JP2562239C - - Google Patents

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JP2562239C
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【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】 この発明は、15−ケト−プロスタグランジン化合物の抗炎症処置における新
用途に関するものである。 【0002】 【従来の技術】 プロスタグランジン類(以後プロスタグランジンはPGとして示す)はひとおよ
び他の哺乳類の組織または器官に含有され、広範囲の生理学的活性を示す有機カ
ルボン酸の1群である。天然に存在するPG類は一般的な構造特性として、プロ スタン酸骨格を有する。 【化1】一方幾つかの合成類似体は修飾された骨格を持っている。天然PG類は5員環の
構造特性によって、PGA類、PGB類、PGC類、PGD類、PGE類、PG
F類、PGG類、PGH類、PGI類およびPGJ類に分類され、さらに鎖部分
の不飽和の数と位置によって、 下付1...13,14−不飽和−15−OH 下付2...5,6−13,14−ジ不飽和−15−OH 下付3...5,6−、13,14−、17,18−トリ不飽和− 15−OH として、分類される。 さらに、PGF類は9位の水酸基の配置によってα(水酸基がアルファー配置
である)およびβ(水酸基がベータ配置である)に分類される。 【0003】 PGE1、PGE2およびPGE3は血管拡張、血圧降下、胃液分泌減少、腸管
運動亢進、子宮収縮、利尿、気管支拡張および抗潰瘍活性をもつことが知られて
いる。また、PGF1α、PGF2αおよびPGF3αは血圧上昇、血管収縮、腸
管運動亢進性、子宮収縮、黄体退行および気管収縮活性を有することが知られて
いる。 また、幾つかの15−ケト(すなわち、水酸基の代わりに15位にオキソ基を
持つ)PG類および13,14−ジヒドロ−15−ケト−PGは、天然PGの代謝
中に酵素の作用によって自然に産生される物質として知られている[アクタ・フ
ィジオロジカ・スカンジナビカ(Acta Physiologica Scandinavica)、66巻、5
0 9頁、1966年]。さらに、15ーケト−PGF2αは抗妊娠活性を持つことも
報告されている。 また、15−ケト−PGE類は下剤として使用し得ることが、ヨーロッパ特許
出願公開第0310305号に記載されている。しかしながら、15−ケト−P
G類が炎症に有効であることは知られていない。 【0004】 【発明の構成】 この発明者は、15−ケト−PG化合物の生物活性について研究の結果、これ
らを抗炎症剤として使用し得ることを見出してこの発明を完成したのである。 すなわち、この発明は、20位がメチルまたはエチル基で置換されていてもよ
い15−ケトプロスタグランジンEまたはF化合物(但し、13位と14位の間
が3重結合である化合物、15−ケトプロスタグランジンE1、13,14−ジ
ヒドロ−15−ケトプロスタグランジンFおよび13,14−ジヒドロ−15
−ケトプロスタグランジンE1を除く)を有効成分とする、膵炎を除く炎症を処置
するための剤を提供するものである。 炎症とは、有害刺激に対する生体組織の防衛反応であり、その徴候は、紅潮、
熱、疼痛、腫脹、機能障害である。本発明は、15−ケト−プロスタグランジン
化合物が炎症を抑制しうることに基づくものである。 「15−ケト−プロスタグランジン化合物」は、以下15−ケト−PG化合物と
略称するが、いずれも13および14位の間の2重結合の存在または不存在に関
係なくプロスタン酸骨格の15位に水酸基の代わりにオキソ基を持つあらゆるプ
ロスタグランジン誘導体を含む。 【0005】 この発明の15−ケト−PG化合物類の命名に際しては式(A)に示したプロス
タン酸の番号を用いる。 前記式(A)はC−20の基本骨格のものであるが、本発明では炭素数がこれに
よって限定されるものではない。即ち、基本骨格を構成する炭素の番号はカルボ
ン酸を1とし5員環に向って順に2〜7までをα鎖上の炭素に、8〜12までを 5員環の炭素に、13〜20までをω鎖上に付しているが、炭素数がα鎖上で減
少する場合、2位から順次番号を抹消し、α鎖上で増加する場合2位にカルボキ
シル基(1位)に代わる置換基がついたものとして命名する。同様に、炭素数がω
鎖上で減少する場合、20位から炭素の番号を順次減じ、ω鎖上で増加する場合
、21番目以後の炭素原子は置換基として命名する。また、立体配置に関しては
、特にことわりのないかぎり、上記基本骨格の有する立体配置に従うものとする
。 従って、ω鎖に10個の炭素原子を有する15−ケト−PG化合物を15−ケ
ト−20−エチル−PG類と命名する。 上記式は最も典型的な配位である特定配置を示すが、この明細書において、特
にことわらない限り化合物は上記の配置を有するものとする。 PGD類、PGE類またはPGF類とは、一般にプロスタン酸の9位および/
または11位に水酸基を持つ化合物を指すが、この発明の15−ケト−プロスタ
グランジン化合物は9位および/または11位に他の基を有する化合物類まで拡
張して包含する。上記化合物類は9−デヒドロキシ−9−置換あるいは11−デ
ヒドロキシ−11−置換化合物類と称する。 【0006】 前述のように、本明細書では15−ケト−PG化合物の命名はプロスタン酸骨
格に基づいて行う。これをIUPACに基づいて命名すると、例えば13,14
−ジヒドロ−15−ケト−16R,S−フルオロ−PGE2は(Z)−7−{(1R,
2R,3R)−3−ヒドロキシ−2−[(4R,S)−フルオロ−3−オキソ−1−オ
クチル]−5−オキソ−シクロペンチル}−ヘプト−5−エン酸;13,14−ジヒ
ドロ−15−ケト−20−エチル−11−デヒドロキシ11R−メチル−PGE
2メチルエステルはメチル 7−{(1R,2S,3S)−3−メチル−2−[3−オ
キソ−1−デシル]−5−オキソシクロペンチル}−ヘプト−5−エノエート;1
3,14−ジヒドロ−6,15−ジケト−19−メチル−PGE2エチルエステル
はエチル 7−{(1R,2S,3S)−3−ヒドロキシ−2−(7−メチル−3−オ
キソ−1−オクチル)−5−オキソ−シクロペンチル}−6−オキソヘプタノエー
トである。13,14−ジヒドロ−15−ケト−20−エチル−PGF2αイソプ ロピルエステルはイソプロピル(Z)−7−[(1R,2R,3R,5S)−3,5−ジ
ヒドロ−2−{3−オキソ−1−デシル}シクロペンチル]−ヘプト−5−エノエ
ートであり;13,14−ジヒドロ−15−ケト−20−メチル−PGF2αメチ
ルエステルはメチル (Z)−7−[(1R,2R,3R,5S)−3,5−ジヒドロキ
シ−2−{3−オキソ−1−ノニル}−シクロペンチル}−ヘプト−5−エノエー
トである。 【0007】 本発明において用いられる15−ケト−PGEおよびF化合物類は15位に水
酸基の代わりにオキソ基を有し、13位と14位の間が三重結合でない、PGE
およびFの誘導体類であり得、13位と14位の間に1つの二重結合(15−ケ
ト−PGタイプ1化合物類)、13位と14位および5位と6位の間にそれぞれ
二重結合(15−ケト−PGタイプ2化合物)、または13位と14位、5位と6
位および17位と18位の間にそれぞれ二重結合(15−ケト−PGタイプ3化
合物)を有し得る。 本発明に用い得る代表的な例は、15−ケト−PGEおよびFタイプ1、15
−ケト−PGEおよびFタイプ2、15−ケト−PGEおよびFタイプ3、13
,14−ジヒドロ−15−ケト−PGEおよびFタイプ1、13,14−ジヒドロ
−15−ケト−PGEおよびFタイプ2、13,14−ジヒドロ−15−ケト−
PGEおよびFタイプ3等およびそれらの誘導体である(ただし、15−ケト−
PGE1、13,14−ジヒドロ−15−ケト−PGFおよび13,14−ジ
ヒドロ−15−ケト−PGE1自体を除く)。 【0008】 置換体または誘導体の例は、上記15−ケト−PG類のα鎖末端のカルボキシ
ル基がエステル化された化合物、生理学的に許容し得る塩、2−3位の炭素結合
が2重結合あるいは5−6位の炭素結合が3重結合を有する化合物、3位、5位
、6位、16位、17位、19位および/または20位の炭素に置換基を有する
