5.50(m,2H)
【0025】合成例4 2−デカルボキシ−2−(2−カルボキシエチル)−1
3,14−ジヒドロ−16,16−ジフルオロ−15−ケ
ト−PGE2[IUPAC名:(Z)−9−(1R)−[(2
R,3R)−2−(4,4−ジフルオロ−3−オキソオクチ
ル)−3−ヒドロキシ−5−オキソペンチル]−7−ノ
ネン酸](29)の製造 原料化合物の製造 (6−カルボキシヘキシル)トリフェニルホスホニウムブ
ロミド(e)7−ブロモヘプタンニトリル(c)(10.0g)
を40%臭化水素酸(80ml)に加え、6時間加熱還流し
た。水で稀釈後、エーテルで抽出した。常法処理により
得た粗生成物をシリカゲルカラムで精製し、7−ブロモ
ヘプタン酸(d)を得た。 収量 : 7.60g(69%) 7−ブロモヘプタン酸(d)(7.60g)とトリフェニルホ
スフィン(10.0g)とから(6−カルボキシヘキシル)ト
リフェニルホスホニウムブロミド(e)を得た。 収量 : 16.0g(93%) 目的化合物の製造 4−1)(1S,5R,6R,7R)−6−(4,4−ジフル
オロ−3−オキソオクテニル)−7−(テトラヒドロピラ
ニルオキシ)−2−オキサビシクロ[3,3,0]オクタ
ン−3−オン(22) 市販の(1S,5R,6R,7R)−6−(5−ブチルジメチ
ルシリルオキシメチル)−7−(テトラヒドロピラニルオ
キシ)−2−オキサビシクロ[3,3,0]オクタン−3
−オン(19)から得た(1S,5R,6R,7R)−6−ヒ
ドロキシメチル−7−(テトラヒドロピラニルオキシ)−
2−オキサビシクロ[3,3,0]オクタン−3−オン
(20)(27.8g)を、ジクロルメタン(800ml)中、
塩化オギザリル(2.0M、109.3ml)DSMO(31.
0ml)及びトリメチルアミン(150ml)を用いてスワー
ン酸化し化合物(21)(P1=テトラヒドロピラニル)
を得た。上記化合物(21)をジメチル3,3−ジフルオ
ロ−2−オキソヘプチルホスホネート(30.0g)と、タ
リウムメトキシド(8.23ml)の存在下ジクロルメタン
中で反応させた。常法処理後に得た粗生成物をシリカゲ
ルカラムで精製し標題化合物(22)を得た。 収量:24.4g(58%) 4−2)(1S,5R,6R,7R)−6−(4,4−ジフル
オロ−3−オキソオクチル)−7−テトラヒドロピラニ
ルオキシ−2−オキサビシクロ[3,3,0]オクタン−
3−オン(23) 上記化合物(22)(12.7g)を酢酸エチル(300ml)
中、5%パラジウム−炭素(触媒量)及び水素ガスを用い
て接触還元し、標題化合物(23)を得た。 収量:(12.5g)(99%) 4−3)(1S,5R,6R,7R)−6−[4,4−ジフル
オロ−3(R,S)−ヒドロキシオクチル]−7−(テトラ
ヒドロピラニルオキシ)−2−オキサビシクロ[3,3,
0]オクタン−3−オン(24) 上記化合物(23)(12.6g)をメタノール(400ml)中
0℃において水素化ほう素ナトリウム(1.25g)で還元
し、標題化合物(24)を得た。 収量 : 12.1g(95.5%) 4−4)(1S,5R,6R,7R)−6−[4,4−ジフル
オロ−3(R,S)−ヒドロキシオクチル]−7−(テトラ
ヒドロピラニルオキシ)−2−オキサビシクロ[3,3,
0]オクタン−3(R,S)−オール(25) 上記化合物(24)(12.1g)をトルエン(500ml)中、
−78℃において水素化ジイソブチルアルミニウム
(1.5M、65.1ml)で還元し、シリカゲルカラムで
精製して標題化合物(25)を得た。 収量 : 11.1g(91%) 4−5)(Z)−9−(1R)−{(2R,3R,5S)−2−
[4,4−ジフルオロ−(3RS)−ヒドロキシオクチ
ル]−5−ヒドロキシ−3−(テトラヒドロピラニルオ
キシ)シクロペンチル}−7−ノネン酸フェナシルエステ
ル(27) 水素化ナトリウム(60%,1.63g)をペンタンで洗
い、これにDMSO(40ml)を加え65〜70℃に1.
