JPH0791192B2 - ガス交換機能不全処置剤 - Google Patents

ガス交換機能不全処置剤

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JPH0791192B2
JPH0791192B2 JP2319575A JP31957590A JPH0791192B2 JP H0791192 B2 JPH0791192 B2 JP H0791192B2 JP 2319575 A JP2319575 A JP 2319575A JP 31957590 A JP31957590 A JP 31957590A JP H0791192 B2 JPH0791192 B2 JP H0791192B2
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隆司 上野
弘宜 長間
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株式会社上野製薬応用研究所
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] この発明は、5位または16位にハロゲン原子を有する15
−ケト−プロスタグランジン化合物の肺機能障害処置に
おける新用途に関するものである。
[従来の技術] プロスタグランジン類(以後プロスタグランジンはPGと
して示す)はひとおよび他の哺乳類の組織または器官に
含有され、広範囲の生理学的活性を示す有機カルボン酸
の1群である。天然に存在するPG類は一般的な構造特性
として、プロスタン酸骨格を有する。
一方幾つかの合成類似体は修飾された骨格を持ってい
る。天然PG類は5員環の構造特性によって、PGA類、PGB
類、PGC類、PGD類、PGE類、PGF類、PGG類、PGH類、PGI
類およびPGJ類に分類され、さらに鎖部分が、不飽和お
よび酸化の存在および不存在によっても 下付...13,14−不飽和−15−OH 下付...5,6−および13,14−ジ不飽和−15−OH 下付...5,6−、13,14−および17,18−トリ不飽和−15−
OHとして、 分類される。
さらに、PGF類は9位の水酸基の配置によってα(水酸
基がアルファー配置である)およびβ(水酸基がベータ
配置である)に分類される。
特開昭58−164512号は、15−シクロアルキル−6−オキ
ソ−PGE1、15−シクロアルキル−PGI1およびI2、15−シ
クロアルキル−6,9α−ニトリロ−PGI1、並びに15−シ
クロアルキル−6,9α−チオ−PGI1およびI2が細胞障害
に対する保護作用を有することを記載し、特開昭58−20
3911号は、ある種の15、16、17、20位の1つまたは2つ
にメチル基を有する6−オキソ−PGE1類およびPGI1類並
びに特定の15−シクロペンチル−PGI1類が細胞障害に対
する保護作用を有することを記載し、特開昭59−73522
号は、ある種のPGD2またはPGE1誘導体が脳神経細胞の酸
素欠乏性疾患治療剤となり得ることを記載している。し
かし、これらは何れも15−ケト−PGまたはその誘導体に
該当するものではない。
15−ケト−PG類は下剤として使用し得ることが、ヨーロ
ッパ特許出願公開第0310305号に記載されている。
[発明の構成] この発明者は、15−ケト−PG化合物の生物活性について
研究の結果、これらが肺機能障害処置剤として使用し得
ることを見出してこの発明を完成したのである。
すなわち、この発明は、5位または16位にハロゲン原子
を有する15−ケト−プロスタグランジン化合物を有効成
分とする、ガス交換機能不全処置剤を提供するものであ
る。
この発明において、「肺機能障害」とは、肺におけるガ
ス交換機能の異常あるいは不全に基づくかまたはそれを
伴なうあらゆる症状を包含し、これは、吸気中に含まれ
る酸素の呼吸上皮細胞への透過障害、呼吸上皮細胞から
肺毛細管細胞を経る血液内への透過障害、血液内におけ
る赤血球への取込み(ヘモグロビンとの結合)障害のい
ずれかが関係する症候および疾患である。このような症
候および疾患の具体例としては、薬物(麻薬、毒物な
ど)、異物吸入、一酸化炭素中毒、酸欠状態気管収縮発
作(煙、塵、化学刺激物質などによる)、肺気管支損
傷、肺挫傷あるいはショック等に基づく呼吸困難または
呼吸不全、肺水腫、無気腫、肺塞栓、肺血栓、肺梗塞、
肺腺維症、肺気腫、気管支炎、気管支喘息、成人呼吸窮
迫症候群(ARDS)、新生児呼吸窮迫症候群(IRDS)、肺
動脈狭窄症、肺うっ血、肺高血圧症、慢性閉息性肺疾
患、先天性心疾患、両側頚動脈体摘出、乳幼児急死症候
群、尿毒症または麻薬、麻酔薬による中枢抑制などがあ
げられる。
この発明において、「処置」の語は、予防、治療、軽
減、悪化防止または悪化の軽減を含めたあらゆる疾患の
管理を包含する。
「15−ケト−プロスタグランジン化合物」は15−ケト−
PG化合物と略称し、13および14位の間の2重結合の存在
または不存在に関係なくプロスタン酸骨格の15位に水酸
基の代わりにオキソ基を持つあらゆるプロスタグランジ
ン誘導体を含む。
この発明の15−ケト−PG化合物類の命名に際しては式
(A)に示したプロスタン酸の番号を用いる。
前記式(A)はC−20の基本骨格のものであるが、本発
明では炭素数がこれによって限定されるものではない。
即ち、基本骨格を構成する炭素の番号はカルボン酸を1
とし5員環に向って順に2〜7までをα鎖上の炭素に、
8〜12までを5員環の炭素に、13〜20までをω鎖上に付
しているが、炭素数がα鎖上で減少する場合、2位から
順次番号を抹消し、α鎖上で増加する場合2位にカルボ
キシル基(1位)に代わる置換基がついたものとして命
名する。同様に、炭素数がω鎖上で減少する場合、20位
から炭素の番号を順次減じ、ω鎖上で増加する場合、21