化合物、11位の水酸基の代りに低級アルキル基またはヒドロキシ(低級)アルキ
ル基を有する化合物等である。 この発明において3位、17位および/または19位の炭素原子に結合する置
換基としては、例えば炭素数1〜4のアルキル基があげられ、特にメチル基、エ
チル基があげられる。16位の炭素原子に結合する置換基としては、例えばメチ
ル基、エチル基などの低級アルキル基、水酸基あるいは塩素、ふっ素などのハロ
ゲン原子、トリフルオロメチルフェノキシ等のアリールオキシ基があげられる。
17位の炭素原子の置換基としては、塩素、ふっ素等のハロゲンが挙げられる。
20位の炭素原子に結合する置換基としては、C1-4アルキルのような飽和また
は不飽和の低級アルキル基、C1-4アルキルのような低級アルコキシ基、C1-4
ルコキシ−C1-4アルキルのような低級アルコキシアルキルを含む。5位の炭素
原子の置換基としては、塩素、ふっ素などのハロゲンを含む。6位の炭素原子の
置換基としては、カルボニル基を形成するオキソ基を含む。9位および11位の
炭素原子にヒドロキシ基、低級アルキルまたは低級(ヒドロキシ)アルキル置換基
を有する場合のこれらの基の立体配置はα,βまたはそれらの混合物であっても
かまわない。 さらに、上記誘導体は、ω鎖が天然のPG類より短い化合物のω鎖末端にアル
コキシ基、フェノキシ基、フェニル基等の置換基を有するものであってもよい。 特に好ましい化合物は、16位の炭素に例えばメチル基、エチル基などの低級
アルキル基を有する化合物、塩素、ふっ素などのハロゲン原子を有する化合物、
17位の炭素に塩素、ふっ素などのハロゲンを有する化合物、19位の炭素に例
えばメチル基、エチル基などの低級アルキル基を有する化合物、5位の炭素に塩
素、ふっ素などのハロゲンを有する化合物、6位の炭素にオキソ基を有する化合
物、20位の炭素に例えばメチル基、エチル基などの低級アルキル基を有する化
合物であり、また、16位の炭素以後のアルキル鎖の代わりにハロゲン原子また
はハロゲン化アルキル基等の置換基を有することもあるフェニル基あるいはフェ
ノキシ基が16位の炭素原子に結合した化合物である。 【0009】 この発明に使用される好ましい化合物は式(I) 【化2】[式中、Xはヒドロキシル基およびYはヒドロキシル基またはオキソ基であり、
5員環は少なくとも1つの2重結合を有していてもよい、 Zは水素またはハロゲン、 Aは−CH2OH、−COCH2OH、−COOHまたはその官能性誘導体、 Bは−CH2−CH2−、−CH=CH−、 R1は非置換またはハロゲン、オキソもしくはアリールで置換された、二価の飽
和または不飽和、低〜中級脂肪族炭化水素残基、 R2は非置換またはオキソ、ヒドロキシ、ハロゲン、低級アルコキシ、低級アル
カノイルオキシ、低級シクロアルキル、アリールまたはアリールオキシで置換さ
れた、飽和または不飽和、低〜中級脂肪族炭化水素残基である] を有する。 【0010】 上記化合物のうち好ましい化合物の一群としては一般式(II) 【化3】 [式中、Q1はハロゲン、Q2は水素またはハロゲン、Eは−CH2−CH2−また は−CH=CH−、Raは水素または低級アルキル基、Rbは単結合または低級ア
ルキレン基、Rcは非置換もしくはハロゲン置換低級アルキル基、非置換もしく
は低級アルキル置換低級シクロアルキル基、非置換またはハロゲンもしくはハロ
低級アルキルで置換された単環性アリール基、非置換またはハロゲンもしくはハ
ロ低級アルキルで置換された単環性アリールオキシ基を意味する] で示される化合物またはRaが水素の場合その塩類である。 【0011】 上記式の化合物のうち好ましい化合物の一群としては一般式(III) 【化4】 [式中、Lはヒドロキシル基およびMはヒドロキシル基またはオキソ基であり、
5員環は少なくとも1つの2重結合を有してしてもよい、 Q1'およびQ'2は水素、ハロゲンまたは低級アルキル、 Dは−CH2−CH2−、−CH=CH−、−C≡C−または−CO−CH2−、 Eは−CH2−CH2−または−CH=CH−、 Wは−CH2−CH2−CH2−、−CH=CH−CH2−または−CH2CH=C
H−、Ra'は水素原子、低級アルキル基、低級シクロアルキル基、単環性アリ
ール基、単環性アリール低級アルキル基または単環性アロイル低級アルキル基、
Rb'は単結合または低級アルキレン基、 Rc'は非置換もしくはハロゲン置換低級アルキル基、非置換もしくは低級アル
キル置換低級シクロアルキル基、非置換またはハロゲンもしくはハロ低級アルキ
ルで置換された単環性アリール基、非置換またはハロゲンもしくはハロ低級アル
キルで置換された単環性アリールオキシ基を意味する] で示される化合物またはR1が水素の場合その塩類を提供するものである。 【0012】 上式中、R1およびR2における「不飽和]の語は、主鎖または側鎖の炭素原子間
の結合として、少なくとも1つまたはそれ以上の2重結合および/または3重結
合を孤立、分離または連続して含むことを意味する。通常の命名法に従って、連
続する2つの位置間の不飽和は若い方の位置番号を表示することにより示し、連
続しない2つの位置間の不飽和は両方の位置番号を表示して示す。好ましい不飽
和は、2位の2重結合および5位の2重結合または3重結合である。 【0013】 「低〜中級脂肪族炭化水素」の語は、炭素数1〜14の直鎖または分枝鎖[ただ
し、側鎖は炭素数1〜3のものが好ましい]を有する炭化水素を意味し、好まし
くはR1の場合炭素数2〜8の炭化水素であり、R2の場合炭素数6〜12の炭化
水素である。 「ハロゲン」の語は、ふっ素、塩素、臭素およびよう素を包含する。 「低級」の語は、特にことわりのない限り炭素原子数1〜6を有する基を包含す
るものである。 「低級アルキル」の語は、炭素原子数1〜6の直鎖または分枝鎖の飽和炭化水素
基、単環性アリール低級アルキル基、単環性アロイル低級アルキル基またはハロ
低級アルキル基を包含し、例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブ
チル、イソブチル、t−ブチル、ペンチルおよびヘキシルを含む。 「低級アルキレン基」の語は、上記のような低級アルキル基から水素を1個除い
て得られる基であり、例えばメチレン、エチレン、プロピレン、テトラメチレン
、2−メチルテトラメチレン、ペンタメチレン、ヘキサメチレン等を含む。 「低級アルコキシ」の語は、低級アルキルが上述と同意義である低級アルキル−
O−フェニルを意味する。 「ハロ低級アルキル基」の語は、少なくとも1個、好ましくは1−3個の上記の
ようなハロゲンを有する上記のような低級アルキル基を包含し、例えばクロロメ
チル、ブロモメチル、フルオロメチル、トリフルオロメチル、1,2−ジクロロ
エチル、1,2,2−トリクロロエチル、クロロプロピル、クロロブチル、クロロ ペンチル、クロロヘキシル等を含む。 「ヒドロキシ(低級)アルキル」の語は、少なくとも1つのヒドロキシ基で置換さ
れた上記のようなアルキルを意味し、例えばヒドロキシメチル、1−ヒドロキシ
エチル、2−ヒドロキシエチルおよび1−メチル−1−ヒドロキシエチルである
。 「低級アルカノイルオキシ」の語は、式RCO−O−(ここで、RCO−は上記
のような低級アルキルが酸化されて生じるアシル、例えばアセチル)で示される
基を意味する。 「低級シクロアルキル基」の語は、炭素原子3個以上を含む上記のような低級ア
ルキル基が閉環して生ずる基であり、例えばシクロプロピル、シクロブチル、シ
クロペンチル、シクロヘキシルを含む。 「アリール」の語は、置換されていてもよい芳香性炭素環または複素環基(好ま
しくは単環性の基)を包含し、例えばフェニル、トリル、キシリルおよびチエニ
ルを含む。置換基としては、ハロゲン、ハロゲン置換低級アルキル基(ここで、
ハロゲン原子および低級アルキル基は前記の意味)が含まれる。 「アリールオキシ」の語は、式ArO−(ここで、Arは上記のようなアリール基)
で示される基を意味する。 「単環性アリール基」の語は、低級アルキル置換基を有するか有しないフェニル
基を包含し、例えばフェニル、トリル、キシリル、クメニル等を含む。 「単環性アリール低級アルキル基」の語は、上記のような単環性アリール基と低
級アルキル基が結合して生ずる基であり、例えばベンジル、フェネチル、トリル
メチル等を含む。 「単環性アロイル低級アルキル基」の語は、低級アルキル置換基を有する有しな