5時間保った。室温とし、カルボキシヘキシルホスホニ
ウムブロミド(e)(9.61g)を加えてイリドとし
た。これに上記化合物(25)(2.00g)のDMSO
(15ml)溶液を滴下し、1夜室温に放置した。常法処理
により標題化合物(26)を得た。 収量 : 3.18(粗生成物) 上記化合物(26)(0.795g)、フェナシルブロミド
(1.01g)、及びジイソプロピルエチルアミン(0.89
ml)をアセトニトリル(10ml)に溶解し、室温に20分
間、45℃に30分間保った。常法処理によりえた粗生
成物をシリカゲルカラムで精製し、標題化合物(27)を
得た。 収量 : 0.604g 4−6)(Z)−9−(1R)−[(2R,3R)−2−(4,
4−ジフルオロ−3−オキソオクチル)−5−オキソ−
3−(テトラヒドロピラニルオキシ)シクロペンチル]−
7−ノネン酸フェナシルエステル(28) 塩化オギザリル(0.52ml)のジクロロメタン溶液(30
ml)を−78℃に冷却し、これにDMSO(0.92ml)を
滴下した。これに上記化合物(27)(0.609g)のジク
ロロメタン溶液(15ml)を加え、−30℃〜−20℃で
1.5時間撹拌した。トリエチルアミン(1.88ml)を加
え30分間撹拌した。常法処理により得られた粗生成物
をシリカゲルカラムで精製して標題化合物(28)を得
た。 収量 : 0.514g(85%) 4−7)(Z)−9−(1R)−[(2R,3R)−2−(4,
4−ジフルオロ−3−オキソオクチル)−3−ヒドロキ
シ−5−オキソシクロペンチル]−7−ノネン酸フェナ
シルエステル(18) 上記化合物(28)(0.514g)を酢酸:水:THF(4:
2:1)混合溶媒(30ml)に溶かし、室温で一夜保った。
シリカゲルカラムで精製し、標題化合物(Z)−9−(1
R)−[(2R,3R)−2−(4,4−ジフルオロ−3−オ
キソオクチル)−3−ヒドロキシ−5−オキソシクロペ
ンチル]−7−ノネン酸フェナシルエステル(18)を得
た。 収量 : 0.272g(61%) 化合物(18)(Q1=Q2=F、Rb−Rc=ブチル、
3=フェナシル)NMR(CDCl3)δ:0.92(t,3
H,J=7.5Hz)、1.2−2.9(m,27H)、4.18
(m,1H)、5.4(m,2H)、7.4−8.0(m,5H)
4−8)(Z)−9−(1R)−[(2R,3R)−2−(4,
4−ジフルオロ−3−オキソオクチル)−3−ヒドロキ
シ−5−オキソ]−7−ノネン酸(29)上記化合物(1
8)(0.272g)を酢酸(10ml)に溶解し、室温で亜鉛
(3.5g)を少量ずつ加え2.5時間撹拌した。常法処理
により得られた粗生成物をシリカゲルカラムで精製して
標題化合物(29)を得た。 収量 : 0.177g(81%) 化合物(29)(Q1=Q2=F、Rb−Rc=ブチル)N
MR(CDCl3)δ:0.93(t,3H,J=6.5Hz),1.
15〜2.95(m,28H),4.19(m,1H),5.36(m,
1H)
【0026】合成例5 2−デカルボキシ−2−(2−カルボキシエチル)−1
3,14−ジヒドロ−16,16−ジフルオロ−15−ケ
ト−PGE1イソプロピル[IUPAC名:9−(1R)
−[(2R,3R)−2−(4,4−ジフロロ−3−オキソ
オクチル)−3−ヒドロキシ−5−オキソシクロペンチ
ル]−ノナン酸イソプロピルエステル](32)の製造 5−1)(Z)−9−(1R)−{(2R,3R,5S)−2−
[4,4−ジフルオロ(3RS)−ヒドロキシオクチル]
−5−ヒドロキシ−3−(テトラヒドロピラニルオキシ)
シクロペンチル}−7−ノネン酸イソプロピルエステル
(27) 実施例3で得た化合物(26)(0.802g)、DBU(0.
