JP3625946B2 - 視神経障害改善剤 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、視神経障害改善剤である。
【0002】
【従来の技術】
視神経の構造は、視神経細胞からでた軸索突起すなわち視神経線維が網膜神経線維層を乳頭へ向い、放射状の弧を描いて乳頭(視神経乳頭)に入る。乳頭後方の眼球壁通過部位に強膜篩状野がある。
視神経の外面は視神経鞘におおわれている。外鞘の前端は強膜に移行し、後端は視神経管部骨膜と融合している。内鞘と外鞘は強膜篩状野の後方で融合し、内鞘はさらに延びて視神経線維を脈絡膜と強膜から隔てる膜につらなっている。
視神経障害には、その病因、発症様式により様々なものがある。しかしながら、軸索が変性すれば髄鞘が失われ、髄鞘が侵されればやがては軸索にも変性が及ぶので、視神経のどの部分の障害(変性・萎縮)も視神経乳頭の蒼白となってあらわれる。
例えば、視神経細胞層に広範な障害が起こる(例えば、網膜中心動脈閉塞による)と視神経は上行性に変性・萎縮し、乳頭が蒼白になる(上行性視神経障害)。また、軸索に障害が起こる(種々の病因による)と変性・萎縮はその病巣から上行性にも下行性にも進行し、広汎な障害では乳頭が蒼白するとともに、乳頭縁において視神経線維層が薄くなる。
【0003】
視神経障害は、その病因によって次のような例が挙げられる。
網膜性(または黄色)視神経障害は、種々の網膜の変性疾患によって網膜に広汎な変性・萎縮があると視神経乳頭が蝋性黄白色になる。炎症性視神経障害は、視神経炎、乳頭炎、鬱血乳頭などの後に起こり、乳頭が混濁を残して退色し炎性惨出物とその結組織化のため乳頭の境界は不鮮明になり、強膜篩状野は明らかでなくなる。その他、単性視神経障害、軸性視神経障害、緑内障性視神経障害、半盲性視神経障害などが挙げられる。
【0004】
この視神経障害を引き起こす疾患の例としては、例えば、中心性網脈絡膜症、中心性網脈絡膜炎、高血圧性網膜症、老人性眼底、動脈硬化性網膜症、腎性網膜症、糖尿病性網膜症、網膜動脈閉塞、網膜静脈閉塞、網膜剥離、網膜色素変性、未熟児網膜症、貧血性網膜症、白血病性網膜症、外傷による網脈絡膜障害、視神経炎、乳頭炎、クモ膜炎、レーベル病、脊髄炎などが挙げられる。
視神経障害による最も顕著な臨床所見は、視力低下・視野狭窄であり、療法としては視神経の一般愛護療法、低周波または直流の通電、脂溶性ビタミンB1・B12、ATP製剤等の顎動脈注、手術療法しかない。
【0005】
プロスタン酸は、天然に存在するプロスタグランジン(PG)類の一般的構造特性をなす骨格化合物であり、下記構造式で示される。
【化3】
天然PG類は5員環の構造特性によって、PGA類、PGB類、PGC類、PGD類、PGE類、PGF類、PGG類、PGH類、PGI類およびPGJ類に分類され、さらに鎖部分が、不飽和および酸化の存在および不存在によって
下付1......13,14−不飽和−15−OH
下付2......5,6−および13,14−ジ不飽和−15−OH
下付3......5,6,13,14−および17,18−トリ不飽和−15−OH
として、分類される。
さらにPGF類は9位の水酸基の配置によってα(水酸基がアルファー配置である)およびβ(水酸基がベータ配置である)に分類される。また、15位の水酸基の代わりにオキソ基を有する化合物も知られている。さらにプロスタン酸化合物のいくつかは眼圧下降作用を有することも知られている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
このように、上記視神経障害の改善には未だ満足できるものがないのが現状である。そこで、本発明者は上記視神経障害の改善剤について鋭意研究を重ねた。
【0007】
上記のように、視神経障害の病因は多彩であるが、本質的には視神経の変性・萎縮によって視力低下・視野狭窄が引き起されると言える。そこで、本発明者は視神経疾患患者において視力や視野の回復が認められれば、視神経障害の改善がなされたと言えるのではないと言う観点にたって、研究を進めた。例えば、レーベル病は遺伝性の視神経疾患であり、視神経障害により20歳前後において両眼性に急激な視力障害(すなわち視力低下)をきたす。原因は先天的により視交又部が圧迫されて起こると言われている。発病は急激なことが多く、急性球後視神経炎の形でおこり、やがて軸性視神経障害、単性視神経障害の経過で、大体数カ月の間で視力が急激に低下する。つまり、レーベル病患者の視力低下と視神経障害との間には、明確な相関性が存在するのである。従って、レーベル病患者の視力の改善が認められれば、視神経障害そのものの改善がなされたと判断できる。
【0008】
【課題を解決するための手段】