いベンゾイル基のような単環性アロイル基が上記のような低級アルキル基と結合
して生ずる基であり、例えばフェナシル(ベンゾイルメチル)、トリルメチル、
キシリルメチル等を含む。 「単環性アリールオキシ基」の語は、上記のような単環性アリール基が酸素原子
(−O−)と結合して生ずる基であり、例えばフェノキシ、トリルオキシ、キシリ
ルオキシ、クメニルオキシ等を含む。 【0014】 Aで示されるカルボキシル基の「官能性誘導体」の語は、塩(好ましくは、医薬
上許容し得る塩)、エステルおよびアミド類を含む。 適当な「医薬上許容し得る塩」としては、慣用される非毒性塩を含み、無機塩基
との塩、例えばアルカリ金属塩(ナトリウム塩、カリウム塩等)、アルカリ土類金
属塩(カルシウム塩、マグネシウム塩等)、アンモニウム塩、有機塩基との塩、例
えばアミン塩(例えばメチルアミン、ジメチルアミン塩、シクロヘキシルアミン
塩、ベンジルアミン塩、ピペリジン塩、エチレンジアミン塩、エタノールアミン
塩、ジエタノールアミン塩、トリエタノールアミン塩、トリス(ヒドロキシメチ
ルアミノ)エタン塩、モノメチル−モノエタノールアミン塩、リジン塩、プロカ
イン塩、カフェイン塩等)、塩基性アミノ酸塩(例えばアルギニン塩、リジン塩等
)テトラアルキルアンモニウム塩等があげられる。これらの塩類は、例えば対応
する酸および塩基から常套の方法によってまたは塩交換によって製造し得る。 エステルの例としては、メチルエステル、エチルエステル、プロピルエステル
、イソプロピルエステル、ブチルエステル、イソブチルエステル、t−ブチルエ
ステル、ペンチルエステル、1−シクロプロピルエチルエステル等の低級アルキ
ルエステル、ビニルエステル、アリルエステル等の低級アルケニルエステル、エ
チニルエステル、プロピニルエステル等の低級アルキニルエステル、ヒドロキシ
エチルエステルのようなヒドロキシ(低級)アルキルエステル、メトキシメチルエ
ステル、1−メトキシエチルエステル等の低級アルコキシ(低級)アルキルエステ
ルのような脂肪族エステルおよび例えばフェニルエステル、トシルエステル、t
−ブチルフェニルエステル、サリチルエステル、3,4−ジメトキシフェニルエ
ステル、ベンズアミドフェニルエステル等の所望により置換されたアリールエス
テル、ベンジルエステル、トリチルエステル、ベンズヒドリルエステル等のアリ
ール(低級)アルキルエステルがあげられる。アミドとしては、メチルアミド、エ
チルアミド、ジメチルアミド等のモノもしくはジ低級アルキルアミド、アニリド
、トルイジド等のアリールアミド、メチルスルホニルアミド、エチルスルホニル
アミド、トリルスルホニルアミド等のアルキルもしくはアリールスルホニルアミ
ド 等があげられる。 好ましいA基の例は、−COOH、−COOCH3、−COOCH2CH3、−
COOCH(CH32、−CONHSO2CH3である。 【0015】 上記式(I)中、環、αおよび/またはω鎖の配置は、天然のプロスタグランジ
ン類の配置と同様かまたは異なっていてもよい。しかしながら、この発明は、天
然の配置を有する化合物および非天然の配置を有する化合物の混合物も包含する
。 この発明の典型的な化合物類の例は、15−ケト−PG類、13,14−ジヒ
ドロ−15−ケト−PG類および6−オキソ誘導体、△2−誘導体、3R,S−メ
チル誘導体、6−ケト誘導体、5R,S−フルオロ誘導体、5,5−ジフルオロ誘
導体、16R,S−メチル誘導体、16,16−ジメチル誘導体、16R,S−フ
ルオロ誘導体、16,16−ジフルオロ誘導体、17S−メチル誘導体、17R,
S−フルオロ誘導体、17,17−ジフルオロ誘導体、19−メチル誘導体、2
0−メチル誘導体、20−エチル誘導体、19−デスメチル誘導体、2−デカル
ボキシ−2−(2−カルボキシエチル)誘導体および16−デブチル−16−フ
ェノキシ誘導体である。 この発明で用いる15−ケト−PGE化合物において、13,14位が飽和し
ている場合に11位のヒドロキシと15位のケト間のヘミアセタール形成により
、ケト−ヘミアセタール平衡を生ずる場合がある。 このような互変異性体が存在する場合、両異性体の存在比率は他の部分の構造
または置換基の種類により変動し、場合によっては一方の異性体が圧倒的に存在
することもあるが、この発明においてはこれら両者を含むものとし、このような
異性体の存在の有無にかかわりなくケト型の構造式または命名法によって化合物
を表わすことがあるが、これは便宜上のものであってヘミアセタール型の化合物
を排除しようとするものではない。 この発明においては、個々の互変異性体、その混合物または光学異性体、その
混合物、ラセミ体、その他の立体異性体等の異性体も、同じ目的に使用すること
が可能である。 【0016】 この発明に使用する化合物のあるものは、特開昭64−52753号、特開平
1−104040号、特開平1−151519号、特願平3−29310号等に
記載の方法によって製造し得る。別法として、これらの化合物は、ここで記述し
たのと同様の方法または既知方法によって製造し得る。 【0017】 上記15−ケト−PG化合物は、抗炎症剤として有用である。 この発明で用いる化合物は動物およびヒト用の薬剤として使用することができ
、通常、全身的あるいは局所的に経口、静脈注射(点滴を含む)、皮下注射、直腸
内投与などの方法で使用される。投与量は動物またはひと等のような対象の種類
、年令、体重、処置されるべき症状、所望の治療効果、投与方法、処置期間等に
より変化するが、通常局所(眼)投与の場合0.01−100μg/眼の投与量
または1日2から4分割用量または持続形態で投与する場合0.001〜500m
g/kgの投与量で通常十分な効果がえられる。 【0018】 この発明による経口投与のための固体組成物としては、錠剤、トローチ、舌下
錠、カプセル、丸剤、散剤、顆粒剤等が含まれる。このような固体組成物におい
ては1つまたはそれ以上の活性物質が、少なくとも1つの不活性な希釈剤、例え
ば、乳糖、マンニトール、ぶどう糖、ヒドロキシプロピルセルロース、微晶性セ
ルロース、でんぷん、ポリビニルピロリドン、メタケイ酸アルミン酸マグネシウ
ムと混合される。組成物は常法に従って、不活性な希釈剤以外の添加剤、例えば
ステアリン酸マグネシウムのような滑沢剤や繊維素グルコン酸カルシウムのよう
な崩壊剤、α,βまたはγ−シクロデキストリン、ジメチル−α−、ジメチル−
β−、トリメチル−β−またはヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン等
のエーテル化シクロデキストリン、グリコシル−,マルトシル−シクロデキスト
リン等の分枝シクロデキストリン、ホルミル化シクロデキストリン、硫黄含有シ
クロデキストリン、ミソプロトール、りん脂質のような安定剤を含んでいてもよ
い。上記シクロデキストリン類を用いた場合はシクロデキストリン類と包接化合 物を形成して安定性が増大する場合がある。また、りん脂質を用いたリポソーム
化することにより安定性が増大する場合がある。錠剤または丸剤は必要により白
糖、ゼラチン、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセル
ロースフタレートなどの胃溶性あるいは腸溶性物質のフィルムで被覆してもよい
し、また、2以上の層で被覆してもよい。更にゼラチンのような崩壊され得る物
質のカプセル剤としてもよい。速効性を必要とするときは、舌下錠としてもよい
。基剤としてはグリセリン、乳糖等を用いればよい。経口投与のための液体組成
物としては、乳剤、液剤、懸濁剤、シロップ剤、エリキシル剤等が例示される。
一般的に用いられる不活性な希釈剤、例えば精製水、エタノール等を含んでいて
もよい。この組成物は不活性な希釈剤以外に湿潤剤、懸濁化剤のような補助剤、
甘味剤、風味剤、芳香剤、防腐剤を含有していてもよい。 【0019】 経口投与のためのその他の組成物としては、1つまたはそれ以上の活性物質を
含み、それ自体公知の方法により処方されるスプレー剤が含まれる。この発明に
よる非経口投与のための注射剤としては無菌の水性または非水性の液剤、懸濁剤
、乳剤を包含する。水性の液剤、懸濁剤用媒体としては、例えば注射用蒸留水、
生理食塩水およびリンゲル液が含まれる。 非水性の液剤、懸濁剤用媒体としては、例えばプロピレングリコール、ポリエ