76ml)、及びよう化イソプロピル(0.51ml)をアセト
ニトリル(15ml)に溶解し、50℃に1時間保った。更
に化合物(26)(0.492g)を同様にして反応させ、標
題化合物(27)を得た。 収量:0.315g(両反応合わせて) 5−2)9−(1R)−{(2R,3R)−2−[4,4−ジ
フルオロ−(3RS)−ヒドロキシオクチル]−5−ヒド
ロキシ−3−(テトラヒドロピラニルオキシ)シクロペン
チル}−ノナン酸イソプロピルエステル(30) 上記化合物(27)(0.315g)をエタノール(20ml)
中、パラジウム−炭素(5%)(0.08g)及び水素を用い
て接触還元して標題化合物(30)を得た。 収量:0.301g(95%) 5−3)9−(1R)−[(2R,3R)−2−(4,4−ジ
フルオロ−3−オキソオクチル)−5−オキソ−3−(テ
トラヒドロピラニルオキシ)シクロペンチル]−ノナン
酸イソプロピルエステル(31) 塩化オギザリル(0.34ml)、DMSO(0.61ml)及び
トリエチルアミン(1.22ml)を用いジクロロメタン中
で上記化合物(30)(0.301g)をスワーン酸化し標題
化合物(31)を得た。 収量:0.288g(96%) 4−4)9−(1R)−[(2R,3R)−2−(4,4−ジ
フルオロ−3−オキソオクチル)−3−ヒドロキシ−5
−オキソシクロペンチル]−ノナン酸イソプロピルエス
テル(32) 上記化合物(31)(0.288g)を酢酸 :水:THF
(4:2:1)混合溶媒(30ml)に溶解し、45℃に3.5
時間保った。常法処理後に得た粗生成物をシリカゲルカ
ラムで精製して標題化合物(32)を得た。 収量:0.184g(76%) 化合物(32)(Q1=Q2=F、Rb−Rc=ブチル、P
3=イソプロピル)NMR(CDCl3)δ:0.94(t,3
H,J=6.5Hz),1.24(d,6H,J=6Hz),1.27
〜2.95(m,31H),4.19(m,1H),5.02(Hept,
1H,J=6Hz)式(I)においてYが−CO−CH2
の化合物およびYが−C≡C−の化合物は、次のように
して製造することができる。
【0027】合成例6 2−デカルボキシ−2−(2−カルボキシエチル)−1
3,14−ジヒドロ−6,15−ジケト−PGF1αイソ
プロピルエステルの製造 合成例2で得た化合物(15)を無水テトラヒドロフラ
ンと無水塩化メチレンに溶解し、0℃で少過剰量のN−
ブロモスクシンイミドを加え5分間撹拌する。常法によ
り後処理して得た粗生成物をカラムクロマトグラフィー
で精製して化合物(33)(Q1=Q2=H、Rb−Rc
=ブチル、P1=テトラヒドロピラニル、P2=エチレ
ン、P3=イソプロピル)を得る。これを無水トルエン
に溶解し、DBUを加え40℃で一夜撹拌する。氷冷
後、1N塩酸を加えて酸性にし、10分間撹拌後酢酸エ
チルで抽出する。常法により後処理して得た粗生成物を
カラムクロマトグラフィーで精製して化合物(34)
(記号の意味は前と同じ)を得る。これを合成例2の工
程2−3)と同様に脱保護して標題化合物を得る。
【0028】合成例7 2−デカルボキシ−2−(2−カルボキシエチル)−
5,6−デヒドロ−13,14−ジヒドロ−15−ケト−
PGE2メチルエステルの製造 8−メトキシ−3,3−エチレンジオキシ−1−ヨード
オクタン(特開昭64−52753号)のエーテル溶液
に−78℃で第3級ブチルリチウムを30分間で滴下
し、3時間撹拌する。これに、−78℃に冷却したよう
化第1銅およびトリブチルホスフィンのエーテル溶液を
一度に加え、20分間撹拌して錯体(a)とする。さら
に、4R−第3級ブチルジメチルシリルオキシ−2−シ
クロペンテン−1−オン(35)のテトラヒドロフラン
溶液を95分間で滴下し、15分間撹拌後−30℃の冷
却浴に移す。8−メトキシカルボニル−1−ヨードオク
チン(b)のHMPA溶液を加え、4.5時間撹拌す
る。さらに室温で12時間撹拌後飽和塩化アンモニウム
水溶液に注ぎ有機層を分取する。常法により後処理して