そこで本発明者は以上の観点にたって、視神経障害を改善できる化合物を求めて種々の化合物を探索した結果、プロスタン酸化合物が予想外に優れた視神経改善作用を有することを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明はプロスタン酸化合物を有効成分とする、視神経障害改善剤に関する。
【0009】
この発明のプロスタン酸誘導体の命名に際しては式(A)に示したプロスタン酸の番号を用いる。
前記式(A)はC−20の基本骨格のものであるが、本発明では炭素数がこれによって限定されるものではない。即ち、基本骨格を構成する炭素の番号はカルボン酸を1とし5員環に向かって順に2〜7までをα鎖上の炭素に、8〜12までを5員環の炭素に、13〜20までをω鎖上に付しているが、炭素数がα鎖上で減少する場合、2位から順次番号を抹消し、α鎖上で増加する場合2位にカルボキシル基(1位)に代わる置換基がついたものとして命名する。同様に、炭素数がω鎖上で減少する場合、20位から炭素の番号を順次減じ、ω鎖上で増加する場合、21番目以後の炭素原子は置換基として命名する。また、立体配置に関しては、特に断りのない限り、上記基本骨格の有する立体配置に従うものとする。
また、例えばPGD、PGE、PGFは、9位および/または11位に水酸基を有する化合物をいうが、この発明では、9位および/または11位の水酸基に代えて他の基を有するものも包含する。これらの化合物を命名する場合、9−デヒドロキシ−9−置換体あるいは11−デヒドロキシ−11−置換体の形で命名する。
【0010】
前述のように、この発明ではプロスタン酸化合物の命名はプロスタン酸骨格に基づいて行う。また、上記化合物がプロスタグランジンと同一の部分構造を有する場合には、簡単化のためPGの略名をも利用することがある。これをIUPAC命名法に基づいて命名すると、例えば13,14−ジヒドロ−15−ケト−16R,S−フルオロ−PGE2は(Z)−7−{(1R,2R,3R)−3−ヒドロキシ−2−[(4R,S)−4−フルオロ−3−オキソ−1−オクチル]−5−オキソ−シクロペンチル}−ヘプト−5−エン酸; 13,14−ジヒドロ−15−ケト−20−エチル−11−デヒドロキシ−11R−メチル−PGE2メチルエステルはメチル、7−{(1R,2S,3S)−3−メチル−2−[3−オキソ−1−デシル]−5−オキソシクロペンチル}−ヘプト−5−エノエート; 13,14−ジヒドロ−6,15−ジケト−19−メチル−PGE2エチルエステルはエチル、7−{(1R,2S,3S)−3−ヒドロキシ−2−(7−メチル−3−オキソ−1−オクチル)−5−オキソ−シクロペンチル)−6−オキソヘプタノエートである。13,14−ジヒドロ−15−ケト−20−エチル−PGF2αイソプロピルエステルはイソプロピル(Z)−7−[(1R,2R,3R,5S)−3,5−ジヒドロキシ−2−{3−オキソ−1−デシル}シクロペンチル]−ヘプト−5−エノエートであり; 13,14−ジヒドロ−15−ケト−20−メチル−PGF2αメチルエステルは、メチル(Z)−7−[(1R,2R,3R,5S)−3,5−ジヒドロキシ−2−(3−オキソ−1−ノニル)−シクロペンチル]−ヘプト−5−エノエートである。
【0011】
この発明で使用するプロスタン酸化合物としては、プロスタン酸の15位の炭素がカルボニル基(15−ケト)を形成している特性を有するものが好ましく、5−6位の炭素結合が単結合である15−ケト−PG1類、二重結合である15−ケト−PG2類、5−6位の炭素結合および17−18位の炭素結合がいずれも二重結合である15−ケト−PG3類のいずれであってもよい。
化合物の例としては上記プロスタン酸のα鎖末端のカルボキシル基がエステル化された化合物、生理学的に許容し得る塩、2−3位の炭素結合が二重結合あるいは5−6位の炭素結合が三重結合を有する化合物、3位、6位、16位、17位、19位および/または20位の炭素に置換基を有する化合物、9位および/または11位の水酸基の代わりに低級アルキル基またはヒドロキシ(低級)アルキル基を有する化合物等がある。
【0012】
3位、17位および/または19位の炭素原子に結合する置換基としては、例えば炭素数1〜4のアルキル基が挙げられ、特にメチル基、エチル基が挙げられる。16位の炭素原子に結合する置換基としては、例えばメチル基、エチル基などの低級アルキル基、ヒドロキシ基または塩素、フッ素などのハロゲン原子、トリフルオロメチルフェノキシ等のアリールオキシ基が挙げられる。20位の炭素原子に結合する置換基としては、C1−4アルキルのような飽和または不飽和の低級アルキル基、C1−4アルキルのような低級アルコキシ基、C1−4アルコキシ−C1−4アルキルのような低級アルコキシアルキルを含む。6位の炭素原子の置換基としては、カルボニル基を形成するオキソ基を含む。9位および/または11位の炭素原子にヒドロキシ基、低級アルキルまたは低級(ヒドロキシ)アルキル置換基を有する場合の立体配置はα,βまたはそれらの混合物であっても構わない。さらに、上記化合物は、ω鎖が天然のPG類より短い化合物のω鎖末端にアルコキシ基、フェノキシ基、フェニル基等の置換基を有するものであってもよい。特に好ましい化合物は、20位の炭素に例えばメチル基、エチル基なとの低級アルキル基を有する化合物である。