チレングリコール、オリーブ油のような植物油、エタノールのようなアルコール
類、ポリソルベート等がある。このような組成物は、さらに防腐剤、湿潤剤、乳
化剤、分散剤のような補助剤を含んでいてもよい。これらは例えばバクテリア保
留フィルターを通す濾過、殺菌剤の配合、ガス滅菌または放射線滅菌によって無
菌化される。これらはまた無菌の固体組成物を製造し、使用前に無菌水または無
菌の注射用溶媒に溶解して使用することもできる。 別の形態は坐薬または腟坐薬である。これらの坐薬はカカオ脂等の体温で軟化
する基剤に有効成分を混合して作ることができ、適当な軟化温度を有する非イオ
ン界面活性剤を用いて吸収性を向上させてもよい。 【0020】 【実施例】 以下、この発明を合成例、製剤例および試験例によりさらに詳細に説明するが
、これらはこの発明を限定するものではない。 合成例1 16,16−ジフルオロ−13,14−ジヒドロ−15−ケト−PGE1メチル
エステル(12)の合成法 1−1)(1S,5R,6R,7R)−6−ヒドロキシメチル−7−テトラヒドロピ
ラニルオキシ−2−オキサビシクロ[3.3.0]オクタン−3−オン(2)の合成 市販の(−)コーリーラクトン(1)(THP保護体)(37.9g)のテトラヒドロ
フラン溶液にフッ化テトラブチルアンモニウムのテトラヒドロフラン溶液(1.0
M、300ml)を加え、室温で3時間攪拌した。 反応液を減圧下濃縮し、得られた残渣をカラムクロマトグラフィーに供したと
ころ、表題化合物(2)が得られた。 収量:21.70g(82.8%) 1−2)(1S,5R,6R,7R)−6−{(E)−4,4−ジフルオロ−5−オキソ
−2−オクテニル}−7−テトラヒドロピラニルオキシ−2−オキサビシクロ[3
.3.0]オクタン−3−オン(4)の合成 アルゴン雰囲気下、−78℃で、塩化オキザリルの塩化メチレン溶液(2.0M
、45.5ml)を塩化メチレンに溶解し、ジメチルスルホキシド(12.9ml)
を滴下し、10分攪拌した。これに(1S,5R,6R,7R)−6−ヒドロキシメ
チル−7−テトラヒドロピラニルオキシ−2−オキサビシクロ[3.3.0]オクタ
ン−3−オン(2)(11.65g)の塩化メチレン溶液を滴下し、30分攪拌し、
トリエチルアミン(56ml)を滴下しさらに1時間攪拌した。反応液を常法に従
って処理し、粗生成物としてアルデヒド体(3)を得た。 アルゴン雰囲気下、タリウムエトキシド(3.26ml)の塩化メチレン溶液に
3,3−ジフルオロ−2−オキソヘプチルホスホン酸ジメチル(11.9g)を加え
1時間攪拌した。0℃に冷却し、上で調製したアルデヒド(3)の塩化メチレン溶
液を加え、室温で14時間攪拌した。反応液に酢酸、セライト、飽和ヨウ化カリ ウム水を加え、濾過した。濾液を常法により処理し、得られた粗生成物をカラム
クロマトグラフィーに供したところ表題化合物(4)が得られた。 収量:7.787g(44.3%) 【0021】 1−3)(1S,5R,6R,7R)−6−(4,4−ジフルオロ−5−オキソオクチ
ル)−7−テトラヒドロピラニルオキシ−2−オキサビシクロ[3.3.0]オクタ
ン−3−オン(5)の合成 (1S,5R,6R,7R)−6−{(E)−4,4−ジフルオロ−5−オキソ−2−
オクテニル}−7−テトラヒドロピラニルオキシ−2−オキサビシクロ[3.3.0
]オクタン−3−オン(4)(5.57g)の酢酸エチル溶液に、5%パラジウム−炭
素(触媒量)を加え、水素雰囲気下、室温で7時間攪拌した。反応液を濾過し、濾
液を減圧下濃縮し、粗生成物として表題化合物(5)を得た。 収量:5.48g(97.8%) 1−4)(1S,5R,6R,7R)−6−{4,4−ジフルオロ−5(RS)−ヒドロ
キシオクチル}−7−テトラヒドロピラニルオキシ−2−オキサビシクロ[3.3.
0]オクタン−3−オン(6)の合成 (1S,5R,6R,7R)−6−(4,4−ジフルオロ−5−オキソオクチル)−7
−テトラヒドロピラニルオキシ−2−オキサビシクロ[3.3.0]オクタン−3−
オン(5)(5.48g)のメタノール溶液に、0℃で水素化ホウ素ナトリウム(0.
800g)を加え、10分攪拌した。反応物を常法により処理し、得られた粗生
成物をカラムクロマトグラフィーに供したところ表題化合物(6)が得られた。 収量:5.46g(99.5%) 【0022】 1−5)16,16−ジフルオロ−13,14−ジヒドロ−11−テトラヒドロピ
ラニルオキシ−PGF2αメチルエステル(9)の合成 アルゴン雰囲気下、(1S,5R,6R,7R)−6−{4,4−ジヒドロ−5(RS
)−ヒドロキシオクチル}−7−テトラヒドロピラニルオキシ−2−オキサビシク
ロ[3.3.0]オクタン−3−オン(6)(2.579g)のトルエン溶液を−78℃ に冷却し、ジイソブチルアルミニウムヒドリドのトルエン溶液(1.5M、9.6
ml)を滴下し、30分攪拌した。反応液にメタノール、飽和ロッシェル塩水溶
液を加え、常法により処理した。粗生成物として、ラクトール体(7)を得た。 アルゴン雰囲気下、臭化4−カルボキシブチルトリフェニルホスフィン(11.
72g)のテトラヒドロフラン懸濁液に、カリウムt−ブトキシドのテトラヒドロ
フラン溶液(1.0M,52.84ml)を滴下し、20分攪拌した。この液を0℃
に冷却し、上で調製したラクトール体(7)のテトラヒドロフラン溶液を加え、室
温で15時間攪拌した。 反応液を常法により処理し、粗生成物としてカルボン酸体(8)を得た。 アルゴン雰囲気下、カルボン酸体(8)のアセトニトリル溶液に、1,8−ジア
ザビシクロ[5.4.0]ウンデセ−7−エン(DBU)(4.0ml)およびヨウ化メ
チル(1.7ml)を加え、60℃で3時間攪拌した。常法の処理により得られた
粗生成物をカラムクロマトグラフィーに供したところ、表題化合物(9)が得られ
た。 収量:2.737g(84.5%) 1−6)16,16−ジフルオロ−13,14−ジヒドロ−15−ケト−11−テ
トラヒドロピラニルオキシ−PGE2メチルエステル(10)の合成 アルゴン雰囲気下、無水クロム酸(16.18g)、ビリジン(26.2ml)から
常法により調製したコリンズ試薬の塩化メチレン溶液に、−20℃で、16,1
6−ジフルオロ−13,14−ジヒドロ−11−テトラヒドロピラニルオキシ−
PGF2αメチルエステル(9)(2.646g)の塩化メチレン溶液を加え、2時間
攪拌した。−5℃に昇温してさらに9時間攪拌した。反応液に、エーテル、硫酸
水素ナトリウムを加え、濾過した。濾液を減圧下濃縮し、カラムクロマトグラフ
ィーに供したところ、表題化合物(10)が得られた。 収量:1.890g(64.4%) 【0023】 1−7)16,16−ジフルオロ−13,14−ジヒドロ−15−ケト−PGE2
メチルエステル(11)の合成 16,16−ジフルオロ−13,14−ジヒドロ−15−ケト−11−テトラヒ
ドロピラニルオキシ−PGE2メチルエステル(10)(2.809g)を酢酸、水、
テトラヒドロフランの3:1:1混合溶媒に溶解し、60℃で5時間攪拌した。反
応液を減圧下濃縮し、カラムクロマトグラフィーに供したところ、表題化合物(
11)が得られた。 収量:1.755g(75.5%) 1−8)16,16−ジフルオロ−13,14−ジヒドロ−15−ケト−PGE1
メチルエステル(11)の合成 16,16−ジフルオロ−13,14−ジヒドロ−15−ケト−PGE2メチル
エステル(11)(1.755g)の酢酸エチル溶液に5%パラジウム−炭素(触媒量
)を加え、水素雰囲気下、室温で6時間攪拌した。反応液を濾過し、濾液を減圧
下濃縮し、カラムクロマトグラフィーに供したところ、表題化合物(11)が得ら
れた。 収量:1.655g(93.8%)1 H NMR(CDCl3)δ0.87(3H,t,J=7Hz)、1.15〜2.05(23H
,m)、2.11〜2.30(3H,m)、2.50(1H,dd,J=7.5および17Hz)
、3.10〜3.20(1H,br)、3.71(3H,s)、4.05〜4.20(1H,m)
。 Mass(D1−E1)m/z404(M+)、355(M+−H2O−CH3O)、297(
+−C592)。 【0024】 合成例2 20−エチル−2−デカルボキシ−2−(2−カルボキシエチル)−13,1
4−ジヒドロ−15−ケト−PGF2αイソプロピルエステル[IUPAC名:(