番目以後の炭素原子は置換基として命名する。また、立
体配置に関しては、特にことわりのないかぎり、上記基
本骨格の有する立体配置に従うものとする。
従って、ω鎖に10個の炭素原子を有する15−ケト−PG化
合物を15−ケト−20−エチル−PG類と命名する。
上記式は最も典型的な配位である特定配置を示すが、こ
の明細書において、特にことわらない限り化合物は上記
の配置を有するものとする。
PGD、PGEあるいはPGF類とは、一般にプロスタン酸の9
位および/または11位に水酸基を持つ化合物を指すが、
この発明の15−ケト−プロスタグランジン化合物は9位
および/または11位に他の基を有する化合物類まで拡張
して包含する。上記化合物類は9−デヒドロキシ−9−
置換あるいは11−デヒドロキシ−11−置換化合物類と称
する。
前述のように、本明細書では15−ケト−PG化合物の命名
はプロスタン酸骨格に基づいて行う。これをIUPACに基
づいて命名すると、例えば13,14−ジヒドロ−15−ケト
−16R,S−フルオロ−PGE2は(Z)−7−{(1R,2R,3
R)−3−ヒドロキシ−2[(4R,S)−フルオロ−3−
オキソ−オクチル]−5−オキソ−シクロペンチル}−
ヘプタ−5−エン酸;13,14−ジヒドロ−15−ケト−16,1
6−ジフルオロ−PGE2は(Z)−7−[(1R,2R,3R)−
2−(4,4−ジフルオロ−3−オキソ−オクチル)−3
−ヒドロキシ−5−オキソ−シクロペンチル]−ヘプタ
−5−エン酸;13,14−ジヒドロ−15−ケト−20−エチル
−11−デヒドロキシ−11R−メチル−PGE2メチルエステ
ルはメチル7−{(1R,2S,3S)−3−メチル−2−[3
−オキソ−デシル]−5−オキソシクロペンチル}−ヘ
プタ−5−エノエート;13,14−ジヒドロ−6,15−ジケト
−19−メチル−PGE2エチルエステルはエチル7−{(1
R,2S,3S)−3−ヒドロキシ−2−(7−メチル−3−
オキソ−オクチル)−5−オキソ−シクロペンチル}−
6−オキソヘプタノエートである。13,14−ジヒドロ−1
5−ケト−20−エチル−PGF2αイソプロピルエステルは
イソプロピル(Z)−7−[(1R,2R,3R,5S)−3,5−ジ
ヒドロキシ−2−{3−オキソ−デシル}シクロペンチ
ル]−ヘプタ−5−エノエートであり;13,14−ジヒドロ
−15−ケト−20−メチル−PGF2αメチルエステルはメチ
ル(Z)−7−[(1R,2R,3R,5S)−3,5−ジヒドロキシ
−2−(3−オキソ−ノニル)−シクロペンチル}−ヘ
プタ−5−エノエートである。
この発明において用いられる15−ケト−PG化合物は15位
に水酸基の代わりにオキソ基を有するあらゆるPGの誘導
体であり得、これらは飽和体でもよく、また13−14位に
二重結合(15−ケト−PGタイプ1化合物)、13−14位と
5−6位に二重結合(15−ケト−PGタイプ2化合物)、
または5−6位、13−14位および17−18位に二重結合
(15−ケト−PGタイプ3化合物)を有し得る。また、1
3,14−ジヒドロ体も含まれる。
本発明に用い得る代表的な例は、5位または16位にハロ
ゲン原子を有する15−ケト−PGA、15−ケト−PGD、15−
ケト−PGE、15−ケト−PGF、13,14−ジヒドロ−15−ケ
ト−PGA、13,14−ジヒドロ−15−ケト−PGD、13,14−ジ
ヒドロ−15−ケト−PGE、13,14−ジヒドロ−15−ケト−
PGF並びにそれらの置換体およびそれらの誘導体であ
る。
置換体または誘導体の例は、上記15−ケト−PG化合物の
α鎖末端のカルボキシル基がエステル化された化合物、
生理学的に許容し得る塩、2−3位の炭素結合が2重結
合あるいは5−6位の炭素結合が3重結合を有する化合
物、3位、5位、6位、16位、17位、19位および/また
は20位の炭素に置換基を有する化合物、9位および/ま
たは11位の水酸基の代りに低級アルキル基またはヒドロ
キシ(低級)アルキル基を有する化合物等である。
この発明において3位、17位および/または19位の炭素
原子に結合する置換基としては、例えば炭素数1〜4の
アルキル基があげられ、特にメチル基、エチル基があげ
られる。16位の炭素原子に結合する置換基としては、例
えばメチル基、エチル基などの低級アルキル基、水酸基
あるいは塩素、フッ素などのハロゲン原子、トリフルオ
ロメチルフェノキシ等のアリールオキシ基があげられ
る。17位の炭素原子の置換基としては、塩素、ふっ素等
のハロゲンがあげられる。20位の炭素原子に結合する置
換基としては、C1-4アルキルのような飽和または不飽和
の低級アルキル基、C1-4アルキルのような低級アルコキ
シ基、C1-4アルコキシ−C1-4アルキルのような低級アル
コキシアルキルを含む。5位の炭素原子の置換基として
は、塩素、ふっ素などのハロゲンを含む。6位の炭素原
子の置換基としては、カルボニル基を形成するオキソ基
を含む。9位または11位の炭素原子にヒドロキシ基、低
級アルキルまたは低級(ヒドロキシ)アルキル置換基を
有する場合のこれらの基の立体配置はα,βまたはそれ
らの混合物であってもかまわない。
さらに、上記誘導体は、ω鎖が天然のPG類より短い化合
物のω鎖末端にアルコキシ基、フェノキシ基、フェニル
基等の置換基を有するものであってもよい。
特に好ましい化合物は、16位の炭素に例えばメチル基、
エチル基などの低級アルキル基を有する化合物、塩素、
フッ素などのハロゲン原子を有する化合物、19位の炭素
に例えばメチル基、エチル基などの低級アルキル基を有
する化合物、5位の炭素に塩素、ふっ素などのハロゲン
を有する化合物、6位の炭素にオキソ基を有する化合
物、20位の炭素に例えばメチル基、エチル基などの低級
アルキル基を有する化合物であり、また、16位の炭素以
後のアルキル鎖の代わりにハロゲン原子またはハロゲン
化アルキル基等の置換基を有することもあるフェニル基