【0013】
この発明に使用される好ましい化合物は式(I)
【化4】
[式中、XおよびYは水素、ヒドロキシ、ハロゲン、低級アルキル、ヒドロキシ(低級)アルキルまたはオキソ(ただし、XおよびYの基のうち少なくとも1つは、水素以外の基であり、5員環は少なくとも1つの二重結合を有していてもよい)、AはCOOH、その塩類またはエステル、Bは−CH2−CH2−、−CH=CH−または−C≡C−、Zは
【化5】
(ただし、R3は低アルキル基または水素原子)、R1は非置換またはハロ、オキソまたはアリールで置換された、二価の飽和または不飽和、低−中級脂肪族炭化水素残基、R2は非置換またはオキソ、ヒドロキシ、ハロ、低級アルコキシ、低級アルカノイルオキシ、シクロ(低級)アルキル、アリールまたはアリールオキシで置換された、飽和または不飽和、低−中級脂肪族炭化水素残基である]
を有する。
【0014】
上式中、R1およびR2における「不飽和」の語は、主鎖または側鎖の炭素原子間の結合として、少なくとも1つまたはそれ以上の2重結合および/または3重結合を孤立、分離または連続して含むことを意味する。通常の命名法に従って、連続する2つの位置間の不飽和は若い方の位置番号を表示することにより示し、連続しない2つの位置間の不飽和は両方の位置番号を表示して示す。好ましい不飽和は、2位の2重結合および5位の2重結合または3重結合である。
「低〜中級脂肪族炭化水素」または「中級脂肪族炭化水素」の語は、炭素数1〜14または5〜14の直鎖または分枝鎖[ただし、側鎖は炭素数1〜3のものが好ましい]を有する炭化水素を意味し、好ましくはR1の場合炭素数2〜8、特に4〜8の炭化水素であり、R2の場合炭素数1〜9、特に2〜7の炭化水素である。
【0015】
「ハロゲン」の語は、ふっ素、塩素、臭素およびよう素を包含する。
「低級」の語は、特にことわりのない限り炭素原子数1〜6を有する基を包含するものである。
「低級アルキル」の語は、炭素原子数1〜6の直鎖または分枝鎖の飽和炭化水素基を包含し、例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、t−ブチル、ペンチルおよびヘキシルを含む。
「低級アルコキシ」の語は、低級アルキルが上述と同意義である低級アルキル−O−フェニルを意味する。
「ヒドロキシ(低級)アルキル」の語は、少なくとも1つのヒドロキシ基で置換された上記のようなアルキルを意味し、例えばヒドロキシメチル、1−ヒドロキシエチル、2−ヒドロキシエチルおよび1−メチル−1−ヒドロキシエチルである。
「低級アルカノイルオキシ」の語は、式RCO−O−(ここで、RCO−は上記のような低級アルキルが酸化されて生じるアシル、例えばアセチル)で示される基を意味する。
「シクロ低級アルキル」の語は、上記のような低級アルキル基が閉環して生ずる基を意味する。
【0016】
「アリール」の語は、置換されていてもよい芳香性炭素環または複素環基(好ましくは単環性の基)を包含し、例えばフェニル、トリル、キシリルおよびチエニルを含む。置換基としては、ハロゲン、ハロゲン置換低級アルキル基(ここで、ハロゲン原子および低級アルキル基は前記の意味)が含まれる。
「アリールオキシ」の語は、式ArO−(ここで、Arは上記のようなアリール基)で示される基を意味する。
Aで示されるカルボキシル基の塩類としては、医薬上許容される塩が適当である。
【0017】
適当な「医薬上許容される塩」としては、慣用される非毒性塩を含み、無機塩基との塩、例えばアルカリ金属塩(ナトリウム塩、カリウム塩等)、アルカリ土類金属塩(カルシウム塩、マグネシウム塩等)、アンモニウム塩、有機塩基との塩、例えばアミン塩(例えばメチルアミン、ジメチルアミン塩、シクロヘキシルアミン塩、ベンジルアミン塩、ピペリジン塩、エチレンジアミン塩、エタノールアミン塩、ジエタノールアミン塩、トリエタノールアミン塩、トリス(ヒドロキシメチルアミノ)エタン塩、モノメチル−モノエタノールアミン塩、リジン塩、プロカイン塩、カフェイン塩等)、塩基性アミノ酸塩(例えばアルギニン塩、リジン塩等)テトラアルキルアンモニウム塩等があげられる。これらの塩類は、例えば対応する酸および塩基から常套の中和反応によってまたは塩交換によって製造し得る。
【0018】