Z)−9−(1R)−[(2R,3R,5S)−3,5−ジヒドロキシ−2−(3−オキ
ソデシル)シクロペンチル]−7−ノネン酸イソプロピルエステル](49)の製
造 2−1)(Z)−9−(1R)−[(2R,3R,5S)−2−(3,3−エチレンジオ
キシデシル)−5−ヒドロキシ−3−(テトラピラニルオキシ)シクロペンチル]
−7−ノネン酸(47) アルゴン雰囲気下、水素化ナトリウム(60%,0.422g)をヘキサンで洗浄
し、これにジメチルスルホキシド(DMSO、10ml)を加え60℃に3時間保っ
た。室温とした後、6−カルボキシヘキシルトリフェニルホスホニウムブロミド
(2.49g)を加え30分間撹拌した。(1S,5R,6R,7R)−6−(3−エ
チレンジオキシオクチル)−7−テトラヒドロピラニルオキシ−2−オキサビシ
クロ[3.3.0]オクタン−3−オン(13)のDMSO(11ml)溶液を加え、室
温で2時間、45℃で1時間撹拌後、氷水に注いだ。常法処理により、標題化合
物(47)を得た。 収量:1.68g 2−2)(Z)−9−(1R)−[(2R,3R,5S)−2−(3,3−エチレンジオ
キシデシル)−5−ヒドロキシ−3−(テトラピラニルオキシ)シクロペンチル]
−7−ノネン酸イソプロピルエステル(49) 化合物(47)(1.68g)をアセトニトリル(15ml)中、1,8−ジアザビシク
ロ[5.4.0]−7−ウンデセン(DBU、0.78ml)及びよう化イソプロピル(
0.35ml)とを用いて常法によりエステル化し、標題化合物(49)を得た。生成
物はシリカゲルカラムで精製した。 収量:0.908g(88%) 2−3)(Z)−9−(1R)−〔(2R,3R,5S)−3,5−ジヒドロキシ−2
−(3−オキソデシル)シクロペンチル〕−7−ノネン酸イソプロピルエステル(
49) 化合物(48)(0.305)gを、酢酸:THF:水(2:1:1)混合溶媒(6ml)に溶
解し、50℃に14時間保った。常法処理により得た粗生成物をシリカゲルカラ
ムで精製し標題化合物(49)を得た。 収量:0.213g(90%) 化合物(49)(Q1'=Q2'=H、Rb'−Rc'=ヘキシル、P3=イソプロピル) NMR(CDCl3)δ:0.85(t,3H,J=6.5Hz),1.20(d,6H,J=6
Hz),1.23〜2.65(m,34H),3.86(m,1H),4.16(m,1H),4.99(
Hept,1H,J=6Hz),5.39(m,2H) 【0025】 合成例3 20−エチル−2−デカルボキシ−2−(2−カルボキシエチル)−13,1
4−ジヒドロ−15−ケト−PGE2イソプロピルエステル[IUPAC名:(Z
)−9−(1R)−[(2R,3R)−3−ヒドロキシ−5−オキソ−2−(3−オキ
ソデシル)シクロペンチル]−7−ノネン酸イソプロピルエステル](51)の製
造 3−1)(Z)−9−(1R)−[(2R,3R)−2−(3,3−エチレンジオキシ
デシル)−5−オキソ−3−(テトラヒドロピラニルオキシ)シクロペンチル]−
7−ノネン酸イソプロピルエステル(50) ジクロロメタン(5ml)を−70℃に冷却し、これに2M塩化オギザリル(0.4
5ml)およびDMSO(0.13ml)を加え15分間撹拌した。これに(Z)−9−(
1R)[(2R,3R,5S)−2−(3,3−エチレンジオキシデシル)−5−ヒドロ
キシ−3−(テトラピラニルオキシ)シクロペンチル]−7−ノネン酸イソプロピ
ルエステル(15)(0.350g)のジクロロメタン(7ml)溶液を滴下した。これを
−55℃に昇温し15分間撹拌後、トリエチルアミン(0.25ml)を加え10℃
まで6時間で昇温した。常温処理して得た粗生成物を、シリカゲルカラムで精製
し、標題化合物(50)を得た。 収量:0.311g(89%) 3−2)(Z)−9−(1R)−[(2R,3R)−3−ヒドロキシ−5−オキソ−
2−(3−オキソデシル)シクロペンチル]−7−ノネン酸イソプロピルエステル
(51) 化合物(50)(0.311g)を酢酸 :THF:1K(2:1:1)混合溶媒(5ml)に
溶解し、50℃に3時間保った。常法処理して得た粗生成物をシリカゲルカラム
で精製し、標題化合物(51)を得た。 収量:0.156g(66%) 化合物(51)(Q1'=Q2'=H、Rb'−Rc'=ヘキシル、P3=イソプロピル) NMR(CDCl3)δ:0.86(t,3H,J=6.5Hz),1.20(d,6H,J=6
Hz),1.23〜2.75(m,33H),4.20(m,1H),4.99(Hept,1H,J= 6Hz),5.15〜5.50(m,2H) 【0026】 合成例4 2−デカルボキシ−2−(2−カルボキシエチル)−13,14−ジヒドロ−
16,16−ジフルオロ−15−ケト−PGE2[IUPAC名:(Z)−9−(1
R)−[(2R,3R)−2−(4,4−ジフルオロ−3−オキソオクチル)−3−ヒ
ドロキシ−5−オキソペンチル]−7−ノネン酸](62)の製造 原料化合物の製造 (6−カルボキシヘキシル)トリフェニルホスホニウムブロミド(e) 7−ブロモヘプタンニトリル(c)(10.0g)を40%臭化水素酸(80ml)に加
え、6時間加熱還流した。水で稀釈後、エーテルで抽出した。常法処理により得
た粗生成物をシリカゲルカラムで精製し、7−ブロモヘプタン酸(d)を得た。 収量:7.60g(69%) 7−ブロモヘプタン酸(d)(7.60g)とトリフェニルホスフィン(10.0g)と
から(6−カルボキシヘキシル)トリフェニルホスホニウムブロミド(e)を得た。 収量:16.0g(93%) 目的化合物の製造 4−1)(1S,5R,6R,7R)−6−(4,4−ジフルオロ−3−オキソオク
テニル)−7−(テトラヒドロピラニルオキシ)−2−オキサビシクロ[3,3,0
]オクタン−3−オン(55) 市販の(1S,5R,6R,7R)−6−(5−ブチルジメチルシリルオキシメチル
)−7−(テトラヒドロピラニルオキシ)−2−オキサビシクロ[3,3,0]オク
タン−3−オン(52)から得た(1S,5R,6R,7R)−6−ヒドロキシメチル
−7−(テトラヒドロピラニルオキシ)−2−オキサビシクロ[3,3,0]オクタ
ン−3−オン(53)(27.8g)を、ジクロルメタン(800ml)中、塩化オギザリ
ル(2.0M、109.3ml)DSMO(31.0ml)及びトリメチルアミン(150ml
)を用いてスワーン酸化し化合物(21)(P1=テトラヒドロピラニル)を得た。 上記化合物(54)をジメチル3,3−ジフルオロ−2−オキソヘプチルホスホ ネート(30.0g)と、タリウムメトキシド(8.23ml)の存在下ジクロルメタン
中で反応させた。常法処理後に得た粗生成物をシリカゲルカラムで精製し標題化
合物(55)を得た。 収量:24.4g(58%) 4−2)(1S,5R,6R,7R)−6−(4,4−ジフルオロ−3−オキソオク
チル)−7−テトラヒドロピラニルオキシ−2−オキサビシクロ[3,3,0]オ
クタン−3−オン(56) 上記化合物(55)(12.7g)を酢酸エチル(300ml)中、5%パラジウム−炭
素(触媒量)及び水素ガスを用いて接触還元し、標題化合物(56)を得た。 収量:(12.5g)(99%) 4−3)(1S,5R,6R,7R)−6−[4,4−ジフルオロ−3(R,S)−ヒ
ドロキシオクチル]−7−(テトラヒドロピラニルオキシ)−2−オキサビシクロ
[3,3,0]オクタン−3−オン(24) 上記化合物(56)(12.6g)をメタノール(400ml)中0℃において水素化ほ
う素ナトリウム(1.25g)で還元し、標題化合物(57)を得た。 収量:12.1g(95.5%) 4−4)(1S,5R,6R,7R)−6−[4,4−ジフルオロ−3(R,S)−ヒ
ドロキシオクチル]−7−(テトラヒドロピラニルオキシ)−2−オキサビシクロ
[3,3,0]オクタン−3(R,S)−オール(58) 上記化合物(57)(12.1g)をトルエン(500ml)中、−78℃において水素
化ジイソブチルアルミニウム(1.5M、65.1ml)で還元し、シリカゲルカラム
で精製して標題化合物(58)を得た。 収量:11.1g(91%) 4−5)(Z)−9−(1R)−{(2R,3R,5S)−2−[4,4−ジフルオロ−
(3RS)−ヒドロキシオクチル]−5−ヒドロキシ−3−(テトラヒドロピラニ
ルオキシ)シクロペンチル}−7−ノネン酸フェナシルエステル(60) 水素化ナトリウム(60%,1.63g)をペンタンで洗い、これにDMSO(40