あるいはフェノキシ基が16位の炭素原子に結合した化合
物である。
この発明に使用される好ましい化合物は式 [式中、XおよびYは水素、ヒドロキシ、ハロゲン、低
級アルキル、ヒドロキシ(低級)アルキル、またはオキ
ソ(但し、XおよびYの基の内少なくとも1つは水素以
外の基であり、5員環は少なくとも1つの2重結合を有
していてもよい)、 Zは水素またはハロゲン、 Aは−CH2OH、−COCH2OH、−COOHまたはその官能性誘導
体、 Bは−CH2−CH2−、−CH=CH−、−C≡C−、 Dは非置換またはハロゲン、オキソもしくはアリールで
置換された、炭素原子数2の2価の飽和または不飽和炭
化水素残基、 EおよびFはモノまたはジ−ハロゲン置換メチレン基、 aおよびbは0または1の数を示すが、aおよびbが同
時に0になることはない、 R1′は非置換またはハロゲン、オキソもしくはアリール
で置換された、2価の飽和または不飽和、低〜中級脂肪
族炭化水素残基、 R2′は非置換またはハロゲン、ヒドロキシ、オキソ、低
級アルコキシ、低級アルカノイルオキシ、シクロ(低
級)アルキル、アリールまたはアリールオキシで置換さ
れた、飽和または不飽和、低〜中級脂肪族炭化水素残基
である。
R1は非置換またはハロゲン、オキソもしくはアリールで
置換された、二価の飽和または不飽和、低〜中級脂肪族
炭化水素残基、 R2は非置換またはハロゲン、ヒドロキシ、オキソ、低級
アルコキシ、低級アルカノイルオキシ、シクロ(低級)
アルキル、アリールまたはアリールオキシで置換され
た、飽和または不飽和、低〜中級脂肪族炭化水素残基で
ある] を有する。
上式中、R1およびR2における「不飽和」の語は、主鎖ま
たは側鎖の炭素原子間の結合として、少なくとも1つま
たはそれ以上の2重結合および/または3重結合を孤
立、分離または連続して含むことを意味する。通常の命
名法に従って、連続する2つの位置間の不飽和は若い方
の位置番号を表示することにより示し、連続しない2つ
の位置間の不飽和は両方の位置番号を表示して示す。好
ましい不飽和は、2位の2重結合および5位の2重結合
または3重結合である。
「低〜中級脂肪族炭化水素」の語は、炭素数0〜14の直
鎖または分枝鎖[ただし、側鎖は炭素数1〜3のものが
好ましい]を有する炭化水素を意味し、好ましくはR1
場合炭素数0〜6の炭化水素であり、R2の場合炭素数6
〜12の炭化水素である。
「ハロゲン」の語は、ふっ素、塩素、臭素およびよう素
を包含する。
「低級」の語は、特にことわりのない限り炭素原子数1
〜6を有する基を包含するものである。
「低級アルキル」の語は、炭素原子数1〜6の直鎖また
は分枝鎖の飽和炭化水素基を包含し、例えばメチル、エ
チル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、
t−ブチル、ペンチルおよびヘキシルを含む。
「低級アルコキシ」の語は、低級アルキルが上述と同意
義である低級アルキル−O−フェニルを意味する。
「ヒドロキシ(低級)アルキル」の語は、少なくとも1
つのヒドロキシ基で置換された上記のようなアルキルを
意味し、例えばヒドロキシメチル、1−ヒドロキシエチ
ル、2−ヒドロキシエチルおよび1−メチル−1−ヒド
ロキシエチルである。
「低級アルカノイルオキシ」の語は、式RCO−O−(こ
こで、RCO−は上記のような低級アルキルが酸化されて
生じるアシル、例えばアセチル)で示される基を意味す
る。
「シクロ(低級)アルキル」の語は、上記のような低級
アルキル基が閉環して生ずる基を意味する。
「アリール」の語は、置換されていてもよい芳香性炭素
環または複素環基(好ましくは単環性の基)を包含し、
例えばフェニル、トリル、キシリルおよびチエニルを含
む。置換基としては、ハロゲン、ハロゲン置換低級アル
キル基(ここで、ハロゲン原子および低級アルキル基は
前記の意味)が含まれる。
「アリールオキシ」の語は、式ArO−(ここで、Arは上
記のようなアリール基)で示される基を意味する。
Aで示されるカルボキシル基の「官能性誘導体」の語
は、塩(好ましくは、医薬上許容し得る塩)、エステル
およびアミド類を含む。
適当な「医薬上許容し得る塩」としては、慣用される非
毒性塩を含み、無機塩基との塩、例えばアルカリ金属塩
(ナトリウム塩、カリウム塩等)、アルカリ土類金属塩
(カルシウム塩、マグネシウム塩等)、アンモニウム
塩、有機塩基との塩、例えばアミン塩(例えばメチルア
ミン、ジメチルアミン塩、シクロヘキシルアミン塩、ベ
ンジルアミン塩、ピペリジン塩、エチレンジアミン塩、
エタノールアミン塩、ジエタノールアミン塩、トリエタ
ノールアミン塩、トリス(ヒドロキシメチルアミノ)エ
タン塩、モノメチル−モノエタノールアミン塩、リジン
塩、プロカイン塩、カフェイン塩等)、塩基性アミノ酸
塩(例えばアルギニン塩、リジン塩等)テトラアルキル
アンモニウム塩等があげられる。これらの塩類は、例え
ば対応する酸および塩基から常套の方法によってまたは
塩交換によって製造し得る。
エステルの例としては、メチルエステル、エチルエステ
ル、プロピルエステル、イソプロピルエステル、ブチル
エステル、イソブチルエステル、t−ブチルエステル、
ペンチルエステル、1−シクロプロピルエチルエステル
等の低級アルキルエステル、ビニルエステル、アリルエ
ステル等の低級アルケニルエステル、エチニルエステ
ル、プロピニルエステル等の低級アルキニルエステル、
ヒドロキシエチルエステルのようなヒドロキシ(低級)
アルキルエステル、メトキシメチルエステル、1−メト
キシエチルエステル等の低級アルコキシ(低級)アルキ
ルエステルのような脂肪族エステルおよび例えばフェニ
ルエステル、トシルエステル、t−ブチルフェニルエス
テル、サリチルエステル、3,4−ジメトキシフェニルエ
ステル、ベンズアミドフェニルエステル等の所望により