エステルとしては、メチルエステル、エチルエステル、プロピルエステル、イソプロピルエステル、ブチルエステル、イソブチルエステル、t−ブチルエステル、ペンチルエステル、1−シクロプロピルエチルエステル等の低級アルキルエステル、ビニルエステル、アリルエステル等の低級アルケニルエステル、エチニルエステル、プロピニルエステル等の低級アルキニルエステル、ヒドロキシエチルエステルのようなヒドロキシ(低級)アルキルエステル、メトキシメチルエステル、1−メトキシエチルエステル等の低級アルコキシ(低級)アルキルエステルのような脂肪族エステルおよび例えばフェニルエステル、トリルエステル、t−ブチルフェニルエステル、サリチルエステル、3,4−ジメトキシフェニルエステル、ベンズアミドフェニルエステル等の所望により置換されたアリールエステル、ベンジルエステル、トリチルエステル、ベンズヒドリルエステル等のアリール(低級)アルキルエステルがあげられる。これらのエステルは、例えば対応する酸およびアルコールから常套のエステル化反応によってまたはエステル交換によって製造し得る。
【0019】
好ましいA基の例は、−COOH、−COOCH3、−COOCH2CH3、−COOCH(CH3)である。
上記式(I)中、環、αおよび/またはω鎖の配置は、天然のプロスタグランジン類の配置と同様かまたは異なっていてもよい。しかしながら、この発明は、天然の配置を有する化合物および非天然の配置を有する化合物の混合物も包含する。
【0020】
本発明において好ましいプロスタン酸化合物は15位がケト型である15−ケト−プロスタグランジン類、13および14位が飽和している13,14−ジヒドロプロスタグランジン類、20位が延長されている20−アルキル置換プロスタグランジン化合物、特に炭素数1〜4個延長した化合物、およびF型プロスタグランジン類などである。
【0021】
この発明の典型的な化合物の例は、15−ケト−20−低級アルキルPGA〜F類および△2−誘導体、3R,S−メチル誘導体、6−ケト誘導体、5R,S−フルオロ誘導体、5,5−ジフルオロ誘導体、16R,S−メチル誘導体、16,16−ジメチル誘導体、16R,S−フルオロ誘導体、16,16−ジフルオロ誘導体、16−フェニル−17,18,19,20−テトラノル−誘導体、17S−メチル誘導体、17R,S−フルオロ誘導体、17,17−ジフルオロ誘導体、17−フェニル−18,19,20−トリノル−誘導体および19−メチル誘導体である。
【0022】
特に好ましい具体的化合物の例は15−ケト−PG類、特にPGF類、13,14−ジヒドロ−15−ケト−PG類、特にPGF類、13,14−ジヒドロ−15−ケト−20−低級アルキル(特にエチル)−PG類、特にPGF類などである。
【0023】
この発明の成分のプロスタン酸のうち、15−ケト−PGにおいて、11位のヒドロキシと15位のケト間のヘミアセタール形成により、ケト−ヘミアセタール平衡を生ずる場合がある。
このような互変異性体が存在する場合、両異性体の存在比率は他の部分の構造または置換基の種類により変動し、場合によっては一方の異性体が圧倒的に存在することもあるが、この発明においてはこれら両者を含むものとし、このような異性体の存在の有無にかかわりなくケト型の構造式または命名法によって化合物を表わすことがあるが、これは便宜上のものであってヘミアセタール型の化合物を排除しようとするものではない。
【0024】
この発明においては、個々の互変異性体、その混合物または光学異性体、その混合物、ラセミ体、その他の立体異性体等の異性体も、同じ目的に使用することが可能である。
この発明の成分であるプロスタン酸化合物のあるものは、特開平2−108号、特開平2−96528号に記載の方法によって製造し得る。また一般に、これらの化合物は、上記と同様の方法または環部分に関する既知合成法を加味した方法によって製造し得る。
【0025】
13,14−ジヒドロ−15−ケト体の製造法としては、市販の(−)コーリーラクトンを出発原料とし、これをコリンズ酸化してアルデヒドを得、これにジメチル(2−オキソアルキル)ホスホネートアニオンを反応させて、α,β−不飽和ケトンを得、これを還元してケトンを得、該ケトンのカルボニル基をジオールと反応させてケタールとして保護し、次いで脱 p−フェニルベンゾイル化によってアルコールを得、この新たに生じた水酸基をジヒドロピランで保護し、テトラヒドロピラニルエーテルとする。これによって、ω鎖が13,14−ジヒドロ−15−ケトアルキル基であるPG類の前駆体を得る。
【0026】
上記テトラピラニルエーテルを原料として
【化6】