得た粗生成物をクロマトグラフィーで精製し、化合物
(36)(Q1=Q2=H、Rb−Rc=ブチル、P3
メチル、P5=第3級ブチルジメチルシリル)を得る。
これを常法により脱保護して標題化合物を得る。
【0029】合成例8 2−デカルボキシ−2−(2−カルボキシエチル−1
3,14−ジヒドロ−16,16−ジフルオロ−15−ケ
ト−PGF2αメチルエステル)[IUPAC名:(Z)
−9−(1R)−[(2R,3R,5S)−2−(4,4−ジフ
ルオロ−3−オキソオクチル)−3,5−ジヒドロキシシ
ロクペンチル]−7−ノネン酸メチルエステル](44)
の製造 8−1)(1S,5R,6R,7R)−6−[3(R,S)−t−
ブチルジメチルシリルオキシ−4,4−ジフルオロオク
チル]−7−(テトラヒドロピラニルオキシ)−2−オキ
サビシクロ[3.3.0]オクタン−3(R,S)−オール(3
8) 化合物(24)(Q1=Q2=F、P1=テトラヒドロピラ
ニル、Rb−Rc=ブチル)(1.26g)を、DMF(1
5ml)中、イミダゾール(2.63g)、及び塩化t−ブ
チルジメチルシラン(2.91g)を用いシリルエーテル
(37)とした。 収量:1.43g(88%) 得られたシリルエーテル(37)(1.43g)を、水素化
ジイソブチルアルミニウムを用い常法で還元し、標題化
合物(38)とした。 収量:1.47g(100%) 8−2)(Z)−9−(1R)−{(2R,3R,5S)−2−
[3(R,S)−t−ブチルジメチルシリルオキシ−4,4−
ジフルオロオクチル]−5−ヒドロキシ−3−(テトラヒ
ドロピラニルオキシ)シロクペンチル}−7−ノネン酸メ
チルエステル(40) 水素化ナトリウム(60%、0.934g)、DMSO(2
5ml)及び(6−カルボキシヘキシル)トリフェニルホ
スホニウムブロミド(5.50g)から、常法によりイリド
を得た。これに上記化合物(38)のエーテル溶液(8m
l)を加え2時間室温で攪拌した。常法処理後に得たカ
ルボン酸(39)をジアゾメタンで処理した。シリカゲル
カラムで精製し、標題化合物(40)を得た。 収量: 0.43g(48%) 8−3)(Z)−9−(1R)−{(2R,3R,5S)−2−
[3(R,S)−t−ブチルジメチルシリルオキシ−4,4−
ジフルオロオクチル]−3,5−(ジテトラヒドロピラニ
ルオキシ)シクロペンチル}−7−ノネン酸メチルエステ
ル(41) 上記化合物(40)(0.438g)をジクロルメタン(25
ml)中過剰のジヒドロピラン及び触媒量のp−トルエン
スルホン酸を用いてジテトラヒドロピラニルエーテル化
し、標題化合物(41)とした。シリカゲルカラムで精
製した。 収量:0.494g(99%) 8−4)(Z)−9−(1R)−[(2R,3R,5S)−2−
(t−ブチルジメチルシリルオキシ−3−オキソオクチ
ル)−3,5−(ジテトラヒドロピラニルオキシ)シクロペ
ンチル]−7−ノネン酸メチルエステル(43) 上記化合物(41)(0.494g)をTHF(10ml)に
溶解し、3ふっ化テトラブチルアンモニウム(1.0M、
5.6ml)を加え、室温で一夜放置した。常法処理後、
シリカゲルカラムで精製し脱保護体(42)を得た。 収量:0.284g(68%) 得られた上記化合物(42)(0.284g)をジクロルメタ
ン(10ml)中、塩化オギザリル(0.165ml)、D
MSO(0.3ml)を用いてスワン酸化した。シリカゲ
ルカラム精製し標題化合物(43)を得た。 収量:0.251g(89%) 8−5)(Z)−9−(1R)−[(2R,3R,5S)−2−
(4,4−ジフルオロ−3−オキソオクチル)−3,5−ジ
ヒドロキシシクロペンチル]−7−ノネン酸メチルエス
テル(44) 上記化合物(43)(0.251g)を酢酸−水−THF
(4:2:1)混合溶媒(30ml)に溶解し45〜50℃に
3時間保った。常法処理して得た粗生成物をシリカゲル
カラムで精製し、標題化合物(44)を得た。 収量:0.137g(76%) 化合物(44)(Q1=Q2=F、Rb−Rc=ブチル、