ml)を加え65〜70℃に1.5時間保った。室温とし、カルボキシヘキシルホス ホニウムブロミド(e)(9.61g)を加えてイリドとした。これに上記化合
物(58)(2.00g)のDMSO(15ml)溶液を滴下し、1夜室温に放置した。
常法処理により標題化合物(59)を得た。 収量:3.18(粗生成物) 上記化合物(59)(0.795g)、フェナシルブロミド(1.01g)、及びジイソ
プロピルエチルアミン(0.89ml)をアセトニトリル(10ml)に溶解し、室温に
20分間、45℃に30分間保った。常法処理によりえた粗生成物をシリカゲル
カラムで精製し、標題化合物(60)を得た。 収量:0.604g 4−6)(Z)−9−(1R)−[(2R,3R)−2−(4,4−ジフルオロ−3−
オキソオクチル)−5−オキソ−3−(テトラヒドロピラニルオキシ)シクロペン
チル]−7−ノネン酸フェナシルエステル(51) 塩化オギザリル(0.52ml)のジクロロメタン溶液(30ml)を−78℃に冷却
し、これにDMSO(0.92ml)を滴下した。これに上記化合物(60)(0.60
9g)のジクロロメタン溶液(15ml)を加え、−30℃〜−20℃で1.5時間撹
拌した。トリエチルアミン(1.88ml)を加え30分間撹拌した。常法処理によ
り得られた粗生成物をシリカゲルカラムで精製して標題化合物(51)を得た。 収量:0.514g(85%) 4−7)(Z)−9−(1R)−[(2R,3R)−2−(4,4−ジフルオロ−3−
オキソオクチル)−3−ヒドロキシ−5−オキソシクロペンチル]−7−ノネン
酸フェナシルエステル(51) 上記化合物(51)(0.514g)を酢酸:水:THF(4:2:1)混合溶媒(30m
l)に溶かし、室温で一夜保った。シリカゲルカラムで精製し、標題化合物(Z)−
9−(1R)−[(2R,3R)−2−(4,4−ジフルオロ−3−オキソオクチル)−
3−ヒドロキシ−5−オキソシクロペンチル]−7−ノネン酸フェナシルエステ
ル(51)を得た。 収量:0.272g(61%) 化合物(51)(Q1'=Q2'=F、Rb'−Rc'=ブチル、P3=フェナシル) NMR(CDCl3)δ:0.92(t,3H,J=7.5Hz)、1.2−2.9(m,27
H)、4.18(m,1H)、5.4(m,2H)、7.4−8.0(m,5H) 4−8)(Z)−9−(1R)−[(2R,3R)−2−(4,4−ジフルオロ−3−
オキソオクチル)−3−ヒドロキシ−5−オキソ]−7−ノネン酸(62) 上記化合物(51)(0.272g)を酢酸(10ml)に溶解し、室温で亜鉛(3.5g)
を少量ずつ加え2.5時間撹拌した。常法処理により得られた粗生成物をシリカ
ゲルカラムで精製して標題化合物(62)を得た。 収量:0.177g(81%) 化合物(62)(Q1'=Q2'=F、Rb'−Rc'=ブチル) NMR(CDCl3)δ:0.93(t,3H,J=6.5Hz),1.15〜2.95(m,2
8H),4.19(m,1H),5.36(m,1H) 【0027】 合成例5 2−デカルボキシ−2−(2−カルボキシエチル)−13,14−ジヒドロ−
16,16−ジフルオロ−15−ケト−PGE1イソプロピル[IUPAC名:9
−(1R)−[(2R,3R)−2−(4,4−ジフロロ−3−オキソオクチル)−3−
ヒドロキシ−5−オキソシクロペンチル]−ノナン酸イソプロピルエステル](
65)の製造 5−1)(Z)−9−(1R)−{(2R,3R,5S)−2−[4,4−ジフルオロ(
3RS)−ヒドロキシオクチル]−5−ヒドロキシ−3−(テトラヒドロピラニル
オキシ)シクロペンチル}−7−ノネン酸イソプロピルエステル(60) 実施例3で得た化合物(59)(0.802g)、DBU(0.76ml)、及びよう化
イソプロピル(0.51ml)をアセトニトリル(15ml)に溶解し、50℃に1時間
保った。更に化合物(59)(0.492g)を同様にして反応させ、標題化合物(6
0)を得た。 収量:0.315g(両反応合わせて) 5−2)9−(1R)−{(2R,3R)−2−[4,4−ジフルオロ−(3RS)−
ヒドロキシオクチル]−5−ヒドロキシ−3−(テトラヒドロピラニルオキシ)シ クロペンチル}−ノナン酸イソプロピルエステル(63) 上記化合物(60)(0.315g)をエタノール(20ml)中、パラジウム−炭素(
5%)(0.08g)及び水素を用いて接触還元して標題化合物(63)を得た。 収量:0.301g(95%) 5−3)9−(1R)−[(2R,3R)−2−(4,4−ジフルオロ−3−オキソ
オクチル)−5−オキソ−3−(テトラヒドロピラニルオキシ)シクロペンチル]
−ノナン酸イソプロピルエステル(64) 塩化オギザリル(0.34ml)、DMSO(0.61ml)及びトリエチルアミン(1.
22ml)を用いジクロロメタン中で上記化合物(63)(0.301g)をスワーン酸
化し標題化合物(64)を得た。 収量:0.288g(96%) 4−4)9−(1R)−[(2R,3R)−2−(4,4−ジフルオロ−3−オキソ
オクチル)−3−ヒドロキシ−5−オキソシクロペンチル]−ノナン酸イソプロ
ピルエステル(65) 上記化合物(64)(0.288g)を酢酸 :水:THF(4:2:1)混合溶媒(30
ml)に溶解し、45℃に3.5時間保った。常法処理後に得た粗生成物をシリカゲ
ルカラムで精製して標題化合物(65)を得た。 収量:0.184g(76%) 化合物(65)(Q1'=Q2'=F、Rb'−Rc'=ブチル、P3=イソプロピル) NMR(CDCl3)δ:0.94(t,3H,J=6.5Hz),1.24(d,6H,J=6
Hz),1.27〜2.95(m,31H),4.19(m,1H),5.02(Hept,1H,J=
6Hz) 式(I)においてYが−CO−CH2−の化合物およびYが−C≡C−の化合
物は、次のようにして製造することができる。 【0028】 合成例6 2−デカルボキシ−2−(2−カルボキシエチル)−13,14−ジヒドロ−
6,15−ジケト−PGF1αイソプロピルエステルの製造 合成例2で得た化合物(48)を無水テトラヒドロフランと無水塩化メチレン
に溶解し、0℃で少過剰量のN−ブロモスクシンイミドを加え5分間撹拌する。
常法により後処理して得た粗生成物をカラムクロマトグラフィーで精製して化合
物(66)(Q1'=Q2'=H、Rb'−Rc'=ブチル、P1=テトラヒドロピラ
ニル、P2=エチレン、P3=イソプロピル)を得る。これを無水トルエンに溶解
し、DBUを加え40℃で一夜撹拌する。氷冷後、1N塩酸を加えて酸性にし、
10分間撹拌後酢酸エチルで抽出する。常法により後処理して得た粗生成物をカ
ラムクロマトグラフィーで精製して化合物(67)(記号の意味は前と同じ)を
得る。これを合成例2の工程2−3)と同様に脱保護して標題化合物を得る。 【0029】 合成例7 2−デカルボキシ−2−(2−カルボキシエチル)−5,6−デヒドロ−13,
14−ジヒドロ−15−ケト−PGE2メチルエステルの製造 8−メトキシ−3,3−エチレンジオキシ−1−ヨードオクタン(特開昭64
−52753号)のエーテル溶液に−78℃で第3級ブチルリチウムを30分間
で滴下し、3時間撹拌する。これに、−78℃に冷却したよう化第1銅およびト
リブチルホスフィンのエーテル溶液を一度に加え、20分間撹拌して錯体(a)
とする。さらに、4R−第3級ブチルジメチルシリルオキシ−2−シクロペンテ
ン−1−オン(68)のテトラヒドロフラン溶液を95分間で滴下し、15分間
撹拌後−30℃の冷却浴に移す。8−メトキシカルボニル−1−ヨードオクチン
(b)のHMPA溶液を加え、4.5時間撹拌する。さらに室温で12時間撹拌
後飽和塩化アンモニウム水溶液に注ぎ有機層を分取する。常法により後処理して
得た粗生成物をクロマトグラフィーで精製し、化合物(69)(Q1'=Q2'=H
、Rb'−Rc'=ブチル、P3=メチル、P5=第3級ブチルジメチルシリル)を
得る。これを常法により脱保護して標題化合物を得る。 【0030】 合成例8 2−デカルボキシ−2−(2−カルボキシエチル−13,14−ジヒドロ−1 6,16−ジフルオロ−15−ケト−PGF2αメチルエステル)[IUPAC名
:(Z)−9−(1R)−[(2R,3R,5S)−2−(4,4−ジフルオロ−3−オキ