である6−ケト−PG1類はテトラヒドロピラニルエーテルをジイソブチルアルミニウムヒドリドなどを用いて還元しラクトールを得、これに(4−カルボキシブチル)トリフェニルホスホニウムブロミドから得たイリドを反応させ、次いでエステル化した後、5−6位の二重結合と9位の水酸基とをNBSまたはヨウ素を用いて環化して、ハロゲン化物を得、これをDBU等を用いて脱ハロゲン化して、6−ケト体を得、ジョーンズ酸化後、保護基を外すことによって得ることができる。
【0027】
さらに、
【化7】
であるPG2類は、上記テトラヒドロピラニルエーテルを還元してラクトールを得、これに(4−カルボキシブチル)トリフェニルホスホニウムブロミドから得たイリドを反応させてカルボン酸を得、次いでエステル化した後、ジョーンズ酸化し、次いで保護基を外すことにより得ることができる。
【0028】
上記テトラヒドロピラニルエーテルを原料として、
【化8】
であるPG1類を得るには、
【化9】
であるPG2類と同様にし、得られた化合物の5−6位の二重結合を接触還元し、次いで、保護基を外すことにより得ることができる。5、6および7位の炭化水素鎖
【化10】
である5,6−デヒドロ−PG2類の合成は、下に示すようなモノアルキル銅錯体あるいはジアルキル銅錯体
【化11】
を4R−t−ブチルジメチルシリルオキシ−2−シクロペンテン−1−オンに1,4−付加して生じる銅エノレートを6−カルボアルコキシ−1−ヨード−2−ヘキシンあるいはこれの誘導体で捕捉することにより合成し得る。
【0029】
11位の水酸基の代りにメチル基を有するPG類の製造法としては、11−トシレート体の9位の水酸基をジョーンズ酸化して得られるPGAタイプ化合物に、ジメチル銅錯体を作用させることにより、11−デヒドロキシ−11−メチル−PGEタイプが得られる。あるいはp−フェニルベンゾイル基を脱離後に得られるアルコールをトシレートとし、これをDBU処理して得られる不飽和ラクトンをラクトールとし、ウィティッヒ反応を用いてα−鎖を導入後、得られるアルコール(9位)を酸化してPGAタイプとし、これへジメチル銅錯体を作用させることにより11−デヒドロキシ−11−メチル−PGEタイプが得られる。これを例えば水素化ホウ素ナトリウムで還元することにより11−デヒドロキシ−11−メチル−PGFタイプが合成しうる。
【0030】
11位の水酸基の代わりにヒドロキシメチル基を有するPG類は、上記で得られたPGAタイプに対してベンゾフェノンを増感剤として用い、メタノールを光付加することにより11−デヒドロキシ−11−ヒドロキシメチル−PGEタイプが合成できる。これを例えば水素化ホウ素ナトリウムで還元することにより11−デヒドロキシ−11−ヒドロキシメチル−PGFタイプを合成しうる。
16−フルオロ−PG類は、α,β−不飽和ケトンを得る際にジメチル(3−フルオロ−2−オキソアルキル)ホスホネートアニオンを用いればよく、19−メチル−PG類はジメチル(6−メチル−2−オキソアルキル)ホスホネートアニオンを用いればよい。また、例えば17−フェニル−18,19,20−トリノル−PG類であれば、ジメチル(4−フェニル−2−オキソブチル)ホスホネートアニオンを用いればよい。
【0031】
本発明において合成法は、これに限定されるものではなく、保護方法、酸化還元法等は適宜適当な手段を採用すればよい。
プロスタン酸化合物の具体的な製造例は、例えば特開平1−151552号、特開平2−108号、特開平2−96528号および特開平2−96529号に記載されている。
【0032】
この発明で用いる化合物は動物およびヒト用の薬剤として使用することができ、通常、全身的あるいは局所的に点眼、経口、静脈注射(点滴を含む)、皮下注射、直腸内投与などの方法で使用される。特に点眼剤としての使用が有用である。投与量は動物またはひと等のような対象の種類、年令、体重、処置されるべき症状、所望の治療効果、投与方法、処置期間等により変化するが、通常局所投与の場合0.01〜100μg/眼の投与量または1日2から4分割用量または持続形態で全身投与する場合0.001〜500mg/kgの投与量で通常十分な効果がえられる。
【0033】
この発明による点眼剤としては、点眼液または眼軟膏等が含まれる。点眼液は、有効成分を無菌の水溶液、例えば生理食塩水、緩衝液等に溶解させるかまたは用時溶解用に組合せて作られる。眼軟膏は、基剤に有効成分を混合して作られる。
【0034】