3=メチル)NMR(CDCl3)δ:0.92(t,3H,J
=7.5Hz)、1.2−2.9(m,38H)、3.67(s,3
H)、3.70(q,1H,J=7.5Hz)、4.25(m,1
H)、5.43(m,2H)
【0030】合成例9 2−デカルボキシ−2−(2−カルボキシエチル)−1
3,14−ジヒドロ−16,16−ジフルオロ−15−ケ
ト−PGE1[IUPAC名:(Z)−9−(1R)−
[(2R,3R,5S)−2−(4,4−ジフルオロ−3−オ
キソオクチル)−3−ヒドロキシ−5−オキソシクロペ
ンチル]ノナン酸](45)の製造 9−1)(Z)−9−(1R)−{(2R,3R,5S)−2−
[4,4−ジフルオロ−3(R,S)−ヒドロキシオクチル]
−5−ヒドロキシ−3−(テトラヒドロピラニルオキシ)
シクロペンチル}−7−ノネン酸ベンジルエステル(2
7) 化合物(26)(Q1=Q2=F、P1=テトラヒドロピラ
ニル、Rb−Rc=ブチル)(1.09g)を、アセトニ
トリル(20ml)に溶解し、DBU(2.6ml)及びベ
ンジルブロミド(2.2ml)を加えて、45℃に1時
間、60℃に一夜保った。常法処理後に得た粗生成物を
シリカゲルカラムで精製し、標題化合物(27)を得た。 収量:0.213g 9−2)(Z)−9−(1R)−[(2R,3R,5S)−2−
(4,4−ジフルオロ−3−オキソオクチル)−3−(テト
ラヒドロピラニルオキシ)−5−オキソシクロペンチル]
−7−ノネン酸ベンジルエステル(28) 上記化合物(27)(0.213g)を、ジクロルメタン(1
5ml)中、塩化オギザリル(0.23ml)、DMSO
(0.41ml)及びトリエチルアミン(0.81ml)を用
いてスワン酸化した。シリカゲルカラムで精製し標題化
合物(28)を得た。 収量: 0.181g(86%) 9−3)(Z)−9−(1R)−[(2R,3R,5S)−2−
(4,4−ジフルオロ−3−オキソオクチル)−3−ヒド
ロキシ−5−オキソシクロペンチル]−7−ノネン酸ベ
ンジルエステル(18) 上記化合物(28)(0.181g)を酢酸−水−THF
(4:2:1)混合溶媒(25ml)に溶解し45℃に3.5
時間保った。常法処理後に得た粗生成物をシリカゲルカ
ラムで精製し、標題化合物(18)を得た。 収量:0.140g(91%) 化合物(18)(Q1=Q2=F、Rb−Rc=ブチル、
3=ベンジル)NMR(CDCl3)δ:0.93(t,3H,
J=7.5Hz)、1.2−2.8(m,27H)、4.20(m,
1H)、5.12(s,2H)、5.2−5.5(m,2H)、
7.35(m,5H) 9−4)9−(1R)−[(2R,3R,5S)−2−(4,4
−ジフルオロ−3−オキソオクチル)−3−ヒドロキシ
−5−オキソシクロペンチル]ノナン酸(45) 上記化合物(18)(0.140g)を酢酸エチル(15m
l)に溶解し、パラジウム−炭素(50mg)及び水素を
用いて接触還元した。触媒を濾別後、濾液を濃縮して得
た生成物をローバーカラム(ODS)を用いて精製し、標
題化合物(45)を得た。 収量:0.077g(65%) 化合物(45)(Q1=Q2=F、Rb−Rc=ブチル)
NMR(CDCl3)δ:0.95(t,3H,J=7.5Hz)、
1.2−2.8(m,32H)、4.20(m,1H)
【0031】合成例10 20−エチル−2−デカルボキシ−2−(2−カルボキ
シエチル)−13,14−ジヒドロ−16,16−ジフル
オロ−15−ケト−PGE1イソプロピルエステル[I
UPAC名:(Z)−9−(1R)−[(2R,3R)
−2−(4,4−ジフルオロ−3−オキソデシル)−3
−ヒドロキシ−5−オキソシクロペンチル]−ノネン酸
イソプロピルエステル](32)の製造 アルキルホスホネートとしてジメチル(3,3−ジフル
オロ−2−オキソノニル)ホスホネートを用いた以外
は、実施例4と同様にして標題化合物(32)を得た。
化合物(32)(Q1=Q2=F、Rb−Rc=ヘキシ
ル、P3=イソプロピル)NMR(CDCl3)δ:0.