ソオクチル)−3,5−ジヒドロキシシロクペンチル]−7−ノネン酸メチルエス
テル](77)の製造 8−1)(1S,5R,6R,7R)−6−[3(R,S)−t−ブチルジメチルシリル
オキシ−4,4−ジフルオロオクチル]−7−(テトラヒドロピラニルオキシ)−2
−オキサビシクロ[3.3.0]オクタン−3(R,S)−オール(71) 化合物(57)(Q1'=Q2'=F、P1=テトラヒドロピラニル、Rb'−Rc'
=ブチル)(1.26g)を、DMF(15ml)中、イミダゾール(2.63g)、及び
塩化t−ブチルジメチルシラン(2.91g)を用いシリルエーテル(37)とした。 収量:1.43g(88%) 得られたシリルエーテル(37)(1.43g)を、水素化ジイソブチルアルミニ
ウムを用い常法で還元し、標題化合物(38)とした。 収量:1.47g(100%) 8−2)(Z)−9−(1R)−{(2R,3R,5S)−2−[3(R,S)−t−ブチル
ジメチルシリルオキシ−4,4−ジフルオロオクチル]−5−ヒドロキシ−3−(
テトラヒドロピラニルオキシ)シロクペンチル}−7−ノネン酸メチルエステル(
73) 水素化ナトリウム(60%、0.934g)、DMSO(25ml)及び(6−カル
ボキシヘキシル)トリフェニルホスホニウムブロミド(5.50g)から、常法によ
りイリドを得た。これに上記化合物(71)のエーテル溶液(8ml)を加え2時間
室温で攪拌した。常法処理後に得たカルボン酸(72)をジアゾメタンで処理した
。シリカゲルカラムで精製し、標題化合物(73)を得た。 収量:0.43g(48%) 8−3)(Z)−9−(1R)−{(2R,3R,5S)−2−[3(R,S)−t−ブチル
ジメチルシリルオキシ−4,4−ジフルオロオクチル]−3,5−(ジテトラヒドロ
ピラニルオキシ)シクロペンチル}−7−ノネン酸メチルエステル(74) 上記化合物(73)(0.438g)をジクロルメタン(25ml)中過剰のジヒドロ ピラン及び触媒量のp−トルエンスルホン酸を用いてジテトラヒドロピラニルエ
ーテル化し、標題化合物(74)とした。シリカゲルカラムで精製した。 収量:0.494g(99%) 8−4)(Z)−9−(1R)−[(2R,3R,5S)−2−(t−ブチルジメチルシ
リルオキシ−3−オキソオクチル)−3,5−(ジテトラヒドロピラニルオキシ)シ
クロペンチル]−7−ノネン酸メチルエステル(76) 上記化合物(74)(0.494g)をTHF(10ml)に溶解し、3ふっ化テトラ
ブチルアンモニウム(1.0M、5.6ml)を加え、室温で一夜放置した。常法処
理後、シリカゲルカラムで精製し脱保護体(75)を得た。 収量:0.284g(68%) 得られた上記化合物(75)(0.284g)をジクロルメタン(10ml)中、塩化
オギザリル(0.165ml)、DMSO(0.3ml)を用いてスワン酸化した。シ
リカゲルカラム精製し標題化合物(76)を得た。 収量:0.251g(89%) 8−5)(Z)−9−(1R)−[(2R,3R,5S)−2−(4,4−ジフルオロ−
3−オキソオクチル)−3,5−ジヒドロキシシクロペンチル]−7−ノネン酸メ
チルエステル(77) 上記化合物(76)(0.251g)を酢酸−水−THF(4:2:1)混合溶媒(30
ml)に溶解し45〜50℃に3時間保った。常法処理して得た粗生成物をシリ
カゲルカラムで精製し、標題化合物(77)を得た。 収量:0.137g(76%) 化合物(77)(Q1'=Q2'=F、Rb'−Rc'=ブチル、P3=メチル) NMR(CDCl3)δ:0.92(t,3H,J=7.5Hz)、1.2−2.9(m,38
H)、3.67(s,3H)、3.70(q,1H,J=7.5Hz)、4.25(m,1H)
、5.43(m,2H) 【0031】 合成例9 2−デカルボキシ−2−(2−カルボキシエチル)−13,14−ジヒドロ− 16,16−ジフルオロ−15−ケト−PGE1 [IUPAC名:(Z)−9−(
1R)−[(2R,3R,5S)−2−(4,4−ジフルオロ−3−オキソオクチル)−
3−ヒドロキシ−5−オキソシクロペンチル]ノナン酸](78)の製造 9−1)(Z)−9−(1R)−{(2R,3R,5S)−2−[4,4−ジフルオロ−
3(R,S)−ヒドロキシオクチル]−5−ヒドロキシ−3−(テトラヒドロピラニ
ルオキシ)シクロペンチル}−7−ノネン酸ベンジルエステル(60) 化合物(59)(Q1'=Q2'=F、P1=テトラヒドロピラニル、Rb'−Rc'
=ブチル)(1.09g)を、アセトニトリル(20ml)に溶解し、DBU(2.6
ml)及びベンジルブロミド(2.2ml)を加えて、45℃に1時間、60℃に一
夜保った。常法処理後に得た粗生成物をシリカゲルカラムで精製し、標題化合物
(60)を得た。 収量:0.213g 9−2)(Z)−9−(1R)−[(2R,3R,5S)−2−(4,4−ジフルオロ−
3−オキソオクチル)−3−(テトラヒドロピラニルオキシ)−5−オキソシクロ
ペンチル]−7−ノネン酸ベンジルエステル(61) 上記化合物(60)(0.213g)を、ジクロルメタン(15ml)中、塩化オギ
ザリル(0.23ml)、DMSO(0.41ml)及びトリエチルアミン(0.81
ml)を用いてスワン酸化した。シリカゲルカラムで精製し標題化合物(62)を
得た。 収量:0.181g(86%) 9−3)(Z)−9−(1R)−[(2R,3R,5S)−2−(4,4−ジフルオロ−
3−オキソオクチル)−3−ヒドロキシ−5−オキソシクロペンチル]−7−ノネ
ン酸ベンジルエステル(51) 上記化合物(61)(0.181g)を酢酸−水−THF(4:2:1)混合溶媒(25
ml)に溶解し45℃に3.5時間保った。常法処理後に得た粗生成物をシリカゲ
ルカラムで精製し、標題化合物(51)を得た。 収量:0.140g(91%) 化合物(51)(Q1'=Q2'=F、Rb'−Rc'=ブチル、P3=ベンジル) NMR(CDCl3)δ:0.93(t,3H,J=7.5Hz)、1.2−2.8(m,27
H)、4.20(m,1H)、5.12(s,2H)、5.2−5.5(m,2H)、7.35
(m,5H) 9−4)9−(1R)−[(2R,3R,5S)−2−(4,4−ジフルオロ−3−オ
キソオクチル)−3−ヒドロキシ−5−オキソシクロペンチル]ノナン酸(78) 上記化合物(51)(0.140g)を酢酸エチル(15ml)に溶解し、パラジウ
ム−炭素(50mg)及び水素を用いて接触還元した。触媒を濾別後、濾液を濃縮
して得た生成物をローバーカラム(ODS)を用いて精製し、標題化合物(78)
を得た。 収量:0.077g(65%) 化合物(78)(Q1'=Q2'=F、Rb'−Rc'=ブチル) NMR(CDCl3)δ:0.95(t,3H,J=7.5Hz)、1.2−2.8(m,32
H)、4.20(m,1H) 【0032】 合成例10 20−エチル−2−デカルボキシ−2−(2−カルボキシエチル)−13,1
4−ジヒドロ−16,16−ジフルオロ−15−ケト−PGE1イソプロピルエス
テル[IUPAC名:(Z)−9−(1R)−[(2R,3R)−2−(4,4−
ジフルオロ−3−オキソデシル)−3−ヒドロキシ−5−オキソシクロペンチル
]−ノネン酸イソプロピルエステル](65)の製造 アルキルホスホネートとしてジメチル(3,3−ジフルオロ−2−オキソノニ
ル)ホスホネートを用いた以外は、実施例4と同様にして標題化合物(65)を
得た。 化合物(65)(Q1'=Q2'=F、Rb'−Rc'=ヘキシル、P3=イソプロピ
ル) NMR(CDCl3)δ:0.90(t,3H,J=7.5Hz)、1.32(d,6
H,6Hz)、1.25−2.70(m,34H)、3.15(s,1H)、4.2
0(m,1H)、5.00(Hept,1H,7.5Hz) 【0033】 合成例11 2−デカルボキシ−2−(2−カルボキシエチル)−13,14−ジヒドロ−
15−ケト−PGE2イソプロピルエステル[IUPAC名:(Z)−9−(1
R)−[(2R,3R)−2−(3−オキソペンチル)−3−ヒドロキシ−5−
オキクソシクロペンチル]−ノネン酸イソプロピルエステル](51)の製造 アルキルホスホネートとしてジメチル(2−オキソヘプチル)ホスホネートを
用いた以外は、実施例2と同様にして標題化合物(51)を得た。 化合物(15)(Q1'=Q2'=H、Rb'−Rc'=ブチル、P3=イソプロピル) NMR(CDCl3)δ:0.89(t,3H,J=6.6Hz)、1.18(d,