置換されたアリールエステル、ベンジルエステル、トリ
チルエステル、ベンズヒドリルエステル等のアリール
(低級)アルキルエステルがあげられる。
アミドとしては、メチルアミド、エチルアミド、ジメチ
ルアミド等のモノもしくはジ低級アルキルアミド、アニ
リド、トルイジド等のアリールアミド、メチルスルホニ
ルアミド、エチルスルホニルアミド、トリルスルホニル
アミド等のアルキルもしくはアリールスルホニルアミド
等があげられる。
好ましいA基の例は、−COOH、−COOCH3、−COOCH2C
H3、−COOCH(CH3、−CONHSO2CH3である。
上記式(I)中、環、αおよび/またはω鎖の配置は、
天然のPG類の配置と同様かまたは異なっていてもよい。
しかしながら、この発明は、天然の配置を有する化合物
および非天然の配置を有する化合物の混合物も包含す
る。
この発明の典型的な化合物類の例は、5位または16位に
ハロゲン原子を有する15−ケト−PG類、5位または16位
にハロゲン原子を有する13,14−ジヒドロ−15−ケト−P
G類並びにこれらの6−オキソ誘導体、△−誘導体、3
R,S−メチル誘導体、16R,S−メチル誘導体、16,16−ジ
メチル誘導体、17S−メチル誘導体、17R,S−フルオロ誘
導体、17,17−ジフルオロ誘導体、19−メチル誘導体、2
0−メチル誘導体、20−エチル誘導体、19−デスメチル
誘導体および16−デスブチル−16−フェノキシ誘導体で
ある。
この発明で用いる15−ケト−PG化合物において、13,14
位が飽和している場合に11位のヒドロキシと15位のケト
間のヘミアセタール形成により、ケト−ヘミアセタール
平衡を生ずる場合がある。
このような互変異性体が存在する場合、両異性体の存在
比率は他の部分の構造または置換基の種類により変動
し、場合によっては一方の異性体が圧倒的に存在するこ
ともあるが、この発明においてはこれら両者を含むもの
とし、このような異性体の存在の有無にかかわりなくケ
ト型の構造式または命名法によって化合物を表わすこと
があるが、これは便宜上のものであってヘミアセタール
型の化合物を排除しようとするものではない。
この発明においては、個々の互変異性体、その混合物ま
たは光学異性体、その混合物、ラセミ体、その他の立体
異性体等の異性体も、同じ目的に使用することが可能で
ある。
この発明に使用する化合物のあるものは、特開昭64−52
753号、特開平1−104040号、特開平1−151519号等に
記載の方法によって製造し得る。別法として、これらの
化合物は、ここで記述したのと同様の方法または既知方
法によって製造し得る。
上記15−ケト−PGE化合物は、肺におけるガス交換機能
不全を予防または治療し、さらにこれらに対する細胞の
防御能を向上し、または死滅を抑制する作用を有するの
で、肺機能障害処置剤として有用である。このような活
性は、標準的方法例えばシアン化カリウム誘発致死モデ
ルを用いて測定することができる。
この発明で用いる化合物は動物およびヒト用の薬剤とし
て使用することができ、通常、全身的あるいは局所的に
経口、静脈注射(点滴を含む)、皮下注射、直腸内投与
などの方法で使用される。投与量は動物またはひと等の
ような対象の種類、年令、体重、処置されるべき症状、
所望の治療効果、投与方法、処置期間等により変化する
が、通常1日2から4分割用量または持続形態で投与す
る場合0.001〜500mg/kgの投与量で通常十分な効果がえ
られる。
この発明による経口投与のための固体組成物としては、
錠剤、トローチ、舌下錠、カプセル、丸剤、散剤、顆粒
剤等が含まれる。このような固体組成物においては1つ
またはそれ以上の活性物質が、少なくとも1つの不活性
な希釈剤、例えば、乳糖、マンニトール、ぶどう糖、ヒ
ドロキシプロピルセルロース、微晶性セルロース、でん
ぷん、ポリビニルピロリドン、メタケイ酸アルミン酸マ
グネシウムと混合される。組成物は常法に従って、不活
性な希釈剤以外の添加剤、例えばステアリン酸マグネシ
ウムのような滑沢剤や繊維素グルコン酸カルシウムのよ
うな崩壊剤、α,βまたはγ−シクロデキストリン、ジ
メチル−α−、ジメチル−β−、トリメチル−β−また
はヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン等のエ
ーテル化シクロデキストリン、グリコシル−,マルトシ
ルーシクロデキストリン等の分枝シクロデキストリン、
ホルミル化シクロデキストリン、硫黄含有シクロデキス
トリン、ミソプロトール、りん脂質のような安定剤を含
んでいてもよい。上記シクロデキストリン類を用いた場
合はシクロデキストリン類と包接化合物を形成して安定
性が増大する場合がある。また、りん脂質を用いたリポ
ソーム化することにより安定性が増大する場合がある。
錠剤または丸剤は必要により白糖、ゼラチン、ヒドロキ
シプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセル
ロースフタレートなどの胃溶性あるいは腸溶性物質のフ
ィルムで被覆してもよいし、また、2以上の層で被覆し
てもよい。更にゼラチンのような崩壊され得る物質のカ
プセル剤としてもよい。速効性を必要とするときは、舌
下錠としてもよい。基剤としてはグリセリン、乳糖等を
用いればよい。
経口投与のための液体組成物としては、乳剤、液剤、懸
濁剤、シロップ剤、エリキシル剤等が例示される。一般
的に用いられる不活性な希釈剤、例えば精製水、エタノ
ール等を含んでいてもよい。この組成物は不活性な希釈
剤以外に湿潤剤、懸濁化剤のような補助剤、甘味剤、風
味剤、芳香剤、防腐剤を含有していてもよい。
経口投与のためのその他の組成物としては、1つまたは
それ以上の活性物質を含み、それ自体公知の方法により
処方されるスプレー剤が含まれる。
この発明による非経口投与のための注射剤としては無菌