90(t,3H,J=7.5Hz)、1.32(d,6H,
6Hz)、1.25−2.70(m,34H)、3.1
5(s,1H)、4.20(m,1H)、5.00(Hep
t,1H,7.5Hz)
【0032】合成例11 2−デカルボキシ−2−(2−カルボキシエチル)−1
3,14−ジヒドロ−15−ケト−PGE2イソプロピル
エステル[IUPAC名:(Z)−9−(1R)−
[(2R,3R)−2−(3−オキソペンチル)−3−
ヒドロキシ−5−オキクソシクロペンチル]−ノネン酸
イソプロピルエステル](18)の製造 アルキルホスホネートとしてジメチル(2−オキソヘプ
チル)ホスホネートを用いた以外は、実施例2と同様に
して標題化合物(18)を得た。化合物(18)(Q1
=Q2=H、Rb−Rc=ブチル、P3=イソプロピル)
NMR(CDCl3)δ:0.89(t,3H,J=6.
6Hz)、1.18(d,6H,6.2Hz)、1.15
−3.0(m,29H)、4.04(m,1H)、4.9
9(Hept.1H,6.2Hz)、5.37(m,2
H)
【0033】経路を下記反応式に示す。下記反応式中、
1、P2、P3、P4、P5、P6およびP7は保護基、
1、Q2、RbおよびRcは前と同じ意味である。 反応式1
【化4】
【化5】 反応式2
【化6】 反応式3
【化7】 反応式4
【化8】
【化9】 反応式5
【化10】 反応式6
【化11】 反応式7
【化12】 反応式8
【化13】 反応式9
【化14】
【化15】 反応式10
【化16】
【0034】製剤例1(注射用粉末) (重量部) 13,14−ジヒドロ−15−ケト−16,16− ジフルオロ−PGE 2 1 マンニトール 5 滅菌水 0.4 上記成分を混合し、撹拌し、滅菌し、ろ過してから凍結
乾燥して注射用粉末を得た。 製剤例2(注射用溶液) (重量部) 13,14−ジヒドロ−15−ケト−16,16− ジメチル−PGE 2 0.2 非イオン性界面活性剤 2 注射用滅菌水 98 上記成分を混合してから凍結乾燥して注射可能な溶液を
得た。
【0035】製剤例3 メタノール(10ml)に13,14−ジヒドロ−15−ケ
ト−16,16−ジフルオロ−20−エチル−PGE
2(50mg)を溶解し、さらに生成溶液をマンニトール
(18.5g)と混合した。混合物をふるい(孔径:30m
m)に掛け、30℃で90分間乾燥させてから再度ふる
いに掛けた。生成粉末を微粒子シリカゲル(アエロシ
ル、200g)と混合し、混合物を3番硬ゼラチンカプ
セル(100)に充填した。カプセルは、1カプセル当た
り0.5mgの13,14−ジヒドロ−15−ケト−1
6,16−ジフルオロ−20−エチル−PGE2を含有す
る腸溶性カプセルである。
【0036】製剤例4(経口投与用粉末) (重量部) 13,14−ジヒドロ−15−ケト−16,16− ジフルオロ−PGF 2αメチルエステル 5 軽量無水けい酸 5 アビセル 20 ラクトース 70 上記成分を混合して、経口投与用粉末を得た。 製剤例5(ゼラチン軟カプセル) (重量部) 13,14−ジヒドロ−15−ケト−20− メチル−PGE2メチルエステル 1 パナセート(Panasate) 899 上記成分を混合して、ゼラチン軟カプセルに充填した。
【0037】製剤例6(腸溶性カプセル) メタノール(10ml)に16−デスブチル−13,14
−ジヒドロ−15−ケト−16−(m−トリフルオロメ
チル)フェノキシ−PGF2αメチルエステル(50mg)
を溶解し、さらに生成溶液をマンニトール(18.5g)
と混合した。混合物をふるい(孔径:30mm)に掛け、
30℃で90分間乾燥させてから再度ふるいに掛けた。
生成粉末を微粒子シリカゲル(アエロシル、200g)と
混合し、混合物を3番硬ゼラチンカプセル(100)に充
填した。カプセルは、1カプセル当たり0.5mgの1
3,14−ジヒドロ−15−ケト−16−デスブチル−
16−m−トリフルオロメチルフェノキシ−PGF2α
メチルエステルを含有する腸溶性カプセルである。
【0038】製剤例7(注射用粉末) (重量部) 13,14−ジヒドロ−15−ケト−16,16− ジフルオロ−PGE 1 1 マンニトール 5 滅菌水 0.4 上記成分を混合し、撹拌し、滅菌し、濾過してから凍結