この発明による経口投与のための固体組成物としては、錠剤、トローチ、舌下錠、カプセル、丸剤、散剤、顆粒剤等が含まれる。このような固体組成物においては1つまたはそれ以上の活性物質が、少なくとも1つの不活性な希釈剤、例えば、乳糖、マンニトール、ぶどう糖、ヒドロキシプロピルセルロース、微晶性セルロース、でんぷん、ポリビニルピロリドン、メタケイ酸アルミン酸マグネシウムと混合される。組成物は常法に従って、不活性な希釈剤以外の添加剤、例えばステアリン酸マグネシウムのような滑沢剤や繊維素グルコン酸カルシウムのような崩壊剤、α,βまたはγ−シクロデキストリン、ジメチル−α−、ジメチル−β−、トリメチル−β−またはヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン等のエーテル化シクロデキストリン、グリコシル−,マルトシルーシクロデキストリン等の分枝シクロデキストリン、ホルミル化シクロデキストリン、硫黄含有シクロデキストリン、ミソプロトール、りん脂質のような安定剤を含んでいてもよい。上記シクロデキストリン類を用いた場合はシクロデキストリン類と包接化合物を形成して安定性が増大する場合がある。また、りん脂質を用いたリポソーム化することにより安定性が増大する場合がある。錠剤または丸剤は必要により白糖、ゼラチン、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレートなどの胃溶性あるいは腸溶性物質のフィルムで被覆してもよいし、また、2以上の層で被覆してもよい。更にゼラチンのような崩壊され得る物質のカプセル剤としてもよい。速効性を必要とするときは、舌下錠としてもよい。
【0035】
基剤としてはグリセリン、乳糖等を用いればよい。 経口投与のための液体組成物としては、乳剤、液剤、懸濁剤、シロップ剤、エリキシル剤等が例示される。一般的に用いられる不活性な希釈剤、例えば精製水、エタノール等を含んでいてもよい。この組成物は不活性な希釈剤以外に湿潤剤、懸濁化剤のような補助剤、甘味剤、風味剤、芳香剤、防腐剤を含有していてもよい。
【0036】
経口投与のためのその他の組成物としては、1つまたはそれ以上の活性物質を含み、それ自体公知の方法により処方されるスプレー剤が含まれる。
この発明による非経口投与のための注射剤としては無菌の水性または非水性の液剤、懸濁剤、乳剤を包含する。水性の液剤、懸濁剤用媒体としては、例えば注射用蒸留水、生理食塩水およびリンゲル液が含まれる。
非水性の液剤、懸濁剤用媒体としては、例えばプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、オリーブ油のような植物油、エタノールのようなアルコール類、ポリソルベート等がある。このような組成物は、さらに防腐剤、湿潤剤、乳化剤、分散剤のような補助剤を含んでいてもよい。これらは例えばバクテリア保留フィルターを通す濾過、殺菌剤の配合、ガス滅菌または放射線滅菌によって無菌化される。これらはまた無菌の固体組成物を製造し、使用前に無菌水または無菌の注射用溶媒に溶解して使用することもできる。
【0037】
別の形態は坐薬または腟坐薬である。これらの坐薬はカカオ脂等の体温で軟化する基剤に有効成分を混合して作ることができ、適当な軟化温度を有する非イオン界面活性剤を用いて吸収性を向上させてもよい。
本発明の視神経障害改善剤は、後述の試験例より明らかなように、視力や視野の回復という優れた視神経障害改善作用を有するので、種々の視神経障害疾患、例えば、中心性網脈絡膜症、腎性網膜症、糖尿病性網膜症、網膜動脈閉塞、網膜静脈閉塞、網膜剥離、網膜色素変性、未熟児網膜神経炎、乳頭炎、クモ膜炎、レーベル病、脊髄炎などによる視神経障害の改善に有効な薬剤として用いることができる。
【0038】
この発明において、「改善」の語は、予防、治療、軽減、悪化防止または悪化の軽減を含めたあらゆる疾患の管理を包含する。
またこの発明は改善すべき対象にこの発明の改善剤を投与することからなる、視神経障害の改善法を提供するものである。
【0039】
【実施例】
以下、この発明を試験例によりさらに詳細に説明するが、これはこの発明を限定するものではない。
試験例1
(方法)
患者(男性、26歳、レーベル病)に、レスキュラ点眼液(0.12%)を、1日2回8週間投与した。
(結果)
・他覚的所見:明らかな視力回復が認められた。
・自覚的所見:投与前に比較して、見やすくなったと感じる(立体感がでてきた。)。
なお、投与開始後、13カ月において、右眼のみ、視力が0.3まで回復した。
レスキュラ点眼液(0.12%):有効成分として13,14−ジヒドロ−15−ケト−20−エチル−プロスタグランジンF2αイソプロピルエステル(一般名:イソプロピルウノプロストン)を0.12%含有。
【0040】
試験例2
患者(女性、69歳)に試験例1で用いたのと同じレスキュラ点眼液を1日2回4週間投与した。
投与前および投与後の視野の状態をハンフリー視野測定計を用いて測定した。得られた「グローバルインデックス」を以下に示す。
なお、投与前の眼圧は左右眼とも18mmHgであり、投与後は右眼18mmHg、左眼20mmHgであり、眼圧には殆ど影響が認められなかった。
・グローバルインデックス