の水性または非水性の液剤、懸濁剤、乳剤を包含する。
水性の溶剤、懸濁剤用媒体としては、例えば注射用蒸留
水、生理食塩水およびリンゲル液が含まれる。
非水性の液剤、懸濁剤用媒体としては、例えばプロピレ
ングリコール、ポリエチレングリコール、オリーブ油の
ような植物油、エタノールのようなアルコール類、ポリ
ソルベート等がある。このような組成物は、さらに防腐
剤、湿潤剤、乳化剤、分散剤のような補助剤を含んでい
てもよい。これらは例えばバクテリア保留フィルターを
通す濾過、殺菌剤の配合、ガス滅菌または放射線滅菌に
よって無菌化される。これらはまた無菌の固体組成物を
製造し、使用前に無菌水または無菌の注射用溶媒に溶解
して使用することもできる。
別の形態は坐薬または膣坐薬である。これらの坐薬はカ
カオ脂等の体温で軟化する基剤に有効成分を混合して作
ることができ、適当な軟化温度を有する非イオン界面活
性剤を用いて吸収性を向上させてもよい。
この発明の肺機能障害処置剤は、中毒性の頭痛、被刺激
性亢進、錯乱、目まい、視力障害、嘔気、失神、昏睡、
けいれん、呼吸低下、発汗過度、発熱、白血球増加、出
血傾向、アルブミン尿、振戦、睡気、低血圧等の処置に
利用される。
この発明はまた、処置すべき対象にこの発明の処置剤を
投与することからなる、肺機能障害処置法を提供するも
のである。
この発明はまた、処置すべき対象にこの発明の処置剤を
投与することからなる、肺による血液内酸素取込み障害
処置法を提供するものである。
[実施例] 以下、この発明を合成例、製剤例および試験例によりさ
らに詳細に説明するが、これらはこの発明を限定するも
のではない。
合成例1 16,16−ジフルオロ−13,14−ジヒドロ−15−ケト−PGE1
メチルエステル(12)の合成法 1−1) (1S,5R,6R,7R)−6−ヒドロキシメチル−
7−テトラヒドロピラニルオキシ−2−オキサビシクロ
[3.3.0]オクタン−3−オン(2)の合成 市販の(−)コーリーラクトン(1)(THP保護体)(3
7.9g)のテトラヒドロフラン溶液にフッ化テトラブチル
アンモニウムのテトラヒドロフラン溶液(1.0M、300m
l)を加え、室温で3時間撹拌した。
反応液を減圧下濃縮し、得られた残渣をカラムクロマト
グラフィーに供したところ、表題化合物(2)が得られ
た。
収量:21.70g(82.8%) 1−2) (1S,5R,6R,7R)−6−{(E)−4,4−ジフ
ルオロ−5−オキソ−2−オクテニル}−7−テトラヒ
ドロピラニルオキシ−2−オキサビシクロ[3.3.0]オ
クタン−3−オン(4)の合成 アルゴン雰囲気下、−78℃で、塩化オキザリルの塩化メ
チレン溶液(2.0M、45.5ml)を塩化メチレンに溶解し、
ジメチルスルホキシド(12.9ml)を滴下し、10分撹拌し
た。これに(1S,5R,6R,7R)−6−ヒドロキシメチル−
7−テトラヒドロピラニルオキシ−2−オキサビシクロ
[3.3.0]オクタン−3−オン(2)(11.65g)の塩化
メチレン溶液を滴下し、30分撹拌し、トリエチルアミン
(56ml)を滴下しさらに1時間撹拌した。反応液を常法
に従って処理し、粗生成物としてアルデヒド体(3)を
得た。
アルゴン雰囲気下、タリウムエトキシド(3.26ml)の塩
化メチレン溶液に3,3−ジフルオロ−2−オキソヘプチ
ルホスホン酸ジメチル(11.9g)を加え1時間撹拌し
た。0℃に冷却し、上で調製したアルデヒド(3)の塩
化メチレン溶液を加え、室温で14時間撹拌した。反応液
に酢酸、セライト、飽和ヨウ化カリウム水を加え、濾過
した。濾液を常法により処理し、得られた粗生成物をカ
ラムクロマトグラフィーに供したところ表題化合物
(4)が得られた。
収量:7.787g(44.3%) 1−2) (1S,5R,6R,7R)−6−(4,4−ジフルオロ−
5−オキソオクチル)−7−テトラヒドロピラニルオキ
シ−2−オキサビシクロ[3.3.0]オクタン−3−オン
(5)の合成 (1S,5R,6R,7R)−6−{(E)−4,4−ジフルオロ−5
−オキソ−2−オクテニル}−7−テトラヒドロピラニ
ルオキシ−2−オキサビシクロ[3.3.0]オクタン−3
−オン(4)(5.57g)の酢酸エチル溶液に、5%パラ
ジウム−炭素(触媒量)を加え、水素雰囲気下、室温で
7時間撹拌した。反応液を濾過し、濾液を減圧下濃縮
し、粗生成物として表題化合物(5)を得た。
収量:5.48g(97.8%) 1−3) (1S,5R,6R,7R)−6−{4,4−ジフルオロ−
5(RS)−ヒドロキシオクチル}−7−テトラヒドロピ
ラニルオキシ−2−オキサビシクロ[3.3.0]オクタン
−3−オン(6)の合成 (1S,5R,6R,7R)−6−(4,4−ジフルオロ−5−オキソ
オクチル)−7−テトラヒドロピラニルオキシ−2−オ
キサビシクロ[3.3.0]オクタン−3−オン(5)(5.4
8g)のメタノール溶液に、0℃で水素化ホウ素ナトリウ
ム(0.800g)を加え、10分撹拌した。反応物を常法によ
り処理し、得られた粗生成物をカラムクロマトグラフィ
ーに供したところ表題化合物(6)が得られた。
収量:5.46g(99.5%) 1−4) 16,16−ジフルオロ−13,14−ジヒドロ−11−
テトラヒドロピラニルオキシ−PGF2αメチルエステル
(9)の合成 アルゴン雰囲気下、(1S,5R,6R,7R)−6−{4,4−ジヒ
ドロ−5(RS)−ヒドロキシオクチル}−7−テトラヒ
ドロピラニルオキシ−2−オキサビシクル[3.3.0]オ
クタン−3−オン(6)(2.579g)のトルエン溶液を−
78℃に冷却し、ジイソブチルアルミニウムヒドリドのト
ルエン溶液(1.5M、9.6ml)を滴化し、30分撹拌した。
反応液にメタノール、飽和ロッシェル塩水溶液を加え、
常法により処理した。粗生成物として、ラクトール体
(7)を得た。
アルゴン雰囲気下、臭化4−カルボキシブチルトリフェ