乾燥して注射用粉末を得た。 製剤例8(注射用溶液) (重量部) 13,14−ジヒドロ−6,15−ジケト−5R,S− フルオロ−PGE 1 0.2 非イオン性界面活性剤 2 注射用滅菌水 98 上記成分を混合してから凍結乾燥して注射可能な溶液を
得た。 製剤例9(経口投与用粉末) (重量部) 13,14−ジヒドロ−15−ケト−16,16− ジフルオロ−19−デスメチル−PGE 2メチルエステル 5 軽量無水けい酸 5 アビセル 20 ラクトース 70 上記成分を混合して、経口投与用粉末を得た。
【0039】製剤例10(ゼラチン軟カプセル) (重量部) 13,14−ジヒドロ−15−ケト−16−デスブチル− 16−m−トリフルオロメチル−フェノキシ− PGE 2メチルエステル 1 パナセート(Panasate) 899 上記成分を混合して、ゼラチン軟カプセルに充填した。
上記製剤例において、活性成分は、この発明で使用す
る範囲の任意の他の化合物に置き換え得る。 製剤例11(点眼液) 13,14−ジヒドロ−15−ケト−20−エチル− PGF 2α−イソプロピルエステル 10mg 生理食塩水 10ml 上記成分を別個のバイヤルに充填し、用時溶解用点眼液
とする。
【0040】試験例1 (方法)ウイスター系ラット(3週齢、体重40−50g)
を1群5−6匹(10−12眼)として使用した。1群は
正常対照群として正常飼料で飼育し、2、3群は50%
ガラクトース含有飼料で飼育した。2群には生理食塩水
のみを5ml/kg、3群には被験物質を生理食塩水
(5ml/kg)に溶解し10μg/kgを毎日朝夕2
回、皮下投与した。被験物質は13,14−ジヒドロ−
15−ケト−16,16−ジフルオロ−PGE2を用い
た。ラットの眼の観察を毎日行い、水晶体の核の部分が
1群(対照)と比較して明らかに不透明になった日を白内
障発症日とした。結果を第1表に示す。 以上の結果より、本発明化合物は実験的白内障に対する
抑制作用を有することがわかった。
【0041】試験例2 ウイスター系ラット(3週齢、体重40−50g)を1群
6匹(12眼)として使用した。各群は30%ガラクトー
ス含有飼料で飼育した。ラットの眼の観察を毎日行い、
水晶体の核の部分が明らかに不透明になった日を白内障
発症日とした。投与区分は次の通りとした。 被験物質1:13,14−ジヒドロ−15−ケト−16,
16−ジフルオロ−PGE2メチルエステル 2:13,14−ジヒドロ−15−ケト−20−エチル
−PGF2αイソプロピルエステル 3:13,14−ジヒドロ−15−ケト−20−エチル
−PGF2α 点眼投与の場合は、被験物質を生理食塩水(5μl/眼)
に溶解し、これを1日3回投与した。皮下投与の場合
は、被験物質を生理食塩水(5ml/kg)に溶解し、こ
れを1日2回投与した。結果を第2表に示す。
【0042】試験例3 ウイスター系ラット(3週齢、体重40−50g)を1群
6匹(12眼)として使用した。各群は30%ガラクトー
ス含有飼料で飼育した。ラットの眼の観察を毎日行い、
水晶体の核の部分が明らかに不透明なった日を白内障発
症日とした。投与区分は次の通りとした。 被験物質4:13,14−ジヒドロ−15−ケト−16,
16−ジフルオロ−PGE2イソプロピルエステル 点眼投与の場合は、被験物質を生理食塩水(5μl/眼)
に溶解し、これを1日3回投与した。皮下投与の場合
は、被験物質を生理食塩水(5ml/kg)に溶解し、こ
れを1日2回投与した。結果を第3表に示す。 (数字は白内障発症率(%)(白内障眼数/全眼数×10
0)を示す。)
【0043】試験例4 ウイスター系ラット(3週齢、体重40−50g)を1群
6匹(12眼)として使用した。各群は30%ガラクトー
ス含有飼料で飼育した。ラットの眼の観察を毎日行い、
水晶体の核の部分が明らかに不透明になった日を白内障
発症日とした。投与区分は次の通りとした。 被験物質5: 13,14−ジヒドロ−15−ケト−16,
16−ジフルオロ−PGE1メチルエステル 点眼投与の場合、被験物質を生理食塩水(5μl/眼)に
溶解し、これを1日3回投与した。皮下投与の場合は、
被験物質を生理食塩水(5ml/kg)に溶解し、これを
1日4回投与した。結果を第4表に示す。 (数字は白内障発症率(%)(白内障眼数/全眼数×10
0)を示す。)
【0044】試験例5 ウイスター系ラット(3週齢、体重40−50g)を使用
した。各群は40%ガラクトース含有飼料で飼育した。
ラットの眼の観察を毎日行い、水晶体の核の部分が明ら