実測閾値を図1および2に示す。図中、数値は中心30°の各測定点の感度をdBで表示したものである。
以上のように、ハンフリー視野測定計の測定結果から、明らかな視野改善の効果が認められた。
【0041】
試験例3
患者(女性、66歳)に試験例1で用いたのと同じレスキュラ点眼液を1日2回2カ月投与した。
投与前および投与後の視野の状態をゴールドマン視野計を用いて測定した。V/4を用いた周辺視野の測定結果を図3および図4に示す。図3および図4中、点線は日本人の健常者の平均残存視野を示し、その残存視野の角度を表1に示す。
【0042】
【表1】
【0043】
図3および図4中、黒の太い実線は患者の残存視野を示す。
投与後のV/4面積は大きくなり、暗点も消失していた。また、この測定結果から「視野障害認定の手引」(厚生省)に基づき、各々の視能率を求めた。さらにこの測定結果から残存視野の面積を求めた。面積の測定はブラニメーター(面積計)(PLANIX5000、タマヤ計測システム)を用いて行った。その結果を表2に示す。
【0044】
【表2】
【0045】
表2中、視能率は、残存視野の角度の合計を健常者のそれ(560)で除して%表示したものである。
なお、投与前の眼圧は左右眼とも20mmHgであり、投与後は左右眼とも20mmHgであり、眼圧には影響が認められなかった。
以上のように、ゴールドマン視野計の測定結果から、明らかな視野改善の効果が認められた。
【0046】
試験例4
患者(女性、49歳、ただし疾患は左眼のみ)に試験例1で用いたのと同じレスキュラ点眼液を1日2回4カ月間投与した。
投与前および投与後の視野の状態をハンフリー視野測定計を用いて測定した。
得られた「グローバルインイデックス」を以下に示す。「実測閾値」を図5に示す。
・グローバルインデックス
以上のように、ハンフリー視野測定計の測定結果から、明らかな視野改善の効果が認められた。なお、投与後のグローバルインデックスMD値は正常範囲内を示している。
【0047】
試験例5
患者(男性、23歳、レーベル病)に、試験例1で用いたのと同じレスキュラ点眼液を1日2回9カ月間投与した。
以下に示す投与前および投与後の視力の測定結果から、明らかな視力回復が認められた。
【0048】
試験例6
患者(女性、13歳、網膜色素変性症)に、試験例1で用いたのと同じレスキュラ点眼液を1日2回4カ月間投与した。
投与前および投与後の視野の状態をゴールドマン視野計を用いて測定した。V/4を用いた周辺視野の測定結果を図6および7に示す。
この結果から、試験例3と同様に、各々の視能率および残存視野の面積を求めた。その結果を表3に示す。
【0049】
【表3】
以上のように、ゴールドマン視野計の測定結果から、明らかな視野改善の効果が認められた。
【0050】
試験例7
患者(男性、14歳、網膜色素変性症)に、試験例1で用いたのと同じレスキュラ点眼液を1日2回4カ月間投与した。
投与前および投与後の視野の状態をゴールドマン視野計を用いて測定した。V/4を用いた周辺視野の測定結果を図8および9に示す。
この測定結果から、試験例3と同様に、各々の視能率および残存視野の面積を求めた。その結果を表4に示す。
【表4】
以上のように、ゴールドマン視野計の測定結果から、明らかな視野改善の効果が認められた。
【0051】
試験例8(ラット網膜視細胞の障害モデル)
・飼育条件
SD系ラット(雄、11週齢、310〜360g)を800〜1200ルクスの照明を4日間連続照射(光照射期間)することにより、飼育した(第2群〜第5群)。
正常対照である第1群は、蛍光灯による照明で明暗各12時間として4日間飼育した(300ルクス以下)。
【0052】
・試験方法
1.試験群、濃度、動物数
【表5】
2.投与方法
光照射期間中、被験薬をラットに5μl/eyeで1日3回(10:00、13:00および16:00)両眼に点眼した。なお、病態対照(第2群)は基剤のみを点眼した。
3.標本作成
光照射期間終了の翌日に、ラットをエーテル麻酔にて致死させ、両眼を摘出し、直ちに固定液(2%パラホルムアルデヒド、2.5%グルタルアルデヒドを含むリン酸緩衝液)に浸漬した。2時間後、角膜をカミソリで切り取り、水晶体を取り除き、さらに同液で1晩、固定を行った。
固定された組織はアルコール系列(70〜100%エタノール)を経て、パラフィン包埋を行った。
組織切片は、眼球経線に沿って平行に切り、視神経乳頭部を含む網膜の薄切切片を1眼につき3枚作成した。
染色はヘマキトシリン・エオジン染色を行った。
4.光学顕微鏡を用いて100倍で鏡検を行い、ポジティブフィルム(RDPII135:富士写真フィルム製)にて顕微鏡写真を撮影し、外顆粒層から外節までの細胞層の厚さを測定し、実際の細胞層の厚さを求めた。結果を表6に示す。
【0053】