ニルホスフィン(11.72g)のテトラヒドロフラン懸濁液
に、カリウムt−ブトキシドのテトラヒドロフラン溶液
(1.0M,52.84ml)を滴下し、20分撹拌した。この液を0
℃に冷却し、上で調製したラクトール体(7)のテトラ
ヒドロフラン溶液を加え、室温で15時間撹拌した。
反応液を常法により処理し、粗生成物としてカルボン酸
体(8)を得た。
アルゴン雰囲気下、カルボン酸体(8)のアセトニトリ
ル溶液に、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセ−7
−エン(DBU)(4.0ml)およびヨウ化メチル(1.7ml)
を加え、60℃で3時間撹拌した。常法の処理により得ら
れた粗生成物をカラムクロマトグラフィーに供したとこ
ろ、表題化合物(9)が得られた。
収量:2.737g(84.5%) 1−5) 16,16−ジフルオロ−13,14−ジヒドロ−15−
ケト−11−テトラヒドロピラニルオキシ−PGE2メチルエ
ステル(10)の合成 アルゴン雰囲気下、無水クロム酸(16.18g)、ビリジン
(26.2ml)から常法により調製したコリンズ試薬の塩化
メチレン溶液に、−20℃で、16,16−ジフルオロ−13,14
−ジヒドロ−11−テトラヒドロピラニルオキシ−PGF2α
メチルエステル(9)(2.646g)の塩化メチレン溶液を
加え、2時間撹拌した。−5℃に昇温してさらに9時間
撹拌した。反応液に、エーテル、硫酸水素ナトリウムを
加え、濾過した。濾液を減圧下濃縮し、カラムクロマト
グラフィーに供したところ、表題化合物(10)が得られ
た。
収量:1.890g(64.4%) 1−6) 16,16−ジフルオロ−13,14−ジヒドロ−15−
ケト−PGE2メチルエステル(11)の合成 16,16−ジフルオロ−13,14−ジヒドロ−15−ケト−11−
テトラヒドロピラニルオキシ−PGE2メチルエステル(1
0)(2.809g)を酢酸、水、テトラヒドロフランの3:1:1
混合溶媒に溶解し、60℃で5時間撹拌した。反応液を減
圧下濃縮し、カラムクロマトグラフィーに供したとこ
ろ、表題化合物(11)が得られた。
収量:1.755g(75.5%) 1−7) 16,16−ジフルオロ−13,14−ジヒドロ−15−
ケト−PGE1メチルエステル(11)の合成 16,16−ジフルオロ−13,14−ジヒドロ−15−ケト−PGE2
メチルエステル(11)(1.755g)の酢酸エチル溶液に5
%パラジウム−炭素(触媒量)を加え、水素雰囲気下、
室温で6時間撹拌した。反応液を濾過し、濾液を減圧下
濃縮し、カラムクロマトグラフィーに供したところ、表
題化合物(11)が得られた。
収量:1.655g(93.8%)1 H NMR(CDCl3)δ0.87(3H,t,J=7Hz)、1.15〜2.05
(23H,m)、2.11〜2.30(3H,m)、2.50(1H,dd,J=7.5
および17Hz)、3.10〜3.20(1H,br)、3.71(3H,s)、
4.05〜4.20(1H,m)。
Mass(DI−EI)m/z404(M )、 355(M −H2O−CH3O)、297(M−C5H9F2)。
合成例2 16,16−ジフルオロ−13,14−ジヒドロ−15−ケト−PGE1
(16)の合成 2−1) (15RS)−16,16−ジフルオロ−13,14−ジヒ
ドロ−11−テトラピラニルオキシ−PGF2α カルボン酸体(8)(2.33g)のジクロロメタン溶液(3
00ml)に、DBu(2.1ml)及び臭化ベンジル(2.2ml)を
加え、室温で1.5時間撹拌した。常法処理により得た粗
生成物をシリカゲルカラム精製し、ベンジルエステル
(13)を得た。
収量:2.522g(96.1%) 2−2) 16,16−ジフルオロ−13,14−ジヒドロ−15−
ケト−11−テトラピラニルオキシ−PGE2ベンジルエステ
ル(14) ジクロロメタン(300ml)中、無水クロム酸(13.5g)お
よびピリジン(21.8ml)を用い、コリンズ試薬を調整し
た。これヘセライト(40g)を加え、−20℃で上記ベン
ジルエステル(13)(2.550g)を酸化した。常法処理後
に得られた粗生成物をシリカゲル精製し、標記化合物
(14)を得た。
収量:1.911g(78.6%) 2−3) 16,16−ジフルオロ−13,14−ジヒドロ−15−
ケト−PGE2ベンジルエステル(15) PGE2ベンジルエステル(14)(1.550g)を、酢酸−THE
−水(3−1−1、50ml)に溶解し、50℃に4時間保っ
た。常法処理により得た粗生成物を、シリカゲルカラム
精製し、PGE2ベンジルエステル(15)を得た。
収量:1.255g(92.9%) 2−4) 16,16−ジフルオロ−13,14−ジヒドロ−15−
ケト−PGE1(16) PGE2ベンジルエステル(15)(0.844g)を、酢酸エチル
(30ml)中、5%パラジウム−炭素を用い接触還元し
た。カラム精製し、16,16−ジフルオロ−13,14−ジヒド
ロ−15−ケト−PGE1(16)を得た。
収量:0.404g1 H NMR(CDCl3)δ0.94(3H,t,J=7.5Hz)、1.20〜2.70
(26H,m)、4.19(1H,m)、4.80(2H,br)。
Mass(DI−EI)m/z 390(M+)、 372(M+−H2O)、354(M+−2H2O)。
経路を下記反応式に示す。
・13,14−ジヒドロ−15−ケト−16,16−ジフルオロ−PG
E2 1 H NMR(CDCl3)δ0.93(3H,t,J=7.5Hz)、1.20−2.70
(24H,m)、4.20(1H,m)、5.40(2H,m)。
Mass(DI−EI)m/z 388(M+)、 370(M+−H2O)、352(M+−2H2O)。
・13,14−ジヒドロ−15−ケト−16,16−ジフルオロ−19
−デスメチル−PGE2 1 H NMR(CDCl3)δ0.98(3H,t,J=7.5Hz)、1.40−2.70