かに不透明になった日を白内障発症日とした。投与区分
は次の通りとした。 被験物質6:PGE1〃 7:PGD2 〃 8:PGF2α 〃 9:PGA2 〃 10:16,16−ジメチル−PGE2 〃 11:6−オキソ−17S,20−ジメチル−PG
1 被験物質を生理食塩水(5ml/kg)に溶解し、これを
1日2回皮下投与した。結果を第5表に示す。 (数字は白内障発症率(%)(白内障眼数/全眼数×10
0)を示す。)以上の結果より、15位に水酸基を有す
る、いわゆる天然型PGは実験的白内障に対する抑制作
用が認められず、むしろ、促進傾向が認められるものも
あった。
【0045】試験例6 ウイスター系ラット(3週齢、体重40−50g)を1
群9匹(18眼)として使用した。各群は30%ガラク
トース含有飼料で飼育した。ラットの眼の観察を毎日行
い、水晶体の核の部分が明らかに不透明になった日を白
内障発症日とした。被験物質は生理食塩水(5μl/
眼)に溶解し、これを1日3回点眼投与した。対照とし
ては、生理食塩水(5μl/眼)のみを用いた。投与区
分は次の通りとした。 被験物質12:13,14−ジヒドロ−15−ケト−1
6,16−ジフルオロ−19−デスメチル−PGE2メチ
ルエステル 被験物質13:13,14−ジヒドロ−15−ケト−1
6,16−ジフルオロ−20−メチル−PGE2メチルエ
ステル 被験物質14:13,14−ジヒドロ−15−ケト−1
6,16−ジフルオロ−20−エチル−PGE2メチルエ
ステル 結果を第6表に示す。 (数字は白内障発症率(%)(白内障眼数/全眼数×1
00)を示す。)
【0046】試験例7 ウイスター系ラット(3週齢、体重50−60g)を1
群9匹(18眼)として使用した。各群は30%ガラク
トース含有飼料で飼育した。ラットの眼の観察を毎日行
い、水晶体の核の部分が明らかに不透明になった日を白
内障発症日とした。被験物質は生理食塩水(5ml/k
g)に溶解し、これを1日2回皮下投与した。対照とし
ては、生理食塩水(5ml/kg)のみを用いた。投与
区分は次の通りとした。 被験物質15:13,14−ジヒドロ−15−ケト−1
6,16−ジフルオロ−PGE1イソプロピルエステル 被験物質16:13,14−ジヒドロ−15−ケト−1
6,16−ジフルオロ−20−エチル−PGE1イソプロ
ピルエステル 被験物質17:2−デカルボキシ−2−(2−カルボキ
シエチル)−13,14−ジヒドロ−15−ケト−16,
16−ジフルオロ−PGE1イソプロピルエステル被験
物質18:2−デカルボキシ−2−(2−カルボキシエ
チル)−13,14−ジヒドロ−15−ケト−16,16
−ジフルオロ−20−エチル−PGE1イソプロピルエ
ステル 被験物質19:13,14−ジヒドロ−15−ケト−1
6,16−ジメチル−PGE2エチルエステル 結果を第7表に示す。 (数字は白内障発症率(%)(白内障眼数/全眼数×1
00)を示す。)

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 15−ケト−プロスタグランジン化合物
    を有効成分とする、白内障処置剤。
  2. 【請求項2】 15−ケト−プロスタグランジン化合物
    が、16−モノまたはジハロ−15−ケト−プロスタグ
    ランジン化合物である、請求項1記載の剤。
  3. 【請求項3】 15−ケト−プロスタグランジン化合物
    が、13,14−ジヒドロ−16−モノまたはジハロ−
    15−ケト−プロスタグランジン化合物である、請求項
    1記載の剤。
  4. 【請求項4】 15−ケト−プロスタグランジン化合物
    が、13,14−ジヒドロ−16−モノまたはジフルオ
    ロ−15−ケト−プロスタグランジン化合物である、請
    求項1記載の剤。
  5. 【請求項5】 15−ケト−プロスタグランジン化合物
    が、15−ケト−20−低級アルキル−プロスタグラン
    ジン化合物である、請求項1記載の剤。
  6. 【請求項6】 15−ケト−プロスタグランジン化合物
    が、2−デカルボキシ−2−(2−カルボキシエチル)
    −15−ケト−プロスタグランジン化合物である、請求
    項1記載の剤。
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