【表6】
【0054】
被験薬1:13,14−ジヒドロ−15−ケト−20−エチル−PGF2αイソプロピルエステル
被験薬2:13,14−ジヒドロ−18,19,20−トリノル−17フェニル−PGF2αイソプロピルエステル
被験薬3:2−デカルボキシ−2−(2−カルボキシエチル)−13,14−ジヒドロ−15−ケト−16,16−ジフルオロ−20−エチル−PGE1イソプロピルエステル
被験薬は、対応濃度となるように、下記基剤に、溶解して、点眼投与した。
【0055】
*基剤
ポリソルベート80 5g
NaCl 3g
滅菌蒸留水を適量用い、全体として500mlとなるように調整した。
以上の結果から、各被験薬は、光照射による視神経障害に対する改善効果が明らかとなった。
【図面の簡単な説明】
【図1】試験例2におけるハンフリー視野計で測定した投与前の実測閾値。
【図2】試験例2におけるハンフリー視野計で測定した投与後の実測閾値。
【図3】試験例3において、視野の状態をゴールドマン視野計を用いて測定した投与前の結果。
【図4】試験例3において、視野の状態をゴールドマン視野計を用いて測定した投与後の結果。
【図5】試験例4におけるハンフリー視野計で測定した投与前後の実測閾値。
【図6】試験例6におけるゴールドマン視野計を用いて測定した投与前の結果。
【図7】試験例6におけるゴールドマン視野計を用いて測定した投与後の結果。
【図8】試験例7におけるゴールドマン視野計を用いて測定した投与前の結果。
【図9】試験例7におけるゴールドマン視野計を用いて測定した投与後の結果。
Claims (17)
- 式(I)
ソまたはアリールで置換された、二価の飽和または不飽和、低−中級脂肪族炭化水素残基、R2は非置換またはオキソ、ヒドロキシ、ハロ、低級アルコキシ、低級アルカノイルオキシ、シクロ(低級)アルキル、アリールまたはアリールオキシで置換された、飽和または不飽和、低−中級脂肪族炭化水素残基である]
で表される13 , 14−ジヒドロ−プロスタグランジン化合物を有効成分とする点眼用視神経障害改善剤。 - プロスタグランジン化合物が13 , 14−ジヒドロ−プロスタグランジンEまたはF化合物である請求項1記載の剤。
- プロスタグランジン化合物が13,14−ジヒドロ−15−
ケト−プロスタグランジン化合物である請求項1記載の剤。 - プロスタグランジン化合物が13 , 14−ジヒドロ−20−低級アルキル−プロスタグランジン化合物である請求項1記載の剤。
- プロスタグランジン化合物が13 , 14−ジヒドロ−20−エチル−プロスタグランジン化合物である請求項1記載の剤。
- プロスタグランジン化合物が13 , 14−ジヒドロ−2−デカルボキシ−2−(2−カルボキシエチル)−プロスタグランジン化合物である請求項1記載の剤。
- プロスタグランジン化合物が13 , 14−ジヒドロ−18,19,20−トリノル−17−フェニル−プロスタグランジン化合物である請求項1記載の剤。
- プロスタグランジン化合物が13 , 14−ジヒドロ−16モノまたはジフルオロ−プロスタグランジン化合物である請求項1記載の剤。
- プロスタグランジン化合物が13,14−ジヒドロ−15
−ケト−20−エチル−プロスタグランジン化合物である請求項1記載の剤。 - プロスタグランジン化合物が13,14−ジヒドロ−15
−ケト−16モノまたはジフルオロ−プロスタグランジン化合物である請求項1記載の剤。 - プロスタグランジン化合物が2−デカルボキシ−2−(2
−カルボキシエチル)−13,14−ジヒドロ−15−ケト−16モノまたはジフルオロ−プロスタグランジン化合物である請求項1記載の剤。 - プロスタグランジン化合物が2−デカルボキシ−2−(2
−カルボキシエチル)−13,14−ジヒドロ−15−ケト−16モノまたはジフルオロ−20−エチル−プロスタグランジン化合物である請求項1記載の剤。 - プロスタグランジン化合物が、13,14−ジヒドロ−1
5−ケト−20−エチル−PGF2αイソプロピルエステル、13,14−ジヒ
ドロー18,19,20−トリノル−17−フェニル−PGF2αイソプロピルエステル、または2−デカルボキシ−2−(2−カルボキシエチル)−13,14−ジヒドロー15−ケト−16,16−ジフルオロ−20−エチル−PGE1イソプロピルエステルである、請求項1記載の剤。 - 視神経改善剤の剤型が点眼液である請求項1〜13いずれかに記載の剤。
- 視力低下の改善を目的とする請求項1〜13いずれかに記載の剤。
- 視野狭窄の改善を目的とする請求項1〜13いずれかに記載の剤。
- 網膜視細胞の保護を目的とする請求項1〜13いずれかに記載の剤。
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