(22H,m)、4.20(1H,m)、5.40(m,2H) Mass(DI−EI)m/z 374(M+)、 356(M+−H2O)、338(M+−2H2O) ・13,14−ジヒドロ−15−ケト−16,16−ジフルオロ−20
−メチル−PGE2 1 H NMR(CDCl3)δ0.90(3H,t,J=7.5Hz)、1.20−2.70
(26H,m)、4.20(1H,m)、5.41(2H,m)。
Mass(DI−EI)m/z 402(M+)、 384(M+−H2O)、366(M+−2H2O)。
・13,14−ジヒドロ−15−ケト−16,16−ジフルオロ−11
−デヒドロキシ−11−メチル−PGE2メチルエステル1 H NMR(CDCl3)δ0.93(3H,t,J=7.5Hz)、1.14(3H,
d,J=6Hz)、1.25−2.80(22H,m)、3.68(3H,s)、5.3
8(2H,m)。
Mass(DI−EI)m/z 400(M+)、 369(M+−CH3O)。
・13,14−ジヒドロ−15−ケト−16,16−ジフルオロ−PG
E2イソプロピルエステル1 H NMR(CDCl3)δ0.93(3H,t,J=7.5Hz)、1.23(6H,
d,J=7.5Hz)、1.30−2.70(m,2H)、2.78(1H,)、5.0
0(1H,ht,J=7.5Hz)、5.38(2H,m)。
Mass(DI−EI)m/z 430(M+)、 412(M+−H2O)。1 H NMR:日立製作所 R−90H 溶媒 重クロロホルム Mass:日立製作所 M−80B EI法:イオン化電圧 70eV 製剤例1(注射用粉末) (重量部) 13,14−ジヒドロ−15−ケト−16,16−ジフ ルオロPGE1 1 マンニトール 5 滅菌水 0.4 上記成分を混合し、撹拌し、滅菌し、ろ過してから凍結
乾燥して注射用粉末を得た。
製剤例2(注射用粉末) (重量部) 13,14−ジヒドロ−15−ケト−16,16−ジフ ルオロPGE1メチルエステル 0.2 非イオン性界面活性剤 2 注射用滅菌水 98 上記成分を混合してから滅菌して注射可能な溶液を得
た。
製剤例3 メタノール(10ml)に13,14−ジヒドロ−15−ケト−16,
16−ジフルオロ−20−メチル−PGE2(50ml)を溶解し、
さらに生成溶液をマンニトール(18.5g)と混合した。
混合物をふるい(孔径:30mm)に掛け、30℃で90分間乾
燥させてから再度ふるいに掛けた。生成粉末を微粒子シ
リカゲル(アエロシル、200g)と混合し、混合物を3番
硬ゼラチンカプセル(100)に充填した。カプセルは、
1カプセル当たり0.5mgの13,14−ジヒドロ−15−ケト−
16,16−ジフルオロ−20−メチル−PGE2を含有する腸溶
性カプセルである。
製剤例4(経口投与用粉末) (重量部) 13,14−ジヒドロ−6,15−ジケト−16,16 −ジフルオロ−PGE1メチルエステル 5 軽質無水けい酸 5 アビセル 20 乳糖 70 上記成分を混合して、経口投与用粉末を得た。
製剤例5(ゼラチン軟カプセル) (重量部) 13,14−ジヒドロ−6,15−ジケト−5,5−ジ フルオロ−PGE1メチルエステル 1 軽質無水ケイ酸 899 パナセート(panasate) 20 上記成分を混合して、ゼラチン軟カプセルに充填した。
製剤例6(腸溶性カプセル) メタノール(10ml)に16−デスブチル−13,14−ジヒド
ロ−15−ケト−16−(m−トリフルオロメチル)フェノ
キシ−PGF2α(50mg)を溶解し、さらに生成溶液をマン
ニトール(18.5g)と混合した。混合物をふるい(孔径:
30mm)に掛け、30℃で90分間乾燥させてから再度ふるい
に掛けた。生成粉末を微粒子シリカゲル(アエロシル、
200g)と混合し、混合物を3番硬ゼラチンカプセル(10
0)に充填した。カプセルは、1カプセル当たり0.5mgの
13,14−ジヒドロ−15−ケト−16−デスブチル−16−m
−トリフルオロメチルフェノキイ−PGF2αを含有する腸
溶性カプセルである。
製剤例7(注射溶粉末) (重量部) 13,14−ジヒドロ−15−ケト−16−デスブ チル−16−m−トリフルオロメチル−フェ ノキシ−PGF2α 1 ツイン80 0.1 マンニトール 5 滅菌水 0.4 上記成分を混合し、撹拌し、滅菌し、濾過してから凍結
乾燥して注射用粉末を得た。
製剤例8(注射用溶液) (重量部) 13,14−ジヒドロ−6,15−ジケト−5R,S− フルオロ−PGE1 0.2 非イオン性界面活性剤 2 注射用滅菌水 98 上記成分を混合してから凍結乾燥して注射可能な溶液を
得た。
製剤例9(経口投与用粉末) (重量部) 13,14−ジヒドロ−15−ケト−16−デスブ チル−16−m−トリフルオロ−メチルフェ ノキシ−PGF2α 5 軽質無水けい酸 5 アビセル 20 乳糖 70 上記成分を混合して、経口投与用粉末を得た。
製剤例10(ゼラチン軟カプセル) (重量部) 13,14−ジヒドロ−15−ケト−16−デスブ チル−16−m−トリフルオロメチルフェ ノキシ−PGE2 1 軟質無水けい酸 899 パナセート(Panasate) 20 上記成分を混合して、ゼラチン軟カプセルに充填した。
上記製剤例において、活性成分は、この発明で使用する
範囲の任意の他の化合物に置き換え得る。
試験例1 供試動物としてSlc−ddY系雄性マウス(5週齢、体重27
〜30g)10〜12/群を用いた。
皮下投与のため、試験化合物を10ml/kg体重宛て投薬で
きるようにリンゲル液に溶解した。経口投与の場合は、
試験化合物を20ml/kg体重宛て投薬できるように蒸留水
に溶解した。
マウスを体重毎に層別に分け、各群の平均が等しくなる
ように1群12匹ずつにわけた。
10ml/kg体重宛て投薬できるようにリンゲル液で調製し
た試験化合物溶液を投薬した。