6H,6.2Hz)、1.15−3.0(m,29H)、4.04(m,1H)、
4.99(Hept.1H,6.2Hz)、5.37(m,2H) 【0034】 経路を下記反応式に示す。 下記反応式中、P1、P2、P3、P4、P5、P6およびP7は保護基、Q1、Q2
、RbおよびRcは前と同じ意味である。 【化5】 【化6】 【0035】 【化7】 【化8】 【化9】 【0036】 【化10】 【0037】 【化11】 【化12】 【化13】 【0038】 【化14】 【化15】 【0039】 【化16】 【化17】 【0040】 【化18】 【化19】 【0041】 【化20】 【化21】 【0042】 【化22】 【化23】【化24】 【0043】 製剤例1(注射用粉末) (重量部) 13,14−ジヒドロ−15−ケト−16,16− ジフルオロPGE2 1 マンニトール 5 滅菌水 0.4 上記成分を混合し、撹拌し、滅菌し、ろ過してから凍結乾燥して注射用粉末を
得た。 製剤例2(注射用溶液) (重量部) 13,14−ジヒドロ−15−ケト−16,16− ジメチルPGE2 0.2 非イオン性界面活性剤 2 注射用滅菌水 98 上記成分を混合してから凍結乾燥して注射可能な溶液を得た。 【0044】 製剤例3 メタノール(10ml)に13,14−ジヒドロ−15−ケト−16,16−ジフル
オロ−20−エチル−PGE2(50mg)を溶解し、さらに生成溶液をマンニトー
ル(18.5g)と混合した。混合物をふるい(孔径:30mm)に掛け、30℃で90
分間乾燥させてから再度ふるいに掛けた。生成粉末を微粒子シリカゲル(アエロ
シル、200g)と混合し、混合物を3番硬ゼラチンカプセル(100)に充填した
。カプセルは、1カプセル当たり0.5mgの13,14−ジヒドロ−15−ケト
−16,16−ジフルオロ−20−エチル−PGE2を含有する腸溶性カプセルで
ある。 製剤例4(経口投与用粉末) (重量部) 13,14−ジヒドロ−15−ケト−16,16− ジフルオロ−PGF2αメチルエステル 5 軽量無水けい酸 5 アビセル 20 ラクトース 70 上記成分を混合して、経口投与用粉末を得た。 製剤例5(ゼラチン軟カプセル) (重量部) 13,14−ジヒドロ−15−ケト−20−メチル− PGE2メチルエステル 1 パナセート(Panasate) 899 上記成分を混合して、ゼラチン軟カプセルに充填した。 【0045】 製剤例6(腸溶性カプセル) メタノール(10ml)に16−デスブチル−13,14−ジヒドロ−15−ケ
ト−16−(m−トリフルオロメチル)フェノキシ−PGF2αメチルエステル(5
0mg)を溶解し、さらに生成溶液をマンニトール(18.5g)と混合した。混
合物をふるい(孔径:30mm)に掛け、30℃で90分間乾燥させてから再度ふる
いに掛けた。生成粉末を微粒子シリカゲル(アエロシル、200g)と混合し、混
合物を3番硬ゼラチンカプセル(100)に充填した。カプセルは、1カプセル当
たり0.5mgの13,14−ジヒドロ−15−ケト−16−デスブチル−16
−m−トリフルオロメチルフェノキシ−PGF2αメチルエステルを含有する腸溶
性カプセルである。 製剤例7(注射用粉末) (重量部) 13,14−ジヒドロ−15−ケト−16−デスブチル− 16−m−トリフルオロメチル−フェノキシ−PGF2α メチルエステル 1 マンニトール 5 滅菌水 0.4 上記成分を混合し、撹拌し、滅菌し、濾過してから凍結乾燥して注射用粉末を
得た。 製剤例8(注射用溶液) (重量部) 13,14−ジヒドロ−6,15−ジケト−5R,S− フルオロ−PGE1 0.2 非イオン性界面活性剤 2 注射用滅菌水 98 上記成分を混合してから凍結乾燥して注射可能な溶液を得た。 【0046】 製剤例9(経口投与用粉末) (重量部) 13,14−ジヒドロ−15−ケト−16−デスブチル− 16−m−トリフルオロメチルーフェノキシ−PGE2 メチルエステル 5 軽量無水けい酸 5 アビセル 20 ラクトース 70 上記成分を混合して、経口投与用粉末を得た。 製剤例10(ゼラチン軟カプセル) (重量部) 13,14−ジヒドロ−15−ケト−16−デスブチル− 16−m−トリフルオロメチルーフェノキシ−PGE2 メチルエステル 1 パナセート(Panasate) 899 上記成分を混合して、ゼラチン軟カプセルに充填した。 製剤例11(点眼液) 13,14−ジヒドロ−15−ケト−20−エチル−PGF2α− イソプロピルエステル 10mg 生理食塩水 10ml 上記成分を別個のバイヤルに充填し、用時溶解用点眼液とする。 上記製剤例において、活性成分は、この発明で使用する範囲の任意の他の化合
物に置き換え得る。 【0047】 試験例1 (方法) 被験動物としてウイスター(Wistar)系雄性ラット(体重約120g)を用い、
1群10匹20眼とした。被験物質を投与15分後、エーテル麻酔下で1%カラ
ゲニン生理食塩水溶液0.05mlをマイクロシリンジを用いて上眼瞼結膜下に
注射し、浮腫を発生させた。4時間後に頸椎脱臼法により致死せしめ、眼瞼結膜
浮腫部位を切り出し、左右個別に重量を測定した。被験物質は、生理食塩水に溶
解し、点眼投与(5μl/眼)した。対照は生理食塩水のみとした。 (結果) 結果は、第1表に示す。 【表1】 被験物質1 1:13,14−ジヒドロ−15−ケト−20−エチル−PGF2αイソプロピル
エステル 【0048】 試験例2 被験物質を13,14−ジヒドロ−15−ケト−16,16−ジフルオロ−PG
2(被験物質2)とした以外は、実施例1と同様に試験した。また、皮下投与(5
ml/kg)した場合の効果も判定した。 結果を第2表および第3表に示す。 【表2】 【表3】 【0049】 試験例3 被験動物としてウイスター(Wistar)系雄性ラット(体重約120g)を用い、
1群10匹20眼とした。被験物質を投与後2分後に、エーテル麻酔下で0.5
%エバンスブルー生理食塩水溶液0.5mlを尾静脈から注射し、その直後に0
.1%塩酸ヒスタミン生理食塩水溶液50μlを上眼瞼結膜下に注射した。30
分後に頸椎脱臼屠殺後、頭皮を眼瞼に向って剥離し、眼瞼縁に沿って皮膚と結膜
の炎症部位を切り離し、その重量を測定した。 切り出した結膜を細く切って、4mlのホルムアミドで40℃−夜振盪抽出し
、 溶出した色素量を分光光度計625nmで測定し、結膜中の色素漏出量を求めた。
被験物質は、生理食塩水に溶解し、点眼投与(5μl/眼)した。対照は、生理食
塩水のみとした。 結果を第4表に示す。 【表4】 被験物質2: 試験例2に同じ 被験物質3: 13,14−ジヒドロ−15−ケト−16,16−ジフルオロ−P
GE2メチルエステル 【0050】 試験例4 被験物質として被験物質1(試験例1に同じ)を用い、0.1%塩酸ヒスタミン
生理食塩水10μlを用いた以外は試験例3と同様に試験した。 結果を第5表に示す。 【表5】 以上の結果より、本発明化合物は実験的結膜炎に対する抑制作用を有すること がわかった。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】 20位がメチルまたはエチル基で置換されていてもよい15−
    ケトプロスタグランジンEまたはF化合物(但し、13位と14位の間が3重結
    合である化合物、15−ケトプロスタグランジンE1、13,14−ジヒドロ−
    15−ケトプロスタグランジンFおよび13,14−ジヒドロ−15−ケトプ
    ロスタグランジンE1を除く)を有効成分とする、膵炎を除く炎症を処置するため
    の剤。 【請求項2】 15−ケト−プロスタグランジン化合物が、16−モノまたは
    ジハロ−15−ケト−プロスタグランジン化合物である、請求項1記載の剤。 【請求項3】 15−ケト−プロスタグランジン化合物が、13,14−ジヒ
    ドロ−16−モノまたはジハロ−15−ケト−プロスタグランジン化合物である
    、請求項1記載の剤。 【請求項4】 15−ケト−プロスタグランジン化合物が、13,14−ジヒ
    ドロ−16−モノまたはジフルオロ−15−ケト−プロスタグランジン化合物で
    ある、請求項1記載の剤。

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