投薬の5分後に、KCN4mg/kg静脈内投与し、心拍を指標
として生存時間を測定した。
結果を第1表に示す。
試験例2 供試動物としてCrj:ウイスター(Wister)系雄性ラット
(7週齢、体重200−250g)5/群を用いた。
皮下投与のため、試験化合物を5ml/kg体重宛て投与でき
るように生理食塩水に溶解した。
試験化合物溶液を背部より皮下投与した。
投与の30分後に硫酸アンモニウム[(NH42SO4]600ml
/kgを腹腔内投与し、(NH42SO4投与後30分における生
存率を求めた。結果を第2表に示す。
なお、対象は生理食塩水のみを投与した。この場合(NH
42SO4投与後10分前後で呼吸困難に起因する強直性け
いれんが発現し、投与後30分までに全例死亡した。
試験例3 試験化合物を代えた以外は、試験例2と同様に試験し
た。結果を第3、4表に示す。
試験例4 供試動物としてCrj:ウイスター(Wister)系雄性ラット
(7週齢、体重200−250g)5匹/群を用いた。
皮下投与のため、試験化合物を5ml/kg宛投与できるよう
に生理食塩水に溶解した。試験化合物溶液は、背部より
皮下投与した。
投与の30分後に硫酸アンモニウム[(NH42SO4]600mg
/kgを腹腔内投与した。硫酸アンモニウム投与後30分ま
で生存したラットは、クロロホルム下して致死させ、肺
を摘出し重量を測定した。硫酸アンモニウム投与後30分
までに斃死したラットは斃死後速やかに肺を摘出し重量
を測定した。対照として生理食塩水のみを投与したラッ
トについても、同様に肺を摘出し重量測定した。
測定した肺重量の結果から、対照の肺重量増加に対比し
て、試験化合物投与による肺重量増加抑制率を求めた。
結果を第5−13表に示す。
試験化合物 1:前記に同じ 2:前記に同じ 3:前記に同じ 4:13,14−ジヒドロ−15−ケト−16,16−ジフルオロ−PG
E1メチルエステル 5:13,14−ジヒドロ−15−ケト−16,16−ジフルオロ−19
−デスメチル−PGE2 6:13,14−ジヒドロ−15−ケト−16,16−ジフルオロ−20
−メチル−PGE2 7:13,14−ジヒドロ−15−ケト−16,16−ジフルオロ−11
−デヒドロキシ−11−メチル−PGE2メチルエステル 8:13,14−ジヒドロ−6,15−ジケト−5,5−ジフルオロ−
PGE1メチルエステル 9:13,14−ジヒドロ−15−ケト−5,5−ジフルオロ−PGF2
αメチルエステル

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】5位または16位にハロゲン原子を有する15
    −ケト−プロスタグランジン化合物を有効成分とする、
    ガス交換機能不全処置剤。
  2. 【請求項2】15−ケト−プロスタグランジン化合物が、
    13,14−ジヒドロ−15−ケト−プロスタグランジン化合
    物である、請求項1記載の剤。
  3. 【請求項3】15−ケト−プロスタグランジン化合物が、
    16−モノまたはジハロ−15−ケト−プロスタグランジン
    化合物である、請求項1記載の剤。
  4. 【請求項4】15−ケト−プロスタグランジン化合物が、
    13,14−ジヒドロ−16−モノまたはジフルオロ−15−ケ
    ト−プロスタグランジン化合物である、請求項1記載の
    剤。
  5. 【請求項5】15−ケト−プロスタグランジン化合物が、
    13,14−ジヒドロ−16−モノまたはジハロ−15−ケト−
    プロスタグランジン化合物である、請求項1記載の剤。
  6. 【請求項6】15−ケト−プロスタグランジン化合物が、
    5−モノまたはジハロ−15−ケト−プロスタグランジン
    化合物である、請求項1記載の剤。
  7. 【請求項7】15−ケト−プロスタグランジン化合物が、
    13,14−ジヒドロ−5−モノまたはジハロ−15ケト−プ
    ロスタグランジン化合物である、請求項1記載の剤。
  8. 【請求項8】15−ケト−プロスタグランジン化合物が、
    13,14−ジヒドロ−5−モノまたはジ−フルオロ−15−
    ケト−プロスタグランジン化合物である、請求項1記載
    の剤。
  9. 【請求項9】処置が肺水腫を対象とするものである、請
    求項1記載の剤。
  10. 【請求項10】15−ケト−プロスタグランジン化合物
    が、13,14−ジヒドロ−15−ケト−16,16−ジフルオロ−
    プロスタグランジンE類である請求項1記載の剤。
  11. 【請求項11】15−ケト−プロスタグランジン化合物
    が、13,14−ジヒドロ−15−ケト−16,16−ジフルオロプ
    ロスタグランジンEまたはその塩あるいはエステルであ
    る請求項1記載の剤。
  12. 【請求項12】15−ケト−プロスタグランジン化合物
    が、13,14−ジヒドロ−6,15−ジケト−5,5−ジフルオロ
    −プロスタグランジンE類である請求項1記載の剤。
  13. 【請求項13】15−ケト−プロスタグランジン化合物
    が、13,14−ジヒドロ−6,15−ジケト−5,5−ジフルオロ
    −プロスタグランジンEまたはその塩あるいはエステル
    である請求項1記載の剤。
  14. 【請求項14】15−ケト−プロスタグランジン化合物
    が、13,14−ジヒドロ−15ケト−5,5−ジフルオロ−プロ
    スタグランジンF類である請求項1記載の剤。
  15. 【請求項15】15−ケト−プロスタグランジン化合物
    が、13,14−ジヒドロ−15−ケト−5,5−ジフルオロ−プ
    ロスタグランジンFまたはその塩あるいはエステルであ
    る請求項1記載の剤。
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